2026年04月17日
- 1 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2016/07/01(金) 19:13:30 ID:1bfcR2jI0
- うにゅほと過ごす毎日を日記形式で綴っていきます
- ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
http://neargarden.web.fc2.com/

- 828 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:28:29 ID:Unaotugo0
- 2026年4月1日(水)
- 「××、散歩行こうか」
- 「いく!」
- 身支度を整え、玄関を出る。
- 気温も、天気も、風速も、ちょうどいい。
- 「さんぽびよりだねー」
- 「まったくだ」
- 「きょう、しょうがっこういくの?」
- 「そのつもり」
- 「さんきろこーす、だね」
- 「まあ、そのくらいは歩けるだろ」
- かつての通学路を、うにゅほと歩く。
- 「この家、友達住んでたな……」
- 「いまもすんでるかも」
- 「仮に住んでても、わからんだろうな。顔も名前も」
- 「なまえ、おぼえてないの?」
- 「覚えてない」
- 「そか……」
- 雑談と共に、1.5kmはあっと言う間に過ぎる。
- 「ほら、ここが俺の母校だよ」
- 「ここ、かよってたんだ」
- 「あんまり覚えてないけどな」
- 「そなんだ……」
- とは言え、入るわけにもいかない。
- 小学校を遠巻きに見て、ルートを変える。
- 「じゃ、帰るか」
- 「うん」
- 帰り道、変なものを見つけた。
- 電柱の足元にくくりつけられた350mlの小さなペットボトルだ。
- 「……これ、なんでしばってるんだろ」
- 「わからん。まさか、猫避けじゃないよな……」
- 「ちいさいよ」
- 「あと、なんかお茶っぽいの入ってるけど」
- 「……おしっこだったりする?」
- 「想像したくない……」
- 街中の違和感に気付くのも散歩の醍醐味だ。
- 3km、案外普通に歩けるな。
- 829 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:28:47 ID:Unaotugo0
- 2026年4月2日(木)
- 「◯◯、きょうもさんぽいく?」
- 「行く行く」
- 身支度を整え、外に出る。
- 風が強かった。
- 「……すこし寒いかもなあ」
- 「そかな」
- 「××は気にならない?」
- 「うん」
- 「そっか。まあ、歩けば温まるしな」
- うにゅほとふたり、並んで歩き出す。
- 「きょうのるーと、どうする?」
- 「今日はサイクリングロードかな。今のうちに歩いておかないと、すぐに歩けなくなるから」
- 「そだね……」
- すぐに草が生え、虫が飛び始める。
- そうすれば、とても歩けたものではなくなる。
- 「……やっぱ、すこし寒いな」
- 「うん。すこし……」
- サイクリングロードは、周囲に建物のない、だだっ広い草むらだ。
- 風を遮るものがない。
- 「どうする? 途中で引き返す?」
- 「うーん」
- 途中で引き返すルートは2km、フルで歩けば4kmとなる。
- 「おととい、にきろ。きのう、さんきろ。きょう、よんきろあるいたら、きれいだね」
- 「その流れだと、明日は5km歩かなきゃならなくなるだろ」
- 「うへー」
- 「……まあ、フルで行くか」
- 「うん」
- 連日歩いているから、すこしだけ足が痛い。
- 「××は、足とか痛くないのか?」
- 「すこし、かなあ」
- 「靴擦れは?」
- 「くつずれも、ないよ」
- 「ならよし」
- 「◯◯、あしいたいの?」
- 「大したことはないけどな」
- 「むりしないでね」
- 「しないしない。俺は自分に甘いからな」
- 「わりとむりするけど……」
- 「……まあ、うん」
- 否定できない。
- 4km歩き通し、満足感と共に帰宅した。
- 明日は3km程度で済ませよう。
- 5km歩くと今後が怖い。
- 830 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:29:04 ID:Unaotugo0
- 2026年4月3日(金)
- 今日の散歩ルートは、昨日と同じサイクリングロードだった。
- 「はれたねー」
- 「晴れてて気持ちいいけど、眩しいな……」
- 「わかる」
- 「まあ、折り返しまで我慢するか」
- 何故か異様に目つきの悪いふたりが誕生した。
- 誰ともすれ違わなくてよかった。
- だが、
- 「わ、むし!」
- うにゅほが、顔の前で、ぱたぱたと手を振る。
- 「晴れたから出てきたんだな、これ……」
- 「やだもー!」
- 「サイクリングロード、早くも歩けなくなったな」
- 「うん……」
- 「帰ったら、髪に櫛通してあげよう」
- 「むし、からんでる?」
- 「わからんけど」
- 「うー」
- せっかく気分良く歩いていたのに、台無しである。
- 「明日以降のルート、帰ったら決めないとな」
- 「さいしょの、にきろのるーと、ちょっとみじかくかんじるもんね」
- 「普通に4km歩いてるからなあ……」
- 歩かないよりはましだが、すこし物足りない。
- 「しょうがっこう、またいく?」
- 「何度も行く場所じゃないな。下校時刻に巻き込まれたら、歩きにくいし」
- 「あー」
- 「車通りが少なくて、安全寄りで、歩いてて気持ちのいいルート。長さは3kmから4km程度、か。難しいな」
- 「さいくりんぐろーど、よかったのにね……」
- 「虫さえいなければ」
- 「むしさえ!」
- 困ったものだ。
- 帰宅し、うにゅほの髪を櫛で梳かすと、羽虫が一匹出てきた。
- うにゅほには言わず、こっそり処理した。
- 831 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:29:23 ID:Unaotugo0
- 2026年4月4日(土)
- あらかじめ4km弱のルートを決め、その通りに散歩をしてきた。
- 「××、ほら」
- アパートの窓に貼られていた奇妙な紙を指し示す。
- 「しゅうぼ、もの、きょにゅう……」
- 「入居者募集、だな」
- 「あー」
- 「なんでこんなミスが起きて、かつ直されてないのか、はなはだ疑問ではあるが」
- しばらく進むと、ドブ川沿いに出た。
- 「……臭いな」
- 「くさいー……」
- 木々も多いし、きっと虫も出るだろう。
- 良いルートなのだが──と、そこまで考えて気が付いた。
- 「向こう側の歩道歩けばいいじゃん」
- 「あ」
- 「並木も多くはないし、向こうには川ないし」
- 「そのはっそうは、なかった」
- 「明日、向こう側通ってみようか」
- 「うん」
- しばらく歩き、気が付いた。
- 「電話ボックスがある……」
- 「わ」
- 誇張抜きで何百回も往復した道だ。
- それなのに、知らなかった。
- 「絶滅してなかったんだな」
- 「わたし、はじめてみたかも」
- 「俺も相当見てないよ。二十年くらい見てないかも」
- たかだか散歩と言っても、奥が深い。
- 飽きるまでは頑張って続けてみようと思うのだった。
- 832 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:29:42 ID:Unaotugo0
- 2026年4月5日(日)
- 4kmほどの散歩から帰ってくると、荷物が届いていた。
- 「なんだ、これ」
- 「?」
- ダンボール箱を持つ。
- 異様に軽い。
- 「あ、わかった」
- 「なにー?」
- 「草村ぬいだ」
- 「あ!」
- うにゅほが、うんうんと頷く。
- 「ねっとのくれーんで、とったやつだ」
- 「そうそう」
- 箱を抱え、自室に戻る。
- 開封すると、思った通り、VTuber草村しげみのぬいぐるみが出てきた。
- 「お、いいサイズ」
- 「かわいい」
- 「どこに飾るかなー……」
- 自室を見渡す。
- ぬいぐるみ用の棚はあるのだが、ほとんど埋まってしまっていた。
- 「箪笥の上でいいか」
- 「いいとおもう」
- 「ゆっくり霊夢と魔理沙で挟む?」
- 「えー……」
- 「挟まないでおこう」
- 「うん」
- 箪笥の上には、カピバラさんの巨大なぬいぐるみがある。
- 隣に置こうとして、ふと考え込む。
- そして、カピバラさんの上に座らせてみた。
- 「どうだ」
- 「かわいいけど……」
- 「ダメか」
- 「ちがうせかいのじゅうにんだから」
- 「そういうの気にするんだな……」
- 意外だ。
- 「まあ、普通に飾りましょうか」
- 「うん」
- 限定景品だろうから、取れてよかった。
- 五千円くらいかかったけど。
- 833 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:30:03 ID:Unaotugo0
- 2026年4月6日(月)
- 散歩が毎日続いている。
- 今日も4kmほど歩き、健康的な気分で帰宅した。
- 「だいたい一時間くらいか……」
- 「あるいたねー」
- 「人間の歩く速度って、やっぱ、時速4kmくらいなんだな」
- 「あ、きいたことある」
- 「で、歩数は──」
- iPhoneで確認する。
- 「6,200歩か」
- うにゅほも、自分のiPhoneを取り出した。
- 「わたし、ななせんぽあるいてる」
- 「歩幅の違いかな」
- 「そうかも」
- 俺とうにゅほは、身長に25cmほども差がある。
- それだけ違えば、歩幅も変わるだろう。
- 「しっかし、一日一万歩歩いてる人たちはすごいな……」
- 「わかる」
- 「出勤通学とかで稼ぐんだろうか」
- 「わたしたち、いしきしないと、いえからでないからね……」
- 「すぐ車使うしな」
- 「うん」
- 自室でのんびりしていると、うにゅほが階下から面白いものを持ってきた。
- 「◯◯、これあった!」
- うにゅほが手にしていたのは、NOPEだ。
- 最近発売したばかりのギルティ炭酸飲料である。
- 「誰が買ってきたんだ……」
- 「わかんないけど、にほんあった。いっぽんもってきた」
- 「よし、飲んでみるか」
- 「うん!」
- うにゅほがNOPEを開封し、恐る恐るひとくち飲む。
- 「……あま!」
- 「そんなに」
- 「のんでみて、のんでみて」
- 「ああ」
- 飲んでみた。
- 華やかな風味のあとに残るのは、強烈な──
- 「甘ッ!」
- 「ね!」
- 「これは甘い……」
- でも、甘みが麻痺してくると、不思議と悪くないように思えてくる。
- ふたりで飲み干したあとに、気が付いた。
- 600mlあたり336kcalもあるということに。
- 半分ずつとは言え、散歩ぶんの消費カロリーが飛んでいった。
- 味は嫌いではないが、もう飲めないな……。
- 834 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:30:33 ID:Unaotugo0
- 2026年4月7日(火)
- 雨が降っていた。
- 「さんぽ、いけないねー……」
- 「今日は足を休めましょう」
- 「はーい」
- 「ただ、出掛けはしようかな」
- 「どこいくの?」
- 「散髪」
- 「あー」
- うにゅほが、うんうんと頷く。
- 「◯◯、かみ、すーごいながい」
- 「たぶん、三ヶ月くらい切ってない。日記を見る感じ」
- 「きょねん?」
- 「去年っすね……」
- 「それはのびる」
- 「と言うことで、俺は髪切りに行ってくるけど」
- 「わたしもいくよ?」
- 「暇だろうに……」
- 「◯◯のいくとこ、わたしもいくから」
- 強い意志を感じる。
- 仕方がない。
- 愛車を駆り、いつも通っているスーパーマーケット内のカットハウスへ向かう。
- 幸いにも、客はひとりもいなかった。
- 「××。ホームセンターのほうで、足の爪用の爪切り探してみてくれるか」
- 「いいよ!」
- うにゅほの暇潰しのためにおつかいクエストを発注し、俺はカットハウスに入った。
- 十五分後、散髪を終えてブースを出ると、うにゅほが俺を待っていた。
- 「さっぱり」
- 「切った髪の量、××に見せたかったよ」
- 「みたかったー……」
- 「それ、爪切り?」
- 「うん」
- うにゅほが、テープの貼られたケースを俺に手渡す。
- 「関孫六……」
- 関孫六って、足の爪用の爪切りなんて出してたんだ。
- 「わたし、こんなおっきいつめきり、はじめてみた」
- 「俺も……」
- 「あしのつめのびたら、これできってあげるね」
- 「こちらこそ」
- 「うん」
- これ、普通の爪切りとしても使えるのだろうか。
- 今度試してみよう。
- 835 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:30:53 ID:Unaotugo0
- 2026年4月8日(水)
- 今日は、散歩のルートをすこし変えてみた。
- 「こっち、いえすくなくて、いいね!」
- 「軽く田舎感出るよな」
- 「でるでる」
- 天気は良いが、風が強い。
- すこしだけ寒さを感じながら、俺たちはのんびり散歩を楽しんでいた。
- 「今日は、手稲山がよく見えるな」
- 「うん、きれい」
- 「富士山って、どんだけでかいんだろうな……」
- 「ふじさんって、どのくらい?」
- 「三千メートル以上だったと思うけど」
- 「ていねやまは?」
- 「千メートルくらいじゃないかな」
- 「じゃあ──」
- うにゅほが足を止め、手稲山を指で測る。
- 「うえに、さんばい」
- 俺も、うにゅほの隣に立ち、富士山の高さを想像してみた。
- 「……でっか!」
- 「おっきいね……!」
- 「そりゃ、神聖なもの扱いされるわ」
- iPhoneを取り出し、ChatGPTに富士山の高さを尋ねる。
- 「──えっ、3,776mもあるのか」
- 「よんばい!」
- 「待って、手稲山も調べる」
- 調べた。
- 「1,023mだから、やっぱ四倍弱だ」
- 「すげー……」
- 「この距離に富士山あったら、見上げるんだ……」
- 富士山。
- さほど興味はなかったが、身近なものと比較すると、その巨大さがよくわかる。
- 「えべれすとは?」
- 「ちょい待ち」
- 調べた。
- 「8,849m……」
- 「くびいたくなっちゃう」
- 「だな……」
- 山は、すごい。
- そして、一生登る気が起きないのだった。
- 836 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:31:16 ID:Unaotugo0
- 2026年4月9日(木)
- 今日も、ふたりで散歩をした。
- 「向こうの、大きな公園のほう行ってみないか?」
- 「ずっとまえ、じてんしゃでいったとこ?」
- 「そうそう」
- 「いこう、いこう」
- 風は強いが、天気は悪くない。
- ずんずん歩いていく。
- 「おもったより、とおいね」
- 「車だと、すぐなんだけどな……」
- うにゅほがアップルウォッチを確認する。
- 「もう、にきろあるいてる」
- 「……2km歩いて着かないのか」
- 「さいしょのさんぽ、にきろだったのにね」
- 「そうだなあ」
- どんどん距離が伸びている。
- 大きめの公園へと辿り着き、のどかな自然の中を歩く。
- 芝生の上で遊んでいる子供たちがいたり、犬の散歩をする人々がいたり、なかなか気持ちがいい。
- 「あるくのたのしいね。とおいけど」
- 「道は怖いんだよな。車が通るから……」
- 「そだねー……」
- 公園を通り抜け、ようやく帰宅の途につく。
- 「ごきろあるいてる……」
- 「マジか」
- 「あし、つかれてきたかも」
- 公園から家まで、およそ3kmはある。
- うにゅほは耐えられるだろうか。
- 「つらくなったら言えよ。父さんか母さんに迎えに来てもらおう」
- 「うん……」
- 「おんぶして帰れたらカッコいいんだけどな」
- 「むりしないで」
- 「しないって」
- いくら軽いとは言え、うにゅほを負ぶって3km歩くのは、普通にきつい。
- なんとか帰宅して歩数を確認すると、
- 「うわ、11,520歩だって」
- 「いちまんぽ!」
- 「××は?」
- 「うーと」
- うにゅほがiPhoneを取り出す。
- 「いちまん、さんぜん、ななひゃく、さんじゅう、にほ」
- 「すごいな」
- 「さ、こんなにでるんだ」
- 「身長差って馬鹿にならないな……」
- 「うん……」
- 一日一万歩、なかなか大変だ。
- これを毎日こなしている人たち、尊敬してしまいそうだ。
- 837 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:31:32 ID:Unaotugo0
- 2026年4月10日(金)
- うにゅほが窓に貼り付いていた。
- 「あめだー……」
- 「今日は、散歩できないな」
- 「うん。でも、よかったかも」
- 「なんで?」
- 「あし、だるいから……」
- 「昨日、8km歩いたもんなあ……」
- 「うん」
- 「明日は短く済まそうか。そうじゃないと、そのうち10kmとか歩き始める」
- 「そだね……」
- 「でも、新しいルートの開拓とか、楽しいんだよな」
- 「わかるー。たのしい」
- 「大きい公園、歩くのにはよかったよな。また行きたいわ」
- 「でも、とおい……」
- 「車で行くのもアリじゃないか?」
- 「あ、いいかも。くるまでいって、さんぽして、くるまでかえる」
- 「悪くないな」
- 「でも、こんどは、みじかすぎるかも……」
- 「それもあるか」
- そんな会話を交わしながら、最近の自分を鑑みる。
- 「最近、健康的だよなあ」
- 「そだね!」
- 「散歩してるし、軽くだけど筋トレしてるし、サプリも飲んでるし」
- 「けんこうになっちゃう」
- 「なっちゃいたいな……」
- 「けんこうしんだんも、いかないと」
- 「そうだ、それもあった」
- 「びょうき、こわいから……」
- 「本当にな」
- つくづくそう思う。
- 「あと、桜が満開になったら、お花見しに行かないと」
- 「そだ、そだ。ことしも、たのしみだね」
- 「ああ」
- あと何度、桜を見られるのだろう。
- うにゅほのためにも、なるべく長く生きたいけれど。
- 838 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:31:49 ID:Unaotugo0
- 2026年4月11日(土)
- 今日も今日とて散歩に明け暮れていた。
- うにゅほが、ふと足を止める。
- 「ね、ね、◯◯」
- 「どした?」
- 「これなに?」
- うにゅほが足元を指差す。
- そこには、縁石に紛れて、正方形のプレートがあった。
- 矢印の中に、俺たちの住む市の名前が書かれている。
- 「あー、たまに見るなあ」
- 「なんだろ」
- 「調べてみるか」
- 「しらべられるの?」
- 「たぶん」
- プレートを写真に収め、ChatGPTに投げる。
- 「へえー……」
- 「わかった?」
- 「境界標とか埋設物標っていって、目印らしい」
- 「めじるし」
- 「上下水道とかガスの埋設管の位置表示、行政区域や管理境界の目印、工事時の参照ポイントって書いてる」
- 「なるほど……」
- うにゅほが、うんうんと頷く。
- 「ちゃっぴー、すごいね」
- 「写真送ったら、ちゃんと認識して教えてくれるんだからな」
- 「すごい」
- 「わからないものがあったら、写真に撮ろう」
- 「なにまでわかるのかなあ……」
- 「××の写真、送る?」
- 「え、わたしのなまえ、わかるの?」
- 「わからんわからん」
- 「びっくしした……」
- 「可愛いって返ってくるかも」
- 「……もー」
- 軽く蹴られる。
- 照れ隠しだ。
- 「まあ、実際には送らないけどな。個人情報だし」
- 「たしかに」
- 「英語わからないときとか、便利だろうな……」
- 「えいごみつけたら、しゃしんとろ」
- 「ああ」
- だが、住宅街で英文は、なかなか見当たらないのだった。
- 839 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:32:06 ID:Unaotugo0
- 2026年4月12日(日)
- 散歩に出掛けようとして、玄関を出たときのことだった。
- 「──風強ッ! 寒ッ!」
- うにゅほが、俺の背中から顔を出す。
- 「わ!」
- 「これ無理だ、戻ろう」
- 「そだね……」
- 継続のコツは、無理をしないことだ。
- 散歩は体にいいし、できる限り続けたい。
- だからこそ、ここで撤退するのだ。
- 自室に戻り、伸びをする。
- 「なんか、体動かしたいな……」
- 「きんとれする?」
- 「するかー……」
- 強度こそ高くはないものの、いちおう筋トレも行っている。
- 夜にする予定だった筋トレをこなしながら、俺はうにゅほに尋ねた。
- 「××は筋トレしないのか?」
- 「しないー」
- 「しないんだ」
- 「むきむき、なりたくないし……」
- 「ならないって」
- 「ならないとは、おもうけど」
- 「世のムキムキたちが、どれだけ頑張ってムキムキになったか……」
- 「それはそうだけど」
- 「ほら、一緒に壁腕立て伏せやろうぜ」
- 「わかった……」
- 床ではなく、本棚を支えに腕立て伏せを行う。
- 「──十八、十九、二十!」
- 「にじゅう!」
- 「はい、終わり」
- 「あれ、かんたん……」
- 「そりゃ、壁腕立て伏せだし。本棚から離れれば離れるほど、強度も上がるぞ」
- 「どのくらい?」
- 「斜めになるくらい」
- 「ななめに……」
- うにゅほが、本棚から一メートル以上離れる。
- 「……なんかこわい」
- 「大丈夫だって。倒れそうになったら支えてやるから」
- 「うん……」
- 本棚に向かって、恐る恐る手を伸ばし──
- 「──…………」
- 「──……」
- 「こわい」
- 「そっか……」
- 思いきりの悪いうにゅほだった。
- 840 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:32:25 ID:Unaotugo0
- 2026年4月13日(月)
- アレクサに天気を尋ねると、曇り時々雨、とのことだった。
- 「うーん……」
- 「さんぽ、やめたほういいねえ」
- 「そうだな」
- 「あしたははれだし、あしたいこうね」
- 「ああ……」
- うにゅほが小首をかしげる。
- 「どしたの?」
- 「行かない日が挟まると、習慣が途切れそうで嫌なんだよな……」
- 「あー」
- うんうんと頷く。
- 「せっかく、けんこうてきなのにね」
- 「そうなんだよ。散歩は長く続けたいのに」
- 「◯◯、こしおもいけど、きどうにのったらながい」
- 「散歩も軌道に乗りかけてるから、本当は今日も行きたかった」
- 「でも、てんきわるくていけないのなんて、このさき、なんどもあるよ」
- 「……それはそうだ」
- 「だから、いけないのにも、なれないとね」
- うにゅほの言う通りだった。
- 一週間ほども天気が愚図つくことだって、普通にある。
- むしろ、二日で済んでよかったと考えるべきだ。
- 「──よし、切り替え完了。ありがとうな、××」
- 「どういたしまして」
- 「明日はどこ歩こうかな……」
- 「さいしょ、きめてるけど、きゅうにかえるのたのしいね」
- 「赤信号で急に曲がるとかな」
- 「さんぽの、だいごみ」
- 「サイクリングロード、虫が出てくれてよかったかもな。毎日ずっと同じルートだと、さすがに飽きる」
- 「だから、いままで、つづかなかったのかも……」
- 「そうかもしれない」
- だんだん義務感が出てくるんだよな。
- 「あした、なんきろあるくかな……」
- 「まあ、4kmとか5kmに収めたいところだけど」
- 「はちきろ、やめようね」
- 「そうだな……」
- 適度に適度に。
- それも、長く続けるコツである。
- 841 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:32:43 ID:Unaotugo0
- 2026年4月14日(火)
- 快晴である。
- 「よし、散歩行くか!」
- 「うん!」
- 意気揚々と玄関を出て、手を繋ぎながら歩き出す。
- 「なんきろあるく?」
- 「まあ、5kmくらいかな……」
- 「そだね」
- 「歩いたことない道、歩こうぜ」
- 「いこう、いこう」
- 見晴らしの良い田舎道を歩いていくと、青看板に港の名前が現れた。
- 「港……」
- 「うみ?」
- 「海、歩いて行けるのかな」
- 「……いってみる?」
- 「さすがに遠いと思うけど」
- 「てんきもいいし」
- うにゅほはノリノリだ。
- 「なら、途中まで行ってみようぜ。無理そうだったら進路を変えよう」
- 「うん」
- 青看板に従い、歩き続ける。
- 誰もいない歩道を行きながら、俺は、iPhoneでマップを開いた。
- 「……海、かなり遠そうだなあ」
- 「むりかなあ」
- 「だいぶきついと思う」
- 「そか……」
- 「まあ、今回はやめとこう」
- 「うん」
- などと言いつつ、かなり遠くまで来てしまっていた。
- 帰り道の途中、うにゅほが嘆く。
- 「じゅっきろあるいてる……」
- 「歩いてるな……」
- 「いえ、まだとおい……」
- 「遠いな……」
- 「まちがえたー……」
- 「頑張ろう。帰ったら、足揉んでやるから」
- 「うん……」
- 二時間半以上かけてようやく帰宅し、アップルウォッチを見ると、12km歩いていた。
- 「つーかーれーたー……」
- 「風呂だ風呂!」
- 「うん……」
- 入浴を済ませ、足を揉み、湿布を貼ったあと、キョリ測というサイトで海までの距離を計測してみた。
- 「……××、引き返して正解だ。海まで9kmある」
- 「いって、かえったら……」
- 「18km」
- 「ひい」
- 「明日は、ほんと、5kmくらいにしような……」
- 「うん……」
- 明らかに歩きすぎである。
- 足が痛かったら、休むのもありだな。
- 842 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:33:01 ID:Unaotugo0
- 2026年4月15日(水)
- だるい。
- だるかった。
- 「◯◯、からだいたいー……」
- 「俺も……」
- 運動不足の身であるにも関わらず、いきなり12kmも歩いたのだ。
- むしろ、こうなるほうが自然である。
- 「……さんぽ、なしでいい?」
- 「そうだな。俺も、今日はきついわ」
- 「うん……」
- 「今日は休んで、明日また歩こう。んで、明日はマジで短めにしよう」
- 「よんきろとか……」
- 「4kmとか」
- 基準がおかしくなっている気もしたが、まあいい。
- 「動画でも見るかー……」
- 「みる」
- うにゅほを膝に乗せ、いつものようにYouTubeを開く。
- 百円ショップの商品に印刷されている英語がおかしい、という動画を見ながら、うにゅほがこちらを振り返った。
- 「ね、◯◯」
- 「ん?」
- 「◯◯のうわぎ、えいごかいてたよね」
- 「あー」
- 黒地のウィンドブレーカーなのだが、淡い金色の文字が印刷されているのだ。
- 「あれも、おもしろいのかな」
- 「読んでみるか」
- 「うん!」
- うにゅほが膝から下り、クローゼットから俺のウィンドブレーカーを持ち出してくる。
- 「なんてかいてる?」
- 「えーと、"NICE TO MEET YOU"……」
- 「ふふっ」
- 「ダサッ!」
- 「これは、ふふ、ださい……」
- 「こんなこと書いてたのかよ、このウィンドブレーカー……」
- 「ね、ね、ほかには?」
- 「そうだな……」
- そこで、俺は、衝撃的な一文を見つけてしまった。
- 「……"The most fashionable"」
- 「ぶふっ」
- 「着たくなくなってきた……」
- 「じぶんで、ふふ、じぶんで……!」
- 「誰だよデザインしたの!」
- 調べなければよかった。
- 着やすいからまだ着るけど、英語が堪能な人とはすれ違いたくないのだった。
- 843 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/04/16(木) 01:33:50 ID:Unaotugo0
- 以上、十四年五ヶ月め 前半でした
- 引き続き、後半をお楽しみください
コメント一覧
1 Name 名無しさん 2026年04月17日 19:12 ID:XdwwicvM0
管理人の家族を解放しろ
2 Name 名無しさん 2026年04月17日 20:05 ID:ahccli5Y0
>>1
ガィジは同じことしか言えない
ガィジは同じことしか言えない
3 Name 名無しさん 2026年04月18日 01:52 ID:2IdQFOWU0
書いてるのが管理人の可能性はないのか?
4 Name 名無しさん 2026年04月18日 08:26 ID:LlQbrP9v0
>>3
※1の事を言ってるなら、そいつはタダのハッタショやろ
奴らの特徴に同じ事を何度も言う・一つの物事に強くこだわるっていうのがある
多分、本人は面白い事書いてるつもり
もし本当に管理人が書いてるんだとしても、こんなゴミ記事まとめてるヒマあったら仕事しろから、こんなゴミ記事書いてるヒマあったら仕事しろになるだけだな
そのくらい、荒れるスレが多い
※1の事を言ってるなら、そいつはタダのハッタショやろ
奴らの特徴に同じ事を何度も言う・一つの物事に強くこだわるっていうのがある
多分、本人は面白い事書いてるつもり
もし本当に管理人が書いてるんだとしても、こんなゴミ記事まとめてるヒマあったら仕事しろから、こんなゴミ記事書いてるヒマあったら仕事しろになるだけだな
そのくらい、荒れるスレが多い
5 Name 名無しさん 2026年04月18日 09:31 ID:oK9F6RKS0
種子島で中3のケイコを犯して中出しした日高(高1)を許すな!!!
日高が中出しした瞬間、ケイコが「いやぁっ!」と叫んだから、相当量の精液を中に放出したと思われる!
それなのに、事後「ボクのせいじゃないからね!」と宣ったクソ日高!!!
その後、ケイコは同級生の彼氏と中出しセックスして、妊娠偽装をした模様!!!
日高が中出しした瞬間、ケイコが「いやぁっ!」と叫んだから、相当量の精液を中に放出したと思われる!
それなのに、事後「ボクのせいじゃないからね!」と宣ったクソ日高!!!
その後、ケイコは同級生の彼氏と中出しセックスして、妊娠偽装をした模様!!!
6 Name 名無しさん 2026年04月18日 09:32 ID:oK9F6RKS0
オマンコが臭い。
それは、皆が日々、想っている事で、あろうが!黒岩!!!
何と!黒岩が全国ツアー!その名も…
「全国のオマンコが臭い女性ば救う、黒岩クンニツアー」開催さる!!!
さぁ、意気揚々とボロプリウスば乗って全国ば回ろうとする黒岩!全国のオマンコば舐めて廻ってピリジンが、黒岩の喉ば、襲う!?
いや!そげなこつは無いノデス何故なら、黒岩はバンテリン、いや違う!モンダミンば持ってるから!?
「アナタのオマンコば綺麗にします」
っち看板ば、掲げ、女性客ば待つ黒岩!然し乍ら、思いの外ババアしか来ないので、もう、良か!っち、櫓に帰ったとです。
この、裏切り者!!!
それは、皆が日々、想っている事で、あろうが!黒岩!!!
何と!黒岩が全国ツアー!その名も…
「全国のオマンコが臭い女性ば救う、黒岩クンニツアー」開催さる!!!
さぁ、意気揚々とボロプリウスば乗って全国ば回ろうとする黒岩!全国のオマンコば舐めて廻ってピリジンが、黒岩の喉ば、襲う!?
いや!そげなこつは無いノデス何故なら、黒岩はバンテリン、いや違う!モンダミンば持ってるから!?
「アナタのオマンコば綺麗にします」
っち看板ば、掲げ、女性客ば待つ黒岩!然し乍ら、思いの外ババアしか来ないので、もう、良か!っち、櫓に帰ったとです。
この、裏切り者!!!
7 Name 名無しさん 2026年04月18日 09:33 ID:oK9F6RKS0
2026年【サイズUP・早漏遅漏改善メソッド】
https://tqv.jp/u/gju/a/JKRYcXA3/v6a0jrsg
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