経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

 ようこそ「経済ニュースゼミ」へ。当ブログにアクセスして頂き、ありがとうございます。私は2004年以降、一般の方々に経済ニュースを分かりやすく解説する仕事をしております。経済のニュースは難しいことが多いですし、それに誤解を呼びそうな報道も多いからです。皆様が、このブログをお読みになって、ご自分で考えることができるようになることを望んでおります。当方へのご連絡先は、次のとおりです。seiji+cj9.so-net.ne.jp (+を@にして下さい)

 地球温暖化問題に関する有識者懇談会というのが、開かれたようで
す。

 座長は、トヨタ自動車の相談役である奥田さん。

 何でも排出権取引を議論したとかあります。

 洞爺湖サミットが、七夕の7月7日に開催されることから逆算して、後4
ヶ月しか時間がなくなりました。

 日本は、どうしてもリーダーシップがとりたい。しかし、何にも知恵が
ないのです。せめて、ヨーロッパが積極的に進めている排出権取引に
ついては、日本もサポートしたいというところでしょうか。

 その当たりが、サブプライムミニスターをとりまく人々は、落しどころと
みているのでしょう。

 でも、中国やインドに義務を課すことなしに我が国が数量義務を負う
ことについては、鉄鋼メーカーと電力会社が強く反対していますよね。


 日本だけがバカ正直に数値目標を受け入れ、そして排出権取引を開
始しても、結局、そうした義務が課せられない中国やインドなどの企業
の国際競争力が増すばかりだと。

 つまり、日本の鉄鋼メーカーは競争力を失い、エネルギー効率の悪い
中国など途上国で鉄が沢山を作られるようになるだけだから、二酸化
炭素の排出量は増えてしまうという言い分ですよね。


 まあ、そういう理屈を展開されると、サブプライムさんも、ああ、そうで
すかと言わざるを得ないのですが、でも、このまま手を拱いていると、サ
ミットで格好がつかない。

 少なくても、サミットが終わるまでは、協力的な姿勢を見せて欲しい
な‥


 てなことを考えた福田さん、新日鉄の三村社長と東京電力の勝俣社
長を首相官邸に呼び、昼食をともにしたとか。


 まあ、そこまでされると、福田さんが何を言いたいか、察するのが日
本社会におけるアンスポークン・ルール・オブ・ソーシャル・エチケット。


 でも、この二人のうちの三村社長は、排出権取引については、筋金入
りの反対派として有名なのです。


 新日鉄の社長だけに「筋金入り」なのかな‥、などと考えてしまいまし
たが、冗談はさておき、この人、普段、こんなことを言っているといいま
す。


 「排出権取引がどうして温暖化ガス削減につながるのか、僕を説得で
きる人がいるのか」


 「僕を」という言葉遣いが、少し何なのですが‥、いずれにしても凄い
自信の持ちようです。

 

 さあ、みなさん、この三村社長の意見をどう思いますか?


 このブログを読んでくださっている方の多くは、多分環境問題重視派
でしょうから、多分、何言ってるのこのおじさん、という人が多いでしょ
う。

 
 まあ、私も、結論としては、何言ってんだ!ということなのですが、この
人の言うのも分からないではないのです。十分に筋は通っているので
す。

 でも、だからと言って何もしないわけにはいきません。何もしないと、こ
の地球が大変なことになり、我々生き物にとっては生存が危うくなって
しまうからです。

 そうです。三村社長には、大量の二酸化炭素を排出している大会社
の社長として、対案を示す社会的責任があるのです。

 でも、経済界は、考慮に値する対案を出していません。ただ、中国や
インドなど途上国にも義務を課すべきだというばかりです。


 それにしても、どうして三村社長は自信満々なのでしょうね。ちょっと
履歴をチェックしてみました。

 三村 明夫【みむら・あきお】

【肩書き】新日本製鉄社長

【生年月日】1940年11月2日

【出身地】群馬県前橋市

【経歴】
 群馬県立前橋高等学校を経て

昭和38年3月東京大学経済学部経済学科卒業(首席で卒業)
昭和38年4月富士製鐵(現新日本製鐵)入社
昭和47年7月ハーバード大学大学院ビジネススクール卒業
昭和53年4月大分製鐵所工程業務部成品工程課長
昭和55年10月輸出第二部冷延鋼板輸出課長
昭和57年11月販売管理部販売総括室長
昭和60年6月経営企画部部長代理
昭和62年6月販売総括部次長
平成元年6月自動車鋼板販売部長
平成3年11月販売総括部長
平成5年6月取締役(販売総括部長委嘱)
平成6年6月取締役(営業総括部長委嘱)
平成7年6月取締役(建材営業部門長委嘱)
平成9年4月常務取締役(建材営業部門長委嘱)
平成10年4月常務取締役(薄板営業部門長委嘱)
平成12年4月代表取締役副社長
平成14年3月(社)日本鉄鋼連盟総合政策委員会委員長
平成14年5月(社)経済同友会幹事
平成15年4月新日本製鐵蠡緝充萃役社長
平成15年5月(社)日本鉄鋼連盟第11代会長
平成17年5月(社)日本経済団体連合会副会長

 

 

 しぇー、凄いですね。

 東大の経済学科を首席で卒業ですか。首席で卒業することも凄いで
すが、それを経歴に書くことももっと凄いですね。で、ハーバード大学大
学院のビジネススクールですね。で、後は、順調にご出世なされたよう
です。

 こうなると、回りがバカに見えてしょうがないかもしれません。

 「僕を説得できる人がいるのか」という台詞が出てくるはずです。


 でもね、三村さん、そんなに優秀だったらやっぱり、対案を出して欲し
い。

 そして、有識者懇談会で立派な議論をし、福田総理がそれなりに格好
がつくように日本としての戦略を示して欲しい、と言いたい。


 それに、もし新日鉄や東京電力が、温暖化対策に消極的な姿勢を示
し続けると貴方が、地球環境を悪化させた張本人にされてしまいます
よ。


 鉄鋼メーカーの言い分は、こうですよね。

 世界が同じように義務を分担するなら、自分たちも温暖化対策のため
に義務を課されても受け入れる。何にも好き好んで反対しているのでは
ないのだと。

 要するに、中国も同じように削減義務を受け入れろと。

 でも、各国に削減を受け入れさせるのは無理だとは思いませんか?

 何故なら、皆が納得する基準がないからです。

 だから、国ごとに削減義務を課すという発想から離れなければいけま
せん。

 産業ごととか企業ごとの削減義務も、恐らく皆が納得するものはでき
ないでしょう。

 結局、市場経済の原理で決めざるを得ないということです。

 で、そのために考えら得る方式には2つあります。

 1つは、排出権をオークション方式で世界の国に配分するというやり方
です。

 世界中における1年間の排出権を、オークション方式によって販売す
るわけです。

 これにはもちろん途上国も先進国と同じように参加してもらい、必要と
する排出権をお金を出して買ってもらうわけです。日本がどれだけ排出
権を手に入れることができるか、また、中国がどれだけ手に入れること
ができるかなどは予め分かる訳ではありません。個々の排出権に高い
価格を提示したところから順に落札されていくわけです。また、買った後
に、第三者に転売するのも自由です。

 これなら、日本企業や、先進国側の企業だけが競争力を失うようなこ
とはありません。ですから、何も心配することはないでしょう。

 でも、いちいち排出権と売ったり買ったりというのも、面倒なものです。
それに、排出権を購入することなく、二酸化炭素を大量に排出するよう
な国が出てきたら、結局、二酸化炭素の排出削減は実現できないでしょ
う。

 そこで、排出よりももっと上流に位置する産出段階でコントロールする
ことを考えます。

 そうです。世界中における毎年の石油や石炭の産出量を縛ってしまう
のです。

 もちろん、そのためには、主要な産出国が合意してくれなければこの
スキームは実現しませんが、もし、合意が得られれば、二酸化炭素の
排出量を完全にコントロールできることになります。

 でも、ここでも、各産出国の利害関係が衝突しそうです。

 しかし、ここでも市場原理を適用します。そうです。毎年の世界中での
石油や石炭の産出量の上限を決めた上で、産出権をオークション方式
によって世界の産出国に配分することをすればいいのです。

 これだと、どこも文句の言いようがありません。


 日本の鉄鋼メーカーは競争力を失うことなく、温暖化対策に貢献する
ことができるのです。


 どうでしょう。この方式を日本が世界に提示してみては。

 


 このままだと、洞爺湖サミットでも、日本は影が薄いかも、とお思いの
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 借金棒引きという言葉を聞いて、どのようなことを感じますか?

 「借金棒引きね。それって、大きな会社だけに許されることでしょ」

 そういえば、こんな言葉があります。

 If you owe the bank $100, that's your problem.

 If you owe the bank $100 million, that's the bank's

  problem.

 あなたが銀行から200万円借りている場合、あなたがどれだけお願い
しても、銀行が借金の返済を免除してくれることはないでしょうが、もし
も、100
億円も借金している場合には、銀行は、ひょっとしたら、少しくら
いなら借金を帳消しにしてくれるかもしれませんね。

 我が国においては、バブル崩壊以降、大きな会社が次々に破綻しま
したが、そのようなとき、大会社に対しては救済の手が差し伸べられま
した。

 何故でしょう。

 そうした大会社を潰してしまえば、地域社会に与える影響が余りにも
大きいから?

 潰すよりも、再建させた方が、銀行にとって損失が軽く済むから?

 潰してしまうと、当該会社に貸しつけた融資債権を償却しないといけ
なくなるが、そうすると貸した銀行の決算が赤字になる恐れがあったか
ら?


 理由は、いろいろ考えられますが、いずれにしても

 Too big to fail

 ということが証明されたわけです。

 で、そういう光景を見せ付けられる度に、中小企業の経営者などは恨
めしい顔をしながら、零細や中小は簡単に切り捨てられるのになと嘆い
たりしたものでした。

 銀行から住宅ローンを借りているような個人もそうでした。自分たちが
困っていても、銀行は助けてくれないのにな‥と。


 では、皆さんにお聞きします。

 もし、そうした借金の棒引きが大会社ではなく、銀行からローンを借り
ている貴方も認めてもらえるとしたらどうでしょう?

 「嬉しいな‥、でも、それは自己破産でしょ?」

 そうではないのです。

 今、FRBのバナンキ議長が、地域銀行(Community Banks)に対し、
サブプライムローンの元本を削減してやってはどうかと勧めているので
す。

 つまり、借金を少し棒引きしてやってよと。

 アメリカの貧しい債務者たちは、それで立ち退きを逃れることができる
と、涙を流して喜ぶかもしれません。

 でも、どうしてそんなことを銀行の親分であるFRBの議長が提案する
のでしょう。

 ちょっと信じられない気もします。

 バナンキ議長はいいます。

 幾ら元利払いを延滞させたからといって、簡単に差し押さえをしてしま
うと住宅街が空き家だらけになるだけではなく、そうした中古物件が市
場に溢れ出すことになるので、益々住宅価格の低下に繋がるだろうと。

 それに、空き家ばかりになると、治安問題が発生しやすくなるというこ
ともあります。

 
 でも、そんなことを言うのであれば、今までもそうだったのでは、と思う
のですが、差し押さえの件数が急増していることが決定打になっている
ようなのです。

 バナンキ議長は、次のようなことも言っています。

 今住んでいる住宅価格が、買った価格、つまり借金の元本よりも低下
してしまうと、借金を完済しようとするインセンティブがなくなってしまう
だろうと。

 これは、、もし、借金の額、つまり、元本をその値下がりした住宅価格
に合わせて下げてやると、借金を返済しようとする意欲が出てくるとい
うことのようですね。


 でも、そんなことをしたら、これまで真面目に支払っていた人は、どん
なに思うことでしょうね。

 これだったら、払わなかった方が得なのかと。

 バナンキ議長は、真面目に払っていた債務者の元本も削減してあげ
たらというのでしょうか。そんなことはないですよね。


 冷静に考えてみます。

 当初の契約どおり、延滞させたからという理由で差し押さえたとして
も、確かに相当の損失が発生するでしょうから、ひょっとしたら、利子を
軽減させたり元本の一部を削減して上げた方が、結果として、融資した
側の損失が少なく済む可能性があるかもしれません。

 でも、そんなことをすると、真面目に返そうと思う人がいなくなってしま
うのではないでしょうか。


 この問題、どのように進展するのでしょうか。

 


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 公的資金と聞いて、どのようなことをイメージするでしょう。

 私たち中高年にとっては、公的資金という言葉は、バブル崩壊後の日
本の信用システムの崩壊の象徴のような言葉として映ります。

 住専という言葉がありました。住宅金融専門会社というやつです。

 破綻した住宅金融専門会社の救済のために6850億円の公的資金を
投入しようとした政府に対し、国民から大ブーイングが起こりました。
 今考えたら、6850億円なんて大した額とは思えませんが、当時は本当
に皆が反対しました。何で税金を投入しないといけないのかと。

 それ以来、政府は「公的資金」恐怖症に陥り、「公的資金」は禁句にな
りました。

 こうしたことも金融機関の破綻処理が遅れる原因になったのです。


 ところで、急ピッチで円高が進み、株価が下げていますが、これも米国
経済がぱっとしないからです。

 たった1年の間に、米国のセンチメントは、全く変わってしまいました。

 米国は、大幅な利下げを行い、そして個人及び企業向けの減税まで
決定しながら、なかなか回復の糸口が見えないことに焦りでも感じてい
るようです。


 ということで、最近、米国経済を立て直すためには、利下げや減税な
どの伝統的な経済対策だけでは十分でなく、「公的資金」を投入しては
どうかという考え方が登場してきているようです。

 でも、これは、米国においてではなく、主に日本においてです。


 おばかな一部の日本人は、アメリカに対し、公的資金の導入を提案し
ているようなのですね。

 額賀財務大臣に、渡辺金融担当大臣などです。

 でも、アメリカ側は、あまりまともに受け止めていないみたいです。

 別に、公的資金を投入しなくても、海外のファンドから既に支援しても
らっているからです。

 でも、この他にも公的資金の導入を説くマスコミ関係者もいるようです。

 それは、日経新聞の岡部主幹。3月3日付けの「核心」で、「デジャビュ
の米金融危機」と題し、「日本の通貨当局もまた日本の金融危機の教
訓を米国に伝える歴史的責務がある」と言っています。


 しかし、そんなこと別に日本から言われなくても、分かっているのです
よ。


 アメリカの銀行が、サブプライム関連で大きな損失を発生させ、そして
資本が大きく毀損し、それでもそれをひた隠しにしていたり、資本を増
強しようとしても、それが難航しているというのであれば、こうした人た
ちの言い分も理解できます。

 しかし、アメリカ側は、逸早くサブプライム関連の損失を処理し、資本
増強策も講じているのです。

 にも拘らず、さらに公的資金を投入する必要性があるというのでしょう
か。

 私には、額賀大臣や、渡辺大臣、そして日経の主幹が、今世界の金
融界で起きていることを的確に理解しているとは思えません。


 公的資金といえば、あの英国が、ノーザンロックを一時国営化してい
るではありませんか。だから、日本がとやかく言わなくても、米国は、そ
の件を通じて、公的資金の使い方を分かっているのです。

 米国政府は、小さな金融機関の経営問題には首をつっこみません。
資金量が数百億、或いは数千億円の金融機関だったら、簡単に潰れさ
せるでしょう。仮に、小規模の取り付け騒ぎが起きても、預金保険のル
ールに従って、淡々と処理するだけの話です。

 でも、我々が名前を知っているような大手の銀行が破綻を起こしそう
だったら、手を拱くようなことはしないのです。

 ちゃんと海外に資本支援を仰ぐなり、それなりの対策を採らせるはず
です。

 で、不幸にもそうした対策が功を奏さず、大規模な取り付け騒ぎに結
びついてしまうなら、英国のノーザンロックがそうであったように、公的
資金を投入すると予想されるのです。

 でも、そこまでの事態には陥っていないのです。

 だから、日本人が幾らアドバイスをしても、「小さな親切、大きなお世
話」でしかないのです。

 マスコミが報じるところによれば、つい最近、ポールソン財務長官は、
公的資金の投入を否定したとされています。

 で、ポールソン財務長官の発言の内容をチェックしてみました。

 ポールソン長官は、次のように言っています。

 Many in Washington and many finacial

institutions have been floating 
proposals for

a major government intervention in the housing

market,
with U.S. taxpayers assuming the costs

of the riskest mortgages.

  Most of the proposals I've seen would do

more harm tha good.

 I oppose any bailout.

 「ワシントンや金融機関の関係者のなかには、住宅市場に対する政
府介入という案を打ち出している者が多くいる。これは、納税者にリス
クの高い住宅ローンのコストを押し付けるものだ。

 私がこれまで見てきたこれらの提案の多くは、害あって益なしだ。
 私は、如何なる救済にも反対する」


 皆さん、この文章を読んで何か感じるでしょう。

 ポールソン財務長官は、そもそも銀行に公的資金を投入することなん
か考えていないのです。

 ここで言っている政府の介入とは、主に債務者やローン業者などへの
支援を意味しているのです。例えば、ローンの返済を政府が片側って行
うことにより差し押さえを回避するとか‥。

 どうも、日米では、この公的資金問題について、スムーズな意思疎通
ができていないようです。

 そこの貴方、はい、貴方です。今このブログを読んでいる人!

 まだ、不安そうな顔をしていますね。

 「そんなこといっても、公的資金を入れた方が‥」


 どうしても公的資金を入れたいのですか。

 心配しないで下さい。

 米国の連銀は、公定歩合による直接融資に代わって、入札金利方式
による直接融資を行っているでしょう。TAFです。

 経営悪化が噂され、このため短期金融市場で資金調達ができなくなっ
ている銀行でも、このTAFの制度があることによって、連銀から資金を
調達できるようになっているので、取り敢えず心配いらないのです。

 日本の金融担当大臣も、よその国のことを心配するよりも、資本増強
が必ずしも十分ではない地方の金融機関のことでも考えたら如何でしょ
うか。



 まあ、日本が何か言っても、アメリカ人が耳を貸すことはないよね、と
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 福井日銀総裁の任期が終了しようとしています。

 しかし、次期日銀総裁の誰にするかで、国会はおおもめのようです。


 というか、民主党は、参議院で第一党の地位にあるのに何ら政策に
影響力を及ぼせないようでは、民主党の力量を示すことができないとで
も思っているのではないでしょうか。

 国会の人事証人権を盾にその力を誇示することが必要だ、という思
惑が垣間見えるようです。

 民主党は、武藤氏が副総裁になるときにも反対したから、今回も反対
するのは筋が通っているとか、財政と金融を分離すべきとする財金分
離の考えからしても、財務省出身者が総裁のポストにつくのは如何なも
のか、というような考えを持っているとも言われています。


 まあ、そういう言い分も分からないではありません。

 でも、それなら誰を日銀総裁にすべきかとなると、なかなか適任者が
思い浮かばないようです。

 「日銀総裁は、誰がいいのか?」

 「うーん」


 結局、我が国の政治家の多くは、誰を総裁にしていいか分からないの
です。

 かつては、与党が推薦する者が国会で承認されていたので、人事で
ごたつくことがなく、結局役所などのの言い分を聞いていればよかった
わけですが、今は、参議院の第一党は民主党ですから、時代が変わっ
たのです。


 でも、そうであるにしても、よーく探せば適任者はいるかもしれませ
ん。


 専門知識、経験、説得力、交渉力、外国語の能力、交友範囲、人間
性‥

 しかし、今のサブプライム・ミニスターや政府関係者には、誰が適任か
を選ぶ能力が欠けているのです。


 何故そのようなことが言えるか?


 日銀の最大の使命は、物価の安定(通貨価値の維持)です。景気の
浮揚という役目のあるでしょうが、何といっても一番の仕事は、インフレ
を起こさないことです。


 でも、そもそも、消費者物価指数を算出、分析している政府の手法そ
のものが的確と言えないのに、どうして物価を巧く安定させることができ
るか、と思われるのです。


 その具体例を示します。


 皆さんが、今日銀の総裁あるいは、審議委員に任命されたとして、ど
のような金融政策を採ることが適当だと思いますか?


 この問いに的確に答えることができなければ、適当と思われる総裁を
選ぶこともできないのです。

 「今は、まだデフレから脱却していないというから、利下げを行うべきで
はないのか。少なくても利上げをすべきではない」


 こういう意見をお持ちの人も多いと思います。

 では、最近の消費者物価の動向を、どのように評価していますか?

 「消費者物価指数の方は、最近2ヶ月連続して0.8%上昇しているけ
ど‥」


 よくご存知ですね。立派です。

 では、さらに聞きます。

 物価は、12月から動きが出始めたと考えていいのでしょうか?

 「基本的には、そうでしょう」

 もう少しお聞きします。

 総務省の資料によれば、1月の消費者物価は、生鮮食品を除く総合
ベースで100.5となり、前月比は0.4%の下落となっているのは、ご存知
ですか?

 「あれっ、0.8%の上昇ではなかったの?」

 0.8%上昇というのは、1年前と比べた話です。前月と比べれば、0.4%
落ちているのです。

 「ああ、そうか、そうか。でも、前月に比べ落ちているのだから、さっき
言ったように、デフレなのだよ。だからやっぱり利下げも考えないと」

 でも、この前月比は、原指数ベースの話です。季節調整済みの指数
の話ではないのです。

 季節調整済みの指数は、付属資料には出てきますが、総務省の本体
の資料には微塵も出てきません。


 バナンキ議長は言いました。

 金融政策の効果は、タイムラグが伴うと。

 要するに、利上げをしたり、利下げをしたからといって、直ぐに効果が
出るものではなく、このため、金融政策を効果的なものにするために
は、将来の動向を見越して内容を決定する必要があるのです。

 そして、そのためには、毎月の動きを丁寧に追っていくことが必要だ
というのに、総務省の分析は、前年同月との比較が今でも中心となって
いるのです。

 だから、消費者物価指数が、昨年の12月に引き続き、1月も0.8%の上
昇になったということだけが、皆さんの頭に残っているのです。

 でも、それでは、毎月の動きをフォローしているとは言い切れません。

 因みに、季節調整済みの指数の動きは次のようになっています。

 2007年1月 100.1
    2月 100.0
    3月  99.9
    4月  99.9
        5月 100.0
    6月 100.0
    7月 100.0
    8月 100.1
    9月 100.0
    10月 100.2
    11月 100.4
    12月 100.8
 2008年1月 100.9


 これらの数字を見れば、昨年の秋口当たりから、じわじわと物価が上
がってきている様子が窺えますね。

 そして、こうした傾向が今後も続くと思われるのであれば、どのような
金融政策を採るべきか自ずと明らかになると思います。


 もう一度繰り返しますが、今のような記者発表資料を作成している限
り、政府には、誰が日銀総裁として適格かなど判断する資格はないよう
な気がします。


 天下りには反対です。

 でも、財務省OBを排除すべきかということになると、簡単には結論が
出ません。しかしどうせなら、事務次官経験者よりも、財務官経験者の
方が向いているのではないかと思われます。

 しかし、財務省は昔から、事務次官経験者を日銀総裁に送り込んでき
ました。

 それは、日銀総裁のポストが最も位が高いからです。

 そのポストに、ランクが落ちる財務官が就くのは許さないというのでし
ょうね。

 仕事の経験や能力よりも、ポストだけに目を向ける手法は、役所の
特色といってもいいと思います。

 それでは、真の適材適所は実現できません。

 

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 米国のFRB議長のバナンキ氏が証言します。

バーナンキ議長
 There will probably be some bank

failures.

 「多分、銀行の破綻が幾つか起こるでしょう」


 


 随分、はっきりと言うものですね。

 かつての日本だったら、否、今でも、中央銀行の総裁がこんなことを言
おうものなら、「総裁失格!」との烙印が押されかねません。

 アメリカは少し違うのでしょうか。

 それに、発言はそれだけではないのです。


 There are some small and in many cases

de novo banks that
have heavily invested in

real estate in locales where prices
have fallen.

 「不動産投資に偏重している小規模な銀行が幾つかあるのですが、
多くの場合に、それらは新しい銀行であって、そして、それらの地域で
は不動産価格が低下しているのです」


 バナンキ議長という人は、本当に分かりやすい。

 この人が言っていることは、決して嘘とは思われません。それは、内
容がとても自然だからです。

 かつての日本とは大違いです。

 危ないと噂される銀行がどんなに沢山あっても、当局は、「そのような
銀行があるとは承知していない」などと言っていたものです。

 で、それを聞いている新聞記者も、全くそれを信じるわけでもないので
すが、そのまま新聞で伝えるわけです。


 そこには、取り付け騒ぎを起こさないためなら、少々事実と異なること
を述べても許されるという雰囲気があったような気がします。


 でも、アメリカは違うのですね。

 ただ、こんなに正直に中小銀行の経営に言及して、その結果、破綻し
てしまう銀行が出ても許されるのだろうか、などと思っていると、実は、
米国では、2007年の第4四半期に3つの金融機関が破綻しているとあり
ます。

 米国預金保険公社のホームページには、ちゃんと破綻銀行がリストア
ップされているのですよ。

 もう、破綻が発生しているのですね。だから、今更、隠す必要もないと
考えているのでしょうか。

 日本の場合には、「一行たりとも潰さない」政策だったので、どんなに
小さな金融機関の破綻も認めたくはなかったのですが、アメリカの場合
には、小さな金融機関の破綻など殆ど注目されないようなのです。

 「預金保険の範囲で払い戻しを受けて下さい。以上」
 
てなものです。

 
 それはそうと、今後金融機関の破綻が続出するような事態になるの
かどうかが気になるところなのですが、面白い事実が明らかになってい
ます。

 それは、米国の預金保険公社が、破たん処理の専門家であるOB25
名の再雇用を先月末行ったというのです。

 何か気になる動きですね。

 

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 日経新聞のウォール街ラウンドアップをみると、「モノラインが起こした
珍事」とあります。

 珍事と言われると、興味が沸いてしまいます。

 
 一体何が起こったというのでしょうか。

 モノラインが起こしたと、新聞では言っているのですが。


 皆さん、アメリカや欧州では金融市場が麻痺しているのをご存知です
よね。

 昨年の8月以来、金融機関の経営不安が噂され、他の金融機関を信
じることができなくなり、金融機関同士で資金を融通し合うことが難しく
なっているのです。

 これは、短期金融市場の機能麻痺の話ですが、最近では、それに加
えて、資本市場の機能も少しおかしくなっています。

 資本市場といっても、株式発行市場のことではなく、地方債の発行市
場のことです。

 要するに、地方都市などが起債、即ち、債券を発行し資金を調達しよ
うとしても、それが困難になってしまったというのです。

 何故か?

 それは、地方都市などが起債するに際しては、その信用度を補完す
る意味でより高い格付けを有する機関(金融商品の保険会社)に保証
をつけてもらうことが多かったのですが、その保証人となる会社が信用
を失っているからです。


 そうです。その保証人とは、モノラインと呼ばれる金融保証会社のア
ムバックなどのことです。

 
 
 投資家は考えます。

 株がいいのか、国債がいいのか、社債がいいのか、或いは地方債が
いいのかと。
まあ、時には原油先物や金のことを考えるかもしれません
が‥。

 国債は、流動性が高く直ぐに換金できるし、信用度も最高だから、利
回りは少々低くても、魅力はあると。

 でも、地方債を買う人も結構います。

 何故か?

 この地方債、米国では、

 Muni (つまり、municipal bonds の略ですが)

 と呼ばれていますが、これ、利息収入に税金がかからないというメリッ
トがあるのです。

 それに、自分の資金でその地方の橋や道路や学校が整備されるとい
うことを知れば悪い気はしませんよね。

 後は、ちゃんと元本と利息を支払ってくれれば‥、となります。

 でも、地方都市といってもいろいろあります。本当に信じていいもの
か。

 ということで、今までは、モノラインが保証してくれていたのですが、ご
存知の通り、保証どころか、自分の経営が問題視されています。

 
 先に挙げた新聞記事によれば、アムバックの格下げ懸念で、ニューヨ
ーク都市交通局の調達金利が、1ヶ月前の4.5%から8%にまで上がって
しまったというのです。


 まあ、これは言わば当然の現象にも見えます。珍事でも何でもありま
せん。

 珍事は、これから起きます。

 8%にまで金利が上がるのでは、他の会社に保証を頼むか、或いは
保証なしで債券を発行しようかということになりますが‥。

 ニューヨーク都市交通局は、先週、保証なしで独自で債券を発行した
といいます。


 金利はどうなったと思いますか?


 なんと、5%。

 保証を付けない方が、むしろ信用が高まり、金利は低下したのです。


 妙な話です。どんなに考えても、こんなことが起こるなんて信じられま
せん。

 まあ、だからこそ、珍事というのでしょうが‥。

 

 やっぱり、アメリカは病んでいるのかも。

 

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 海の向こうのアメリカでは、FRBのバナンキ議長の議会証言に関心が
集まっています。

 「時機を逃がさず行動する」と言ったことが、追加利下げを示唆したも
のと解釈されているようです。

 また、景気後退を未然に防ぐために十分な保険を掛けるべきだと言っ
たとも。


 
 でも、なんだか聞いたことがあるような台詞ですよね。確か、2月14日
に議会証言をしたばかりですが、あの時と言い方が変わっているのでし
ょうか。

 前回は、上院の銀行、住宅及び都市委員会で、今回は、下院の金融
サービス委員会ということで、発言の場は違っているのですが‥。


 しかし、この2週間ほどで大きな環境の変化があったとは思えません
し、それに上院で話すことと下院で話すことの内容が異なるというのも
変な話です。


 ということで、例によって、バナンキ議長の発言をチェックすることにしました。

 

  Although the FOMC participants' economic projections

envision an improving economic picture, it is important

to recognize that downside risks to growth remain. 


 この箇所は、前回の表現と若干の相違があるようですが、言っている
内容はほぼ同じです。

 「FOMC(公開市場委員会)の参加者は、景気が回復することを予想
しているが、それでも景気の下振れリスクが残ることを理解することが
重要だ」

 で、次のような結論につながります。


 The FOMC will be carefully evaluating incoming information

bearing on the economic outlook and will act in a timely

manner as needed to support growth and to provide adequate

insurance against downside risks.

 「FOMCは、今後寄せられる景気見通しに関するデータを注意深く精
査し、その上で、経済成長を下支えし、また、下振れリスクに対し保険を
かけるために、必要に応じ時機を逸しないように行動することになろう」


 これが、新聞などが盛んに言及している箇所なのですが、これ、実は
前回の言い方と全く同じです。

 だったら、それほど反応しなくてもよさそうなものでは‥、と思ってしま
いますよね。

 ひょっとしたら、今後もこの文章が何度も登場するかもしれません。だ
ったら、いっそのこと暗記してしまったら如何でしょう。

 でも、どうやったら暗記できるでしょう。ということで、暗記の方法を考
えてみました。


 先ず、文章を幾つかに切断します。

 最初は、次の箇所です。


 The FOMC will be carefully evaluating incoming information

 FOMCが主語で、「FOMCは、今後の情報を注意深く精査する」

 これだけなら、何とか暗記が可能ですよね。動詞が、evaluateで、それ
にcarefullyがついて、そして目的語が、informationで、それをincoming
が修飾しています。

 先ず、以上を何度も暗誦しましょう。

 で、それができたら、何か物足りなくなります。

 情報について、もう少し修飾しましょう。経済の見通しに関する情報と
いうことにしましょう。

 ということで、bearing on the economic outlook がつきます。

 ここまでを、また練習しましょう。

 で、次は、FOMCが、やる内容が追加されます。情報の精査をやると
ともに、必要に応じてタイムリーに行動するということを表現します。

 それが、

 and will act in a timely manner as needed

 ということになります。

 でも、必要に応じてといっても、どんな必要性かというと、それが、経
済成長を下支えしたり、景気の下振れリスクに保険をかけたりするため
に必要であれば、ということになるのです。

 ということで、as needed の後に、

 to support growth and to provide adequate insurance

against downside risks

 が続くということです。


 こうして、文章を分解して暗誦することができるようになると、英語で
表現できるだけでなく、中身を完全に理解することにもつながり、非常に
有益だといえます。


 以上で、覚え方のテクニックは終わりですが、いずれにしても、米国で
は利下げの勢いがとまりそうにもありません。

 そして、年初から予想していますように、利下げに伴うドル安がまた勢
いをつけているようで、ドルは対ユーロで最安値を記録しています。片
方では、円高になり、14000円台に乗せた株価が、また落ちています
が‥。


 で、本日お話したかったのは、これからなのですが‥


 今、次期日銀総裁を誰にするかでもめていますよね、国会で。

 一般の国民の皆さんは、余り関心はないかもしれませんが、それは、
候補者がどのような人か分からないので興味がわかないのですよね。

 いずれにしても、今候補者として上がっている武藤副総裁が、政府寄
りだと言われています。

 だから、なんとなく、政府寄りの金融政策を展開するのではないかと
市場は想像しているようです。

 要するに、現在の福井総裁とは異なり、決して金利の正常化(引き上
げ)は急がず、ひょとしたら利下げさえ期待できるのではないかと。


 でも、世の中いつも皮肉なものなのです。

 政府寄りの武藤さんだから利上げはしないと思っていても、そして、本
人も今時点では、利上げはしないぞと思っているかもしれません。

 しかし、、もしかしたら、物価の上昇で否が応でも利上げに動かざるを
得ない事態が訪れるかも知れません。

 何故か?

 それは、小麦やコーンなどの穀物類が値上げラッシュになって、食料
品などの製品価格にも大きく影響を及ぼしているからです。

 こうした穀物価格が上昇する理由は、昨日述べましたよね。

 それに、今回のバナンキ議長の発言によって、今後も利下げが継続
することが確認され、投機マネーがさらに勢いを増し、穀物市場に流入
しているということもあります。


 ひょっとしたら夏までに日本では利上げがあるかも‥、でもね‥とお
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 最近世界的に食料品やエネルギー価格が上昇しています。

 昨日、米国で1月の卸売り物価が発表になりました。 新聞には、前月
比1.0%上昇と出ています。


 「1%上昇したからって、どうということはないじゃないの」


 でも、「米、インフレ懸念台頭」とあります。

 「しかし、1%程度の上昇なら‥」

 実は、前月に比べ1%上昇したとあるのですが、1年前と比べれば、な
んと7.4%も伸びているのです。

 全体の平均が7.4%の伸びを示しているということは、個別に見ればも
っと伸びているものがあるということですね。

 何が上がっているというのでしょうか。

 パスタ、16.2%

 「スパゲティが高くなるのか‥」

 卵、6.9%、牛肉、3.6%となっています。

 やっぱり、小麦の価格が上がっていることやトウモロコシの値上がりな
どが段々と効いてきているということのようです。


 では、どうして小麦やトウモロコシは値上がりするのでしょうか。

 一つには、オーストラリアなどの主要産出国において、異常気象(旱
魃)のために不作になっていることが挙げられます。

 また、バイオエタノールを生産する関係で、トウモロコシなどの価格が
上がっていることもあります。

 さらに、中国などの新興国の所得水準が向上するに従い、食生活に
変化が生じていることも挙げられます。

 「中国の人が、小麦やとうもろこしを沢山食べるようになるの?」

 その反対です。

 「どういうこと?」

 貧しい国の人が、お金に余裕が出てくると、肉の消費量が増えるわけ
ですが、家畜を育てるためには、餌となる穀物を食べさせる必要があり
ますが、そのため穀物の需要が増えるからです。

 13億人もの人口をかかえる中国、そして、11億人のインドがどんどん
経済成長を遂げている訳ですから、今後、益々穀物の価格が上がるこ
とが予想されるのです。

 それに、地球温暖化の進展にともなう異常気象(旱魃の発生)の影響
もより大きくなることでしょう。

 そうなると、遠い遠い先の話ですが、ひょっとしたら、日本の農業も
国際競争力を回復するかもしれません。

 
 いずれにしても、米国の1月の卸売物価が前年比7.4%も上昇したの
は1981年10月以来の出来事だといいます。


 これだけ、物価が上昇すると、いくら景気の失速を防ぐためとはいえ、
金利も下げつらくなってきます。

 米国は、インフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションに突
入してしまうのでしょうか。



 日本でも物価が上がるのではないかと、心配だという方は、クリックを
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 アメリカには格付け制度というのがあります。もちろん、我が国もそれ
を真似していますが‥

 
 「格付けって何よ?」

 あのう、ミシュランガイドというのを知っていますか?

 「美味しいレストランに星をつけるやつ?」

 そうです。

 「私、あれ、あまり信じない」

 どうしてでしょう。

 「ミシュランに限らず、美味しいラーメンの店とか紹介した本が売って
あるけど、当てになんないのよ」

 でも、そうした本で紹介されたラーメン屋さんは、大抵行列ができてい
ますよ。

 「だからなおさら嫌なのよ。行列ができる。当然期待は膨らむ。注文し
たラーメンが出来る。でも、何か違う‥」

 はい、そういう経験ならありますよね。

 でも、初めて都会に出て行った人や、初めて地方に転勤になったと
き、或いは、初めて海外に旅行したときなどは、やっぱりガイドブックが
必要ではないでしょうか。

 「それなら分かるわ」


 ところで、皆さん、お金を殖やしたいと思ったとき、どうしますか?

 「それは、一生懸命働くことでしょ」


 働いたらどうなりますか?

 「働くと、給料やボーナスがもらえるけど、それをちゃんと貯金するの
よ」

 でも、預金の利息はすずめの涙‥

 「だったら国債でも購入したら‥」

 株は駄目なのでしょうか? 或いは、社債とか、外貨建て預金とか‥

 「でも、投資先が多くて迷っちゃうのよね」

 そうですね。迷いますね。こういうときにもガイドブックがあるといいと
思いませんか?

 「要するに投資先の評価をしてくれるの?」

 はい、それがアメリカの格付け制度です。

 投資先として最もお薦めなのは、Aが3つも並び、トリプルAなどと呼
ばれています。

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とか、ムーディーズというのを聞
いたことはありませんか?

 こうした格付け会社が、投資先の評価をしてくれるのです。

 「それで思い出したけど、サブプライム関連の金融商品に高い格付け
を与えていたのじゃ‥」

 そうですね。格付け会社が、高い格付けをそうした証券につけていた
こともサブプライム関連の損失が大きくなった理由とされています。

 「じゃあ、当てにならないかもね‥」


 そうなのですね。

 実は、今月の初めに、S&Pは、モノライン大手のMBIAの格付けを引
き下げることを検討すると言っていました。

 「どうして?」

 モノラインは、金融商品の元利払いを保証することによって、保証料
収入を得ているのですが、例のサブプライムローンの焦げ付きが原因
で、多額の損失を発生させてしまい、資本が大きく毀損したと言われて
いたからです。

 「じゃあ、さっさと格下げしないと‥」

 ということで、格下げを検討していたのですが、25日に明らかになった
ところによれば、S&Pは、MBIAやアムバックのトリプルAの格付けをそ
のまま維持することになったといいます。

 「どうして?」
 
 資本の積み増しを行ったり、資本の増強が今後予定されているからだ
とか。

 「だけど、それはやっぱり資本が毀損したから、それを補うためにやっ
ていることでしょ。そんなに簡単にトリプルAを維持していいの?」

 まあ、詳しいことは分かりませんが、もし、これらのモノライン大手の格
付けが引き下げられると、その影響が大きすぎることも少しは関係して
いると思われます。

 もし、これらの格付けが大きく引き下げられると、これらモノラインに頼
って債券を発行しているようは地方公共団体が、資金調達を行うことが
難しくなってしまうという問題もあるようなのです。


 何か、アメリカの市場経済も、「名ばかりの市場経済」に変容している
ような気がします。

 そのような格付け会社であるのであれば、一層のことない方がましな
のではないでしょうか。

 断っておきますが、格付け会社が単なる民間会社であるのであれば、
お好きにどうぞというところなのですが、これの格付け会社は、米国政
府(SEC)の認可を得ている機関なのです。

 どうりで、双子の赤字に悩む米国の国債が、高い格付けを得ているわ
けですね。

 

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 みなさん、突然ですが、炭素銀行というのをご存知ですか?

 「毎日の生活で発生した二酸化炭素を集めてもっていき、ある量に達
すると、ドライアイスや備長炭、或いはダイヤモンドに取り替えてくれる
銀行?」

 そんな、アホな!

 そんな銀行が本当に存在するなら、製鉄所や電力会社が、大気中に
二酸化炭素を放出することはないですよね。


 炭素銀行、英語でcarbon bankというらしいのですが、イギリスのブラ
ウン首相が、炭素銀行の設立を欧州委員会に提案したといいます。

 「で、何をする銀行?」

 実は、銀行と言っていますが、別にお金を預かるわけでもなく、また、
お金を貸してくれるわけでもないのです。扱うのは、炭素。といっても炭
素できているものは、いろいろありますが、二酸化炭素などの排出枠の
配分や、排出権取引の運営を行う機関だとあります。

 ですから、まあ、排出権取引所みたいなもので、銀行よりも、証券取引
所のイメージに近いかもしれませんね。

 
 で、皆さんにお伺いします。

 皆さんは、炭素銀行構想に賛成しますか?

 「反対!」

 どうしてでしょうか。

 「だって、そんなことをされると、洞爺湖サミットでリーダーシップをとら
なければいけない日本の立場がなくなってしまうでしょう」

 はあ。

 「それに、ノーザンロックという銀行を国営化した英国が、バンクを設
立したらと提案するのも皮肉じゃない。カーボンではなく、バーボンを飲
みすぎたのじゃないの、ブラウン首相」

 はあ。


 でも、もっとまともな理由はないのでしょうか。

 「とにかく、自分たちだけええ格好するのは、許せない」

 まあ、考えてみたら、森の木を切りつくしたり、石炭を散々消費して環
境を悪化させてきたという点でワースト・ワンなのは英国ですから。

 それに、いつも言っているように、排出権取引が十分機能するのは、
全ての参加者が二酸化炭素の排出総量について合意をしてからの話
ですから、今のように米国や中国が、制限を課せられることに拒否反応
を示している以上、温暖化阻止の有効な手段にはなりえないのです。

 「でも、ヨーロッパの企業などの間では、排出権取引が現実に行われ
ているのでしょう?」

 はい。結局、それはヨーロッパとしての排出総量を管理するためには
有効な手段とはなりえるからです。

 「だということは、日本も京都議定書の6%の削減目標を守るために
は、国内で排出権取引を開始すると可能になるということ?」

 そうです。可能です。

 「では、どうしてやんないの?」

 それを行うためには、業界毎や企業毎に排出枠を初期配分する必要
がありますが、どのようにして配分すればいいか、意見がまとまらない
ことと、そもそも枠を設けると国際競争力が失われるとして、経済界が
反対しているからですね。

 「やっぱり、日本は遅れているんだ」

 そうですね。日本の経済界は、温暖化の悪影響がどれほど深刻にな
ったら本気になるのか、一度伺ってみたい気もします。

 一生懸命お金儲けをすることに反対をする訳でもありませんが、自分
たちの子や孫が生きていけないような地球環境になることに危機感を
覚えないのか不思議でしようがありません。


 「でも、結局カーボン銀行も十分機能しないというのでしょう?」

 そうですね。そう簡単に世界中の国が数量義務を受け入れるとは思
われないからです。必ずしも全ての国が受け入れなくてもいいのです
が、少なくても、中国やインド、アメリカといった大所は参加する必要が
ありますね。

 「といっても、その見込みは薄いのでしょ?」

 だから、排出権の取引などという面倒くさいことをしないで、OPECを中
心とした産油国に頼んで、毎年の石油や石炭の産出量を、計画的徐々
に減らすことを実行すればいいのですね。

 何も国毎にに排出枠を予め決める必要はないのです。

 本当に石油や石炭を使いたいという国は、高いお金を出して石油や
石炭を買えばいいだけのことです。こうして、効率的な石油や石炭の配
分が可能になり、しかも世界中における年間の消費量はコントロール
可能となるのです。

 どうせ、世界から相手にされていないと思いますけど、福田総理、思
い切って洞爺湖サミットで提案しませんか?

 まあ、提案だけでは物足らないというのであれば、率先して国内でそ
れを部分的に実行したら如何でしょう。

 石油や石炭の毎年の輸入量に国として制限を儲け、輸入権を入札方
式で輸入業者に配分すればいいのです。

 それだけで、京都議定書の排出制限の目標値が完全に達成すること
が可能です。

 個別の企業も、直接個々に制限が課せられる訳ではないので、強烈
に反対するところもないと思われます。

 それに、輸入権の販売収入が国に入ってくるので、その分財政が潤う
ことにもなり、その収入によって代替エネルギー開発を促進することな
どが可能になります。

 

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