経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2007年09月

 ミャンマーのデモ弾圧が国際的な非難を浴びていますね。いち早く、米国や英
国は非難声明を出し、米国はミャンマーの資産を凍結してしまいました。

 それに対し、「汗顔の至り」総理は、経済制裁が適当なのかどうか、諸外国の
動きも見ながら判断しないといけないと言っています。

 このような台詞、少し前の日本を思い出させますね。何にも自分の判断で決め
ることができない日本。折角、決定しても最後に態度を決めるので、評価されな
いどころか、日本が足を引っ張っていたようにみられる始末。

 

 それはそうと、福田総理の事務所費問題が発覚しましたが、「汗顔の至り」と発
言したとか。私、その報道を聞いて、総理が恥ずかしそうにそう発言したものと想
像していたのですが、後で映像をみると、平気な顔で「汗顔の至り」と言っている
のですよね。「どう、難しい言葉を知っているでしょう」とでも言いたそうな感じで
す。


 ところで、ミャンマーの件ですが、本日の朝のテレビでですが、報道2001では、
2001年度から2005年度までの5年間で、日本はミャンマーに6000億円のODAを
供与したと紹介していました。

 ミャンマーには、人道支援しか行っていないと思っていたので、5年間で6000億
円というのはどうみてもおかしいと感じたのですが、町村官房長官も、それは、戦
後のODAの累計ではないのか、5年間で6000億円は多すぎるというような趣旨
の発言をしていました。

 それに対し、その数字を紹介した女性はモゴモゴ。他の出演者も何も発言せず
という状態でした。

 結局、この人たち、数字に対する感覚がまるでないのですよね。

 日本のODAが1年間で約1兆円とすれば、5年間で6000億円というのは、1年間
で1200億円ということですから、ミャンマーだけで1割以上のシェアを占めている
計算になるからです。それに、人道支援だけで、それほどの額になるはずありま
せん。

 で、次はサンデーモーニングにチャンネルを替えると、こちらでは、1年間で35
億円の協力をしたと紹介していました。

 まあ、これなら納得がいく数字です。

 

 でも、報道2001はどうしてミスを犯したのかと思いつつ、外務省のホームページ
をチェックしてみたら、ミャンマーへのODAが記載されていました。どうもその表
がミスリーディングだったのですね。

 というのは、次のような表だったからです。
                                   (年度、単位:億円)
 年度    円借款      無償資金協力    技術協力
 2001年     −          59.93       40.80
 2002年     −          21.62       36.39
 2003年     −           9.92       22.96
 2004年     −           9.09       20.41
 2005年     −          17.17       16.41
 累計    4,029.72       1,772.55      326.29



 どうしてだか分かったでしょ。

 この表をみていると、2001年度から2005年度までの累計が掲載されているよう
な雰囲気がしますよね。でも、各年度の計数を合計しても累計の数字にはなりま
せん。累計というのは、過去からの全ての合計だったのです。



 それはそうと、この表から分かるとおり、2001年度は、100億円程度の協力をし
ていたのが、最近では1年間で30億円程度になっているのが分かります。

 ということで、日本は、やっぱりミャンマーに対するODAを相当に絞っているの
だなと思ったのですが‥

 外務省のホームページでは、諸外国の対ミャンマーの経済協力実績も掲載さ
れていました。

 な、な、なんと‥

 日本は、2000年から2004年までの5年間、ダントツの1位なのです。2位、3位に
は米国や英国或いはノルウェーなどが並んでいます。やっぱり、日本はミャンマ
ーに対して大変甘い国だったのです。



 ただ、人道支援だったら、それはそれで理屈がつくかもしれないと思い、具体
的な中身をみると、病院の医療機材整備などの事業もあるのですが、電化計画
や発電所の補修事業、乾燥地帯の植林計画もあります。

 それから、技術協力の内訳ですが、研修員の受け入れや専門家の派遣、留学
生の受入れが大半を占めていると思われます。このようなものも人道的とか緊
急性があるというのでしょうか。

 因みに、わが国のミャンマーに対するODAの基本方針は、(1)緊急性が高く、
真に人道的な案件、(2)民主化・経済構造改革に資する人材育成のための案
件、(3)CLMV諸国もしくは、ASEAN全体を対象とした案件については、ミャンマ
ーの政治情勢を注意深く見守りつつ、案件内容を慎重に吟味した上で順次実施
することにしている、とされています。


 外務省は、ミャンマーが着実に民主化を進めていくことが重要だと考えるから、
ミャンマーに対するODAを実施してきているとの考えですが、真に民主化を進め
させたいと考えるのであれば、民主化が実現したら1000億円を供与するというよ
うな提案をした方がよほど効果的だと思います。

 同じことは、北朝鮮にも言えますね。

 拉致問題を真に解決し、民主国家に移行したら、日本は、即座に大規模な経
済協力を開始すると宣言したら如何でしょう。



 デモ隊に向かって発砲するような軍事政権との付き合いは考え直すべきだとお
考えの方は、クリックをお願いします。

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 あの偉い人の娘さんのゴージャスな宝石や、凍結されたアメリカの銀行にある
お金の出所も、日本のODAである可能性がありますよね。

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ブッシュ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブッシュ大統領が、28日、地球温暖化対策を発表しました。
 といっても、ヨーロッパ勢は冷たい反応です。米国内でもそれほど大きく報じら
れていませんし、わが国でも扱いは小さいです。でも、京都議定書からの離脱を
宣言してきたアメリカが、態度を変えたとも言えるので、ここはじっくりと発言内容
をチェックする価値がありそうです。

 まず、日経新聞がどのように報じているかをチェックしましょう。

 「米、国連の枠に復帰」という見出しになっています。しかし、「削減義務化、な
お慎重」とも。

 また、メインの解説として、温暖化ガスの排出を削減する技術革新を後押しす
るために国際的な基金の創設も提案したとあります。

 以上から、ブッシュ大統領がどのようなことを言ったのか、大体想像がつきそう
ですね。ただ、基金の創設を提案したとあるのは、少しだけサプライズです。

 

 では、ブッシュ大統領がどんなことを言ったか、具体的な発言内容をみてみま
しょう。

<大統領>
 Good Morning. Thank you, Welcome to the State Department.

I'm honored to address this historic meeting on energy security

and climate change.

 おはようということは、午前中の会議ですか。でもって、国務省へようこそ。エネ
ルギーの安全保障と気候変動に関するこの歴史的な会合に出席でき嬉しい‥
ですか。ブッシュ大統領は、決して「地球温暖化対策」というような言い方はせ
ず、「エネルギーの安全保障と気候変動」という言い方をするのですよね。気候
変動という言い方をされると、どうしても一般の人にはぴんとこないのですが、そ
れも計算してのことでしょうか。

 ところで、歴史的会合と言っていますが、自分で召集した会議ですから、自画
自賛ですよね。

<大統領>
 The nations in this room have special responsibilities.

 この会議に集まっている国々は、特別な責任はある‥、というよりも、最大の
石油消費国でありながら、京都議定書をバカにしてきたアメリカにこそ、責任が
ある気がするのですが。

<大統領>
 Our guiding principle is clear. We must lead the world to

produce fewer greenhouse emissions, and we must do it

a way that does not undermine economic growth or

prevent nations from delivering greater prosperity  for

their people.


  温室効果ガスの排出量を少なくしないといけない‥、そのとおり。そして、経済
成長を阻害しないやりかたで、それを成し遂げなければいけない‥、これはいつ
も言っていることと同じですね。まあ、別に、その点に反対する必要もないのでし
ょうが、温暖化の影響が深刻になったら、そんなことも言っておれなくなりますよ
ね。今は、まだ被害が少ないから、そんな悠長なことが言えるだけかもしれませ
ん。いずれにしても、「経済成長を阻害しない ような」ということは、今や不必要な
フレーズでしょう。

<大統領>
 Every day energy brings countless benifits to our people.

 それは、そうですね。エネルギーは、なくてはならないものです。

<大統領>
 In this new century, the need for energy will only grow.

  Overall, the demand for energy is expected to rise more

than 50 percent by 2030.


  温室効果ガスの排出量をを70%も削減しないと、温暖化現象が止まらないと言
われているのに、後20年でエネルギーの需要が5割も増加するのですか。これは
大変なことです。

<大統領>
 Right now much of the world's energy comes from oil,

and much of the oil comes from unstable regions and rogue

states.

  これもお決まりの台詞ですね。原油の多くは、中東の不安定な地域、ならず者
国家から来ていると。


<大統領>
 Another challenge is climate change. Our understanding

of climate has come a long way. A report issued earlier

climate has come a long way. A report issued earlier this

year by the U.N. intergovernmental Panel on Climate

Change concluded both that globaltempertures are rising

and that this is caused largely by human activities.

 

 そうそう、エネルギーの確保も重要な問題ですが、気候変動(地球発熱化)を
防ぐことが大切ですね。

 気候変動について理解するには時間がかかった‥、というより、アメリカだけが
理解できない振りをしていた気がします。

 でも、そのアメリカもIPCCの4次報告を肯定しているのですね。地球の気温が
上昇しつつあり、その主な原因は人間の活動によるものだと。

 そこまで分かっているのに‥、という気がする一方で、これまでの態度を変えた
ことに対する説明がまったくありません。どれだけ、他の国に迷惑をかけたと思
っているのでしょうか。



<大統領>
 These challenges share a common solution: technology.

By developing new low-emission technologies, we can

meet the growing demand for energy and at the same time

reduce air pollution and greenhouse gass emissions.


  確かに、技術革新が起き、石油や石炭にそれほど頼る必要がなくなれば、理想
的なことです。経済成長も犠牲にせずに済みます。でも、新たな技術とは、どの
ようなことを考えているのでしょう。

<大統領>
  The key to this effort will be the advance of clean energy

technology.

  One promising solution is advanced clean coal technology.

The future of this technologywill allow us to trap and store

carbon emissions and air pollutants produced by burning

coal.

  We also need to take advantage of safe nuclear power.

  主要なアイデアは、二つのようです。一つは、石炭火力発電で排出される二酸
化炭素を地中や海中に封じ込める技術です。でも、これは、アイデアとしては面
白いのですが、そのためにまたエネルギーを消費することになるのですよね。そ
れに海中に貯留させようとすると、海水の酸性度が増して、生態系を壊してしまう
弊害もあります。

 で、二つ目が原子力発電ですね。そういえば2−3日前に、アメリカで原子力発
電所の建設が再開されるようなことが報じられていました。

 後は、風力発電と太陽光発電、それにハイブリッド車と水素自動車ですか。

<大統領>
 We must also work to make these technologies more

widely available, especially in the developing world. So

today I propose that we join together to create a new

international clean technology fund. This fund will be

supported by contributions from around the world, and

it will help finance clean energy projects in the developing

world.


  新国際クリーン技術基金ですか。世界中から資金を募り、開発途上国のクリー
ンエネルギープロジェクトに資金提供するのですね。

 でも、どうしてそのようなアイデアが跳びだしたのでしょう。これは、結局、途上
国側に、二酸化炭素の排出量のキャップを課すための交換条件ではないのでし
ょうか。

 アメリカが国際的な枠組みに参加する前提条件は、中国、インド、ブラジルなど
の途上国にも限度枠を課すことです。しかし、そのためには、彼らがそれを飲ま
なければいけないのですが、そのためにクリーンエネルギープロジェクト資金と
いう名目でお金を与えようということでしょう。

 で、2−3ヶ月のうちにポールソン財務長官が各国を訪れるのですか。財務長
官が動くところが面白いですね。



 以上が、ブッシュ大統領の演説の主要な部分です。



 私が言っている石油・石炭産出権取引のスキームの方が、確実で効果的な気
がしますが、ブッシュ大統領のこの基金構想で巧くいくのであれば、それはそれ
で結構だと思うのですが‥

 

 いずれにしても、アメリカ国民がもっとしっかりしないといけませんね。

 ブッシュ大統領が考えていることが分かったよ、という方はクリックをお願いしま
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ミャンマー ミャンマーと呼ぶべきか、それと
もビルマと呼ぶべきか。

 お年寄りならばミャンマーと聞い
てもぴんと来ないかも知れません。

 ビルマなら分かる。ビルマの竪琴
というのがありましたし、戦時中、
日本は、ビルマにまで侵攻しました
から。

 でも、どうして、或いはいつからそのビルマがミャンマーと言われるようになった
かと問われて直ぐ返事ができる人は、意外に少ないかもしれません。

 ただ、アウン・サン・スーチーと聞くと、「そうか、そうか、そうだった」と思い出す
人も多いと思います。あの長いこと軟禁状態に置かれている女性です。そうで
す。ミャンマーの軍事政権は、総選挙の結果を無視し、軍事政権を敷いているの
です。そして、国名も、ビルマからミャンマーに変えたのです。1988年の出来事で
す。

 わが国は、いち早く、ミャンマーという呼び方に改めましたが、今でも英国など
はビルマと呼んでいるようです。細かくいうと、バーマなんですが(そのように聞き
えます)。

 ところで、この度の軍事政権によるデモ鎮圧で多くの人が亡くなられています。
その方々のご冥福をお祈りします。

 普段は、北朝鮮のことに憤りを感じる私ですが、選挙をやって負けたからとい
って民意を無視する軍事政権の正当性を認めるわけにはいきません。

 ずるいです。しかも、国民が怒っているのは、ガソリンや灯油の値段を何倍も
上げたことに対してだけではなく、指導者の娘さんが沢山の宝石を身にまとい結
婚式を挙げている姿をみたからだとされています。

 自分たちは、こんなに苦しんでいるのに、偉い軍人さんとその家族だけは、い
い目が見れるのかと。

 そう、ミャンマーは、本当に貧乏な国なのです。天然ガスが取れるので、中国も
大切にしているようなのですが、人口5700万人ということで、わが国の約半分。し
かし、GDPは、約100分の1です。つまり、一人当たりGDPは、日本の50分の1とい
うことになります。数字だけでは判断できない面もありますが、それでも50分の1
ですから。



 ミャンマーのデモ弾圧の姿勢に対して、アメリカを始め欧米の社会はミャンマー
批判を繰り広げています。ミャンマーをかばう中国やロシアに対する批判まで起
きています。

 日本も、ミャンマーを批判しています。

 でも、ミャンマーの歴史を振り返ると、そもそもイギリスの植民地だった経緯が
あるのです。そこに日本がちょっかいを出しますが、結局、またイギリス側につ
き、そして独立を果たすのです。



 国民的なヒロインであるアウン・サン・スーチーさんが、イギリスに留学して家庭
を持ったというのも皮肉な気がします。

 ミャンマーは、そうした運命にある国なのでしょうか。



 ミャンマーの在京の大使館のホームページを訪ねました。

 すぐさま、日本語の声が聞こえてきました。


 黄金の国ミャンマーは、天国のような


国だ
、と。



 次のようにも書いてあります。


People's desire

We favour stability

We favour peace

We oppose unrest and

violence


 ミャンマーが1日も早く民主国家に移行することを強く希望します。

 ついでに、中国も早く民主国家と言われるようになって欲しいものです。

 当然のことながら、北朝鮮も民主国家に移行すべきです。



 国際社会は、ミャンマーに対しもっと毅然とした態度で接しないといけないなと
思う方は、クリックをお願いします。

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 今回デモが起きた理由にひとつに、ガソリンや灯油の値段を何倍にも上げたこ
とが挙げられていますが、そうしたことは過去にもあったといいます。

 今まで軍事政権が擁護していた仏教社会が軍事政権から離れようとしているこ
とが大きな理由ではないでしょうか。
 

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 本日は、日経平均もガーンと上げているようですね。つい先日までは、イギリス
で取り付けの行列ができるやらして、世界中がはらはらしていたのですが、米国
が政策金利を0.5%引き下げて以来ムードは大きく変わってきているようです。

 でも、今年に入ってからは特に、株は上げたり下げたりの繰り返しで、このまま
一本調子で上げ続けるということもないでしょう。

 その理由の一つは、例えば、サブプライムローンの焦げ付き問題にしても、投
資家の多くがその問題の本質を十分に理解しているとは思えないからです。です
から、どうしてもムードに流されてしまうことになるのです。

 

 では、ここで90年代における日本のバブル崩壊と、今回の米国の住宅バブル
の崩壊を比べてみましょう。問題形式で行きます。

<問1>今回の米国の住宅バブルの崩壊は、その規模及び影響において、日本
のバブル崩壊を大きく上回っている。

 さあ、この問いに対し、どのように答えるでしょうか。
 どっちの方が、影響は大きかったと思いますか。そうですね、当然、日本の方
が、被害は大きかったですね。だけど、それはどういうことから言えるのでしょう
か。

 それは、ズバリ不動産価格の下落幅です。日本では、半値八掛け二割引きな
どと言われました。要するに、土地の価格がピーク時の3割程度にまで落ち込む
様子を表したものです。一方、米国において、今回土地の価格や住宅価格の低
下が始まっているようですが、まだまだその下げ幅は限られています。

 従って、バブル崩壊といっても、今回の米国における住宅市場の減速は、それ
ほど深刻なものではないと考えることもできます。

 アメリカの住宅ローンは、プライムローン、オルトA、サブプライムの3つに(信用
度の高い順に)分けられることが多いようですが、サブプライムの延滞率が15%
程度に至っている一方で、オルトAは、3%程度、プライムは、1%以下にとどまっ
ているとのことです。サブプライムの全体に占めるシェアは、15%程度だとされて
いるので、全体としてみれば、延滞率は比較的低水準にとどまっているということ
ができるのです。

 もともとサブプライムは、延滞実績があるような信用度の低い人々を対象とし
た住宅ローンであるので、住宅価格が低下するかしないかにかかわらず、延滞
が起きる可能性は高いのです。ただ、住宅価格が上昇を続けている間は、住宅
を競売に付することによって借金を返済することが可能であったのが、住宅価格
が低下しだすと、借金を全額返済することが不可能になるだけのことなのです。


<問2>どうして住宅ローン業者は、きわめて信用度の低い人々に対し融資を行
うことにしたのでしょうか。

 わが国と違い、どうして米国では、信用力が低い人々でも、住宅ローンを借りる
ことができたのでしょうか。

 さあ、どうでしょう。わが国では、住宅ローンを借りるのには、大変な手間がか
かりますよね。所得証明をしたり、頭金を用意したりと‥。借金の返済が滞った
ことがあるなんて分かってしまうと、とても融資は受けられないでしょう。

 どうしてアメリカでは、所得水準が低く、かつ信用度が極めて低い人々でも住宅
ローンを借りることができたのでしょうか。

 住宅ローン業者が慈悲深いのでしょうか。
 米国の、ポールソン財務長官などは、サブプライムローンが、米国民の住宅保
有率を高めたという事実については見逃してはいけないと、一定の評価もしてい
ます。確かに、サブプライムローンなどがスタートしたおかげで、米国の住宅保有
率は7割近くまで上昇したと言います。

 でも、アメリカという国は、貧乏な人にそんなに優しい国ではないですよね。
 わが国であれば、住宅金融公庫などというのがありました。収入が少ない人
は、低い金利でお金を借りることができました。市中銀行から融資を受ける場合
でも、信用度によって金利が異なるということはありません。

 しかし、アメリカでは、信用度に応じて金利水準に差がつきます。当然、サブプ
ライムローンの金利は高いわけです。そもそも収入が少ない人が、そんなに高い
金利に耐えられるはずがないのにもかかわらずです。

 また、公的保証を受けて住宅ローンを借りる場合には、保証料を支払わなけ
ればいけませんが、信用力が低いと高い保証料を支払わなければならないとさ
れているようです(少なくても、そのように法改正がなされようとしているようで
す)。

 そういうことで、アメリカの住宅ローン業者が所得の少ない人に住宅ローンを提
供するのは何も慈善からではないのです。あくまでビジネスです。

 でも、ビジネスであっても、焦げ付きそうな人々にお金を貸して大丈夫なのでし
ょうか。

 ここのところに問題の本質が隠れていそうです。

 要するに、このような住宅ローン業者は、ローン債権をすぐさま第三者に転売
してしまうので、基本的にリスクを転嫁出来ると考えたのです。焦げ付きが起きて
も全然損失を蒙らなくてもいいと。

 しかし、それでは、そうした住宅ローン債権を購入した第三者や、さらに住宅ロ
ーン債権をベースに作成されたABSやCDOを購入した投資家などは、デフォルト
のリスクをどのように考えたのでしょうか。

 今回、サブプライムローン関連の金融資産に投資したことによって、世界中の
ファンドや金融機関までが、損失を蒙ったとされていますが、なぜ投資したのでし
ょうか。

 実は、ここに格付け機関が一枚かんでいました。

 格付け機関は、サブプライムローン関連のCDOなどに対しても比較的に高い
格付けをしていたとされます。利回りは高くても、格付けは高いわけですから、1
円でも運用益を増やそうとする投資家であれば、そうした商品に跳びつきたくな
りますよね。

 でも、普通は、ハイリスクハイリターンといいます。サブプライム関連の金融商
品なのだから、リターンも高いけど、リスクも大きくないと、要するに格付けが低く
ないと話が合いません。しかし、格付け機関は、そうした金融商品の評価をする
に際し、必要となるデータが不足していた可能性があるのです。つまり、そうした
新型の金融商品の真の評価ができなかったのです。

 何故か。
 手に入る情報は、土地価格が上昇している最近のものしかなく、土地価格が低
下するような局面でのデータが欠けていたのです。ということで、不動産が担保と
なっているという側面のみが強調され、高い格付けになったものと思われるので
す。

 サブプライムローン業者も、結局、借り手の顔を見て融資していたわけではな
く、住宅が担保になるからと、そのことしか頭になかったのでしょう。

 

 以上、サブプライムローンの特徴点を考えてみました。


 サブプライムローンが、分かってきたぞと思う方は、クリックをお願いします。

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 おまけ

 サブプライムローンの多くは、2/28 と呼ばれる調整金利型でした。
 どんなものか分かりますか?

 2月28日ではありません。2は、最初の2年間、28は、後の28年間ということで、
最初の2年間は、極めて低い金利を支払えばいいのですが、その後の28年間
は、金利が高くなるタイプのローンなのです。

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 米国が金利引き下げを行ってから1週間以上が経ちました。

 金利引き下げ直後に株価が急上昇したことから、私は、アメリカ人はかくも単
純なものかと感想を述べましたが、ジャーナリズムはそれほど単純でもなかった
ことが明らかになろうとしています。というのも、0.5%ポイントの政策金利の引き
下げに関し、各誌が冷静な分析を行っているからです。

・9月19日付けウォールストリートジャーナル
「FOMCの声明は最近の信用収縮の混乱から米経済を防衛するため敢えてイン
フレ高進のリスクを冒す側に傾斜していることを示した」「FRBにとって批判覚悟
で金融引き締めに踏み切ることは困難であり、これこそが中央銀行としての気概
を示す本当のテストだ」

・9月19日付けUSA TODAY
「利下げは住宅不振や信用収縮に悩む経済に好影響を与え個人や企業の借り
入れコストを軽減するだろう。しかし、これは一時しのぎに過ぎず、FRBはインフ
レ抑制に集中するために近い将来利上げを再開せざるを得なくなるかもしれな
い」

・9月22日付け フィナンシャルタイムズ
「利下げが外国投資家に米ドルへの信頼性を失わせるなら、景気後退の可能性
は強まる。ドル安は徐々に進むならば歓迎すべきだが、外国人投資家がインフ
レを予測し、巨額の対米債権を投売りするなら大混乱に陥る。最悪の場合FRB
は金融政策のコントロールを失い景気後退に陥るだろう」



 どうでしょうか。このような記事を読み、みなさんは、どのようにお感じになるで
しょうか。

 中には、株価が回復しているのだから、難しいことを言わなくてもいいじゃない
か、とお思いの方もいらっしゃると思います。

 でも、金利を引き下げたことにより、ドル安が起きていることも事実なのです。

 米ドルとカナダドルの交換レートは、どのような関係になっているかご存知でし
ょうか。

 実は、31年ぶりのカナダドル高という現象が起き、1カナダドル=1米ドルという
関係になっているのです。要するに、米ドルがカナダドルに対し低下したというこ
とです。これはアメリカ人がカナダに旅をするのによりお金がかかることを意味し
ます。

 ドルが安くなるのは、アメリカの製造業にとってプラスになることだから、いいこ
とではないかとお思いの方もいらっしゃると思います。

 確かに、そうしたプラスの効果があるのは事実です。しかし、あまりにも急ピッ
チでドル安が起きている可能性があるのです。要するに海外の投資家が、米国
から資金を移そうとしているのではないかと見られているのです。

 皆さん、米国は9月18日に、政策金利(FFレート)を5.25%から4.75%へ引き下
げたのをご存知ですよね。

 これを受け、CNNの女性キャスターも、住宅ローンや消費者ローンの金利など
も引き下げになるので、経済活動が刺激される、ともっともらしく解説していまし
た。

 しかし、現実に起こっていることは、そうではありません。

 米国の10年もの国債の流通利回りの推移をお示しします。

9月4日   4.56%
9月5日   4.48%
9月6日   4.51%
9月7日   4.38%
9月10日   4.34%
9月11日   4.37%
9月12日   4.41%
9月13日   4.49%
9月14日   4.47%
9月17日       4.48%
9月18日       4.50%
9月19日   4.53%
9月20日       4.69%
9月21日       4.64%
9月24日       4.63%
9月25日       4.63%


 ごらんのように、10年もの国債の利回りは、政策金利引き下げ後の9月18日以
降、むしろ上昇しているのです。

 政策金利を引き下げ、景気を刺激するはずの方策が、却って長期金利を引き
上げてしまっているのです。何故そうなったかといえば、海外の投資家のなか
に、米国から資金を引き上げようとしている者があるからです。

 ということで、FRBの金利引き下げはマーケットから喝采を浴びたのですが、現
実には、金利引き下げの効果が表れていると考えるのは適当ではなく、むしろ、
ドル安と長期金利の引き上げをもたらしていると考えた方がよさそうです。

 そして、ドル安が長く続くと、金融の緩和と相まって、益々インフレ圧力が強まる
ことが懸念されるわけですが、そうなるといつの時点かにおいて、金利を再び引
き上げざるを得ない事態が生じるものと思われますが、現在のようなマーケット
のセンチメントが続くなかで、それが可能なのかという疑問が生じます。


 でも、FRBの最大の任務はインフレを回避することですから、否が応でも引き
締めに転じなくてはならない日が来るでしょう。

 FRBとして今できることはといえば、しばらくはインフレが起きないようにと祈る
ことだけでしょうか。



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 連休の間、田舎に帰っていました。
 皆さんは、どのように連休を過ごされたでしょうか。

 さて、田舎に帰ると、ニホンミツバチを2匹ほど庭でみつけました。いつものよう
に、こっち(人間)には見向きもせず、せっせかと蜜を集めていました。


 その後、近くを散歩をしました。もう、稲穂が垂れています。こんなに暑いのに
稲穂が垂れるなんて、豊作になるかもしれないけど、味はどうなのだろう‥、など
と思いながら。

 ところで、私の家の近くに空き地があり、そこに小ぶりのヒマワリがいっぱい咲
いていました。コスモスも咲いています。そして、そのヒマワリの花に沢山のミツ
バチが集まっていました。数えてみたのですが、30匹以上はいたような気がしま
す。もちろん、ハチがとまっていない花の方が多く、とまっていても一つの花に1
匹か2匹なのですが、こんなに沢山のミツバチを見つけたのはCCD騒動が始ま
って以来です。

 ミツバチたちは相変わらず、こっちには無関心で、せっせかと蜜を集めている
だけです。

 全然、愛想がないので、ゆっくりと手をミツバチの羽に近づけてみましたが、軽
く触れると、ぶーんと飛んで行ってしまいます。

 まあ、いずれにしても、多くのミツバチを見ることができ、少しほっとする思いが
しました。

 ただ、念のために言っておきますと、30匹以上ミツバチがいたといっても、群れ
となって空中を飛んでいたわけではないので、そばを通っても気がつかない人も
いたかと思います。

 
 さて、そんなことでミツバチのことがまた気になるのですが、アメリカでのミツバ
チの集団失踪は、その後どうなったのでしょう。



 そう思いつつチェックしてみると、何と集団失踪、つまりCCDの原因が突き止め
られたというニュースがありました。

 何が主犯であったか。

 実は、オーストラリアからのミツバチの輸入に原因があったと。オーストラリア
のミツバチは、イスラエル急性麻痺ウイルス(Israeli acute paralysis virus)が付着し
ており、それによって集団失踪が引き起こされたと書かれています。

 何でもオーストラリアからのミツバチの輸入が2004年から再開されたらしいの
ですが、それと時期を同じくしてCCDが発生しているといいます。

 そして、CCDが起きた現場では、イスラエル急性麻痺ウイルスが発見されてい
るとされます。

 米国農務省、ペンシルベニア州立大学及びコロンビア大学の科学者のチーム
が、この事実を発見したとされています。そして、こうした結果を踏まえ、米国の
議員の中には、そうでないはっきりするまでオーストラリアからのミツバチの輸入
を一時的に停止すべきだ主張する者さえ出ているようです。



 では、オーストラリア側は、どのように受け止めているのでしょうか。

 オーストラリア側は、この調査結果はおかしいのではないかとしています。とい
うのは、オーストラリアでは、ミツバチの集団失踪が起きていないからだと。

 確かに、オーストラリアで集団失踪が起きていないのに、オーストラリアのミツ
バチが、集団失踪の原因となるイスラエル急性麻痺ウイルスを保有しているとい
うのも変に聞こえますね。

 しかし、その点について、米国側は、アメリカには、オーストラリアにはいないダ
ニが生息しており、イスラエル急性麻痺ウイルスとそのダニが一緒になることに
よって集団失踪が起きると考えているようなのです。

 私には、その辺の詳しいことが分かりませんが、ミツバチの集団失踪について
の原因が少しずつ解けていくことを期待したいと思います。


 なお、ミツバチのなかにはこのイスラエル急性麻痺ウイルスに耐性を示すもの
もあるとされます。

 このため、アメリカ農務省の研究者の一人は、遺伝子操作や交配によって耐
性を獲得させることで事態の改善につながるだろうというコメントをしています。


 アメリカは、どこまで自然をコントロールしようとするのでしょうか。愕然とする思
いですね。






 ミツバチは、本当にどうして集団失踪してしまったか心配になる人は、クリック
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 昨日コメントしましたようにFRBの0.5%ポイントの金利引き下げは、マーケット
からは大歓迎されているようです。しかも、サプライズをもって。

 市場では、利下げがあっても0.25%ポイントではないかと見る向きが多かった
ため、サプライズを与えたのでしょう。「へー、そんなにも下げるのか」と。

 では、どうしてそんな引き下げ幅にしたかといえば、やっぱり直前の英国での
取り付け騒ぎが影響していると思います。

 BBCは、連日、預金解約のために列を作っている人々を映していました。


 こうなると変な話ですが、株をやっている人からみれば、ノーザンロックは救い
の神みたいに見えるのではないでしょうか。

 でも、その一方で、英国においては、Bank of England のキング総裁の対応に批
判が出ているようです。

 というのも、Bank of England は、8月の上旬辺りからサブプライムローンに関連
して信用収縮が起こるなかで、FRBやECBとは異なり、市場への資金供給を拒
否してきたからです。

 リスク判断が誤り経営内容がおかしくなったような銀行を救うのは、Bank of
England の仕事ではないと。



 しかし、先週、ノーザンロックがBank of England に緊急融資を申し込んで以来、
預金者の不安を鎮めることが困難になってしまいました。

 何か手立てを打たないと、預金流出の流れが英国中に広がりかねない、と判
断したのでしょう。

 

 でも、ここで我々日本人は考えてしまいます。
 日本は、ペイオフ制度をスタートさせるのに大変長い時間をとってしまいまし
た。しかし、英国などは、自立精神があるから、預金保険制度が理屈どおりに機
能するのではないかと。


 でも、そうでもないことが今回分かったのです。



 ここで、英国の預金保険制度について少し考えてみたいと思います。

 まず、新聞をみていると次のような記事に出会いました。

 「現在の英国の預金保険制度では保証対象の預金は35000ポンド(約8百万円
まで」

 「英国の預金保証制度の保証上限額は31700ポンド(約730万円)だが」

 同じ日経新聞の記事なのに、おかしなものだな‥と思ってしまいました。

 みなさんも、そう思うでしょう。

 どっちかが間違っているのでしょうか。それにしても、31700ポンドというのも随
分中途半端な数字です。

 で、調べてみると、次のようなことが分かりました。

 英国の預金保険制度は、正確には、Financial Services Compensation Scheme と
言うらしいのですが、2000ポンドまでの預金については、100%保証され、それを
上回る33000ポンド分の預金については、90%が保証され、結局、保証の上限
(返ってくる預金)は、31700ドルとなるのです。

 2000×100% + 33000×90% =2000 +29700 =31700

 ということで、日本みたいに全額保証されるのは2000ポンド(約46万円)だけ
で、それを超えると1割分は戻ってこないシステムになっているのです。もちろん、
35000ポンド(約800万円)を超えると、全く保証の対象になりません。


 これが、今回のながーい行列の原因になっていたのです。

 Bank of England は、当初、預金者の保護は、預金保険制度で対応可能と考え
たのではないでしょうか。

 しかし、小額の預金者であっても、1割もカットされる恐れがあるというのでは、
堪ったものではありません。だから行列を作ったのです。でも、彼らは大変冷静
に列を作っていただけです。大声を上げたり騒ぎ出す者はいませんでした。

 だから、預金者が責められる筋合いはありません。

 でも、数日間に約5000億円規模の預金流出があったと言われています。いくら
ノーザンロックの財務内容が健全であったとしても、これほど急激に資金が流失
してしまうと、預金の引き出しに応じることができず、結局倒産してしまいます。財
務内容が本当に痛んでいたのであれば、それはそれでやむを得ないかもしれま
せんが、そうではないとBank of England は判断したのです。

 このまま事態を放置すると、他行にも飛び火して、英国の金融システムが機能
麻痺に陥るかもしれない。

 ということで、預金保険制度で定めた上限を適用せず、今回は、預金全額を保
護すると預金者に約束したのです。

 預金者にすれば、政府と中央銀行が全額の保護を約束してくれるのであれ
ば、もはや預金を引き出す必要はないのです。



 このようにして、英国での預金解約騒動は一応収まったのですが、そういう判
断ができるのであれば、どうしてもっと早く対応しなかったのだという批判が出て
いるのです。


 でも、私から言わせれば、住宅抵当証券のようなものを市場で発行し、つまり
短期で資金を調達し、それを住宅融資に回す、つまり長期運用をするような、期
間のミスマッチがあったことが、そもそもの問題なのです。

 そんなこと、米国のS&Lの件で、金融のプロであれば学習済みのことです。


 ということであれば、そのようなことが理由で資金繰りがつかなくなった銀行を
救うために資金を投入するのは如何かという考えは理解できるのです。でも、結
局結果的にはノーザンロックに多額の資金を投入することにしましたが、それ
は、金融システムの健全性を維持するためという理屈をつけています。




 ノーザンロックの経営者以外で責められるべきは、そのような銀行経営を見逃
してきた金融監督部門ではないでしょうか。



 皆さんのなかには、預金者が不安にならないように、預金保険の上限を引き上
げたらいいのにという意見の人がいるかもしれません。

 でも、仮にそうした措置をとると、預金者は、銀行がどのような経営をやってい
るかということに無頓着になってしまいます。全額保護されるのですから、心配す
る必要がないのです。そして、また、全額保護されるのであれば、経営内容にか
かわらず、預金金利の高いところにお金を預けようとするでしょう。しかし、本来
高い金利を提示しないと預金が集まらないようなところは、信用度が低いというこ
とを意味します。

 結局、預金保険の上限を引き上げると、経営内容が悪い銀行が淘汰されるこ
とがなく、金融システム全体が脆弱化してしまうという弱点があるのです。



 適当なところで線を引く、そして、適当なところとは、どこだということになりま
す。


 預金保険制度って、難しいなと思った方は、クリックをお願いします。

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 米国が、4年3ヶ月ぶりに政策金利を引き下げました。FFレートが5.25%から
4.75%となったのです。そして、それを好感してNYダウは、300ドル以上も上げて
います。

 アメリカ人とは、かくも単純なものかと思ってしまいます。

 それはそうと、今回の利下げは案外あっさりと決まった感がありますが、一番
の後押しになったのは、イギリスの中堅銀行のノーザンロックで、預金解約の行
列ができたこと(日本流に言うと、取付け騒ぎとなりますが、並んでいた人々は、
意外に冷静に見えました)ではないでしょうか。

 金融当局にとって、取付け騒ぎほど怖いものはありません。

 ところで、このノーザンロックという銀行で何故今回預金の解約騒ぎが発生した
かといえば、この銀行、資金繰りがつかなくなり、その結果、14日にイングランド
銀行(中央銀行)が緊急の救済融資をすると発表したことが引き金になっていま
す。

 でも、少し変な感じもしますね。救済すると言ったのに、何故?という感じです。
救済するともしないとも言わず、放置したのであれば分かるけど‥と思っている
人も多いのではないでしょうか。

 実は、救済すると発表したことで、ノーザンロックの経営が危なくなっているとい
うことに預金者が気がつくことになったのですが、では、自分の預金は大丈夫な
のかと心配になったのです。

 どういうことかといえば、英国にも預金保険の制度がありますが、保証の上限
が、31700ポンド(約730万円)までだからです。従って、それ以上預金残高がある
人は、急に心配になったのでしょう。それに、残高が少ない人も、皆が並んでい
る姿をみていると、自分も並ばないと、と不安になったのかもしれません。



 ということで、預金流出が続き騒ぎが収まらなかったので、政府とイングランド
銀行は、17日夕刻、預金は、政府とイングランド銀行が全額保証するという声明
を出すに至りました。

 そして、この声明が出されるや否や、預金解約の行列が消えることになったの
ですが、この政府とイングランド銀行の約束は、極めて異例なもので、恐らく極め
て高度な政治的判断によりなされたものと感じられました。

 どうしてかと言えば、預金保険制度がちゃんとある中で、それに反する扱いを
政府や中央銀行が認めるということは、本来であれば認められないものである
からです。

 それに、この全額保証をいつまで続けるのかという問題も生じます。ノーザンロ
ックがどこか別の銀行に吸収合併でもされれば別でしょうが、このままだと、預金
者の不信感が解消されることはなく、いつまでも全額保証という異例の扱いをせ
ざる得ないでしょう。しかし、そうなると現実に存在している預金保険制度とは、
一体何なのかということになりかねません。

 モラルハザードが発生する可能性もあります。その結果、金融システムは、む
しろ脆弱なものになってしまうでしょう。



 ところで、順序が逆になりましたが、ノーザンロックは、どうして資金繰りが苦し
くなったかといえば、この銀行には米国のサブプライム関連の投融資があったこ
とと、主要な資金調達手段が、預金によるものではなく、住宅ローン担保証券を
市場で発行することによるものであったことです。

 つまり、最近のCP市場の機能麻痺の影響を受け、ノーザンロックは資金調達
に支障をきたしたということなのです。逆に言えば、サブプライム関連で少々の
損失を蒙ったとしても、市場で資金調達をするようなことをしていなかったら、こ
んな羽目には陥らずに済んだ可能性があります。



 まあ、いずれにしても預金解約の行列ができるという悪夢が起こり、金融当局
は、このような現象が他の銀行に飛び火しないことを優先したのでした。実際、
オーストラリアやスペインの一部の銀行でも、預金解約の動きが出ているといい
ますから、サブプライムの問題が世界経済に悪影響を与えていることが分かりま
す。


 こうなると、火元の米国は黙っているわけにはいきません。

 これは、私の想像ですが、本来であれば、米国の利下げがこうもすんなりと決
まることはなかったと思います。それに下げ幅も異例の0.5ポイントです。

 米国におけるインフレ圧力は依然として強く、実体経済の減速もそれほどのも
のとはなっていないからです。従って、本来であれば、利下げが見送られた可能
性もあったのですが、利下げが見送られるどころか、通常の下げ幅である0.25ポ
イントの倍の0.5ポイントになっているのです。

 それだけ、ノーザンロックの預金流出の悪夢に米国自身も配慮せざるを得な
かったということです。



 
 我々、日本が金融危機を経験したとき、ペイオフの実施が如何に難しいかを痛
感させられたものですが、今回の英国の対応振りをみるとき、どこの国も似たよ
うなものだなという一種の安心感を感じました。

 

 ところで、本日、我が国の株価も急回復しています。

 ただ、水を差すつもりはないのですが、米国においては、このユーフォリアも数
ヶ月したら消滅するだろうという見方があります。何故かといえば、サブプライム
ローンの焦げ付き問題が政策金利の引き下げで解決できるものではなく、また、
CP市場の機能が回復するには、サブプライム関連の損失の状況が明らかにな
ることが必要であるからです。


 でも、CNNなどを見ていると、女性キャスターが、今回の利下げについて、手
放しで歓迎しているようです。

 金利を引き下げると、住宅ローンの金利や消費者ローンの金利が安くなるから
経済活動にプラスになると‥。

 基本的にはそうなのですが、でも、今回の件で懲りた住宅ローン業界は、低所
得者に対する住宅ローンを大きく絞り込むのは目に見えていますし、政策金利を
幾ら下げても、CP市場の機能が回復するわけでもないのです。

 でも、マーケットは、単純に0.5%の金利引き下げを歓迎しています。

 「そんなの関係ない、そんなの関係ない!」というところでしょうか。

 

 このまま一本調子で、株価が回復することもないだろうと思う方、クリックをお
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 自民党総裁の座を狙って、2人のおじさまが争っています。

 一人は、安倍さんのドタキャン発言の際に、次はこの人がと本命視されていた
チョイ悪オヤジの麻生さんです。

 そして、もう一人は、昨年、安倍さんが総裁に就任した際、ああ、もう可能性は
なくなったのだなと完全に諦めてしまったと思われたオトボケオヤジの福田さんで
す。

 本来、総裁選に出るような人を、オヤジなどと呼ぶのは失礼かもしれません
が、麻生さんがチョイ悪オヤジと呼ばれているようなので、公平の観点から福田
さんのこともオヤジ呼ばわりしましょう。



 ところで、普段、自民党の悪口ばかり言っているような私が、総裁選の行方な
ど心配するのもおかしいのですが、総裁になれば、当然総理になり、我々国民
の生活に大きな影響を及ぼすことになるので、コメントしないわけにはいきませ
ん。



 まあ、それにしても、オトボケオヤジも本当に、おとぼけぶりを発揮していますね。

 「今回は逃げることをしない」

 と仰っています。「もう自分は年だから‥」と言っていたのに、若返りの薬でも発
見したのでしょうか。要するに、総裁に選ばれるのが明らかになったので出馬し
ただけではないでしょうか。それに、オトボケさんのこんな笑顔を見た記憶はあま
りないような気がします。嬉しくてしようがないのでしょうね。

 まあ、そこのところは、大目にみましょう。人間だから。

 所属する党がどんな状況にあろうと‥、国民生活にどんな影響を及ぼそう
と‥、「そんなの関係ない、そんなの関係ない!」



 このような人が総理になっていいものでしょうか。

 というのも、この人、もう総理の目はないと思って暮らしていたものだから、日
本をどうしたいとか、そういったビジョンがまるでないように感じられます。それ
に、世界や経済、社会の情勢にも相当疎くなっているような気がします。オトボケ
さんの発言を注意深く聞いていると、ボケたのではないかと思う発言が、時々出
てきます。

 この前も、総裁選をどう闘うかと聞かれて、「粛々と」と答えていましたが、その
直後に「一生懸命やる」と修正していました。勝つのが分かっているので、消化
試合みたいなものと感じているのでしょうね。

 また、テレビ出演の直前のスタジオ内の様子が本日紹介されていましたが、
「キャラが立つのキャラとは何のこと?」とチョイ悪オヤジに聞いていました。

 チョイ悪さんは、「キャラクターのことですよ」と答えていましたが‥。



 オトボケさんは、癒し系とも形容されています。確かに、対人関係において余り
波風を立てる方ではないとは思いますが、その代わり、聞いている人の胸に響く
ようなこともありません。大阪で演説したとき、大阪でサラリーマン生活を送った
ことなどを紹介し、少しでも親しまれようとしているのですが、聞いている人は、
「あっ、そう」という感じです。このような話をするのは、まさに役人に多いのです
よね。キャリア官僚などが、地方に赴任すると、如何にもその赴任地と縁がある
ような話をするのを聞いたことがある人も多いと思います。



 次に、チョイ悪さんですが、この人、秋葉原では人気があるのに、どうして身内
の政治家からは支持されないのでしょうか。


 石炭王の血筋を引いたお坊ちゃんだから、嫉妬されるのでしょうか。

 でも、一応、何をやりたいか、ということになると筋が通っています。

 北朝鮮との関係にしても、「対話と圧力というけれども、話し合いだけで応じる
ような国ではない」と明確に述べています。

 その点だけは、大いに評価したいと思います。


 この人、大阪に行くと、阪神も頑張っているという話をし、四国に行くと讃岐うど
んを題材にするなど、人の心を掴むのは得意なように見えます。

 ただ、贅沢な注文をつけると‥、若者に対して話しをしているような口の聞き方
が気になりますね。「〇〇だぜ」と言われると、「ちょっと‥」という気がします。



 まあ、いずれにしても、この騒動も後5−6日のことです。恐らく、オトボケさんが
総理になり、その後は、面白みのない話をたっぷりきかされることになるのでは
ないでしょうか。



 ところで、日本の国民の一人として、今の内閣に対し注文したいことがありま
す。

 安倍総理が入院して5日目になりますが、どうして臨時総理代理を任命しない
のでしょうか。

 アメリカでは、大統領が麻酔薬を注射される時でも大統領の代理が指名されま
す。そうしないと、万一、他国から攻撃されたようなときに、緊急の対応ができな
いと感じているからです。

 それに対し、わが国では、5日間も病院に入ったままなのに、何の手立てもされ
ていません。日本の危機管理はどうなっているのか、と問いたい。

 日本の場合には、仮に総理が不在でも何とかなるのだと思っているのでしょう
か。

 マダム・スシさんも、「電話がつながらないのよね」などと危機感のなさを曝け出
していましたが、本当に大丈夫なのでしょうか。

 

 それにしても、チョイ悪さんは、石炭王の血筋、オトボケさんは、元石油会社勤
務ということで、地球温暖化防止対策が加速化される感じはしませんね。ご賛同
の方は、クリックをお願いします。

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 安倍首相の辞任劇も落ち着いてきていますが、どうしても、何故この時期に辞
めるのかという疑問が拭い切れません。

 脱税の件とか、いろいろな憶測も流れましたが、一応、心身ともに疲れきってし
まった、つまり、病気ということで理解しようとする向きが増えてはいます。

 しかし、では、どうして心身ともに疲れてしまったのか?

 インドへ外遊した際に下痢をしたから、などという理由も挙げられていますが、
それだけなのでしょうか。

 あれだけ、首相のポストにこだわっていた人が、突如として態度を変えるなん
て、何かがあったの違いありません。

 7月の参議院選挙敗退後の動きを振り返ると、その理由が少しずつ分かるよう
な気がします。

 

<ジョージ>
 大使か。どうした?
<大使>
 自民党は惨敗したんだ。
<ジョージ>
 そうか。シンゾウは、人気がないのか?
<大使>
 スキャンダルが続いているし‥
<ジョージ>
 今後も日本は協力するのだろうな。
<大使>
 そこなんだ。イチロウは、給油活動を止めると言っている。
<ジョージ>
 イチロウは、今日もヒットを打っているぞ。
<大使>
 そのイチロウではない。民主党のイチロウだ。
<ジョージ>
 ジョークだよ。しかし、日本が給油を止めると困るな。
<大使>
 イチロウに直接話してみる。



<大使>
 ジョージ。イチロウは、断った。案外タフなやつかもしれぬ。
<ジョージ>
 なんかコケにされたそうだな。
 いずれにしても、給油活動を止めるようなことはさせるな。
<大使>
 全力を尽くすよ。

 

<シンゾウ>
 ハイ、ジョージ。
<ジョージ>
 シンゾウ。俺のことをジョージと呼べるのか。ジョージと呼べるのは親友の証
だ。親友は、困った友を見捨てないぞ。
<シンゾウ>
 なんのことだ、ミスタープレジデント。
 困っているのは、私だ。
<ジョージ>
 聞くところによれば、油の補給活動を止めるかもしれないというじゃないか。
<シンゾウ>
 この前の選挙で負けてしまったから。
<ジョージ>
 知っている。イチロウだな。
 でも、シンゾウは、アメリカにいつまでも付いてくると約束したではないか。
<シンゾウ>
 法律を通すように全力を尽くしているけど、民主党が参議院の第一党になって
しまったから。
<ジョージ>
 それは、アメリカでも同じようなものだ。
<シンゾウ>
 そう言われれば。
<ジョージ>
 少しは野党の言うことも聞いてやれ。俺も、テロやイラク問題以外では譲歩して
いる。
 とにかく、何が何でも給油活動は継続してくれ。身を賭して頑張ってもらいた
い。それができないようでは、シンゾウのことをこれ以上支持できない。
<シンゾウ>
 民主党も以前は話し合いに応じていたのだが‥
<ジョージ>
 言い訳はいい。できないのなら、辞めるべきだ。それに、一度イチロウと話をし
たらどうだ。
<シンゾウ>
 分かった。イチロウとも話をする。

 

<ジョージ>
 スピーチを聞いたぞ。どうして、もっとテロとの戦いを強調しないのだ。俺はいつ
もテロとの戦いの重要性を訴えているぞ。
<シンゾウ>
 そうするよ。
<ジョージ>
 ところで、イチロウとは話をしたのか。
<シンゾウ>
 まだだ。
<ジョージ>
 アポイントメントはとったのか。
<シンゾウ>
 公開討論を主張しているんだ。
<ジョージ>
 とにかく、給油活動が停止されるのであれば、シンゾウのことを支持できない。
策がないのであれば誰かと交代したら‥。

 

 とこういう事情で、シンゾウさんは、辞任の記者会見でテロとの戦いを何度も口
にし、そして、イチロウさんが会見に応じなかったことも理由に一つに挙げていた
のではないでしょうか。



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