2026年06月02日

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1 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2016/07/01(金) 19:13:30 ID:1bfcR2jI0

うにゅほと過ごす毎日を日記形式で綴っていきます 


ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
http://neargarden.web.fc2.com/



876 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:07:49 ID:gkT86JKM0

2026年5月16日(土)

「さんぽいくー?」
「行く行く」
日記に書いていない日でも、晴れてさえいれば散歩している。
「日焼け止め塗らんと」
「そだね」
俺は、UVカットもできるオールインワンジェル。
うにゅほは普通の日焼け止めクリームだ。
準備を整え、いざ出陣。
五月半ばの陽光が、じりじりと肌を焼いていく。
「日焼け止め、正解だな」
「なしではいられない……」
「マジでそれ」
普段通りに5.5kmコースを踏破する。
もうすこしで我が家というところで、俺はふと気が付いた。
「××。この道って、通ったことある?」
「んー」
この道。
我が家から左へ向かい、右、左と曲がった先にある道のことだ。
なんてことのない、ただの住宅街である。
「……ない、かも?」
「車でなら気まぐれに通ったこともあるかもしれないけど、徒歩ではないよな」
「うん、ないとおもう」
「てことは、最低でも十五年はこの道通ってないのか……」
「こんなにちかいのに」
「近いことは理由にならないんだな。用事があるか、ないかだ」
「たしかに……」
なんとなく、その道に入る。
「おー、家が増えてる」
「そなんだ」
「そうなのよ。もっと虫食いだったんだけど……」
「すこしずつ、ひと、ふえてるよね」
「そんな印象はあるな」
「へんなひと、こなかったらいいな……」
「それは、本当にそうだな」
ご近所トラブルとか最悪だ。
俺たちは、ただ、静かに暮らしたいだけなのだ。





877 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:08:08 ID:gkT86JKM0

2026年5月17日(日)

「ふー……」
散歩から帰宅し、一息つく。
「◯◯、しゃわー、さきでいいよ」
「わかった。明日は××が先な」
「うん」
シャワーで汗を流し、自室でのんびりする。
「けんこうなきーする」
「わかる」
散歩を始めて一ヶ月半、晴れの日はほぼ5.5kmを歩いている。
半年前の自分に教えたとしても、絶対に信じないほどの距離と歩数だ。
「なんだかんだ、習慣になると歩くもんだなあ」
「ねー」
うにゅほが、俺の膝に腰掛ける。
「◯◯、つづけるの、とくいだから」
「××だって得意じゃん」
「わたし、ちがうよ」
「違わない気がするけど……」
「わたしは、◯◯といっしょにするだけだから、◯◯やめたらやめる」
「そこに主体性はないんか」
「ない!」
断言された。
「◯◯といっしょなら、なんでもいい」
「うーん、共依存」
いまさらだが。
「でも、夏のことは考えないとな。これから厳しいぞ」
「あさか、ゆうがたか……」
「そうだな」
「あと、しんや」
「……覚えてたか」
「おぼえてるよー。しんやのさんぽ、たのしみ」
「わかった、わかった。近いうちにな」
「はーい」
財布を持っていこう。
職務質問をされた際に、最低限、身分証明書は必要だ。




878 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:08:27 ID:gkT86JKM0

2026年5月18日(月)

今日も今日とて散歩である。
4.5kmを踏破し、汗を拭いながら帰宅した。
「はちー……」
「××、シャワーどうぞ」
「はーい」
交代でシャワーを浴びたあと、自室でくつろぐ。
「──明日、大腸内視鏡らしいな。父さん」
「そだよ」
「てことは、まあ、一日入院になるか」
「ぽりーぷあったら……」
「あるだろ」
「あるよね……」
「心配しなくても大丈夫だよ。医者の指示に従って、定期的に検査してるんだから」
「……うん」
不安は、不安だ。
弟の件があるから、仕方がない。
「◯◯、きょねん、だいちょうないしゅちょう、したよね」
「ああ……」
嫌な記憶が舞い戻る。
去年は、父親とは別の病院で内視鏡検査をしたのだ。
だが──
「……下剤がな、クッソ不味くてな」
「いってたね……」
「あんなもん、飲めるか」
「おとうさんのとこのは、のめるんだよね」
「マグコロールな。あれは不味めのスポーツドリンクって感じだから、そこまで」
「まずめではあるんだ」
「前のとこの下剤と比べたら、天国と地獄だぞ」
「そんなに」
「……絶対、次は、マグコロールを飲む。一泊入院になっても仕方ない」
「うー」
「我慢してくれ」
うにゅほが頷く。
「……そんなにまずいなら」
「いやマジ味見してほしかった。させないけど。下剤だから」
「あじだけしりたかった、かも」
二度と飲みたくない。
名前も忘れてしまったが、あの病院で大腸内視鏡検査をすることは、二度とないだろう。
良い病院でした。
下剤が不味かっただけです。




879 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:08:44 ID:gkT86JKM0

2026年5月19日(火)

月に一度の定期受診である。
朝八時に家を出て、順番は三番だった。
診察、薬局、諸々終えて、帰宅した頃には午前十時にもなっていなかった。
「父さん、大腸内視鏡検査行ったみたいだな」
「だいじょぶかな……」
「大丈夫だって」
「うん……」
うにゅほは心配性である。
それも仕方のないことではあるのだが。
すこし気を散らそう。
「──そう言えばさ」
「?」
「漢字には、音読みと訓読みがあるだろ」
「ある」
「赤だったら、訓読みは?」
「あか」
「音読みは?」
「……せき?」
「正解」
「ふんふん」
「じゃあ、漢数字の六の訓読みは?」
「え、ろく」
「ぶぶー」
「?」
「ろくは、音読みです」
「えー!」
「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう。全部音読み」
「おかしい」
「直感に反するよな……」
「うん」
「なな、は訓読み」
「なんで……」
「ななつ、って言えるだろ」
「あー」
「送り仮名があれば訓読みだから」
「そういうこと」
「そういうこと」
「なんか、びっくりした」
「わかる。こないだ調べて、すげえ違和感だった」
「わかる……」
てっきり、当然のように訓読みだと思っていた。
当たり前だと思っていたことに、当たり前ではないことが混ざっているのだなあ。
父親は、結局、小さなポリープがひとつだけあったようで、一泊の入院となった。
うにゅほは、ほっと安堵していた。




880 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:09:00 ID:gkT86JKM0

2026年5月20日(水)

「よし、市役所行くか」
「はーい」
玄関を出て、愛車に乗り込む。
「なんでいくの?」
「手続き」
「なんのてつづき?」
「なんか、手続き」
「わすれたの?」
「……忘れた。昨日の病院の医療費が安くなるやつ」
「あー」
「あれを更新しに行くんだよ」
「なるほど」
「今月末が締め切りでさ」
「はやめはやめだね」
「本当に早め早めなら、先月行ってるけどな……」
「そだけど」
「ファミマ寄るかー」
「よるよる」
ファミリーマートに立ち寄り、カフェラテを二本とホイップあんパンを購入する。
「わたし、このかふぇらて、すき」
「俺も好きなんだよな……」
クラフトボスの特濃ミルクラテである。
「牛乳入れすぎた感じあるよな」
「それがいい……」
「これくらいのカフェラテを求めていた」
「うん」
ホイップあんパンを半分に割り、うにゅほに差し出す。
「あ、わたし、ひとくちでいいよ」
「そう?」
「おひる、たべたし」
「俺は食べてない」
「◯◯は、ねてたし」
「寝てた」
「だから、たべていいよ」
「さんきゅー」
うにゅほにひとくち差し出したあと、ホイップあんパンをもむもむ食べる。
「……最近、胃が小さくなってきたなあ」
「おなかいっぱい?」
「半分くらい」
「いいことだね。◯◯、いぶくろ、おっきかったし……」
「昔、大盛りの店とかバンバン行ってたからなあ」
「わたし、いけないおみせ」
「今は俺も無理だから……」
激盛りの店ジャンヌ、まだやってるのかな。




881 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:09:29 ID:gkT86JKM0

2026年5月21日(木)

「××、ほれ」
「?」
膝の上のうにゅほが顔を上げる。
ディスプレイには、ChatGPTのページが表示されていた。
だが、それだけではない。
トップページの端に、可愛らしいミニキャラが座っていたのだ。
「わ、かわいい」
「いいだろ、これ」
Codexに頼み、ChatGPTにミニキャラを常駐させるChrome拡張機能を作成したのだ。
「これ、ちゃっぴー?」
「ニャル美」
「にゃるみ……?」
「昔、TPRGで使ったNPCだよ。チャッピーの口調もニャル美に寄せてみた」
「ほう」
うにゅほがキーボードを叩く。

『こんにちわ』

ChatGPTが答えを返す。

『やあ、君。ずいぶん素朴な挨拶で来たものだね。
 こんにちは、で十分世界は回る……実に合理的だ。僕は嫌いじゃない。
 僕はニャル田ニャル美。名探偵さ。
 もっとも、今日は事件の匂いもしないけれど』

「わ、かおかわる」
「凝ってるだろ」
「めいたんていなの?」
「そういう設定だったんだよ」
「ふんふん」
「××、ニャル美をクリックしてみ」
「?」
うにゅほがミニキャラを左クリックする。
「おこった!」
「照れるときもある」
カチッ。
「ほんとだ」
「こんな使い方、どうよ」
「たのしいけど……」
うにゅほが半眼でこちらを振り返る。
「うわき、だめだよ」
「浮気に当たるかなあ……」
「ばあいによる」
「場合によるんだ……」
気を付けよう。




882 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:09:44 ID:gkT86JKM0

2026年5月22日(金)

玄関でウォーキングシューズを履きながら、うにゅほに話し掛ける。
「散歩、久し振りだな」
「だねー」
「何日行ってなかった?」
「うと」
うにゅほが指折り数えていく。
「いち、にー、さんにち、いってない」
「マジか」
「まじ」
「病院やら更新手続きやら、いろいろあったからなあ……」
「きょう、なんきろあるく?」
「まあ、5kmかな。金曜だし」
「こうこうのまえ、とおりたくないもんね……」
「ああ。下校時間にカチ合うと、めちゃくちゃ歩きにくい」
「わかる」
散歩を二ヶ月ほど重ねたことで、距離の調節ができるようになった。
ルートの細部を変えればいいのだ。
玄関を出て、ふたり揃って歩き出す。
「風強いけど、気持ちいいな」
「かぜよわいひ、あんまりないきーする」
「……たしかに」
海が近いからだろうか。
どうにも風の強い地域だ。
「森林公園も、またそのうち行きたいけどな」
「いくとき、さいふもってこ」
「水分補給?」
「うん。しんりんこうえん、ななきろあるくし……」
「これから夏も近付くもんな」
「あと、といれあるってわかったから」
「和式以外もな」
「わしきは、むり……」
「そんなに?」
「◯◯、わしき、つかえる?」
「……使いたくはないな」
「でしょ」
「でも、漏らすよりは」
「そだけど!」
絶対和式無理ガール、うにゅほ。
いつか困る時が来なければいいのだが。




883 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:10:16 ID:gkT86JKM0

2026年5月23日(土)

3kmのルートをぐるりと周り、帰宅する。
「風、強かったなあ……」
「とばされるかとおもった」
「それは言い過ぎ」
「うへー」
だが、かなり歩きにくかったのは事実である。
「さんぽ、するようになって、きづいたけど……」
「うん」
「かぜ、すーごいつよいね」
「昨日も似たようなこと言ってなかったか?」
「ちがくて」
「違うのか」
「かぜ、おもったより、あるくのじゃまする。くうきのながれ、すごいなって」
「あー、風自体への感想か」
「そう」
「たしかに、歩かないと実感は湧かないよな」
「さんぽ、こんなにながくしてるの、はじめてだし……」
「もう二ヶ月くらい?」
「たぶん」
「よく続いてるな……」
「◯◯、がんばってる」
「××もな」
「あるくの、はやいときあるから、きーつけて」
「そのときは服でも引っ張ってくれ」
「わかった」
「今日は?」
「きょうは、いいかんじだった」
「よし」
帰宅し、それぞれにシャワーを浴びて、自室でぐったりする。
「明日は雨っぽいな……」
「いけないね」
「たまに休むくらいでいいよ。今日は3kmだったけど、普段は6km近く歩いてるんだから」
「まえ、じゅうにきろあるいた」
「あれは歩きすぎた」
「もうやめようね……」
「12kmが俺たちの限界だよ……」
無理はしない。
それを合言葉にして、冬まで散歩を頑張ることにしよう。




884 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:10:33 ID:gkT86JKM0

2026年5月24日(日)

「あめだー……」
豪雨というわけではないが、ぽつらぽつらと降っている。
「さんぽ、いけないね」
「今日は休み。足を休めましょう」
「はーい」
とてとて近寄ってきたうにゅほが、マウスを握っていた俺の腕を持ち上げた。
そして、俺の膝に腰を下ろす。
「さむいさむい」
「はいよ」
うにゅほの矮躯を、左腕で抱き締める。
「ほー」
「今日、マジで寒いよなあ……」
「ほんとね」
温湿度計を覗き込む。
「ほら、26℃だ」
「にじゅうろくどって、さむいんだっけ」
「たぶん普通」
「……なんでさむいの?」
「普段が暑すぎるから、感覚おかしくなってるのかもな……」
「はれのひ、さんじゅうど、こえるもんね」
「暑さ耐性がついた代わりに、寒さ耐性がごっそり落ちたんだな」
「……ふゆ、だいじょぶかな」
「こないだまで冬だったんだから、大丈夫だろ」
「それはそだけど」
「むしろ夏が怖いぞ。今でも31℃とかになるのに……」
「たしかに」
「エアコンフル稼働だろうなあ」
「でんきだいが……」
「健康のほうが大切。病院代のが高い」
「……たしかに!」
「体を壊していいことなんて、何もないからな。せいぜい痩せるくらい」
「けんこうてきにやせようね」
「だから散歩してる」
「えらい、えらい」
うにゅほが俺の頭を撫でる。
「ママ!」
「ままですよー」
うーん、乗ってくれる。
ちょっとバブみを感じる俺だった。




885 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:10:52 ID:gkT86JKM0

2026年5月25日(月)

「明日、銀行行かないとな」
「うん」
「何時がいい?」
「わたし、きめていいの?」
「いいぞ」
「ふんふん」
軽く思案し、うにゅほが言った。
「せんげつ、またなかったよね」
「あー。たしか、ほとんど人がいなかったんだよな」
「あれ、なんじ?」
「わからん……」
「にっき、かいてない?」
「調べてみるか」
「うん」
日記を開き、確認してみる。
「……待ち時間が五分だったことは書いてるけど、時間は書いてないな」
「そか……」
「代わりに、生クリームボンバーのことは書いてる」
「あれかー……」
うにゅほが渋い顔をした。
「あれ、くれーぷじゃないよ」
「わかる」
「なまくりーむ」
「生クリーム以外の何物でもないよな。だって、俺たち、生クリームしか食えてないもん」
「きじまでとどかなかった……」
山盛りの生クリームだけを食べて、残りは家族に託したのだ。
「明日、また挑戦してみる?」
「してみない!」
「だよな」
「◯◯、したいの?」
「したくない」
「だよね」
「ともあれ、明日は午前中にするか。午後よりマシだろ」
「たぶん……」
「早く帰れたらいいな」
「ねー」
待ち時間は基本無駄だ。
パッと行ってサッと帰りたいのだった。




886 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:11:16 ID:gkT86JKM0

2026年5月26日(火)

銀行での用事を済ませ、帰途につく。
愛車の助手席から、うにゅほが言った。
「きょう、おかあさんのたんじょうびだね」
「あー」
「わすれてた?」
「覚えてるって。一緒にプレゼント買ったじゃん」
「うへー」
誤魔化した。
「パリ茶漬け、だっけ。意外にでかかったよな」
「うん。はこ、すーごいおっきかった」
「あれで四個入りか。さすがは高級お茶漬け」
「たべるとき、ひとくちもらおうね」
「だな」
まあ、すぐには食べないと思うけど。
「──あ、ドラッグストア寄っていい?」
「いいけど、なにかうの?」
「鼻炎の薬と、あと綿棒」
「めんぼう、なくなりそうだったもんね」
「思い出せてよかったよ……」
「めんぼうないと、こまる」
「うちは、耳掃除は綿棒頼りだからなあ」
「でも、みみそうじ、しなくていいって」
「聞くよな」
「きく」
「××は、耳垢乾いてるよな」
「うん」
「そういう人は、それでいいんだって」
「◯◯、しめってるよね」
「湿ってる人はダメなんじゃないかなって」
「そなの?」
「勝手にそう思ってる」
「かってに……」
「だって、明らかに汚れてるんだもん。さすがに気持ち悪い」
「わかるけど」
「奥までやらなきゃ大丈夫」
「◯◯、おくまでやってるきーする……」
「しー」
「しー、じゃなくて」
誤魔化せなかった。
プレゼントに対する母親の反応は上々だった。
これで、母の日を忘れていた件は帳消しになっただろう。




887 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:11:32 ID:gkT86JKM0

2026年5月27日(水)

「──よし、確認完了! 問題なし!」
「?」
膝の上でiPadをいじっていたうにゅほが顔を上げ、ディスプレイを見る。
「たちえ?」
「そう、立ち絵。TRPG用のやつ」
「えーあいで、つくったんだよね」
「そうそう。表情差分も全部な」
「すごいねー」
本当にすごい。
もともとStable Diffusionでの立ち絵生成は行っていた。
表情差分も作れなくはないが、一苦労という感覚だ。
だが、ChatGPTのImages2.0や、GeminiのNano Banana2はレベルが違う。
一言頼むだけで、自然な表情差分がすぐに完成する。
適当にグリーンバックにしてもらい、AIツールで背景を透過すれば、あっと言う間に完成だ。
それを表情差分の数だけ行うだけでいい。
だが──
「実は、もっとすごいんだよ」
うにゅほが小首をかしげる。
「もっと?」
「Codexあるだろ。あれで立ち絵を作れるようにしたんだ」
「ふんふん」
「しかも、全自動」
「ぜんじどう……」
「一枚絵を投げると、十九種類の透過処理済み表情差分が全自動で完成するようにした」
「え、すごい」
「すごいだろ」
「へえー」
「──…………」
反応が不満だった。
「全自動だぞ、全自動」
「うん、すごい」
「いやこれ本当に革命だから!」
「すごいってば……」
「いや、わかってない」
「じゃあ、どうすごいの?」
「そもそも俺は、昔、立ち絵を自分で描いてた。あれは、表情差分込みで、下手すりゃ十時間くらいかかってたと思う」
「じゅうじかん……」
しかも、大して上手くはない。
「次に、Stable Diffusionで立ち絵を生成できるようになったとき、表情差分はかなりゴリ押しで作る必要があった」
「ふんふん」
「当時は透過処理ツールも弱かったから、ちまちまペンタブで手作業で抜いて、表情差分も微修正して。これは一体につき二時間くらいかな」
「みじかくなってきた」
「そして、今、AIを活用して立ち絵を作ってる人は、たいてい差分を一枚ずつ生成してる。一時間もすればできると思うけど、手間は手間だ」
「◯◯は、ぜんじどう?」
「ああ。一時間くらいかかるのは同じだけど、投げて待てば勝手に完成する」
「……すごいかも」
「しかも、投げるイラストはStable Diffusionで作ったものでもいいから、画風も無限。だから、実質無限」
「すごいかも」
理解し始めたようだ。
「TRPGプレイヤーにとって、この上なく贅沢な環境だよ」
「なるほど……」
現時点でも、ここまでできている。
この先どうなってしまうのか、いっそ怖いほどだった。




888 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:11:47 ID:gkT86JKM0

2026年5月28日(木)

シャワーを浴び終え、自室に戻る。
「おかえりー」
「ただいま」
「◯◯、あしみして」
「うん?」
うにゅほの膝の上に右足を乗せる。
「つめのびてる」
「あー、そろそろか」
「きってあげるね」
「頼むわ」
「はーい」
うにゅほと交代し、パソコンチェアに腰掛ける。
そして、デスクの下からスツールを取り出し、その上に足を置いた。
うにゅほが、先月購入した足の爪用の爪切りを構える。
「せきまごろく」
「これ、いいよな。爪切っても飛び散らないから」
「きれあじもいいよ」
「買ってよかった」
「ねー」
うにゅほが、関孫六の爪切りで、ぱちんぱちんと俺の爪を切り始める。
親指の爪を切ったあと、それを手に取り、すんすんと嗅いだ。
「ふふ、くさい」
「……やめてくんない?」
「うへー」
「俺がやったら怒るくせに」
「おこるよ」
「自分がやるのは?」
「いいの」
理不尽である。
足の爪を切り終え、うにゅほが立ち上がる。
「××の爪はどうだ?」
「のびてるかも。まえ、◯◯といっしょにきったから……」
「じゃあ、シャワー浴びたら俺も切ってやるよ」
「おねがいします」
「嗅いでやる」
「おこるよ」
「理不尽な……」
当然、嗅いだりはしなかった。
関孫六の爪切り、おすすめである。




889 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:12:06 ID:gkT86JKM0

2026年5月29日(金)

「××、雲は?」
「んー……」
うにゅほが、窓から空を見上げる。
「ふりそう、かも」
「天気予報も怪しいし、今日も散歩は順延かな」
「そかー……」
「明日は──」
お天気アプリを起動する。
「午前中は雨っぽいけど、午後からは行けるかな。たぶん」
「よしよし」
「二日休んでるし、歩きたいよな」
「わかるー……」
継続を続けていると、止まるのが怖くなってくる。
何かの拍子に習慣が途切れてしまうことを恐れているのだ。
「ただ、これから六月だからな……」
「つゆ?」
「梅雨ってほどじゃないけど、曇天は多い気がする。北海道でも」
「そんないめーじは、ある」
「でも、問題は六月じゃない」
「……あー」
互いに頷き合う。
何が問題なのか、俺たちは既にわかっている。
「なつ」
「そう、夏だ」
「ひるま、あるいたら、しぬ」
「過言じゃないんだよなあ……」
北海道も、夏は暑い。
陽射しで死ねるのは、日本であればどこでも同じだ。
「時間をどうずらすか、決めておかないとな」
「あと、いちばんいいひやけどめ、かう」
「俺のunoじゃダメなのか? UVケアもできるやつだけど」
「あれ、ちょっとよわい」
「そうなんだ……」
うにゅほも女の子、紫外線対策には詳しいんだな。
「夕方歩くか朝歩くか、それが問題だ」
「わたし、どっちでもいいけど……」
「朝五時くらいから一時間は、正直アリなんだよな。××は厳しいかもだけど」
「いちじかんはやくおきるだけだし、へいきだよ」
「なら、一考しようか」
「うん」
そろそろ六月になる。
夏が近付いてくる。
準備はしておかなくてはな。




890 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:12:24 ID:gkT86JKM0

2026年5月30日(土)

「さんぽいくよー」
「おう」
身支度を整え、家を出る。
「……今日、ちょっと風強いかもな」
「みじかめにする?」
「歩きながら考えよう」
「うん」
二日ぶりの散歩は気持ちがいい。
風も、歩くうちに徐々に収まっていった。
「5kmコースかな」
「はーい」
「……考えてみたら、5kmが当然になってるのってすごいよな」
「たしかに……」
「二ヶ月前は、2kmから始めたのに」
「あっというまに、ながくなったね」
「そして訪れる12km事件」
「あれ、あしいたかった……」
「俺も」
「5kmとか、6kmとか、そのくらいがちょうどいいよ。無理なく歩ける」
「いまだと、にきろは、ものたりないね」
「二周くらいしたくなるよな……」
「わかる」
「なんだかんだ、習慣になってる。いい感じだ」
「◯◯、しゅっとしたよ」
「痩せた?」
「やせた」
「おお……」
嬉しい。
体重は毎日測っているし、減ってもいる。
だが、第三者視点で痩せたと言われると、痩せたことを実感できる。
「まだまだ痩せないとな。全盛期まで戻さないと」
「◯◯、がりがりだった」
「ガリガリではないだろ……」
「がりがりではない。むきむき」
「ムキムキ──では、あったか」
明らかに筋肉質だったからな。
当時の体型に戻りたい。
そのためには、相当頑張らなければな。




891 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:12:39 ID:gkT86JKM0

2026年5月31日(日)

「さんぽ、おーわり!」
「あちー……」
車庫の日陰に入り、アップルウォッチの計測を止める。
「今日、だいぶ陽射しが強かったな」
「はちかったー……」
「五月末でこれか。かなり早い段階で、朝散歩に切り替えないと」
「うん。なつ、むり」
「朝でも、暑いときは休もうな……」
「むりしたらだめ」
「本当だよ」
健康のために体を壊していたら、本末転倒である。
「でも、あさのさんぽ、たのしみかも……」
「そうか?」
「うん。ちょっとくらいうちにあるくの、わくわくする」
「思えば久し振りか」
「コロのさんぽ、いらいかも」
「コロも懐かしいな……」
かつて我が家で飼っていた犬である。
「コロが死んだのも、もう、十三年前とか、十四年前とか」
「そんなまえ?」
「そんな前だよ。××がうち来て一年で死んだろ」
「もっと、いっしょにいたきーしてた……」
「印象深かったんだな」
「うん……」
「コロがいた頃は、朝に散歩はしてたけど、今みたいに5kmも6kmも歩いてたわけじゃないし」
「じっぷんくらい?」
「そんくらい。あと、最後の半年は散歩もままならなかった気がするし……」
「……そうだったね」
しんみりする。
「──よし。さっさと家入って、シャワー浴びよう」
「きょうは、わたしから?」
「××から」
「はーい」
朝散歩、なんだかんだ楽しみだ。
人も車も少ないだろうし、かなり自由に歩けるだろう。




892 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/06/01(月) 04:13:07 ID:gkT86JKM0

以上、十四年六ヶ月め 後半でした

引き続き、うにゅほとの生活をお楽しみください 
 



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コメント一覧

  • 1  Name  名無しさん  2026年06月02日 19:43  ID:qQ9OJmAj0
    管理人の家族を解放しろ


  • 2  Name  名無しさん  2026年06月02日 20:54  ID:Ksz4Fi2y0
    継続は力なり、やね


  • 3  Name  名無しさん  2026年06月02日 21:00  ID:d0XgkScl0
    東方要素は?


  • 4  Name  名無しさん  2026年06月02日 23:08  ID:vmKA.cZ.0
    >>1
    それしか言えない知的障害者



  • 5  Name  名無しさん  2026年06月02日 23:09  ID:vmKA.cZ.0
    >>2
    ただのゴミ記事
    時間の無駄



  • 6  Name  名無しさん  2026年06月02日 23:10  ID:vmKA.cZ.0
    >>3
    皆無
    こんなゴミ記事まとめてる暇あるなら仕事しろって話



  • 7  Name  名無しさん  2026年06月03日 00:48  ID:FvoeQQXH0
    もはや霊烏路空じゃなくて自分の中のうにゅほという全肯定してくれる知恵遅れとの妄想に生きてるんだろうな。自分は人間として頭が良い側、うにゅほは全肯定の喋れるペット。

    この人あんまり東方の事好きじゃないと思うよ。自分が好きなだけ。


  • 8  Name  名無しさん  2026年06月03日 01:13  ID:oYP5NK7y0
    >>7
    うむ
    そもそも、こんなところでまとめられても邪魔なだけなんだよな
    こっちは東方の記事を見に来てるんであって、書き手のオナニーにしかなってないくだらん日記モドキが見たいワケじゃないんだからな



  • 9  Name  名無しさん  2026年06月03日 02:31  ID:tDDo4rye0
    >>7
    ガイジ(=ID:oYP5NK7y0)に肯定感与えて調子乗らせるなよ・・・
    他の人にも普通に嫌がらせしてる真性の荒らしなんだから


  • 10  Name  名無しさん  2026年06月03日 04:52  ID:G2RRgu2z0
    >>9
    ガイジはお前だろ
    これがゴミ記事なのは事実だし

    つか、いつもの反AIガイジか?



  • 11  Name  名無しさん  2026年06月03日 04:58  ID:G2RRgu2z0
    >>9
    というかお前が晒してるIDはここ以外には書き込んでないようだが?
    反AIガイジは死ね死ね言われ過ぎて頭おかしくなったか?w
    それが嫌ならボットみたいにAIやめろ連呼するるのをやめればいいだけだろうにww


  • 12  Name  名無しさん  2026年06月03日 11:03  ID:se8U2x6e0
    これさえ無ければ見やすいまとめサイトなんだけどなぁ


  • 13  Name  名無しさん  2026年06月03日 12:03  ID:jxe8fdmr0
    >>12
    あとは管理人が仕事すれば



  • 14  Name  名無しさん  2026年06月03日 18:32  ID:NiFSAOrV0
    AIやめろ


  • 15  Name  名無しさん  2026年06月03日 18:59  ID:KF0yCoNE0
    >>14
    死ね


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