経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2011年01月

 日本国債の格下げが何かにつけて関心を集めています。

 菅総理は、国債の格下げについて、「そういうことについて疎いので‥」と言い、それに対
し、家庭内野党を自認する奥さんは、そういう場合には「知らなかった」と言うべきだ、と。

 でも、何度も言うようですが‥、本当に知らなかったのでしょうか?

 まあ、いずれにしても国債が格下げになると、どうしても増税圧力が強まるというものなの
です。つまり、皆が、消費税増税も止むを得ないかなと思うようになる、と。

 ただ、その一方で、イマイチ納得がいかないこともあるのです。

 それは、格付け会社が格下げを決定した理由についてです。昨日の日経新聞には、S&P
側の考えが紹介されている訳ですが、その見出しは「政治に展望が描けず」と書いてありま
した。

 「3年間で3回も選挙に勝たないと国会をコントロールできない日本の政治制度そのものが
財政再建にはネガティブに働いている」とも言っているのですが‥

 確かに財政再建が実現できるかどうかは、政治家の意志に大きく依存することも間違いな
いでしょうが、でも、考えてみたら菅総理は、消費税増税への環境作りをするために敢えて与
謝野氏を大臣に起用したとも言えるわけです。

 そうした総理の行動を支持するかどうかは別として、今の内閣が増税路線に近づきつつあ
ることは間違いがない、と。

 だったら、どうして国債の格下げなのか?

 どうも辻褄があいません。格付け会社としては、もっと違う理由を全面に出すべきではなか
ったのでしょうか。

 いずれにしても、そうやって日本国債の格付けは引き下げられた訳ですが‥、では、週が
明けて本日の国債の相場はどうなっているかといえば、価格は上昇、つまり長期金利はむし
ろ下げているというのです。先週末に比べ、若干低下して一時、1.2%を下回った、と。

 昨年の後半においては、10年物国債の利回りは一時1%を下回っていたこともあったので
すが、この2ヶ月間ほどは、一時期例外的な動きを示したこともありますが、大体1.2%程度
の水準にあった訳なのです。

 マーケットは日々刻々、様々な事情が反映され変動する訳ですから、断定的なことをいうこ
とはできないとはいうものの、今回の格下げについて、マーケットは別に重大な出来事とは捉
えていないということのようなのです。

 「格下げになりましたが?」

 「別に‥」

 てなものでしょうか。

 格付け会社は、どんな思いでマーケットの動きを眺めているのでしょうか?

 それにしても、野田財務大臣のコメントも頂けませんよね。「一民間会社の評価だから‥」

 一民間会社とはいっても、米国政府(SEC)のお墨付きを得た格付け会社の行う格付けで
あって、銀行や証券会社が顧客向けに示す評価とは違う意味を有するわけですから。それ
に、日本政府としても、そういた格付け会社にいろいろと情報提供している訳ですから。大臣
が、もし、そうした事実を知らなかったとすれば、それこそ「疎いですね」と言いたい。


 格付け会社が、わざわざ日本国債の格付けをする必要があるのだろうか、と思った方、クリ
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 国債格下げのニュースが結構注目を浴びています。まあ、総理の不可解な対応ぶりも影響
しているでしょうが。

 「私は疎いものだから‥」

 はあ? なんて、多くの人が思っている訳です。

 私は、意味が分からないのです、そうした発言をする真意が。

 本当に疎いと自覚しているのでしょうか? でも、一国のリーダーですから、仮にそう思って
いても、それをそのまま口にすることはないでしょう。或いは、国際経済に関わることにはこ
の際慎重に発言する必要があるからと、本当に思っているのでしょうか。でも、だったら、ダボ
スに行きたいなんて思わないでしょう。

 どうもおかしい。

 国債の格下げが行われるという情報は、事前に入っていたのではないか?

 しかし、国債の格下げが決定されたことに対して、「知っていましたよ」とも言えないし、「あ
あ、そうですか」とも言えない。「格下げを決定して怪しからん」というのも喧嘩を売っているよ
うで‥

 それに総理は、三顧の礼を尽くして与謝野晶子様のお孫さんを大臣に据えた訳です。しか
も、健全財政を信奉する人をです。

 それはそれとして、では、我が国は今後どうすればいいのか? 皆さんにも考えてもらいた
いと思う訳なのです。

 国債の格下げが行われ、IMFの偉い方も、そして米国の財務長官も、日本は消費税の引
き上げをやったらどうか、などと言う訳です。

 では、この際消費税を引き上げるべきか?

 私は、それも有力な選択肢だと思っています。ただ、私が問題にしたいのは、政治家たち
の常日頃の言動との整合性ということなのです。

 与野党問わず、とにかくデフレ脱却を叫ぶ人々の何と多いことか!

 民主党内にも、デフレ脱却議連というのがありますし‥、それにあの渡辺氏のみんなの党
もインフレ目標を採用せよなどと言っていましたよね。
そもそも菅総理自身が、デフレからの
脱却ということを強調していた訳なのです。

 そんな方々は、一体全体、消費税を引き上げて、国の借金が増えない(減らすではありませ
ん)ようにする政策について、どう考えるのかということを問いたいのです。

(注)国の借金残高を増やさないようにするためには、今後毎年度の新規国債の発行額を
ゼロにしないといけませんが、それを実現するためには、毎年度40兆円以上の財源を捻出
する必要があり、実現可能性は殆どないと言っていいでしょう。

 多分、多く人は、次のように言うのではないでしょうか。

 「デフレからの脱却はもちろん優先! そして、財政の健全化ももちろん必要!」

 ですが、財政健全化のために少しでも消費税を引き上げれば、それにつれてデフレからの
脱却の時期は遠のくのではないでしょうか? で、逆に、デフレからの脱却のために、子ども
手当などを含め今後も財政出動に励めば、国の借金は益々増える、と。

 簡単に言えば、どうやって子ども手当を配りながら、国の借金を減らすことなどできるのか、
ということなのです。

 疑問は他にも湧いてくるのです。

 今度は健全財政を目指す方へ。

 健全財政を目指すのは結構。また、そうしたことを常に念頭に置いておくことは必要だとい
うのは分かります。

 では、どういう目標を置くのか?

 最近の財政は、毎年度40兆円を超すような新規国債の発行なしではやりくりができない状
況になっているなのです。また、国債の残高は、この10年間で毎年平均30兆円弱ほど増え
ている訳です。

 つまり、借金が増えないようにしようとするだけでも毎年度30兆円とか40兆円の新規国債
の発行を止める必要が出てくるということですが、そこまでのことを実現しようとするのか?と
いうことです。

 でも、少子高齢化で医療費や年金の費用は嵩むばかり。つまり、無駄の削減とはいっても、
それだけではとても対応できず、増税なくして30兆円とか40兆円の財源は捻出はできない、
と。

 一方、大変に粗い見積もりでは、消費税を1%引き上げれば2兆円の税収が見込まれると
いうことなので、仮に30兆円の増収を見込むとすれば、15%の増税が必要になり、そのとき
に消費税率は20%になるということなのです。さらに40兆円ほどの財源が必要であるという
のであれば、25%に引き上げることが必要だ、と。

 何か、ここまで話して急に寂しくなりますね。消費税率が20%だとか、25%になるなんて‥

 これ、早い話、所得税などを差し引いた手取りの年収が仮に300万円あったとしたら、消費
税率が25%の場合には75万円が消費税で徴収されてしまう訳です。現在が5%であり、15
万円徴収されているのが、さらに60万円も上乗せされる、と。まあ、仮に10%に消費税を上
げるという常識的な設定にしても、15万円の税が追加的に課せられることになる訳です。

 与謝野さんたちは、どこまでやろうというのでしょう?

 消費税が上がるとはいえ、「君、死にたもう事無かれ!」

 ということは、少々増税をやっても、今後も借金は増え続けるであろうということです。で、そ
れに対し、少しでも借金が増えるのを抑えようとして、厳しい増税路線を進めば、国民は当然
に反発する、と。

 では、この際、放っておくか?

 けせらせら路線! Whatever will be, will be

 放っておくと、何か悪いことがあるのか? 格付け会社やIMFに聞いてみたいのものです。

 「財政が破綻して、インフレになるぞ!」

 まあ、そういうことなのです。財政が破綻して、国債が紙くずになってしまうかもしれない。

 しかし、庶民は思うのです。国債が紙くずになっても痛くも痒くもない。だって国債なんか持
っていないし‥増税よりもインフレの方がまだましだ!

 でも、インフレになればなったで、国民の生活が大変に苦しくなるのはそのとおりなのです。
若い人は経験がないでしょうが、高齢者の人々はインフレの恐ろしさを体験している訳です。

 物価が毎年20%とか30%上がるかもしれません。それでいいのでしょうか?

 で、庶民は思う訳です。貨幣の購買力が低下して損をするのは、金融資産を沢山持ってい
る人たちだけで、預金も殆どない自分たちには影響がない‥

 本当にそうでしょうか?

 物価が上がり、それにつれて給料も上がればいいのですが、そうはいかないわけです。仮
に給料は上がらないのに、物価が毎年30%上がったとすれば、今まで300万円の生活をし
ていた人は、390万円の給料をもらわないと今までの生活が維持できないことになる訳です。
しかし、以前と同じように給料が300万円のままだたとすれば‥、つまり、300÷390=
0.769  ということは、生活水準が今までより23%ほど落ちることを余儀なくされる、と。

 結局、インフレが起きれば、庶民も大変な犠牲が強いられるということなのです。

 増税も嫌、インフレも嫌、それが最大公約数的反応でしょう。

 だとすれば、我々が目指す道は、増税もそこそこ、インフレもそこそこ、そんな方向を目指す
ということではないでしょうか?

  仮に近い将来増税を実施するにしても、いきなりやったり大幅な増税をやるのはいけませ
ん。少しずつ上げるような工夫が経済には大切であるのです。


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 昨日、スタンダード・アンド・プアーズが日本国債の格下げをしたと発表しました。

 「なんでやねん!」と貴方、思いませんでしたか?

 私も、そう思います。だって、日本人なんだもの。自分の国の評価が下がって、誰が喜ぶも
のですか。

 「そういうことには疎いので‥」などというのもちょっと頂けません。そんな対応をしていなが
らダボスに行っても、誰も話を真剣に聞いてはくれないのではないでしょうか。

 そんなことに疎い政治家が言うことなんて、と

 まあ、それはそうと、格付け会社に対し私接待を行ったことを覚えています。

 もう30年ほど前になりますか。当時は、当然のことながら国債を海外で発行したりはしてい
なかったわけですが、政府保証外債といって、日本開発銀行とか日本電信電話公社が発行
する外債に政府が保証をつけたりしていた関係で、定期的にアメリカの方から日本の話を聞
きにやってきていたわけなのです。

 まあ、でも実際に海外で国債を発行する訳ではないので、割と気楽なものだったわけです。
で、お昼にそこそこの和風レストランに担当者の人を案内して、一緒にご飯を食べたりした訳
です。まあ、喜んでくれましたね。で、そうやって喜んでもらえば、準備した自分としても嬉しい
訳なのです。当然経費は、官費でということになる訳ですが‥

 後は、新聞報道にもあったように、今回の格下げは8年9カ月ぶりのことだということです
が、当時は、格下げの結果ボツアナと同じランクになったということで‥、ボツアナってどんな
国なのか、ということがよく言われていました。で、その際、私ではないのですが、ランクが高
い方が格付け会社の担当者に対する説明の役を任され、何とか格付けが下がらないように
努力されていたのを覚えております。

 まあ、当時は、日本経済崩壊のシナリオというのがあったようで、マーケットもそういう流れ
に乗り易い雰囲気がありました。
でも、最近は、随分流れが変わってきています。日本がかつ
てのように復活した訳ではないが、かといって日本経済崩壊なんて誰も考えはしなくなった、
と。

 では、何故日本の格付けを引き下げるのか?

 それは、日本の格付けを引き下げても影響が小さいからやり易いことが一つ。

 それに、日本の財政事情は、先進国のなかでは群を抜いて悪いではないか、と。政府債務
はGDPの200%にも達しているではないか、と。

 さらに、中立を旨とし名誉挽回したいと思っている格付け会社としては、いつもゆるゆるの
格付けをしている訳ではないという姿勢を示したい、と。そんなことがあるのではないでしょう
か。

 ただ、厳しい評価は、他に国に対しても行っていい訳ですが、例えば、スペインとかイタリア
とかアイルランドに対しさらに手を付けると、益々南欧の財政問題に関する不安を煽りそう
で‥と。

 一方、日本はどうかといえば、国債の90%以上は国内投資家が保有しており、そして、利
回りは1%を少し上回る位の群を抜いた低さで、日本国債の格下げをしたところで、日本が
急に困ってしまうこともなかろう、と。

 さらに、もう一つ。実は、アメリカが関係しているのではないでしょうか。

 4年連続の財政赤字、1兆ドル超え。しかも、2011年度は1兆5千億ドル近い赤字になりそ
うな状況です。常々、格付け会社は米国政府に遠慮しているのではないか、との批判もあり
ます。ここは、そろそろ最高のトリプルAから米国を引き下げないと格好がつかないではない
か、と。しかし、実際にやるとなれば、いろんな軋轢も予想される。まあ、そんなことから、日
本を先に格下げしておけば、アメリカの格下げも少しはやりやすいかな、と。

 最後にもう一つ。

 今回の格下げは、消費税増税の布石として日本政府自身が望んだことであるかも知れな
いということなのです。

 どうしても消費税の増税をやりたいが、そのための環境作りが必要である、と。で、今まで
はIMFなどに、消費税増税の必要性を発言させていたのですが、今回は‥

 直接言ったかどうかは分かりません。しかし、そんな雰囲気を格付け会社の方が感じたの
かもしれないのです。


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 オーストラリアのクイーンズランド州で先日、大洪水があったのはご存知ですよね。大都会
のブリスベーンでも被害が出ていました。本当にお見舞い申し上げます。

 で、そうして災害が起これば当然のことながら復旧事業が行われることになり、お金が必要
になるわけなのですが、オーストラリア政府は、そのお金をどうやって調達しようとしているか
ご存知でしょうか?

 何と1年間の臨時増税を行うのだ、とか。まあ、増税の規模自体はそれほどではないので
すが‥人口も少ないですし‥、で、幾らくらいかといえば、56億豪ドル、日本円になおせば
4500億円程度の規模だということです。

 では、その増税というのはお金持ちに対するものかといえば、年収が5万豪ドル以上を対
象にするといいますから、まあ、お金持ちとは言えない一般の人も対象になるということなの
です。

 流石に洪水の被害者は増税の対象外になるとはいいますが‥、でも、もし同じようなことが
日本で起きたら、政府は総スカンをくらってしまうでしょうね。洪水で国民が困っているときに
何ということをするのだ、と。

 まあ、日本であれば、取り敢えずは国債の発行ということになるでしょう。災害の復旧であ
り、建設公債を発行するのであり赤字公債ではないから‥何て理屈をつけて。

 では、何故オーストラリアも、国債を発行して凌ぐことを考えないのか?

 どうしてなのでしょうね。財政事情が悪化して南欧のようになりたくないからなのでしょうか。
それとも、資本の蓄積が乏しいということから、インフレを懸念してのことなのでしょうか?

 いずれにしても、干ばつの後は大洪水が起こり、オーストラリアの人々は大変なことになっ
ている訳なのです。

 翻って、我が日本はといえば、何か消費税増税の匂いがしてきていますが‥でも、すぐにと
いうわけでもないし‥それに、こんなに財政事情が悪化してもインフレになるわけではない
し‥、もっとも多くの人々は物価が上がらないことを嘆いているようなのですが、ものは考えよ
うではないでしょうか。

 もし、日本が不況の中にあってインフレが同時に起こっていたとすれば‥、だったら、まだイ
ンフレが起きていないだけありがたいと思います。


 洪水に遭ったのに、増税だなんて可哀そうだ、と思う方、クリックをお願い致します。
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 オバマ大統領の一般教書演説がありました。オバマ大統領のことを好きか嫌いかは別にし
て、演説は巧いものです。もう少し日本もどうにかならないものか、と思ってしまいます。

 ただ、今年の演説は、余り目新しい内容はなかったような‥

 切り口を、将来を勝ち取るということに絞り、だから、教育改革やエネルギー改革、或いは
輸出促進や財政の健全化が必要だ、と。

 ということで、余り皆様にご紹介したいと思うところも少ないわけですが、演説のなかで笑い
を誘ったところがあったので、それだけは紹介したいと思います。

 どこが面白いか?

 まあ、読んでみて下さい。

 以下、私が勝手に抜粋した文章です。
 

We are poised for progress. Two years after the worst recession most of us
have ever known, the stock market has come roaring back. Corporate
profits are up. The economy is growing again.

「我々は前進する用意がある。最悪のリセッションから2年が経ち、株式市場は回復し、企業
の利潤も向上している。経済は再び成長を始めている」

The future is ours to win. But to get there, we can't just stand still. As
Robert Kennedy told us, "The future is not a gift. It is an achievement."

「将来は、我々が勝ち取るものだ。しかし、そこにたどり着くためにはじっとしていることはでき
ない。ロバートケネディが言ったように、将来は贈りものではない。将来とは成果である」

Now, the final step — a critical step — in winning the future is to make sure
we aren't buried under a mountain of debt.

「将来を勝ち取るための最後であるが非常に重要なステップは、我々が借金の山に埋もれて
しまわないようにすることである」

We are living with a legacy of deficit-spending that began almost a decade
ago. And in the wake of the financial crisis, some of that was necessary to
keep credit flowing, save jobs, and put money in people's pockets.

「我々は、約10年ほど前に始まった赤字支出の遺産と共に生きている。金融危機が起きた
直後には、資金の流れを確保し、職を保ち、人々にお金を配るためにそうしたこともある程度
は必要であった」

But now that the worst of the recession is over, we have to confront the fact
that our government spends more than it takes in. That is not sustainable.

「しかし、今や最悪のリセッションは終った。政府は歳入以上に支出しているという現実に直
面している。これは持続可能なことではない」

And if we truly care about our deficit, we simply cannot afford a permanent
extension of the tax cuts for the wealthiest 2% of Americans. Before we
take money away from our schools, or scholarships away from our
students, we should ask millionaires to give up their tax break.

「そして、もし我々が本当に財政赤字を心配するのであれば、国民の2%に当たる富裕者向
けの減税を恒久化することなどあり得ないのだ。教育費や学生の奨学金を止める前に、億万
長者に対し、減税を諦めてもらうようにお願いをすべきなのだ」

It's not a matter of punishing their success. It's about promoting America's
success.

「これは、成功したことに罰を与えようというのではない。アメリカの成功を促すものだ」

We live and do business in the information age, but the last major
reorganization of the government happened in the age of black and white
TV. There are twelve different agencies that deal with exports. There are at
least five different entities that deal with housing policy. Then there's my
favorite example: the Interior Department is in charge of salmon while
they're in fresh water, but the Commerce Department handles them in
when they're in saltwater. And I hear it gets even more complicated once
they're smoked.

「我々は情報化時代に生き、仕事をしている。しかし、最後に政府組織の改革をやったのは
白黒テレビの時代のことである。輸出品を扱うのに12の異なった機関がある。住宅政策を扱
うのも、少なくても5つの機関がある。私の好きな話がある。内務省は、淡水にいる鮭を管轄
する。しかし、その鮭が海に移ると商務省が管轄する。では、鮭がスモークサーモンになった
らどうなるのか、と」


We should have no illusions about the work ahead of us. Reforming our
schools; changing the way we use energy; reducing our deficit — none of
this is easy. All of it will take time. And it will be harder because we will
argue about everything. The cost. The details. The letter of every law.

「我々は、目の前の仕事に関し幻想を抱いてはいけない。学校の改革、エネルギー使用方法
の改革、財政赤字の削減、いずれも容易いものではない。全て時間がかかる。議論をすれば
より困難になるであろう。お金もかかる。細かいこともある。法律の文言もだ」

Of course, some countries don't have this problem. If the central
government wants a railroad, they get a railroad — no matter how many
homes are bulldozed. If they don't want a bad story in the newspaper, it
doesn't get written.

「もちろん、こうした問題が存在しない国もある。もし中央政府が鉄道を作りたいと思えば鉄道
ができる。どんなに多くの家が立ち退きを迫られても。新聞にまずい話を載せたくなければ、
書かせないこともできる」

And yet, as contentious and frustrating and messy as our democracy can
sometimes be, I know there isn't a person here who would trade places
with any other nation on Earth.

「民主主義には議論がつきもので欲求不満にもなるし、混乱もある。しかしだからといって、ど
っかの国と立場を交代しようなどと思う者はいないはずだ」


 スモークサーモンの話を聞いて、日本の幼稚園と保育園の一体化の話を思い出してしまい
ました。



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 私は、社会が子どもを育てる義務があるという考えには大反対です。

 子どもは授かりものでお宝なのです。そんな大切な子どもの養育を社会に任せるなんて、と
んでもない。大体社会がどうやって子どもに授乳し、オムツを替えることができるというのだ。
オツムが悪いのじゃなかろうか?

 それに小学校や中学校の教育にしても、いじめの問題などが後を絶たず、決して他の国に
比べて成功しているとも言い難い。

 いずれにしても、政権が交代しても政治家のやることは不条理なことに満ちています。幼保
一体化の件にしてもそうです。政府は当初、待機児童の問題、幼保一体化によって解消する
と声を大にして言っていたものです。

 しかし、その幼保一体化が迷走しています。結局、こども園を創設する一方で、幼稚園や保
育所も残す方針であるのだとか。

 では、何故一体化が難しいのか? そして、何故一体化をしたいと言っていたのか?

 それは政治家が、幼稚園と保育所の二つが文部科学省と厚生労働省の管轄の下に存在
することを悪であるとみなしたからです。二重行政ではないのか、と。

 だったら、何故今後も一体化を徹底しようとはしないのか?

 結局、一つには、役所の論理に負けたということなのです。幼稚園と保育所の役割は自ず
から違うから、と。つまり、二重行政などではないという議論に屈したのです。

 では、どうして政府は素直に間違いを認めようとしないのか? 幼保一体化と当初主張した
が、適当ではなかったと言うべきではないのでしょうか。或いは、あくまでも二重行政で怪しか
らんというのであれば、何故役所を説得しないのでしょうか。いずれにしても、そうやってうや
むやに済ませてしまおうとするから、政府への不信感が益々募るのです。

 私、思うのですが、そもそも待機児童の解消のために幼保の一体化をするといったのが間
違いだったと思うのです。親の立場からすれば、幼稚園であろうと保育所であろうと、どちら
でもいいから親が働いている間、こどもを預かってくれないか、ということなのですから。だか
ら、政府や自治体が本気で待機児童の問題を解消したいと考えるのであれば、もっと規制緩
和をして、幼稚園や保育園が増えるような政策に切り替えるか、或いは、国や自治体が自ら
幼稚園なり保育園の経営をするしかないということなのです。つまり、幼保一体化の議論は
本質的なことではなかったということなのです。

 では、どうやって待機児童を減少させるか?

 本来私は、3歳未満のこどもを他人に預けるのは頂けない、との考え方です。こどもがかわ
いそうではないか、と。しかし、現実問題として、親が働かないとどうしても食っていけないケ
ースもあるわけです。つまり、3歳未満のこどもを預けるというのは、止むに止まれない事情
があるからのことで、そうだとすれば、何故そうした問題に国や自治体はもっと積極的に介入
しようとしないのか?
 
 高校の授業料を無償化したり、或いは子ども手当を支給したりする前に、真っ先に国が取り
組むべきことではないのでしょうか?

 それにしても、少子高齢化が進行し、各地の小学校や中学校の校舎の内部は、がらんとし
た風景になっていると言います。それもそのはずです。昔と比べて生徒の数が半分に減って
いるからです。だったら、何故そうやって浮いた施設を公営の幼稚園なり保育所なり、或いは
こども園として利用しようとしないのか、と。或いは民間に開放しないのか、と。

 さっさとやれよ、と言いたい。

 もっとも、本来は、全てを国や自治体がやる必要もないのです。不必要な規制を緩和し、幼
稚園や保育園の経営が自由にできるようにすればよいのです。勿論、こどもたちの安全や衛
生状態を良好に保つことが大前提ですが、細かいことに国が口を出す必要はないのです。そ
の代わり、そうした幼稚園や保育園などの経営内容に関して情報を透明化させ、広く人々の
監視が行き届くようにすればいいだけの話なのです。

 政府は、小さなことからコツコツと実績を重ねるべきではないでしょうか。


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 突然ですが、貴方はインフレを警戒していますか?

 「その質問、デフレを警戒しているか、の間違いじゃないの?」

 まあ、日本の場合には、未だにインフレよりもデフレを何とかすべきだという意見が圧倒的
に多いと思うのですが‥

 牛丼屋さんが繰り広げている値下げ合戦に対しても、そんな消耗戦は止めるべきだと主張
する専門家が何と多いことか。

 牛丼の価格が下がると益々デフレが酷くなってしまう‥などと考えているようです。

 でも、個々の企業がコスト削減の努力をすることと、不況のために物価が下がるという現象
を一緒にしてしまうことは頂けません。一体全体、そのような意見を主張する人々は、デフレ
についてどこまで分かっているのか、と思ってしまいます。

 いずれにしても、企業が製品価格を上げるにしても、逆に下げるにしても、それらは彼らの
企業戦略によるものですから、他人がとやかくいうべきものではない訳ですし、また、他人が
何と言っても企業がそんな外部の意見など聴く筈はないのです。彼らは、そうしないと生き残
れないと信じているからそうしているだけのことです。

 まあ、それはそれとして、ECBのトリシェ総裁がインフレに警戒すべきだとの発言をしていま
す。

 ウォールストリートジャーナル紙のインタビューで、次のようなことを言ったと報じられている
のです。(以下、ウォールストリートジャーナルが報じている記事の内容を参考にしています)

 Inflation pressures in the euro zone must be watched closely,
and urged central bankers everywhere to ensure that higher energy
and food prices don't gain a foothold in the global economy.

 「ユーロ圏におけるインフレ圧力は、注意深く監視されなければならない。また、世界中の
中央銀行は、エネルギーや食料品の価格高騰が世界経済に根を下ろすことがないように努
力すべきである」

 米国のQE2などによって大量に放出された資金が、原油や穀物の価格高騰をもたらしてい
ると批判されていますが、最近は、そうしたことに加え、中国やブラジルなどでインフレが起き
ており、その影響が世界中に及ぶことを警戒しているのだとか。

 All central banks, in periods like this where you have inflationary threats
that are coming from commodities, have to…be very careful that there are
no second-round effects(on domestic prices)

 「全ての中央銀行は、商品相場の高騰によってインフレ圧力がかかるようなときには、そう
した影響が国内価格に転嫁することがないように注意することが必要である」

 では、ヨーロッパにおける物価の状況はどうかといえば‥、昨年12月、インフレ目標値の
2%を上回る2.2%に上昇してしまったのだ、とか。

 こうしたことは2年ぶりのことだとかで、今後も2.5%程度まで上昇すると見込まれている、と。

 まあ、こうしたインフレに対する警戒論に対しては、ヨーロッパでインフレ率が2.2%にまで
上昇したとはいっても、それは原油や食料品を含んだ物価の話であって、アメリカのようにコ
ア・インフレ率でみれば1.1%にしかならないという批判もあるというのですが‥、そう言った
批判に対してトリシェ総裁は、

 Core inflation is not necessarily a good predictor.

 「コア・インフレ率は、必ずしも良い指標とは限らない」

 アメリカがQE2を止めなければ‥、そして、中国が為替介入を止めなければ‥、今後もイン
フレ圧力が世界経済にかかり続けるのは間違いないと言っていいのではないでしょうか。ま
あそうなれば、日本においても物価が少しばかり上昇するようになるかもしれません。

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 突然ですが、皆さまに質問です。

 地球温暖化が進むと生態系にどんな影響を与えるか? もう少し具体的に質問するなら
ば、生き物の分布状況にどんな影響を与えるか?

 「そんなの簡単!」

 では、回答をどうぞ。

 「だから、気温が上がる訳だから、熱帯や亜熱帯の魚が北上してきたり‥」

 他には?

 「寒いところを好む生きものは、段々高地に移って行くのよ。でもね、山の高さには限度があ
るから、頂上より上には行けないので、温暖化が酷くなると生息できなくなる生き物が出てく
るのよ」

 よくご存知ですね。

 私も、そう思っていました。ところが、NPRというラジオ放送を聴くと‥

 As the earth warms up, many plants and animals are moving uphill to
keep their cool. Conservationists are anticipating much more of this, as they
make plans to help natural systems adapt to a warming planet.

「地球が暖かくなるにつれ、多くの植物や動物は体温を適温に保つために高地に移動する。
自然保護主義者たちはそうなるものと信じている。彼らは地球温暖化に生態系が適応するこ
とを手助けするためのプロジェクトを計画しているし」

 But a new study in Science magazine finds that plants in Northern
California are bucking this uphill trend.

「しかしサイエンス誌に出ている新しい研究によれば、北カリフォルニアの植物はこの高地に
移動するという流れに逆らっていることが発見された、と」

 さあ、如何でしょうか? 驚きですよね。でも、どうして北カリフォルニアでは、付近の気温が
上昇しているのに、植物が山から下りてくるような行動に出ているのか?

 植物が山から下りてくるといっても、植物に足が生えて下りてくるわけではありません。一本
一本の木は動くことはありません。ただ、長年のうちに、樹木の分布状況が高地から下の方
に移動するというのです。

 答えは、何でも、湿度、即ち、降雨量の関係でそうなったのではないか、と。

 植物は若干の温度の変化よりも湿度の変化の方に敏感に反応するということなのでしょう
か?

 
 温暖化の影響で、高地の植物が低地に移動してきただなんて、想像もしなかった、と言う
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 中国のフジンタオ国家主席がホワイトハウスで歓迎式に臨んでいる姿を見ることができまし
た。

 国賓ともなると扱いが全く違いますね。礼砲が鳴るなどして‥

 まあ、こうした儀式をみていると、話し合いの行方はともかくとして、こうして2つの超大国の
リーダーが並んで立っている姿を世界に見せることこそが、今回の首脳会談の最大の目的で
あるような気さえしてきます。

 人民元レートの問題や人権の問題などに進展があろうとなかろうと、こうして両巨頭が二人
並んでいること自体が重要なのだ、と。まさにG2の時代の到来と言っていいかもしれませ
ん。

 そんなことを考えていたら、中国の2010年のGDPの伸び率が発表になりました。何と
2010年は再び2桁の伸びとなり、前年比10.3%も伸びたのだ、とか。で、マスコミは、これで
2010年の中国のGDPは日本を抜いたことが確実であろうと報じているわけなのです。

 ただ、いつも言いますが、中国みたいな大国が、どうしてこんなに速くGDPを集計できるの
かといつも思ってしまいます。それに同時に発表された12月の消費者物価指数は、前年同
月比4.6%上昇と11月に比べると少し落ち着いてきているのですよね。出来過ぎと違います
か? まあ、いいでしょう。

 いずれにしても、我が日本国民の反応はといえば「別に‥」と言ったところではないでしょう
か。幾ら我が国のGDPを中国が上回ったとはいえ、中国の人口は我が国の10倍もあるわけ
ですから。

 中国の人口:13億3474万人  日本の人口:1億2705万人

 但し、ここで注意すべきことがあるわけです。それは、中国のGDPと日本のGDPが今肩を
並べたかもしれない、などといっても、それはあくまでもある時点での為替レートでドル建てに
換算し比較した結果であるのです。私は、中国のGDPは、生活実感からいえば既に日本の
GDPを相当上回っているような気がしてなりません。つまり、購買力平価で換算すれば中国
のGDPは、もう少し大きくなるはずだ、と。

 それに、例えば自動車の販売台数にしても、2010年は、日本の場合には500万台弱(496
万台)にしか過ぎないのに、中国はその3.6倍ほどの1806万台も売り上げている訳なので
す。さらに、1日当たりの原油の使用量(2009年)にしても、日本は約440万バレルなのに対
し中国の方はその倍の約890万バレルもあるわけです(日経の記事から)。

 もちろん、原油の使用量が多いからといって、それがそのままGDPの大きさに反映する訳
ではないでしょう。つまり、エネルギー効率が悪ければ、幾ら原油の使用料が大きくてもGDP
はそこまで大きくなることはないのだ、と。

 いずれにしても私としては、購買力平価や自動車の販売台数、或いは原油の使用量から
判断して、生活実感としてのGDPの大きさは、中国の方が相当上回っているであろうと想像
しているわけなのです。ついでながら言えば、上海の高層ビル群は凄いですよね。

 ということで、中国の経済力には今や世界の人々が注目し、今後も急成長を続けることが
見込まれているのです。こんな記事も出ています。英国のBPが今後のエネルギー市場の予
測を発表しているのですが、今後20年間で中国の石油消費量は日量1750万バレルと現在
の2.2倍となり米国抜いて世界最大になると予測しているのです。

(注)20年後、石油消費量が日量1750万バレルになると現在の2.2倍になるというのは、上
に上げた数値と整合性がとれないようですが、データが違うのでその旨ご留意下さい。

 まあ、これからも中国の経済的発展が続く、ということになるわけですが‥本当にそれでい
いのでしょうか?

 私は何も中国の経済発展に冷水をかけようというのでありません。中国が大量のエネルギ
ーを使おうとも、それも結構でしょう。しかし、使うならクリーンエネルギーにして欲しい、と。

 米国は、選挙民の手前があるのか、中国に対しては人権問題にもちゃんと釘を刺す訳で、
それは日本政府と違い大変結構なことなのですが‥、この2つの超大国のリーダーの頭から
は、どういうわけか地球温暖化の問題がすっぽりと抜け落ちているのです。

 中国の経済発展大いに結構! エネルギーの消費量が増大しても大いに結構! しかし、
使用するエネルギーはクリーンエネルギーにシフトして欲しい、と。石油の消費量は大きく減
らして欲しい、と言いたい訳なのです。

 そうしないと地球温暖化は益々酷くなるばかりであるからです。

 ただ、私が、そんなことを言ってもイマイチ迫力がない。

 つまり、こんなに寒い日々が続くと、温暖化なんていってもピンとこないからなのです。しか
し、以前から言われているように地球温暖化が進むと、このような異常気象が日常茶飯事に
なると言われている訳ですから‥、オーストラリアの洪水などをみるにつけ、温暖化の恐ろし
さに両大国がそろそろ気がついて欲しいと思う訳なのです。

 ホワイトハウスでの歓迎式は、確かに荘厳な雰囲気で行われた訳なのですが、未だに軍人
さんが礼砲を鳴らす光景をみて、そろそろ時代遅れではないのかと感じたという次第です。


 中国は、経済発展に見合って人権や環境問題にもっと目を向けるべきだ、と思う方、クリッ
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 「為替商品で多額の損失 中小企業に特例融資」なんて文言が、本日、日経の1面に出て
います。

 一体何のことなのかと記事を読んでいくと、3メガバンクが為替デリバティブで多額の損失を
抱えた中小企業の資金繰り融資に乗り出すのだ、とか。

 まあ、それだけの話であれば、何も反応を示すことはないでしょう。銀行が顧客に対しどん
なサービスを提供するかは、彼らが判断すればいいからです。

 しかし、次の文言をみて唖然とするわけなのです。ガーン!

 「金融庁の行政指導を受けた措置で、毎期計上する損失の穴埋め資金や、取引の途中解
約の違約金に充てる資金を融資する」

 行政指導?

 確か、10年以上も前の大蔵バッシングを得て、大蔵省から金融庁(当初は金融監督庁)が
分離独立させられ、その時以来、行政指導などは金輪際行わないと誓ったはずではなかっ
たのでしょうか。

 私自身は、行政指導というのは、ケースバイケースで、必ずしも100%悪だとは思っていな
かったのですが、マスコミなどの批判を恐れた当時の金融監督庁は、これからは事後指摘型
に移行すると世間に公言したのでした。

 繰り返しますが、行政指導が100%いけないというわけではありません。しかし、こういうも
のには融資しろとか、ああいうものには融資をするな、などと役所が銀行を指導するのは如
何なものでしょう。

 案の定、日経も「金融規律ゆがめる恐れ」と大きな字で指摘しており、また、「異例の行政指
導だ」とも言っているわけです。

 ただ、いずれにしても、そんなことが行われるなんて想像もしていなかったものですから少し
驚いた訳なのですが‥、よーく考えたら、少し前に気になる記事が掲載されていたことを思い
出しました。それは、地方公共団体のなかで、通貨デリバティブに手を出して損をしていると
ころが発生している、と。

 ただ、今回問題になっているのは、飽くまでも銀行の取引先である民間企業が被った損失
であり、地方公共団体の損失ではないわけです。

 調べてみると、昨年の11月、西田実仁という議員(公明党)が参議院予算委員会質問をし
ているのです。年間売上高20億円、従業員100人程度の企業が、大手銀行から勧められた
デリバティブ(派生商品)である「通貨オプション取引」で大損してしまい、倒産の危機にひん
しており、こうした金融機関によるデリバティブ営業の実態をどこまで金融庁は把握している
のか、自見庄三郎金融相に迫った、と。

 もうこうなると何となく想像がつく訳です。亀井氏と行動を共にする自見氏の意見が反映さ
れているということではないのでしょうか。つまり、銀行は、そんな危険な商品を売り付け、中
小企業に損失を被らせるのは怪しからん、というのでしょう。

 まあ、顧客保護というのも分からないではありません。リスクの高い商品については、金融
機関が分かりやすくリスクを説明する必要がある、と。

 しかし、ここで問題になっているのは、金融の知識の乏しい高齢者などではないわけです。
中小とはいえども、年間の売上高は20億円もあり、100人も雇っているような企業であるの
です。為替が絡んだ取引に為替変動のリスクが伴うことなど百も承知なはずなのです。それ
なのに、そうした取引先を助けてやれ、と役所が言っていいものなのでしょうか?

 これが、銀行からの強い勧誘のためにどうしても断ることができなかった、というような特別
の事情があるのであれば、それならば話はまた別であるのですが。

 もし、役所の指導を受けそうした中小企業に融資し、それが焦げ付いたら、一体誰が責任
を取るというのでしょうか?

 もちろん、銀行の独自の判断で、デリバティブ取引で損失を被った企業を助けようというの
であれば、それはご自由にということなのです。

 なお、地方公共団体のケースとしては、次のような情報が得られました。

<資金運用の一環として外国為替仕組み債を購入したケース>
 ドルに対して円安になれば利息が大きくなる一方、円高が進むと利率が低く抑えられる。
 福岡県苅田町は、同仕組み債17億円分を購入したが、時価が12億円に下落し約5億円の
含み損が発生している。

<資金調達のために為替デリバティブを組み合わせた地方債を発行したケース>
 円高で調達金利が跳ね上がり、高利での資金調達を余儀なくされている。
 岩手県ではこうした仕組み債の発行で、調達金利が6%を超えている。


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