経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2010年02月

 米国債を一番多く保有している国はどこか、ご存知でしょうか。

 「中国? ああ、そうじゃなくて、日本がまた首位に返り咲いた
んだった。だから日本が一番」

 ブー!

 「どうしてよ?」

 やっぱり中国の保有額が一番大きかったと、米財務省が計数
を修正したのです。

 先ずは、当初発表になった計数をみてみましょう。


<米国債の保有状況>

      中国      日本   
2009年
1月   7396億ドル   6348億ドル
2月   7442億ドル   6619億ドル
3月   7679億ドル   6867億ドル
4月   7635億ドル   6859億ドル
5月   8015億ドル   6772億ドル
6月   7764億ドル   7112億ドル
7月   8005億ドル   7239億ドル
8月   7971億ドル   7306億ドル
9月   7989億ドル   7510億ドル
10月   7989億ドル   7459億ドル
11月   7896億ドル   7573億ドル
12月   7554億ドル   7688億ドル


 「そうそう、そんな感じだった。昨年の12月に日本が少し中国を
上回って‥」


 では、修正後の数値をお示しします。

<米国債の保有状況>

      中国               日本   
2009年
1月   7396億ドル          6348億ドル
2月   7442億ドル          6619億ドル
3月   7679億ドル          6867億ドル
4月   7635億ドル          6859億ドル
5月   8015億ドル          6772億ドル
6月   7764億ドル→9158億ドル 7112億ドル→7082億ドル
7月   8005億ドル→9399億ドル 7239億ドル→7209億ドル
8月   7971億ドル→9365億ドル 7306億ドル→7275億ドル
9月   7989億ドル→9383億ドル 7510億ドル→7479億ドル
10月  7989億ドル→9383億ドル 7459億ドル→7429億ドル
11月  7896億ドル→9290億ドル 7573億ドル→7543億ドル
12月  7554億ドル→8948億ドル 7688億ドル→7657億ドル

 

 「大幅な修正だな」

 そうですね、中国の数字は大きく引き上げられています。

 「日本も修正になったの?」

 日本の分も修正になっていますが、こちらは小幅な修正のようです。

 「2009年6月以降の分だけ修正になったのか」

 そのようですね。

 実は、この修正、毎回この時期に行われる定期的な見直しによ
るもので、昨年もこの時期に修正がなされていたようです。

 「てっきり数字を操作したのかと思ったけど‥。でも、おかしい
よ。中国の計数は、毎月1394億ドルが上乗せされ、そして、日
本の方は、毎月約30億ドルが差し引かれているみたいだけど。
それに修正後の数字をみると、昨年の6月に中国は1000億ドル
以上の買い増しをした後、その後は、あまり大きな変化はないみ
たいだけど、6月に何かあったのかな‥」


 実は、5月と6月に大きな断層が発生する結果になっているの
ですが、それは必ずしも6月に中国が大量に米国債を購入したこ
とを意味しないのです。

 「でも、1000億ドル以上も増加してるけど‥」

 それは、統計の取り方が変わったというか‥、その時点から異
なった方法により集計をしているから、そこで統計の連続性は遮
断されると考える方が適当のようなのです。

 もう少し詳しくいえば、米財務省は、09年6月の計数を7764億
ドルから9158億ドルに変更したわけではなく、それ以前の集計
方法で集計すると09年6月の数値は7764億ドルである一方で、
それ以降の集計方法で集計すると09年6月の数値は9158億ド
ルになると言っているのです。つまり09年6月の数値は2つある、
と。そして、その2つとも正しい、と。だから、6月に何か特別なこ
とが起こったとは考えない方が適当なのです。

 「超難しい!」

 いずれにしても、もし米財務省のいうことを信じるならば、日本
は中国を抜いたと思ったけどそうではなく、中国が世界一のまま
だった、と。

 「じゃあ、中国は米国債の保有高を減らしてはいないの?」

 いえ、そうではありません。保有高は世界一ですが、ピーク時に
くらべ450億ドル程度減少していることには変わりはないようで
す。


 米財務省は、金融機関などの仲介機関の名前で米国債を購入
する投資家がいるために、真の国債の保有者(及びその国籍)を
確認することには困難が伴うと言っています。


 米国も偽装をしているのかと思ったぞ、という方、クリックをお願
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 今週は、デフレを克服するためには何が重要かと聞かれた白
川日銀総裁が、それに対して、生産性の向上が必要なのだと
答えた真意をずっと考えていました。

 白川総裁は言います。生産性が上がると、将来所得が増加す
ることが期待できる、と。

 本当にそうなのでしょうか?

 確かに生産性が向上すると、今まで必要とされた労力の節約
が実現でき、そうなると、生産費が減少するので利潤の拡大につ
ながる可能性がありますが‥、しかし、むしろ製品価格の低下に
結びつかないのか、そしてまた、不要になった労働者が失業して
しまうのではないか。


 生産性の向上が、生産に必要な労働力を省力化するということ
だ、と考えるのであれば、生産性の向上は時として失業をもたら
すというのは、そのとおりでしょう。つまり、生産性の向上は、労
働力の余剰をもたらす、と。そして、労働力の余剰がもたらされる
と聞くと、労働者の側は、自分はどうなるのだろうか、と心配にな
るでしょう。

 しかし、経済が長期的に成長するとはどういうことを意味するの
かをよく考えて下さい。

 経済が長期的に成長を続けるというのは、毎年毎年GDPが増
え続けることなのです。しかも、名目のGDPではなく実質GDPが
増えるということだ、と。

 では、実質GDPを限りなく増大させるために必要な条件は何
か、と。

 GDPは、基本的には、労働者と資本を用いて生産するもので
す。つまり、我々人間が働くからこそGDPが増える訳です。しか
し、もし、人口が増えも減りもしない状況であると仮定すれば、ど
うやって人間が作り出すモノやサービスを限りなく増加せることが
できるのか、と。
 
 そうです。そのためには生産効率を上げることしかないので
す。つまり、生産性の向上です。要するに、余剰な労働者が生ま
れるから、新しいモノやサービスを生産する余力が生じ、GDPを
限りなく増大させる力が生まれるのだ、と。逆にいえば、そうした
余剰労働が生まれない限り、GDPをいつまでも増大させ続ける
ることはできない、と。

 そう考えると、生産性の向上によって生まれる余剰労働を失業
ととらえるよりも、これから先の成長を保証するものだと理解すべ
きなのです。
それに、そうした労働余剰がいつまでも余剰のまま
である筈がないことにも注意する必要があります。つまり、いつま
でも失業者でいるわけはない、と。

 コメ作りの生産性が10倍になるという極端なケースを考えてみ
ましょう。そうした場合、これまで存在したコメ作り農家の9割が新
しい仕事を探す必要があるわけですが、そうした人々は、少なく
ても食べるに困ることは多分ないであろうということに気が付くべ
きです。それは、例えば、次のようなことを考えると理解しやすい
はずです。

 例えば、南の島の孤島で、10人の人がコメを作って生活してい
た、と。いずれも、自分が食べるコメを生産するのが精一杯で、
皆一生懸命コメを作り生きていた、と。

 ところが、ある日、誰かが、その島にいた牛を使いコメを作るこ
とを考え、そしてまた、新種のイネを発見したと。その結果、たっ
た1人でそれまでの10人分の生産をすることが可能になった、
と。

 残りの9人はもはやコメを作る必要がなくなった訳です。ただ、
その1人は、自分で食べるコメの10倍も生産しているわけですか
ら、残りの9人分が余剰になるわけです。彼が人情深い人だった
ら、その余ったコメを他の人々に分け与えるかもしれません。しか
し、彼は考えるでしょう。コメを作るのは楽になったとはいっても働
いているのは事実なのだから、コメを与える代わりに何かをもら
いたい、と。そうすると、残りの人々は、自分が生活するために
必要なコメを獲得するためにいろいろ考えるでしょう。そうだ、森
に入って、果物を取ってきてそれとコメを交換してもらおう、と。或
いは魚をとってきて交換してもらおうと。あるいは、体をマッサー
ジしてあげてコメをもらおうとするかもしれません。いずれにして
も、牛を使ってコメを作ることを考えた人は、急に収穫量が10倍
にもなり、食べきれないほどのコメを獲得してしまったわけですか
ら、割と気前よく何とでも交換する気になるのではないでしょう
か。

 要するに、生産性の向上が急激に進めば、仮に失業が一時的
に生まれても、何かの職業が生まれてくるであろう、と。現実に世
の中を見回すと、100年前には想像もつかなかったような職業が
今、如何に多く存在しているか、と。

 ということで、労働力の省力化につながる生産性の向上は少し
も恐れる必要はない、と。


 ところで、以上の議論は、必要とされる労働力の省力化による
生産性の向上についてのものですが、労働力の縮小にはつなが
らない生産性の向上を重視することもそれと同じに、或いはそれ
以上に重要であるということをお示ししたいと思います。

 生産性の向上とは、常識的な意味では、生産の能率を上げる
ことですから、ある製品を生産するのに必要な労働が少なくなる
ことを意味するわけですが、そうであるにしても、例えば、生産性
の国際比較をする場合の生産性とは、労働者1人当たりの付加
価値額を指すということは事実です。

 つまり、そうした意味では、必要な労働量がどうかとは関係は
なく、もし、新しい製品が発明、考案されるなどして、それが仮に
消費者の高い支持を得て、そして高い価格で販売されることにな
れば、それもまた生産性が大きく向上したことになるわけです。

 例えば、コメ作りにおいて、仮に量的には増加させることはでき
なくても、大変に美味しいコメを作ることができ、そして消費者が、
そのコメに対して10倍の価格を付けるのであれば、それもまた
生産性が10倍になったことを意味するのです。

 そして、この場合の生産性の向上の場合には、余剰な労働が
生まれることはありませんから、失業の問題を気にする必要はな
いわけです。

 こうして考えてくると、やっぱり生産性を上げることが如何に重
要であるかが徐々に分かってくるような気がするのですが‥

 でも、これはある意味、市場経済の原理をより重視する立場に
もつながり、そして、そうであるのならば、第3の道を強調する菅
財務相とは、少しばかり考え方が違うような気がします。


 
 それにしても、鳩山総理は、経済問題についてはあまり関心が
なさそうだ、と思う方、クリックをお願いします。
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 バーナンキ議長が24日、下院金融サービス委員会で証言しま
した。もうご承知のことと思います。

 で、彼は何と言ったか?

 予想どおりのことです。異例の低金利は、まだまだ長期間続く
であろう、と。

 正確に引用すれば、次のとおりです。

 
 The FOMC continues to anticipate that economic
conditions--including low rates of resource utilization,
subdued inflation trends, and stable inflation
expectations--are likely to warrant exceptionally low
levels of the federal funds rate for an extended
period.

 「公開市場委員会(FOMC)は、経済状況、つまり、労働や設備
の稼働率が低水準にとどまっていること、インフレ率のトレンドが
落ち着いていること、そして、予想インフレ率も落ち着いているこ
と、そういう経済状況が異例に低いフェデラルファンズレートを長
期間において正当化しそうである、と引き続き予想する」

 この表現、先日の公定歩合引き上げ決定の時の声明文と殆ど
同じものです。

 it anticipates that economic conditions are likely to
warrant exceptionally low levels of the federal funds
rate for an extended period.

 economic conditions の意味が具体的に示されているの
が、違いといえば違いであるわけですが、内容的には全く同じ。

 ということで、まだまだゼロ金利政策を長い期間に渡って続け
ますよ、と言っているようにも思われるのですが‥

 ですが、ちゃんと保険も掛けているのです。

 保険というのは、いつ何時状況が変わって利上げをする必要に
迫られるか分からないということです。

 彼は、こうも言っているのです。

 Although the federal funds rate is likely to remain 
exceptionally low for an extended period, as the 
expansion matures, the Federal Reserve will at some
point need to begin to tighten monetary conditions to
prevent the development of inflationary pressures.

「フェデラルファンズ・レートが長期間に渡って異例の低さにとど
まりそうだとはいっても、景気拡大が本格化すれば、ある時点で
連銀がインフレ圧力が強まることを防ぐために金融引き締めに
着手する必要があるであろう」


 やっぱりバーナンキ議長は優等生の発言しかしないのです。

 ゼロ金利政策を続けることに関しても、それが絶対に必要であ
るとは言わず、現下の経済情勢に鑑みれば、ゼロ金利政策が長
く続きそうである、というだけであり、また、ひょっとして景気回復
が本格化すれば、そのときには利上げに転ずる必要性が生ずる
であろう、と。

 まさに、そのとおり。

 つまり、バーナンキ議長は何も言質を与えていないと解釈すべ
きなのです。

 ゼロ金利政策は長く続きそうだが、そうはいっても状況に応じて
利上げに転ずることもあるのだ、と。

 それに一つだけ大事なことを言っておくと、バーナンキ議長は、
ゼロ金利が長期間続くだろう、とは言っていないのです。

 言っているのは、異例の低水準の金利が長期間続く、と。

 では、異例に低い金利とは具体的に何を指すのか?

 私は、これは1%未満の金利を指すと解釈すべきだと思うので
す。それは、前回の金融緩和時のボトム水準も1%にとどまって
いるからです。つまり、通常であれば、金利はどんなに下げても
1%程度が最低ラインなのだ、と。

 ということで、ゼロ金利政策が解除されて、政策金利の誘導目
標が0.5%に引き上げられてもまだまだ異例の低水準の金利が
続いていると、言えなくもないということです。ここがポイント!


 いずれにしても、今回のバーナンキ議長の発言は、如何様にで
も解釈可能だ、という程度に考えていた方がよさそうな気がしま
す。



 アメリカの場合は、日本ほど露骨にプレシャーはかけないのだ
な、と思った方、クリックをお願いします。
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 菅直人財務相は、22日衆院予算委員会で次のように述べまし
た。

 「デフレ脱却は政府・日銀の共通目標だ。政府は財政出動して
需要拡大に力を入れている。ぜひ日銀にもデフレ脱却の努力を
一層して欲しいと期待している」

 で、それに対し、日銀の白川総裁は、次のように。

 「デフレから脱却するために、日銀としては潤沢に資金を供給し
ていきたい」

 どれだけ潤沢に資金を供給しても、物価を上昇させることは至
難の技に思えるのですが‥

 菅直人財務相は、23日、月例経済報告関係閣僚会議後の記
者会見でデフレ克服について、さらに次のように述べています。

 「日銀は金利上昇を心配しているようだが、政府はやるべきこ
とをちゃんとやるので、日銀もやるべきことを大いにやってもらい
たい」


 日銀がやるべきことをやっていないようにも聞こえますが、菅財
務相は日銀に具体的に何を求めているのでしょうか。

 白川総裁も、大量のアイソを貯め込んでいたと思うのですが、
そのアイソもそろそろ尽きてくるのではないでしょうか。

 まあ、でも、菅さんは、自分は何か変なことを言っているとは少
しも思っている訳ではないのですよね。日本経済が良くなるため
に精一杯頑張っている、と。日銀ももう少し汗をかいてくれ、と。だ
からこそ、見ていて余計に虚しくなるのです。

  私は、何を言いたいのか?

 要するに、日銀がどれだけ頑張ってもインフレは起こせない、
と。本日は、その理由を分かりやすく説明しましょう。

 先ず、インフレが起こるとすれば、何が真の原因か? そう、皆
さんに問いたいと思います。

 何がインフレの原因か?

 恐らく、多くの人が、通貨を発行しすぎるとインフレになると答え
るのではないでしょうか。

 確かに、インフレが起きているときには、通貨の発行が急増す
るものです。では、通貨の発行量が増えると必ずインフレになる
のか? 実は、そうではないのです。

 例えば、ハイパーインフレが起きた国を思い出して下さい。第一
次大戦後のドイツ。最近のジンバブエ。そして、戦後間もなくの日
本。みな、モノ不足が原因で起きているのです。

 オイルショック後のインフレもそうです。思い出して下さい。石油
資源は有限だと叫ばれ、皆石油が近い将来枯渇してしまうので
はと心配しました。だから、人々はトイレットパーパーまで買いだ
めし、市場ではモノ不足の現象が起きたのでした。

 石油の価格が上昇したのは、OPECの決定によって引き起こさ
れたと考えられますが、そうではあっても、もし、当時人々が石油
資源が遠からず枯渇すると考えることがなかったら、そうした価
格の引き上げは実現するはずはなかったのです。

 そうしたモノ不足の状況で、人々が、なくならないうちにモノを確
保しようと思えば、預金をどんどん引き出してでもモノを買おうと
するでしょう。そして、皆がそういう行動を取るから通貨の発行量
が増えるのです。

 決して、中央銀行がお金を発行しすぎたからインフレが起きる
わけではないのです。もちろん、中央銀行がお金の発行を抑える
ことは可能です。そして、そうすれば、少しはインフレの進行を止
めることができるかもしれませんが、必要な物資が絶対的に不足
する場合には、そうした物資の価格の高騰を止めることはできな
いのです。

 では、物価は何故下がるのか?

 通貨の発行量が少なすぎるからなのか?

 そうではないのです。物価が下がるのは、需要に比べ供給が
多すぎるからなのです。つまり、市場でモノが溢れた状態になっ
ているから物価が下がる、と。そして、物価が下がるから取引に
必要な通貨の量も少なくて済むと。

 つまり、通貨の量が少ないからデフレになっているのではなく、
デフレであるから通貨の量が少なくなっているのです。

 それが真相なのに、日銀にどうにかしろという人が大勢いるわ
けです。

 以上の説明でも納得できない人のために、一つの例をお示しし
ましょう。

 主たる産業が農業と漁業しかないような原始的な社会があった
とします。但し、取引に必要な貨幣は存在していた、と。農業と漁
業しかないような社会ですから、その貨幣というのは、美しい貝
殻かなんかであったのでしょうが。

 そしてある年、農作物が大変豊作になり、また、魚も大量に獲
れ過ぎる状態が続いたと想定して下さい。

 要するに食べるものが市場に溢れ、価格は暴落してしまった、
と。そして、価格が暴落するものだから、当分農作業や漁は休止
しようとなります。その結果、失業が発生する、と。デフレの状態
です。

 そのとき、誰かが、デフレから脱却するためにはお金の量を増
やせばいいと言ったとします。そして、実際にお金の量を増やし
た、と。

 その結果、どうなるのか?

 農産物や魚の価格は上昇するのか?

 上がることはありません。何故なら、いくら世の中に沢山お金が
流通していようとも、そうした農産物や魚は捨てるほど存在して
いるので、別に慌てて買う必要がないからです。ですから、お金
は貯蓄されるだけである、と。


 ということで、今のデフレを脱却したいと思うのであれば、お金
の量がどうだとかこうだとかいうのではなく、需要を増加させる
か、供給を減少させるかしかないということです。

 ただ、需要を増加するかどうかは、結局は消費者が決めること
ですから、政府や企業ができることはといえば、過剰な生産設備
を削減するか、或いは、暫く辛抱して需要が回復するのを待つ
か、或いは魅力的な新製品を作り出すしかないということなので
す。

 

 それにしても、新政権には経済の専門家はいないのだろうか、
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 昨日、メルマガで先日の白川日銀総裁の記者会見の内容につ
いて解説しましたが、本日日銀は、そのときの記者会見の詳しい
内容を発表しましたので、もう一度チェックしているみることにし
たいと思います。

(問) 先程、インフレーション・ターゲティングを採用している中央
銀行とそうでないところの相違はそれほど大きくないとのご説明
がありました。しかし、総裁ご自身あるいは日本銀行としては、イ
ンフレーション・ターゲティングを採用すると大きな弊害があると
お考えだと思うのですが、どうして目標の数値を固定してしまうと
危ないのかという点について、もう一度詳しくご説明下さい。

(答) 先般、G7に参加しましたが、G7の国の中でインフレーショ
ン・ターゲティングを採用している中央銀行は、英国とカナダで
す。残り5つの国は採用していないわけです。なぜ日本銀行がイ
ンフレーション・ターゲティングを採用していないかという問題設
定もありますが、逆に言えば、英国とカナダはなぜ採用している
のかという問いの立て方もあるかと思います。インフレーション・
ターゲティングについては、「ターゲティング」という言葉に皆の関
心が集まりがちですが、私自身は、実際には金融政策を運営し
ていくときの説明の1つの枠組みだと思っています。

 例えば、BOEの先日の金融政策決定会合発表文、あるいはイ
ンフレーション・レポートをみると、物価上昇率を、通常言う意味
での「ターゲット」すなわち「目的」にした政策運営をしているわけ
ではありません。現在、英国の足許の物価上昇率は、3%を超え
る上昇率に上がってきています。そうなると、通常は、そこで金利
を引上げていくということが自然に想定されます。これが、通常言
うところの「ターゲット」という言葉に最も馴染む感じです。

 しかし実際には、そういう政策運営はしておらず、むしろ今、英
国はきわめて緩和的な金融環境を維持しています。

<以上、抜粋>


 白川総裁は何を言いたいのか?

 インフレ目標を採用しているといえば、物価上昇率を目標とな
るレンジに収めるために機械的にきっちりと金利を上げ下げして
いると考えられがちだが、英国の場合でも、そんな機械的な運用
はやっていないのだ。

 だとすれば、インフレ目標を採用しようと採用しまいと、やるべ
きことが変わるわけではないのだ、と。

 でも、それだったら疑問を湧いてきます。

 やることが変わらないのであれば、別に採用してもいいのでは
ないか、と。

 しかし、採用するとは決して言いません。つまり、インフレ目標
を採用したくない本当の理由が別にあるのです。

 それは、目標を設けながら、それを達成できなければ、その責
任と取らされるということです。

 母親が子どもにいいます。

 「今度のテストはがんばってね!」

 「うん」

 「うんじゃなくて、90点は取ってほしいわ」

 「うーん‥」

 「じゃ、80点は?」

 「頑張るけど‥」

 「頑張るといっても、具体的な目標を立てないと‥」

 「でも‥」

 「90点取ったら、お小遣いを増やしてあげるわ」

 「とれなかったら?」

 「そのときは、お小遣いを減らすわ」

 「ええっ」

 
 白川総裁は、仮にインフレ目標を採用しても、それを実現する
自信がないのです。何故ならば、この10年間ほどいろいろ努力し
ても全然効果がなかったからです。これ以上、どんな努力をした
らいいのか、と。だからインフレ目標を採用したくないのです。

 白川総裁は、次のように言いたいのかもしれません。

 「これまでの経過をご存じないのですか?」と。



 日銀総裁の立場も、傍で見ているより楽じゃないかも、と思った
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 インドで物価が上昇していると言います。

 例えば、コカコーラの価格が、1月に9%〜20%値上げされた
と。200CC入りのコーラは、10ルピー(約19円)からから12ルピ
ー(約23円に)になったと。
それに、お菓子の価格も上がってい
る、とか。

 なーんでか?

 それは、昨年の夏は雨が少なかったために、サトウキビの収穫
が減ったからだ、と。そのせいで今年1月の砂糖の価格は、1年
前に比べ6割も上がってしまった、と。

(注)ここで、ダイエット・コーラも上がったのか、なんて聞かないで
下さい。詳しいことを知りたい人は、Go to India.

 それ以外では、車なんかも価格が上がっているようですが、こ
ちらは、1−2%程度だとか。そして、鉄鋼も1.5%の上昇した、
と。まあ、上がったといっても、別に驚くほどのことはないようなの
ですが‥。

 ですが、こうした工業製品価格の上昇の背景には、在庫調整
が進展したことや需要の増加があるのだとか。つまり、景気が回
復している、と。

 で、こうしたことの結果、1月の卸売物価指数は、前年同月比で
8.6%も上昇した、と。

 まあ、物価の上昇率が2−3%程度であれば、特段懸念するこ
ともないというより、今、デフレの状況にある日本からすれば理想
的な状態にも見えるわけですが、流石にインフレ率が2ケタに近
づくと、これは大いに懸念すべきだ、ということになります。

 何故ならば、そうしたインフレが続けば、中央銀行が金利引き
上げを行わなくても、自然に金利が上昇し、そうすると景気回復
の足かせになってしまうからです。

 イマイチピンときませんか?

 貴方が、国債でお金を運用していると想定して下さい。今の日
本のように物価が下落気味であるのであれば、仮令利回りが
1%台であっても、それほど不満は感じないでしょうが、仮にイン
フレ率が5%に上昇したときに、利回りが依然1%台であったら、
どう思いますか?

 毎年物価は5%も上がっているのに、国債の利子収入は1−
2%程度しかないというのであれば、投資した元本の価値は、毎
年実質的に目減りしているということですから、当然、そんな低利
回りの国債は誰も買わない、と。そして、そうやって国債の売れ
行きが悪くなるので、政府は国債の利子を引き上げざるを得なく
なる、と。つまり、インフレになれば、当然金利は上昇する、と。そ
れは、中央銀行が政策金利を仮に引き上げることがなくても、で
す。

 で、私が何を言いたいか、といえば‥

 このようにインドで、そしてまた中国でインフレに火がつくような
ことになれば、それは遠からず、先進国側にも影響を及ぼすとい
うことです。何故ならば、今や中国やインドは世界の生産基地と
なっており、そうした国々で作られる製品の価格が上昇すれば、
そうした製品を大量に輸入している先進国側の物価も上昇せざ
るを得ないからです。

 今、我が国には、デフレが大変恐ろしいことだ、と盛んに吹聴し
ている人々がいます。もちろん、そういう人々は、悪意でそうして
いるわけではなく、本当にデフレの恐ろしさを信じてのことだと思
うのですが、しかし、我が国のデフレも、ひょっとしたら予想以上
に早く終ってしまう可能性があるのです。

 そんなに急に景気が良くなるのかって?

 もちろん、景気が良くなって、そして需要が旺盛になってデフレ
が解消されるならそれに越したことはないでしょう。しかし、需要
が旺盛にならなくてもインフレになる可能性があるのです。つま
り、中国やインドなどから輸入している製品価格が高くなれば、
我が国においても、物価の上昇がもたらされると考えられるから
です。

 そして、景気がそれほど回復しているわけでもないのに、インフ
レ率が例えば5%になったときに、専門家の方は何というのでしょ
うか?

 「やっとこれでデフレが解消できた!」

 「しかし、実質GDPの成長率は、殆どゼロパーセントですよ」

 そんな時代が遠からず来るかもしれません。物価が上がれば
いいというものではありません。

 あの頃はまだましだった、なんていうような時代になるかもしれ
ません。

 「あの頃って、新政権になった頃の話?」


 
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 米国の公定歩合が引き上げられ、いろいろな解説や反応が表
れていますが、皆様は、どのようにお感じでしょうか。

 先ずは、我が国の担当大臣の反応。

 「結果として円安になっており、我が国経済にマイナスとは思っ
ていない」
 「米国は物価上昇が続いている状況なので、全体と
して行われた」

 この発言が行われたのが、19日午前の閣議後の記者会見に
おいてです。一方、FRBが公定歩合の引き上げを発表したのは、
現地時間で18日の午後4時半で、日本では早朝のニュースで既
に報じられていましたから、大臣にも情報が入っていて当然で
す。

 それにしては‥

 このコメント、事務方の用意したものでしょうか。それともご自分の‥。

 決して事務方が用意したものとは思えません。事務方が用意し
たものであれば、面白みはなくても、突っ込みを入れられるような
ことないでしょう。

 別に、事務方が用意したとおりに言う必要はないのですが、もう
少し聞いていている人が納得するがようなコメントができなかっ
たのでしょうか。

 円安になっていて、我が国経済にマイナスになっているとは思
わないなんて、円安は常にウエルカムといわんばかり。ちょっと
違うのではないでしょうか。もし、円安をもたらす措置がウェルカ
ムというのであるならば、金利の引き上げをどんどんやってもらっ
た方がいいということにもなるのですが‥

 そして、公定歩合の引き上げが行われたのは、アメリカでは物
価の上昇が続いているし‥、なんて。

 どうしてこんなコメントしかできなかったのでしょうか。それは、
先ず第一に、米国がこんな深刻な経済状況にあるなかで、公定
歩合の引き上げを行うことなど予想だにしていなかったからでし
ょう。

 日本の場合には、日本銀行に圧力をかけ、さらに金融を緩和さ
せようとしているのに‥、と。

 ここでは、出口戦略の適否を述べれば、格好がよかったと思う
のですが、
では、FRB自身は、今回の公定歩合の利上げをどう
説明したのでしょうか?

 連銀の融資制度の正常化の一環、つまり異例の措置を終了さ
せること、さらに言えば出口戦略の一環であり、決して経済見通
しを変更させるものでもなければ、金融政策の転換でもない、と。

 FRBは、言う訳です。公定歩合が引き上げられても、家計や企
業の金利負担が増加するわけではない、と。
そして、それについ
ては、外部の者も、そのとおりだというわけです。何故なら、公定
歩合融資が、銀行の融資資金の原資になっていることはないと
考えていいから、と。

 で、このFRBの考え方を駄目押しするようにダドリーNY連銀の
総裁も言うわけです。

 "We made a very small technical change" (by 
raising the discount rate).

 「(公定歩合の引き上げは)技術的な変更をしたに過ぎないの
だ」と。

 "The action yesterday was really an action about
the improvement in banks"

 「昨日の措置は、銀行の状況が改善したことによるものだ」

 しかし、ダドリー総裁は次のようにも言っています。

 "There is just no inflation pressure in the U.S., so
our focus has to be on growth and jobs,"

 「米国においては、インフレ圧力は全くかかっていない。だから
焦点は、経済成長と雇用ということになるのだ」

 あれれ、我が国の大臣の認識と違うことが述べられているよう
です。
アメリカは、今インフレ圧力などかかっていない、と。

 そして、金曜日に発表になった1月の消費者物価指数(コア指
数)は、0.1%の低下になっていたのだ、とか。

 まあ、それはそれとして‥

 今回の公定歩合の引き上げを、どのように解釈すべきか? 
融政策の変更を意味するものではないのか?

 FRBは、金融政策の変更を意味するものではない、と言いま
す。でも、それは、解釈によりけりではないのでしょうか。例えば、
今のゼロ金利政策は極めて異常な措置であると考え、仮に政策
金利を1%程度まで引き上げても、それは金利の引き上げという
よりも正常化の一環であると主張するならば、金利が1%を超え
るまでは、何ら金融を引き締めたことにはならないからです。

 現に、過去、それまで1%の水準にあった政策金利を引き上げ
始めたときにも、決して金融を引き締めるものではないのだ、と
言っていたのです。そうしたことも考えるのであれば、今回の公
定歩合の引き上げは、今後金利の引き上げが始まる予兆である
と理解した方がよさそうです。

 バーナンキ議長の議長再任に当たっては先日、大騒ぎをした
ばかりです。バーナンキ氏には、バブルを発生させた責任がある
のではないか、と。
そのこともあって、バブルの再発を恐れた
FRBが、バブルの再発を防ぐために出口戦略の重要性を改めて
認識し直しているということではないでしょうか。


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 昨日、ゼロ金利の解除時期と題して記事を書きましたら、あれれ‥、公
定歩合が、突然引き上げられてしまいました。(本当は突然ではないよう
ですね。私がそう思ったわけです)

 「公定歩合?」

 そう思った方が多いと思います。

 確かに、以前は公定歩合という文字がよく新聞に躍っていたものだ、
と。しかし、最近では、そんな言葉は殆ど聞かない、と。

 そうそう、村上さんと仲が良かったと言われる福井総裁は、かつてこう
言ったものでした。

 「公定歩合というのは、お蔵入りさせたい」と。

 2006年7月に日銀がゼロ金利政策を解除したときの言葉です。少しず
つ思いだしてきたでしょうか?

 そして、それから1年ほど経過した2007年8月、パリバショックが起き、
金融危機が勃発したのでした。

 何とかしないといけない‥、そしてFRBが打ち出したのが、先ずは、公
定歩合の引き下げだったのです。決して政策金利であるフェデラルファン
ズ・レートの引き下げではなく、公定歩合の引き下げであった、と。

 そして、今回、FRBは、フェデラルファンズ・レートではなく、公定歩合を
引き上げることを決定したのです。

 今回の公定歩合の引き上げは何を意味するのでしょう。これによって、
ゼロ金利政策が解除されたり、金融政策が変更されることになるのでしょ
うか。

 FRBは、それについて次のように言っています。

  The Federal Reserve Board on Thursday announced that
in light of continued improvement in financial market
conditions it had unanimously approved several
modifications to the terms of its discount window lending
programs.

「連邦準備制度理事会は火曜日、金融市場の状況の改善に鑑み、公定
歩合融資の条件を修正することを満場一致で承認したと発表した」

 Like the closure of a number of extraordinary credit
programs earlier this month, these changes are intended
as a further normalization of the Federal Reserve's lending
facilities. The modifications are not expected to lead to 
tighter financial conditions for households and businesses
and do not signal any change in the outlook for the
economy or for monetary policy, which remains about as it
was at the January meeting of the Federal Open Market
Committee (FOMC). At that meeting, the Committee left 
its target range for the federal funds rate at 0 to 1/4
percent and said it anticipates that economic conditions
are likely to warrant exceptionally low levels of the
federal funds rate for an extended period.

「今月初めの異例の融資プラグラムの終了と同様に、この変更は、連銀
の融資制度の正常化を目的とするものである。ただ、この融資条件の変
更は、家計や企業に対する融資条件を厳しくするものとは予想されてお
らず、また、経済見通しや金融政策の見通しの変化を示唆するものでも
ない。金融政策については、1月の公開市場委員会(FOMC)の会合で決
定されたとおりのままである。その1月の会合で、同委員会は、フェデラ
ルファンズ・レートの誘導目標を0〜0.25%に据え置くこととし、経済状況
は、異例に低いフェデラルファンズ・レートを長期間において正当化しそう
であると述べた」

 The changes to the discount window facilities include
Board approval of requests by the boards of directors of
the 12 Federal Reserve Banks to increase the primary
credit rate (generally referred to as the discount rate)
from 1/2 percent to 3/4 percent. This action is effective on
February 19.

「公定歩合融資に関する変更には、12の地区連銀の理事会によって要
請された承認事項が含まれる。それは、連銀融資の金利(一般的に公定
歩合と呼ばれる)を0.5%から0.75%へ引き上げることである。この措置
は、2月19日から施行される」

 In addition, the Board announced that, effective on
March 18, the typical maximum maturity for primary credit
loans will be shortened to overnight. Primary credit is
provided by Reserve Banks on a fully secured basis to
depository institutions that are in generally sound
condition as a backup source of funds. Finally, the Board
announced that it had raised the minimum bid rate for the
Term Auction Facility (TAF) by 1/4 percentage point to 1/2
percent. The final TAF auction will be on March 8, 2010.

「加えて、理事会は、3月18日から連銀融資の最長期間をオーバーナイ
トに短縮化することを発表した。連銀融資は、連銀が十分な担保をとるこ
とを条件に健全な預金金融機関に資金支援として供与する融資である。
最後に、理事会は、ターム物融資(TAF)の最低ビッドレートを0.25%か
ら0.5%へ引き上げることを発表した。最後のTAFの入札は、2010年3
月8日に行われる」

 Easing the terms of primary credit was one of the
Federal Reserve's first responses to the financial crisis.
On August 17, 2007, the Federal Reserve reduced the
spread of the primary credit rate over the FOMC's target
for the federal funds rate to 1/2 percentage point, from 1
percentage point, and lengthened the typical maximum
maturity from overnight to 30 days. On December 12,
2007, the Federal Reserve created the TAF to further
improve the access of depository institutions to term
funding. On March 16, 2008, the Federal Reserve lowered
the spread of the primary credit rate over the target
federal funds rate to 1/4 percentage point and extended
the maximum maturity of primary credit loans to 90 days.

「公定歩合の引き下げは、金融危機に対する連銀の最初の措置の一つ
であった。2007年8月17日、連銀は、フェデラルファンズ・レートの誘導
目標値に対する公定歩合融資の上乗せ分をそれまでの1%ポイントから
0.5%ポイントに引き下げ、そして、最長期間をオーバーナイトから30日
へと長期化させた。2007年12月12日、連銀は預金金融機関のターム
物資金へのアクセスを改善するためにTAFを創設した。2008年3月16
日、連銀は、フェデラルファンズ・レートに対する公定歩合の上乗せ分を
0.25%にまで引き下げ、公定歩合融資の最長期間を90日までに延長し
た」

 Subsequently, in response to improving conditions in
wholesale funding markets, on June 25, 2009, the Federal
Reserve initiated a gradual reduction in TAF auction sizes.
As announced on November 17, 2009, and implemented
on January 14, 2010, the Federal Reserve began the
process of normalizing the terms on primary credit by
reducing the typical maximum maturity to 28 days.

「その後、金融機関同士の市場の改善を踏まえて、2009年6月25日、
連銀は、TAFの入札規模を徐々に縮小することを始めた。そして、2009
年11月17日に発表し、2010年1月14日に実行したところであるが、連
銀は、融資期間を最長28日までに短縮化することによって公定歩合融
資の正常化プロセスに乗り出した」

 The increase in the discount rate announced Thursday
widens the spread between the primary credit rate and
the top of the FOMC's 0 to 1/4 percent target range for
the federal funds rate to 1/2 percentage point. The
increase in the spread and reduction in maximum maturity
will encourage depository institutions to rely on private 
funding markets for short-term credit and to use the
Federal Reserve's primary credit facility only as a backup
source of funds. The Federal Reserve will assess over time
whether further increases in the spread are appropriate in
view of experience with the 1/2 percentage point spread.

「木曜日に発表された公定歩合の引き上げは、0〜0.25%とされている
FOMCのフェデラルファンズ・レートの誘導目標値に対する上乗せ分を
0.5%まで拡大するものである。この上乗せ分の拡大と期間の短縮化
は、預金金融機関が民間資金市場を利用するようになり、そして、連銀
の公定歩合融資は、それを補完するものとして利用することを促すもの
である。連銀は、今後、さらなる上乗せ幅の拡大が適当であるかどうか
を、今回の0.5%への引き上げの実績を踏まえて検討していくことにな
る」

 

 さあ、如何でしょうか。

 今回の公定歩合の引き上げは、決して政策金利の引き上げを意味す
るものではない、と言っています。

 確かに、フェデラルファンズレートの誘導目標値は、0〜0.25%と変わ
っていません。ですが、政策金利の引き下げの前に公定歩合の引き下げ
が行われたことを思い出すならば、そして、そのことを連銀が率直に認め
ていることからすれば、今後、そう遠くない時期に政策金利は引き上げら
れるのではないでしょうか。

 
 幾ら米国が出口戦略に着手しても、日本の場合には、政治家が金利の
引き上げには大反対するだろう、と思う方、クリックをお願いします。
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 1月26日、27日に開催されたFOMCの議事録が公開されました。

 会議の結果は、ご承知のようにゼロ金利政策を継続するというものであ
ったわけですが、そのとき、1人のメンバーが採決に反対したとされてい
ました。

 もはや長期に渡って異例の超低金利が正当化されるような状況にはな
くなってきている、と。反対票を投じたのは、カンザスシティ連銀のトーマ
ス・ホーニグ総裁。

 彼は、実際、どのようなことを発言していたのでしょう。

<議事録から抜粋>

 Mr. Hoenig dissented because he believed it was no
longer advisable to indicate that economic and financial
conditions were likely to "warrant exceptionally low levels
of the federal funds rate for an extended period."

「経済及び金融の状況は『超低金利のフェデラルファンズレートを長期間
に渡って正当化する』ことになりそうだと表明することはもはや適当ではな
い、という理由で、ホーニグ氏は反対した」

 In recent months, economic and financial conditions
improved steadily, and Mr. Hoenig was concerned that,
under these improving conditions, maintaining short-term
interest rates near zero for an extended period of time
would lay the groundwork for future financial imbalances
and risk an increase in inflation expectations.

「ここ数カ月において、経済及び金融の状況は着実に改善し、ホーニグ
氏は、こうして改善した状況下において、短期金利を長期間に渡ってゼロ
に近い水準に維持するということは、将来の金融面での不均衡を醸成
し、そしてインフレ予想(期待)を強化するリスクがあることを懸念してい
た」

 Accordingly, Mr. Hoenig believed that it would be more 
appropriate for the Committee to express an expectation 
that the federal funds rate would be low for some time
--rather than exceptionally low for an extended period.

「従って、ホーニグ氏は、FOMCが、フェデラルファンズレートは長期間に
渡って異例に低い水準にあるというよりも、暫くの間、低い水準にあるで
あろうという予想を表明する方がより適切であると信じる」

 Such a change in communication would provide the
Committee flexibility to begin raising rates modestly. He
further believed that moving to a modestly higher federal
funds rate soon would lower the risks of longer-run
imbalances and an increase in long-run inflation
expectations, while continuing to provide needed support
to the economic recovery.

「そのように表現を変更することによってFOMCは、金利を緩やかに引き
上げ始めることができやすくなる。ホーニグ氏は、さらに、速やかに政策
金利の引き上げに転じることは、景気回復のための必要な支援を引き続
き行いつつ、長期的な不均衡と長期的なインフレ予想(期待)を増加させ
るリスクを減少させると信じる」

 米国の失業率は現在(1月時点)9.7%。しかも、このFOMCの会合が
開催された時点ではまだ10%台にあったわけです。そのように依然失業
率が高い水準にあり、そして、今後も高止まりするとみられているのに、
このホーニグ氏は、政策金利の引き上げの時期が近いのではないかと
示唆しているのです。

 これが、日本の出来事なら、恐らくホーニグ氏はバッシングに遭うことで
しょう。

 しかし、彼は自分の信じるところを堂々と述べているわけです。ゼロ金
利政策を引き延ばすと、良いことばかりではない、と。

 日本は、彼から学ぶところはないのでしょうか。

 日本の場合には、いくら超低金利政策を引き延ばしたからといって、特
に懸念することはないのでしょうか。


 言えることは、金利を引き上げれば、借金をしている企業から預金者へ
の所得移転が起きるということです。つまり、超低金利政策は、消費者の
購買力を弱める一因になっている、と。

 民主党の子ども手当支給の根拠の一つは、家計の購買力を高めるた
めということではなかったのではないでしょうか。

 そうであれば、菅財務相が日銀にさらなる圧力をかけるのは、子ども手
当の政策との整合性が保てないような気がするのですが‥

 

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 米財務省が、米国債の保有状況を発表しましたが、それによる
と昨年12月時点での中国の保有高は7554億ドルと、11月にく
らべ342億ドル減少したのに対し、日本の保有高は、11月にくら
べ115億ドル増加し7688億ドルとなり、首位が逆転したとか。


<米国債の保有状況>

      中国      日本   
2009年
1月   7396億ドル   6348億ドル
2月   7442億ドル   6619億ドル
3月   7679億ドル   6867億ドル
4月   7635億ドル   6859億ドル
5月   8015億ドル   6772億ドル
6月   7764億ドル   7112億ドル
7月   8005億ドル   7239億ドル
8月   7971億ドル   7306億ドル
9月   7989億ドル   7510億ドル
10月   7989億ドル   7459億ドル
11月   7896億ドル   7573億ドル
12月   7554億ドル   7688億ドル

<資料:米財務省>

 さあ、如何でしょうか。

 昨年の1月の時点では、中国が日本を1000億ドルほど上回っ
ていたのに、1年しない間に日本の方が100億ドル以上上回る
結果に。

 中国の保有高は、2009年5月がピークで、その後、それほど
減少していなかったのが、昨年11月、そして特に12月にガクンと
落ち込んでいる様子が窺えます。

 一体、中国は何を考えているのでしょう。

 米中の貿易摩擦が影響しているのか。

 人民元を切り上げろと言われるのが気に入らないのか。

 Google の問題が影響しているのか。

 台湾への武器輸出が気に入らないのか。

 オバマ大統領がダライラマと会うのが気に入らないのか。


 これら、皆、気に入らないと言えば、気に入らない!と。

 しかし、中国はちゃんと計算をしているのです。いくら米国のや
ることが気に入らないとしても、中国自身の損になることはやりま
せん。つまり、米国債をいっぺんに大量に売りに出して、米国債
の価格暴落や、ドルの暴落を招ねくようなことはやらないので
す。そんなことをすれば中国自身が大損をこいてしまうからです。

 さればとて、このまま大量に保有していていいのか、と。米国債
の人気が低下する中、中国だけが大量に保有を続けるようなこ
とになれば、中国がババを引く結果になってしまいます。そういう
事態は避けたい、と。

 ということで、目立たないように少しずつポジション調整をするこ
とはある、と。そして、それと同時に、米国政府が中国に気に入
らないことを言えば、発言を封じる意味で、無言の圧力をかける
こともある、と。

 そういうことではないでしょうか。

 いずれにしも、今後徐々にボラタリティが高まるのではないでし
ょうか。

 日本は、どうするのでしょうね。


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