経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2007年07月

 事務所費問題が、依然くすぶっています。
 赤城農水大臣の事務所費です。

 しかし、いつも言っているようにテレビの突っ込みは非常に甘い。なので、テレ
ビの視聴者の多くは、じれったくてしょうがないのではないでしょうか。

 記者やレポーターは、赤城氏側に、事務所の実態はなかったのではないかと
突っ込みます。事務所の実態がないのに、経費を計上するのはおかしいと。

 それに対し、赤城氏側は、実態はあったといいます。だから経費を計上してど
こがおかしいと。

 従って、事務所としての実態があったかなかったかが、先ず問題になります。
そこで、記者やレポーター或いは野党は、実態があるのであれば、証拠を示せ、
領収書をみせろということになります。

 しかし、その点については、法は、領収書の添付を求めていません。法は、政
治団体の資金の「入り」と「出」を明らかにすることを求めていますが、どのように
使われたかについては、確認する方法がないのです。

 要するに、それだけの法にとどまっているのです。

 赤城氏の弁明は苦しいのですが、それ以上追求する法的な手段がないので
す。後は、国民がどのように判断し、それを選挙の場で意思表示するかどうかな
のです。

 この点で、テレビのコメンテーターなどは、一応憤って見せます。民間の会社や
自営業者は、領収書を添付し説明しても、経費として認められないこともある。政
治家だけ特別扱いされるのは不公平だ! とこうなるわけです。



 しかし‥、です。
 ひょっとしたら、税金の申告をしたことのない奥様たちからみると、この事務所
費問題は、何が問題なのか分からないかもしれません。

 農水大臣の答弁が何となくうさんくさく聞こえるので、ずるをしているのではない
か‥、程度のことかもしれません。

 使っていないなら、最初から計上しなければいいものを、と思っている人がいる
かもしれません。

 そこのところを、テレビは親切に教えてくれません。

 実は、政治資金管理団体や政治団体には、資金の収支を報告する義務が課
せられており、入金と出金が合わなければいけないのです。この点は理解しても
らえると思います。でも、そうであれば、知られたくない遣い途については、その
財源になった入金も隠しておけばいいのでは?となります。

 しかし、政治団体に対する寄付などが非課税になるためには、政治団体側が
入金を認めなければなりません。従って、どうしても、入金は、隠しようがないの
です。もっとも寄付する側が、課税されてもいいというのであれば別ですが‥。

 そして、入金総額が明らかになると、それらがどのように使われたかを政治団
体は明らかにしなければいけません。でも、中には明らかにできない遣い途もあ
るということです。ひょっとしたら、全く個人的な用途に使ったものもあるかもしれ
ません。もしそうだとすれば、そうした行為は脱税に該当する可能性があります。

 問題の本質は、そこにあります。
 政治団体は、遣い途の明細を明らかにする必要がないのです。単に報告する
だけでいい。だとすれば、どうしても誘惑が働いてしまいます。だから、次から次
に事務所費問題が起きるのです。

 みんな、大なり小なりそうした処理をしているとすれば、自分だけ真面目に申告
するのは、バカにみえてしまうかもしれません。みんなやっていることだからと。

  要するに、そうした認識が、件の大臣や総理にあるのではないでしょうか。全
く問題のない議員を探すことなどできないと。しかも、農水政策に通じているとい
う条件も満たさないといけないし‥。

 だから、辞めさせる必要がないといい、辞める必要がないと思うのかもしれま
せん。それに、この問題で辞任すると、他にも辞めないといけない議員が沢山出
てくるでしょう。

 そうそう、小泉首相も、「入り」の方の問題で、地元企業から支援を受けていた
ことについて突っ込まれたとき、「人生いろいろ、会社もいろいろ」と言って切り抜
けてしまいました。マスコミも、それ以上は追求することができませんでした。そう
したことを目撃しているから、「俺だけが悪いのだろうか」と思っている可能性が
あります。

 政治とカネの問題では、秘書給与のピンハネ事件というのもありましたね。あ
れも、多くの議員がやっていました。与野党を問わずです。恐らく、事務所費問
題も同じだと思います。



 赤城パパは、家賃をもらうようなバカなことはしないと、きっぱりと言っていまし
た。正直ですね。でも、赤城大臣が、公私混同をし、家賃相当費をパパとママに
渡していたとしたら、それは立派な経費ですから、家賃として支払っていたのが
悪いのですかと言えたのです。


 総理は、「800円で辞めさせろと言うのですか」と食ってかかりました。また、大
臣は、公私混同はないと強調していますが、ただそう言われても、信じることはで
きないのです。そこで、いいアイデアがあります。それこそ、今や注目の存在であ
る第三者委員会に判定してもらったらどうでしょう。人柄も含めて総合的に判断
するというやつです。

 
 政治家がまともに税金をはらわないのだから、国の赤字が増えるのは当然だ
と思う方は、クリックをお願いします。

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 今日も、消えたミツバチを追ってみましょう。

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 先ず、私の実際の体験です。

 私が住んでいる福岡市中央区ですが、近くの舞鶴公園では、ミツバチは全く見
かけることがありません。熊蜂は見つけましたが‥。元からあまりいないのでしょ
うか。

 次は、私の実家の長崎県島原市。昔は、日本ミツバチを育てて蜜をとる農家
があったとか。先日、実家でミツバチを一匹みつけました。忙しそうに蜜を採取し
ており、近距離で写真をとってあげているのに無視されました。ミツバチというと
かわいいイメージもありますが、近距離で顔を覗くと、宇宙人みたいですよね。他
の昆虫もそうですが。

 では、全国の状況は如何に。

 ニュースをチェックしていると、先月の記事ですが、「ミツバチ駆除でお手柄/弘
前」とあります。私が、こんなに心配しているというのに、駆除とは何事かと思い
ましたが、記事を読んでみました。

 ミツバチ約1万匹をボランティアで駆除した功績をたたえ、弘前市の木村さんと
奈良さんの二人に弘前警察署が感謝状を贈呈したと。

 花壇の木枠に大量のミツバチが群がっていると民家から同署に通報があり、
署員と市職員が駆け付けたらしいのですが、駆除業者と連絡が付かず途方に暮
れていたところ、木村さんが偶然、現場を通り掛かったとあります。

 木村さんは状況が危険であると判断し、同プロジェクトの仲間である奈良さんと
新聞紙を燃やし煙でミツバチをおとなしくさせ、巣箱に手際よく誘導したとのこと
です。そして巣箱に移したミツバチを白神山地へ返したのです。
 

 ミツバチはこの時、分蜂(ぶんぽう)の状態になっており、新たに巣を作る場所
を探していた模様です。いずれにしても、駆除したのではなく、ハチと住民を助け
てあげてよかったですね。

 

 次は、京都での話です。

 「ミツバチの塊ブドウ畑に出現 福知山、巣分かれで 」とあります。 
 
 京都府福知山市の農業横田さんのブドウ畑で、どこからか群がってきたミツバ
チがバスケットボールほどの大きさになっていて、横田さんは苦手なハチに気を
取られ困っているとあります。

 房を間引いていたところ、不思議な塊に気付き、ハチの大群とわかったとあり
ます。駆除するのはかわいそうだし、巣ができたら怖くてブドウ栽培に専念できな
い。養蜂(ようほう)業者に引き取ってほしいと仰っているとか。

 そうですよね。駆除するのはかわいそうですよね。駆除なんかしてはだめです
よ。

 

 最後は、東京です。しかもど真ん中の銀座。

 「銀座の真ん中 ハチミツで「地産地消」」とあります。

 銀座でハチミツの「地産地消」に取り組んでいるNPOがあるそうです。

 ミツバチを飼っているのはNPO法人「銀座ミツバチプロジェクト(高安理事
長)」。プロジェクトは今年で2年目で、銀座や丸の内で働く約20人のメンバー
が交代でミツバチの世話をしているそうです。

 高安さんは、農業や街づくりの勉強会を重ねるなかで、銀座でやれるものはな
いかと探り、都心で養蜂を実践していた岩手の養蜂家、藤原さんに出会ったとあ
ります。

 目指したのは「地産地消」で、銀座産のハチミツを地元の企業に使ってもらい、
銀座オリジナルの商品が店頭にならんでいるとか。

 銀座のミツバチは、どこに行っているのでしょう。日比谷公園あたりにでも行っ
ているのかと思ったのですが、銀座の街路樹、浜離宮公園、日比谷公園、皇居
などで蜜を集めているらしいとか。この時期は、コガネモチ、エゴノキ、キンカン
の花が盛りだとあります。

 ひょっとしたら、放置された空き缶に残ったジュースも吸っちゃうのでしょうか。

 

 ということで、国内の状況はそれほど深刻でないのかもしれません。しかし、他
方で、「ミツバチの駆除」などという言葉が使用されているということは、アメリカで
CCDが起きているということについても殆どの人が気づいていない可能性もある
ということです。

 ミツバチは受粉作業という農家にとって重要な仕事をする昆虫なので、人間は
ミツバチの集団失踪にが気がついただけかもしれません。

 人間の生活とあまり関係のないようにみえる地味な昆虫も、ひょっとしたら集団
失踪をしているかもしれません。でも、地味だから人間が気がつかないだけかも
しれないとしたら、少し心配になってきます。


 ミツバチのことが心配だと思う方は、クリックをお願いします。

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 ミツバチの集団失踪、米国では、CCDと呼ばれます。
 Colony Collapse Disorder

 アメリカでは、昨年の11月からミツバチの集団失踪が起きていると言われてい
ます。議会で公聴会まで開かれた位です。

mitubachi2

 

 

 

 

 

 

 

 

  この経済ニュースゼミは、常々、ミツバチの集団失踪についてフォローしよう
と努めています。でも、なかなか情報が集まらないのが事実です。本日、米国の
最近の様子が分かったのでご紹介します。

 

 米国では、昨年の11月からミツバチの集団失踪が起きています。全米の27州
で確認されたといいます。でも、殆ど影響を受けていない州もあるようです。その
一つがバーモント州です。

 急に、ヒデキの歌を思い出しました。
 ハウスバーモントカレーだよ。りんごとハチミツ、とろーり溶けてる‥

 ハチとバーモンドは相性がいいのでしょうか。

 それはそうと、どうしてバーモント州は影響を受けていないか。
 バーモント州の養蜂家がこう答えています。「工場のようなモノカルチャーの農
家がなから」と。一面のとうもろこし畑とか、一面のアーモンド畑とか、そういう農
業が行われていないということのようです。バーモント州は、小規模な農家が多
く、いろんな作物を育てていると。

 来る日も来る日も、場所は移動しても、連れて行かれるのがアーモンド畑ばか
りだとすれば、ハチにとっていいはずがないと。バラエティにとんだ花粉をとらな
いとハチもやっていられないということです。人間だって、1ヶ月間毎日マクドナル
ドに行って食事をすると、健康に影響があるだろう、と言っています。

 これは、説得力のあるご意見です。
 その他にも、農薬や遺伝子操作作物の影響、或いは、ハチにコーンシロップを
与えていることなども影響していると考えているようです。

 バーモント州以外でも、影響の少ないところがあります。南アリゾナです。これ
までのところ、ハチは元気だとか。

 南アリゾナの養蜂家は言います。
 皆、CCDの原因となる単一の答えを見つけようとするからいけないのよと。答
えは一つではなく、多くの要因が累積した結果だと。それに、ハチが生き物であ
ることを忘れてはいけないと。

 この養蜂家によれば、1930年代に始まった養蜂によりハチの大きさは、自然
のそれと比べ40%から60%も大きくなったとか。私たちのところでCCDが起きて
いないのは、養蜂を大きな産業として考えていないからだとしています。おばあち
ゃんが孫に話しかけるようにしてハチを育てていると。

 また、ミツバチには、アフリカ種とヨーロッパ種がいて、アリゾナのミツバチはよ
り強いアフリカ種が多いとみている人もいるようです。




 ミツバチの集団失踪が報じられてから、随分時間がたち、相当回復しているの
かなと、思っていましたが、案外そうでもなさそうです。


  日本のミツバチのことも気になると思う方は、クリックをお願いします。

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 円安が続き、我が国の輸出企業はほくそ笑んでいるのかと思っていたら、どう
もそうばかりではないようですね。

 日経新聞の「YEN漂流」を見ると、その様子が紹介されています。

  • 地元企業は金利上昇よりも円安を怖がっている(日銀札幌支店長)
  • 素材・食品・小売にとってコスト増。今の円安は行き過ぎとの声もある(日
    銀福岡支店長)

 それに、もっと驚くべきことは、日本商工会議所の山口会頭が、円買い介入論
にまで言及しているのです。

  • (円安が)行き過ぎると反動で円高のエネルギーが一気に来る。あまり円
    が安いのは問題で不安定だ(日本商工会議所山口会頭)
  • 日本の基礎体力からみると、これ以上の円安は企業活動の面からも警戒
    しないといけない(経済同友会桜井代表幹事)

 円安に対する不満は海外からだけ起こるのかと思っていたら、結構、国内でも
円安を不安視する動きが出てきているのです。

 欧米の関係者から言われるまでもなく、過度の円安は、日本企業に必要以上
のハンディキャップを与えていることに気がついているのです。それに、あるとき
を境に一気に円高に転ずるよりも、徐々に円高に向かう方が、対応がしやすいと
考えているようでもあります。

 その結果が、円買い介入論です。

 皆さん覚えていますか。今年の2月の初めにフィナンシャルタイムは、我が国に
対し、円買い介入を行うべきだと主張しましたが、そのとき、そうした意見に耳を
傾ける日本人は殆どいなかったと思います。

 それが、今や、国内からもそうした声が上がっているのです。



 これ以上の円安を食い止めるには二つの方法があると思います。

 一つは、提案のように、円買い介入を行うことです。そして、今一つは、金利を
引き上げることです。

 しかし、政府のこれまでの立場からすれば、消費者物価が低迷する状況下で
金利を引き上げることには反対するでしょう。そうなると、円買い介入をするか、
ということになろうかと思いますが、これも、「円高恐怖症」に陥っている政治家か
らは大反対があると思います。

 対ユーロや対ポンドで、歴史的な円安が続いていますが、山高ければ谷深しで
す。そうしたリスクを考えると、これ以上の円安は回避したほうが懸命だと思いま
す。

  海外旅行に行くと、円安の意味が分かるのだよね、と思う方はクリックをお願
いします。

  日本に駐在している外国人は、円安で恩恵を被っているのですね。でも、日
本に出稼ぎにきて送金している人は、その反対です。

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 ミスター円というのを知っていますか?

 あの榊原英資氏ですね。いつもにやにやしながら話をする元財務官です。ある
講演会で「私をミスター円と呼ぶ人がいる」と自分で紹介して、ミスター円と呼ば
れるようになったとか。

 では、ミスタードルというのを知っていますか?

 ミスタードルを知っているのは、相当の通でしょうね。今島根県知事になってい
る溝口善兵衛氏です。この人も元財務官で、在任中に総額35兆円ものドル買い
円売り介入を行ったことから、ミスタードルとも呼ばれました。

 ミスター円には、多少賞賛の意味が込められていそうなのですが、ミスタードル
には、ネガティブな意味合いがあるように思います。

 ミスタードルは、2004年7月に財務官を退任しましたが、実は2004年3月を最後
に介入を止めています。

 ミスタードルの後任の財務官には渡辺氏が就任し、3年間財務官を務め、本日
退官しました。そして、この3年間は、全く市場介入が行われなかったことが注目
されています。

 このような経緯があることから、為替介入を行うかどうかは、誰が財務官である
かということと大きな関係があるのではないかという見方が最近強くなっているよ
うな気がします。

 確かにその要素もあるかもしれません。しかし、そうした見方は必ずしも適切で
はないのです。その理由をお示ししましょう。


 先ず、最近の財務官と円相場を見てみましょう。(敬称略)

 氏名             就任期間                 円相場

榊原英資(ミスター円)  1997年7月−1999年7月   1997年末 129.92円
                                 1998年末 115.20円                         
黒田東彦          1999年7月−2003年1月    1999年末 102.08円
                                 2000年末 114.90円
                                             2001年末 131.47円
                                             2002年末 119.37円
溝口善兵衛(ミスタードル)2003年1月−2004年7月   2003年末 106.97円
渡辺博史(ミスター不介入)2004年7月−2007年7月  2004年末 103.78円
                                             2005年末 117.48円

 ミスタードルが財務官を務めたのは、2003年1月から2004年7月の1年半です。
そして、2004年3月までの約1年強の間に35兆円の介入が行われています。しか
し、この時期は、今から振り返ると円高の時代と言えるのです。それだけ大規模
な介入を行っても円安にはなっていないのです。

 では、どうしてそのような未曾有な介入を行ったのでしょう。

 それについては、アメリカ経済について振り返らなければいけません。実は、
2000年のITバブル崩壊と、2001年の9.11事件で、アメリカ経済には暗雲が立ち
込めたのです。なんとしても経済の底割れを防ぐ必要があると。今、FRBの議長
を務めているバナンキ氏などは、ヘリコプターからお札をばら撒いてでも、デフレ
になることを防がなければいけないと主張しました。日本のデフレの悲惨さを見
た上での判断でした。その結果、2003年6月に米国は、政策金利を1%まで引き
下げる決定をしたのです。

 アメリカの金利が未曾有の水準にまで引き下げられたのです。当然、資金の
流れが逆流します。それまでは海外から米国に資金が流れていたのですが、金
利の低さに嫌気をさして、海外に逆流しそうになったのです。当然、ドルが安くな
り、円は高くなります。しかし、急激なドル安は、なお一層の資金の流出を招き、
その結果、アメリカは金融緩和政策を維持できなくなります。しかし、再び金利を
上げることになると、アメリカ経済がもたついてしまいます。だから、その時に日
本が、ドル買い円売り介入を行うことによって、アメリカが金融緩和を続けること
ができるように援助したのです。

 でも、このことについては、誰も気がついていません。

 何か、ミスタードルが、むちゃくちゃな介入をやっただけと殆どの人は理解して
いるようです。

 でも、そうではないのです。

 ところで、ミスタードルの後は、ミスター不介入ですが、では、何故、急に日本は
介入を止め、しかも、それが3年以上も続いているのでしょう。

 それは、米国の低金利政策が変更されたからです。2004年6月には、政策金
利の引き上げが決定されるのですが、その一方で、我が国は量的緩和政策を
採用していたので、内外金利差は再び拡大し始めたのです。そうなると、自然に
我が国から米国へ資金が流れるようになります。つまり、円安が進むのです。そ
して、円安が進むから、介入など全く必要なくなってしまったのです。

 我々は、そうした事実があることに気がつかなければいけません。このことに
ついては誰も述べていませんよね。

 

 円安が行き過ぎるのもどうなのかな、とお考えの方は、クリックをお願いします。

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 すっかり円安が定着してしまった今日この頃です。
 円は、ドルに対しても、ユーロに対しても、そしてポンドに対しても安くなっていま
す。

 みなさん、こんなに安くなった円について、どのようにお感じですか。

 日本経済が、もう少し力強くなるために、今しばらく円安であって欲しい、という
考えでしょうか。

 それとも、円安だと海外旅行をしても、ブランド品が高くなって、以前みたいに
ガンガン買えないのよね、というものでしょうか。

 いずれにしても、歴史的な円安が起きているので、日本の輸出産業は恩恵を
被っているようです。しかし、日本の輸出企業が恩恵を受けるということは、海外
のメーカーが迷惑を受けているということです。アメリカの議員の一部には、日本
は不当な介入で円安を維持していると主張する者さえいます。

 そのような意見に対し、米国の財務省やFRBは、今や日本は為替介入を一切
行っていないと弁護してくれています。もちろん、我々日本人も、今は日本は介
入は一切行っていないから‥、と考えがちです。

 確かに、この3年と3ヶ月の間、日本は介入を一切行っていません。しかし、よく
考えると、過去の介入の結果溜まった外貨準備高が約9000億ドルあるのです。

 今介入を行っていないのは事実だとしても、過去介入した実績は、そのまま残
っているのです。

 我々日本人の眼からすると、アメリカの一部の議員が、日本は不当な介入をし
ているというのは、全く根拠のない非難に聞こえるのですが、アメリカからみれば
9000億ドルもの途方もない額の外貨準備を保有していること自体が、異常に見
えるのかもしれません。


 それはそうとして、最近、日本国内においても、今のような円安が本当にいい
のか、と改めて問いかけるような論調が見られるようになっています。また、中国
も、人民元レートのマイルドな切り上げは止むを得ないというような考えに変化し
つつあるような雰囲気があります。



 円安がいいのか円高がいいのか、この古くて新しい問題を改めて考えてみた
いと思います。

 

 皆さん、円安はいいことですか?
 

 恐らく、大多数の人は、円安は止むを得なかった、円安のお陰でどうにか、日
本経済が回復することができたと、お考えではないでしょうか。

 私も、そうした考え方をしていました。

 円安のお陰で、輸出が伸び、その結果ある程度の経済成長を実現することが
できたと。

 確かにそうです。

 でも、よく考えるといいことばかりではないのです。

 海外旅行に行って、円の価値が下がったことを痛感させられることもそうです
し、輸入品の物価が上がることもそうです。

 しかし、まだあります。

 仮に、円がドルに対し相当値下がりし、それによって輸出が増え、高い経済成
長を遂げたとしましょう。円ベースで考えると、確かに経済成長率は高くなるでし
ょう。しかし、ドルベースで考えるとどうでしょう。ドル換算したGDPをみると、むし
ろマイナス成長になっている可能性があります。

 つまり、円という世界で考えたら、日本は成長しているのですが、世界の標準
の尺度であるドルで考えたら全然成長していないことさえ起こり得るわけです。

 最近、日本の一人当たりのGDPについてのランクは、どんどん落ちています
が、実はそこに原因があるのです。



 やっぱり、円安がいいとか円高がいいとかは一概には言えないのです。それが
恐らく正解でしょう。しかし、現実の世の中、特に経営者や政治家は、多くの人が
円安の方が都合がいいと考えているので、つい、皆もそのように考えてしまうの
です。



 いずれにしても、最近の円安は、欧米の金利と日本の金利の差である、内外
金利差が大きいことに最大の理由があると考えられます。

 その内外金利差に着目して円キャリートレードが行われ、それにより円安が起
きています。円キャリートレードの主役は、ヘッジファンドであることは知られてい
ますが、我が国の個人投資家も、外貨での運用に積極的です。

 また、我が国政府も、為替介入こそ止めていますが、溜め込んだ外貨を米国
の国債に投資することなどにより、毎年1.5兆円程度を一般会計に送り込むこと
ができているのです。

 

 円安がいいことばかりではないのは分かるが、今しばらくは円安が続くかなと
思う方はクリックをお願いします。

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 またしても、事務所費問題の発覚です。
 しかも、問題になっているのは、何とか還元水大臣の後任の赤城農水大臣で
す。

 相当に怪しい気がしますが、安倍総理は、たった800円程度のことで辞めさせ
ろというのかと、かばっています。

 はっきり言って、一般の国民は、何とか還元水大臣の後任の大臣であるだけ
に、呆れています。10年間で9千万円の経常経費を計上していたことくらい、誰か
に調べさせたら直ぐ分かったことです。安倍総理と赤城氏の間で、そういったこと
の確認はなかったのでしょうか。

 もし、10年間で9千万円の経常経費を計上していたことを安倍総理が当初から
知っていて赤城氏を選んだのであれば、それはそれで一つの判断でしょうから、
今強気の態度をとっているのは理解できます。ただ、そうであれば、当初から
堂々と国民に言えばよかったものをと思います。

 この点、今思えば、赤城氏の大臣就任時での記者のつっこみも甘かったかも
知れません。ただ、常識的に考えて、前任者がああいうことになった後だけに、
今度は違うだろうと思ったのでしょう。皆そう思いましたよね。



 やっぱり、安倍総理は、詳しいことは知らなかったということでしょう。

 安倍総理の頭のなかには、事務所費の問題なんて、そんなに重大なことなの
か、という認識があるのではないでしょうか。事務所費の問題を本気で突っつい
ていたら、誰も資格のあるような人は永田町にはいないと。

 民主党でも、人件費を2千万円も計上している議員がいるではないかと、何度
も繰り返しています。


 本日、フジテレビ、NHK、テレビ朝日と立て続けに7党首の討論番組をやって
いましたが、安倍さんの発言は魅力がありませんでした。

 如何にも、喧嘩をふっかけたいような話しぶりでした。それになんて俺は運が
悪いのだというような雰囲気が伝わってきました。

 テレビを見ている人は、あまり渋い顔や怒っている顔はみたくないものです。

 まあ、年金問題にしても、事務所費問題にしても、安倍総理が直接引き起こし
た問題ではないので、安倍さんも運が悪いといえば、そういえるかも知れません
が、どうも状況判断と対応が的確でないような気がします。

 盛んに「私の内閣」という言葉を使いますが、「私の」を強調するあまり運が逃
げているのではないでしょうか。

 折角の総理補佐官も機能していないのではないでしょうか。補佐官には、敢え
て分担は与えず、問題が起こったときに知恵を出させる役割を果たさせた方が
よかったのではないでしょうか。そうすれば、年金問題に対する対応も迅速に進
んだかもしれませんし、大臣の失言への対応ももうすこしマシになったかもしれま
せん。

 「私が」を強調し、リーダーシップを発揮するのはいいのですが、それがどうも
裏目に出ている気がします。

 年金問題なんて所詮技術的な問題なので、もう少し専門家の知恵を集めるべ
きだったのです。

 それにしても、小泉総理は、「自民党をぶっ壊す」と豪語し、自民党をより強くし
てしまいましたが、閣僚をかばい続ける安倍総理は、逆に自民党を弱体化させ
ている気がします。


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 中国が、外貨準備の運用を多様化しようとしていることから、上海株は大幅続
落です。財政省が特別国債を発行するので、資金が吸収されてしまうと市場は
みているようなのです。

 でも、中国の外貨準備運用多様化の動きは、日本の政治家にも影響を与えて
います。

 我が国の外貨準備高は、約9000億ドルですから、まあ、100兆円の規模と考え
ていいでしょう。ですから、運用利回りを1%上げることができれば、1兆円も収益
を増やすことができます。

 こんな話に興味を持つ政治家は、どのような人でしょうか。

 それは山本大臣。

 yamamoto

 写真映り良いでしょう?

 金融担当の大臣です。

 この人、先日も、この件で発言していましたが、またし
ても、発言を繰り返しています。何でもシンガポールに出
張していたらしく、その報告を安倍総理にしたといいま
す。

 

 で、何と言ったか。

 「わが国の年金など公的資金の運用に改善の余地がないかの検討はする必
要がある。これによって、貴重な人材が世界から東京・日本に集合することが可
能になる」

 「資金で運用益を得ることに対して(首相には)懸念もあったようだが、世界的
な試みでもあり、ヘッジファンドに国がお金を任せるというより、国に有能な人材
を集めるほうが、リスク評価や市場の健全性確保にも資することがなくはないと
いうイメージもある。今後、検討するということに対しては前向きに考えを頂ける
と思う」

 相当に積極的ですね。公的資金の運用改善について記者から「年金と外貨準
備では考え方に違いが出るのではないか」と指摘されたらしいのですが、それに
対しては、「公的資金の広義の中には両方が入るのだろう。検討していく中で、
いろいろな可能性が出てくる。今のところ、検討ということだけしか考えるところで
はない」と述べたいいます。

 やや、ぎこちない日本語のように聞こえますが、いずれにしても、超積極的で
す。

 でも、こんなにまで年金で問題を起こしておきながら、またしても、年金の積極
運用をするというのでしょうか。

 安倍総理は、恐らく苦々しい思いで山本大臣の報告を聞いたのではないでしょ
うか。

 金融大臣としては、もっと重要な仕事が控えているのではないでしょうか。

 

 仮に、運用を多様化して、年金の財源が目減りしたら、誰が責任をとるのでしょ
う。そう考えると、少し気分が悪くなったという人は、クリックをお願いします。

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 7月4日といえば、アメリカの独立記念日ですよね。アメリカでは、マーケットはお
休みになります。

 で、独立記念日といえば、ホットドッグの早食い大会が有名です。そうあの日
本人。日本でよりもアメリカで断然有名なようです。

 でも、どうして、大食いとか早食いをしたがるのでしょう。
 じっくりと、味わいながら食べる、それが大切ですし、それでこそ感謝の気持ち
も表れます。

 ところで、食べ物の話といえば、中国で豚肉の値段が上がっているとか。

 中国各地で豚肉の値上がりが続いており、3日までに北京市と広東省広州市
は過去最高を記録したといいます。

 で、実際幾らくらいするかですが、北京で卸売り価格が1キログラム17.5元とい
いますから、280円くらいでしょうか。物価の高い上海では、小売価格で、1キログ
ラム当たり26元程度といいます。400円強ということです。

 日本と比べれば、はるかに安いのですが、中国の一人当たりのGDPを考える
と、決して安いとは言えません。

 それに、中華料理には豚肉がつきものなので、国民の生活にも大きな打撃が
及ぶことが予想されます。

 では、何故、高騰が続いているかといえば、飼料のとうもろこしが値上がりして
いることや伝染病で豚が死んでいることが挙げられます。

 我が国では殆ど紹介されていませんが、最近、豚の伝染病が広がり、大量死
が起こっているといいます。

 で、こうした事態に国家はどう対処しているかですが‥、

 温家宝首相は、5月の下旬に「豚肉の価格上昇を食い止めよ」と号令をかけた
ようです。

 「豚肉の供給は市民の生活に密接に関わっているので、地方政府は適切な対
応をとる必要がある。価格に加えて、品質や衛生状態についてもしっかりと検査
するように」と。

 でも、この指示は1ヶ月以上前のことですから、効果はあまりなかったということ
でしょうね。

 いずれにしても、何でも力づくでコントロールしようというところが、統制経済の
中国らしいですね。

 ところで、統制経済の反対は市場経済です。市場経済の原理を尊重するので
あれば、どんな処方箋が用意できるのでしょうか。

 実は、これも少し前のことですが、ゴールドマンサックスが、豚肉の高騰を食い
止めるために利上げを行うべきだと主張しています。利上げが行われれば、人
民元レートの上昇のスピードも上がると思われるのですが、「豚肉値上がりをき
っかけとしたドミノ倒し現象を防ぐため最良の方法は人民元レートの引き上げ。
インド・ルピーはインフレ対策のため対米ドル相場を9%引き上げた。中国もイン
フレに打ち勝つため、この方法を試すべきだ」と言っているとか。

 中国政府が、為替レートの問題で、どれだけアメリカ側に譲歩するかは分かり
ませんが、最近、若干ですが切り上げのスピードがアップしてきている感じがしま
す。

 為替市場は波乱含みだとみています。

 人民元レートの上昇スピードがアップするかなと思う方は、クリックをお願いしま
す。

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 緒方元公安調査庁長官の詐欺容疑ですが、どうもしっくりきません。ワイドショ
ーでは、元公安調査庁長官或いは元検事長ともあろう人が、こんなことをやっ
て‥、ということを盛んに強調していますが、突込みが足りません。

 ところで、ニュースをチェックしていたら、北朝鮮側が今回のことで、声明を発
表しています。

 朝鮮総連中央本部の差し押さえ行為は、卑劣な行為だと。

 一般の国民からしたら、お金が払えないのだから、差し押さえられても仕方が
ないのではないかと思いますよね。それに、拉致された人を返さないで、何を言
っているのだと思うのですが、一応先方の言い分も聞いてみましょう。

 「朝鮮民主主義人民共和国に対する理不尽な主権侵害以外何ものでもない。
朝鮮総連の活動の拠点を物理的に撤去するような動きはこれまでの日本の政
権にはなかったことだ」

 「日本が悪意をもって卑劣な行動を取れば、朝鮮民主主義人民共和国として
は、日本が今後も6カ国協議に継続して参加する必要があるのかとの重大な疑
問を呈せざるを得ない」



 やっぱり、本部ビルが差し押さえられ使えなくなることが、痛いということでしょう
か。

 しかし、緒方元公安調査庁長官らに騙されたということは、一言も触れていま
せんね。東京地検が詐欺罪というからには、朝鮮総連側が騙されたと思ってい
ないと成立しないと思うのですが‥。

 朝鮮総連は、どのように考えているのでしょうか。

 そこで、朝鮮総連のホームページをチェックしてみました。ちゃんと言い分が出
ています。

 まあ、ここは冷静に彼らの言い分も聞きましょう。

 「東京地裁の判決、不当な捜査

 - 総聯中央 南昇祐副議長の談話 - 

 昨日東京地裁は、整理回収機構(RCC)への債務の返済に関するわれわれ
の主張を認めず仮執行処分まで付けた判決を下した。

 朝鮮総聯は2003年2月、返済の義務を負うべき債務を確認した後、RCCと
の和解協議に真摯な姿勢で臨み問題解決のために最大限の努力を傾けてき
た。

 にもかかわらず、RCCはその過程で積み上げてきた努力と信頼を無視して、
とうてい実行することが不可能な要求を突きつけることによって和解交渉を難航
させた。

 和解を困難な状況に追い込んだRCCの高圧的な姿勢が安倍政権の発足を前
後して強まったことは偶然ではない。

 RCCが本来の責務である債務の回収ではなく、朝鮮総聯中央本部会館その
ものを処分することに目的をおいたことが和解交渉を難航させた原因である。

 朝鮮総聯は朝鮮総聯中央本部会館の売買問題が、代理人が述べたように競
落代金を上回ると確信する金額をRCCに支払うための適法な方法であると認識
しており、販売代金の全額をRCCに返済するわれわれの意思は確固としたもの
である。

 にもかかわらず日本政府首脳と捜査当局はそれがあたかも違法行為であるか
のように決め付け、事件化し破綻させるに至った。

 RCCの債権回収問題が政治問題に変質し、朝鮮総聯中央本部会館を駆逐せ
よと言わんばかりの異様な状況が作られたことは、現政権の朝鮮総聯敵視政策
と在日朝鮮人に対する排外主義に起因する。

 朝鮮総聯が在日同胞の生活と権利を守るとともに朝・日友好親善を促進する
ための活動を幅広くおこなってきたことは周知の事実である。

 また朝・日間に国交が正常化されていない現状下で、ビザの発給と日本の政
党を含む各界人士との交流を進める、朝鮮民主主義人民共和国の海外代表部
的な役割も担ってきた。

 しかし、日本政府は歴史的に認められてきた朝鮮総聯の活動を意図的に否定
し、安倍総理自身が何らの根拠もなく朝鮮総聯を犯罪団体視する発言をくり返す
中で、RCCの債権回収問題が大々的な反朝鮮総聯キャンペーンに利用されて
いる。

 これは朝鮮総聯の正当かつ合法的な活動と在日朝鮮人の尊厳を著しく傷つけ
るものであり、朝鮮総聯のイメージを失墜させる行為で決して容認できない。

 われわれは、朝鮮総聯を犯罪団体視し際限なく反朝鮮総聯、反朝鮮人感情を
煽り、日本社会から排除しようとする理不尽なキャンペーンに断固抗議する。

 われわれは日本当局が朝鮮総聯に対する不当な政治的弾圧と、合法的な売
買問題を犯罪視する行為を即時中止することを強く要求する。

 RCCは政治的偏見をもつことなく公正な立場で問題の処理にあたるべきであ
る。

 朝鮮総聯はこれからも債務の弁済に誠意をもって対処する所存である。

 広範な日本国民のみなさんが在日同胞の生活を守り権利を擁護する朝鮮総
聯の活動に変わらぬ理解と支援、協力をよせてくれることを望む。


2007年 6月 19 日  」

 さらに、もう一つあります。

 「- 在日本朝鮮人総聯合会 中央常任委員会 声明 - 

 27日の報道によると、整理回収機構(以下RCC)は26日、東京地裁に朝鮮総
連中央本部の土地、建物(以下朝鮮総連中央会館)に対する強制競売の申し立
てをした。

 同日RCCの志田康雄社長代行が、個別案件について極めて異例の会見を開
き、「朝鮮総連中央本部を競売にかける強制執行が認められるよう最善を尽く
す」、「その他の回収努力も必要」と述べ、他の総連施設の競売申し立てや預金
の差し押さえまでも進める意向を示したことを、我々は怒りをもって断固糾弾す
る。

 われわれの債務返済のための誠意ある提案を無視し続け、朝鮮総連中央本
部を具体的に名指ししてまでも競売手続きを強行したことは、債権回収が目的で
あるRCCの使命を逸脱し、朝鮮総連中央会館そのものを強奪することに真の目
的があったということを自ら露呈したものである。

 当初から日本当局は、民族金融機関に対して前例の無い露骨な差別的措置
を取り続けてきた。

 (途中略)

  このうち朝銀の破綻が集中している1999年から2001年までは、1兆303
5億円の不良債権を549億円で買い取っており、その率は4.2%であるので、
朝鮮総連中央本部に対する債権額は、その程度で買い取ったと言われている。

 われわれは、RCCと相当期間にわたる交渉を続けてきたが、2003年2月に
返済の義務を負うべき自らの債務を確認したあと、数回の和解案を提案した。

 朝鮮総連が今年2月に提案した最終和解案は、毎年5億円ずつ8年間と、そ
れに加えて別途4年のあいだに30億円、合計70億円を支払い、その後、残債
額についても真摯に協議するというものである。これは、債権額の11%強を支
払うという今までの不良債権処理の前例からしても誠意があり、RCCの利益にも
沿った十分な返済計画である。

 しかしRCCは、我々の誠意ある和解案に一切耳をかたむけず、3年間毎年5
億円ずつ、4年目には残債額の年5%の利子を含めた残債全額を一括して払え
という、誠意をもって努力しても支払うことのできない、理不尽な案を押し付けて
きた。

 RCCはわれわれの誠意ある合理的な提案を無視し、このような強圧的な態度
を取ることによって和解交渉を一方的に破綻させたのである。

 これはRCCが、当初から和解など眼中になく、債権回収よりも朝鮮総連中央会
館の強奪が唯一の目的ということを如実に示している。

 RCCは自ら「人間の尊厳の確保」、「企業再生の追及」などという事業理念を掲
げているが、朝鮮総連に対してはこの理念に反し、尊厳ある総連の活動を妨害
する、決して許すことの出来ない悪意に満ちた暴挙を行なった。

 また今回のRCCによる朝鮮総連中央会館に対する競売申し立ては、会館の登
記上の所有者が合資会社「朝鮮中央会館管理会」であるにも関わらず、債務名
義上の債務者(朝鮮総連)と異なる第三者名義の不動産(管理会)について競売
開始を求めるもので、民事執行法及び民事執行規則上許されない不当な措置
である。

 (以下省略)


2007年 6月 28 日  」



 これを読むと、朝鮮総連側は、本部ビルの売却代金をRCCへの返済に充てる
と約束したのに、それを拒否し、立ち退きを要求するのは、政治的な意図がある
からだ、との主張のようですね。

 非常に分かりやすい。 でも、朝鮮総連が627億円の債務をちゃんと返せば、し
かも4年かけて払えば、差し押さえをすることもなかった訳ですから、政治的意図
云々という理屈は通らないと思います。

 もっとも、朝鮮総連側がいうように、今回の事件の背景には、朝鮮総連を本部
ビルから追い出し、弱体化させる政治的な意図があったことも否定できません。

 しかし、仮にそのようなことがあったとしても、それは、拉致問題を真摯に反省
せず、拉致された人々を帰さない北朝鮮側にそもそもの責任があるのですか
ら、朝鮮総連側の言い分に、日本国民が理解を示すことはありません。

 ところで、朝鮮総連側は、ここでも緒方元長官らから騙されたとは一切言って
いません。興味深いのは、当初緒方長官が記者会見で述べた内容と、朝鮮総連
側の主張が同じよう内容となっていることです。例えば、朝鮮総連が大使館的な
役割を果たしてきたことなどです。

 ですから、朝鮮総連側が、緒方元長官らから詐欺にあったという話は、どうも
納得が行きません。どちらかといえば、安倍政権をことさら敵視する北朝鮮側に
緒方元長官が擦り寄ったことを苦々しく思った人が、緒方をどうにかしろと命じた
ということではないのでしょうか。

 
 在日の人々に、一日も早く本当の解決に向かって歩みだして欲しいと思いま
す。
 
 今の、北朝鮮の体制のままで、本当に幸せになることができるのでしょうか。
  勇気を持って行動して欲しいと思います。

 もし、拉致された人々を返すのであれば、仮に627億円の返済ができなくても、
日本側は、直ぐにでも立派なビルを朝鮮総連側に提供することでしょう。


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