経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

 ようこそ「経済ニュースゼミ」へ。当ブログにアクセスして頂き、ありがとうございます。私は2004年以降、一般の方々に経済ニュースを分かりやすく解説する仕事をしております。経済のニュースは難しいことが多いですし、それに誤解を呼びそうな報道も多いからです。皆様が、このブログをお読みになって、ご自分で考えることができるようになることを望んでおります。当方へのご連絡先は、次のとおりです。seiji+cj9.so-net.ne.jp (+を@にして下さい)

 日銀が、今回、長短金利を操作すると発表したことは、ご存知のことと思います。

 まあ、中央銀行が短期金利を操作するのは当たり前のことなのですが、長期金利を操作するなんてことは普通ない訳です。

 確かに、短期金利を引き下げるようなことをすれば、それにつられて長期金利も下がることが多いので、間接的に長期金利を操作していると言えないこともないのですが…しかし、今回のように長期金利をゼロ%程度に誘導するなどということは今までの常識ではあり得なかったのです。

 では、何故今回、長期金利をゼロ%程度に誘導することに決定したのでしょうか?

 それは、長期金利が例えばマイナス0.3%だとかの水準にまで下がってしまうと、民間銀行はとても利鞘が稼げない状況になってしまうからなのです。

 しかし、その一方で、民間銀行が預金金利をマイナスにまで引き下げることが許されるのであれば、民間銀行は逆鞘を回避できるので、長期金利がゼロ%より下がっても必ずしも経営が成り立たなくなる訳ではないのです。

 要するに、預金金利は絶対にマイナスにしてはいかんという政治的な判断が先にあるものだから、そこから逆算して、長期金利の最低水準はゼロ%程度になったというだけの話なのです。

 では、いずれにしても、長期金利をゼロ%程度に固定することに日銀が成功したとして、それでマイルドなインフレを起こすことが可能なのでしょうか?

 答えは、そんなことを期待するのは、全く不可能。

 というのも、何故2%のインフレ目標が達成できていないのかという問いに対して、日銀が挙げる理由は、原油価格の動向や、期待インフレ率の変化などであり、そのようなことと長期金利をコントロールすることに特別な関係がある訳ではないからです。

 それに、長期金利がマイナス0.3%ほどになっても日米金利差は拡大せず、円安ドル高にはならなかったのですから、長期金利がゼロ%程度では、なおさら円安ドル高にはなりにくいと言わざるを得ないのです。

 ということで、今回の日銀の措置は、単に民間銀行の不満に応えただけ、ということなのです。

 何が、緩和策強化のための枠組みの修正なのでしょうか?!

 
 日銀は、市場機能を阻害するようなことばかりやって、怪しからんと思う方、クリックをお願い致します。
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 豊洲の謎の空間と言えば、今や知らない人などいないほど有名になっています。

 あれだけ盛り土がしてあるから大丈夫ですと説明してきたのに、主要建物の地下にある筈の4.5メートル分の盛り土が実際には存在せず、空間になっているのです。

 それによって安全性にどのような影響があるかは別として、東京都が言ってきたこととやってきたことが全く違く訳ですから、都民や市場関係者が不信感を持つのは当たり前。

 プラス、かつての都知事が、俺は素人であり下から言ってきたことを言っただけとか、或いは、市場長が、決裁が上がってくればハンコを押すのは当たり前みたいなことを言う日には呆れてものも言えません。

 さらに言えば、東京都は伏魔殿だなんて…

 あんたがそこの最終責任者ではなかったのか!?

 それにしても、誰が盛り土が必要ないなんて決めたのでしょうね。

 などと思っていると、今回緩和策を強化するために枠組みの修正を行なったとされる日銀の説明も、どうもおかしな状況になってきていることに気が付きました。

 日銀のサイトで、長期金利の決定の仕方について次のように説明されていますが、先ずそれを確認下さい。

 長期金利と短期金利の決まり方の違い

 まず、長期金利は、短期金利とは決まり方が大変違う、ということにご注目下さい。

 短期金利の代表は、「無担保コールレート(オーバーナイト物)」ですが、これは日本銀行の金融調節によってコントロールされています。また、オーバーナイト物より少し長い短期金利(1週間や1か月の金利)もオーバーナイト物に強く影響されています。つまり、短期金利は、基本的にその時点の金融政策の影響下にあるのです (注) 。

 これに対して長期金利は、その時点の金融政策の影響も受けはしますが、それとは別の次元で、長期資金の需要・供給の市場メカニズムの中で決まるという色合いが強く、その際、将来の物価変動(インフレ、デフレ)や将来の短期金利の推移(やこれに大きな影響を及ぼす将来の金融政策)などについての予想が大切な役割を演ずる(詳細は後述)、という特徴があります。」


 そして、日銀は、長期金利の決定要因を3つ上げるのです。

 (1)期待インフレ率
    将来の物価予想(インフレ、デフレ)はこの程度だろうという「予想」。例えば、高インフレになるだろうとの「予想」が強まれば、長期金利は直ちに上昇する。

 (2)期待潜在成長率
    今後の経済が成長していく地力が強いと予想されれば、資金を投じて投資を行うことのメリットが高まるので、長期の資金需要も増え、長期金利は上昇する。

 (3)リスクプレミアム
    将来について不確実性があることに対して投資家が要求する上乗せ金利。リスクプレミアムが拡大すれば、長期金利は上昇する。

 そして、日銀は、順序は逆になりますが、長期金利をコントロールする場合の注意点も書いています。
 
 「ここで大変大事なことは、長期金利というものは、(2)のインフレ昂進予想のケースのように(まだインフレになっていないのに)「予想」(期待)が変化した時点で「直ちに」変動するということです。すなわち、長期金利には、将来の変化を先取りする性質があるのです。

 ですから、長期金利をコントロールしようとする場合、そうした試み自体が人々の「予想」(期待)を変えるか変えないのか、慎重に見極めなければなりません。

 また、長期金利の動きをよく見て、それが将来のどういう変化を先取りしているのか、どういう「期待」を「市場」が持っているか、を考えることが大切であるとも言えるわけです。」


 要するに、長期金利は短期金利と異なり、基本的に日銀がコントロールするのは適当ではないという思いがあるのです。というのも、長期金利はまさに体温みたいなもので、それで人間の健康状態が判断できると同じように、長期金利の水準をみることによって経済の状況が判断できる、と。

 しかし、そうした先人の教えを無視して、日銀は今年1月マイナス金利導入を決定し、さらに長期金利に対する介入の姿勢を強めていたのでした。

 全然言っていることとやっていることが違うのです。

 盛り土問題みたいでしょう?

 日銀が相場よりも高い価格で国債を買い入れるものだから、長期金利までマイナス圏に突入し、市場関係者が、将来のインフレ率や潜在成長率についてどう判断しているのかがまるで分からなくなっていたのでした。

 では、今回、日銀は、そのことについて大いに反省し、態度を改めようとしているのでしょうか?

 答えは、ノー。

 全然反省などしていません。

 日銀が、長期金利を事実上引き上げようとしているのは、民間銀行の利鞘が縮小し、不満が噴出しているので、それで長期金利については下がり過ぎないようにしたいと言っているだけなのです。

 それに、長期金利は、ゼロ%に誘導しようと言っているのですから。水準は少し高めになりましたが、完全にコントロールしたいという姿勢は強まっているのです。

 でも、何故ゼロ%なのでしょうか?

 私には、その理由がさっぱり分かりません。

 そもそも長期金利を操作するなんて簡単に言ってのけること自体、日銀総裁として相応しくないと言わざるを得ないのです。


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 日銀が今回金融緩和強化のために打ち出した新しい枠組みの名は、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」です。

 なんともダサイネーミングです。

 それに金融緩和強化のためというのが腑に落ちません。というのも、長期金利をマイナスからゼロに引き上げようという内容になっているからです。事実上の利上げなのに何故金融緩和の強化なのでしょうか?

 いずれにしても、長期金利を一定の目標に誘導しようという政策は、古今東西殆ど例がないのではないでしょうか?

 というのも、そもそも長期金利を操作するということが、禁じ手と考えられてきたからなのです。

 それに、実際に長期金利を操作しようとしても、そう簡単に操作が可能なのかという疑問も湧いてきます。

 日銀は、長期金利操作を行うため新しいオペを導入すると言いますが、それは日銀が指定する利回りによる国債の買入れ、つまり指値オペと呼ばれるものですが、そのオペでは日銀の価格より高い価格で国債を買ってもいいという者が現れた場合、金利の低下を食い止めることができないのです。

 もっとも、そもそも日銀が提示する価格よりも高い価格で国債を買ってもいいという者がいるのかという疑問も湧く訳ですが…

 しかし、何かの思惑で、今後日銀がマイナス金利の深堀をする筈だという予想が高まると、ひょっとしたら国債の価格は上がり…つまり、国債の利回りは誘導目標を離れてマイナスになる可能性もあるのです。

 現に、この「長短金利操作付き量的・質的緩和」が発表されたから、どういうことか、それまでとは逆に今度は長期金利が低下し始めているのです。本日の午後2時56分現在で、マイナス0.055%となっています。

 市場関係者の中に、マイナス金利の深堀を予想する向きが増えているということなのでしょうか?

 まだ、その本当の理由は分かっていませんが、少なくても長期金利の誘導がそう簡単なものではないことがこれで明らかになったと言えるでしょう。

 今年の1月のマイナス金利導入決定といい、そして、今回の長期金利操作といい、日銀のやることは裏目にばかり出ているのです。


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 日銀が量から金利に金融政策の枠組みを修正したなどと新聞が報じています。

 どう思います?

 思い起こすと、量的緩和策が採用されたのが2001年3月。もう15年以上も前のことなのです。

 若い人たちはご存じないかもしれませんが…その当時言われたのです。

 政策金利はゼロ%より下に引き下げることができないから、金融政策の目標を金利からお金の量に変更することにしたのだ、と。

 つまり、金利はゼロより下に引き下げることはできないが、その代り日銀がマネタリーベースを拡大することによって景気を回復させる、或いは、物価を上げる、と。

 で、今回はその逆で、量から金利に逆戻りなのです。

 どういうことかと言えば、金利がマイナスになることも不思議ではなくなったので、再び金利をメルクマールにしようということなのでしょう。

 というよりも、幾らマネタリーベースを拡大しても物価が上がらないものだから諦めたのかもしれません。

 でも、だとしたら、岩田副総裁が就任当時言っていたことが全く外れたということなり、岩田副総裁は自分が言っていたとおり潔く辞任すべきではないのでしょうか?

 まあ、その点はおいておいても…

 再び金利に焦点を当てるというのであれば、マイナス金利が少しも不思議でなくなった今、マイナス金利の幅をさらに大きくするというのなら分かります。

 しかし、一時期マイナス0.3%ほどにまで低下していた長期金利(10年物国債の利回り)を0%程度に誘導することに決めたと言うのです。

 これ、長期金利の引き上げではありませんか!?

 否、利上げがいけないと言っているのでないのです。そうではなく、マイナス金利の深堀もあり得ると言いつつ、長期金利を事実上引き上げるというのは、矛盾していないのかと言いたいのです。

 NHKは、今回の日銀の決定について、「金融緩和策を強化」したと報じていますが、私には強化したとはとても思えません。

 銀行業界や生保業界のみならず、産業界からもマイナス金利政策について批判が相次いだことから、そのマイナス金利政策を実質的に修正したと言うべきではないでしょうか?

 要するに、日銀が3年半かけて行ってきた社会実験が失敗したものの、その失敗を認めずにお茶を濁しているだけなのです。

 読売は本日の社説で、「そうした局面で日銀が決めた新方針には、当初狙った短期決戦から長期戦へ、金融政策の舵を切る狙いがあろう。妥当な判断だ」などと評価していますが、そもそも、物価目標を正式に設置すること自体、短期決戦を前提としている訳ですから、もう前提自体がおかしくなっているのです。

 安倍総理の「2%の物価安定目標を早期に実現するためのもので、政府として歓迎したい」という発言も、白々しいとしか言えません。

 だって、一刻も早くデフレから脱却することが必要で、そのためには物価目標値を設定し、そして、日銀にどんどん国債を買い取らせてお金をばらまけばインフレが起きると言っていたのは安倍総理自身であるからです。

  どうでもいいことですが、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」だなんていうネーミング、超ダサイと思わないのでしょうか?



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日銀が、長期金利(10年物国債の利回り)を0%程度に誘導することに決定したと報じました。

昨日から開かれていた金融政策決定会合で議論した結果ですが…

貴方は、この結果についてどうお思いでしょうか?

私は、マイナス金利の深堀をすることに比べたらまだましだという感じです。

但し、マイナス金利の深堀を期待していた市場関係者にとっては、なんでそうなるの?という感じかもしれません。

或いはまた、イールドカーブのフラット化を予想していた向きには、一応想定の範囲内と映っているかもしれません。

(注)「イールドカーブのフラット化」は「イールドカーブのスティープ化」の誤りです。お詫びして訂正します。(2016年9月22日)

いずれにしても、私の一押しは、金利の引き上げですから、それからしたらまだまだこれから先、長い道のりになるのですが…でも、マイナス金利の深堀をしなかったことは評価すべきかもしれません。

黒田総裁の記者会見は午後3時半からの予定ですので、それを見て改めて明日解説したいと思います。





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 20日から開かれる日銀の金融政策決定会合について、NHKが次のように報じています。

 「日銀は20日から開く金融政策決定会合で、今の金融緩和策を総括的に検証することにしていて、副作用も指摘されるマイナス金利政策の評価などが注目されます。検証の結果を踏まえて金融緩和の長期化を見据えた政策の枠組みの見直しや追加の金融緩和に踏み切るかどうかが焦点となります。」

 追加緩和策が決定されるかどうかが焦点になるのだ、と。

 最近のNHKって、本当に当局べったりで面白みがありませんね。

 もう少し鋭く突っ込んで欲しい!

 ただ、確かにインフレ率はマイナスに落ち込んでいることから、2%の物価目標を設定している以上、何かしなければいけないと言われればそのとおりかもしれません。

 しかし、他方で、有効求人倍率や完全失業率でみると、追加緩和をするような状況ではないとも言えるのです。

 そうでしょう?

 つまり物価を気にしなければ、追加緩和をするような状況ではないのです。

 では、何故それほどまでに物価を気にするのか?

 私に言わせれば、リフレ派の人々はデフレ過敏症になっているとしか思えません。

 いずれにしても、追加緩和をすることによってインフレ率の上昇が大いに期待できるのであれば話は別なのですが…

 但し、黒田総裁は「マイナス金利の深掘りも十分可能だ」なんて強がっているので、追加緩和を期待する向きも多いのです。

 では、例えばマイナス金利の深堀をしたとして、物価が上がるとか、景気がよくなることが期待できるのでしょうか?

 私は、殆ど効果がないと考えます。

 というのも、マイナス金利の深堀をしても、それによって世の中に出回るお金の量が増えるとは思えないからなのです。

 
むしろ、民間銀行は、預金金利をマイナスにしてはけないと日銀から言われていることから、マイナス金利導入以降、利鞘が縮小してリスクを取る余裕がなくなってきており、その結果、大手銀行の貸出残高は減少気味であるのです。 

 さらに、国内金利が再び下がりだしたとしても、それが日米金利差の拡大につながらない限り、円安ドル高圧力がかかることはないのです。

 今年1月にマイナス金利政策をスタートさせた後、日米金利差は拡大せず、むしろ円高が進んだことはご承知のとおり。

 ですから、さらにマイナス金利を深堀したところで、円安になるとは思えません。

 もう一つ、マイナス金利の深堀をすれば、家計のマインドは益々弱気になってしまい、消費はさらに落ち込んでしまうでしょう。

 ということで、私は、マイナス金利の深堀は決していい効果を生むとは思いません。

 早く気が付いたらどうなのでしょうか?



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 敬老の日でお休みのところ、このブログにアクセスして頂き、ありがとうございます。

 さて、突然ですが、次のような発言に対し、貴方はどうお感じになるでしょうか?


 「景気がよくなったせいもあり、企業は内部留保を着実に増やしながら、財務省に来ると『法人税を下げろ』という話をよくする。しかし、法人税を下げてどうするのか、内部留保をためて何をするのか私はそれをいちばん聞きたい」

 「お金は使うものだから、企業がもうかったら、配当に回すか、給料に回すか、設備投資に回すか。これが基本だ」

 どう思いますか?

 ところで、内部留保とは何のことでしょうか?

 簡単に言えば、企業の純利益から税金、配当金、役員賞与などの社外流出分を差し引いたものを指します。

 では、企業がそうやって稼いだお金で設備投資をすると、内部留保は減るのでしょうか?

 如何でしょう?

 ひょっとしたら、設備投資にお金を使えば、内部留保は減少すると考える人がいるかもしれません。

 この発言の主…麻生財務大臣ですが…この人も、はっきりは言っていませんが、内部留保を設備投資に回すべきだと言っていることからすると、設備投資が増えれば内部留保は減るように考えている節が窺えるのです。

 しかし、それは誤り。

 「内部留保」というのを企業が保有する「現金や預金」に読み替えるのであれば、設備投資が増えれば一般的に企業が保有する現・預金が減ることが多いと言えるでしょうが…内部留保は、現金や預金や有価証券や建物や生産設備などのさまざまな資産の形を取っているので、どれだけ設備投資をしようが、直接それによって内部留保が変動することはないのです。

 麻生財務大臣は、金融庁の担当大臣でもあります。そして、金融庁は企業財務を所管している訳で、その最高責任者が企業財務についてこのように誤解を招く発言をすることは甚だ遺憾であると思います。

 もう一度言います。

 企業がどれだけ設備投資に積極的になっても、内部留保が減少する訳ではないのです。

 それに、企業は、国内での設備投資には慎重でも、海外においては設備投資に積極的であるのです。

 だとしたら、国内で設備投資に積極的になれないのにはそれなりの理由があるからで、決して守銭奴であるからではないのです。

 それに、仮に麻生大臣の要請を尊重して、企業が国内での設備投資に積極的になっても、他方で売り上げが伸びずに生産過剰になってしまったら、元も子もありません。

 そのことについて、麻生大臣はどう考えているのでしょうか?

 いずれにしても、内部留保をためて何をするのかというのは、奥の深い質問です。

 だって、企業というのは利益を追求するのが目的とされており、従って、内部留保をためて何をするのか、なんて企業を批判するのであれば、そもそも会社法の制度そのものを根本的にみなおす必要があるからです。

 企業は、基本的に利益追求を目的としている訳ですから、経費としての賃金を低く抑えようとするのは当たり前。もっとも、賃金を引き上げることによってさらに利益が拡大することが期待できるのであれば、企業は賃上げに容易に応じるでしょうが。

 誰か、麻生氏にレクチャーをしてやろうという人はいないのでしょうか?

 いないのでしょうね。


 
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 生命保険協会の根岸会長(明治安田生命保険社長)が次のように述べたと報じられています。

 「追加緩和の必要があるか慎重に検討してほしい」

 この発言、一般の人にとってはどのように理解していいのか少し難しいかもしれません。

 すぐ意味が呑み込めたあなたは鋭い!

 分かりやすく言うのであれば、追加緩和は止めて欲しいということなのです。

 日本銀行に対してダイレクトにそれはダメだと言うのも失礼に当たると考えて、慎重に検討して欲しいと婉曲的な言い方をしている訳ですが、要するに止めて欲しい、と。


 では、何故生命保険協会は、マイナス金利政策に反対しているのか?

 「(運用利回りの低下で)退職給付債務の増加や消費マインドに悪影響が出るなど副作用が大きかった」

 退職給付債務が増加することが一つ。

 どういう意味かお分かりでしょうか?

 退職給付債務とは、将来支払われる退職金や退職年金のうち、既に発生していると認められる金額のことなのです。

 で、その既に発生していると認められる金額については、現在価値に換算する必要がある訳ですが、通常であれば、割引率(金利)はプラスであるため現在価値は小さくなる訳ですが、今のように国債の利回りがマイナスになると、割引というよりも割増しになってしまうという訳なのです。

 要するに、従業員たちに支払う退職金の積み立て額が、マイナス金利によって増加してしまい、そのことが企業経営を厳しくしているという指摘なのです。

 それから、生保協会は、日銀の考え方とは全然異なり、マイナス金利は消費にも悪影響を与えていると言っています。

 私も、その指摘は正しいと思います。

 さらに、生命保険業界に特有のことですが、国債の利回り低下で運用が難しくなっているので、

 「現在の金利水準が続けば毎月支払うタイプの保険も(販売が)難しくなる」
 とも。

 ここまではっきりと言われたら、日銀としてもそう簡単にマイナス金利の深堀などできないと思うのですが…


 でも、そうなると、何も打つ手がないと市場に見透かされてしまうことになる、と。
 
 難しいものなのです。

 しかし、そもそも有効求人倍率や失業率でみると、景気対策が必要とはとても思われない状況にある訳ですから、追加緩和の求めること自体がおかしいのです。

 多くの人が、金融緩和中毒になっているということなのでしょう。



 マイナス金利で家計は金利収入がなくなってしまったのだから、その分消費が落ち込むのは当然で、そのことを無視している黒田総裁はおかしいと思う方、クリックをお願い致します。
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 豊洲の地下空間が何故できたかの謎が少しずつ明らかになりつつあるような気がします。

 先ず、私が想像もしなかったことは、石原都知事(当時)が、盛り土の代わりにコンクリートで作った箱を地下にはめ込んだらどうかを検討するように部下に指示していた事実があったということなのです。

 もっとも、そのコンクリートの箱を地下にはめ込むアイデアに関して、石原氏は、部下から示された案を自分が世間に紹介しただけだ、なんて言っています。

 自分には「そんな見識もなければ、資格もないし、知識もない」なんて今になって言っています。

 まあ、それにしては、当時の記者会見をみると、堂々とというか、偉そうにというか、発言しているように見えるのですが…

 いずれにしても、石原氏は、それだけではなく、「騙された」などと、自分が被害者のように振る舞ってさえいます。

 一方、そんな元都知事から名指しされた比留間元市場長は、そのアイデアを検討しろと言ったのは石原元都知事本人であり、自分は、それはむしろ費用が高くかかると都知事にブリーフィングしたと述べているのです。

 で、仮にこの元市場長の発言が正しいとすれば、それでコンクリートの箱の案が却下になった理由は分かるのですが…では、何故元の盛り土をする案が実行に移されずに、地下空間ができてしまったのでしょうか?

 これについて、技術会議の委員をしていた長谷川という人が、そもそも建物を建設したら必ず配管設備が必要となるが、それをどこに設置するかと言えば、普通、地下に設置することを技術者なら考える筈で、そうすると、どうしても地下にある程度の空間を設けるか、或いは、地上に空間を設けて配管などをした上に建物を建てることになると言っていました。

 案外、こうした技術的なことが優先されて、地下空間が出来上がった可能性があるとも考えられるのですが、でも、それにしても4.5メートににも及ぶ空間を作る必要はなかったと指摘する声もあるのです。

 では、何故そのような過大な空間が出来上がったのでしょうか?

 となると、やっぱり配管設備のためという以外の理由があったことになります。

 それは何なのでしょうか?

 実は、過大な空間を作ることが設計図の上で決定されたのは、東日本大地震の3か月ほど後のことですから、豊洲を含む首都圏の埋め立て地の至るところで液状化現象が起きたことが大きく関係しているのではないでしょうか。つまり、液状化現象に対する対応策として、地下空間を確保しておいた方が無難だという結論に達したためではないでしょうか?

 でも、それが事実だとして、何故そうした結論に達したことを世間に公表しなかったかと言えば…

 そんなことを言えば、またまた寝た子を起こすようなことが懸念された、と。

 何も知らないなら、そのままにしておく方がいいのではないか、と。

 要するに、騙されたのは元都知事ではなく、都民と市場関係者であったということなのです。



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 全国に106ある地方銀行のうち、半数以上が2025年3月期に赤字になるだろうと金融庁が試算し、そのことが新聞記事になっています。

 世の中変わったものですね。

 しかし、世の中全然変わらない、と。

 こんなことを言うと、お前は一体何を言いたいかとお叱りを受けそうですが、変わったと感じるところと、変わらないと感じるところがあるのです。

 先ず、変わった点。

 それは、銀行を監督する金融庁が、平気な顔して地方銀行が赤字になるなんて言い放つ点です。

 昔なら、監督当局は、たった一行でも赤字になるなんて噂が広がったら、取り付け騒ぎが起きて地域経済が大混乱してしまう…と、そのようなことを記事にしようとする記者を脅かしていたのに。

 なんという変わりようでしょう。平気で「銀行が赤字に…」なんてことを言うのですから。

 では、全然変わっていない点。

 それは金融行政が大蔵省銀行局から金融監督庁に移った時点で、一旦は、銀行の箸の上げ下ろしにまで口を出すようなことは辞めようということで、行政の手法が事前指導型から事後検査型に変わった筈なのに…またまた行政が金融機関の経営の在り方にまで口を出すようになったことなのです。

 事後検査型が優れているかどうかは別として、元のやり方に戻るなら…否、戻るのが悪いと言っているのではないのですが…戻るとしたら、それならそれで先ず総括というか反省があってしかるべきなのです。

 いずれにしても、では何故地方銀行の経営が難しくなるかと言えば、人口減と低金利のせいだと言います。

 でも、その金融庁の分析は合理性を有していると言えるのでしょうか?

 もし、それが合理性を有しない単なる誰かの感想文みたいなものだとしたら、それを基に指導される地方銀行はたまったものではないのです。

 それに、今の日本の低金利の状況は、マーケットメカニズムが機能して自然に成立しているものではなく、日本銀行が禁じ手ともいうべきマイナス金利を導入したことから発生している異常なものなのですから、これまた、そんな状況が続くことを前提に指導されたらたまったものではないのです。

 むしろ正すべきは日銀のマイナス金利政策なのです。

 だって、おかしいでしょう?

 国の機関ともみなすことができる日本銀行が、母体ともいうべき日本政府に対しマイナス金利でお金を貸すようなことをしているのですから。

 いずれにしても、行政の在り方って、その時々の状況でどうにでも変わるものなのですね。

 行政当局と銀行の癒着問題に決着をつけ、ああこれで日本の銀行行政は新時代と迎えたと当時大蔵大臣だった宮沢さんは感慨深げに述べたのですが、いつのまにかまた元の行政に戻っているのです。

 

 銀行経営の在り方に対して、金融庁があれこれ口を挟むのは如何なものかと思う方、クリックをお願い致します。
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