経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2006年12月

 人民元の上昇ペースがまた鈍化したと報道されています。米中の戦略経済対
話開催中は人民元レートが上昇し、それなりの姿勢を示していたかに見えたの
ですが、そうした米国へのサービスもひとまず休止のようです。

 ところで、人民元が仮に大幅に切り上がったら、円レートにはどのような影響が
あるかということが時々議論されます。

 みなさん、どのように考えますか。

 新聞などは、人民元が切り上がると、円レートも上昇するだろうと報じるものが
多いように見受けられます。

 では、どうして、人民元が切り上がると円レートも上昇すると考えるのでしょう
か。それは、人民元も円もアジア通貨の一つであり、人民元が切り上がると連想
で連れ高になるという考えのようです。

 まあ、それほど説得力のある説明ではないですね。

 人民元が切り上がるということが、仮に中国政府がより市場メカニズムを尊重
する、つまり、為替介入を控えるということの結果であるとすれば、円は人民元に
対し弱くなると考える方が合理的です。

 ただ、ここで注意すべきことがあります。

 それは、円レートという場合、それはほぼ100%対ドルの円レートを指している
のです。従って、仮に人民元に対し円レートが安くなっても、ドルと円の関係に変
化がなければ、対ドルの円レートは変化せず、人民元に対し円が安くなったこと
に気がつく人が殆どいないということです。

 なお、人民元の切り上げが、中国政府のスタンスの変更というよりも、主に米
国自身が、例えば経常赤字の削減のために「強いドル政策」を変更した結果生
じるような場合には、円レートへの影響も全く異なってくるでしょう。

 即ち、もし、米国自身の「強いドル政策」の放棄がマーケットに認められれば、
ドルが他の主要通貨に対し全面的に弱くなるでしょうから、急激に円高が進むこ
とが考えられます。

 ただ、急激にドル安円高が進むと、米国の経常赤字削減には役立つかもしれ
ませんが、それはドル金利の急騰をもたらし、米国経済に急ブレーキをかける結
果になり、世界経済に大きな混乱を巻き起こしてしまいます。

 従って、米国は、ドルを安くしたいものの、急激なドル安は受け入れることがで
きないのです。

 

 しばらくは、人民元の上昇もストップだと思う人は、クリックをお願いします。

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マクロ経済学ミクロ経済

 

赤いマクロと緑のミクロ

です。

 本間政府税調会長が辞任した。しかし、どうも関係者の発言が釈然としない。
テレビの報道の仕方も気になる。

 テレビは、どうしても夫人との夫婦仲を中心に伝えたがる。まあ、それは現在
付き合っている女性が北新地のクラブのママだったから、なおさら変なかんぐり
をしたくなるのだろうか。

 しかし、である。これだけテレビで騒がれても、日本人の多くは、今なお、「本間
さんって、どんな人?」と思っているのではなかろうか。

 政府の税調会長というのは、大変な権限を有していることは確かだろうが、政
治家ではなく単なる学者なのだ。誰も、彼に1票を投じたわけではない。従って、
騙されたという気もしない。

 今回のスキャンダルが報じられて、逸速く批判的なコメントをしたのは、党税調
会長の町村氏であった。主導権を取り戻したいと思う党税調の立場からすれ
ば、むしろスキャンダラスに報じられて辞任することを望んでいたものと思う。

 確かに、本間氏、脇が甘いといえば、甘い。甘すぎーる。

 しかし、奥さんとは事実上別居状態が続いているわけだし、奥さんを裏切ったと
いうことでもなさそうなので、他人がとやかく言うべき話ではないような気がする。

 超豪華宿舎に入っていたのがけしからぬというのであれば、それは何も本間氏
だけではなく、その宿舎に入居している官僚全員に言うべきことではないか。

 さらに、入居失格のない愛人と同居していたのがけしからぬと言っても、その人
が一緒に入居したからといって、国民がそのことによって損するわけでもないの
だから、別にさほど問題にする話ではないのではないか。

 とまあ、考えるのだが、それでは、どうして本間氏は、そそくさと辞めてしまった
のか。また、公務員宿舎など売り払うべきだと常々主張していた人が、どうして入
居していたのか、については疑問が残るかもしれない。

 しかし、案外簡単に答えは見つかる。

 彼は、経済学の教科書に書いてあることを実践しているだけなのだ。

 国民経済的にみて、公務員宿舎を維持することが適当でないということと、自
分がそこに住む問題は、全く別次元の問題なのだ。

 国民経済的にみて公務員宿舎の維持が適当でないということは、家賃が安す
ぎるということであり、国にとっては損失であるが、そこに入居する公務員にとっ
ては得するということなのだ。そして、本間氏は、特になることを選択しただけな
のだ。

 次に、では何故すぐに税調会長を辞めてしまったか。

 恐らく、与党や役所内に自分たちを排斥しようという力が強まっていることを察
知した上で、これ以上ポストにとどまって得られる利益と、それによって失うもの
を比較しただけなのではないか。

 簡単に言えば、合理的な行為を選択しているということである。

 

 こんなことを言っても、本間氏を少しも支持しているのではないが、今回の結末
は、テレビ局が「クラブのママ」に目を奪われ、本間排斥派にまんまと利用された
思いがしてならない。

 

  それにしても、いまだに党税調とか、政府税調とか言っているのは、少し古い
気がするという人は、クリックをお願いします。

 

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ミクロ経済

 

 ミクロ経済学の本も出ました。

 赤いマクロに緑のミクロです。

 

 

 

 日銀の福井総裁は、昨日の金融政策決定会合後の記者会見で、年明け後の
利上げの可能性について、「もう少し丹念に見極めたい」と言及するにとどめて
いる。

 今年の3月に量的緩和政策が解除され、そして、7月にはゼロ金利政策も解除
され、以降政策金利(無担保コール翌日物)は、0.25%に誘導されている。

 私は、量的緩和政策やゼロ金利政策に反対の立場だったから、そうした決定
は大歓迎だったのだが、ただ、今後利上げに踏み切ることには、単純に賛成す
ることはできない。というのは、現状では7月にゼロ金利を解除したときよりも、消
費者物価の上昇率は落ち込んでおり、概ね横ばいという状況が最近続いている
からである。

 従って、そうした状況の中で、日銀の福井総裁が利上げを行いたがっていると
いう理由が今ひとつ納得がいかないからである。

 仮に、ここ数ヶ月消費者物価が1%を超えるペースで上昇しているというのであ
れば、予防的観点から金利を少し上げることも是認できるのであるが、しかし、
実際には消費者物価はほぼ横ばいなのである。

 

 ただ、金融政策をめぐる環境に少し変化が出てきているように思う。それは、
以前は財政当局も大反対の姿勢を露骨に示していたのであるが、最近は、露骨
に反対するのは、自民党の中川幹事長くらいだからだ。

 では、財政当局が金利引き上げを認めざるを得ない事情でも発生しているの
だろうか。

 あるとしたら、それはアメリカとの関係ではないか。

 実は、アメリカの経常赤字は悪化の一途をたどるばかりであり、そういう意味で
は、緩やかな円高を望みたいところなのだ。しかし、日本がこのまま超低金利政
策を採り続けると、円安は一向に改善されず、従って、対日赤字も減りそうにな
い。

 アメリカ政府は、内心は、日本が緩やかに金利を引き上げ、日米金利差が少
しずつ縮むことを望んでいるのではないか。

 であるとすれば、財政当局が、日銀の金利引き上げについて露骨に反対する
ことがなくなっている説明が付くのであるが。

 

  日銀の金融政策に対し、最近財務省は口を挟むことが少なくなっていると感
じている人、そうでない人も、クリックをお願いします。

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マクロ経済学

 

 

 ゴールドマンサックスの幹部に115億円のボーナスが報じられたことが報じられ
ている。これは幹部経営陣に対するボーナスの合計ではなく、1人への支給額で
ある。まさに、イヤミの「しぇー」をして驚きたい心境である。

マクロ経済学

 それはともかく、ゴールドマンザックスの9-11月の決
算が発表になっているが、純利益が31億52百万ドル
(約3680億円)で、通年では約95億ドル(約1兆1100億
円)とある。

 どうしてそのように儲けることができるかといえば、株
や債券などなどのトレーディング・自己勘定投資収入
が、66億3千万ドルで、M&Aなどの手数料収入が13億
4千万ドルを占めるという。新聞が報じるところによれ
ば、出資した中国工商銀行の新規上場益などが寄与
したとある。

 
 

 まあ、それにしても純利益だけで1兆円を超えるわけであるから、トヨタ単体の
利益を超える水準であるが、トヨタ単体の従業員の数は、約65千人であるのに
対し、ゴールドマンザックスは、約26千人だ。

 ゴールドマンサックスは限られた社員で莫大な利益を上げた結果、社員1人あ
たりのボーナス支給額も平均約62万ドル(約7300万円)ということだ。

 なお、CEOクラスでは、約25百万ドル(約29億円)手にしているということである
から、今回の松坂の契約金をみても、「あっ、そうなの」という感じであるのではな
かろうか。

 しかし、そんなに儲けてどうするの?というのが実感であるし、また、儲けてい
る人はいいけど、貧乏人との格差は広がる一方で、それで社会の秩序が保てる
ものだろうか、と心配してしまう。

 それに、そんなに儲けると、お金儲けよりも環境問題とかに関心が向きそうな
ものだが、米国は京都議定書に調印するつもりはさらさらなさそうだ。


 こんな社会がいつまでも続くのであろうか。

 

 最後に、ゴールドマンサックスの経営理念を紹介したい。

 日本語のホームページをみたら、

 「わが社は競争者としていかなるときも公正を欠くことはない」

 とある。


  へー、そんなに胸を張ることができるのか、と思って、英語のホームページを
確認したら、そこには次のようにあった。

 Complacency can lead to extinction. − おごると滅びる

 日本語の経営理念よりも、英語の経営理念の方が、今のゴールドマンサック
スにふさわしいと思う。


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 中国がWTOに加盟してから5年が経過し、その間世界の貿易量は急速に拡大
し、また、米中間の貿易摩擦も激化している。

 14日、15日と北京において米中戦略経済対話が開催されるが、中国経済の変
貌振りを振り返ってみましょう。(日経新聞は、12月10日から、「中国WTO加盟5
年」と題するシリーズものの記事を掲載しており、それを参考にしました。)

(1)貿易総額
 2005年の中国の貿易総額は、1兆42百億ドルとなっています。これは、5年前の
3倍の規模です。
 日本の2005年の貿易総額は、1兆12百億ドルであるので、中国の貿易が如何
に急成長しているかがわかります。
 この時期に、世界の貿易も6割増加していますが、これは毎年10%増加してい
ることを意味します。

(2)外資系企業
 では、どうしてこのようなハイペースで貿易が拡大しているかといえば、中国に
対する直接投資が急増しているからです。外資系企業が増加しているということ
です。
 中国の工業生産の3割、輸出の6割は外資系企業が担っているとされます。
 なお、中国の企業は、国有企業、集団企業、私営企業、外資系企業、個人営
業、その他があるとされています。
 ただ、外資系の製造業は、中国の安い賃金に目を付けた労働集約型であるた
めに、技術向上には余り役立っていないとの批判があるということです。

(3)農家への影響
 中国がWTOに加盟したことによって、中国の農産物の平均輸入関税は、2001
年の23%から2004年には16%に低下したとされます。
 中国は工業製品の輸出によって大きな恩恵を受けていると同時に、農家は打
撃を被っていることが窺えるのですが、中国政府は、農作物の国家買い上げに
よる補助金を拡充するとともに農業税を廃止し農家に配慮しているとされます。
 農家が貿易の自由化によっても余り影響をうけないのは、その他、中国の農
民の6割が自給自足の生活をしているからであるともされています。

(4)環境への影響
 このように中国は、近年急スピードで経済が拡大していますが、その副作用が
環境面に及んでいます。
 日本では、かなり以前から酸性雨の被害が報告されていますが、その原因は
中国では、硫黄酸化物の規制が緩いからであるとされています。
 その中国が、2007年から二酸化硫黄の排出権取引を開始すると報じられてい
ます。二酸化硫黄の主たる発生源は、石炭を燃料とする火力発電所であるとさ
れていますが、こうした企業に削減目標値を課し、目標を達成した企業は、その
余裕枠を目標を達成できない企業に売り払うものです。最初は相対取引で始
め、将来は取引所を創設することが考えられています。

 へー、あの中国が‥、という感じです。

 中国が排出権取引を行うなんて、と思う人はクリックを!

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 マクロ経済学

 ドル安加速という記事のタイトルですが、為替の動向を占おうというのではあり
ません。

 実は、12月10日の日経に「ドル安加速 懸念高まる」という記事が掲載された
のですが、そこで使われていたグラフについて、少し違和感を感じたので取り上
げました。

 先ず、そのグラフをみてみましょう。

ドル相場

 2つの折れ線グラフが描かれています。タイトルは、ド
ル相場となっていて、上の折れ線グラフが「対ユー
ロ」、下の折れ線グラフが「対円」となっています。

 記事は、11月下旬以降外為市場でドル安が加速して
いること、また、その理由を分析しています。

 円相場は、今月5日に1ドル=114円43銭まで上昇し
たこと、また、ユーロも、同日1ユーロ=1.3364ドルまで
上昇した事実も伝えています。

 では、もう一度、折れ線グラフを見てみましょう。

 グラフには、ドル相場とはっきり書いています。従って、この折れ線グラフは、ド
ル相場を伝えるものでなければいけません。しかし、上の折れ線グラフは、1ユー
ロが何ドルに相当するかを示すもので、それは本来、ユーロの対ドル相場を示
すものです。

 しかし、この折れ線グラフは、対ユーロとなっています。そして、また奇妙なこと
に、そのユーロの相場が上昇すると折れ線グラフが下を向くように描かれていま
す。従って、円相場を表すのに1ドル=○○円というように表現する感覚で、ドル相
場を表示したことが窺えます。

 では、下の折れ線グラフはどうでしょうか。この折れ線グラフは、1ドルが何円に
相当するかを示しており、確かにドル相場を表しています。しかし、ドル相場であ
るならば、どうしてドルの価値が上がると、折れ線が下を向くように表現されてい
るのでしょうか。結局、この折れ線グラフは、実は、円相場を表現しようとしてい
るのです。

 こうしてみると、2つの折れ線グラフは、ともに「ドル相場」となってはいるもの
の、上の折れ線グラフは、気持ちとしてはドル相場を表現しようとしているのに対
し、下の折れ線グラフは、気持ちとしては円相場を表現しようとしているということ
になります。

 ということで、上のグラフと下のグラフは概ね向きが反対方向を示しているので
す。

 

 でも、そんなことは、一般の読者にとっては大変分かりにくいことですよね。こう
して、また経済の話を敬遠する人が増えるのかなと思いました。

 

 

 ところで、ドル安が加速している理由を紹介しておきましょう。

 一つは、先日、欧州中央銀行が、政策金利を0.25%引き上げ3.5%としました
が、このように海外との金利差が縮小していることがあります。

 二つ目は、各国の中央銀行が外貨準備をドル以外で保有する傾向が出始め
ていることです。

 なお、米ワシントンポストは、「ドルに潜む危機は爆発寸前」という論説を掲載し
ているといいます。

 

 今年も、あと1ヶ月を切りましたが、今年の前半は、米国の経常赤字問題を取り
上げるなどしたために、ドル安に一時拍車がかかりましたが、その後、各国は、
敢えてその問題を棚上げにする姿勢に変更しました。

 しかし、ここにきて、また、米国の経常赤字問題がクローズアップしつつあると
いうことのようです。

 今後、ドル安に拍車がかかることになるのでしょうか。

 

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 マクロ経済学

 

 

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 スティグリッツのグローバリゼーションという本を読んでいるところです。正式に
は、Globalization and its discontents というタイトルです。邦訳版では、「世界を不幸
にしたグローバリズムの正体」というタイトルになっています。

 グローバリゼイション

 これが、その本の表紙です。

 ペーパーバックで、2094円です。ハードカバーならそ
のくらいの値段でもいいのですが‥。

 

 

 

 

 結論からいうと、大変興味深いです。非常に納得してしまいます。でも、同時に
米国の醜い面を見せつけられて、少し暗澹たる気持ちになるのも事実です。

 それに、このタイトルと中身には少しずれがあるように思います。

 このタイトルからは、グローバリズム、即ち、自由貿易の無条件の推進などに
ついて異議を唱えるような内容になっていることが想像されますが、実は、スティ
グリッツ教授も自由貿易のメリットを否定しているわけではないのです。

 簡単にいうと、米国政府が、自由貿易の推進をたびたび口にしながら、現実に
は、海外からの輸入に制限を加えているという事実を非難しているのです。

 また、IMFが経済破綻をきたした国に対し、常にあまりにも緊縮的な財政政策
を押し付けたことや民営化を急がせたことも間違っていたとしてます。

 いずれにしても、米国政府の自己中心的な振る舞いが明らかにされ、また、そ
の支配下にあるIMFのお粗末さも指摘しています。

 しかし、スティグリッツ自身は、そのIMFの正面に位置する世界銀行に勤務して
いました。そのためかどうか分かりませんが、世界銀行の方針には殆ど批判を
加えていません。IMFと財務省だけが悪者のように書かれています。でも、外部
の者からみれば、若干の雰囲気の違いはあるかもしれませんが、IMFも世界銀
行も同じ穴の狢です。そこのところが、少し頂けません。

 でも、そこを差し引いても面白くためになる本だと思います。

 

 全部読み終わったら、また感想を書きます。

 

 

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マクロ経済学

 経済学では、情報の非対称性という言葉を使います。

 私、この表現を余り好きではありませんでした。どうしてかと言えば、如何にも
スノビッシュ(snobbish)、すなわち、鼻持ちならない、気障な表現だからです。

 スノビッシュなどと言っている私も、嫌な感じですね。

 それはそうと、情報の非対称性とはどういうことかといえば、例えば、契約の当
事者の保有している情報の質とか量が偏っているということを指します。

 では、どういうときに情報の非対称性が問題になるかと言えば、経済学では、
完全競争市場が成立すると資源の最適な配分が実現すると説くわけですが、情
報の非対称性が発生している場合には、市場が機能しなくなるというわけです。

 ジョセフ・スティグリッツという経済学者がいます。あの、IMFや米国の財務省を
批判している経済学者です。ノーベル経済学賞ももらっています。そのスティグリ
ッツが、情報の非対称性という言葉を好んで使っているのですが、ただ、よくよく
考えると、この情報の非対称性というものは、経済学だけではなく、政治の世界
でも問題になりそうです。即ち、情報の非対称性が発生していると民主主義が巧
く機能しないということです。

 経済学の世界では、情報の非対称性のせいで、中古車市場に出回る車は、ま
ともなものはなくなってしまう(レモンと呼ばれる欠陥車ばかりになる)とか、生命
保険では逆選択が起きると説きます。一方、政治の世界でも、我々選挙民の有
している情報は、政治家に比べはるかに限られたものであったり、イメージが先
行したものであったりするため、情報の非対称性が発生していると考えられま
す。国民が等しく投票権を有すること自体は貴重なことですが、我々の判断が正
しいかどうか、或いは本当に資格のある適当な人が議員として選ばれるかは、
はなはだ疑わしいということです。

 そういうことで、我々の社会が今後進歩するためには、民主主義が実現してい
ることに満足することなく、我々が有する情報の質を高めていくことが必要と考え
ます。

 今日は、堅すぎる話で恐縮です。

 

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 お薦め図書

マクロ経済学 

 

 

 

 

 

 

 

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