経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2007年03月

 本日、2月の全国の消費者物価指数が発表になりしたが、このブログで予想し
ていたとおり、やっぱり下落です。

 消費者物価指数が下落したとなると、再び日銀に対する風当たりが強くなるこ
とが予想されますが、その前に、ファクトを確認しておきましょう。

 そもそも下落したと報道されていますが、それはいつと比べて下落したのでしょ
う。日経の記事は次のように伝えています。

 「総務省が30日発表した2月の全国の消費者物価指数(CPI、2005年=100)は
変動の激しい生鮮食品を除くベースで99.4となり、前年同月比で0.1%下落した。
下落は2006年4月以来、10カ月ぶりで、原油安の影響でガソリンなど石油製品価
格が下落に転じたのが主因」

 そうですね、2月の物価指数を前年同月と比べているのですね。それでは、前
年同月比の数値は、最近どのように推移してきたのでしょうか。

 

消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)

原指数

    2005年   2006年  前年同月比   2007年 前年同月比
1月    −            99.7      −              99.7       0.0
2月      99.5         99.5       0.0              99.4      -0.1
3月      99.8         99.9       0.1
4月     100.1       100.0      -0.1
5月     100.2       100.2       0.0
6月     100.0       100.2       0.2
7月       99.9       100.1       0.2
8月         100.0        100.3           0.3
9月         100.2        100.4           0.2
10月       100.3        100.4           0.1
11月       100.0        100.2           0.2
12月       100.0        100.1           0.1

 消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の原指数がならんでいますが、ここ何
ヶ月間か100を超えていたのが、今年の1月に100を切り、2月も99.4となっていま
す。確かに、この表が示すように、2月は、前年同月比でマイナス0.1となりまし
た。昨年の6月以降プラスを保ってきたのが、またマイナスになったということで
す。でも、足元の動きでみたら9月の100.4以降下がり続けているので、ここに来
て物価が低下というのも変な気がしないでもないですね。

 しかし、これは原指数です。足元の動きをみるには、季節調整をした指数で見
る必要があるのです。

 そういうことで、今度は季節調整済みの指数を並べて見ましょう。

季節調整済指数

   2006年 前月比  2007年  前月比
1月   100.1    0.2              100.1      0.1
2月     100.0   -0.1               99.9     -0.2
3月     100.1    0.1
4月     100.0   -0.1
5月     100.1    0.1
6月     100.1    0.0
7月     100.1    0.0
8月     100.2    0.1
9月     100.1   -0.1
10月   100.1    0.0
11月   100.1    0.0
12月   100.0   -0.1

  上の数値が季節調整済指数ですが、これによると、昨年9月及び12月にも前
月比では既にマイナスを示しています。季節調整済指数は、昨年の8月に100.2
とピークをつけ、その後非常に緩やかに下降しているとみるのが適当であるかも
しれません。ただ、先月は100.1をつけていることを考慮すると、総じて見ると、ま
だ横ばいと考えた方がいいかもしれません。

 以上が、消費者物価指数の正体です。

 

 さて、いずれにしても2月は消費者物価指数が下がったということで、政府関係
者から消極的な反応が示されるのかと思ったのですが、太田大臣は、意外と冷
静なコメントをしています。

 「物価の状況は変わっていない」

 ただ、デフレ脱却の時期については「(5月公表予定の)1―3月期のGDP速報
値をみてから判断したい」と述べたということですが、デフレというのは、生産の
減少や雇用の減少を伴うのが普通であるので、最近の日本経済は、とっくにデフ
レから脱却していると見るべきだと思うのですが‥。

 

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 今週の金曜日、30日には2月の全国消費者物価指数が発表になります。

 消費者物価指数が少々上がろうと、或いは下がろうと、一般の人の生活には
殆ど影響を与えません。しかし、金融政策の決定にかかわる人々や政府関係
者、或いはマーケットにとっては大きな関心事項です。

 ところで、20年ほど前までの我が国は、物価が高いこと、あるいは物価上昇率
が高いことが常に問題にされてきました。その象徴的な出来事が第一次オイル
ショック後のインフレです。石油は有限であるということを思い知らされ、それとの
連想で何でも買いだめしようという気持ちが働き、トイレットペーパーまで品不足
になってしまいました。今思えば、おかしな話です。

 しかし、昨今の日本は、物価が上がることではなく、物価が下がることが問題
にされています。そして、物価が下がることをデフレと呼んで、何がなんでも物価
の下落を阻止すべしということになっています。その代表的なものが量的緩和政
策だったのです。市場に資金をジャブジャブ投入すれば、きっと物価が上がるだ
ろうと考えたのです。でも、物価は上がりませんでした。

 では、どうして物価の下落が忌み嫌われたかといえば、物価の下落を企業や
消費者が予想するようになると、欲しいものがあっても購入を先延ばしし、そうし
たことが起こると、消費や投資が減退し不況が深刻になってしまうからというの
が第一に理由だったようです。

 それに、物価が下がると、借金をした人は、幾ら金利が低いように見えても、実
質的な負担は重くなってしまい、これも景気を悪くする原因と考えられました。こ
れは、住宅ローンなど借金をした人がインフレを心のどこかで望むことの裏返し
と考えることができます。

 まあ、そのようなことで物価が下がることは嫌われており、今週末に発表になる
2月の消費者物価指数についても関心が集まるわけです。

 しかし、皆さん、物価が下がることはそんなに悪いことなのでしょうか。少し考え
てみましょう。

 物価が上がる理由によって、インフレにはディマンドプル型とコストプッシュ型が
あるとされます。ディマンドプルというのは、需要が供給を超過するということで
す。トイレットペーパーの価格が上がったのは、みんながトイレットペーパーを買
いだめしようとしたからです。そして、コストプッシュ型というのは、製品を生産す
るのに必要となる労働や原材料のコストが上がることによるものです。

 では、物価が下がる理由は、どのようなものがあるのでしょうか。もちろんこち
らも、需要と供給の関係が影響します。需要が供給に比べ小さければ物価が下
がります。我が国が、今もなお需要が弱いということのために物価が上がらな
い、或いは下がるというのであれば、はなはだ問題でしょう。しかし、需要が弱い
といっても、それは供給との対比において判断されるものです。幾ら需要が弱く
ても、長年の在庫調整でいつかは供給過剰が調整されるものです。従って、日
本が未だに供給過剰状態にあるという判断は納得がいきません。

 次に物価が下がる理由としては、コストが安くなることが考えられますが、これ
は、日本のメーカーが中国の安い賃金を利用した生産体制を敷いていることか
らすれば、コスト低下のために消費者物価が上がらないという考えは納得がいき
ます。

 物価が下がるのには、他にも理由があります。それはIT関連の商品を中心とし
て技術進歩が著しいことによるものです。その代表はパソコンでしょう。今や10万
円台で購入できるパソコンは、かつてのスーパーコンピューター並みの働きをす
るのではないでしょうか。このように技術進歩が激しいパソコンは、同じ性能のパ
ソコンという基準で考えると、毎年相当のスピードで価格が下がっていることにな
ります。

 以上のうち、最近の物価の安定、或いは物価の下落は、主にこの最後の技術
進歩のよるところが大きいのです。ただ、皆さんは、1台のパソコンの価格は少し
は下がっているかもしれないが、それほどではと思うかもしれません。しかし、消
費者物価指数を算出する上では品質調整が行われ、パソコンの価格は5年間で
1/5になっていると言われています。

 このようなことからすれば、最近の物価は、景気の悪さを示すものではなく、む
しろ我が国の技術力の向上の結果としてとらえるべきものであることがわかりま
す。従って、何も悲観する必要はないのです。否、むしろ大歓迎すべきなので
す。

 今週末、消費者物価指数が下落していることが仮に明らかになり、それに対し
て悲観的なことを言う人がいたとすれば、あまり最近の経済の実情に通じている
人ではないと思って下さい。

 

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 小泉今日子様が、1日限りのオールナイトニッポンをやっていました。月曜深夜
の1時から3時までの2時間でした。

 以前やっていたのは1988年の頃で、今回は19年ぶりだとか。今が41歳だか
ら、当時は22歳ということになります。

 ところで、1988年といえば、バブル経済真っ盛りの頃です。KYON2は、さまざ
まの企業のCMに起用され、日本の経済発展にも大いに寄与したといえます。で
すが、ここ何年間かは、充電中と自ら称する時期もあり、ややおとなしくしていた
のではないでしょうか。でも、今年は、歌手活動も再開するなど、やる気満々のよ
うです。何よりもオールナイトニッポンのレギュラーポジションを取ってしまうかの
発言もありました。

 小泉今日子様がはではでしく活動することになると、日本経済もいよいよ本格
的に動き出すでしょう。今まで景気の回復が実感できないという意見が多かった
のですが、これからは、景気の回復を実感することが多くなるでしょう。

 ところで、小泉ねえさんが、一肌脱ぐお悩み相談もありましたが、「二股をかけ
ているのですが、どうしたらいいでしょう。小泉さんも二股をかけたことがあります
か」という相談がありましたが、小泉今日子様は、「浮気をした人は、また浮気を
するよ」、「私は、きっちりとする方だから二股の経験はないよ」、「一旦別れた人
が寄りを戻してきても、浮気をまた繰り返すだろうから、分かれた方がいいよ」と
細川女史とは違い、穏やかな口調ながらも、きっぱりと相談に応じていました。

 日本には、今、こんなにきっぱりと筋を通す人が必要です。本当にそう思いま
す。

 でも、若い頃には、深夜にお風呂のスイッチを入れた後寝込んでしまい、沸騰
させたことや、空焚きしたこと、生ゴミを出すのを忘れて長期間家を不在にし、帰
ってきて大変なことになったことなど、失敗談を披露していました。で、そのたび
にお母さんが駆けつけてくれたと。

 そんな小泉今日子様に、益々活躍してもらいたいと思います。

 でも、小泉様の歌う歌がどんなによくても、歌手というよりもアイドルという言葉
の方がピッタリ来ると思います。

 小泉今日子様の復活で、日本経済も復活だ!

 

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 本日の日経新聞をみたが、1面の雰囲気がいつもと違う。タイトルこそ「景気、
なお安定軌道」とでかい文字になっているが、本日発表しなければいけないとい
う内容ではない。ニュース性があまり感じられない。まあ、他にトップにもってくる
ニュースがなかったということなのだろうか。

 それはそうとして、このような楽観的な見方が広まるのも、土地の価格の反転
が始まったからだろうか。

 土地価格の反転以外にも強気になる材料は多い。特に雇用市場が逼迫してき
ており、長い間据え置かれていた初任給が上がり始めた。それに賃上げの動き
も広まっている。上げ幅が小さいので、消費に与える影響も限られるとする見方
もあるが、初任給が上がったり、或いは、賃上げが再開したりするだけでもその
心理的な効果は大きいはずだ。将来に対する漠然とした不安も少しは和らぐに
違いない。

 それに、為替は円安が続いており、この流れが急に変わる気配もない。とすれ
ば、設備投資を中心とする堅調な内需に加え、外需も旺盛であることから暫くは
着実な経済成長が続くということであろうか。

 但し、アメリカの景気にしたところで、暫く前まではゴールディロックスの経済だ
とか言っていたら、サブプライムローン市場の崩壊という問題が持ち上がり右往
左往している状態だから、日本とて油断はできない。

 

 いずれにしても、少しは日本経済の明るい面も眺めたいところであるが、さて、
景気が良いなかで物価が下がったらどのような判断が下るのであろうか。

 今週末の30日には、2月の全国消費者物価が発表になるが、前年同月比でマ
イナスになるのではないかという見方が多いようだ。日銀も、その可能性がある
としている。

 

 そうなると、自民党の中川幹事長や大田大臣は、「やっぱりデフレだ!」「日銀
の利上げは間違っていた」と、大騒ぎするのであろうか。

 しかし、我々庶民からすれば、消費者物価指数が1%程度下がったところでどう
ということはない。景気が後退する中での、物価が下落するのであれば、何か悪
い予感がするのであるが、景気が良い中で物価が下落することならばむしろ大
歓迎であるはずだ。

 しかし、日本経済は、長い間の景気低迷というトラウマで「物価下落恐怖症」に
陥ってしまっている。また、それを政府関係者や一部のエコノミストが煽った面も
ある。

 

 だが、景気がよければ、物価の下落など恐れるに足りない。むしろ歓迎すべき
だ。

   

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 みなさん、長短金利差というのをご存知ですか。長期金利と短期金利の差のこ
とです。

 こんなことをいうと、「そんなことは知っているぞ」と言われそうです。

 では、長期金利と短期金利はどのような関係にあるかと質問したら、答えること
ができるでしょうか。

 「金利は、期間が長ければ高くなり、期間が短ければ低くなる」ですか?

 まあ、普通そうですね。預金金利も預け入れの期間が長ければ金利も高くなっ
ていますから。

 ではさらに、長期金利と短期金利の「差」は、どのようなことを意味するか分か
りますか。

 実は、長短金利差は、景気の先行きを示すものとされているのです。景気動向
指数の先行系列にも長短金利差が採用されているのです。

 何故だか分かりますか?

 その前に、ここでは、長期金利は、新発国債10年ものの利回りであり、短期金
利とは、TIBOR3ヶ月ものであることを示しておきましょう。TIBORというと難しく聞
こえるかもしれませんが、東京市場での銀行間のお金の貸し借りのことです。

 では、再度質問です。長短金利差が、拡大したり縮小したりするのは、どういう
ときでしょう。難しいでしょうか。では、質問を変えて、景気が先行き後退しそうだ
と市場が感じ始めると、長短金利差はどうなるでしょう。

 景気が悪くなると市場が感じ始めると、将来金利が下がることになると多くの人
が予想するでしょう。そうなると、長期で資金を運用する人は、長期金利が下が
らないうちに、例えば、固定金利の長期国債を買っておこうとするでしょう。しか
し、そういう人が増えると、国債の価格が上がり、その国債の利回りは下がって
しまい、長短金利差は縮小するのです。

 逆に、景気がよくなりそうだとしたらどうでしょう。そのときは、暫くすると金利が
上がり始めるだろうからという理由で、暫く様子をみて国債に投資しようとするで
しょう。そして、その間は、短期の資金運用をすることになります。そうなると、長
期国債を買おうとする人が少なくなるので国債の価格が下がり、利回りは上がっ
てしまいます。反対に、短期の債券に人気が出て、短期の金利は下がることにな
ります。こうして、景気がよくなるであろうという見方が増えると、長短金利差は拡
大することになります。

 少し面倒ですが、お分かりいただけましたでしょうか。

 ところで、アメリカでは昨年の夏ごろからこの長短金利が逆転していたのをご
存知でしょうか。

 長短金利差が小さいどころか、逆転です。これを理屈どおりに理解しようとすれ
ば、アメリカの市場関係者は、将来の景気に対して悲観的であるということになり
ます。しかし、実際には、そんなことはなく、つい最近まで極めて楽観的でした。

 そして、最近の住宅市場の後退です。先日開催されたFOMCでも、先行きを少
し心配しているようで、利下げの観測が出ています。

 ということで、ここに来て景気の先行き見込みに黄色信号が点滅し始めたので
すが、長短金利差の逆転現象が21日に解消しました。

 この場合の長短金利は、10年もの国債と2年もの国債を比べているのですが、
2年ものが4.53%になったのに対し、10年ものは4.54%になったからです。

 景気が悪くなりそうなのに、長短金利差は拡大したという結果で、理屈とは反
対の動きを示しています。最近世の中変なことがよく起こりますが、全くそう思い
ますね。

 でも、このアメリカの現象は、長短金利差の問題としてとらえるよりも、政策金
利をどれだけ動かそうが、長期金利が無反応になっている問題としてとらえる方
がよさそうです。

 

 そのことについては、また、後日

 

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 FRBは、明日からFOMC、公開市場委員会を開催し、金融政策について議論
する。市場の大方の予想では、政策金利(フェデラルファンドレート)の誘導目標
値を据え置くとしている。

 まあ、これだけ住宅市場が減速すれば、金利を据え置くどころか、引き下げる
べきだとも考えられる。従って、FOMCも別に議論をせず、さっさと決めてしまうこ
ともできるのでは‥、と考えられるのだが、どうも問題はそれほど単純ではなさそ
うだ。

 というのは、16日に発表された2月の消費者物価指数が高めの数字になってい
るからだ。前月を0.4%も上回り、最近3ヶ月の上昇率を年率に直すと4.0%もの上
昇になるという。前年同月と比べても2.4%の上昇になっている。食料とエネルギ
ーを除いたコア指数では、前月比0.2%の伸びで幾分低めであるが、それでも最
近3ヶ月間の伸びを年率に直すと2.6%になるという。ということで、これはFRBの
許容範囲を超えた上昇率であると思われる。

 従って、インフレ目標値を推進するバナンキ議長としては、本来であれば金利
の引き上げを主張したいところであろうと推測されるが、しかし、ご承知のとおり
のサブプライムローン業者破綻で、景気に関して悲観論が強まっているのであ
る。

 しかも、議会は、サブプライムローンの延滞が多発しているのは、FRBをはじめ
とする金融機関監督当局の責任が大きいともしている。そのようなときに、いくら
物価上昇の恐れがあるからといっても金利の引き上げはできないであろう。

 一方で、米国経済のファンダメンタルズは底堅いという見方が大勢だ。確かに
雇用市場はひっ迫しており、平均時給はこのところ年率4%以上のペースで上が
っている。賃金が4%で上がれば、普通であれば、物価も4%程度上がるであろう
と考えるのが常識だ。

 それが分かっていながら金融をこのまま緩めておいていいのか。後になって
FRBが責められることはないのか。そうしたことに、FRBは、思いを致しているで
あろう。

 20日に米国の住宅着工件数が発表になる。芳しくない数字になるのは避けた
いと思う反面、結構底堅い数字になると、やっぱり利上げが必要ではないかとい
う思いに駆られてしまう。しかし、急激な落ち込みを示すと、利下げの要請が強ま
ってしまう。

 上げるべきか、据え置くべきか、それが問題だ。

 

 もともと米国の民主党は、インフレよりも景気や雇用を重視しています。従っ
て、FRBに対してはどうしても批判的になりがちです。

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 アメリカの商務省が2006年の経常収支を発表した。予想していたところである
が、何と8566億ドルの大赤字である。日本円に直すと約100兆円。我が国の予算
規模を上回る。米国のGDPとの比較では、6.5%に相当する。

 しかし、このニュースにマーケットは殆ど反応していない。どうしてなのであろう
か。本来であれば、大騒ぎしてもおかしくないかもしれない。事実昨年4月のG7に
おいては、貿易の不均衡問題が世界経済の重大なリスクとして挙げられ、一気
にドル安が進んだ局面があった。しかし、ドル安が急激に進むと、ドル金利の上
昇をもたらし、それは経済に冷や水をかける結果になる。そうなると、米国だけ
ではなく、米国に輸出して稼いでいる国も大打撃を受けてしまう。ということで、
G7の後で、米国と世界の主要国は、貿易不均衡問題に封印をしてしまった。見
てみない振りというか、問題先送りだ。

 確かに、余りことを急ぎすぎるのもよくない。かつてのバブル退治がそうであっ
た。あまりにも急にブレーキをかけ過ぎたために反動が大きすぎた。そうしたこと
から考えると、計画的に慎重に事を進めるのがいい。

 では、米国は、貿易不均衡問題に静観の姿勢を示したのはいいが、何か対策
を進めているかといえば、ノーだ。やっていることといえば、中国との交渉だけ
で、貿易の不均衡問題が鎮まるどころか、悪化している。

 しかし、何時までも赤字が増え続けることは不可能だ。そのことは、グリーンス
パン前議長も何度も警告を発してきた。

 だが、マーケットは、そうした警告には耳を貸そうとはしない。マーケットは、各
国がドル高政策を支持していると見て、安心して日米の金利差に着目した運用
を行っている。

 

 しかし、何度も繰り返すようであるが、マグマは溜まるばかりである。経常赤字
を少しでも減らす努力をしておかないと、何らかの事情の変化が起きた場合に、
急変動が起きることになるだろう。

 それでいいのだろうか。

 米国の資本市場に関心があると聞くポールソン財務長官をみると、本気で経
常赤字問題のことを考えているとは思えない。

 

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 今回の米国株価の暴落は、円高の圧力とともに我が国の株価にも多大な影響
を与えています。今日は、戻して始まっているようですが、ここで、米国のサブプ
ライムローン市場崩壊の影響を冷静に考えてみましょう。

 

 「経済ニュースゼミ」にかつて登場していた中洲先生、佳子ちゃん、研一君の3
人が議論します。

<研一>新聞やテレビの解説を聞いていると、サブプライムローン市場の崩壊
は、限定的な影響しかもたらさないとする意見が多数派のように見えるのです
が、本当にそうなのでしょうか。

<佳子>サブプライムというのは、低所得者向けの住宅ローンのこと?

<研一>そうだよ。米国では、最近住宅ローンの焦げつきが増加しているらしい
んだよ。

<佳子>それと株価の暴落が関係あるの?

<中洲先生>米国では、80年代から90年代にかけてS&Lの破綻があったから
ね。そのトラウマがよみがえってきているようにも思えるね。今回、サブプライム
ローン業界2位の会社が破綻したことで、みんなの不安が表面化したようだ。

<佳子>だから株価が暴落したの?

<研一>そうみたいだけど‥、でも、影響は限定的だとみているんですよね。そ
うした見方でいいのですか?

<中洲先生>何とも言えないような気も‥

<佳子>いくら業界2位の会社が破綻しても、大銀行が破綻したわけではないの
でしょ?

<研一>でも、住宅ローン業者に大銀行はお金を貸しているんですよね。

<佳子>日本の大銀行がサラ金にお金を貸しているようなものね。

<中洲先生>それに、住宅ローン債権を銀行や証券会社に売りつけて資金調
達をすることもあるし‥

<佳子>住宅ローン債権を買ってどうするの?

<中洲先生>それを買い取った銀行や証券会社は、抵当証券に仕立て上げて
投資家に売却するんだよ。

<佳子>そんな証券が売れるの?

<研一>利回りが高いのですよね。

<佳子>どうして?

<研一>元々の住宅ローンの金利がバカ高いからね。10%以上はあるらしいか
ら。いずれにしても、大銀行や証券会社も、サブプライムローン業者と関係を持
っているから、その元の住宅ローンが延滞を起こすと影響はあるような気がする
のですが‥。

<中洲先生>確かにそうだね。その意味では、影響が限られているとは言えな
いかもしれない。ただ、ローン業者が住宅ローン債権を売り払ったとしても、ロー
ン債権に延滞が発生したら、買い戻さなくてはいけない契約になっているものが
多そうだ。

<研一>そうだとしたら、やっぱり影響は限られるのかな?

<佳子>先生、質問。

<中洲先生>なんだい?

<佳子>住宅ローンというのは、土地建物を担保にとっているのでしょ。だから、
延滞を起こしても、抵当権を実行して資金が回収できるんでしょ?

<研一>そういえばそうだね。だからやっぱり影響は小さいのかな。

<中洲先生>問題は、担保に入っている住宅の価値だね。ローンの残高が住
宅の価値で十分カバーできれば、損失は発生しない。しかし‥

<研一>住宅の価格が落ちてしまうと、抵当権を実行して資金を回収しようとし
ても、損失が出るのか。

<佳子>アメリカの住宅価格はどうなっているの。日本の土地の価格みたいに
暴落したの?

<中洲先生>そんなことは起きていないよ。昨年までの5年間で平均55%程度
住宅価格が値上がりし、現在は、値上がりがストップした状態だと‥。

<佳子>じゃあ、バブルが崩壊したわけでもないんだ。

<研一>そう言われれば、そうですね。でも、それではどうして延滞が増えてい
るのかな?

<佳子>本当だね。どうして?

<中洲先生>サブプライムローンの金利は10%以上もあるんだよ。それに‥

<佳子>それに、何ですか?

<中洲先生>どんな人がお金を借りている?

<研一>低所得者の人とか、過去に延滞を起こしたとか、破産したとかいう人た
ちですよね。

<佳子>そんな人たちが、10%以上の金利を支払う力があるの?

<中洲先生>問題は、そこにあるんだね。

<研一>それに、よくそんな人たちにお金を貸すものですね。貸し倒れのリスク
を考えなかったのですかね。

<中洲先生>土地建物が担保に入っているからね。ローン業者は、誰にお金を
貸すかなんて気にしなかったのだよ。住宅さえ担保に取っておけば十分だと。

<佳子>それ、どこかで聞いたような気が‥

<研一>バブル期の日本だろう。銀行の人たちが、土地さえ担保にとれば、ど
れだけでも融資をしていたし‥。

<中洲先生>それどころか、銀行が、お金を借りる予定のない人に無理にお金
を貸して土地投機を煽った面もある。そして、投機が投機を呼ぶから土地の値
段が上がるんだね。

<佳子>だけど、日本は土地価格の高騰を止めるために急ブレーキをかけた
んでしょ。

<中洲先生>そうそう。そして、今度は暴落が起きてしまった。

<研一>ただ、アメリカでは、まだ大きく値下がった訳ではないのですよね。

<中洲先生>佳子ちゃんは、今後どうなると思う?

<佳子>アメリカも過去の日本みたいにならないようにと‥、だから、土地の暴
落までは起こらないのじゃ‥

<中洲先生>そう願いたいね。ただ‥

<佳子>ただ、何?

<中洲先生>住宅ローンの延滞が多くなると、抵当権を実行し、物件を売りさば
くことになるけど、そうなると市場に物件があふれる可能性がある。

<研一>それに、ローンの延滞が増えているので、新規に貸し付ける際の審査
も厳しくなりますよね。

<中洲先生>だから、購入しようとする人はぐーんと減ってしまう。

<佳子>売る人が増えて買う人が減るから、価値は下がるということ?

<中洲先生>そう。で、下がると益々延滞が増えるという悪循環が‥

<研一>じゃあ、やっぱりバブルの崩壊が‥

<中洲先生>そういう可能性はあるということかな。

<佳子>どうなっちゃうのかな。グリーンスパンが言っていたように、リセッション
に入るのかな。

 

  やっぱり、グリーンスパン氏が警告したように、米国経済の減速が起きそうだ
と思う方は、クリックをお願いします。

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 ニューヨーク株式がまた下げている。何でもサブプライムローン業者大手のニ
ューセンチュリー金融会社というのが破綻したらしい。

 ところで、サブプライムって?

 ということで、サブプライムについて復習しておこう。

 サブプライムとは、低所得者向けの住宅ローンのことだ。過去にクレジットカー
ドの延滞などを起こした人でも利用できるらしい。しかし、その代わり高めの金利
がかけられる。大体10%程度で、通常の住宅ローンよりも2−3%は高いという。

 しかし、そんなに金利が高いなら利用する人は少ないのでは、と思うかもしれな
いが、最初の2年間は低目の金利にして3年目以降から高い金利を適用するな
どの工夫をしているらしい。それに頭金も要らない。

 そんなことで、昨年供与された住宅ローンのうち、20%程度はサブプライムロ
ーンであり、残高ベースでは約15%を占めるという。

 そして、サブプライムローン業者は、ローン債権を商業銀行やウォールストリー
トの投資銀行に売りつけているらしい。また、ローン債権を買い取った銀行は、
それを抵当証券として投資家に売っているらしい。そんな風にしてお金が回って
いるという。

 それだけを見ると、サブプライムローン業者は、貸倒れのリスクから解放され、
破綻を来たすこともなさそうに見えるのだが、実は、住宅ローンの延滞が起きる
と、そうしたローン債権を買い戻さなくてはいけない取り決めになっているため、
貸倒れのリスクを回避することはできないのだ。

 それでは、どうして今そうした住宅ローンの延滞が起きているかということだ
が、それについては、いろいろな事情が重なっている。

 実は、米国の住宅価格は、この5年間で55%上昇したと言われる。それだけ価
格が上がると、その値上がり益だけで利息分を賄えるかもしれない。或いは、あ
わよくば、おつりまでくるかもしれない。そういう甘い期待でサブプライムローンを
利用した人が多そうなのであるが、この1−2年間で購入した人は、高値で買った
ことになり、値上がりの恩恵を受けていない人もいるらしい。中には、値下がりに
直面している人もいる。それに、住宅ローンを借りて2年経つと、今度は高い金利
に切り替わるため、それが大変な重荷になっている可能性がある。ということで、
思惑が外れ、延滞が急増しているようなのである。

 

 アメリカでは、80年代から90年代にかけてS$Lの破綻劇を経験したが、今回の
サブプライムローン市場の崩壊もあの悪夢を思い出させるらしい。そういうこと
で、株価の下落につながっているようだ。

 しかし、あの時も今回も、ウォールストリートの投資銀行などにはリスクが及ば
ない仕掛けがなされている。ゴールドマンサックスの決算が発表になっている
が、またしても最高益を更新だとか。財務長官を輩出する投資銀行は、しっかり
というか、ちゃっかりしている。

 

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 昨年10−12月期の実質GDPの2次速報値が本日発表になり、年率換算で
4.8%の成長率が、5.5%に上方修正された。

 メルマガの記事でも予想していたところであるが、5%台の大台に乗った。

 では、何故、GDPの伸び率が上昇修正されると予想されたかといえば、それ
は、3月5日に発表になった法人企業統計の結果、昨年10−12月期の民間設備
投資が前年同期に比べ16.8%も増加していたからだ。

 

 それでも、何故?と思う人がいるかもしれない。

 実は、GDPの一次速報には、法人企業統計の結果は反映されず、二次速報
の段階で反映することになっているからである。

 ところで、その法人企業統計が発表された段階では、GDPが5%を少し上回る
程度まで上昇修正されるであろうと予想したのであったが、ふたを開けると、なん
と、5.5%だ。これは少し調子が良すぎる。設備投資以外にも何か、修正が起き
たのだろうか。

 

2006年10−12月期 実質GDP伸び率(前期比年率換算)の修正状況

 実質GDP        :4.8%   →     5.5%

 民間最終消費支出  :4.4%   →     4.2%

 民間住宅        :8.2%        →              9.1%

   設備投資        :9.2%    →             13.2%

   公的資本形成     :11.3%      →              15.6%

   輸出           :4.3%   →               2.4%

   輸入           :-0.1%      →              -1.0%

 

 5.5%の成長率といっても、10−12月期に限った瞬間風速ということであるの
で、喜んでばかりはいられないのであるが、それにしても上の数字を見る限りな
んとも力強く見える。

 ただ、注意が必要でもある。

 消費に火がつかないと相変わらず政府関係者や日銀は言っているが、個人消
費は、何と4%台の伸びを示しているではないか、と思う人もいるであろう。しか
し、実は、7−9月期には4.2%の減少を示していたので、全くの反動増に過ぎな
いという見方もできるのである。

 住宅投資も、9%台の伸びを示しているが、これも4−6月期には8%の減少を
示していたので、こうした動きが定着するのかどうかは分からない。

 公的資本形成、要するに公共事業は、15.6%も伸びている。政府が公共事業
を削減しているのに、と思うかも知れないが、これも、4−6月期に23%減少し、さ
らに7−9月期に18%減少した後のことだけに、一時的なものに過ぎないであろ
う。

 ということで、正真正銘の強さを誇っているのは、設備投資だけのようだ。設備
投資は、2006年1−3月期の15.2%、4−6月期の13.3%、7−9月期の4.5%、そし
て今回10−12月期の13.2%と、快調なのだ。

 

  GDPが5.5%も成長しているのに、マーケットはあまり反応していないのは、ど
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