経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2008年06月

 そろそろ消費税の引き上げを議論する時期に来ている、というような
論調が多くなってきました。

 昔は、増税の話といえば、大蔵省(現財務省)が仕掛けるのが当然で
したが、最近では、事情が変わっています。

 そのことお気づきですよね。

 最近の官僚は、増税をお願いしますとは言わないのです。

 その代わり、政治家が増税の必要性を訴えます。勿論、増税を否定
する政治家も多いのですが‥。

 でも、どうして官僚は声高に叫ばなくなったのでしょうか?

 それはもうお分かりですよね。

 いろいろと不祥事もありましたし、その結果、名前まで変えられてしま
いました、財務省に。

 それに、余り増税増税と叫べば、却って逆効果になることを学んだの
でしたね。

 だって、官僚の言い分を聞いて消費税の引き上げを行った橋本総理
は、それ以降ボロクソに言われる羽目に陥りましたし‥。

 むしろ、黙っていた方が、却って有識者や国民が心配して、自然と増
税路線が出来上がるのではないかと、思っているのでしょう。


 で、増税路線を正々堂々と主張しているのが、あの与謝野さん。

 そして、それに反対するのが、上げ潮路線の中川氏。

 私、個人的には与謝野さんに共感を覚えるのですが、では消費税を
引き上げるべきかとなると、はなはだ疑問なのです。


 よく、年金や医療費の議論になると、「若い世代が負担するか、高齢
者が負担するかの、どっちかだ」というような一見もっともらしい意見が
聞かれます。

 後期高齢者医療制度の問題では、福田総理は、「見直すといっても、
若い人たちは、本当にそれでいいの?」と、若い人の負担が急増するこ
とをほのめかしました。

 そんなことを言われると、若い人も困ってしまいます。

 後期高齢者の医療保険制度には賛成できないが、さればとて、自分
たち若者が、もっと負担することなんてできないよ、と。


 でもねー、皆さん。

 この議論の立て方が間違っているのです。

 というか、騙されちゃっているのですよね。

 税金や保険料の負担は、若者でもなく、年寄りでもない人でも負担で
きるのです。

 「若くもなく、年寄りでもない?」

 つまり法人ということです。

 法人は、法人税を支払いますよね。

 でも、いつのころか、法人税を軽くするのが世界の流れになっていま
す。

 それに、お金持ちの所得税が軽くなったのも世界の流れです。

 ということは、法人税を少し上げるとか、所得税の累進税率を少し戻
せば、税収は上がるのです。

 しかし、そういう意見は殆ど聞かれません。

 何故でしょうか。

 それは、多くの政治家が、企業やお金持ちの味方になってしまったか
らです。

 舛添大臣は「お金は天から降ってこない」と言います。

 確かに、お金は天から降ってきません。誰かが負担する必要がありま
す。

 でも、保険料や税金の増加分を、高齢者でも若者でもない法人が負
担することもできるのです。

 しかし、そういう選択肢ははなからないような雰囲気になっているので
す。

 ですから、私は、与謝野さんの意見には賛成できないのです。

 日本の企業が、海外勢に比べ競争力をなくしているのならともなく、恒
常的な貿易黒字を続けておりながら、なお法人税を下げるという論理が
分からないのです。

 
 それはそうと、ロビンフッド税という構想があるといいます。

 貴方は、支持しますか?

 「何、それ?」

 実は、イタリア政府が、最近の原油高や食料品高に対処するために
出したアイデアだといいます。

 強気をくじき弱きを助ける義賊のロビンフッドというイメージでしょう
か。日本なら、ねずみ小僧税とでも名づけられるかもしれません。

 石油の値上がりで儲かっている石油会社に増税して、それを財源に、
国民には食料・電気代の割引券を配ると言います。

 「それ、いいじゃん」

 そうですね、食料高やガソリン価格のとどまるところを知らない上昇に
困惑している国民にとっては、まさに恵みの雨と言えるでしょう。

 でも‥

 「何か、問題でもあるの?」

 これで、本当の解決に結びつくのでしょうか。

 まあ、一時的な措置としてなら分からないでもないのですが‥。

 「どういうこと?」

 そんなことをして、ガソリン価格は、どうなるのでしょう?

 もし、そのロビンフッド税の構想が、ガソリン代の割引券を配ることも
含んでいたとしたら‥

 「したら?」

 ガソリン価格が上がっても、全然困らない国民は、これまで以上にガソ
リンを消費してしまうかもしれません。

 そうなると、ガソリン価格は益々上がります。

 「でも、割引券があるからいいじゃない」

 確かに、割引券を貰えるとすれば、痛みは和らぐでしょう。

 しかし、割引券を配った分、誰かがその負担をすることになるのです。

 「それは、儲かっている石油会社が負担するだけだから‥」

 表面的にはそうです。でも、もし、石油会社が新たな税金を課された
ら、それをガソリン価格に上乗せする動きに出ることが予想されます。

 で、通常は、ガソリン価格が上がると、消費者はガソリンの消費を抑
制しようとすることも予想されますので、そうした場合には、値上げもま
まならないかもしれません。

 でも、割引券を配給されると、消費者はガソリン価格の値上げを簡単
に受け入れてしまう可能性があります。

 ということで、割引券の財源は、実質的には社会全体として負担する
ことになるのです。

 結局、ロビンフッド税も、形式的にはは石油会社に課せられるのです
が、実質的な負担者は社会全体ということになり、その分、他への支出
が抑制されてしまうことになるのです。

 一瞬国民の生活を楽にすると思えたロビンフッド税も、長期的にみる
と、何の役にも立たないのです。

 それどころか、ガソリン価格をもっと引き上げることになり、石油価格
が高騰することに賭けていた投機家を儲けさせるだけなのです。


 フランスのサルコジ大統領もガソリン税減税を提唱しています。

 米国のマケイン大統領候補も、ガソリン税の一時軽減を提案していま
す。

 でも、そうした動きが広まると、益々原油価格は高騰します。

 

 でも、やっぱしロビンフッド税は魅力的に見えるな、と思った方、クリ
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 日曜の午前中は、どうしてもテレビを観てしまいます。

 食肉偽装、北朝鮮の拉致問題、原油価格、洞爺湖サミット等、いろい
ろと知りたいことが多いからでしょうか。


 でも、知識人と思われている人の言うことは、イマイチです。

 それに、テレビ局はいろいろ突っ込みますが、こうした問題にテレビ局
自身どれほど真剣に向き合っているかといえば、はななだ疑問に思わ
れます。


 「2050年までに温室効果ガスを60−80%も削減するという福田総理
は、拘りすぎているのではないか」とエコノミストが指摘します。

 確かに、これまでの実績からすれば、その目標が如何に野心的なも
のかは分かります。

 町村官房長官も言います。

 「そうした目標を達成するには、技術革新が必要であろう」と。

 竹中教授は、福田総理は頑張っているとよいしょします。

 で、それだけで地球温暖化問題の議論は終わりで、次のテーマに移り
ます。

 しかし、これでは温暖化の意味が分かっていないとしか思えません。

 地球温暖化とは、南太平洋上にある島々が海面下に沈むだけではな
く、異常気象により熱波や大雨による洪水が頻発し、我々の生活が危
機に瀕してしまうこと、さらには生態系の破壊を意味しているのです。

 だから、真剣にその対策に取り組まないと手遅れになってしまうので
す。

 そんなことを考えると、どうしても満足できません。


 地球温暖化の話の次は、ガソリン価格の高騰です。

 価格高騰の原因は何か。

 需要が増えているためか、投機によるものか。

 竹中教授は言います。

 「供給を増やさないといけない。産油国に働きかけるべきだ」

 でも、商売というのは、皆儲けるためにやっているので、いくら消費国
からの働きかけがあっても損になるようなことをするはずがありません。

 それに、他の多くの知識人もそうですが、原油価格の高騰の話をする
ときには、地球温暖化の問題は完全にどっかにすっとんでしまっている
のですよね。

 竹中教授が言うように、もし、原油の生産が増加すれば、価格は落ち
着くと思われますが、そうなると温暖化は一層加速します。

 それについてはどのように考えるのでしょうか。

 そんなことを思いつつ、チャンネルを変えると、TBSでは、諫早湾の問
題を解説していました。

 先週、諫早湾の潮受け堤防の開門を命ずる判決が出ました。

 数千億円もかけ、魚や貝が生息できないような環境を作り出しただけ
の事業で、判決の内容は至極当然であると考えます。

 でも、やっぱりテレビ局の認識は薄いのです。

 諫早湾の問題を取り上げ、それを解りやすく視聴者に伝えるために敢
えて手作りのフリップ等で説明したのですが、有明海に生息する「タイラ
ギ」の絵が、どうみてもアサリやはまぐりにしか見えませんでした。

 タイラギと聞いて、すぐピンと来る人など、地元の人以外では殆どいな
いでしょうが、でもいい加減な資料を作ってはいけません。

 タイラギの貝柱は、帆立貝によく似ています。でも、貝殻の形は、随分
違っているのですよね。

 サンデープロジェクトでは、廃止になった独立行政法人の緑資源機構
を扱っていましたが、これも農水省が如何にいい加減かを証明していま
した。


 
 それにしても、橋元内閣の行政改革で特殊法人が独立行政法人へと
衣替えをしましたが、どうしてだか分かりますか?

 これ、英国のマネをしただけなのですよね。

 で、マネをするならいいところを取り入れればいいと思うのですが、結
局、みせかけの民営化に終わっていて、お役人天国は安泰なのです。


 こんなことをしているから、日本の国力は疲弊してしまい、そして民営
化を実行した英国からはバカにされてしまうのですよね。



 日曜日の午前中は、テレビを観てしまうという方は、クリックをお願い
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 ブッシュ大統領が、北朝鮮をテロ支援国のリストから外すと言っていま
す。

 拉致被害者家族は、裏切られた思いだと言っていましたが、ブッシュ
大統領が拉致について、どのように述べているか確認してみましょう。

 

 The six-party process has shed light on a number

of issues of serious concern to the United States

and the international community.

 「6カ国協議の進展は、米国及び国際社会にとってのいくつかの深刻
な問題に光明を与えている」


 To end its isolation, North Korea must address

these concerns.

 「孤立化を終わらせるために、北朝鮮は、これらの問題に取り組まな
ければならない」

 It must dismantle all of its nuclear facilities,

give up its separated plutonium, resolve outstanding

questions on its highly enriched uranium and

proliferation activities, and end these activities

 in a way that we can fully verify.

 「北朝鮮は核施設の全てを廃棄し、また、プルトニウムも放棄し、そし
て、濃縮ウラン及び核拡散活動について投げかけられている懸念を解
消し、さらに、これらの活動を、我々が十分検証可能な方法で、終息さ
せなければならない」


 North Korea must also meet other obligations it

has undertaken in the six-party talks.

 「北朝鮮は、6カ国協議で受け入れた他の義務についても、実行しな
ければならない」

 The United States will never forget the abduction

of Japanese citizens by the North Koreans.

 「米国は、北朝鮮によって行われた日本人の拉致を決して忘れること
はない」


 We will continue to closely cooperate and coordinate

with Japan and press North Korea to swiftly resolve

the abduction issue.

 「我々は、引き続き日本と緊密に協力し合って、北朝鮮が拉致問題
を速やかに解決するように圧力をかける」


 確かに、ブッシュ大統領は、同盟国、日本の立場に配慮して、意識し
て発言しているようです。

 でも、中身がないのですよね、中身が。

 どうでしょう、日本と北朝鮮が直接交渉しても、なかなか本音で話しに
くいこともあるので、ここは米国が拉致問題解決のための特使を北朝鮮
に派遣する、くらいのことを言ってくれないものでしょうか。

 もし、そうであれば、拉致被害者の家族の人々も、少しは救われると
いうものです。

 でも、そうした中身もなしに、単に、「忘れることはない」とか、「北朝鮮
に圧力をかける」というだけでは‥。


 ブッシュ大統領は、記者からの質問に応えて、再び、拉致問題につい
て触れています。



 The other thing I want to assure our friends in

Japan is that this process will not leave behind --

leave them behind on the abduction issue.

 「日本の友人に断言しておきたいことは、この決定により拉致問題を
置き去りにしないということである」

 The United States takes the abduction issue very

seriously.

 「米国は、拉致問題を大変深刻に受け止めている」

 We expect the North Koreans to solve this issue

in a positive way for the Japanese.

 「我々は、北朝鮮がこの問題を、日本人にとって肯定的な方法で解決
することを期待する」

 There's a lot of folks in Japan that are deeply

concerned about what took place.

 「日本には、何が起きたかについて深く関心を有している人々が多く
いる」


 I remember meeting a mother of a child who was

abducted by the North Koreans right here in

the Oval Office.

 「私は、北朝鮮によって拉致されたある子どものお母さんに、この執務
室で会ったのを憶えている」

 It was a heart-wrenching moment to listen to

the mother talk about what it was like to lose

her daughter.

 「そのお母さんは、娘を失うことがどんなものかについて話をしたが、
それを聞くのは、悲痛なひとときであった」

 And it is important for the Japanese people

to know that the United States will not abandon

our strong ally and friend when it comes to

helping resolve that issue.

 「そして、その問題を解決するために何か支援するということについて
は、米国は、自分たちの強力な同盟国でありまた友人である日本を決
して見捨てることはしないということを、日本の人々が知ってくれること
が重要である」


 ブッシュ大統領は、早紀江さんとの会見だけは、どうも憶えているよう
ですね。

 でも、大統領が言及するのは、a motherです。

 決して、固有名詞の早紀江さんではありません。

 the mother でもありません。

 a mother

 この言葉には、「アメリカの国民は知らないだろうが、私は、あるお母さ
んにあったのだよ」というニュアンスがあります。

 やっぱり、アメリカの認識は低いのです。

 
 アメリカの認識が低いなら、認識を高める方法があります。

 それは思いやり予算を削ることです。

 削れれるのが嫌なら、それなりの態度を行動で示してよと、アメリカに
迫ることが必要です。


 拉致問題を解決するぞ、という堅い決意が必要だと思います。その上
で、いろいろなアイデアが浮かんでくるのではないでしょうか。そう、思う
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 ブッシュ大統領が、福田総理と電話で協議をしたとか。

 信じられません。

 総理の名前を覚えてもいないと思われるブッシュ大統領が、協議をす
るなどとは。

 でも、新聞記事になるくらいですから、電話をしたのは事実なのでしょ
う。

 本日の日経新聞は、一面で、「米大統領「拉致忘れぬ」」と報じていま
す。

 「自分は拉致問題を決して忘れない。日本の懸念は十分理解しており
引き続き緊密に協力していきたい」


 そのような台詞は以前にも聞いたことありますよね。

 「決して忘れない」

 でも、正直言って、忘れてもらっても結構なのです。しかし、その前に
やるべきことをやって下さい。

 逆に、何にも協力してくれずに、いつまでも「忘れない」と言われても
何の役にも立ちません。


 そもそも、日本では新聞の1面の記事になるくらいのニュースなので
すが、ホワイトハウスのホームページを訪れても、この大統領と総理の
電話協議のことなどどこにも出てきません。

 この新聞記事によれば、ペリーノ報道官が、電話協議を発表したとあ
るのですが、ペリーノ報道官のブリーフィングの模様をチェックしても、そ
んなことは見つかりませんでした。

 ペリーノ報道官の記者会見の模様をみると、先ずはジンバブエの件
ばかり質問されていましたし、次には、イスラエルが米国に、イランを攻
撃するようけしかけているのではないか、というような質問。

 北朝鮮のことについても記者が質問していますが、それも、テロ支援
国家の指定解除の件ばかりです。

 拉致のことなど誰も質問していません。

 やっぱり、米国人の認識は、この程度なのですよね。

 だから、そもそも拉致問題を解決するために米国の手を借りようとす
る態度が間違っているのです。


 拉致は、日本人の手で解決する、そういう堅い決意が必要です。

 でも、北朝鮮は、ついこの間までは、「拉致問題は解決済みだ」という
態度を取っていました。

 その北朝鮮が、態度を軟化させることがあるのでしょうか。

 ここは冷静に、過去を振り返ることから始めなければいけません。


 そもそも、これほど頑なな北朝鮮が、今から6年ほど前の2002年9月、
平壌を訪問した小泉首相に対し、日本人13人を拉致したことを認め、し
かも、2002年10月15日に5人の帰国が実現したのは何故なのでしょう
か。

 これは、日本と北朝鮮の間で、ある合意ができたからです。

 北朝鮮は、拉致を認め、何人かを日本に戻す。そして、日本は、北朝
鮮に対し経済支援を行う。


 ところが、そもそも一時帰国であったはずの5人が、北朝鮮に戻ること
がなかった他、それ以外にも拉致被害者がいるはずだということで大騒
ぎになり、そして約束のはずの経済支援が実行されなかったことから、
北朝鮮は梯子を外された気持ちでいるのです。

 悪いのは、北朝鮮です。

 しかし、変な期待を持たせたものの、日本国内の世論に配慮し何の
約束も実行できなかった日本側にも問題があるのです。

 理由は何であるか分かりませんが、どうしても返せない理由があるの
でしょう。

 それに、一旦解決済みと言った手前、まだ被害者がいることを認めれ
ば、北朝鮮は嘘を重ねたことを認めることになってしまいます。

 だから、そこに問題解決の障害が発生します。

 
 ですから、発想を変えないといけません。

 我々は、もはや拉致被害者の返還を求めないことにしましょう。

 その代わり、日本人拉致被害者の家族の気持ちをなぐさめるため
に、北朝鮮から養子を受け入れることにしましょう。或いは単なる留学
生としてでも結構です。

 しかも、その養子は、拉致された被害者と容姿が似ていても全然構い
ません。というか、まったく瓜二つでないといけないのですが。

 で、養子受け入れに協力してくれる北朝鮮へは、感謝の気持ちとし
て、1人当り1億円を贈ることにしましょう。場合によっては、もう少し高く
てもその要望を受け入れましょう

 私が考えていることがどういうことかわかりますよね。

 この方法によれば、北朝鮮側の障害は大部分が取り除かれるでしょ
う。

 北朝鮮の言っていた「拉致問題は解決済みだ」という発言は、何も撤
回する必要がないのですから。

 それに、北朝鮮は、経済的対価を得ることができます。

 そして、日本側も、拉致された家族を取り戻すことができます。

 こういうアイデアでも考えないと、決して拉致問題は解決することはな
いと思います。


 「拉致被害者を取り戻すのにお金を支払うなんてもってのほかだ」とい
う人がいるのは分かっています。

 でも、日本は、国際間の紛争を武力の行使で解決することができませ
ん。

 日本の力は経済力だけです。

 だからやむなくお金で解決しようと言っているのです。

 そうしないと、拉致された人たちも、そしてその家族も、皆歳をとって
しまいます。

 

 何でもいいから、拉致問題を一刻も早く解決すべきだ、と思う方は、
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 暫くご無沙汰していました。

 それにしてもよく雨が降ります。

 これ、九州地方の話です。

 まあ、梅雨なのですからしょうがないとも言えますが。

 ところで、桜前線とは異なり、田植えは、確か北の方から始まり、南の
方へ移っていくのですよね。

 東北地方は、九州などよりも早く秋が訪れ、涼しくなってしまうので、
早く田植えをしないと、実る前に寒くなってしまうのです。

 その反対に、九州の方では、最近は、秋になっても温暖化の影響でな
かなか涼しくなりません。

 しかし、稲刈りの時期が近づいても暑い天候が続くと、稲の品質に影
響を及ぼしてしまいます。何でも、水晶のように透き通った米にならない
とか。

 だから、田植えの時期を遅らせるのです。

 その九州地方でも、田植えが始まりました。

 私は、たまたま田舎に帰り、近所の田んぼで田植えが行われている
のを見てきました。

 近所の田んぼというのは、緩やかな傾斜地に作られたもので、棚田と
いうほどではないのですが、緩やかな段々になっており、上の方から水
が流れる仕組みになっています。

 そして、その水は湧き水が流れてきているのです。

 気持ちいいですよ。

 しかし、最近、ちょっとした農道まで舗装されたこともあって、めっきり
蛙の姿を見なくなり、落胆していたのですが、嬉しいことがありました。

 まだ、田植えは完全に済んではいないのですが、早く植えられた田ん
ぼを注意深く覗き込むと、なんと小さな茶色っぽいお玉じゃくしが沢山い
たのです。

 タニシもいますし、ミジンコも沸いているようです。赤虫もいました。

 この調子だと、暫くすると蛙だらけになって、騒々しいことになるので
はないかと。

 生き物がいっぱい棲息する水田とは、なんとありがたいものでしょう。

 でも、このままだと、ひょっとしたら害虫が発生するかも‥、などと想像
しました。でも、そのときは、この夥しい数の蛙がみんな平らげてくれる
でしょう。めでたし、めでたし‥


 まあ、それはそうと、農家の人々が一株ずつ田植えをしていることを
考えると、これではとても生産性を上げるのは無理だなと感じました。

 でも、それでも農家の人たちは、黙々と田植えを行います。

 決してたいした利益には繋がらないのを知っているのにです。


 アダムスミス以来の経済学者の多くは、人間は、私利私欲に従って行
動することを前提としています。

 少しでも利益を大きくするために、企業は行動するのだと。

 でも、日本の農家は、

 「そんなの関係ない、そんなの関係ない‥」

 とばかりに、黙々と苗を植えます。

 
 
 日本で獲れたおコメは、農家の人が愚直にも苗を一株一株植えて作
っている。

 遺伝子組み換えなど行っていない。
 
 自然の摂理を重んじた農法だ。

 お陰で、水田には生き物がいっぱい集まってくる。


 このように日本のおコメを世界に紹介し、ブランド米にしてしまいましょ
う。

 きっと、世界中が日本のおコメの虜になる日が来るでしょう。


 
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 地球温暖化が異常気象をもたらすことは、あのノーベル賞を受賞した
IPCCが明らかにしていますが、この度、アメリカ政府自身が、温暖化と
異常気象の関係を明らかにしました。

 それにしても、アイオワやミズーリーなどアメリカ中西部の水害は酷い
ものです。

 大統領も現地を訪れていますが‥

 でも、それよりも日本自身も毎日、大雨を心配しています。

 で、温暖化はどのような異常気象をもたらすというのでしょうか。

 ・熱波が起こる頻度が増加。
 ・大雨や洪水が、より強烈になる。
 ・ハリケーンがより大型化する。
 ・旱魃や山火事がより大規模になる。

 
 大雨が降るのに旱魃になるのか?と思う人もいるかもしれませんが、
次のような仕組みになっているのです。

 石油や石炭の消費量が増加することによって、大気中の二酸化炭素
の濃度が濃くなります。

 そして、そのことにより大気の温度が上昇すると、大気中の水蒸気の
量が増え、それが大雨に結びつく。

 同時に、内陸部で大気の温度が上昇すると、それは旱魃につなが
る。

 結果として、降雨日数は、平均すれば減少すると見込まれるが、1回
当りの降雨量は増大するということのようです。

 
 地球温暖化に最初に警鐘を鳴らしたのは、NASAの気象学者である
ハンセン博士です。

 1988年6月に議会証言をして、来週で20年になるといいます。

 博士は言います。

 The next President and Congress must define

a course next year in which the United States

exerts leadership commensurate with our

responsibility for the present dangerous situation.

 この現下の危機的状況に対し、次の大統領と議会は、どうやってアメリ
カがリーダーシップをとるのかはっきりさせなければいけない、と言って
いるのですね。


 アメリカの中西部が水浸しになり、国民があれだけ嘆き悲しんでいる
というのに次の大統領まで待たなくてはいけないなんて‥、それで間に
合うのでしょうか。


 地球温暖化の影響を認識しつつ、しかし、有効な対策をとろうとしない
のは、どうしてだろうと思った方、クリックをお願いします。
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 イカ釣り漁師の操業停止を、テレビは今日も紹介しています。

 漁師さんたちにとっては気の毒なことです。

 でも、テレビに出てくるのコメンテーターの発言は、どうしてイマイチな
のでしょうか。

 大和田獏さんの番組に、北野武様のおにいちゃんが出ています。 

 北野大(まさる)さんですね。

 この人、武様と違い、見るからに人が良さそうです。

 でも、だからこそ、間違ったことを言ってもらうと、困ってしまうのです
よね。

 まさるさんは言いました。

 「魚市場で競をするときに、最低価格を決められないものか」

 つまり、猟師さんたちが赤字にならないように、イカの値段を規制して
はと言うのです。

 まあ、日本中のみんながそれでいいというのであれば、可能かもしれ
ません。

 でも、重油が値上がりした分が価格に上乗せされることになると、イカ
を食べる人が急減します。

 「今日は、イカではなく、タコにしよう」と。

 そうすると、魚売り場には、売れ残りのイカでいっぱいになってしまい
ます。

 で、結局、猟師さんたちの生活は改善しないのです。

 では、どうしたらいいのでしょうか。

 一番簡単な解決策は、重油の価格がまた元のように戻ってくれること
です。

 でも、それは大変難しいような‥。

 「ブッシュ大統領は、アメリカの原油の生産能力を拡大すると言ってい
るよ」

 何か、海の向こうで言っていますね。

 沖合いの海底油田開発の規制を解除すべきだと。

 でも、仮にブッシュ大統領の願いを議会が認めたとしても、実際に石
油が生産されるようになるには10年もかかるといいます。

 イカ釣り漁師さんたちは、そんなには待てないでしょう。


 それに、石油の生産量が増大することは、地球温暖化を加速させてし
まうので適切な選択肢とは言えないのです。

 では、どうするか。

 そうです。アメリカの国民がもっと石油を大切に使ってくれればいいの
です。無駄遣いしないことです。

 真冬に、暖房をガンガン利かせて、そして、部屋の中で半そでで過ご
すようなことをしない。

 だいたい、日本なんかと比べたら、そしてヨーロッパと比べたら遥かに
安いガソリンを使っておきながら、1ガロン4ドル位になったからと言っ
て、大騒ぎしないで欲しい。

 もし、アメリカがガソリンにかかる税金をヨーロッパ並みに引き上げた
らどうなるでしょう。

 アメリカの原油需要が大幅に減少し、それによって世界の原油価格
は低下するものと思われます。

 いいですね。日本のイカ釣り漁師さんも、ヨーロッパのトラック運転手
も大助かりです。

 ただ、イカ釣り漁師さんも、自分たちでできる努力はする必要がある
のではないでしょうか。

 これまでのイカ釣り漁船は、余りにも重油を沢山消費する仕組みにな
っていますよね。

 松明を焚く漁火ならともかく、イカ釣り漁船の電球は明るすぎます。

 それに、無駄に明るい気もします。

 イカを集めるためなら、光が海面に向いてさえいればいいのですよ
ね。

 だから、重油価格の高騰の影響をもろに受けてしまうのです。


 どうでしょう。

 漁火として用いられる裸電球からLEDに取り替えたりしてみては‥

 「でも、船の改修にお金がかかるから‥」

 そこは、政府の出番ということになります。


 他にも方法はあります。

 それはイカの価格を上げることに努力するのです。

 「でも、イカが高くなると他の魚を食べるのでしょ?」

 だから、美味しいイカの食べ方を外国人に教えて、イカの需要を増加
させればいいのです。

 別に、日本だけをマーケットとするのではなく‥。

 そうすると、国内ではイカが品薄になり、価格は高騰。重油がどれだ
け上がっても、漁師さんは安泰です。

 「でも、それじゃ、国民が困ってしまうよ!」

 でも、お魚は種類が豊富です。

 偶にイカを食べると、もっと美味しく感じるでしょうし。

 

 ガソリン価格の高騰も困るけど、水産資源が減少していることがもっと
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 6月17日付け日経新聞「経済教室」にエール大学の浜田宏一教授が
寄稿しています。


 「米金融当局の対症療法はやむをえず」

 「90年代の極端な引き締め策、日銀は反省を」

 浜田氏は、現在の世界経済の状況を「景気の下ブレと、石油、食料
価格の上昇という上ブレとの間でサンドイッチ状態になってしまってい
る」と分析し、その上で、上に述べたような判断に立っているのです。


 先ず、アメリカについて考えてみましょう。

 アメリカでは、ご承知のようにインフレ圧力が強まっています。それ
は、弱いドルも手伝って原油高がとまらず、また、穀物価格の高騰も続
いているからです。

 本来であれば、インフレ対策に踏み切りたいところでしょうが、他方で
は金融不安が収まっておらず、また、景気回復も遅れるのでないかと思
われるなか、利上げに転じることは難しいのです。

 では次に、1990年代の日銀の極端な引き締め策とは何を指すのでし
ょうか。

 「1990年はじめの株価急落から2年過ぎ、地価も下降に転じようとして
いた92−93年、日銀は依然、極端な金融引き締めを続けていた。上図
をみると、マネーサプライ(M2+CD)の増加率の劇的な縮小が鮮明で
ある。その結果、資産価格の暴落が続き、日本の金融仲介は破綻す
る」

 以上のような評価を浜田教授は行っているのです。

 皆さんの感想は如何でしょうか。

 昔を思い出してみましょう。

 1989年末に、日経平均はピークをうち、そして、1991年頃から、どうも
流れが変わったという雰囲気になりました。

 株価の低下が止まりません。それに不動産業界がおかしくなり始めま
した。

 「まだ、払っているの?」

 それが業界の挨拶になりました。

 銀行から借りたお金の利子をまだ払い続けているのかということです
ね。


 で、浜田氏は、その後1年も2年も、日銀が極端な金融引き締めを続け
ていたというのです。

 でも、1992年ごろといえば、銀行の不動産融資が急激に不良債権化
し始めた時期です。

 そんなときに、まだ金融を引き締めていたのでしょうか。

 確かに、マネーサプライの伸び率は、1990年当時の前年比10%を超
える伸びから1992年ごろには、0%前後の伸びまでに急落しています。

 でも、これは何も日銀が、引き締めを行った結果ではないのです。

 当時の金融政策の目標値であった公定歩合の推移をみてみましょ
う。

 
 <公定歩合の推移>


1989.5    3.25
1989.10   3.75
1989.12   4.25
1990.3    5.25
1990.8    6.00
1991.7    5.50
1991.11   5.00
1991.12   4.50
1992.4    3.75
1992.7    3.25
1993.2    2.50
1993.9    1.75

 公定歩合は、以上のように1990年8月に6%とピークを打ちますが、
1991年7月には緩和に転じ、その後、着実に公定歩合は引き下げられ
ていったのです。

 浜田氏が指摘する92年〜93年当時は、3%台から2%台、そして1%
台へと、かつてない水準まで引き下げられているのです。

 なのに、どうして「依然、極端な引き締めを続けていた」などと評する
のでしょうか。

 ここに、リフレ派特有の誤解が生じているように思われます。


 誤解とは何でしょう。

 つまり、

 マネーサプライは、中央銀行が管理するものである。
      ↓↓↓
 マネーサプライの伸びが急速に落ち込んでいるのは、中央銀行が金
融を引き締めているからだ。

 以上のような考え方をしているのでしょう。


 しかし、マネーサプライの伸び率が、このように急速に落ち込んだの
は、銀行の融資が不良債権化し、そのため、貸出金の償却と融資先企
業の預金の減少とが同時に起こったからです。

 マネーサプライは、現金通貨と預金からなりますが、その預金が増え
なかったことが最大の理由なのです。

 でも、誤解をする人は、マネーサプライの元になるマネタリーベースを
増やせば、どれだけでもマネーサプライは増えるのではないかと、考え
てしまうのです。

 経済学のテキストをよく読んでいる人は、

 1ドルのマネタリーベースの追加があれば、それに信用乗数を乗じた
額のマネーサプライが追加されると考えていませんか?

 確かに、テキストにはそのように記述されています。でも、それはミス
リーディングな表現なのです。

 それでも納得がいかない人は、2006年8月4日のブログを見て下さい。

 信用乗数というのは、マネーサプライが、マネタリーベース(ハイパワ
ードマネー)の何倍になっているかを示してはいますが、それは「結果」
を示すものに過ぎず、信用乗数が「原因」になることはないのです。それ
は、信用乗数が、単に、マネーサプライをマネタリーベース(ハイパワー
ドマネー)で割ったものでしかないという算定式からも明らかです。

 もし、信用乗数が一定の値を示すものであれば、マネタリーベースが
増えれば、マネーサプライも増えるという結果が保証されるのでしょう
が、そういう関係ではないのです。


 ということで、私としては、この浜田教授の主張はおかしいと感じてい
ます。


 いずれにしても浜田教授のような考え方をする専門家は、物価の下
落が起きるような状況(かつての日本のような状況)では、物価目標値
を設けて金融を緩和し続けるべきだと主張します。

 でも、物価目標値を設けても、そう簡単に物価をコントロールすること
もできないのです。

 何故なら、マネーサプライのコントロールが大変に難しいからです。

 英国では、5月の消費者物価指数が3.3%と目標値の2%を1%以上も
超えてしまったため、イングランド銀行のキング総裁が、財務相に書簡
を送るはめになっています。

 インフレ目標値を設けることがいけないとまでは言いませんが、目標
値を設ければ全て旨く行くというものではありませんし、最近のようなス
タグフレーションに近い状態が長引くと、目標値の信頼性も落ちてしま
い、所期の効果は発揮できなくなるでしょう。


 マネーサプライについてちょっと勉強してみようかな、と思った方、クリ
ックをお願いします。
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 アイオワ州の大洪水のことを考えていたら、福岡でも大雨が降りまし
た。でも、短時間で済んだので被害は出ていないようです。

 で、アイオワの水害ですが、少しは収まりつつあるようですが、300万
エーカーほどのコーン畑(その地域の15%分)が水浸しになり、今年は
不作になることが予想されています。

 ということで、コーンの先物価格が上昇しているようです。

 で、コーンの価格が上がると、例のバイオエタノールの生産に影響を
及ぼし、ガソリン価格がまた上がると予想されます。

 
 ところで、昨日、メルマガに書きましたように、原油先物市場に投機資
金などが流入していることが原油価格高騰の理由になっているわけで
すが、本日は、そのメカニズムをもう少し詳しく見ていくことにします。

 先ず、質問します。

 原油の価格が上がるのは、通常どういう場合でしょうか。

 右下がりの需要曲線と右上がりの供給曲線が交わる点で、価格が決
まるというグラフを思い出してみましょう。

 もし、原油に対する需要が拡大すると、その需要曲線が右上方にシフ
トします。

 そうすると、交点が右上に移動しますよね。

 こうして価格は上がり、生産量は上昇します。

 では、原油の生産が抑制され、供給が減少するとします。そうすると
その供給曲線が左上方にシフトとし、交点は左上に移動します。

 こうして価格は上がります。但し、この場合には生産量は減少します。

 米国のポールソン財務長官は言います。

 原油価格は、需要と供給の関係により決まる。最近の原油価格の高
騰は、需要が増大する一方で、供給がなかなか増えないからだと。


 この議論、とてもオーソドックスです。

 しかし、原油先物相場は、この半年ほどの間に40%ほども上昇してい
るのですが、その間に大きく原油の需要が増えたり、生産能力が落ち
たりしたという事情は生じていないのです。

 もし、ガソリンスタンドに行ってもガソリンを給油することができないよう
な品不足の状態が発生しているというのであれば、ポールソン長官の
説明も納得できるのですが、そういう状態は発生していないのです。

 ガソリン不足が発生しているわけではないのです。あくまで価格だけ
が上がっているのです。


 やっぱり、現物の原油に対する需要と供給の関係では説明できない
メカニズムが働いていると考えざるを得ないのです。

 実は、現物の原油の価格は、原油の先物価格に引っ張られているの
です。

 先物価格とは何でしょう。

 ここでは、先ず、為替の先物を考えてみましょう。

 円とドルの売買です。

 円が今、1ドル=108円だとします。

 で、日本の輸出業者で、半年先に輸出代金がドルで支払われるとし
ます。

 そして、この輸出業者は今の程度の為替レートならいいが、もし、これ
が90円台に突入すると、採算が合わなくなると懸念しているとしましょ
う。

 この業者は、何もしないで半年後に代金をドルで回収し、それを円に
交換してもらうことができますが、それでは、半年後の為替レートがどう
なっているかで、儲けが左右されてしまいます。

 もし、円安が進めば、円ベースでの代金が膨らみますが、もし、円高
になれば、円ベースの代金は減少してしまいます。

 この輸出業者、どう行動するでしょう。

 まあ、円高になる可能性は小さいと思えば、何も手当てをしないかもし
れません。しかし、円高になる可能性が極めて大きいと思えば、何か手
当てをするかもしれません。

 さあ、円高への手当てとは、何でしょうか。

 為替先物を利用し、予め半年後の為替レートを決めてしまうことが
可能です。

 この業者、円高になって採算割れになることを何としても防ぎたいと
思えば、今、1ドルが108円だとしても、1ドルが105円でもいいし、1ドル
が100円でも我慢しようと思うかもしれません。何も手当てをしないま
ま、1ドルが90円台に突入し、採算割れするよりはましだと。

 でも、半年後、為替レートがどうなるか誰も分かりません。

 で、逆に、海外から雑貨を輸入するような業者からすれば、将来円安
に振れると、採算が合わなくなるので、円安による不利益を回避する目
的で同様に為替先物を利用することが考えられます。

 輸入業者は、1ドルが120円程度までなら採算が合うが、それ以上円
安になると採算割れになると思えば、今1ドルが108円でも、110円や118
円でも我慢しようと思う可能性があります。

 こうして、先物市場で、円が高くなるのを嫌う業者と円が安くなるのを
嫌う業者が集まって、円の将来の価格が決定されているとも言えるの
です。

 当然、ここでも需要と供給の原理が働きます。

 もし、円高は嫌だよという人が増えるとどうなるでしょう。そうすると、
少々の円高は我慢しないといけないということになり、先物市場では
益々円高になりますし、逆に円安は嫌だよという人の方が増えると、
益々円安を招いてしまいます。

 ただ、注意すべきは、ここで起こる為替レートの変動は、あくまでも先
物のレートであるということです。現時点でのレートではありません。

 だから、先物のレートがどうであろうと、今の現実の円に対する需要と
供給の関係から形成される現物レートとは、取り敢えず関係がないの
です。

 ただ、先物価格の理論値というのがあります。

 今度は、計算を簡単にするために、1年後の先物価格を考えてみまし
ょう。

 今、1ドルが100円とし、ドルの金利が4%で、円の金利が2%だとしま
す。

 そうすると、1年後に今の1ドルは、1.04ドルになっているはずであり、
一方の円は、102円になっているはずです。

 そうすると、1.04ドルが102円と等しくなってしかるべきであるということ
になりますが、そうなると、1年後には1ドルが約98円(102円÷1.04ドル)
になり、これが理論値ということになります。

 しかし、実際の先物価格は、既に言ったように、1年後の円の価値を
どう考えるかという事情が反映しますから、1ドルが98円になるとは限り
ません。1ドルが101円になるかもしれませんし、95円になるかもしれま
せん。

 でも、理論値が実際の価格が大きく食い違うと、そこで、裁定取引が
発生します。

 ドルの1年後の理論値は98円であるのに対し、先物市場で95円の値
段がついているとすれば、安い方の先物を買い、高い方の現物を売れ
ば儲けが出るのです。

 儲けが出るのは、次のことから理解できます。

 1ドルを100円で売ると、その100円は、1年後に2%の利子がつき、102
円になります。

 一方、ドルの先物を95円の値段で買うということは、1年後に95円で1
ドルが手に入るということになるので、上の102円は、1.07ドルになるの
です。

 つまり、1ドルをそのまま運用すると、4%の利子がつき、1.04ドルにし
かならないのに、裁定取引を利用すると、1.07ドルになるので、その差
額の0.03ドルが儲けになるのです。

 何にもしなくても、簡単に儲けが出せるということになります。

 でも、簡単に儲けが出るので、誰でもこれを利用しようとします。

 そうすると実際の先物価格と理論価格の乖離幅は縮小するようにな
るでしょう。

 で、そうなると、先物価格と現物価格は互いに影響されあうということ
になります。

 しかし、繰り返しますが、投機的要因を除けば、為替先物価格は、円
高を嫌う人と円安を嫌う人のどちらが多いかで決まる訳ですから、円に
対する実際の需要とは必ずしも関係がないのです。

  これと同じようなことが原油の現物市場と先物市場で起きているの
です。

 原油の値上がりを嫌う人と原油の値下がりを嫌う人がいます。

 原油の値上がりを嫌う人は、例えば運輸関係の人々です。

 もし、値上がりになると、採算がとれなくなり、倒産するかもしれない。

 だとすれば、原油先物市場で、値上がりのリスクを回避しよう。

 しかし、そのような行動に出る人が多くなればなるほど、先物価格は
上昇します。

 上がるのが嫌だということは、少しくらいの値上がりは我慢しようとい
うことを意味し、そうした人々が増えるから、さらに値上がりをを招くとい
うことになります。

 今、世界中が原油価格の高騰に悲鳴を上げています。

 世界中のテレビは、これでもかこれでもかというように、原油価格が
国民生活に与えている影響を報道します。

 ヨーロッパの漁師が抗議している。トラック業者が道路を封鎖した。ア
メリカでは1ガロン4ドルになり、車の使用を止めて、公共交通機関を利
用する人々が増えている。

 こういう状況を見せ付けられると、益々原油価格の上昇に対する対抗
策を取ろうとするでしょう。

 だから、原油先物市場で、価格上昇のリスクをヘッジしようとするので
す。

 一方、原油価格が低下して損を被る業者もいます。原油の在庫を抱
えている人々です。しかし、この人たち、こうしたテレビ報道を見せ付け
られて、原油が値下がりするかもしれないリスクに対応するよりも、値上
がりして儲けになることを期待すると思います。

 そうなると、先物市場は、原油価格の上昇は嫌だという人でいっぱい
になるということです。

 で、そうした様子を投機家はよくみていて、それなら原油価格は上が
る方に賭けようということになるのです。

 投機家は、何も値上がりだけがいいのではなく、値下がりに賭け、そ
れが当れば儲かるようにもなっているのですが、今は値上がりに賭けて
いるということです。

 ということになると、当然先物の理論価格に比べ実際の先物価格が
上回るという現象が起きることになりますが、そうなると裁定取引が起
こり、そうして実際の先物価格に現物価格が引っ張られるという現象が
起きているのです。

 だから、実際に原油の需給関係が逼迫していなくても、原油先物価格
の上昇に引っ張られて原油の現物価格も上昇するのです。

 原油価格の上昇は嫌だという思いが、先物市場での需要を異常に増
大させ、それが原油価格の上昇を引き起こしているのです。

 で、こうした先物市場での取引は、金利が低いことにより促進される
面があるので、米国が低金利政策をとっていることも、原油価格の高
騰の一因になっているでしょう。


 低金利が、安いドルを招き、それが原油高の原因になっているだけで
なく、先物市場での取引費用を低く抑えていることにもなるため原油高
の原因になっているのです。



 先物市場との関係が、少し分かったという方、クリックをお願いしま
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 この度の地震で被害に遭われた方々に、お見舞い申し上げます。

 さて、米国でも大変な災害が起きています。

 米国のアイオワ州が大洪水に見舞われているというのです。

 アイオワ州って、どこにあるの、とお思いの方も多いと思いますが、
イオワ州は、五大湖の西南西の方向にあり、メキシコ湾に注ぎ込むミシ
シッピー川の上流に東側の州境が接した秀です。

 「全然わかんない」

 まあ、ニューヨークがある東部ではない。しかし、ロサンジェルスがあ
る西部でもない。
アメリカ合衆国の北東部に位置しているということで
す。

 地理のお勉強はそのくらいにして、とにかく大変な水害になっていま
す。

 やや、古い情報ですが、シダーラピッズではシダー川の決壊で、400
区画の家屋3900棟が浸水し、住民2万4000人が避難したと。

 そして、13日夜の同川の最高水位は9.75メートルにも達していま
す。

 通常時に比べ9メートル以上も水位が上がっているのですよ。想像も
できません。

 で、このアイオワですが、何でもアイオワの名はアメリカ先住民アイオ
ワ族にちなんで付けられたとか。

 アイオワ州の主要な農業生産品は豚、トウモロコシ、大豆、カラスム
ギ、牛及び酪農製品であるとされています。

 でもって、アメリカ合衆国で最大のエタノールを生産している州は、ア
イオワ州だということです。
 
 
 何か妙な因縁めいたものを感じますね。

 今、世界中を怒らせているガソリン高と穀物高、その両方に、アイオワ
州の農業が関っているということです。

 世界中がアメリカを非難します。

 「穀物価格が高騰しているのは、アメリカが、バイオエタノールの生産
に補助金を与え支援しているからだ。コーンは人間が食べるもので、ガ
ソリンの代わりにつかうとはとんでもない」

 そのバイオエタノールを最も多く生産しているのが、このアイオワだと
いうのです。

 で、こうして水害が長く続くと、穀物の収穫が激減すると予想されてい
ます。

 となると、益々穀物価格の高騰と、ガソリン価格の高騰に拍車をかけ
そうです。

 それに皮肉なことに、水不足が起きてといいます。

 「水害で水浸しなのに、水不足?」

 そうです。水不足。

 何でも、水に浸ってしまうと、ポンプが正常に作動しなくなるとかで。

 これだけ大変な被害に遭っても、アメリカという国は、地球温暖化対策
よりも経済を優先する政策を変えないつもりでしょうか。

 でも、幾ら経済を優先したくても、地球温暖化が進行すると、こうして
異常気象が頻発し、経済発展を阻害してしまいます。

 いくらもがいても如何ともしようがありません。

 見えざる手のせいでしょうか。


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