経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2007年05月

 リーチ、化学大手対応急ぐ と大きな文字が新聞の紙面に躍っています。

 リーチ

  リーチとは、一体何のことでしょうか。マージャンでもやっているのでしょうか。

  どうもそうではなさそうです。リーチは、reachと書き、Registration, Evaluation, 
Authorization and Restriction of Chemicals の略であるとのことです。

 化学物質の登録、評価、承認、制限という意味のようですね。

 欧州では、ある化学物質について一定量以上の製造や輸入をする場合には、
その化学物質を扱うメーカーや輸入業者が、その安全性を評価したうえで、来年
6月までに欧州化学物質庁に当該化学物質を登録しなければならなくなったとの
ことです。

 ということで、我が国の化学会社であっても、欧州に輸出するのであれば、この
規制がかかり、登録の義務がかかるということです。また、それに関係するのは
化学会社だけではなく、自動車や繊維、家電に含まれる物質も規制の対象にな
るということで、我が国の製造業全体が大きな影響を受けると予想されます。

 

 例のミツバチの集団失踪以来、また環境問題が気になりだした「経済ニュース
ゼミ」としては、このような動きは歓迎したいところです。むしろ遅い感じがします
が、それでもやらないよりははるかにいいですね。

 なお、使用制限がされている物質をどうしても使わざるをえない場合には、この
欧州化学物質庁の承認が必要になるといいます。しかも、その承認は、それより
も高い安全性が確認されている物質への切り替えが困難であり、しかも産業活
動上不可避の場合にのみに限定されるといいます。

 

 ところで、この規制は欧州のものですが、アメリカはどうなっているのでしょう
か。

 実は、アメリカには、化学物質規正法というのがあるらしいのですが、規制の
対象になるのは、新しく使用される化学物質に限っているとのことですから、欧
州は、アメリカに比べて化学物質の副作用問題について真摯に取り組んでいる
ということができるといえます。

 ただ、そうは言っても欧州にも計算が働いているところがあります。それは、化
学物質の規制で米国やアジア勢に先行することにより、国際競争力を向上させ
ることができると考えている節があるからです。

 ということが分かれば、我が国の企業も、環境問題に関心があってもなくても、
国際競争力の維持のために、化学物質の安全性確認にこれまで以上にお金と
時間、そして労力を注ぐことになると思います。

 

 最近、中国産の原料を使った薬品やペットフードによる健康被害が続出してい
ます。このようなことを起こしてはいけないのはもちろんですが、このような目に
見える被害が起きていなくても、安心はできないのです。

 というのは、「環境ホルモン」という名で知られているホルモン撹乱化学物質の
特徴は、例えば、人間の大人や、動物の大人には殆ど影響を与えることがなくて
も、母体を通じて胎児がそうした化学物質を摂取した場合には、生殖機能に異
常を来たすようなことが起こりえるからです。

 従って、最近「環境ホルモン」に関する報道が沈静化しているからといっても、
安心はできないのです。

 

 ただ、合成化学物質には、生物に悪影響を与えるというマイナスの側面がある
と同時に、有害な病害虫を駆除し、その結果伝染病の絶滅に多大な貢献をした
というようなプラスの側面があります。むしろ、そうしたプラスの側面があったから
こそ、世の中に出現してきたときには大歓迎されたのです。

 中高年にはおなじみのあのDDTは、スリランカにおいてピーク時に年間250万
人を超えたマラリアの患者を31人にまで激減させたといいます。しかし、その後、
DDTの使用が禁止されたところ、5年後にはマラリアの患者は再び年間250万人
になってしまったといいます。

 ただ、だからと言って、我々はDDTの副作用について十分学んでいるのですか
ら、慎重に対応すべきは当然なことです。

 先進国のなかで、自国ではそうした化学物質の使用を禁じておきながら、輸出
することについては制限をしていない国があるといいます。そういうことを聞くと、
少しおかしいのではないかと思ってしまいます。

 

 合成化学物質の規制のような問題こそ、サミットで話し合うべきではないかと思
う方は、クリックをお願いします。

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 昨日、4月の完全失業率が公表され、3.8%になったことが明らかになりました。
9年1ヶ月ぶりの3%台回復といいます。

 これに対し、柳沢大臣は、「大変明るい話題」とコメントしたそうですが、中川幹
事長は、「完全失業率が改善したのに何故物価が上昇しないのか。潜在成長率
の問題も含めて経済財政諮問会議を中心に政府、日銀一体となって政策協調し
ていただきたい」と述べたとあります。

 確かに、4月の消費者物価指数は、前年同月比でマイナス0.1%となっています
が、それがそんなに不満なのでしょうか。

 まあ、消費者物価指数がマイナスを続けるような状況では、デフレ脱却宣言を
するわけにもいかないので悔しがっているのかもしれません。しかし、そもそも
「デフレ」を物価との関係で定義づけしたために、そういう結果に陥っているだけ
です。もし、GDP実質成長率との関係を重視したような定義にしていたら、とっく
にデフレ脱却宣言できていたはずです。

 

 それはそうと、我が国の物価指数には上方バイアスがかかっているとよく言わ
れます。0%を僅かに上回る程度の物価の上昇率では、実際にはまだ、物価の
下落が続いている可能性があるというのです。このような考え方をする人は、よ
けいに物価の動きに神経質になります。

 では、物価指数の上方バイアスとは具体的にはどういうことなのでしょうか。

 我が国の物価指数の算出方式はラスパイレス方式を採用しているため、基準
年のウエイトが変わらないことから物価指数が高めに出るというものです。

 例えば、世の中にAとBの2つの財しか存在しない極端なケースで考えて下さ
い。それらのウエイトは50:50とします。そして、Aの価格は不変であるのに、Bの
価格はどんどん値下がりとしたとします。物価指数はどのように変化していくでし
ょうか。

 実は、Bがどれだけ急激に値下がりをしても、つまり0に近づいても、ウエイトが
不変のままであれば、当初の100という水準は、どんなに下がっても50を限度とし
ます。

 しかし、仮に、ウエイトの見直しが毎年行われるとしたらどうでしょう。仮に値下
がりによって消費量が拡大するとすれば、Bのウエイトは当初の50から徐々に増
加するはずです。そうすると、それまでの物価指数の下限がなくなってしまいま
す。

 以上が、物価指数には上方バイアスがかかっているということの意味です。

 

 確かに理屈ではそういうことになるかもしれません。

 しかし、私は、違う意味で、下方バイアスがかかっているのではないかと思って
います。それは、例の純粋はちみつの不当表示に代表されます。

 

 例えば、消費者物価指数を算出するために、市場に出回っている純粋はちみ
つの値段を調査していたとします。

 そして、あるときを境に純粋はちみつの値段が下がり続ける現象が起こったと
します。そうすると、全体としての消費者物価指数を押し下げることになります。

 しかし、実は、調査された「純粋はちみつ」のかなりのものが不当表示であった
としたらどうでしょう。つまり、一見はちみつの値段が下がったかのように見えた
ものの、本当の純粋はちみつの値段は下がっていないということになります。

 つまり、消費物価指数とは、同一の品質という前提条件で物価の推移を見るも
のですが、世の中には、このはちみつのように品質の劣化にともなう価格の低下
現象が起きているかもしれないのです。

 また、ちくわなどの例もあります。

 ちくわの原料となる魚の値段が上がると、業者としては本当は値段を上げたい
ところですが、急に値段を上げると売上げに響くというので、ちくわの穴を大きくし
たり、サイズを小さめにして、対応することがあるといいます。つまり、この場合に
は、表向きの値段は上がっていなくても、分量が減っているから本当は値上がり
しているとして扱うべきものです。しかし、どうも実際には、そこまで調べられるこ
とはなく、ちくわの値段は変わっていないという調査結果になっている可能性が
あるのです。

 ということで、ちくわの場合にも、物価の下方バイアスがかかっていると考えら
れるのです。

 

 先ほどの、幹事長の発言に戻りますが、この人たちは、物価が上がらないとど
うしても納得がいかないようですが、大切なことを見失っていると思います。

 それは、もし物価が上がりだしたら、もはや今までのような超低金利政策は維
持できなくなってしまい、相当のペースで利上げを行わざるを得なくなりますが、
そうなると、急激な円高ドル安が起こり、輸出主導の経済が再びよろめくことにな
りかねません。

 その辺のところを、「物価が上がらないと納得できない学派」の人に聞いてみた
いものです。

 

 それはそうとして、本当に物価が上がる気配はないのでしょうか。

 本日の日経新聞によれば、「食品値上げ、家計にじわり」とあります。レギュラ
ー・コーヒーやマヨネーズの値上げが発表されているというのです。その他にも
100%果汁飲料、食用油、小麦粉が挙げられています。

 

 では、どうしてそのような動きが出ているのでしょう。一例を挙げます。

 ガソリンの高騰  →→→  アメリカにおけるエタノール車の普及  →→→ 
エタノールの原料となるトウモロコシの高騰  →→→  トウモロコシの作付面
積の拡大  →→→  大豆の作付面積の減少  →→→  大豆の価格の高
騰  →→→  同じ食料油の菜種の高騰  →→→   マヨネーズの値上がり

 

 以上のような構図が出来上がるようですが、我が国の場合、それに円安が加
わり、余計に海外から輸入する農作物が高くなるわけです。

 

 政府関係者の経済センスを疑うという方は、クリックをお願いします。

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 本日は、少し趣きを変えて、フツーの経済トッピックスを扱いましょう。

 で、何の話からいくかといえば、完全失業率

 でも、その前にクエスチョン!

 完全失業率は、どこの役所が公表しているでしょうか。

  1. 厚生労働省
  2. 総務省
  3. 内閣府

 分かりました? 1の厚生労働省と答えた人が多いかと思いますが‥

 失業率は、雇用のことだから、厚生労働省と考えたでしょう。でも、違うのです
よ。総務省統計局が、「労働力調査」というのを毎月実施しているのですが、そ
の中で、完全失業者及び完全失業率が計算されているのです。

 嘘だと思うなら、今すぐ総務省統計局のホームページにアクセスして下さい。

 ただ、厚生労働省のホームページでも「完全失業率」を確認できますので念の
ため。

 前置きはその程度にして、本日、4月の完全失業率(季節調整値)が公表にな
っているのですが、3.8%となっています。

 この数値を聞いて、どう思いますか。

 えっ、どうも思わない?

 仕方がないかな‥。 実は、我が国の失業率が3%台に回復したのは、9年1ヶ
月振りのことだそうです。かつて景気が悪かったときには、5.5%まで完全失業率
が上がっていたのですが、2003年頃から回復しだし、この1年以上は、3%台寸前
まで来ながら足踏みしていたのが、ようやく3.8%と3%台に回復したというので
す。

 そういえば、コンビニや外食産業でも人員を確保するのが大変難しく、各企業
は、労働時間などに柔軟性を持たせたり、或いは正社員への途を拡大するなど
いろいろと工夫していると聞きます。

 ということで、消費者物価は、また前年比マイナスに戻っているのですが、雇用
状況は大いに回復していることが窺われます。

 

 では、物価はやはり弱含みといったところでしょうか。物価が上がらないと、秋
口に想定されている金利の引き上げも先延ばしになるかもしれませんが‥。

 確かに消費者物価指数は、4月は前年同月比0.1%の下落になっているのです
が、昨日発表になった企業向けサービス価格は、前年同月比1.1%も上昇してい
るのです。

 何と、労働需給の引き締まりを背景に人材派遣などを含む「諸サービス」の価
格が上がっているからとあります。

 

 また、これも昨日発表になっているのですが、日本経済の実際の需要と潜在
的な供給力の差を示す需給ギャップが1-3月期にはプラス0.7%となり、2四半期
連続のプラスとなったとあります。

 さらに、本日は、家計調査の結果が公表されていますが、4月の2人以上の世
帯の消費支出額が、前年同月比1.1%(名目)の増加となり、消費の堅調さが窺
われます。

 ということで、昨日、今日は、かなり明るい経済指標が出揃っております。

 でも、日本の株価は出遅れているのですよね。

 

 

 以前と比べたら少しは経済はよくなってきているのか、と思った方はクリックを
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 単に「失業率」というのではなく、「完全失業率」という言い方をしているのは何
故だか知っていますか。知らない人は、メルマガ「経済ニュースゼミ」を読んで下
さい。

 

 

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 ハイリゲンダム・サミットが6月に開催されます。

 どんなことが話し合われるのでしょう。皆さんは想像がつきますか?

 先日のG8財務相会合ではアメリカなどが欠席したことなどからも、経済関係で
はそれほど重要な討議が行われるとは到底思われません。

 ブッシュ大統領の頭の中は、イランとイラクのことで一杯であり、それ以外のこ
とでブッシュ大統領が真剣に話をすることは期待できません。まあ、それ以外で
話すことがあるとすれば、米国の牛肉を買ってくれということでしょうか。

 

 ただ、米国では民主党の発言力が増大していることから、環境問題、とりわけ
地球温暖化の問題が注目されていることも事実です。

 そして、我が国の安倍総理は、そうした動きを踏まえたのか、世界の温暖化ガ
ス排出量の半減を打ち出しました。

 我が国が積極的に提言することは珍しいことです。しかし、新聞で紹介されて
いる中身を見ると、少し失望しました。

 何故なら、その提言は2050年までのものであり、しかも国ごとの削減目標など
何もないのです。

 まあ、各国の削減目標がないのですから、この提言に反対する国もないと思い
ますが、逆に、言えば、そのような提言を行っても、何の効果も生まないでしょ
う。

 

 安倍総理は、それ以外にも、「1人1日1キログラム削減運動」を提唱していま
す。

 これは何かといえば、1人1日1キログラムの温暖化ガスの削減をしようというも
のらしいです。

 1キログラムの温暖化ガスといっても、ピンときませんが、二酸化炭素1キログ
ラムは、サッカーボールに詰めると約100個分だそうです。

 それだけの、二酸化炭素をどうやって削減するかということも、具体的に例示し
ています。

  • 冷房を1度高く、暖房を1度低く
  • シャワーの時間を1日1分減らす
  • 白熱球の蛍光ランプへの買い替え
  • 1日5分間のアイドリングストップ
  • マイバッグ持参
  • テレビの主電源を切る

 これらの内容、もちろん全て安倍総理が考えたわけではなく、役人が作文した
わけでしょうが、この内容を発表したからには、安倍さんが、これで行くぞと認め
たことになります。

 ということで、ここに安倍さんの環境問題への認識の浅さが感じられます。

 でも、何にもしないよりいいではないか、という安倍さん擁護の声もあるかもし
れません。

 しかし、現在我々人間が直面している環境問題の本質は、そんなものなのかと
多くの国民が誤解してしまう危険性も有しているのです。

 

 ところで、他国のリーダーは、どのような態度なのでしょうか。

 ブッシュ大統領は、先日、6月はアウトドア月間だと宣言して、如何にも環境問
題に理解があるかの如く振舞っていますが、具体策が伴いません。それに例の
ミツバチの集団失踪問題に関しても全く気に留めていないようです。

 これに対し、今回サミットのホスト国になるドイツのメルケル首相は、生物の多
様性を議題にするよう提案していると言います。

メルケル

 この写真に写ってい
るのが、ドイツのメルケ
ル首相です。

 以前、ブッシュ大統領
が彼女の肩に手を乗せ
てさすったとき、大変び
っくりした様子を示した
人です。

 

 

 

 で、メルケル首相の問題意識はというと、要するに、地球上に生存している種
の絶滅のスピードを少しでも遅らせようというものです。

 地球上に棲む生物種は約180万種で、既に800は絶滅し、現在も1万以上が危
機にあるということらしいです。

 お馴染みの動物を挙げると、ボルネオのオランウータン、ケニアのゾウ、或い
はサンゴなどが危ないそうです。

 このような話を聞くと、我々一般市民は、そのときだけは「これはいかん、何と
かしなくては」と思うのですが、なかなか長続きしません。

 

 ブッシュ大統領も、米国でのミツバチ失踪の件を各国のリーダーに紹介しては
如何でしょう。

 

 とはいっても、今の顔ぶれでは、環境問題が真剣に話し合われることを期待す
るのは無理かも‥、と思う方は、クリックをお願いします。

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 ミツバチの集団失踪は、大変不気味なものを我々に感じさせます。

 普段は、経済成長率や作物の出来などにしか関心が向かなくても、ミツバチと
いう可愛く、人間に役に立つ昆虫が急にいなくなると、「やっぱ、少しやりすぎな
のでは‥」という思いに至る人も多いでしょう。

 農薬や除草剤の使用、それに遺伝子操作作物などが特に気になります。

 

 もう、何年も前からこれらが有する大きなリスクは指摘されています。

 でも、「お金」の力に負けて、つい安易な方向に流れてしまいます。

 じわじわと危ない状態になっているので、ひょっとしたら人間の存在すら怪しくな
っても、我々は、それに気がつかないかもしれません。

 silent spring

 レイチェル・カールソンが書いた「沈黙の
春」という書物があります。

 農薬や殺虫剤などの化学物質が生態系
に及ぼす影響について書かれた本です
が、何とこの本、1962年に出版されている
のです。

 そして、当時全米を震撼させたといいま
す。

 でも、最近の米国を見ていると蛙の面に
ションベンという感じです。

 

 純粋ミツバチの表示問題からスタートし、ハチについていろいろと調べてきたの
ですが、最近少し忘れられかけてきた農薬などの化学物資の恐ろしさを再認識
した次第です。

 仮に、採取したままの蜂蜜があったとしましょう。即ち、何も引かず何も加え
ず、また加熱処理もしない本当に正真正銘の「天然蜂蜜」があったとします。コー
ンスターチなどで作った人口甘味料が加えられていることもありません。

 そんな天然の蜂蜜だけが店頭に並んでいるとしたら、何ら問題はないのでしょ
うか。

 そんなことはないのです。ひょっとしてミツバチが集めてきた花の蜜自体が汚
染されている可能性があります。例え、どんなに自然があふれたレンゲソウ畑で
あっても、農薬はまかれているでしょう。それに都会のハチは、排気ガスを吸って
いるかもしれません。

 でも、よーく考えたら、我々自身が、排気ガスや農薬などがあふれた環境のな
かで暮らしているわけですから、蜂蜜にだけ純粋さを求めるのがもはや無理な
相談なのかもしれません。

 

 やっぱり、「沈黙の春」になってしまうのでしょうか。

 

 ところで、養蜂の実態を調べていると、我が国の稲作の共通点が明らかになっ
てきました。

 いわさわ

 「不耕起でよみがえる」とい
う本があります。岩澤信夫さ
んという方が書いています。

 不耕起というのは、要するに
田んぼを耕さないということで
す。そして、耕さないことによ
って、稲が野生の特徴を取り
戻すといいます。冷害には強
くなり、収穫量も増え、味もよく
なるといいます。

 しかし、現実に行われている
慣行栽培では、1年間に5回も
田んぼを耕すといいます。

 田んぼを耕すのは、雑草が
生えないようにすることや肥
料をまくこと、或いは、水田の
泥に粘りを持たせ、保水性を
強くするためなどです。

 

 そして、農薬と肥料がたっぷりと与えられ育てられます。

 まあ、言ってみれば、大変過保護な環境で育てられているのが現実です。しか
し、過保護になればなるほど、病害虫にも弱くなります。そうなると、もっと農薬や
肥料を施そうということで、悪循環が始まるのです。

 ところが、田んぼを耕さず、出来る限り自然に近い状態で育てると野性の稲に
戻るというのです。

 現在問題になっているミツバチの集団失踪。実は、このみつばちは、セイヨウミ
ツバチと呼ばれるもので、日本に昔からいたものではありません。失踪が問題に
なっているアメリカでも、このミツバチが昔からいたわけではないのです。

 我が国では、昔は、我が国に固有のニホンミツバチを使って養蜂をしていたと
いいます。しかし、このニホンミツバチは、野生の性格がなかなか抜けず、気に
入らなければ、直ぐ人間が作った巣を放棄して脱走するといいます。

 それに対し、改良に改良を重ねて作られたアメリカイタリア種のハチは、大変
従順に働く「家畜」なのです。沢山の蜂蜜やローヤルゼリーを生産してくれるので
す。でも、セイヨウミツバチは腐そ病やダニの病気には弱く、抗生物質を投与し
ないと直ぐに病気にかかってしまうとも言われているほどです。

 

 そうです。人間に忠実であるセイヨウミツバチは、慣行栽培の稲と同じく、野生
の特徴が大きく失われ、たくましさが喪失しているのです。そして、様々なストレス
に耐えられなくなっているのでしょう。そうなると、益々病気になりやすくなるの
で、投与する抗生物質の量が増えているのかもしれません。

 こうしてみると、我々の回りをぶんぶん飛んでいるセイヨウミツバチとは、一体
何なのかということを根底から考え直すことが必要に思われます。

 

 来るサミットで、地球温暖化の問題を議題にするようにと日本が提案している
ようです。そのことは決して悪くはないのですが、農薬などの化学物質の使用や
遺伝子操作作物の問題にも慎重に対応すべきではないでしょうか。

 政治家は、どうもムードばかりが気になり、関係当局は業界の方ばかり見てい
る気がします。

 

 稲を過保護に育て、ハチを過保護に育て過酷に労働させる。そして、子供も過
保護に育て甘やかせる。結果、どのような社会になるか‥

 稲の不耕起栽培に興味を持ったという方は、クリックをお願いします。

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 ミツバチの失踪、これはアメリカではCCDと呼ばれています。

 コロニー・コラプス・ディスオーダー。

 ミツバチの集団失踪について調べれば調べるほど、不気味になってきます。と
いうのも、様々な理由が考えられるからです。

 農薬、遺伝子操作作物、ストレス、栄養不足、ダニ、細菌、電磁波

 これらのことを一つひとつ考えていると、如何に人間の活動が自然界に大きな
影響を与えているかが想像されています。

 ただ、ミツバチの集団失踪の決定的理由はこれだ、というものは見つかってい
ません。

 上の容疑者たちは、それぞれに十分怪しいとも思えるのですが、集団失踪は、
そうした容疑者がいない(要するにアリバイがある)地域でも多数確認されている
からです。

 イミダクロプリト

 という農薬、これは当初フランスでひまわりの種子処理をするために用いられ
ていたものですが、非常に怪しまれています。この農薬をハチが摂取しても、そ
れによって死にいたることはないようなのですが、どうも神経が麻痺してしまうとさ
れます。でも、イミダクロプリトが使われていない地域でも、ハチの集団失踪は起
きているのです。

 次に、遺伝子操作された作物も怪しいとされています。特にアメリカでは、トウ
モロコシや綿花などは、遺伝子操作されたものが多く、そうしたものの花粉など
は、ハチの免疫力の低下の原因になっているのではないかという意見もありま
す。でも、これについても、遺伝子操作された作物が見当たらない地域でも、集
団失踪が起きているから‥、というのですね。

 そういうことで、真犯人の確定には到っていないのですが、いずれにしてもアメ
リカを中心として、世界各地でミツバチの集団失踪が起きているのです。

 何か不吉な予感がするのですが、ぞっとするものを見つけました。

 アインシュタインの予言です。

 

 If the bee disappears from the surface of the earth, man would have no more than four
years to live. No more bees, no more pollination, no more plants, no more man.

 というものです。

 「もしハチが地球上からいなくなると、人間は4年以上は生きられない。ハチが
いなくなると、受粉ができなくなり、そして植物がいなくなり、そして人間がいなくな
る」

 何とも不気味です。

 今、ミツバチが世界中で集団失踪を起こしています。しばらくして数が回復すれ
ばいいのですが、このまま少なくなっていくと、人間の存在にも影響を与えるので
しょうか。まあ、4年という数字はともかくとして。

 怖いですね。

 でも、ここは冷静に考えてみましょう。

 というのも、今失踪が問題になっているのは、セイヨウミツバチなのです。日本
には、昔からこのセイヨウミツバチがいたわけではなく、養蜂のためにアメリカ経
由で導入されたものです。それは、アメリカとて同じことだそうです。アメリカにも
昔からセイヨウミツバチがいたわけではないのです。ただ、アメリカでは、大規模
な単一栽培をするようになったことから、どうしても受粉作業にハチの手を借りる
必要があり、セイヨウミツバチが導入されたというのです。

 我々は、ミツバチといえば、何か昔から自然に存在していると勝手に思いがち
ですが、実は、今問題になっているセイヨウミツバチは、日本に固有の生物では
ないのです。言ってみれば、アメリカザリガニやブラックバスと同じなのです。性
格がおとなしく、甘いはちみつを作ってくれるので、何となく人気があるだけなの
です。

 ということになれば、セイヨウミツバチさんには気の毒ですが、セイヨウミツバチ
さんの存在そのものが、既に「人工的」な状態になっているのです。昔からいたも
のがいなくなるのならば心配する必要があるでしょうが、人工的に持ち込まれた
ものがいなくなっても、それは昔に戻るだけだとも言えます。

 実は、日本には昔からニホンミツバチというのがいるのですが、蜂蜜の効率的
な生産という面では、セイヨウミツバチの方が優れているというので、セイヨウミ
ツバチが海外から導入されたのです。そして、その結果、ニホンミツバチは、ど
んどんと生育地域が狭められ、追い詰められていったといいます。

 しかし、近年、中国から安い蜂蜜が輸入されるようになると、日本の養蜂業の
採算性が悪くなり、養蜂家が減っているといいます。養蜂家が減るということは、
セイヨウミツバチが減るということで、そのお陰もあって、ニホンミツバチの生育
環境は少し改善しているともいいます。

 CCDの暗い側面ばかり見てみましたが、明るい面もあったのですね。そうで
す、やっぱり、日本にはニホンミツバチが合っているのでしょう。

 では、ニホンミツバチは、集団失踪することはないのか?

 ニホンミツバチも集団失踪することが昔から確認されています。ハチの巣の環
境が気に入らないと集団失踪をするというのです。ただ、ニホンミツバチの集団
失踪は、今回のセイヨウミツバチのCCDとは異なり、幼虫などが残されたり、或
いは、蜜などの食料が残されたりということはなく、もぬけの殻になってしまうとい
います。つまり、大変計画的な集団脱走だというのです。

 それに対し、セイヨウミツバチのCCDは、幼虫を残したり、食料を残したりする
訳ですから、やっぱり異常と言わざるを得ません。

 

 ハチの集団失踪については、冷静にその原因を追究し、その対策を真摯に探
さなければいけないと思います。

 環境問題は、地球温暖化だけではありません。

 そうしたことに、内外の政治家は早く気がつくべきです。

 

 ご賛同の方は、クリックをお願いします。

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 給食費の滞納が問題になっていましたが、今度は、保育料の滞納、不払いで
す。

 立派な家に住んでいて、立派な自動車を所有していて、しかし、払わない。

 当然、モーニングショーのコメンテーターは、怒る!

 本当にオオバカものである。

 

 本日は、こうした滞納、不払い問題を経済学的に考察しましょう。

 でも、その前に、常識的に考えてみましょうか。

 「何故保育料を支払わないのか?」

  •  親のモラルが著しく低下した。
  •  社会全体が堕落している。
  •  他人も払っていないから‥
  •  NHKの受信料だって払わないので‥
  •  払わなくても子供を預かってくれるので‥

 以上のようなことが直ぐ頭に浮かびます。やっぱり、大きいのはモラルの低下
であり、遵法意識の低下があるのでしょう。政治家や企業が嘘をついてばれるの
はしょっちゅうですから‥

 

 さて、経済学的に不払いの現象を考察すると、これは、フリーライダーの問題と
して扱われます。公共経済学のなかに登場します。

 具体的にいうと、例えば、一般の道路を利用するドライバーから道路の使用料
を自己申告によって徴収する条例を作っても、殆どの人は、そのような条例を無
視して、料金は支払わないといいます。

 正直者か、その条例を作った役所の担当者はひょっとしたら、払うかもしれま
せんが、払わなくても別に道路を利用できるのであれば、払わずに済ませたいと
いう誘惑が働くからです。まあ、自分だけが払っていないことが分かると格好が
悪いので払うかもしれませんが、そのうち、払わない人が多いことに気がつくと、
払わない人がどんどん増えていくことが想像されます。

 ところが、高速道路はそういうわけにはいきません。というのも、高速道路を利
用するためには、料金ゲートを通る必要があり、お金を払わずに高速道路を通
ることは事実上極めて難しいからです。

 公共物ではない、一般の財(商品、サービス)については、当然お金を支払わ
ないと買うことができません。それは、そうです。苦労して作った商品を無料で分
けてくれることなど通常ないですから。

 

 ということで、そもそもフリーライダーの問題は公共財を巡って発生するので
す。

 では、公共財とは何かといえば、誰でもが利用でき、しかも無料であるというこ
とです。よく、灯台の明かりが、公共財だといわれます。

 そうです。海峡を行きかう船は、どの船でも灯台の明かりを頼りにし、しかもそ
の恩恵に対し料金を支払う必要がありません。

 そのようなことを考えると、NHKの放送も公共財的性格を有することが分かり
ます。誰でも同時にNHKの放送を観ることができ、しかも、料金を支払わなくても
番組を観ることが可能だからです。

 

 さて、保育園の問題ですが、保育園が、保育料を支払わない親の子供の面倒
を見ることをすぐさま断るのであれば、その親は、どうしても保育料を払おうとす
るでしょう。そうすると、経済的な理由以外の滞納が起こることはないでしょう。

 ところが、保育料を滞納しても、子供の面倒は見るという、甘い対応をするとど
うでしょう。そうなると、保育園が公共財に変身してしまうのです。

 だから、当然のことながら、フリーライダーが出てくるということになります。

 

 では、滞納を減らすための方策を経済学的に考察すると‥

 もう、お分かりですよね。滞納したら、即、子供を預かることを拒否する、これで
す。

 で、現実には、どのような対応をしているか。

 確かに、一番の大ばか者は、不払いをしている親たちです。

 しかし、役所の対応もおかしいですよね。

 わざわざ、市役所の職員が家庭まで訪問して、どうにか払ってもらえないでしょ
うかと、丁寧な言葉でお願いしている‥

 中には、市長さん自らが登場し、不払いの親と面談するケースも‥

 しかし、そうした費用(職員や市長さんの人件費)は、税金で賄われているので
す。その意味では、二重に損害を受けていることになります。

 担当者が、不払いの家庭を訪問するのではなく、呼びつけるのでしょ。そして、
来なければ、子供は預からない。

 

 しかし、もっと大ばか者がいるのですね。

 厚生労働省!!!

 子供の預かりを拒否すると、児童福祉法24条に違反する恐れがあるからと、
地方自治体を指導している。

 このばか者!!

 別に自治体は、子供の保育を恣意的に放棄しようとしているのではないのです
よね。お金を払えるのに払おうとしないから、止むに止まれずそうしようとしてい
るだけ。それが、児童福祉法24条に違反するとは、どういう解釈だ。

 もう1回法律解釈の勉強でもしたらどうでしょう。

 

 最後に、テレビ局!

 コメンテーターの中には本気で怒る人もいますが、テレビ局全体が、怒ってい
るとは限りません。保育料を滞納する親について報道すると、視聴率が上がる
からという狙いも見え隠れします。そうすると、こうした番組を見た他の親もまた、
真似をして不払いが蔓延する可能性があります。そこのところをよく認識して欲し
いですね。

 

 こうした不心得の親が増えるのも、平気で嘘をつく政治家が多いことも大きな
理由だとお考えの方は、クリックをお願いします。

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 ミツバチの集団失踪が宮崎でも起こっていると、先日テレビで紹介していました
が、その後日本では注目されていませんね。

          はち                                                

 でも、これって、ひょっとすると重大な事態の前触れ
かもしれません。

←← これは、平野虎丸様によれば、ハエだということ
ですので注意して下さい!(追記)

 

 私自身、ミツバチの集団失踪のことについては、全く知らなかったのですが、ア
メリカでは大問題になっているのですね。米国の下院の委員会でも今年3月に公
聴会が開かれているほどです。

 ところで、アメリカでは、このミツバチの集団失踪のことを、CCD(Colony
Collapse Disorder)と呼んでいます。以前は、Spring Dwindling とか Fall Collapse 、
Autumn Decline 、May Disease 、Disappearing Disease と呼んでいたといわれてい
ますが、季節に関わらずということで、CCDにされたといいます。

 

 ミツバチの集団失踪と聞いて、皆さんは、「何故?」、「どうして?」と疑問に思い
ますよね。

 原因と考えられることを、このブログで先日紹介しました。蜂の巣の移動などか
らくるストレス、栄養不足、ダニ、ビールス、農薬、電磁波、遺伝子操作作物な
ど、多くのものが挙げられています。

 でも、原因は分からないとされています。

 私は、これを真に受けていました。

 

 でも、確かに断言はできないのですが、大変怪しいとされるものがあるのです
ね。どうして分かったか。それは3月の米下院の公聴会で、イミダクロプリド
(imidacloprid)が怪しいと言っていたた養蜂家の証言があり、そのためimidacloprid
で検索していったら、いろいろな情報が見つかったからです。

 

 何が分かったか。

 実は、アメリカがハチの集団失踪の本家かと思っていたら、10年も前の1997年
にフランスにおいて既に起きていたのです。

 フランスでは、ひまわりの種子処理に、このイミダクロプリドというのが1994年
から使われ始めたらしいのですが、その後しばらくしてから、ハチの奇妙な行動
が確認され始めたとあります。そして、1997年にはフランスの幾つかの地域にお
いてミツバチの集団失踪が確認され、大議論が起こったとされているのです。

 このイミダクロプリドは、農薬ですが、フランスでは、ゴーチョ(Gaucho)と呼ばれ
ています。また、それ以外にもいろいろな呼称があるようで、メリット、マラソン、
プラバード、アドマイヤーなどと呼ばれることもあるようです。

 

 で、フランスの養蜂家は、当時ゴーチョが犯人だと疑い、これを作っているあの
国際企業のバイエル社と争ったといいます。

 このため、何度も調査や研究がなされたようですが、イミダクロプリドが犯人で
あるという確証はつかめていないという結論になっているのです。

 恐らく、日本のマスコミが、原因が分からないといい、或いは、イミダクロプリド
の名前を敢えて出さないのも、科学的な知見が得られていないからでしょう。

 ただ、科学者のなかには、イミダクロプリドが犯人だと主張する人もいるといい
ます。また、イミダクロプリトが直ちにミツバチの生存に決定的な影響を与えなく
ても、ミツバチがそれを摂取することによって、ミツバチの神経系統に影響を与
え、その結果、巣に戻れなくなる可能性があるといいます。

 

 フランスでは、イミダクロプリトの有害性は確認できませんでしたが、予防措置
ということで、1999年にその使用が禁止されたといいます。その禁止措置は、結
局、3年間続いたようで、その間にいろいろな調査が行われたといいます。しか
し、その結果、ハチの巣の数が回復したかといえば、どうもそうでもなかったらし
く、「だからイミダクロプリトが犯人ではない」という主張がなされているとされま
す。

 これに対し、イミダクロプリトが犯人だとする人々は、使用を止めても、何年か
は毒性が残ることや、現に使われている他の殺虫剤でも、同じような毒性を示す
ものがあるので、ハチの巣の回復につながらないのだと言っているようです。

 

 ということで、アメリカの養蜂家のなかには、このイミダクロプリトが怪しいと思っ
ている人が多いようなのです。

 ただ、それだけが原因かとなると、どうもそう単純ではないようで、遺伝子操作
されたトウモロコシなどのシロップをハチに与えていることも、ハチの免疫を弱め
る結果につながっているのではないかという見方もあるようです。

 或いは、養蜂家がハチの巣をあちこちに移動させることが、ストレスを与え、そ
うしたいろいろな原因が重なって、ハチの神経が冒されたり、免疫が弱まってい
るのではないかという見方もあります。

 

 こうして見てくると、確かに真の原因が確認されているわけではないのですが、
全く何も分かっていないということではないのです。

 

 いずれしても、もし、今後もミツバチの集団失踪が続き、ミツバチの数が回復し
ない事態になったら、果物を始めとする受粉作業に大きな影響を及ぼし、アメリ
カの農業に大打撃を与えるとされます。

 そうなると、農作物の価格が急騰するかもしれません。それに、必要量が確保
できないと、海外から輸入せざるを得なくなり、農業保護の姿勢を大転換し、
WTOの交渉がいっぺんにまとまってしまうかもしれません。

 

 イミダクロプリドが、ハチの集団失踪の100%の原因ではないにしても、相当に
怪しいと思う方は、クリックをお願いします。

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 米国のワシントンで、22日、23日、米中戦略経済対話が開かれます。

 この会議は、中国からの集中豪雨的な輸出によってもたらされている米国の
貿易赤字をなんとかしたいという思いから設けられたもので、今回は2回目の会
合となります。

 米国の06年の貿易赤字は、8千億ドル弱の規模となっていますが、そのうち2千
億ドルは、対中国の赤字です。そして、こうした中国からの輸出が急増している
のは、中国が人民元レートを不当に低く抑えていることが最大の原因だと多くの
米国人は考えているようなのです。

 米国議会の中には、人民元のレートをもっと切り上げさせろという保護主義的
な声が強く、政府としても、そうした声を踏まえ、なんとか中国を動かそうとしてい
るわけです。

 

 一方、中国にしてみれば、長年の貧しい状態からやっと先進国に追いつくこと
ができる射程距離に入ったばかりであるので、まだまだ経済発展を優先させた
いと考えており、そのためには、人民元レートが急変しないことが絶対に必要だ
と考えているのです。

 ただ、そうは言っても、米国議会の保護主義者のみならず、米政権までも怒ら
せてしまっては元も子もないので、少しは米国の言い分を聞いて、人民元のレー
トを極めてゆっくりしたペースで上げているのです。

 

 では、具体的にどの程度のペースなのでしょう。

 まあ、1年間で2-3%といったところでしょうか。

 

 ということで、米政権とすれば、中国は何もしていないと非難しているわけでは
ないのですが、努力のテンポが遅いと批判しているのです。

 

 さて、本日から米中戦略経済対話が行われるわけですが、ワシントンに乗り込
む中国側としては、お土産を持参しないわけには行きません。

 で、そのお土産の一部が既に明らかになっています。

 一つは、人民元の変動幅の拡大です。

 これまで、人民元の変動幅は、前日比の0.3%を上限とするように決めていまし
たが、今後は0.5%までの変動を認めるというものです。

 

 ただ、これは単なるリップサービスと考えた方がいいかもしれません。何故なら
ば、そもそも中国の為替制度は、市場メカニズムによって決められるものではな
いからです。あくまでも政府(人民銀行)が為替介入を行って、目指すべきレート
に誘導しているからです。

 中国は、これまでのところ年率で2-3%程度の切り上げを容認してると推測され
るのですが、この容認幅が本当に引き上げられるのであれば、それは米国とし
ても大歓迎でしょうが、中国が胸のうちを明かすことはないでしょう。

 

 ということで、このお土産では迫力不足ですので、別のお土産も用意しました。
それは、かつて商務長官を務めたピーター・ピーターソン氏が設立した投資ファ
ンドのブラックストーン・グループに30億ドルを出資するというものです。

 まあ、中国にしてみたら1兆2千億ドルもの外貨準備を有しているので、30億ド
ル程度の出資で済むなら安いものです。それにそのファンドは、凄く儲けてきた
実績があるので、中国は却って得をするかもしれないからです。

 それに、ブラックストーンは政治的な影響力を有しており、米国も少しは大人し
くなってくれるのでは‥、と中国は期待しているのでしょう。

 

 ところで、中国は、この出資のみならず、保有する外貨準備の効果的な運用を
開始する予定であると報じられています。

 みなさん、このことについてどう思いますか?

 「日本も、見習ったらどうか」という人も思っているかもしれません。

 しかし、それは大変欲張りな要求です。

 というのも、外貨準備が大きく溜まったのは、自国通貨を安く維持するため(ド
ルを高くするため)に為替介入を行った結果なのですが、そうして得た外貨がド
ル以外の通貨で運用されると、ドルが安くなり、現に行っている為替介入との整
合性がとれなくなるからです。

 また、仮にドル以外の通貨で運用することをしなくても、例えば、米国債での運
用から株式での運用に切り替えると、長期金利が上昇し、その結果ドルが強くな
ることが予想されますが、米国経済には冷や水をかける結果になってしまう恐れ
があります。

 

 いずれにしても、もう直ぐ戦略経済対話の再開です。

 G8の会合に出席しなかったポールソン長官ですが、どのようにして中国を説得
するのでしょうか。

 

 

 一国の政府が、民間の投資ファンドに出資するというのは、どうも釈然としな
い、とお思いの方は、クリックをお願いします。

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 人民元の変動幅が拡大するという文言が日経新聞で出ていました。

 「対米ドルで上下0.5%」とあります。

 これだけ読んで、何のことか分かる人は、相当に鋭いといえるでしょうが、殆ど
の人は、何のこっちゃいな?と思うかもしれませんね。

          ↑↑↑

    ここに、ちゃいな(チャイナ)が入っているのがミソです。

 冗談はさておき‥、

 先ず変動幅というのは、1日における人民元とドルの交換レートの変動幅のこ
とを指しています。要するに、仮に人民元がどんどん強くなろうとしても、前日と比
べて、0.5%を超えることは認めませんよということです。

 では、これまでの変動幅はというと、0.3%です。

 

 ところで、0.3%とか0.5%というのは、大した切り上げ幅だとは見えませんが、
それでもこれが100日間(営業日数で)続けば、30%とか50%を軽く超えてしまう
でしょうから(複利計算をするので)、その意味では、中国側の大幅な譲歩にも見
えます。

 でも、変動幅の上限というのは、あくまで上限であって、そんなに急激に人民元
のレートが上昇しているわけではありません。

 現在の制度は、一昨年の7月から採用されているものです(それ以前は、ドル
にペッグしていた管理変動相場制度でした)が、そのときの人民元のレートが、1
ドル=8.2675元でした。それが、そのときの2%の切利上げも含めその後、7.67
元まで上昇しているので、計算すると約7%程度人民元が強くなっているというこ
とができます。まあ、最初の2%分を除くと5%の切り上げ幅ということです。これ
が、概ね2年間弱の間において中国政府が認めた切り上げ幅だということです。

 

 ということで、中国は、為替の切り上げに関し、何にもやっていないというわけ
ではないのですが、それほどのことをしたというわけでもないのです。

 では、今回どうして、更なる切り上げを認めるようなことを発言したかといえば、
今週の火曜、水曜と、ワシントンで、第2回の米中戦略経済対話が開かれるから
です。

 恐らく中国の訪米団は、手ぶらで出かけることもできないと痛感したのでしょ
う。何故ならば、あの親中派のポールソン長官が、何か実績を示さないと、米国
の保護主義者が、報復的措置をとるぞとアドバイスしてくれているからです。

 

 あの日本の言うことは何にもきてくれない中国も、アメリカのいうことならば、少
しは聞くのですね。

 

  このままでは、益々米国の対中赤字は拡大すると思う方は、クリックをお願い
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 中国の為替相場制度は、固定相場制度でもなく、しかし、変動相場制度でもな
い、ユニークな制度になっているということですね。

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