経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2008年02月

 日経新聞のウォール街ラウンドアップをみると、「モノラインが起こした
珍事」とあります。

 珍事と言われると、興味が沸いてしまいます。

 
 一体何が起こったというのでしょうか。

 モノラインが起こしたと、新聞では言っているのですが。


 皆さん、アメリカや欧州では金融市場が麻痺しているのをご存知です
よね。

 昨年の8月以来、金融機関の経営不安が噂され、他の金融機関を信
じることができなくなり、金融機関同士で資金を融通し合うことが難しく
なっているのです。

 これは、短期金融市場の機能麻痺の話ですが、最近では、それに加
えて、資本市場の機能も少しおかしくなっています。

 資本市場といっても、株式発行市場のことではなく、地方債の発行市
場のことです。

 要するに、地方都市などが起債、即ち、債券を発行し資金を調達しよ
うとしても、それが困難になってしまったというのです。

 何故か?

 それは、地方都市などが起債するに際しては、その信用度を補完す
る意味でより高い格付けを有する機関(金融商品の保険会社)に保証
をつけてもらうことが多かったのですが、その保証人となる会社が信用
を失っているからです。


 そうです。その保証人とは、モノラインと呼ばれる金融保証会社のア
ムバックなどのことです。

 
 
 投資家は考えます。

 株がいいのか、国債がいいのか、社債がいいのか、或いは地方債が
いいのかと。
まあ、時には原油先物や金のことを考えるかもしれません
が‥。

 国債は、流動性が高く直ぐに換金できるし、信用度も最高だから、利
回りは少々低くても、魅力はあると。

 でも、地方債を買う人も結構います。

 何故か?

 この地方債、米国では、

 Muni (つまり、municipal bonds の略ですが)

 と呼ばれていますが、これ、利息収入に税金がかからないというメリッ
トがあるのです。

 それに、自分の資金でその地方の橋や道路や学校が整備されるとい
うことを知れば悪い気はしませんよね。

 後は、ちゃんと元本と利息を支払ってくれれば‥、となります。

 でも、地方都市といってもいろいろあります。本当に信じていいもの
か。

 ということで、今までは、モノラインが保証してくれていたのですが、ご
存知の通り、保証どころか、自分の経営が問題視されています。

 
 先に挙げた新聞記事によれば、アムバックの格下げ懸念で、ニューヨ
ーク都市交通局の調達金利が、1ヶ月前の4.5%から8%にまで上がって
しまったというのです。


 まあ、これは言わば当然の現象にも見えます。珍事でも何でもありま
せん。

 珍事は、これから起きます。

 8%にまで金利が上がるのでは、他の会社に保証を頼むか、或いは
保証なしで債券を発行しようかということになりますが‥。

 ニューヨーク都市交通局は、先週、保証なしで独自で債券を発行した
といいます。


 金利はどうなったと思いますか?


 なんと、5%。

 保証を付けない方が、むしろ信用が高まり、金利は低下したのです。


 妙な話です。どんなに考えても、こんなことが起こるなんて信じられま
せん。

 まあ、だからこそ、珍事というのでしょうが‥。

 

 やっぱり、アメリカは病んでいるのかも。

 

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 海の向こうのアメリカでは、FRBのバナンキ議長の議会証言に関心が
集まっています。

 「時機を逃がさず行動する」と言ったことが、追加利下げを示唆したも
のと解釈されているようです。

 また、景気後退を未然に防ぐために十分な保険を掛けるべきだと言っ
たとも。


 
 でも、なんだか聞いたことがあるような台詞ですよね。確か、2月14日
に議会証言をしたばかりですが、あの時と言い方が変わっているのでし
ょうか。

 前回は、上院の銀行、住宅及び都市委員会で、今回は、下院の金融
サービス委員会ということで、発言の場は違っているのですが‥。


 しかし、この2週間ほどで大きな環境の変化があったとは思えません
し、それに上院で話すことと下院で話すことの内容が異なるというのも
変な話です。


 ということで、例によって、バナンキ議長の発言をチェックすることにしました。

 

  Although the FOMC participants' economic projections

envision an improving economic picture, it is important

to recognize that downside risks to growth remain. 


 この箇所は、前回の表現と若干の相違があるようですが、言っている
内容はほぼ同じです。

 「FOMC(公開市場委員会)の参加者は、景気が回復することを予想
しているが、それでも景気の下振れリスクが残ることを理解することが
重要だ」

 で、次のような結論につながります。


 The FOMC will be carefully evaluating incoming information

bearing on the economic outlook and will act in a timely

manner as needed to support growth and to provide adequate

insurance against downside risks.

 「FOMCは、今後寄せられる景気見通しに関するデータを注意深く精
査し、その上で、経済成長を下支えし、また、下振れリスクに対し保険を
かけるために、必要に応じ時機を逸しないように行動することになろう」


 これが、新聞などが盛んに言及している箇所なのですが、これ、実は
前回の言い方と全く同じです。

 だったら、それほど反応しなくてもよさそうなものでは‥、と思ってしま
いますよね。

 ひょっとしたら、今後もこの文章が何度も登場するかもしれません。だ
ったら、いっそのこと暗記してしまったら如何でしょう。

 でも、どうやったら暗記できるでしょう。ということで、暗記の方法を考
えてみました。


 先ず、文章を幾つかに切断します。

 最初は、次の箇所です。


 The FOMC will be carefully evaluating incoming information

 FOMCが主語で、「FOMCは、今後の情報を注意深く精査する」

 これだけなら、何とか暗記が可能ですよね。動詞が、evaluateで、それ
にcarefullyがついて、そして目的語が、informationで、それをincoming
が修飾しています。

 先ず、以上を何度も暗誦しましょう。

 で、それができたら、何か物足りなくなります。

 情報について、もう少し修飾しましょう。経済の見通しに関する情報と
いうことにしましょう。

 ということで、bearing on the economic outlook がつきます。

 ここまでを、また練習しましょう。

 で、次は、FOMCが、やる内容が追加されます。情報の精査をやると
ともに、必要に応じてタイムリーに行動するということを表現します。

 それが、

 and will act in a timely manner as needed

 ということになります。

 でも、必要に応じてといっても、どんな必要性かというと、それが、経
済成長を下支えしたり、景気の下振れリスクに保険をかけたりするため
に必要であれば、ということになるのです。

 ということで、as needed の後に、

 to support growth and to provide adequate insurance

against downside risks

 が続くということです。


 こうして、文章を分解して暗誦することができるようになると、英語で
表現できるだけでなく、中身を完全に理解することにもつながり、非常に
有益だといえます。


 以上で、覚え方のテクニックは終わりですが、いずれにしても、米国で
は利下げの勢いがとまりそうにもありません。

 そして、年初から予想していますように、利下げに伴うドル安がまた勢
いをつけているようで、ドルは対ユーロで最安値を記録しています。片
方では、円高になり、14000円台に乗せた株価が、また落ちています
が‥。


 で、本日お話したかったのは、これからなのですが‥


 今、次期日銀総裁を誰にするかでもめていますよね、国会で。

 一般の国民の皆さんは、余り関心はないかもしれませんが、それは、
候補者がどのような人か分からないので興味がわかないのですよね。

 いずれにしても、今候補者として上がっている武藤副総裁が、政府寄
りだと言われています。

 だから、なんとなく、政府寄りの金融政策を展開するのではないかと
市場は想像しているようです。

 要するに、現在の福井総裁とは異なり、決して金利の正常化(引き上
げ)は急がず、ひょとしたら利下げさえ期待できるのではないかと。


 でも、世の中いつも皮肉なものなのです。

 政府寄りの武藤さんだから利上げはしないと思っていても、そして、本
人も今時点では、利上げはしないぞと思っているかもしれません。

 しかし、、もしかしたら、物価の上昇で否が応でも利上げに動かざるを
得ない事態が訪れるかも知れません。

 何故か?

 それは、小麦やコーンなどの穀物類が値上げラッシュになって、食料
品などの製品価格にも大きく影響を及ぼしているからです。

 こうした穀物価格が上昇する理由は、昨日述べましたよね。

 それに、今回のバナンキ議長の発言によって、今後も利下げが継続
することが確認され、投機マネーがさらに勢いを増し、穀物市場に流入
しているということもあります。


 ひょっとしたら夏までに日本では利上げがあるかも‥、でもね‥とお
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 最近世界的に食料品やエネルギー価格が上昇しています。

 昨日、米国で1月の卸売り物価が発表になりました。 新聞には、前月
比1.0%上昇と出ています。


 「1%上昇したからって、どうということはないじゃないの」


 でも、「米、インフレ懸念台頭」とあります。

 「しかし、1%程度の上昇なら‥」

 実は、前月に比べ1%上昇したとあるのですが、1年前と比べれば、な
んと7.4%も伸びているのです。

 全体の平均が7.4%の伸びを示しているということは、個別に見ればも
っと伸びているものがあるということですね。

 何が上がっているというのでしょうか。

 パスタ、16.2%

 「スパゲティが高くなるのか‥」

 卵、6.9%、牛肉、3.6%となっています。

 やっぱり、小麦の価格が上がっていることやトウモロコシの値上がりな
どが段々と効いてきているということのようです。


 では、どうして小麦やトウモロコシは値上がりするのでしょうか。

 一つには、オーストラリアなどの主要産出国において、異常気象(旱
魃)のために不作になっていることが挙げられます。

 また、バイオエタノールを生産する関係で、トウモロコシなどの価格が
上がっていることもあります。

 さらに、中国などの新興国の所得水準が向上するに従い、食生活に
変化が生じていることも挙げられます。

 「中国の人が、小麦やとうもろこしを沢山食べるようになるの?」

 その反対です。

 「どういうこと?」

 貧しい国の人が、お金に余裕が出てくると、肉の消費量が増えるわけ
ですが、家畜を育てるためには、餌となる穀物を食べさせる必要があり
ますが、そのため穀物の需要が増えるからです。

 13億人もの人口をかかえる中国、そして、11億人のインドがどんどん
経済成長を遂げている訳ですから、今後、益々穀物の価格が上がるこ
とが予想されるのです。

 それに、地球温暖化の進展にともなう異常気象(旱魃の発生)の影響
もより大きくなることでしょう。

 そうなると、遠い遠い先の話ですが、ひょっとしたら、日本の農業も
国際競争力を回復するかもしれません。

 
 いずれにしても、米国の1月の卸売物価が前年比7.4%も上昇したの
は1981年10月以来の出来事だといいます。


 これだけ、物価が上昇すると、いくら景気の失速を防ぐためとはいえ、
金利も下げつらくなってきます。

 米国は、インフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションに突
入してしまうのでしょうか。



 日本でも物価が上がるのではないかと、心配だという方は、クリックを
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 アメリカには格付け制度というのがあります。もちろん、我が国もそれ
を真似していますが‥

 
 「格付けって何よ?」

 あのう、ミシュランガイドというのを知っていますか?

 「美味しいレストランに星をつけるやつ?」

 そうです。

 「私、あれ、あまり信じない」

 どうしてでしょう。

 「ミシュランに限らず、美味しいラーメンの店とか紹介した本が売って
あるけど、当てになんないのよ」

 でも、そうした本で紹介されたラーメン屋さんは、大抵行列ができてい
ますよ。

 「だからなおさら嫌なのよ。行列ができる。当然期待は膨らむ。注文し
たラーメンが出来る。でも、何か違う‥」

 はい、そういう経験ならありますよね。

 でも、初めて都会に出て行った人や、初めて地方に転勤になったと
き、或いは、初めて海外に旅行したときなどは、やっぱりガイドブックが
必要ではないでしょうか。

 「それなら分かるわ」


 ところで、皆さん、お金を殖やしたいと思ったとき、どうしますか?

 「それは、一生懸命働くことでしょ」


 働いたらどうなりますか?

 「働くと、給料やボーナスがもらえるけど、それをちゃんと貯金するの
よ」

 でも、預金の利息はすずめの涙‥

 「だったら国債でも購入したら‥」

 株は駄目なのでしょうか? 或いは、社債とか、外貨建て預金とか‥

 「でも、投資先が多くて迷っちゃうのよね」

 そうですね。迷いますね。こういうときにもガイドブックがあるといいと
思いませんか?

 「要するに投資先の評価をしてくれるの?」

 はい、それがアメリカの格付け制度です。

 投資先として最もお薦めなのは、Aが3つも並び、トリプルAなどと呼
ばれています。

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とか、ムーディーズというのを聞
いたことはありませんか?

 こうした格付け会社が、投資先の評価をしてくれるのです。

 「それで思い出したけど、サブプライム関連の金融商品に高い格付け
を与えていたのじゃ‥」

 そうですね。格付け会社が、高い格付けをそうした証券につけていた
こともサブプライム関連の損失が大きくなった理由とされています。

 「じゃあ、当てにならないかもね‥」


 そうなのですね。

 実は、今月の初めに、S&Pは、モノライン大手のMBIAの格付けを引
き下げることを検討すると言っていました。

 「どうして?」

 モノラインは、金融商品の元利払いを保証することによって、保証料
収入を得ているのですが、例のサブプライムローンの焦げ付きが原因
で、多額の損失を発生させてしまい、資本が大きく毀損したと言われて
いたからです。

 「じゃあ、さっさと格下げしないと‥」

 ということで、格下げを検討していたのですが、25日に明らかになった
ところによれば、S&Pは、MBIAやアムバックのトリプルAの格付けをそ
のまま維持することになったといいます。

 「どうして?」
 
 資本の積み増しを行ったり、資本の増強が今後予定されているからだ
とか。

 「だけど、それはやっぱり資本が毀損したから、それを補うためにやっ
ていることでしょ。そんなに簡単にトリプルAを維持していいの?」

 まあ、詳しいことは分かりませんが、もし、これらのモノライン大手の格
付けが引き下げられると、その影響が大きすぎることも少しは関係して
いると思われます。

 もし、これらの格付けが大きく引き下げられると、これらモノラインに頼
って債券を発行しているようは地方公共団体が、資金調達を行うことが
難しくなってしまうという問題もあるようなのです。


 何か、アメリカの市場経済も、「名ばかりの市場経済」に変容している
ような気がします。

 そのような格付け会社であるのであれば、一層のことない方がましな
のではないでしょうか。

 断っておきますが、格付け会社が単なる民間会社であるのであれば、
お好きにどうぞというところなのですが、これの格付け会社は、米国政
府(SEC)の認可を得ている機関なのです。

 どうりで、双子の赤字に悩む米国の国債が、高い格付けを得ているわ
けですね。

 

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 みなさん、突然ですが、炭素銀行というのをご存知ですか?

 「毎日の生活で発生した二酸化炭素を集めてもっていき、ある量に達
すると、ドライアイスや備長炭、或いはダイヤモンドに取り替えてくれる
銀行?」

 そんな、アホな!

 そんな銀行が本当に存在するなら、製鉄所や電力会社が、大気中に
二酸化炭素を放出することはないですよね。


 炭素銀行、英語でcarbon bankというらしいのですが、イギリスのブラ
ウン首相が、炭素銀行の設立を欧州委員会に提案したといいます。

 「で、何をする銀行?」

 実は、銀行と言っていますが、別にお金を預かるわけでもなく、また、
お金を貸してくれるわけでもないのです。扱うのは、炭素。といっても炭
素できているものは、いろいろありますが、二酸化炭素などの排出枠の
配分や、排出権取引の運営を行う機関だとあります。

 ですから、まあ、排出権取引所みたいなもので、銀行よりも、証券取引
所のイメージに近いかもしれませんね。

 
 で、皆さんにお伺いします。

 皆さんは、炭素銀行構想に賛成しますか?

 「反対!」

 どうしてでしょうか。

 「だって、そんなことをされると、洞爺湖サミットでリーダーシップをとら
なければいけない日本の立場がなくなってしまうでしょう」

 はあ。

 「それに、ノーザンロックという銀行を国営化した英国が、バンクを設
立したらと提案するのも皮肉じゃない。カーボンではなく、バーボンを飲
みすぎたのじゃないの、ブラウン首相」

 はあ。


 でも、もっとまともな理由はないのでしょうか。

 「とにかく、自分たちだけええ格好するのは、許せない」

 まあ、考えてみたら、森の木を切りつくしたり、石炭を散々消費して環
境を悪化させてきたという点でワースト・ワンなのは英国ですから。

 それに、いつも言っているように、排出権取引が十分機能するのは、
全ての参加者が二酸化炭素の排出総量について合意をしてからの話
ですから、今のように米国や中国が、制限を課せられることに拒否反応
を示している以上、温暖化阻止の有効な手段にはなりえないのです。

 「でも、ヨーロッパの企業などの間では、排出権取引が現実に行われ
ているのでしょう?」

 はい。結局、それはヨーロッパとしての排出総量を管理するためには
有効な手段とはなりえるからです。

 「だということは、日本も京都議定書の6%の削減目標を守るために
は、国内で排出権取引を開始すると可能になるということ?」

 そうです。可能です。

 「では、どうしてやんないの?」

 それを行うためには、業界毎や企業毎に排出枠を初期配分する必要
がありますが、どのようにして配分すればいいか、意見がまとまらない
ことと、そもそも枠を設けると国際競争力が失われるとして、経済界が
反対しているからですね。

 「やっぱり、日本は遅れているんだ」

 そうですね。日本の経済界は、温暖化の悪影響がどれほど深刻にな
ったら本気になるのか、一度伺ってみたい気もします。

 一生懸命お金儲けをすることに反対をする訳でもありませんが、自分
たちの子や孫が生きていけないような地球環境になることに危機感を
覚えないのか不思議でしようがありません。


 「でも、結局カーボン銀行も十分機能しないというのでしょう?」

 そうですね。そう簡単に世界中の国が数量義務を受け入れるとは思
われないからです。必ずしも全ての国が受け入れなくてもいいのです
が、少なくても、中国やインド、アメリカといった大所は参加する必要が
ありますね。

 「といっても、その見込みは薄いのでしょ?」

 だから、排出権の取引などという面倒くさいことをしないで、OPECを中
心とした産油国に頼んで、毎年の石油や石炭の産出量を、計画的徐々
に減らすことを実行すればいいのですね。

 何も国毎にに排出枠を予め決める必要はないのです。

 本当に石油や石炭を使いたいという国は、高いお金を出して石油や
石炭を買えばいいだけのことです。こうして、効率的な石油や石炭の配
分が可能になり、しかも世界中における年間の消費量はコントロール
可能となるのです。

 どうせ、世界から相手にされていないと思いますけど、福田総理、思
い切って洞爺湖サミットで提案しませんか?

 まあ、提案だけでは物足らないというのであれば、率先して国内でそ
れを部分的に実行したら如何でしょう。

 石油や石炭の毎年の輸入量に国として制限を儲け、輸入権を入札方
式で輸入業者に配分すればいいのです。

 それだけで、京都議定書の排出制限の目標値が完全に達成すること
が可能です。

 個別の企業も、直接個々に制限が課せられる訳ではないので、強烈
に反対するところもないと思われます。

 それに、輸入権の販売収入が国に入ってくるので、その分財政が潤う
ことにもなり、その収入によって代替エネルギー開発を促進することな
どが可能になります。

 

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 金が最高値をつけています。

 21日のニューヨークの金先物相場は、1トロイオンス958.4ドルまで上
昇したといいます。

 原油の方は、1バレル100ドル台乗せで、金の方も、1000ドル台乗せ
まで目前に迫ってきました。

 でも、どうして金の価格が高騰しているのでしょうか?


 通常、モノの価格は、その供給に比べ需要が増えると上昇しますよ
ね。

 では、金の需要が増えているのでしょうか?

 金の入れ歯だけでなく、世界の景気がよくなって金の装飾品の需要
が増えているというのでしょうか。

 1年ほど前までなら、そういうことも考えられたかもしれません。でも、
今は、世界的に景気の減速を心配している状態です。

 実は、需要といっても、実需以外の需要があるのですね。

 要するに金を欲しがる人がいても、全ての人がその金を実際の用途
に使うのではなく、投資の対象としているということです。

 「でも、金を投資の対象にするといっても、金は利息を生まないから増
えないのでしょ?」

 確かに、金は利息は生みません。

 「だったら、預金した方が得じゃないの?」

 どうして?

 「どんなに金利が低いといっても、少しずつは殖えるから」

 でも、目減りするかもしれませんよ。

 「株じゃないのだから、元本が減ることはないのよ」

 そうですか?

 「何か不安になってきたな」

 

 20日に、米労働省が発表した1月の消費者物価指数は、前月比0.4%
も上昇し、前年同月比では4.3%の上昇となっています。

 これは中央銀行が許容範囲と考える2%程度のインフレ率からすれば
倍の大きさです。

 やっぱりインフレ圧力は強そうですね。


 それはそうと、では、アメリカの金利水準はどの程度でしょう。

 10年ものの国債で約3.8%、2年物の国債で約2%ほどの利回りになっ
ています。

 もし、アメリカの人が2年物の米国国債に投資をしていたとすれば、こ
れ、結局毎年、2%分ほど目減りをしていることを意味しますね。

 預金でも同じです。仮に元本が1万ドルだったとして、その1万ドルは
変わらなくても、それが1年後に10400ドルになっていないと、インフレの
ために実質価値が損なわれることになるからです。でも、利息で殖える
のが200ドルだけだとすれば、10200ドルにしかなっていません。

 その点、もし、金に投資をしているのであれば、1キログラムの金は、
いつまでたっても1キログラムの金で、その実質的な価値に変化は生じ
ないと考えることができるからです。


 アメリカは、今、景気見通しが弱気になっています。もう暫くは利下げ
が継続されると予想されます。

 そして、利下げが今後も行われるとすると、益々ドル安になり、その意
味でもインフレ圧力が強まります。

 しかし、物価が上がっても、景気に配慮して金利を上げることができな
いとすれば、このように預金の目減りが起きる訳です。

 これはたまらん、そういったことが金高騰の背景にあると思います。


 ただ、金市場関係者の間では「一度は1000ドルを見ないと収まらな
い」という共通認識があるものの、大台を付けても定着は難しいと見て
いるともいいます。

 米国景気が後退すれば、対米輸出に支えられた新興国経済に影響
が及び、宝飾品需要という実需が伸びることが考えられないからだとい
います。

 
 いずれにしても、金の価格高騰という形で、米国においてインフレ懸
念が強まっていることが窺われます。


 インフレに対する、クリントン候補とオバマ候補の発言を紹介します。
貴方は、どっちの演説が好きですか?
 
 

SEN. HILLARY CLINTON (D), New York:

 Wages are flat, but health care costs are up.

Gas and energy costs are up. Education costs are up.

So people are running as hard as they can,

but they're going backwards.


 給料は上がらない。しかし、医療費は上がる。石油や電気代は上が
る。教育費は上がる。だから、みんな一生懸命頑張っているけど、追い
つかないのよ。

 

SEN. BARACK OBAMA (D), Illinois:

 And one last point I want to make about

the economy.

 I won't just raise the minimum wage every

10 years. I want to raise it every year

to keep pace with inflation, because if you

work in America, you should not be poor.


 最後に経済について言いたい。
 私は、10年ごとに最低賃金を見直すようなことをしない。インフレに合
わせて毎年引き上げたい。何故なら、アメリカで働いている以上、貧乏
であってはならないからだ。



 どちらも政治家らしいものいいですね。

 

 物価が上昇しない状態をデフレだといって嘆く日本は、なんと贅沢な
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 原油価格がまたしても、100ドル台に乗せてきました。

 理由はいろいろあるようです。

 ナイジェリアの政情不安、テキサス州の石油精製設備の火災、ドル安
それにOPECの減産見通しです。


 まあ、ドル安は今に始まったことではないのですが、更なるドル金利
の引き下げもみこまれることから、今後インフレ懸念が強まり、そうなる
とインフレに強い運用体制にしておくことが望まれるということで、金や
原油などが運用対象としての魅力が増しているからだといいます。

 そういえば、今年の初めに原油が100ドル台に乗せたとき、今年1年
の大雑把な見通しを立ててみました。(関心がおありであれば、今年1
月初めの記事を読んで見て下さい)

 サブプライム問題、経済の減速懸念
   ↓↓↓
 金利の引き下げ
   ↓↓↓
   ドル安
   ↓↓↓
 原油や金などの高騰


 以上のような単純な図式でしたが、幸か不幸か、今のところ、だいた
い見通しどおりに進んでいるようです。

 


 で、それはそうと、今回の原油価格高騰の理由の一つに、OPECの減
産見通しというのがあります。

 なんでも、3月5日にOPEC総会が開かれるそうですが、そこで減産方
針が打ち出されるのではないかということが噂されているというので
す。


 このニュースを聞いて、皆さんどう思いますか?

 なんてこった、と頭を抱えるでしょうか。


 でも、少しばかり違った角度から考える小生(ひねくれ者と思う人もい
ます)は、この際、OPECを褒めてあげたい。それだけでなく、原油の減
産を計画的に将来に渡って行うのであれば、ノーベル平和賞を100個ま
とめてあげてもいいくらいだと思います。

 「どういうこと?」

 つまりですね、OPECが原油を減産すると、アメリカがどう言おうと、ま
た、中国がどれだけ石油を使いたいと思っても、二酸化炭素の排出量
を制限することができるからです。

 ねえ、いいと思いません?

 「でも、石油の値段が上がるよ」

 しかし、石油の値段が上がるから、代替エネルギーの開発が進むの
です。というか、高い石油に頼ることができないとなれば、他の手段を
探すしかなくなるでしょ。

 「そんなこといたって、生活が苦しくなるじゃないの」

 それならそれで、個別の対策を立てればいいことです。寒冷地の貧し
い家庭には、政府が燃料代の補助金を出すとか。

 いずれにしても、皆さん、地球温暖化は阻止しないといけないと思って
いるでしょ?

 もし、「そんなの関係ない」というのであれば、そこで話は終わりです。


 でも、「なんとかしないとね」とか、「どげんかせんと‥」とか、
"We have to do something"と思うのであれば、何らかの対策を
立てないといけないということです。

 しかし、今の政府のやっていることを見るととても心もとない。

 やっと経団連が排出権取引を認めようか‥、という程度の牛歩の歩
みです。

 でも、排出権取引を認めても、全ての国がどれだけ義務を負うのかの
かということについて合意できなければ、所詮不完全な対策でしかあり
得ないのです。


 
 中国やインドなどが二酸化炭素の排出量を制限してもいいよと、言う
と思いますか?

 Noです。

 一方、アメリカは、「中国などが参加しない枠組みは意味がない」とき
っぱり言っています。

 となると、幾らヨーロッパや日本が排出権取引を行ったところで、ヨー
ロッパや日本の企業が排出する二酸化炭素の量は抑えることができて
も、世界全体の二酸化炭素の排出量をコントロールすることは不可能
なのです。

 


 でも、でも、でも‥

 もし、OPECが、減産をしてくれたらどうなりますか。

 例えば、今後毎年1%、或いは2%ずつ前年に比べ減産していくと決
めたら‥

 そうすると、少なくともOPEC産出分の石油の消費量は確実に減るこ
とになりますので、中国がどんなに石油を使いたいと思っても、そこには
自ずから上限が課せられ、従って、二酸化炭素の排出も制限されること
になるのです。

 もう、「中国が参加しない枠組みなど意味がない」というアメリカのロジ
ックは成り立たなくなります。

 日本が幾ら減らすとか、EUが幾ら減らすとか、アメリカが幾ら減らすと
か、中国が幾ら減らすとかという交渉は、必要がなくなります。

 各国は、少しでも多く原油を確保したいのであれば、その限られた原
油に対し高いお金を払うだけのことになります。

 どうです、これ、いいシステムでしょ。


 「でも、原油を生産しているのは、OPECだけではないよ」

 それはそのとおり。

 でも、あのOPECが地球温暖化を食い止めるために、自らの犠牲を省
みず減産をしているという姿を世界に見せれば、他の産出国も追随せ
ざるを得ないことになるのではないでしょうか。

 そうでもしないと非難の嵐です。


 でも、現実は、どうかといえば、先進国側は、OPECに増産を呼びかけ
るという情けない姿です。

 どうです、プライムミニスター・福田、洞爺湖サミットにOPECを呼んで、
このアイデアをぶつけてみたら‥。



 なんか、原油とドルの話が、いつもの石油・石炭産出権取引の話に
及んでしまいましたが、話を少し戻しましょう。


 米国の経済が減速し、それが金利を低下させ、そして、それがドル安
を招くという構図でしたが、本日の日経の「再考・基軸通貨 ドルの行
方」では、エコノミストの水野和夫さんが、書いています。

 見出しは次のようになっています。

 「ユーロと二極並存大勢に」

 「資本主義変質映す」

 「強いドル政策の限界露呈」


 水野さんの主張は、極めて明快です。

 資本と国家が一体だったかつての資本主義は、1990年代半ばに資本
が国家を超越するグローバル資本主義に変容した。そして、米国は「強
いドル」政策で乗り切ろうとしたが、限界が来たと。

 
 1995年にルービン財務長官は「強いドルは国益だ」と述べました。

 これによって、

 経常赤字の増大
  ↓
 ドル安
  ↓
 資本流出
  ↓
 金利引き上げの必要性
  ↓
 低成長


 という図式を逆転する必要があったのです。


 経常収支の赤字
  ↓
 「強いドル」政策
  ↓
 資本流入
  ↓
 高成長


 とまあ、以上のような都合のいいシナリオを描いたということでしょう
か。

 でも、超低金利政策をとる日本からの円を含め、世界中のマネーがア
メリカに集まった結果、バブルが発生してしまったのでしたね。今回の
住宅バブルもそうですし、原油先物価格の高騰もそうでしょう。

 それに水野氏によれば、2000年9月のインテルショックが大きな契機
になったというようにあります。

 インテルショックとは何か?

 米インテルの欧州子会社の利益が当時のユーロ安のために、ドル建
てに換算すると予想を下回ることとなり、それを嫌気して同社の株が1
日で22%も下がってしまった。

 この時点で、米企業にとってはもはや強いドルは不要になってしまっ
たのだと。

 まあ、企業だけでなく、政府の言動にもドル安を容認する姿勢が垣間
見られます。

 「強いドルは国益」とは言いつつも、「為替レートは市場が決める」もの
と言い、そして、最近のドル安によって米国の輸出が増加に転じてこと
にしばしばブッシュ大統領も言及しているからです。

 ということで、急激なドル安は困るが、マイルドなドル安は容認すると
いうのがアメリカの本音になってきているのではないでしょうか。


 でも、今後もドル安が続くということは、米国の地位の衰えを示すもの
であることなのですが、それも認めるということになるのでしょうか。

 米国が変身しつつあるようです。



 もし、オバマ大統領になったら、アメリカのイメージや手法も大きく変わ
るだろうな、とちょっとだけ思った方、クリックをお願いします。
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 日経新聞の「経済教室」で、昨日から「再考・基軸通貨 ドルの行方」
というシリーズが始まりました。といっても、昨日が上、本日が中というこ
となので、明日、下が出て終わりになるのでしょうが‥。

 皆さん、「基軸通貨ドル」と聞いてどんな内容の記事を想像しますか。

 米国は、軍事力とともに経済力でも世界を牛耳っているとお感じにな
るでしょうか、それとも、米国の経済力の衰退を反映し、ドルの威信が
落ちていることを想像されるでしょうか。

 で、昨日寄稿されたエール大学のイマニュエル氏と本日寄稿された日
本戦略研究フォーラムの坂本副理事長は、全く違う見方をされていて、
それが大変興味深かったので少しご紹介します。

 先ず、イマニュエル氏の論文には、こんな見出しがついています。

 「世界システム 多面的に」

 「覇権の維持難しく」

 「崩れる米国経済の優位性」


 もう、これだけの単語で、どのようなことを主張されているのか容易に
想像がつきそうです。

 次に、坂本副理事長の論文ですが、それには、

 「米国軸の資金循環不変」

 「見当たらない代替」

 「伝統的国際収支感変えよ」

 とあります。そうですか、見当たらない代替というわけですから、こちら
の方は、基軸通貨としてのドルの地位は当分変わらないとみているよう
です。


 皆さんは、どちらを支持しますか。

 まあ、私は、基本的にはイマニュエル氏の意見に賛同するのですが、
でも坂本氏の「見当たらない代替」というのも相当に説得力があります。

 ということで、もう少し詳しく見ていきましょう。

 イマニュエル氏は言います。

 第二次大戦から現在までを振り返ると二つの時期に分けることができ
るのではないかと。

 第1期は、1945年から1973年までの間で、第2期が、それ以降現在ま
でということになり、第1期は米国経済が圧倒的な優位を保った時期で
あり、第2期は、簡単に言えば米国の衰退期(相対的な)だということの
ようです。

 そして、今、「米国の経済的な重圧はますます深刻化し、ドルが急落。
世界の標準通貨の地位を失う危険が迫ってきた」としています。

 「米国は、米国債を買い支えた日本、中国、韓国、ノルウェー、中東の
産油国が、いずれ米国債売りを決断するのではと恐れている」とも。


 でも、日本も中国も、ドル安になると自国の輸出が悪影響を受けてし
まうので、そう簡単にドルを売ることもできないのですよね。

 しかし、イマニュエル氏によれば、「米国向け輸出がもたらす利益以上
にドル安で損失を被る可能性が出てくれば、これらの国は損を防ぐため
に、その決断をしなければいけない」といいます。

 まあ、確かにそういわれると‥。

 日本が、急激にドル売りに出る可能性は低いと思いますが、中国や
中東の産油国は、ひょっとしたらいつかの時点で大きく態度を変える可
能性はあると思います。

 それに、対ユーロでのドル安は、既に相当な規模で起きているので
す。我々日本人の多くは、対円で見る癖がついているものですから、ド
ル安が起きていることになかなか気がつかないだけの話なのです。


 こうした見方に真っ向から反対するのが、坂本氏です。

 それは、前述の「見当たらない代替」という理屈です。

 仮に、ドルの地位低下を認めたところで、では、どの通貨が基軸通貨
の役割を演ずることができるのかと。

 そういわれればそうですね。

 GDPの規模で世界第二位の地位にいるのは、この日本ですが、世界
の公的外貨準備に占める割合は極めて限られていますし、貿易決済に
使われる割合も微々たるものです。

 では、ユーロはどうでしょうか。ユーロは世界の公的外貨準備に占め
る割合が、米国の65%に次いで大きい25%とされています。でも、どう
しても欧州中心の地域通貨としての側面が強いといいます。要するに、
世界中で使われているとはまだ言いがたいということのようです。

 それに、坂本氏は言います。

 「基軸通貨は覇権の遅行指標だ」と。

 実は歴史を振り返ると、第一次大戦後に、米国のGDPは、英国の3倍
の規模になったが、その時点でもイギリスは、国際金融では圧倒的な
力を持ち、ポンドは依然基軸通貨の地位を保ち続けたと。

 ドルが基軸通貨の地位に達するには、第二次大戦後まで待たなけれ
ばならなかったと。

 
 そうですね。やっぱり、この議論はすごく説得力があります。


 まあ、そういうことで、ドルが基軸通貨としての地位から一気に滑り落
ちると考えることは現実的ではないように思えます。

 でも、中国などの新興経済の勢力が急速大きくなっています。

 日本のGDPを追い抜くのももはや時間の問題と考えた方がいいと思
います。

 それに、中国の人口が米国の4倍以上もあることから考えると、米国
もうかうかしていられない‥、そんな気がします。

 ドルが基軸通貨でなくなる日が直ぐ来るとは思いませんが、有力通貨
が増える事態になることは容易に想定できます。

 

 円が基軸通貨になる可能性は、殆どないのだなと感じた方は、クリッ
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 でも、有力通貨であり続けて欲しいと思いますよね。

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 志布志事件は冤罪ではないと、あの鳩山大臣が言いました。

 何か深い意味があるのかと思ってみたのですが、「冤罪という言葉
は、全く別の人を逮捕し、服役後に真犯人が現れるなど百パーセントぬ
れぎぬの場合を言い、それ以外の無罪事件にまで冤罪を適用すると、
およそ無罪というのは全部冤罪になってしまうのではないか」ということ
でしたね。

 でも、志布志事件は、そもそも犯罪行為自体がなかったのであって、
従って真犯人が別に現れることもないはずです。

 
 まあ、それはそれとして、経済の分野における冤罪を考えてみたいと
思います。

 「経済と冤罪が関係あるの? 分かった。餃子に農薬を入れたことだ
ね」

 そうではありません。

 バブルを起こしたのは誰か、という問いかけに対し、円高不況を回避
するために金融を大幅に緩和し続けた日銀が悪いといわれることがあ
ります。


 さらに、最近の米国の不動産バブルの発生も、グリーンスパン議長が
金融を緩和しすぎたことが原因だと言われることがあります。

 逆に、速水総裁時代に、ゼロ金利政策を解除したことが、不況を長引
かせた原因だということもありますね。

 このように、経済における冤罪事件(ひょっとしたら、冤罪ではなかも
知りませんが)においては、大抵の場合中央銀行が容疑者となっていま
す。


 昔の話で恐縮ですが、過去の公定歩合の推移を少し探ってみましょ
う。(今は、日本では、公定歩合の制度はなくなっていますので注意して
下さい)

 先ず、オイルショックが起きた1973年当時ですが、4.25%だった公定
歩合が、インフレを抑えるためにどんどんと引き上げられていき、1973
年の12月には、9.00%のピークに達しています。そして、その後また少
しずつ下げられ、1978年3月には3.50%のボトムに達しています。

 そして、次に、プラザ合意があった1985年当時を振り返ると、公定歩
合は、それまでの5.00%から少しずつ引き下げられ、1987年2月には、
2.50%のボトムに達しています。

 まあ、最近、世界的な低金利時代を迎えているせいか、当時、3.5%と
か2.5%がボトムだったと聞いてもピンと来ないかもしれませんが、当時
の感覚からいえば、それらが相当に低水準だったことが思い出されま
す。


 これまた古い話で恐縮ですが、ロクイチ国債という言葉をご存知です
か?

 「知らない」

 まあ、そうでしょうね。でも、中年以上の人なら、知っていると言ってく
れそうです。

 ロクイチというのは、6.1%の金利がついた国債という意味です。

 「金利が6.1%もつくの?私も買いたい」

 そういう人も今なら沢山いるはずです。

 でも、昭和50年代当時、6.1%が異常に低く感じられたことあったので
す。

 なんといっても、公定歩合が9%にまで達した経験があったわけです
から。

 ということで、公定歩合といえども、3.5%とか2.5%というのは、当時と
しては相当に低い水準であり、その意味では、日銀が思い切って金融
を緩和していたことが窺われます。

 でも、それだけで昭和の終わりの時代にバブルが起こったということ
ができるのでしょうか。

 確かに、金融が大幅に緩和されていたために、土地投資や株投資が
行い易い土壌であったことは間違いありません。

 でも、それに加えてというか、それ以上に、我々日本人が強気になっ
ていたことが大きな理由なのです。

 日本はアメリカを追い抜くのではないかと、一瞬思った時期がありまし
た。

 アメリカの不動産を買い捲る日本企業がいました。

 アメリカの時代が終わり、日本の時代の到来だ、などと勝手に思い込
んでしまったのです。それこそが、日本人を傲慢にさせ、バブルを引き
起こした張本人なのです。単に、金利を低く抑えたくらいでそのような現
象を演出することは出来ないのです。

 でも、では、何故それほど日本人は強気になったのか。

 それは、日本からアメリカへの輸出が急増し、日本は債権国になり、
アメリカは債務国になったからです。それにブラックマンデーからの立ち
直りも、日本だけが素早かったからでした。

 で、日本人だけが日本が凄いと思うのではなく、外国人までが日本が
凄いと思うようになると、東京に進出する海外の企業が急増したので
す。当然のことながら、東京の地価は高騰します。で、高騰するから、ま
た土地投資をしようとします。そうすると、さらに土地の値段が上がると
いうからくりです。

 こうしてバブルが起きたわけです。

 金融緩和もそれなりの役割を果たしたかもしれませんが、主役ではあ
りません。

 それと、もう一つ、日銀がバブルの主役になれない理由をお示しした
いと思います。

 それは、中央銀行というのは、マネーサプライを簡単にコントロールす
ることが可能ではないと思われるからです。

 こんなことを言うと、びっくりする人も多いかもしれませんよね。何故な
ら、経済学のテキストブックでは、いとも簡単に中央銀行がマネーサプ
ライをコントロールすることを前提としているからです。

 そして、その上で、金融政策の効果を説明していますよね。

 でも、金融政策の効果を論ずる前に、本当にマネーサプライのコント
ロールがそれほど簡単に出来るものかどうかを論じる必要があるので
す。

 「日銀が、買いオペをどんどん実行したら、マネーサプライはいくらで
も増加するのじゃないの?」

 そうですね。日銀が、市中銀行の保有する国債や手形を買い取り、そ
の見返りに通貨を放出すれば、市場に出回る通貨は取り敢えず増える
ように思えます。

 でも、本当にマネーサプライが増えるのでしょうか。

 問題は、そのようにして流動性が潤沢になった市中銀行が、その資
金を融資に回し、そして、その融資を受けた企業がそれを仕入れの資
金などに使い、そして、そうして獲得された代金が、また銀行に預金と
して預けられ‥というような現象が伴わない限り、マネーサプライは増
加しないのです。

 また、反対に言えば、日銀が買いオペを実施しなくても、市中銀行の
融資態度が緩やかになり、実体経済が活発化すれば、自ずからマネー
サプライは増加していくのです。

 マネーサプライというように「サプライ」という言葉がついているので、
あくまでも中央銀行が供給しているようなイメージが伴いますが、実際
は、そうではないのです。

 
 バブルの発生と逆の現象も起こりました。
 今度はデフレの発生です。

 で、デフレからの脱却を目指し、ゼロ金利政策や量的緩和政策が実
施されたのですが、マネーサプライを大きく増やすことは不可能でした。


 このことも、中央銀行がマネーサプライを管理することが如何に難し
いかを物語っています。


 でも、世の中には、悪いのは日銀だという人がいるのも事実です。

 もう直ぐ、日銀総裁が交替します。

 現在の福井総裁は、2003年3月に就任したので、通算5年間務めたこ
とになるのでしょうが、途中、村上ファンドへの出資問題などが発覚し、
評判が落ちたこともありましたが、就任時には、海外のマスコミがべた
褒めしたのも事実です。

 それは、その前の速水総裁が、余りのも頑なな態度を取り続けたから
かもしれません。

 ゼロ金利以上に金利が下げようがないのに、それ以上金融を緩和し
ても意味がないではないかという考えでした。

 で、速水さんも、私から言えば、濡れ衣を着せられたような格好になっ
ていました。だから、柔軟で常識的な雰囲気な福井さんが歓迎されたの
でした。

 
 もう直ぐ、次の総裁が決まろうとしています。

 でも、どなたが総裁になろうと、実体経済にそれほどの影響を与える
ことはないかもしれません、もし、皆が中央銀行の機能の限界を分かっ
ているのであれば。

 

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 殺虫剤入りの餃子ですが、まだ事件の真相は明らかになっていませ
ん。

 まあ、多くの人の想像は、多分一致していると思うのですが‥


 
 ところで、今回の事件をきっかけとしてテレビで盛んに報道されたこと
は、日本の食料自給率が如何に低いかということでしたね。

 こんなことで国家の独立が保てるのかと。

 確かに、私も日本はもっと理想的な稲作をしないといけないと考えて
いるので、少しは同意できるところもあるのですが、でも、基本的には、
海外の農作物や食料品が安いから日本に入ってくるだけの話なので
す。

 今は、一時的なチャイナ離れが起きていると思うのですが、中国製食
品の安全性が高まるにつれ、また、中国製がスーパーの陳列台を占領
するようになると思うのです。

 だって、お金のない人からみたら、やっぱり安いに越したことはないか
らです。

 いくら有識者とおぼしき人々が、食料の自給率を高めようと訴えたとこ
ろで、国が法律でも作って輸入を制限しない限り、安い海外製品の流入
をとめることはできないのです。

 それに、仮に、政府が輸入制限のようなことをすれば、日本は、世界
中から袋叩きに合うのは必至でしょう。それでも、制限、やりますか?と
なります。


 「じゃあ、食料の自給率がこれ以上低下してもいいというの?」

 そう、改まって聞かれると困るのですが、なかなかいい知恵もないとい
うことですね。

 それに食料自給率を時々口にする農水省がやったことといえば、あ
の恵みの海だった諫早湾の干拓ですから、「食料自給率」という錦の御
旗にも簡単に乗れない気がします。

 

 まあ、それはそれとして、皆さんの中にも中国製品を見たくないという
人が多いかと思うのですが‥、そんなこと心配する必要がなくなる可能
性があります。

 「どういうことよ?」

 皆さん、中国製をどうして買うのですか?

 中国が好きだからですか? 安いからですか?

 そうです。安いから買うだけの話ですよね。

 では、もし、高くなったらどうですか?日本製と同じ程度の価格水準に
なったら。

 そしたら、断然国産を買うよという人が多いと思います。


 皆さん、中国から安いものを買うことができるのを、当然だと思っては
いけません。

 何故安く買えるか?

 「品質管理がいい加減だからだ」

 まあ、中国が嫌いの人は、そういう風に悪く考えるかもしれませんが、
最大の理由は、中国の人たちが安い賃金で我慢してくれているからで
す。


 同じ時間一生懸命働いても、我々日本人や、欧米人よりもはるかに安
い給料しかもらっていないのです。

 そう考えると、感謝しないといけないのですね。


 それに‥

 「それに、何?」

 中国の経済成長は目覚しく、それともに中国の1人当りの所得水準も
急激に上昇しています。物価も上がっています。

 中国の1月の卸売物価は、前年同月比6.1%も上昇しているのです。

 まあ、その背景には、人民元レートの上昇率をマイルドなものに抑え
るために政府が大規模なの為替介入を行っている結果、過剰流動性
の発生が生じていることがあるのですが、それと同時に、中国経済が
オリンピックブームなどもあり過熱化していることもあります。

 我が国のGDPは、依然アメリカに次ぎ世界第二位ですが、その世界
全体に占めるシェアは、1割を切っています。その日本と比べ10倍の人
口を誇る中国が、GDPで日本を追い越すのも時間の問題と言ってよい
でしょう。だって、仮にそうなっても、1人当たりでは、まだ、日本の1/10で
すからね。

  いずれにしても、これから先も中国の経済発展が予想されるのです
が、そうなると何時までも中国が安い価格の食料品を我が国に輸出し
てくれる保証はないのです。

 中国だって、豊かになるにつれ、食生活も贅沢になるはずです。当
然、農産物の価格も上がっていくことでしょう。


 中国製など見たくはないという願いは、ひょっとしたら大変贅沢なこと
かもしれません。


 そんな先のことも考えるのが政治家の仕事ではないのでしょうか。


 それでも当分は中国製は買いたくないなと思いつつ、中華料理をよく
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