経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

 ようこそ「経済ニュースゼミ」へ。当ブログにアクセスして頂き、ありがとうございます。私は2004年以降、一般の方々に経済ニュースを分かりやすく解説する仕事をしております。経済のニュースは難しいことが多いですし、それに誤解を呼びそうな報道も多いからです。皆様が、このブログをお読みになって、ご自分で考えることができるようになることを望んでおります。当方へのご連絡先は、次のとおりです。seiji+cj9.so-net.ne.jp (+を@にして下さい)

 ドル円相場が1ドル=130円台と、また円高に振れているようですが…

 でも、今後、黒田総裁が去り、新しい体制がスタートすれば金利が徐々に上がり、そうすると国債の価格が暴落して、日銀が債務超過に転落。

 そうなれば円安になって、藤巻先生が言うように、1ドル=500円なんてことになかも、と心配する人もいるとは思いますが…

 但し、日本の事情だけでなく米国の事情もよく見ておく必要があると思うのです。

 東京新聞の記事をご覧ください。

 米経常赤字、過去最大124兆円 22年、輸入増に物価高

 【ワシントン共同】米商務省が23日発表した2022年の経常収支の赤字額(季節調整済み)は、前年比11・5%増の9437億9500万ドル(約124兆円)だった。赤字額は21年の8463億5400万ドルを更新し、過去最大となった。国内需要の増加により輸入が拡大し、物価高も赤字額を押し上げた。
 22年の経常赤字の国内総生産(GDP)に占める比率は3・7%となり、前年から0・1ポイント拡大した。
 モノの赤字が9・2%増の1兆1910億2900万ドルと最高額になる一方、サービスの黒字は微増の2457億1千万ドルだった。

 日本の財政赤字が増え続けるのと同じように、米国は経常赤字が増え続けていて、どういう訳か、どちらもそうした状態が長く続く筈はないと言われながらも、まだ破綻を迎えるような状況にはなっていない訳です。

 まあ、超楽観的な立場の人々は、それで何が問題?なんて言うかもしれませんが…

 しかし、ものごとを理詰めで生真面目に考える人からしたら、とても信じられない状態が続いているとしか言いようがありません。

 ですから、過去に何度も米国の経常赤字をどうにかすべきだと国際的に問題になったことがある訳ですが…そうこうしているうちに別のさらに深刻な問題が起こり、忘れられてきたという経緯があるのですね。

 今、為替は、日米金利差が決定的な要因となっていますが、でも、そうした状態がいつまで続くかは疑問です。

 再び、米国の経常赤字が問題視されるようになれば、その時にはドル安が一気に起こる可能性があります。

 為替を予想するのは、そう簡単なものではないし、全て理屈で説明できるものではないと思っていた方がよさそうです。




 米国がGDPで中国に抜かれるようなときが来たら、流石に米国の経常赤字が再び問題視され、ドル安が進むだろうと思う方、クリックをお願い致します。
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 シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻が起き、利上げが見送られるかもしれないと見られていたFOMCですが、0.25%の利上げを行うことが決定されました。

 東京新聞の記事を見てみましょう。

 米FRB、0・25%利上げ 物価抑制を優先、「銀行は健全」

 【ワシントン共同】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は22日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)で、主要政策金利を0・25%引き上げることを決めた。米銀行破綻などで市場に不安が広がる中、利上げを停止するとの見方もあったが、物価上昇の抑制を優先した。パウエル議長は会合後の記者会見で「銀行システムは健全で強固だ」と強調した。
 利上げは昨年3月から9会合連続。短期金利の指標フェデラルファンドレートの誘導目標は4・75〜5・0%と、15年半ぶりの水準になる。市場の不安に景気を冷やす利上げ継続が追い打ちとなり、景気悪化懸念が強まる可能性がある。
 パウエル氏は、銀行破綻に関連し「状況を引き続き注意深く監視し、必要に応じてあらゆる手段を使う用意がある」とした。破綻は金融機関が融資を減らす信用収縮につながるとし「利上げと同様の作用をする」と指摘、影響を注視する考えを示した。
 FRBは声明で、利上げについて従来の「継続的な」という表現を削除し、今後の停止の可能性を示唆した。


 金融不安を鎮める必要もあるが、さればとてインフレも同時に封じ込めなければいけない。

 そこで、大谷ではありませんが、二刀流ということになったのでしょうか?

 ただ、打つことと投げることは相矛盾するものではありませんが、金融不安を鎮めるためにマネーを市場に放出することは、利下げを行うことと同じ意味を持つので、FRBは相矛盾する政策を行っているということもできる訳です。

 ただ、何もしない訳にはいかないので、このような状況になっているのでしょう。

 ところで、米国が利上げをしたのに、為替の方は円高が進んでいます。1ドル=130円台になっていますね?

 どうしてでしょうか?

 政策金利は引き上げられたものの、米国の長期金利が低下していることによって、日米金利差が縮小しているからなのですね。


 黒田総裁の任期も残すところ僅かになっていますが、いつこの状況に変化が起きるのか?


 日銀が債務超過に陥ることが心配されているが、今は嵐の前の静けさなのだろうか、と思う方、クリックをお願い致します。
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 今回の金融危機の発端になったシリコンバレー銀行ですが、どうも以前から経営内容に問題があることが米連銀から指摘されていたと言います。

 Wall Street Journal の記事です。

 SVBのリスク管理、FRBが4年前から懸念示す

 【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)が今月に入り破綻したシリコンバレー銀行(SVB)のリスク管理を巡り、少なくとも4年前から懸念を示していたことが、資料から明らかになった。

 SVBのベンチャーキャピタル部門の従業員の間で昨年回覧されたプレゼンテーションによれば、FRBは19年1月にリスク管理システムを巡ってSVBに警告を出していた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ではその内容を確認している。

 FRBがSVBに出したのは「注意事項の喚起(MRA)」と呼ばれるもので、執行措置よりも軽い種類の警告となる。当局は問題への対応措置がとられたか確認しなければならないが、19年にFRBがその基準をSVBに課したかは不明。

 FRBはその後もSVBに複数の警告を出していたことから、同行が抱える問題は把握していたとみられる。SVBの広報担当者からは今のところコメントは得られていない。FRBと共にSVBを管轄下に置くサンフランシスコ地区連銀からも、コメントは得られていない。


 もし、これが本当なら、今回慌てて預金の全額保護をするようなことをするのではなく、何らかの措置を事前に講じておくことができたのではないかと思うのですが、如何でしょうか?

 例えば、25万ドルという預金保険の対象となる預金の限度を変えるようなことはしなくても、当座預金に関しては別扱いにして限度を設けない、とか。

 今になって、取り付け騒ぎを防ぐことが最優先課題になっているものだから、とにかく預金者を安心させなければならないということで、全額保護を打ち出している訳ですが…でも、全額保護を打ち出してしまうと、こういういい加減な経営を行っている金融機関が淘汰されずに残ってしまうという弊害があるのです。

 もう少しやり方があった筈だし、また、そういう状況にあることをシリコンバレー銀行の顧客、つまりスタートアップの企業が知らなかったとしたら、大変に甘いと言わざるを得ませんね。


 ところで、話は変わって、日本の場合も今後金利上昇が起きると、市中銀行の経営内容が悪化することが当然予想されていますが…

 大丈夫なんでしょうか?

 取り敢えず決済性預金に関しては、全額保護されるので、それほど大きな混乱が起きるとは思われませんが…

 少なくても今やっていることは、金利を剛腕でねじ伏せるようなことなので、当然ながら金利がいつかは反発して急上昇することが当然予想されます。

 

  日本も、市中銀行の経営悪化が心配されるのではないかと思っている方、クリックをお願い致します。
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 暴言が過ぎる高市大臣ですが、参議院の予算委員長から注意をされてしまいました。

 東京新聞の記事です。

 高市早苗氏が「もう質問しないでほしい」発言をしぶしぶ撤回 総務省文書作成者は「レクあった」証言

 放送法の新たな解釈が首相官邸側の働き掛けによって示されたとされる疑惑を巡り、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相は20日の参院予算委員会で、野党議員に「もう質問しないでほしい」と述べた15日の国会答弁を撤回した。野党が求める陳謝には応じなかった。松本剛明総務相は、総務省の行政文書に記された高市氏への担当局長による説明について、文書に登場する官僚のうち3人が「捏造ねつぞうの認識はない」と証言していると明らかにした。(曽田晋太郎、佐藤裕介)

 参院予算委では、末松信介委員長(自民党)が高市氏に対して「全く適切でない。議員の質問権を揶揄やゆ、否定するのは本当に大きな間違い。この部分だけはぜひ省いてほしい」と指摘。身内である自民党の広瀬めぐみ氏も「与党の立場でも遺憾と言わざるを得ない」と苦言を呈す異例の展開になった。
 それでも高市氏は、憲法の規定にのっとって「委員会には出席している」と自身の正当性を主張したが、野党は「憲法にもとる話で審議の冒瀆ぼうとくだ」と納得せず、審議が中断。再開後、立憲民主党の小西洋之氏が撤回や謝罪の意向を確認したのに対して「国会審議に迷惑をかけることは本意でない。『信用できないなら質問しないで』という答弁のみは撤回する」と語った。
 高市氏は15日の参院予算委で、総務省の行政文書に記された内容を否定する自ら答弁に関し、立民の杉尾秀哉氏から「ずるずる答弁が変わっている。全く信用できない」と追及されて「私が信用できない、答弁が信用できないんだったら、もう質問しないでください」と発言していた。


 この記事を読んでいて感じることは、自民党のなかでも高市氏に距離を置こうとする人が増えているということでしょうか?

 すくなくても、何が何でも高市氏を擁護しようとする空気はないようです。

 まあ、辞任問題も、高市氏が、捏造じゃなかったら辞めますよなんて軽率な発言をしたことが原因だから、と突き放して見ている人も多いということなんでしょうね?

 アベシンゾウの場合は、どれだけバカげた発言をしても、一応総理だったから周りもアベシンゾウを支援しない訳にはいかなかったのですが…高市氏の場合は、総理でもなんでもない訳で、別に辞任したからって、大した問題にはならないと岸田政権も見ているのでしょうね。


  高市早苗氏は、自分の約束通り辞任すべきだと思う方、クリックをお願い致します。
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 世界的に金融不安が高まりつつあるなかで、日米欧の6つの中央銀行が市場へドルを協調して供給すると言っています。

 でも…

 米連銀がドルを供給するのは分かるとしても、例えば日銀は、供給するドルを持っているのでしょうか? 円を供給するのは簡単に出来ても、ドルをどうやって供給するのか?

 そんなことを思いつつ、次の日経の記事をお読みになって下さい。

 日米欧の6中銀、ドル供給強化で協調 金融不安に対応

 【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)など日米欧の6中央銀行は19日、中銀が協調して市場へのドル供給を強化すると発表した。相次ぐ銀行の経営不安に対応し、金融機関がドルの資金繰りで目詰まりを起こさないよう安全網を拡充する。20日から開始し、少なくとも4月末まで継続する予定だ。

 参加するのはFRBのほか、欧州中央銀行(ECB)、日銀とカナダ、英国、スイスの各中銀。FRBがほかの中銀に対してドルを融通するスワップ(通貨交換)を強化する。具体的には各中銀がドルを1週間の期間で市場に供給する公開市場操作(オペ)の回数を週次から日次に増やすことで合意した。

 金融不安が強まると短期金融市場での取引が細り、自力でドルを調達するのが難しくなる金融機関が増える。このため中銀が「最後の貸し手」としてドルを供給する。中銀は2008年の米金融危機の直後もドル供給で協調した。6中銀が連携して毎日のドル供給に動くのは新型コロナウイルス禍に対応した20年以来となる。


 ということで、米連銀と他の5つの中央銀行が結んでいるスワップ協定を利用して、例えば、日銀は円を米連銀に引き渡すのと引き換えにドルを入手し、そのドルを市場に放出するという仕組みなんですね?

 まあ、金融不安が高まっているなか、ドルの調達が困難で、そのせいで金融機関が破綻することがないようにとの趣旨でしょうが…ちょっと複雑な気がしないでもありません。

 もちろん、危機対応としてそのような措置が必要であるのは分からないでもありませんが…

 そもそも今回の金融危機が起きている理由は、バブルが弾けたからであるという解釈が当たっているのならば、これまで主要中銀がいろいろな理由をつけてお金をじゃぶじゃぶ流し続けていたことがバブルを引き起こした原因なのに、バブルが弾けたからまたお金をじゃぶじゃぶ放出するというのでは…釈然としないでしょう?

 日本に限らず、世界中がそんな風潮になってしまっているのですね?

 中央銀行は、お金を出せばいい、と。

 しかし、くどいようですが、お金を出し過ぎたから副作用が激しいのです。

 日銀は、600兆円弱の国債を保有しています。しかも、そうした国債を市場実勢より明らかに高い価格で購入しているのですから、官製バブルが起きていると言ってもいいでしょう。

 でも、バブルはいつかは弾ける。

 市中銀行が窮地に陥ったときには、中央銀行が救済の手を差し伸べることができますが、中央銀行が窮地に陥ったら、IMFに頼るしかなくなり、日本はかつてのギリシャと同じようになってしまうのです。

 だから、私は警鐘を鳴らし続けているのです。


  今でも日銀が国債を買い続ければいいと言っているバカ者がいるが、何を考えとるのか、と憤慨している方、クリックをお願い致します。
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 前大統領のトランプが21日に逮捕されるんだ、と。

 びっくりしましたか? それとも、とうとう…

 共同のニュースです。

 トランプ氏「21日に逮捕」 SNSで支持者に「抗議しろ」

【ニューヨーク共同】トランプ前米大統領は18日、自ら創設したSNS「トゥルース・ソーシャル」で、自身が「21日に逮捕される」と書き込んだ。「ニューヨーク州検察からの違法な情報漏えい」で知ったという。「抗議しろ。国家を取り戻せ」と支持者に呼びかけた。

 容疑など詳細には触れておらず真偽は不明だが、州検察はトランプ氏が2016年の大統領選投票日の直前にポルノ女優に不倫の口止め料を支払いもみ消したとされる疑惑を捜査している。

 トランプ氏と同じ共和党のマッカーシー下院議長はツイッターで「過激な検察官によるとんでもない職権乱用だ」と反発した。

 米メディアによると、検察はポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんに面会。当時トランプ氏の顧問弁護士を務め、口止め料を支払ったとされるマイケル・コーエン元受刑者は13日と15日、この事件を審理している大陪審で証言した。

 トランプ氏は一貫して疑惑を否定。18日の書き込みでも「いかなる犯罪も証明されておらず、古く誤ったおとぎ話に基づいている」と検察の動きを批判した。


 トランプの逮捕は、私、遅すぎると思うのですよね。

 但し、逮捕するなら、議会襲撃の首謀者として逮捕すべきなんじゃないでしょうか?

 もちろん、それ以外にも脱税だとか…いろいろあるとは思いますが、議会襲撃だけはどんなことがあっても許してはいけません。

 ところで、仮にトランプが本当に逮捕されたら、共和党の議員たちはどんな反応を示すのでしょうね?

 他の大統領候補たちは、自分たちに有利になることから、これを支持するのか?

 それとも…

 いずれにしても、トランプとアベシンゾウは、どうみても同じ類の人間なのですね。

 息を吐くように嘘をつく、と。

 まあ、それを高市早苗も真似している訳なのです。

 そんなのが国会議員でいていい訳がありません。


 トランプが逮捕される瞬間を見たいという方、クリックをお願い致します。
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 賃上げ平均3.8%と報じられていますが…

 なかなか給料が上がらないどころか、下がることもあったこれまでの数十年間を思うと、若干ではあるが、賃金が上がり出してほっとしているという人が少なくないかもしれませんが…

 この数字、注意して見る必要があるのです。

 先ず、日経の記事をご覧ください。

 賃上げ平均3.8%、連合1次集計 30年ぶり高水準に

 連合は17日、2023年春季労使交渉の第1回回答集計の結果を公表した。定期昇給と基本給を底上げするベースアップ(ベア)分を合わせた賃上げ率は平均3.80%と、前年同時点から1.66ポイント上昇した。過去の最終集計と比較すると1993年(3.90%)以来、30年ぶりの高い水準になっている。3%を超えれば29年ぶりとなる。

 17日午前10時時点の805組合に対する回答をまとめた。定昇を含めた賃上げ額は月額1万1844円と、前年の同じ時点に比べて5263円増えた。ベアと定昇を明確に区別できる612組合で比較すると、ベアの引き上げ率は2.33%と1.83ポイント上がった。

 集計した805組合のうち組合員数300人未満の中小組合398の賃上げ率は定昇とベアを合わせて平均3.45%と、前年同時点から1.40ポイント上がった。賃上げ額は9026円と3642円増えた。

 如何でしょうか?

 3.8%であれば、仮に今のインフレ率が4%強だとすれば、インフレ率には及ばないなと受け止める人が多いと思いますが、それがそもそもの間違いです。

 というのは、この3.8%には定昇分が含まれているからで、マクロで考える場合の賃上げ率は、定昇分を除いた「ベア」考えなければいけないからです。

 そこで、定昇分を除いた賃上げ率(「ベア」)をみると、この記事にあるとおり、2.33%しかありません。

 ということは、仮に4%程度のインフレが今起きているとすれば、2.33%の賃上げでは明らかに物価上昇分に追いつかない、と。しかも、労働者が毎日の生活に必要なモノやサービスに限れば、物価はもっと上がっている筈ですから、この程度の賃上げでは、生活が楽になるなどということは到底考えられないのです。

 では、経営者側の儲けが増えているのかと言えば、コストアップ分を製品価格に十分転嫁できていないと考えれば、経営者側もまた犠牲を強いられている可能性が大なのですが…

 それにしても、このように賃金が上がったという印象操作をするのはちょっと私はおかしいと思っている訳です。

 いずれにしても、定昇分を除いたベースで賃上げ率を大きく報じるべきであり、それをしないのは欺瞞としか言いようがありません。


 


 そもそも原材料費のコストが国際的に上がっている上に、日銀の愚かな緩和政策のせいで
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 シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行の続いて、経営破綻の恐れがあると見られていた
ファースト・リパブリック銀行を支援するため、民間の大手銀行が合計4兆円の預金をすることにしたと報じられています。

 東京新聞の記事をご覧ください。

 預金流出の米ファースト・リパブリック銀行を支援へ JPモルガン・チェースなど11社が4兆円を預金

 【ワシントン=吉田通夫】JPモルガン・チェースなど米金融大手11社は16日、預金流出が続く米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行(西部カリフォルニア州)を支援するため、協調して計300億ドル(4兆円)を預金すると発表した。米財務省や、中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)などは共同声明で「銀行システムの健全性に資する」と歓迎した。
 ファースト・リパブリック銀の昨年末の資産規模は2126億ドルで、全米14位。富裕層向けの金融サービスを手掛けており、預金保険制度の保護上限を超える預金も多いことが不安視され、預金が流出していた。
 今回の支援策は、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスなど金融大手を中心に、11社が一定額ずつ預金する。ロイター通信によると、支援の枠組みはイエレン財務長官とFRBのパウエル議長、JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)が話し合って決めたという。


 預金保険の対象となる25万ドル超の預金についても保護の対象にするとした先日の措置とは違い、これなら文句のつけようがありませんね。

 納税者のお金が使われる訳ではありませんし、預金保険の例外を認める訳でもない、と。

 では、何故大手の銀行が一致協力したかと言えば、銀行の破綻が相次ぎ、全国的な金融破綻の連鎖が起これば、金融界自体が機能マヒに陥ることが十分に予想されたからです。

 つまり、誰かを助けるというよりも、自分たちの身を守るための措置と言えるでしょう。

 いずれにしても、預金保険の限度を超す預金を保護する必要があることが今回明確に認識されているようですが、では、25万ドルという限度を引き上げればいいのか?

 しかし、そうするためには各金融機関が負担する預金保険料を引き上げる必要がありますし、また、そうやって預金保険の対象となる限度が引き上げられることによって、モラルハザードが起きることが懸念されてしまいます。

 ここでいうモラルハザードとは、保険の対象になることによって、将来起こる可能性のあるリスクに関して鈍感になってしまうことを意味します。

 火災保険に入ることで、火災予防の意識が低下してしまう、とか…

 火事になって家屋が焼失しても、お金がもらえる筈だからとなれば、火災保険に入っていない場合と比べて火災が起きる確率は高くなると言っていいでしょう。

 それと同じように、どんなに銀行が破綻することがあっても、自分の預金は完全に保護されるとなれば、どこの銀行に大切なお金を預けるかを考える場合に、いい加減に決定してしまうことが多くなり、そうなると経営内容の劣る銀行が淘汰されない恐れも出てくる訳です。

 ということで、仮に預金保険の限度を引き上げて欲しいと望む大口の預金者がいるのであれば、預金者自身が保険料を支払って預金を保護してもらう預金保険の制度を別途整備する必要があると考えます。

 もちろん、その場合もモラルハザードが起きる可能性がありますが、現行のように預金者が全く預金保険料を直接負担しない場合に比べれば、弊害は遥かに小さくて済むと思われます。

 なお、日本の場合、決済用の預金、つまり当座預金などは全額保護の対象となっているので、それほど心配する必要がないのかもしれません。

 

  
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 小幡績さんのブログを見たら、今回のシリコンバレーバンク破綻の背景が明快に解説されていました。もちろん、そこに書いてあることが全てであるとは思われませんが、一読に値すると思います。

 小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記

 (主な主張を引用させてもらいます)

 さらに、さらに、そして、彼らが預金をしたのは、もはやまともな投資対象がなくなったからで、シリコンバレーバンクが融資先がなくなったのも、まともな新規ベンチャーがなくなり、また既存のベンチャーは投資することもないのにカネが集まり過ぎて(集めすぎて)やることがなく、金融投資(ベンチャーがベンチャーに投資していた、要はぐるぐるまわっていただけ)も、もはやピークアウトし、国債や預金しかなかった。

 (中略)

 つまり、極端なリスクテイクではなく、壮大なる、金融市場全体、経済全体、世界中が大きなバブルに包まれており、誰も極端にリスクも取らず、悪いこともしておらず、銀行の規制をリーマンショック後、強化していたとしても、防ぎようがない、必然的なバブル崩壊なのだ。

これがゆっくり崩壊し続けるだろう。

だから、短期のシステミックリスクはない。暴落もない。パニックもない。

しかし、バブルは崩壊していくのだ。

 

 先進国経済が余りにも金融を緩和し続けた結果、バブルが発生していた、と。そして、そのバブルの崩壊が始まり出したということなのでしょうか?

 但し、小幡氏の仮説が正しいのであれば、このシリコンバレーバンク以外にも多くの銀行は破綻しないと理屈が合いません。

 いずれにしても、もし
米国でもそうなら、日本はなおさらだと思われますが、如何でしょう?

 だって、日本銀行は600兆円弱の国債を保有し、国債の利回りは人為的に極めて低水準に保たれているから、イコール、国債の価格が異常に高くなっている、つまり国債バブルは発生しているからに他ならないからです。


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 シリコンバレー銀行破綻の本当の原因が釈然としませんね?

 この銀行がリスクの高い企業等に融資をし、それが焦げ付いて多額の損失を発生させたというのなら理解できるのですが、一番安全性が高いとされる国債に投資をしていて、その国債の価格が低下したから多額の損失を計上する羽目になったというのであれば、国債を安全な投資案件とみなしているBISの基準は一体何なのかとなってしまうからなのです。

 日経の記事をご覧ください。

 米司法省など、シリコンバレー銀行の破綻経緯を調査

 【ニューヨーク=佐藤璃子】米司法省と米証券取引委員会(SEC)が米銀シリコンバレーバンク(SVB)の破綻について調査を始めたことが明らかになった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの米メディアが14日、関係者の話として報じた。SVBのグレッグ・ベッカー前最高経営責任者(CEO)ら旧経営陣が破綻の数日前に自社株を売却していたことについても調査を進めているという。

 SVBは8日、持ち株会社のSVBファイナンシャル・グループが増資計画と債券売却に伴う損失計上の発表後に信用不安が高まり、9日に株価が急落。急激な預金流出に見舞われ10日に経営破綻し、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれた

 ベッカー氏は破綻の数日前に、約360万ドル相当の保有株を売却していた。SECへの開示資料によると、今回の売却は企業の経営陣が未開示の内部情報をもとに大量の自社株を売買して利益を上げる違法なインサイダー取引を防ぐための「10b5-1」プランに基づいている。ベッカー氏以外の経営幹部も同時期に自社株を売却していたという。同制度は株式を売却できる期間を事前に設定する。当局による調査は初期段階で、調査の結果、提訴にいたるかどうかは不明だ。
 
 13日には持ち株会社の株主が、金利上昇がSVBの経営に与える影響度合いを隠していたとしてベッカー氏などを提訴し、カリフォルニア州の連邦裁判所に訴状を提出したと報じられた。


 いろいろと不都合な真実が明らかになっているようですね。

 銀行の経営者が、自分たちの銀行が危ないと予想して株を売却するようなことをやった日には、大口の預金者がどこからかそうした情報を聞きつけて、預金を引き出そうとするのは当たり前だのクラッカー!

 そうでしょ?

 連邦政府が、取り付け騒ぎの連鎖が起きないようにと心配するのは分からないでもないですが…それでもアメリカの預金保険の歴史は長く、25万ドルまでしか預金は保護されないことは周知の事実であるのですから、何故25万ドル超の預金まで保護する必要があったのか、疑問が生じない訳にはいかないと思います。

 政治的な思惑が絡んでいるのでは、と思ってしまいます。


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