経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2009年06月

 本日、5月の有効求人倍率が発表になりました。

 先月から0.2ポイント低下し、なんと0.44倍に。

 これ、過去最低のレベルだとか。

 職を求める人1人に対し、人を求める働き口が0.44しかないというこ
とで、これは厳しいです。

 分かりにくいと思った方は、受験の競争倍率の逆と考えたらいいでし
ょう。

 競争倍率が10倍だったら、10名受験して1名しか合格しませんが、
有効求人倍率の場合には、倍率が10倍だったら、職を求める人1人
に対し、10の働き口の候補があることになります。

 ということで、有効求人倍率は、数値が小さくなればなるほど、求職
者にとっては厳しい状況になるのです。

 いずれにしても大変厳しい状況ですが、いつ頃からこんなに酷くなっ
ているのでしょう。

 グラフをご覧下さい。

<有効求人倍率の推移>                    単位:倍
有効求人倍率

































 2006年、2007年とほぼ2年間有効求人倍率は1倍を超えていたの
が、2008年に入ってからつるべ落とし状態になっています。

 今回、過去最低を更新した訳ですが、我々の関心は、これからももっ
と低下するのか、ということです。

 さて、完全失業率の方はどうなっているでしょうか。
 
 こちらも悪化が続き、完全失業率は、前月より0.2ポイント悪化し、
5.2%に。
完全失業率のピークは、2002年と2003年に付けた5.5%
ですから、こちらはまだ記録を更新してはいません。

 これもグラフをご覧下さい。

<完全失業率の推移>                   単位:%
完全失業率

 





































 

 
 完全失業率のグラフの方は、有効求人倍率のグラフをひっくり返した
ような形になっていますね。

 ですが、微妙なところが違っているのです。

 何でしょうか?

 それは、グラフの向きが反転する時期です。

 前回、有効求人倍率がボトムを打ったのは、2002年1月の0.50で
あり、その翌月から少しずつ改善を示しています。

 一方、完全失業率の方はどうでしょうか。

 完全失業率が最後に5.5%を記録したのは、2003年4月なのです
が、この時、有効求人倍率は、既に0.61まで回復しています。

 つまり、有効求人倍率の方が割に景気に敏感に反応し、それに対
し、完全失業率の方は、相当にタイムラグを伴うということが言えるわ
けです。

<実質GDP(季節調整済み)の推移>     

         単位:兆円(左のメモリに400兆円をプラスして下さい)

実質GDP
 


 





























 

 この実質GDPのグラフでは、まだ底打ちは確認できませんが、4-6
月に底打ちすることが予想されることから、有効求人倍率の方も、そ
ろそろ底を打つことも考えられます。
 
 一方、完全失業率は、当分は悪化が続くと考えていた方がよさそう
な気がします。


 失業率の悪化が続くとはいっても、アメリカに比べたらましだから‥、
と考えよう、と思った方、クリックをお願いします。
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 突然ですが、問題を出します。

 日米の貯蓄率の特徴を述べよ。

「えーと、アメリカ人は、消費が過剰だから貯蓄率が低く、その反対
に、日本人は貯金が好きなんだよね」

 確かに、そんなことがずーっと言われていましたね。

 「違うの?」

 ロン・ヤスの時代。

 何のことか、お分かりですか?

 わかるよ、という人は、中年以上ということでしょうか。

 中曽根総理とレーガン大統領の時代に、日本の米国向け輸出が増
加し、貿易摩擦が激化しました。

 そこで、両国は、何とかして貿易の不均衡を是正できないものかと、
考えたわけです。

 とは言っても、日本の方は黒字ですから、どこまで真剣だったかは分
かりませんが、アメリカの圧力が怖いものだから‥

 中曽根総理は、週末にデパートに出かけ、外国製のネクタイを買う
などしていたわけです。

 米国側と言えば、円が安すぎるのが怪しからん、と主張しました。

 もっと円を強くするよう、政府として努力をせよ、と。

 「中曽根ボンド」なるものを発行したら‥、という提案までありました。

 中曽根ボンドは、ジェームス・ボンドとは関係がありません。

 このボンドは、長期債のことであり、中曽根内閣が、海外でドル建て
の国債を発行したらどうか、という提案でした。

 ドル建ての国債を発行し、それで歳入の一部を賄えば、発行代わり
金のドルが円に転換されるために、ドル売り円買いが起こり、ドル安
円高になるであろう、と。

 そんなに簡単に為替レートがコントロールできれば、苦労はないので
すが‥

 何もしないのでは、米政府のご機嫌をとることができないということ
で、国債の代りに政府保証外債というのをアメリカで発行したのでし
た。

 当時の日本開発銀行とNTTに政府が保証をつけて外債をアメリカで
発行させたわけです。

 ドル安になったかって?

 幹事になった米国のインベストメント・バンクが儲かっただけです。

 何でそんなことを知っているか、といえば、私が、その担当をしてい
たからです。


 それはそうと‥

 当時、日米の貿易の不均衡を是正するためには、日本は貯蓄過剰
を改め、そして、米国は過剰消費の体質を改めるべきだ、ということが
主張されていました。

 今でも、多くのエコノミストは、そうしたことを主張します。


 で、話は元に戻る訳ですが、日米の貯蓄率はどうなっているでしょう
か?

 そうなんですね。少し前から、日米の貯蓄率が逆転しているのです。

 そして、米国の家計の貯蓄率が、4月の5.6%から、5月には6.9%
となったことが発表になりました。2008年の初めごろは、ほぼゼロ%
だったのが、です。

 これ、住宅バブルが弾け、そしてリーマン・ショックが起こり、アメリカ
人が節約をするようになったからなのです。

 一方の日本の家計の貯蓄率はというと、今や僅か数パーセント。後
10年ほどすれば、マイナスに落ち込むとの見方も出ています。


 さあ、皆さんは、この現実をどう評価しますか?

 歓迎します?

 米国の貯蓄率の上昇については、歓迎する向きが多いかも知れま
せん。

 無駄遣いは良くないし、過剰消費も健全ではないし‥、と何となく、
本能的に中高年は思ってしまいます。

 ただ、商売をやっている人は別かもしれません。

 米国が買ってくれないと、日本は輸出で儲けることができなくなって
いまう、と。

 他方、日本の貯蓄率の低下については、どうでしょうか。

 貯蓄が低下するなんて、少し不安な気がします。

 万が一の時に貯蓄がないと、大変なことになるかも‥、と。

 一方、経済の専門家の中には、消費が盛んになるのは歓迎すべき
だ、という人がいるかもしれません。


 しかし、私は言いたい。

 日本の貯蓄率は、1970年代には20%を超えていたのが、その後ほ
ぼ一貫して低下してきたわけです。

 で、日本の貿易収支は?

 黒字が減ったか?

 リーマンショックによる影響を除けば、全く黒字は減っていないので
す。

 つまり、日本の場合、貯蓄過剰が原因で輸出超過になっていたわけ
ではないのです。

 輸出超過は、あくまでも日本製品が魅力的で海外でよく売れること
が原因なのです。

 だから、日本が過剰貯蓄の体質を改めれば‥、といった主張は、説
得力を持つ議論ではなかったということです。

 では、アメリカの過剰消費体質の改善については、どうでしょうか。

 確かに、アメリカ国民が消費を控えれば、貿易赤字が削減される効
果が期待できるかもしれません。

 しかし、米国についても、貿易赤字の最大の原因は、アメリカ人の過
剰消費の体質にあるというよりも、アメリカの企業の国際競争力が低
下していることにあるのです。

 でも、プライドの高いアメリカ人は、そのことを認めたくありません。

 だから、いつまでも、貿易不均衡は、海外の貯蓄過剰が問題なん
だ、と言い続けているわけです。

 そして、我が国のリーダーである麻生総理も、そうした意見を鵜呑み
にしているように見受けられるのです。


 ただ、今後もアメリカの貯蓄率が高まるようであれば、我が国の景気
回復のテンポは極めて緩慢なものになる可能性があります。

 

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 皆さん、お医者さんの数が少ないのは、ご存知ですよね。

 そう、医師不足が問題になっています。

 では、司会ではなく、歯科医、歯医者さんについては、どう思います
か?

 本日の日経新聞には、


 歯科医過剰 生き残り模索

 と出ています。


 そうだったのですか。

 昔は、歯医者さんにいけば、待つことは当たり前だと思っていたので
すが、最近はそうでもありません。

 きっと、歯医者さんも、思っていたほど儲かっていないところも多いで
しょう。

 しかし、歯医者さんとして一人前になるまでには、なんと7年間もか
かるといいます。
その間に、親御さんは何千万円という投資を行うこと
でしょう。

 でも、歯医者さんになったとたん、あれっ、話が違うぞ、と。


 私、高校時代に、クラスメートが、「歯医者は左団扇だ。親爺がそう
言っている」というのを聞いたことがあります。

 あれから40年‥

 歯医者さんは、敗者さんになってしまったのでしょうか?

 まあ、しっかり稼いでいる歯医者さんもいるとは思いますが。

 

 でも、どうして、こんなことになったのでしょうか?

 それは、歯医者さんの数が増えたから。

 今から50年ほど前には、3万人ほどしかいなかった歯医者さんの数
は、今では9万4千人。

 人口10万人当たりの歯医者さんの数は、33人から74人へ。

 実質的に見て、2倍以上になってしまっているのです。

 それが1つ。

 もう1つの理由。

 それは、虫歯が少なくなっていることですって。

 そもそも、

 おこちゃまは、

 歯医者にとってのお得意様


 だった、とか。

 子供は、エナメル質が未成熟で虫歯になりやすいらしいのですが、
フッ素配合の歯磨き粉が増えている等の理由で虫歯が減っているの
だとか。


 何と、12歳の子供の1人当たり平均虫歯本数は、1981年の4.75本
から2008年には1.51本に減っているといいます。

 要するに、1/3に減ったということです。


 ここで算数の時間です。

 歯医者さん1人当たりの虫歯治療の仕事は、昔と比べてどうなった
か?

 歯医者さんの数が2倍になったとして‥

 そして、虫歯が1/3ですから、仕事は1/6に。


 仕事量が減るだけでなく、、診療報酬の低下の影響が加わります。

 だから、最近の歯医者さんたちは、予防診療や歯周病の治療に力を
注いでいるのではないのでしょうか。


 それにしても、こんなに歯医者さんが過剰になったのも、国が先を見
る目がなかったことも理由であるかもしれません。


 市場は完璧ではありませんが、政府も間違いを起こします。

 医療制度にも、もう少し市場原理を導入すべきです。


 そのためにも、例えば、歯医者さんの評判が利用者側に良く分かれ
ば‥と思うのですが。


 
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  日曜日のクイズ

  
 ちょっと、エッチかもしれませんが、

 男の体で、一番固いところは、どこでしょう?

 ↓

 ↓

 ↓


 歯のエナメル質です。

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 昨日、出口戦略の必要性について述べました。

 超低金利政策が、仮に物価の上昇をもたらす恐れがないとしても、
バブルの発生をもたらす可能性があるから、と。国内でバブルが発生
しなくても、海外でバブルが発生する可能性があるから、と。

 この100年に1度と言われる危機も、バブルの発生がそのきっかけ
になっていますから、同じ過ちを繰り返したくないのであれば、出口戦
略を考えるべきではないでしょうか。

 しかし、その同じ日に、消費者物価指数が発表になりました。


 消費者物価 最大の下落。


 そう、夕刊に大きく出ています。

 前年同月比1.1%のマイナスは、過去最大の落ち込みだ、と。



<消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の前年同月比の推移>
                                   単位:%

消費者物価1



















 こういうことになれば、出口戦略の必要性をいくら私が叫ぼうと、殆ど
説得力を持たないでしょう。

 「物価は過去最大の下落だ!」と。

  しかし、どうも解せません。

 5月になって、急に物価に大きな変動が起きているのか? と。

 ということで、データーをチェックしてみました。

 

           原指数   季調値
2008/1     100.5    100.8
2008/2     100.4    101.0
2008/3     100.8       101.1
2008/4     100.8       100.8
2008/5     101.6       101.5
2008/6     102.0       101.9
2008/7     102.4       102.4
2008/8     102.6       102.4
2008/9     102.6       102.3
2008/10    102.4       102.1
2008/11    101.6       101.5
2008/12    101.1       101.0
2009/1     100.5       100.8
2009/2     100.4       101.0
2009/3     100.7       101.0
2009/4     100.7       100.7
2009/5     100.5       100.4


 先ず、原指数(生鮮食品を除く総合)をみると、この5月は、確かに
前年の5月と比べれば、1.1%のマイナスになっています。

 しかし、この5月の100.5は、前月に比べれば0.2%下がっていると
はいうものの、1月や2月頃の水準とほぼ同じです。

 だから、今になって騒ぐのは、ちょっとピントはずれのような気がする
のです。

 それに、昨年の4月と5月の数値を見下さい。

 100.8から101.6に急上昇していますが、そのことが、今回の大幅
下落に反映しているのです。

 つまり、最近の動向が問題であるというよりも、昨年の5月頃のエネ
ルギー価格の反動が表れているのだ、と。

 
 ということで、今回発表になったデーターを基にして、最近物価が大
きく下がっているようなことを新聞が報じるのは、如何なものか、と思っ
た訳です。


 しかし、ここで終わってはいけません。

 物価は、最近どのように推移しているのでしょうか。

 それを知るためには、季節調整済みの指数の毎月の動きを把握す
ることが必要です。

 ということで、いつものようにチェックしました。

 これまで何度もご紹介しましたが、消費者物価は、昨年の秋ごろから
低下し始めていたのでした。

 グラフをご覧下さい。


<消費者物価指数(生鮮食品の除く総合、季調済)の前月比>
                                 単位:%

消費者物価2

 















 昨年秋ごろに大きな落ち込みを示していたのが、2月、3月と一旦落
ち着き、そして、また、4月、5月と大きく落ち込んでいるのです。

 前月比でみると、2か月続いて0.3%の下落です。

 これ、どう評価しますか?

 前月に比べ0.3%のマイナスということは、年率に直せば年率3−
4%のマイナスということになります。

 新聞では、5月は、1.1%の落ち込みと言っていますが、現実には、
もっと速いスピードで物価が下がってきているということです。


 ということになれば、私の予想に反して、物価は大きく落ち込んでき
ているということになります。

 では、出口戦略は先送りにすべきなのか?


 しかし、本日の日経は、この点に関する日銀の白川総裁の考えを紹
介しています。

 今月9日に白川総裁が、次のような発言をした、と。

 「金融政策が不適切であればバブルは膨張する」

 「他の様々な政策との組み合わせが必要」

 
 一方、米国では、金融政策でバブルを防止しようとすると、必要以上
の引き締めを起こしかねないという見方が有力なのだとか。

 伝統的な金融政策の目的は、あくまでも物価の安定であって、白川
総裁のように資産バブル回避のために金融政策を使おうというのは、
タブーに挑む勇気ある挑戦だと。


 私は、物価が下落しつつある現実を認めながらも、資産価格高騰へ
の配慮が必要であることを主張したいと思います。

 

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 今週も金曜日になりました。

 金曜日は、少々緊張するのですよね。

 何故かって?

 有料版のメルマガの配信日だからです。

 結構労力がかかっています。

 もう、ブログを書くエネルギーが‥

 なんて冗談ですが、本日配信分のメルマガの内容を一部ご紹介
します。





 最近、出口戦略ということがよく言われるようになっています。

 

 例えば、24日の米連邦公開市場委員会も出口戦略を視野に入れ始めたと

か、OECDの閣僚理事会も出口戦略を検討しておく必要性で一致した、など

と報じられています。

 

 では、出口戦略とは何でしょう。

 

 お分かりですよね。

 

 世界同時不況や金融危機に対処するために、これまで取ってきた異例の

措置をどのようにして終わらせるか、という基本的な考え方や手順のこと

を指します。

 

 こんなことを言うと、もう世界経済は反転したのか?と聞かれそうです。

 

 でも、それはまだちょっと早いようです。

 

 というのも、24日のFOMCの声明は、次のようなことを述べているからで

す。

 

 「経済の収縮ペースは鈍化している」

 

 要するに、経済の後退は続いているが、その落ち込みのスピードは弱ま

っている、と。

 

 ということで、米国は、まだ、景気は底を打ったとは見ていないのです。

 

 そろそろ底を打つだろう、という段階です。

 

 ですから、このような段階で出口戦略を議論するのは時期尚早で、景気

回復に冷や水を浴びせてしまうことになりかねない、と懸念する声も想像

できます。

 

 では、どのようなタイミングで出口戦略を考えるべきなのでしょう
か。


<中略>

4.超低金利政策と物価の関係

 

 ところで、皆さんは、インフレを鎮めるためにはどうすることが一番

効果的かご存知ですか?

 

 インフレを回避し、或いは、インフレを鎮め、通貨価値の維持を図る

ことが中央銀行の最大の任務です。

 

 そして、インフレに対して、中央銀行は金融の引き締めで応じるのが

基本になっています。

 

 即ち、通貨供給量を抑制し、金利を引き上げることによってインフレ

を鎮めるのです。

 

 こうした政策を最も強力に実施したのが、グリーンスパン議長の前任

者である当時のボルカ―議長でした。

 

 ボルカ―氏は、1979年にFRBの議長に就任しますが、当時ボルカ―・シ

ョックと呼ばれた金融引き締め策を断行しました。

 

 というのも、第二次オイルショックの影響などで当時のアメリカは、

2桁のインフレ率に悩まされていたのですが、その対処のために短期金利

5%程度から20%程度まで、今ではとても信じられないほどのレベルま

で引き上げたのでした。

 

 結果として、インフレは収まりましたが、失業率が2桁になってしまい

ました。そしてまた、こうした金融引き締めの結果、ドル金利が上昇し

たことで、途上国の債務が途方もなく累積してしまうという事態を引き

起こしてしまいます。

 

 ただ、いずれにしても金融を引き締めることによって、物価の上昇を

抑えることができることが証明されたわけです。

 

 では、その反対に、ゼロ金利政策など、超低金利政策をいつまでも取

り続けるとインフレを招いてしまうものなのでしょうか。

 

 日本の経験からいえば、どれだけ量的緩和政策やゼロ金利政策を取り

続けてもインフレは起きませんでした。

 

 そして、米国の経験からしても、超低金利政策を採用したからといっ

て、即インフレが起きると断言することはむずかしいようです。

 

 しかし、インフレは起きないかもしれませんが、超低金利政策は、資

産価格の高騰をもたらす可能性は高いのです。

 

 米国で住宅バブルが発生した時期は、金融緩和の時期とほぼ重なりま

す。ただ、物価はそれほど上昇していません。

 

 日本では、バブルが発生した1980年代後半の時代は、消費者物価指数

は、23%程度しか上昇していません。

 

 要するに、金融緩和は必ずしも物価を上昇させるとは限らない、とい

うことです。

 

 何故か?

 

 それは、私たちが消費するものの多くは、需要量が一定であることが

多いからです。

 

 その典型は、食料品です。どんなに所得が増加しようと、我々が食べ

る食料の量が急に増えることはありません。

 

 確かに、所得が増加すれば、より高級なものを食べるようになるでし

ょうから、その意味で、物価に上昇圧力をかけるでしょうが、そん反
面、
高級でないものの消費量が減少するので、その意味では、物価に低
下圧
力をかけることにもなります。

 

 逆に、食料の供給量が変化することに伴い、食料の価格は激しく上下

します。

 

 しかし、それは、食料に対する需要がほぼ一定であるのに、それに対

して供給が不足したり、過剰になったりすることから起こるものです。

 

 つまり、食料などは、所得が増えようとも、或いは、マネーサプライ

が増加しようとも、それほど価格が変化するとは思われないということ

です。

 

 しかし、専門家の中にも、その点の理解が十分でない人が多数存在し

ます。

 

 マネーサプライさえ増加させれば、いくらでも物価は上がるものだ、

と。

 

 そういう人の頭のなかには、次の算式が陣取っているのでしょう。

 

 MVPQ

 

 

 Mは、貨幣の流通量、Vは、貨幣の流通速度、そして、Pは、物価、Q
は、
財やサービスの取引量。

 

 貨幣の流通速度が一定であり、そして、世の中で取引されるモノやサ

ービスが一定であれば、M=Pとならなければなりません。

 

 ということで、貨幣の流通量が増えれば、それに伴い物価は上がり、

その反対に貨幣の供給量が減れば、物価は低下する、と。

 

 非常に単純な考え方です。

 

 しかし、そんなことは滅多に起こりません。

 

 滅多にというのは、ハイパーインフレに陥ったような状況です。

 

 そのような状況になれば、お札の価値が、紙切れとしての価値程度し

かなくなることもあるので、確かに、早く使わないとお札の価値がどん

どの落ちていき、貨幣の流通量と物価の関係に正の相関関係が成立する

ことがあると推測されます。

 

 しかし、通常の場合には、少々お金の流通量が増えようと、或いは減

ることになろうと、モノやサービスに対する需要が急激に変化するわけ

ではないので、物価に影響が及ぶことは少ないわけなのです。

 

 

 では、そうして増えたお金の運命はどうなるのでしょうか。

 

 例えば、中央銀行が、超低金利政策を採用したとします。

 

 そして、その結果、企業や消費者が、異常に低い金利でお金を借りる

ことができるようになるとします。

 

 そうすると、例えば、銀行からお金を借りて行うアパート経営の採算

が大変魅力的なものに思えてきます。

 

 家賃収入には変化がなくても、銀行への支払い利息がグーンと少なく

て済むようになるからです。

 

 そんなことがあれば、土地などへの投資が急速に高まることが予想さ

れます。

 

 但し、前提条件として、家を借りる人の増加が認められないと、そう

した現象は起こらないかもしれません。

 

 また、金利が異常に低くなると、銀行預金や国債への投資に比べ、金

利が低くなった分、株式投資による配当収入が魅力的に映るようになり

ます。それに、レバレッジをかけて株式投資をする人にとっては、金利

負担が安く済むので、より一層株式投資が促進される面があるでしょ
う。

 

 原油の先物価格や金の価格に対しても、同じような効果を与えるでし

ょう。

 

 ということで、超低金利政策は、資産価格の上昇を引き起こす可能性

が極めて大きいのです。

 

 ここまで言うと、では、何故、日本では、長い間量的緩和政策を解除

しなかったのに、バブルが発生しなかったのだ、と言われそうです。

 

 ですが、バブルは日本で起きなかっただけで、海外では起きたので
す。

 

 我が国が超低金利政策を長らく採用していた間、日本には、ミセス・

ワタナベと呼ばれる投資家が誕生しました。

 

 そうした個人投資家は、日本の資産には投資をしなかったかもしれま

せんが、海外の資産、これには外貨預金を含みますが、そうした資産の

価格を引き上げる力を与えたのです。

 

 グリーンスパン議長は、金融緩和から金融引き締めに転じた後、短期

金利は上昇しているのに、長期金利が低位のまま推移していたことを

「謎だ」と言いましたが、そうした現象は、我が国を始め、海外の余剰

資金が米国に大量に流入していたことを物語っています。

 

 つまり、今や、金融政策の効果は、閉鎖系のモデルで論ずることなど

できなくなっているのです。

 

 アメリカでは金融引き締めに転じても、日本では、量的緩和政策を継

続していたことによって、アメリカの金融政策の効果が薄れてしまって

いたということに気が付くべきなのです。




<引用は、ここまで>


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 東国原知事の件で、テレビはもちっきりです。

 どうしてでしょう?

 そ、れ、は‥

 東国原知事の件を流すと、視聴率が上がるからです。

 そ、れ、に‥

 いきなり、「総裁にしろ」、だなんて‥

 正確には、総裁候補なのかもしれませんが‥

 何と厚かましいというか、正直というか、欲深いというか‥

 そんなことを言うものだから、与党の議員の中には、「顔を洗って出
直してこい」なんてことをいう人も。

 面白いですね、実に面白い。

 大体、政治家なんていうもの、99%の人が、総理になりたいからやっ
ているみたいなものです。

 皆、そう。

 しかし、いくら総理になりたいと思っても、そう簡単にはなれないもの
です。

 お金も必要ですし、人望も、知識、経験も必要です。

 或いは、総理なんてとんでもない‥、と言ってみせる奥ゆかしさも必
要かも。

 本音では、皆総理になりたいと思っていながら我慢しているというの
に、このタレント上がりの知事は、国会議員でもないのに自民党の総
裁にさせろ、だなんて厚かましい要求をしやがって、と。

 確かに、厚かましいし、欲深かもしれません。

 ただ、自分から言い出した訳ではなく、与党の選対委員長が正式に
出馬要請をしたから、自分の条件を出したまでです。

 その意味では、自民党の議員からとやかく言われる筋合いはないの
かもしれません。

 文句があるのであれば、選対委員長に言え!と。

 では、どうして、選対委員長は、東国原知事を担ぎ出そうとしている
のか。

 それは、超かんたんなことです。

 このままでは、自民党は勝てないと思っているからです。

 座して死を待つことはできない、と。

 麻生太郎総理では、勝てないと計算しているのです。


 だから、県民の支持率90%超というカリスマ性に頼ろうとしているわ
けです。

 現に、フジテレビが街頭でアンケートを取ると、麻生氏と鳩山氏を超
えて、総理にふさわしい人の一番に東国原氏がなってしまいました。

 ただ、問題は、任期を残して東国原知事が国政に出馬することが可
能かどうかということです。

 昨年も中山大臣辞任に伴い、すったもんだがありました。

 宮崎県民は理解してくれるのか、と。


 これが、単なる国政への鞍替えということであれば、県民からブーイ
ングが起きるのは必至でしょう。

 まだ、任期を残しているではないか、と。

 しかし、もし、総理になるためであれば‥

 或いは、総理になる可能性が大であれば‥

 そうなると、東国原氏は、もっと宮崎のためになることをしてくれるか
も‥、と。

 ここのところがポイントです。

 何も、自分の我儘で知事を辞めるのではない、と。

 国家、国民のためだ、と。

 どうか、わかって欲しい、と。

 でも、
テレビが大好きな東国原氏は、本当は、宮崎よりも大都会が大
好きなのだ、ということではないのではないでしょうか。

 確かに、テレビに出演すれば、宮崎のPRに役立つでしょう。

 しかし、東国原氏のテレビ出演ぶりは尋常ではありません。

 好きでなければ、あれほどテレビに出演するはずがありません。

 もし、東京に戻り、大臣にでもなれたら‥、或いは、何かの間違いで
総理にでもなれたら‥

 可能性は少ないかもしれませんが、ひょっとしたら‥、ということがな
いではありません。

 それに人気で考えたら、今の与党の議員のなかで東国原氏に勝て
るものなどいないでしょう。というか、そうやっておだてられているので
す。


 では、仮に、東国原知事が総理になってしまったら、日本はどうなる
のでしょうか。

 取り敢えず、宮崎県内の道路網は整備されるかもしれません。

 宮崎県民は、「東国原総理、万歳!万歳!」と叫ぶでしょう。

 しかし、それ以外のことは、どうなるのでしょうか。

 年金問題が解決するのでしょうか。

 少子高齢化は食い止めることができるのでしょうか。

 この人は、北朝鮮の拉致問題をどう解決してくれるのでしょうか。

 北方領土はどうなるのでしょうか。

 官僚と政治の関係はどうなるのでしょうか。

 地球温暖化対策は、どうするのでしょうか。

 そして、経済対策については、どうでしょうか。


 東国原知事が経済についての素養や経験があるとは思えないので
すが‥。

 東国原氏がやってきたことは、宮崎県のマンゴーや地鶏をPRしたこ
としか頭に浮かびません。

 ということは、日本の車や電気製品などを海外に売り歩くということ
になるのでしょうか?


 やっぱり、総理としてはお薦めではないような気がします。

 民主党は、かとうかず子氏を今すぐ擁立して、東国原氏の動きに対
処すべきではないでしょうか。

 その位のことをしないと、国民の関心を集めることができません。

 或いは、もう動きだしているのでしょうか。

 

 

 東国原知事は、国政に鞍替えするだろう、と思う方、クリックをお願い
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 かつて、G5といって、世界の先進5カ国で世界経済を論じていた時
代がありました。

 G5は、米国、英国、フランス、西ドイツ、日本の5つです。

 ウィッシュのおじいちゃまの竹下さんが、大蔵大臣をやっていたとき
には、ゴルフ場に行く格好をしてお忍びで海外の秘密会合に出席した
ことなどがありました。

 それだけ円の価値をどうするかが、世界経済にとっても重要なことだ
ったわけです。

 ところが、今やどうでしょう。

 そのG5にイタリアとカナダが加わるG7となり、そしてそれにロシアも
加わるG8会合となっています。

 そして、サミットには、中国、ブラジル、インド、南アフリカ、メキシコも
参加します。

 ということで、今やG8どころの話ではないと思っていたら‥

 何とG2の時代なのだとか。

 G2とは、一体、どことどこの国を指すのでしょうか?

 米国とEUなのでしょうか。

 そうではないようです。

 米国と中国を指すのです。


 そう言えば、最近の米国は、日本など本当に気にしていないご様
子。

 米国の最大の貿易赤字先が中国であり、そして、最大の米国国債
保有国が中国であれば、米国が中国の動向により注意を払うことは、
理解できます。

 しかし、日本のGDPは、米国について世界2位のはずではなかった
のでしょうか。

 だからこそ、麻生総理が訪米したときには、世界1位のアメリカと世
界2位の経済大国である日本が手を携え合えば、難局は乗り切ること
ができると強調したのだと、思います。

 しかし‥

 その世界2位の地位が危うくなっているのだとか。

 そう、中国のGDPが、日本のGDPを今年か来年には抜くことが確実
になってきたというのです。

 グラフをご覧下さい。

<中国のGDPの推移>               単位:10億ドル

中国 GDP

 














 
 中国の米ドル建てのGDPは、近年ぐんぐん伸びています。

 日本は、ほぼ足踏み状態プラス、最近の凄い落ち込みといったとこ
ろなのですが、中国は凄い勢いです。

 中国のGDPは、2007年は3兆4千億ドル程度ですが、2008年には
4兆3千億ドル程度に達しているのだとか。

 アンビリーバブルな数字ですが、為替レートの変動分を加味すると、
そういうことになるということなのでしょうか。

 ということになると、日本は、もうすぐ「世界2位の経済大国」という台
詞を使うことができなくなってしまいます。

 1人当たりのGDPで比べれば‥、といっても、中国は、自国こそが世
界第2位の経済大国だ、と言って譲らないでしょう。

 あるいは、もう少し先、つまり、米国を追い抜く日を既にスケジュール
に設定し、着々と準備をしているのかもしれません。

 そして、そんなことを誰もが感じているからこそ、G2ということが言わ
れるようになっているのかも知れません。

 私、思います。

 アメリカという国が、本当に中国を大切なパートナーとして扱うことが
あるのか、と。

 同じことは、中国についても言えると思います。

 両国とも、経済的利益を考えたら、それぞれが相手を尊重することが
自国の利益につながるということを感じているからこそ、そのように振
舞っているだけの話ではないでしょうか。


 中国の多くの人々は、まだまだ先進国に比べれば、貧乏な生活を強
いられているというのが正解でしょう。

 しかし、一人ひとりがまだ貧乏であっても、国全体としては多額の外
貨を保有しています。

 つまり、経済大国であることは事実なのです。

 中国のGDPが米国を抜くには、早くても後10年ほどはかかるだろう
と見られていますが、もし、その間に人民元に対してドルが急落するこ
とがあれば、ひょっとしたら後5年ほどで中国が米国を追い抜き、世界
一の経済大国になることだって考えられないわけではないのです。

 で、そうなると、いくら米ドル以外に基軸通貨の役割を果たせる通貨
はないとはいっても、やはりドルの地位は、今とは比べ物にならないほ
ど低下してしまうとも考えられるわけです。


 今後世界経済の勢力分布図が大きく変化していく可能性が大である
と考えるべきです。

 

 米国べったりの日本の姿勢は、修正が迫られるな、と思った方、クリ
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 3日間ほど、ブログの更新ができませんでした。

 それに、昨日は、メルマガの配信もできませんでした。

 申し訳ありません。

 実は、プライベートな理由で、田舎に帰っていました。

 私の田舎は、長崎県島原市というところです。

 私の住んでいるところは、割と最近開発が進んできた地域であり、近
所にはまだ田んぼがあります。

 で、帰省していた間、田んぼの様子などをみていた訳です。 

 「ひょっとしてseijiは、地主様?」

 いえ、違います。

 他人様の田んぼです。

 「では、どうして他人様の田んぼなどを?」

 田んぼに生息する生き物を見るのが楽しみだからです。

 「でも、水を引いたばかりの田んぼだから‥」

 何にもいないと思うでしょう?

 確かに水を引いたばかりの田んぼは、まだ、どろんこの運動場みた
いなもので、生き物の姿など‥

 しかし、数日も経つと、もう生き物がうようよと。

 卵からかえったばかりの小さなオタマジャクシがいっぱい泳いでいま
す。
 
 もちろん、凄く小さいので、意識して田んぼの中を覗かないと気が付
かないでしょう。

 でも、太陽の光が強いと、無数のミジンコとともに小さなオタマジャク
シが確認できます。

 実に不思議なものですよね。

 まるで、お百姓さんがもうすぐ田植えをするだろうということを知って
いたかのように、オタマジャクシが誕生するわけですから。

 ヤゴはまだ見つかりませんでしたが、トンボが田んぼの上を飛んで
いましたから、遠からずヤゴが田んぼの中を我がもの顔で泳ぎ回るこ
とでしょう。


 お百姓さんたちには、なるだけ農薬や肥料の使用を抑えてコメ作りを
続けてもらいたいと思います。

 本当は、トキが生息する田んぼのようになって欲しいのですが、ま
あ、お百姓さんにも事情があるでしょうから‥。

 皆様も、田んぼを訪れることがあったら、是非、よくご覧になって生き
物たちを観察して下さい。



 日本は、水田を守らなければいけない、と思った方、クリックをお願い
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 私が住んでいる地域では、湧水がいつも溢れているので、雨が降ら
なくても田植えは可能なようです。

 どんなに暑くても、湧水を飲むと生き返ります。

 

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 米国で金融規制改革案が発表されましたが、賛否両案があるようで
す。

 やり過ぎだ、という意見と、十分ではない、という意見です。


 やり過ぎだという意見は、例えば、市中銀行や貯蓄金融機関から出
ています。

 市中銀行に言わせれば、今回の金融危機は、銀行が起こしたもので
はない、と。

 確かに、住宅ローン債権を証券化して売り払ったりしたのは、銀行で
はありません。

 それにそうした証券化商品に高い格付けをつけたのも銀行ではあり
ません。

 クレジット・デフォルト・スワップを販売したのも銀行ではない、と。

 貯蓄金融機関は、どうして貯蓄金融機関という経営形態が廃止され
なければいけないのだ、と怒っているようです。

 貯蓄金融機関とは、日本でいえば、信用金庫や信用組合みたいなも
のでしょうか。

 サブプライムローンなどには関わっていないのに‥、と言っているよ
うです。


 一方で、ポールクルーグマン氏などは、やるべき時にやっておかない
と、人間はすぐ忘れてしまうから‥、と。

 We need to do it while ― strike while the iron is hot.


  鉄は熱いうちに打て!

 
 オバマ大統領は、今回の金融危機は、無責任の文化がもたらした、
と述べました。

 a culture of irresponsibility

  PBSの司会者であるジム・レーラー氏が、ガイトナー財務長官に質
問します。

 無責任とはどういうことか。どうしてそんなことになったのか、と。

 ガイトナー財務長官は、それに対し、将来に自信を持ち過ぎたせい
だ、と答えています。

 過信して、傲慢になっていたということではないでしょうか。


 そのガイトナー財務長官は、次のようなことを述べています。


 And we want to see the unemployment rate start to
come down and come down substantially.
 We want to 
see costs of credit, availability of credit come
back to
more nomal place.

  It's not going to back to where it was between 2004 
and 2007.

 That was an unsustainable boom. Borrowing costs 
were unsustainably
low. That's what helped produce 
this huge boom in credit,
huge boom in housing prices,
assetprices. We can't go back to that.

「我々は、失業率が相当に低下し始めるようになるのを見たい。借入
コストが、そして借入の機会が、もっと正常な姿に戻るのを見たい。

 2004年から2007年の頃のような状態に戻ることはないであろう。

  あれは、持続不可能なブームだったのだ。借入コストは、持続不可
能なほど低かった。それが、融資ブームをもたらし、住宅価格の上昇
をもたらし、資産価格の上昇をもたらしたのだ。あの状態には戻れな
いのだ」


 私、思うのですが、あの頃に戻れないというのは、何も安い借入コス
トや高い住宅価格だけではなく、少しくらい景気が回復しても、当時の
水準まで需要が回復するのは、当分難しい気がします。

 何故なら、持続不可能なレベルの需要であったからです。

 そのことは、よく承知しておく必要があるでしょう。


 鉄は熱いうちに打てというのは分かるが、どうして貯蓄金融機関を
なくそうというのだろうか、と思った方、クリックをお願いします。
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 オバマ大統領が、17日、金融規制改革について提案しました。

 連銀に幅広い監督権限を与える、とか、消費者保護のための組織を
新設するとか。

 でも、どうなのでしょうか。

 連銀に、そんなに多くの権限を集中させることが事態の改善につな
がるのでしょうか。

 これ、日本に置き換えてみると分かりやすい、と思います。

 銀行や証券会社、或いは保険会社が投機に走ったりして、金融シス
テムの安定性を脅かしたからといって、おい、日銀は何をしているの
だ、という声は出ないと思います。

 文句言われるのは金融庁でしょう。

 それに世界の中央銀行は、通貨価値の安定と経済の安定に最大の
努力を注ぐべきで、そうした仕事以外に、個別金融機関の監督や金融
システム全体の安定性についてまで責任を持たせるのは、過重な負
担をかけるだけの話で、決して効率的だとは思われないからです。

 オバマ大統領のスピーチをみてみましょう。


 With the reforms we're proposing today, we seek to put
in place rules that will allow our markets to promote
innovation while discouraging abuse.

「本日我々が提案する改革案を以って、我々は、市場が乱用を戒めつつ、イノ
ベーションを促進することができるような規制を実施したい」


 We seek to create a framework in which markets can
function freely and fairly, without the fragility in
which normal business cycles suddenly bring the risk
of financial collapse; we want a system that works for
businesses and consumers.

「我々は、市場が自由に、そして公正に機能することができるような枠組みの構
築に努める。そこには、通常の景気循環がいきなり金融システムの崩壊をもた
らすような脆弱さはない。我々は、企業や消費者のために機能するシステムが
必要だ」


 There are those who will say that we do not go far
enough, that we should have scrapped the system altogether
and started all over again. I think that would be
a mistake. Instead, we've crafted reforms to pinpoint
the structural weaknesses that allowed for this crisis
and to make sure that these problems are dealt with so
that we're preventing crises in the future.

「我々はまだ十分ではないとか、我々は、制度自体を全部一度廃止してしま
い、もう一度始めからやり直すべきだったという人々がいる。しかし、それは間
違いだと思う。その代わり、この危機が起こる原因となった構造的な弱点に焦
点を当てた改革案を構築してきた。また、こうした問題が処理され、将来危機を
回避することができるような改革案を構築してきた」


 There are also those who say that we are going too
far. But the events of the past few years offer ample
testimony for the need to make significant changes.

「また、我々はやり過ぎだという人もいる。しかし、過去数年に起こった事実は、
相当の変化を必要とするということを十分証明している」

 The absence of a working regulatory regime over
many parts of the financial system -- and over the
system as a whole -- led us to near catastrophe.

「金融システムの多くの部分に対する監督体制が十分でなかったから、また、
全体としての金融システムに対する監督体制が十分でなかったから、崩壊しか
けたのだ」


 We shouldn't forget that. We don't want to stifle
innovation. But I'm convinced that by setting out clear
rules of the road and ensuring transparency and fair
dealing, we will actually promote a more vibrant market.

「そのことを忘れるべきではない。ただ、イノベーションを邪魔したくはない。しか
し、明確なルールを設定し、そして透明性と公正性を確保することによって、も
っと活力のある市場を促進するであろうと確信している」


 This principle is at the heart of the changes we're
proposing, so let me list them for you.

「これこそが、我々が提案する改革の中心にある。具体的に示そう」

 First, we're proposing a set of reforms to require
regulators to look not only at the safety and soundness
of individual institutions, but also -- for the first
time -- at the stability of the financial system as
a whole.

「第一に、我々は、監督当局が、個々の機関の安全性や健全性についてだけ
注意をするのではなく、初めてのことであるが、全体としての金融システムの安
定性についても注意することを求める改革案を提案している」

 One of the reasons this crisis could take place is
that while many agencies and regulators were responsible
for overseeing individual financial firms and their
subsidiaries, no one was responsible for protecting
the whole system from the kinds of risks that tied
these firms to one another.

「この危機が起こり得た1つの理由は、多くの規制当局が、個々の金融機関と
その子会社の監督に責任を持っていたが、誰ひとりとして、これの金融機関を
他の金融機関に結び付けるようなリスクから全体のシステムを守ることについ
ては、責任を持つ者がいなかったことである」

 Regulators were charged with seeing the trees, but
not the forest. And even then, some firms that posed
a so-called "systemic risk" were not regulated as strongly
as others; they behaved like banks but chose to be
regulated as insurance companies, or investment firms,
or other entities that were under less scrutiny.

「規制当局は、木を見る責任はあったが、森を見る責任はなかった。また、所
謂システムリスクに影響を及ぼすとみられた会社でも、強力に規制されること
がなかったものがあった。それらの会社は、銀行のように行動したが、保険会
社として規制を受ける途を選んだ。或いは、投資会社として、或いは、より監視
が少ない組織として」

 As a result, the failure of one firm threatened
the viability of many others. The effect multiplied.

「その結果、一つの会社の破綻が、他の多くの会社の存続を危うくした。影響
は増幅した」

 There was no system in place that was prepared for
this kind of outcome. And more importantly, no one has
been charged with preventing it. We were facing one of
the largest financial crises in history -- and those
responsible for oversight were mostly caught off guard
and without the authority needed to address the problem.

「こうした結果に対応したシステムはなかった。さらに重要なことは、そうしたこと
を回避する責任を持ったものがいなかったことだ。我々は、市場最大の金融危
機の一つに直面していた。そして、監督当局は、不意を突かれた。そうした問
題に対処するための権限がなかったのだ」


 It's time for that to change. I am proposing that the
Federal Reserve be granted new authority -- and accountability
 -- for regulating bank holding companies and other large
firms that pose a risk to the entire economy in the event
of failure.

「今や変革の時なのだ。 私は、連銀が、新たな権限を与えられることを提案す
る。銀行持ち株会社と経済全体にシステムリスクを及ぼすような大きな会社を
規制する責任である」


 We'll also raise the standard to which these kinds of firms
are held. If you can pose a great risk, that means you have
a great responsibility.

「我々はまた、これらの会社に適用される基準を提案する。もし貴方が大きなリ
スクを及ぼすのであれが、貴方は責任が大きいのだ」

 We will require these firms to meet stronger capital and
liquidity requirements so that they're more resilient and
less likely to fail.

「我々は、これらの会社が、もっと強靭になり、破綻することが少なくなるよう
に、十分な資本と流動性を満たすことを要求する」

 And even as we place the authority to regulate these large
firms in the hands of the Federal Reserve -- so that lines
of responsibility and accountability are clear -- we will
also create an oversight council to bring together regulators
from across markets to coordinate and share information,
to identify gaps in regulation, and to tackle issues that
don't fit neatly into an organizational chart.

「我々は、こうした大きな会社を規制する権限を連銀に与えるのであるが ―
責任の範囲は明確になるように ― 我々は、監督委員会をも創設するつもり
だ。それによって、数ある規制当局を調整するとともに情報の共有化を図り、ま
た、規制のギャップを見つけ、そして、どこの部局の担当であるかはっきりしな
いような問題に対応するためである」


 We're going to bring everyone together to take a broader
view -- and a longer view -- to solve problems in oversight
 before they can become crises.

「我々は、皆をまとめ、より広い見地で、そして、より長期的な視野でみるように
し、危機になる前に問題を解決する」

 

 As part of this effort we're proposing the creation of what's 
called "resolution authority" for large and interconnected
financial firms so that we're not only putting in place
safeguards to prevent the failure of these firms, but also a set
of orderly procedures that will allow us to protect the economy
if such a firm does in fact go underwater.

「この努力の一つとして、所謂清算当局と呼ばれるものの創設を提案する。大
規模で複雑な金融会社のためのものであり、こうした会社の破綻を防ぐための
防衛策を講じるだけでなく、もし、そうした会社が事実上破綻したような場合に、
経済を守ることができるような整然とした手続きを講じるためのものである」

 Think about this: If a bank fails, we have a process
through the FDIC that protects depositors and maintains
confidence in the banking system.

「これを考えてほしい。もしある銀行が破すると、我々は、預金保険公社を通じ
た手続きに入り、それによって預金者が保護され、信用システムの信頼が維持
される」

 This process was created during the Great Depression when
the failure of one bank led to runs on other banks, which 
in turn threatened wider turmoil. And it works. Yet we don't
have any effective system in place to contain the failure 
of an AIG, or the largest and most interconnected financial 
firms in our country.

「この手続きは、大恐慌の時代に創設された。当時、一つの銀行の破綻が、
他の銀行の取り付け騒ぎを巻き起こし、より大きな混乱となった。この制度は
機能している。しかし、我々には、AIGの破綻を封じ込めるような効果的な制度
を有していない。AIGは、我が国で最大の、そして最も複雑に入り組んだ金融
会社なのだ」

 And that's why, when this crisis began, crucial decisions 
about what would happen to some of the world's biggest
companies -- companies employing tens of thousands of
people and holding trillions of dollars in assets -- took place in
emergency meetings in the middle of the night. And that's why
we've had to rely on taxpayer dollars.

「それが、この危機が起こったとき、世界の大きな会社の幾つかにどういうこと
をもたらすのであろうか、ということについて重大な決断がなされた理由なの
だ。何万人もの従業員を雇い、何兆ドルもの資産を有するような会社に対しど
んな影響を与えるか、だ。その重大な決断は、真夜中の緊急会議でなされた。
それが、納税者のお金に頼った理由なのだ」

 

 We should not be forced to choose between allowing a 
company to fall into a rapid and chaotic dissolution, or to 
support the company with taxpayer money. That's an 
unacceptable choice. There's too much at stake, and we're 
going to change it.

「会社が大混乱を起こして分解されるか、或いは、納税者のお金でその会社を
支援するか、そのどっちかから選べ、などということは許されるべきではない。
それは受け入れ不可能な選択肢だ。余りにも多くの利害関係者が存在してい
る。我々は、それを変えることになる」


 Second, we're proposing a new and powerful agency charged 
with just one job: looking out for ordinary consumers. And
this is essential, for this crisis was not just the result
of decisions made by the mightiest of financial firms; it 
was also the result of decisions made by ordinary Americans
to open credit cards and take out home loans and take on
other financial obligations.

「第二に、我々は、一つの仕事だけに責任を持つ新しい強力な組織を創設する
ことを提案する。普通の消費者を見守る組織だ。この危機は、強力な金融会社
が行った決定によって起こったというだけではなく、普通のアメリカ国民がクレ
ジットカードを作ったり、住宅ローンを借りたり、或いは他の債務を負ったりした
ことの結果でもあったのだ」


 We know that there were many who took out loans they knew
they couldn't afford, but there were also millions of Americans 
who signed contracts they didn't always understand offered
by lenders who didn't always tell the truth.

「我々は、自分たちが返済することはできないだろうと知っておりながら住宅ロ
ーンを借りる多くの人々がいたことを知っている。しかしまた、彼らが理解する
ことのできない内容の契約書にサインをした何百万人ものアメリカ国民がいた
ことも事実だ。貸し手は、真実を告げなかったのだ」

 Even today, folks sign up for mortgages or student loans or 
credit cards and face a bewildering array of incomprehensible 
options. Companies compete not by offering better products, 
but more complicated ones, with more fine print and more
hidden terms.

「今でも、住宅ローンや学生ローンやクレジットカードの契約にサインする人々
がいて、理解できないオプションの内容に当惑する。会社側は、よりよい内容
の商品を提供するのではなく、より複雑なものを、そして、より小さな字で書か
れ、隠された条件があるものを提供している」

 So this new agency will change that, building on credit card
reforms I signed into law a few weeks ago with the help of
many of the members of Congress who are here today. This 
agency will have the power to set standards so that companies
compete by offering innovative products that consumers
actually want -- and actually understand. Consumers will be 
provided information that is simple, transparent, and accurate.

「従って、この新しい組織は、そのことを変えさせることになろう。本日ここにい
る議会のメンバーの多くの賛同を得て、数週間前に私がサインをすることによ
って法律となったクレジットカード改革に基づいてである」


 You'll be able to compare products and see what's best for 
you. The most unfair practices will be banned. Those ridiculous
contracts with pages of fine print that no one can figure out --
those things will be a thing of the past. And enforcement will 
be the rule, not the exception.

「あなたがたは、商品の比較が可能になり、どれが一番よいか分かるであろう。
不公正な慣行は禁止される。誰も何が書いてあるか分からないような小さな字
で書かれた契約は、もはや過去のものとなる。強制が原則となり、例外ではな
い」

 For example, this agency will be empowered to set new rules
for home mortgage lending, so that the bad practices that led 
to the home mortgage crisis will be stamped out.

「例えば、この組織は、住宅ローンの新しい規則を設ける権限を与えられる。
住宅ローン危機に至らしめた悪い慣行を一掃するためだ」


 Mortgage brokers will be held to higher standards. Exotic
mortgages that hide exploding costs will no longer be the
norm. Home mortgage disclosures will be reasonable, clearly 
written, and concise.

「住宅ローンのブローカーは、より厳しい規則に従うことになる。金利が急騰す
ることを隠すような風変りなローンは、もはや当たり前ではなくなる。住宅ローン
の情報開示は、合理的で、明確に書かれ、簡潔なものになる」


 And we're going to level the playing field so that non-banks 
that offer home loans are held to the same standards as banks
that offer similar services, so that lenders aren't competing to
lower standards, but rather are competing to meet a higher bar
on behalf of consumers.

「我々は、住宅ローンを提供するノンバンクが、同様のサービスを提供する銀
行に適用される基準と同じものに従うようにするために、競争条件をそろえる。
それによって貸し手は、基準を下げる競争をするのではなく、消費者のために
より高い基準を満たすことになる」

The mission of this new agency must also be reflected
in the work we do throughout the government. There are
other agencies, like the Federal Trade Commission,
charged with protecting consumers, and we must ensure
that those agencies have the resources and the
state-of-the-art tools to stop unfair and deceptive
practices as well.

「この組織の使命は、我々が行う仕事に反映されることになる。消費者を保護
する目的の連邦取引委員会のような組織があるが、そのような機関が、不公
正で詐欺的な行為を止めさせるための、資源と先端的な手段を保有することを
確かなものにしなければならない」


 Third, we're proposing a series of changes designed to
promote free and fair markets by closing gaps and overlaps
in our regulatory system -- including gaps that exist
not just within but between nations.

「第三に、我々の規制体系のギャップやオーバーラップを除くことによって自由
で公正な市場になることを促進するための一連の改革を提案する。それは、国
内に限らず海外との間に存在するギャップを含む」


 We've seen that structural deficiencies allow some
companies to shop for the regulator of their choice
-- and others, like hedge funds, to operate outside
of the regulatory system altogether. We've seen the
development of financial instruments, like many
derivatives, that are so complex as to defy efforts
to assess their actual value. And we've seen a system
that allowed lenders to profit by providing loans to
borrowers who would never repay, because the lender
offloaded the loan and the consequences to somebody
else.

「我々は、規制当局を自分たちで選ぶような会社があるという構造的な欠陥を
見てきた。また、例えば、ヘッジファンドのように規制体系の外で活動をする会
社もある。我々は、金融商品の進歩を見てきた。多くのデリバティブのように余
りにも複雑になっていて、実際の価値がどれほどのものであるか評価しようと
いう気持ちが起こらなくなるほどのものがある。そして、決して返済することの
ないような借り手にローンを供与しても、利益が上がるようなシステムを見てき
た。貸し手は、ローンを他に売却し、その結果は他人に及ぶことになる」

 

 And that's why, as part of these reforms, we will
dismantle the Office of Thrift Supervision and close
loopholes that have allowed important institutions to
cherry-pick among banking rules. We will offer only
one federal banking charter, regulated by a strengthened
federal supervisor. We'll raise capital requirements
for all depository institutions. Hedge fund advisors
will be required to register with the SEC.

「それが、この改革案の一部として、貯蓄金融機関監督局を廃止し、主要な機
関が銀行規則のなかからつまみ食いをすることを許したような抜け穴をふさご
うとしている理由だ」

 We're also proposing comprehensive regulation of credit
default swaps and other derivatives that have threatened
the entire financial system. And we will require the
originator of a loan to retain an economic interest
in that loan, so that the lender -- and not just the holder
of a security, for example -- has an interest in ensuring
that a loan is actually paid back. By setting common-sense
rules, these kinds of financial instruments can play a
constructive, rather than destructive role.

「我々は、クレジット・デフォルト・スワップ及び金融システム全体を脅かしたきた
他のデリバティブについても、総合的規制を提案する。また、ローンの原資産
所有者に対しては、当該ローンの経済的関与を維持するように要求する。そう
することによって、例えば、証券の保持者だけではなく、貸し手が、融資が実際
に返済されることを確実なものにすることに関心を持たせるためである。常識
的なルールを設けることによって、この種の金融商品は、破壊的なものではなく
建設的な役割を演じることができる」


 いずれにしても相当に滅茶苦茶なことをやってきたということですね。


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