本日、5月の有効求人倍率が発表になりました。
先月から0.2ポイント低下し、なんと0.44倍に。
これ、過去最低のレベルだとか。
職を求める人1人に対し、人を求める働き口が0.44しかないというこ
とで、これは厳しいです。
分かりにくいと思った方は、受験の競争倍率の逆と考えたらいいでし
ょう。
競争倍率が10倍だったら、10名受験して1名しか合格しませんが、
有効求人倍率の場合には、倍率が10倍だったら、職を求める人1人
に対し、10の働き口の候補があることになります。
ということで、有効求人倍率は、数値が小さくなればなるほど、求職
者にとっては厳しい状況になるのです。
いずれにしても大変厳しい状況ですが、いつ頃からこんなに酷くなっ
ているのでしょう。
グラフをご覧下さい。
<有効求人倍率の推移> 単位:倍
2006年、2007年とほぼ2年間有効求人倍率は1倍を超えていたの
が、2008年に入ってからつるべ落とし状態になっています。
今回、過去最低を更新した訳ですが、我々の関心は、これからももっ
と低下するのか、ということです。
さて、完全失業率の方はどうなっているでしょうか。
こちらも悪化が続き、完全失業率は、前月より0.2ポイント悪化し、
5.2%に。完全失業率のピークは、2002年と2003年に付けた5.5%
ですから、こちらはまだ記録を更新してはいません。
これもグラフをご覧下さい。
<完全失業率の推移> 単位:%
完全失業率のグラフの方は、有効求人倍率のグラフをひっくり返した
ような形になっていますね。
ですが、微妙なところが違っているのです。
何でしょうか?
それは、グラフの向きが反転する時期です。
前回、有効求人倍率がボトムを打ったのは、2002年1月の0.50で
あり、その翌月から少しずつ改善を示しています。
一方、完全失業率の方はどうでしょうか。
完全失業率が最後に5.5%を記録したのは、2003年4月なのです
が、この時、有効求人倍率は、既に0.61まで回復しています。
つまり、有効求人倍率の方が割に景気に敏感に反応し、それに対
し、完全失業率の方は、相当にタイムラグを伴うということが言えるわ
けです。
<実質GDP(季節調整済み)の推移>
単位:兆円(左のメモリに400兆円をプラスして下さい)
この実質GDPのグラフでは、まだ底打ちは確認できませんが、4-6
月に底打ちすることが予想されることから、有効求人倍率の方も、そ
ろそろ底を打つことも考えられます。
一方、完全失業率は、当分は悪化が続くと考えていた方がよさそう
な気がします。
失業率の悪化が続くとはいっても、アメリカに比べたらましだから‥、
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