2019年05月02日
- 1 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2016/07/01(金) 19:13:30 ID:1bfcR2jI0
- うにゅほと過ごす毎日を日記形式で綴っていきます
- ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
http://neargarden.web.fc2.com/

- 103 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:10:23 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月16日(火)
- 友人からskypeで満開の桜の写真が送られてきた。
- 「わ、きれい」
- 「長野県だって」
- 「ながの、もう、さくらさいてるんだねえ」
- 「散ってるところはもう散ってるけどな」
- 「おきなわとか?」
- 「九州以南はだいたい散ってそう」
- 「ほっかいどう、いつさくのかな」
- 「調べてみるか」
- 「うん」
- "桜前線"で検索し、それらしいページを開く。
- 「札幌は、26日に開花。5月1日に満開だって」
- 「れいわだ」
- 「令和だな」
- 「さくら、ことしもみにいこうね」
- 「ああ」
- 微笑みながら頷いて、開花予想日の一覧に目を戻す。
- 「やっぱ、稚内は遅いんだなあ。開花が5月12日だって」
- 「くしろのがおそいね」
- 「本当だ」
- 「わっかないのがきたなのに」
- 「東のほうが遅いのかもしれない」
- 「あー」
- 「逆に、沖縄は──」
- 沖縄地方の欄に視線を移し、絶句する。
- 「……一月に咲いて、二月に散ってる」
- 「はや!」
- 「梅とか、十二月のうちから咲いてるんじゃないだろうな……」
- 「さくらより、うめのが、まえだもんね」
- 「よく知ってるな」
- 「はなふだでおぼえた」
- うにゅほが小さく胸を張る。
- 「牡丹は?」
- 「ろくがつ」
- 「九月は?」
- 「きく」
- 「完璧だ」
- 「うへー」
- 「(弟)誘って花札するか」
- 「する!」
- そうして、久方振りにオイチョカブに興じる三人なのだった。
- 弟の一人勝ちだった。
- 104 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:11:00 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月17日(水)
- 右手で首筋をあおぎながら、思わず声を漏らす。
- 「──あっつ!」
- 「はちいねえ……」
- 「なんだ今日、夏か今日は」
- 見れば、温湿度計の表示も30℃近い。
- 「窓開けよう、窓。せめて風を入れよう」
- 「うん……」
- 「××、そこの窓開けて。俺は寝室側の窓開けてくるから」
- 「わかった」
- 手分けして窓を開けると、季節相応の涼しい風が──
- 「……入ってこないな」
- 「あつい」
- 「暑い上に風もないのか……」
- 「あつい……」
- 八方塞がりである。
- 「──…………」
- 「──……」
- じりじりと不快指数が上がっていく。
- ここまで暑いと、さすがにくっつく気も起きない。
- 「……俺たちには、三つの選択肢がある」
- 「せんたくし……」
- 「まず、自室を放棄して一階へ向かう。直射日光が入らなければ、いくらかましなはずだ」
- 「なるほど」
- 「ふたつ、このまま耐える」
- 「たえるの」
- 「頑張って耐える」
- 「あんましたえたくないねえ……」
- 「俺もそう思う」
- 「さいごは?」
- 「何らかの方法で、部屋を涼しくする」
- 「エアコン?」
- 「エアコンでもいいし、扇風機でもいい」
- 「せんぷうき、いいね」
- 「出すか」
- 「だそう!」
- ストーブの奥にある古びた扇風機を引っ張り出し、代わりにストーブを押し込める。
- 「スイッチオン!」
- 青い羽根が回転を始め、微風が髪をそよがせる。
- 「涼しい……」
- 「ふぶふぃー……」
- 気分はまさしく夏である。
- しばらく扇風機の前を離れられないふたりなのだった。
- 105 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:12:00 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月18日(木)
- いそいそと部屋の掃除に勤しむうにゅほの姿を眺めていて、ふと気づく。
- 頭頂部の髪が、一房、ハネている。
- 「××」
- 「はーい?」
- ダスキンモップを手にしたうにゅほが、こちらを振り返る。
- 「このへん、寝癖」
- 「ねぐせ……」
- うにゅほが姿見を覗き込み、
- 「ほんとだ」
- と、頭頂部の寝癖を左手で押さえた。
- 「珍しいな」
- 「あさ、とかしたのに」
- 「直すなら、代わりにモップかけとこうか」
- 「うと……」
- うにゅほが逡巡する。
- 「たまには本棚の上の方も掃除しないといけないしな」
- 「じゃあ、おねがいします」
- 「了解いたしました」
- モップを受け取り、立ち上がる。
- 宣言通り本棚をモップがけしていると、うにゅほがすぐさま戻ってきた。
- 「ありがとー」
- 見れば、寝癖の立っていたあたりが、しっとりと濡れている。
- 「水だけで直ったのか」
- 「うん」
- 「いいなあ……」
- うにゅほの髪の毛は、絹糸のように柔らかい。
- 針金のような俺の髪とは違うのだ。
- 「◯◯も、ねぐせ、なおしたほういいとおもう」
- 「どうにかしたいんだけどね……」
- 「なおらない?」
- 「もうすこし長さがないと、直す余地がない。どうしようもない」
- 「あー……」
- 「ある程度伸びるまでは、帽子で隠すしかないなあ……」
- 「ぼうず、もうしないの?」
- 「坊主はたしかに楽なんだけど、さすがに飽きた」
- 「そか」
- 早いところまともな髪型にしたいものだ。
-
- 106 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:13:05 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月19日(金)
- 「──あっ」
- ふと、唐突に思い出す。
- 「ドラえもんの映画!」
- 「!」
- 「今年、まだ観に行ってない……」
- 「わすれてた!」
- 「××も忘れてたのか」
- 「さいきん、テレビのドラえもんみてなくて……」
- 「見てればCMで思い出すもんな」
- 「うん」
- 「そっか、今年ももうそんな季節か……」
- 一年が、本当に早い。
- 加齢と共に更に加速していくと考えると、目が回りそうだ。
- 「いつみにいくの?」
- 「混み合う土日は避けて、平日の仕事の少ない日かな」
- 「ごーるでんうぃーくのまえ、いきたいね」
- 「あー……」
- ゴールデンウィークも近いのか。
- 「……ゴールデンウィーク中の映画館とか、考えたくもない」
- 「すーごいこんでそう」
- 「昔は、流行の映画だと、立ち見とかあったんだぞ」
- 「……えいが、たってみるの?」
- 「そう」
- 「にじかん?」
- 「長い映画だと、三時間」
- 「うひー……」
- うにゅほが、信じられないという顔をする。
- 「◯◯も、たちみしたの?」
- 「俺、昔から、混んでる映画館嫌いだったし」
- 「しなかったんだ」
- 「立ち見どころか満席も好きじゃない」
- 「そなの?」
- 「だって、隣に知らない人が二時間も座ってるんだぞ。嫌だろ」
- 「わかる……」
- 「平日に映画観に行ける仕事でよかったよ、ほんと」
- 「そだねえ」
- 今年は、「のび太の月面探査記」か。
- 楽しみだ。
- 107 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:14:37 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月20日(土)
- ふと思い立つ。
- 「カラオケ行くか」
- 「カラオケ?」
- 「行かない?」
- 「いく」
- 「よし」
- 「いくけど、いきなしだねえ……」
- 「そのうちカラオケ行こうって話はしてた気がする」
- 「したきーする」
- 「今日、"そのうち"が来たわけです」
- 「こないことあるもんね」
- 「すみません……」
- 「あ、ちがくて」
- うにゅほが慌てて首を振る。
- 「そういういみじゃなくて……」
- 「──…………」
- 「──……」
- しばしの沈黙ののち、
- 「……行くか!」
- 「いく!」
- とりあえず、テンションで誤魔化すことにした。
- 車で十分程度のカラオケボックスへ赴き、ワンオーダーの飲み物を待ちながら、デンモクで歌いたい曲を探す。
- 「◯◯、じゅぴたーうたうの?」
- 「最初にあれ歌わないと、声が出ないんだよな」
- 「わたし、なにうたおうかなあ……」
- 「米津玄師?」
- 「うたえるかな」
- 「音域は合ってそうだけど」
- 「……うたえなかったら、◯◯、うたってくれる?」
- 「曲による」
- 「えー」
- 「米津玄師は聴き込んでないから……」
- 「レモンは?」
- 「サビしか」
- 「うみとさんしょううお」
- 「聴けばわかるかも」
- 「アイネクライネ……」
- 「アイネクライネはわかるけど、声出るかな」
- 「でなくてもだいじょぶ」
- 「じゃあ、頑張る」
- ──二時間後、
- 「あ゙ー……」
- 「のど、かれたねえ」
- 「××はぜんぜん枯れてないな……」
- 「へいき」
- 声の出し方の問題だろう。
- 「あ、万代寄っていい? ジーンズ買いたい」
- 「いいよー」
- 「××も、春用の羽織るもの見繕おう」
- 「うん!」
- カラオケから古着屋へ。
- わりと真っ当なデートコースではあるまいか。
- ジーンズを一本と、うにゅほのアウターを一着購入し、ファミレスで夕食を取って帰宅した。
- 実に充実した一日だった。
- 108 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:16:19 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月21日(日)
- 「──…………」
- 「──……」
- デスクの上に、イヤホンがある。
- 右側の本体が、継ぎ目から真っ二つになっている。
- 「PHILIPSめ……」
- まさか、一ヶ月半でこうなるとは。
- 「かったばっかしなのに……」
- 「本当だよ」
- 「こうかんできないの?」
- 「……保証書、捨てちゃった」
- 「──…………」
- あ、呆れてる。
- 「ネット通販の返品交換って面倒で、つい……」
- 「あたらしいの、またかうの?」
- 「んー……」
- 銅線で辛うじて繋がっているイヤーピースを耳に挿入し、音楽ファイルを再生する。
- 「おと、なる?」
- 「音は鳴るみたい」
- 「みみ、すぐぬけそう……」
- 「しゃーない、瞬間接着剤でくっつけようか」
- 「おー!」
- うにゅほは、この手の作業を見るのが好きである。
- 「くっつくかな」
- 「プラスチックだし、問題なくくっつくだろ」
- 言いながら、引き出しから瞬間接着剤を取り出そうと──
- 「あれ」
- 「?」
- 「接着剤、ないぞ」
- 「あったきーするけど……」
- 「俺も、買った覚えはあるんだけど」
- だが、事実として、ない。
- 「せっちゃくざい、かいいく?」
- 「もう夜だしなあ」
- 「じゃあ、あした」
- 「明日にしましょう」
- 「そうしましょう」
- 結果として、何もしていない日記になってしまった。
- まあいいや。
- 109 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:17:02 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月22日(月)
- 近所のホームセンターで瞬間接着剤を購入し、帰宅後さっそくイヤホンを修繕する。
- 「くっついたかな」
- 「たぶん……」
- 「ひっぱっていい?」
- 「ダメ」
- 「だめかー……」
- 「完全に硬化しきったあとじゃないと」
- 「はがれたら、またくっつけないとだもんね」
- 「どのくらいで硬化するのかわからないけど、二、三時間は見ておきたい」
- 「しゅんかんなのに」
- 「余裕を持って、ですね」
- 「にさんじかんしたら、ひっぱっていい?」
- 「いいぞ」
- 「やた」
- 「それだけ待ってすぐ剥がれるようなら、強度に問題があるってことだもんな」
- 「うん。すぐこわれたら、いみない」
- 「ひとまず仕事しながら待つか」
- 「わたしも、そうじするね」
- 「お願いします」
- 「おねがいします」
- 互いに互いの仕事をこなしつつ、時間の経過を待つ。
- しばしして、
- 「くっついたかな」
- 「そろそろいいかも」
- 「ひっぱっていい?」
- 「全力はダメだぞ」
- 「しないよー」
- うにゅほが苦笑する。
- 「こわれてなくても、こわれちゃう……」
- 「××の腕力でも余裕だろうなあ」
- 「だから、ちょっとだけ──」
- うにゅほが、イヤホンの本体とイヤーピースを掴み、ぐ、と力を込める。
- 「あ、くっついてる!」
- 幾度か引っ張るが、大丈夫そうだ。
- 「こわれたの、ほかにない?」
- 「ちょっとないかな」
- 「そか……」
- 「次また壊れたら、××に頼もう」
- 「うん!」
- その笑顔のためだけに、またイヤホンを壊してもいいかなと思ってしまう俺なのだった。
- 110 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:18:29 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月23日(火)
- YouTubeで動画を見ながらペンダントヘッドをいじっていると、
- ──ブチッ!
- と、胸元で音がした。
- 「あ」
- ペンダントヘッドが床に落ち、コトリと音を立てる。
- チェーンが切れたのだ。
- 「?」
- 膝の上のうにゅほが、不思議そうに振り返る。
- 「なんか、おとした」
- 「チェーン切れた……」
- 「えっ」
- 首に引っ掛かっていたチェーンを外し、うにゅほに手渡す。
- 「ほんとだ……」
- 「……こんな急に切れるもんなんだな、チェーンって」
- 「えんぎわるいねえ……」
- 水晶石のペンダントヘッドを拾い上げ、シーリングライトに翳す。
- 「でも、切れたのが家でよかったよ。外だと、最悪、失くす可能性もあったんだし……」
- 「ほんとだね……」
- このペンダントヘッドは、何年か前の誕生日に、うにゅほがプレゼントしてくれたものである。
- 肌身離さず愛用し、もはや体の一部と言って良いくらいの品物だ。
- もし紛失したりすれば、一ヶ月は落ち込む自信がある。
- 「あたらしいチェーン、かわないと」
- 「いや、たしか予備が──」
- 引き出しを探る。
- 「あった!」
- ビニール製の小袋から取り出したチェーンは、
- 「……なんか、ふとい?」
- 「太いな……」
- いままで着けていたものより、ひとつひとつのコマが大きかった。
- チェーンにペンダントヘッドを通し、首の後ろで留める。
- 「どうかな。ごつくない?」
- 「ごつい」
- 「ごついかー……」
- 「でも、へんではない」
- 「そう?」
- 「チェーンふといほう、きれないとおもうし……」
- それはたしかに。
- 「まあ、ヘンじゃないなら、このままで行こうかな」
- 「うん」
- もしものときのために、予備のチェーンを注文しておこう。
- チェーンそのものは丈夫でも、留め具は壊れやすいのだし。
- 111 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:19:00 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月24日(水)
- 「あまぞんからなんかきたー」
- 「おー」
- うにゅほからメール便の包みを受け取る。
- 「まんが?」
- 「漫画」
- 「なんだろ」
- 「新刊とか適当に予約注文してるから、それかな」
- メール便を開封し、中身を取り出す。
- 「えーと、異世界おじさんの2巻と──」
- 「と?」
- 「異世界おじさんの2巻……」
- 「おなじの……」
- やってしまった。
- 「……Amazon側の発注ミス、じゃ、ないよなあ」
- 一縷の望みをかけて、Amazonの注文履歴を確認する。
- だが、
- 「はい、二回注文してました」
- 「やっぱし」
- 「本棚整理してから、やらかしてなかったんだけど……」
- 「にさつあるほん、けっこうある」
- 「あるな」
- 「みなみけじゅうさんかんとか」
- 「みなみけ14巻とか」
- 「あと、ゆるめいつごかんとか」
- 探せば十冊くらいはありそうだ。
- 「どうすっかなー。売りに行くのも面倒だし」
- 「あんましきにしなくていいとおもう」
- 「そうかな」
- 「おなじの、またかうとおもうし」
- 「──…………」
- ずうん。
- うにゅほの的確な指摘に、思わずうなだれる。
- 「あ、ちがくて!」
- 「……いや、違わない。たぶんまたやらかすから……」
- 「(弟)も、ワンパンマンのじゅうはちかん、にさつかってたし……」
- 「──…………」
- 「──……」
- 「……兄弟だなあ」
- 「ね」
- 予約注文をするときは、ちゃんと履歴を確認してからにしよう。
- 112 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:19:36 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月25日(木)
- 映画「ドラえもん のび太の月面探査記」を観に行ってきた。
- シネコンに足を踏み入れたとき、ふと違和感に気づく。
- 「──あれ、チケット売り場移動してる?」
- 「ほんとだ」
- 「カウンターがなくなって、券売機になってる……」
- 人件費削減だろうか。
- 二人分のチケットとポップコーンを購入し、シアタールームに入る。
- 「今年も貸し切りだな」
- 「うん!」
- 封切りから二ヶ月経った映画を、平日の午前中に観に来ているのだ。
- 当然と言えば当然である。
- 「……それにしてもでかいな、このポップコーン」
- 「でかい」
- 「去年も同じこと言ってた気がする」
- 「たべきれるかな……」
- 「大丈夫だろ」
- NO MORE 映画泥棒が放映されたあと、東宝のロゴマークが輝いた。
- 「始まるぞ」
- 「……うん」
- 既にスクリーンに見入っているうにゅほにならい、俺も映画に集中することにした。
- ──二時間後、
- 「おもしろかった!」
- 「面白かったなー」
- 去年の「のびたの宝島」のように泣ける作品ではないが、爽やかな視聴後感で、非常に満足の行く一作だった。
- 「ここ数年の大長編、ハズレないよな」
- 「◯◯とみにきたの、ぜんぶおもしろい」
- 「ほんとほんと」
- 「らいねん、のびたのなにかなあ」
- 「予告で、恐竜出てたな」
- 「でてた」
- 「……まさか、のび太の恐竜の再リメイクとかないよな」
- 「さんかいめ?」
- 「三回目」
- 「ないとおもう……」
- 「だよなあ」
- 最近の大長編は、リメイクよりオリジナル作品のほうが面白い。
- 来年もオリジナルだと良いのだが。
- 113 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:20:24 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月26日(金)
- 「──ひッ、ぷし!」
- 口を押さえる手が間に合わず、唾液が飛散する。
- 「うー……」
- 「◯◯、かぜっぽい?」
- 「鼻風邪かも」
- うにゅほにそう答え、鼻をかむ。
- 「きょう、さむいもんねえ……」
- 「ほんとな」
- 「わたし、あさ、さむくておきたもん」
- 「俺も……」
- 「なつぶとんにするの、はやかったかも……」
- 「そんなことないだろ。昨日までは暑いくらいだったんだし」
- 「そだけど」
- 「季節の変わり目だ、──ッきし!」
- 今度は右手が間に合った。
- ティッシュで手のひらを拭いながら、言葉を継ぐ。
- 「季節の変わり目だから、しゃーない。どうしようもない」
- 「そか……」
- 「寒いし、ストーブつけよう」
- そう告げたあと、気づく。
- 「……あー。灯油切れたんだった」
- 「エアコンにする?」
- 「そうだな」
- ぴ。
- エアコンの室内機が稼働し始める。
- 「あ、カバー」
- 「室外機のカバーなら、こないだ外しといた」
- 「さすが」
- 「もっと褒めてもいいぞ」
- 「えらい!」
- 「当然のことをしたまでですから」
- 「あ、くつしたはいたほういいとおもう」
- 「その言葉、そのままお返しします」
- 「わたしもはくから、◯◯もはこ」
- 「はーい」
- 「あと、ますくね」
- 「わかりました」
- 対処が早かったおかげか、鼻風邪程度で済みそうだ。
- せっかくのゴールデンウィーク、病床に伏したまま過ごすのは虚しすぎるものな。
- 114 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:21:04 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月27日(土)
- 父親に勧められ、久し振りにワインを飲んだ。
- 「──……ふー」
- たった一杯だけにも関わらず、脳内が甘く痺れている。
- すこしだけ頭が重い。
- まばたきの回数が増えた気がする。
- 端的に言えば、
- 「なんか、酔った……」
- 「はやい」
- 「毎日ワイン飲んでたときは、二杯飲んでも平気だったのに」
- 「さいきん、おさけ、のんでなかったもんね」
- 「弱くなったのかな」
- 「そうかも」
- 「あるいは、ダイエットで晩ごはん抜いたから」
- 「それかも……」
- 「××ー」
- 背中から覆いかぶさるようにして、うにゅほに抱き着く。
- 「はいはい」
- 「楢山節考」
- 「ならやま……?」
- 「姥捨山」
- 「?」
- うにゅほが小首をかしげる。
- 「……酔ってるな、俺」
- 「うん」
- 「膝枕してくれー」
- 「はいはい」
- のそのそとベッドへ向かい、うにゅほのふとももに頭を乗せる。
- 「はー……」
- ふにりとした肉の感触が、俺の意識を落ち着かせていく。
- 「ねる?」
- 「重いだろうし、悪いよ」
- 「さんじゅっぷんくらいなら、だいじょぶ」
- 「……なら、お願いしようかな」
- 「うん」
- 眼鏡を預け、目を閉じると、うにゅほの手のひらが目蓋を覆い隠した。
- 至れり尽くせりだ。
- そのまま十五分ほど休息すると、いつしか酔いは覚めていた。
- 二日酔いの心配はなさそうである。
- 115 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:21:41 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月28日(日)
- せっかくのゴールデンウィーク、寝て過ごすのもつまらない。
- そう思い立ち、洗面所で寝癖を整える。
- 「──…………」
- 整わない。
- まあ、帽子で隠せばいいや。
- 「××」
- 「はーい」
- 「特に用事とかないけど、出掛けない?」
- 「どこいくの?」
- 「考えてない」
- 「いくー」
- 「東西南北、どれがいい?」
- 「うーと、ひがし」
- 「日、出ずる方角だな」
- 「うん」
- 「じゃ、なんとなく東に行ってみるか」
- 「おー!」
- コンテカスタムに乗り込み、一路東へ。
- 「こっちのほう、なにあったっけ」
- 「最近行ってないけど、クレープ屋とか」
- 「いいね」
- 「寄ってく?」
- 「よってく」
- 久方ぶりのクレープ屋は、案の定混み合っていた。
- 二十分ほど待ち、塩キャラメルナッツクレープと、生チョコモンブランクレープを受け取る。
- 「おー……」
- 「相変わらず、こんもりしてるな」
- 五百円少々にも関わらず、とんでもないボリュームだ。
- 「たべきれるかな」
- 「前は食べ切れたんだから、大丈夫だろ」
- 「ふたくちあげるから、ひとくちちょうだいね」
- 「はいはい」
- 自信がないらしい。
- クレープを胃に収めたあとは、ゲームセンターをはしごしてチョコボールを稼ぎ、喫茶店で軽食をとって帰途についた。
- 遠回りして立ち寄った桜並木は、まだ満開とは言い難い様相だった。
- 「さくら、さいてるねえ」
- 「ここ数日寒いからか、まだ蕾のが多いな」
- 「うん」
- 「満開まで、あとすこしか」
- 「たのしみ」
- 満開は、5月1日前後だったろうか。
- 晴れることを祈る。
-
- 116 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:22:28 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月29日(月)
- ──カチカチカチカチカチカチカチカチッ
- 適当な動画を眺めながら、マウスの左ボタンをひたすら連打し続ける。
- 「?」
- クリック音が気になったのか、うにゅほがディスプレイを覗き込んだ。
- 「なにしてるの?」
- 「……ゲーム?」
- 「ゲーム……」
- うにゅほが小首をかしげる。
- 「ゲームってかんじ、あんましないねえ」
- 無理もない。
- 画面に表示されているのは、増え続ける数字とシンプルな図柄、そして四角いボタン程度のものなのだから。
- 「ジャンルとしては、クリッカーゲームってやつだな。放置ゲームとも言うけど」
- 「ほうちするの?」
- 「放置する」
- 「……ゲームなの?」
- 「ゲームなんだよ」
- 「……?」
- あ、うにゅほが混乱している。
- 「クリッカーゲームは、クリックから始まる。クリックすると、数字が1増える」
- 「クリックしてないのに、すーごいふえてる」
- 「クリックして得たポイントで、自動でポイントを獲得してくれるアイテムを買うんだ」
- 「アイテム……」
- 「ポイントを更に溜めると、高効率のアイテムが次々現れる。そうすると、ポイントが爆発的に増え始める」
- 「いまみたいに?」
- 「この程度じゃ済まない。もっと、もっと、インフレし始める。そのインフレを楽しむゲームかな」
- 「クリック、いみないきーする」
- 「意味はあるよ。いま、クリック一回でポイントが500増えるアイテム買ったから」
- 「いんふれしてる……」
- 「まあ、ずっとはクリックし続けられないから、最終的には放置することになるんだけど」
- 「だから、ほうちゲーム?」
- 「その通り」
- 「へえー」
- うにゅほが、うんうんと頷く。
- 「なにもしないゲームって、すごいねえ」
- 「たしかに……」
- それでいてゲームとして成立しているのだから、よく考えるととんでもない話だ。
- クリッカーゲームを考え出した人は、天才なのかもしれない。
-
- 117 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:22:55 ID:/Fn3QevI0
- 2019年4月30日(火)
- 「そーいや、今日、平成最後の日だな」
- 「!」
- うにゅほが、はっと振り返る。
- 「そうだ……」
- 「そうだぞ」
- 忘れていたらしい。
- 「どうしよう、どうしよう」
- わたわたと慌て始めたうにゅほに、素直な疑問をぶつける。
- 「なんで焦ってるの?」
- 「だって、へいせいおわっちゃう……」
- 「終わっちゃうな」
- 「れいわ、きちゃう」
- 「来ちゃうな」
- 「そうじとか、したほういいかなあ……」
- 「朝してただろ」
- 「おおそうじとか」
- 「あー」
- 理解する。
- 「××、大晦日の気分なんだろ」
- 「だって、へいせいおわっちゃうんだよ」
- 「うん」
- 「いちねん、いちねんしかないけど、へいせい、さんじゅうねんあったんだよ」
- 「……たしかに」
- あまり意識はしていなかったが、言われてみればすごいことだ。
- 「やりのこしたこと、ないかなあ」
- 「やり残したこと……」
- 「◯◯、ない?」
- しばし思案し、首を横に振る。
- 「思いつかない」
- 「えー……」
- 「そんな大仰に構える必要もないんじゃないか。平成だろうが令和だろうが、明日は来るんだから」
- 「そだけど」
- 「世界は、そんなに変わらないよ」
- 「そだけど……」
- どうにも落ち着かないらしい。
- 「なんか食べにでも行く?」
- 「いく!」
- 「平成最後の外食だな」
- 「なにたべいく?」
- 「一昨日は甘いもの食べたから、いつものステーキハウスとか」
- 「いいねー」
- 変わり映えはしないが、それでいい。
- 日々は続いていくのだから。
-
- 118 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/05/02(木) 01:23:54 ID:/Fn3QevI0
- 以上、七年五ヶ月め 後半でした
- 引き続き、うにゅほとの生活をお楽しみください
コメント一覧
1 Name 名無しさん 2019年05月02日 19:54 ID:u5.xoXkP0
これ令和も続くんか…
2 Name 名無しさん 2019年05月02日 20:00 ID:G2ztVmhZ0
永遠に続くよ
3 Name 名無しさん 2019年05月02日 20:16 ID:nHj8G6O40
作者4ね
4 Name 名無しさん 2019年05月02日 20:56 ID:G6xtRBXk0
本当にいらない
5 Name 名無しさん 2019年05月02日 21:09 ID:lKfUvifj0
祝新元号! 願わくば次の元号まで続いてほしいね
6 Name 名無しさん 2019年05月02日 22:44 ID:ziv9chIp0
忘れた頃にまとめられて思い出す
7 Name 名無しさん 2019年05月03日 01:11 ID:hENhuduv0
きたきたきたああああああ!!!!
コメント欄のみ読みに来る定期
コメント欄のみ読みに来る定期
8 Name 名無しさん 2019年05月03日 09:39 ID:Kb.SFPva0
うんこしたくなってきたぞ
9 Name 名無しさん 2019年05月03日 12:38 ID:rYXh3aKh0
いつ見ても狂気しか感じないねぇ…
10 Name 名無しさん 2019年05月03日 12:44 ID:zpSAw.lX0
10年続くに魔理ちゃんの初めてを賭けるぜ
11 Name 名無しさん 2019年05月03日 14:20 ID:Twery.hD0
このスレふたばで見たことないけど
ここで管理人が書いてるの?
ここで管理人が書いてるの?
12 Name 名無しさん 2019年05月04日 13:25 ID:.bUKB4JX0
コメ欄だけ見に来た定期
13 Name 名無しさん 2019年05月05日 00:58 ID:Qe6xGoaV0
>>1
令和が終わっても続いてそう...
令和が終わっても続いてそう...
14 Name 名無しさん 2019年05月05日 05:59 ID:8dYOIl.p0
保管庫があるならここでまとめる必要ないじゃん…
そんなにみんなに見てもらいたいほどの作品なのか?
昔からの付き合いで仕方なく…なのか?
そんなにみんなに見てもらいたいほどの作品なのか?
昔からの付き合いで仕方なく…なのか?
15 Name 名無しさん 2019年05月05日 21:50 ID:nBYYPPhe0
平成に封印しろ
16 Name 名無しさん 2019年05月07日 12:07 ID:I9q.Wza90
よつばと!からよつばと!を引いて山盛りの気持ち悪さと
謎のオリキャラ「うにゅほちゃん」を添加したうんこ
謎のオリキャラ「うにゅほちゃん」を添加したうんこ



































































































