経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2011年12月

 今回の日中両国による国債の持ち合いの合意に関しては、いろいろな解釈が成り立ちますが、
それでも一つだけはっきりしていることがあるのです。それは、中国が人民元の地位をもっと高めようとしている、ということです。

 人民元の地位を高めるということは、どういうことなのか? 人民元の価値を切り上げるということなのか?

 いいえ、そんなことを考えているのではないのです。否、むしろ人民元の価値は徐々に上がっていけばいいのであって、急速に価値が上がることを認めてしまえば、中国の輸出産業は大打撃を受けてしまうではないか、と。

 人民元の地位を高めるというのは、人民元の国際化を進めるということであるのです。では、人民元の国際化とは何か?

 簡単に言えば、世界中の国々が人民元をもっと保有するようになり、貿易の決済通貨などとして人民元が今よりもっと使用されることになるのを意味しているのです。

 今や世界第二位の経済大国にのし上がった中国。アメリカのスーパーマーケットやデパート、或いは各家庭を覗いてみれば、中国製品でいっぱいになっていることに今更ながらに驚かされる訳
なのです。否、もはや驚くことなどないのです。安い中国製品を抜きにした毎日の生活など考えられなくなっている、と。今年のクリスマスプレゼントととしても、大量の中国製のおもちゃが購入されたことでしょう。

 中国の権力者たちの野望は、今、半分達成されたと言っていいのです。

 長い長い我慢の時代。今、ようやく世界に胸を張るようになることができた、と。アメリカに一番モノを供給しているのは中国。そして、アメリカに一番お金を貸しているのも中国。幾らアメリカが中国に圧力をかけようとしても、自ずから限度があるのです。一体全体、それだけ借金がある国に対して本気でものなど言えるものか?

 中国に文句を言え、とか圧力を掛けろと言っているのは、事情がよく分かっていない政治家たち
だけなのです。

 ただ、そうはいっても、中国の野望はまだ全てが実現された訳ではないのです。中国製品は世界の至る所で見受けられるようになった。何と嬉しいことか。この感情は、日本人がかつて経験したものと同じでしょう。日本人がアフリカなど世界中を旅行したときに、思いもかけず日本製の車が走っている光景を見て‥ああ日本は経済発展を遂げたと感じたものなのです。

 ただ、そうして中国製品は世界中で見受けられるようになったのですが‥中国の通貨、つまり人民元はまだまだ活躍しているとは言えないのです。つまり、中国の次なる野望は、この人民元を世界に普及させることにあるのです。そして、そのための準備を今着々と進めている、と。

 モノとお金で凌駕することができれば、中国は世界ナンバーワンになる。中国のGDPがアメリカに追いつく前に、何としても人民元の地位を引き上げる必要がある。世界中が認める人民元にしたい、と。

 では、どうするのか?

 先ずは、今はドルによる決済が当然視されている慣行を、少しずつ改めさせることが必要である。つまり、貿易の決済を人民元建てで行うようにしたり、人民元建ての資本取引を活発化させる
ことが必要である、と。

 例えば、海外の一流企業が、人民元建ての債券を中国本土で発行するようなことをもっと活発に
できないか。或いは、海外の中央銀行が、外貨準備として人民元建ての中国国債を保有することを促進することができないか。

 そして、そうやって人民元がドルに代る日が到来すれば、その人民元の発行権を握っている中国当局が、世界の通貨の発行権を握ることになり、名実ともに中国は世界一になれる、と。

 それが、中国が描いているシナリオであるのでしょう。では、将来、そのシナリオは実現する可能性があるのか?

 しかし、中国の野望には大きな矛盾が潜んでいるのです。

 人民元が国際化するということは、海外の国々、海外の企業による人民元に対する需要が増えることなしには実現する訳などないのです。

 では、どうやったら人民元に対する需要は増すのか? どうやったら人民元の魅力は増すのか?

 そのためには、人民元が自由に取引されることを認めるしかないのです。つまり、人民元の使い勝手をよくすることが必要であるのです。使い勝手が悪いままでは、魅力が増すことなどないのです。つまり、市場原理に任せることなしには、人民元の需要が増えることはないのです。

 つまり、今までのようながんじがらめの為替制度下では、誰も安心して人民元を保有したいとは
思わないということなのです。

 ということになれば、中国当局は、人民元の国際化のために、思い切って為替の自由化を進めるしかなくなる訳です。しかし、為替の自由化を一気に進めるとなると、当然のことながら人民元は、今以上に投機の対象にもなり、人民元の価値は急上昇するでしょう。そして、人民元の価値が急上昇すれば、今までのようにハイペースで輸出を続けることはできなくなるのです。

 結局、人民元の国際化という野望を中国が求め続ける限り、中国は次第に為替の自由化を進めざるを得ず、そうなると、今までのように為替レートを自由にコントロールすることができなくなるのです。結局、中国も、市場原理に従うしかなくなる、と。

 中国は、人民元の国際化を進め、中国の国際社会におけるプレゼンスをもっと高めたい。日本政府はそれを察知して、人民元の国際化を促進するお手伝いをすると、中国に申し出る。そして、中国は日本政府の申し出を受け入れる。で今後は、さらなる人民元の国際化に向けて様々な具体策を1つずつ実施していく。そして‥それでもなお、人民元の需要が高まらず、国際化の歩みが鈍いことに気が付く中国政府がどう判断をするかということであるのです。

 もし、中国政府がもはや後戻りできないというのであれば、為替レートの決定を市場原理に任せるしかないということになるのです。



 今回の国債持ち合いの合意は、米国にもゴマを摺ったものであるのです。


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 野田総理が中国を訪問し‥日本が中国の国債を購入し、日中で、両国の国債を持ち合うことに合意したと報じられています。

 普段から中国によい感情を抱かない人々は、こんなニュースが報じられると、「何故そんなことを?」と思ってしまうのです。

 お金が足りなくて消費税を上げると言っている日本政府が、中国の国債を買う余裕などどこに
あるのか、と。それに、アメリカの国債のように流動性が高く、何時でも市場で売却可能な国債とは違うのではないか、と。

 私も、このニュースを聞いて、不思議でなりませんでした。日本が中国の国債を購入することに何の意味があるのか、と。

 マスコミの解説も非常に表面的でしかないのです。

 「両国の経済関係が互いの国債を持ち合う新たな段階に入ったことを意味する」

 はあ? まんまじゃないの?

 或いは、次のように報じるものもあるのです。

 「人民元の国際化に弾みがつく」

 そんなに人民元の国際化を進めたいのであれば、そもそも為替の自由化を進めるべきだし、また、中国国債の取得に当たって中国政府の許可を必要とするようなことなど止めるべきであるのです。

 それに、イマイチ納得がいかないこともあるのです。もし、この中国国債の購入スキームが、今回の訪中の一つの成果であるとするならば、何故、我が国の関係者は、それをもっとプレイアップしないのか?

 政府関係者は、むしろ次のようなことさえ言っているのです。

 「(中国国債の購入額は100億ドル相当であり、外貨準備に占める割合は0.8%に過ぎず)極めて少額であり、外貨準備の多様化という位置づけでは全くない」

 では、真の狙いは何なのか? そして、何故それを公にしないのか?

 総理や財務大臣はそれをしっかりと認識しているのか? 

 実は、この日本政府による中国国債の購入という意思表示は、中国に対する抗議声明である
のです。

 こんなことを言うと、まさか日本政府が中国に注文をつけるなんて‥と不思議に思う人が多いと思うのですが、でも抗議声明に違いないのです。しかし、そこは外交の世界であるので、いろいろなお化粧が施されているということなのです。

 では、何の抗議なのでしょう?

 皆さん、今年はどんな年でしたか?

 もちろん、大震災があり、津波があり‥原発事故まで起こり、大変な年であった訳ですが、その他に経済面では、超円高が襲った年でもあったのです。

 で、その円高に対し、財務省当局は常に、「投機筋が‥」と言い続けていたことを憶えていらっしゃるでしょうか?

 では、投機筋とは一体誰を指すのか?

 皆さん、中国が昨年辺りから我が国の国債の購入額を増やしているのをご存知でしょうか?
そして、購入額の増大と歩調を合わせるかのように円高が進んできた事実を。つまり、当局は、中国こそ投機筋であると睨んでいるのです。

 為替介入も必要かもしれないが、何とかして投機筋の動きを封じ込めることができないか、と。
つまり、中国にもっと自重してもらう訳にはいかないのか、と。

 でも、我が国の国債が市場で自由に売買されるのを止める方法などないのです。では、逆に、我が国も中国の国債を購入することにすれば‥?

 そうすれば、その分円売り人民元買いが起こり、円安人民元高の圧力がかかることになるのです。しかし、中国の国債を日本政府が購入するためには中国政府の許可が必要であるため、なかなかそれも自由にできないのです。

 つまり、今回、両国で国債の持ち合いをしようと合意したということは、中国政府の許可を事実上
もらったと考えることができるのです。そして、今後、中国が我が国の国債を買い増す場合には、
我が国も、それと逆方向の取引を行うことによって、円高圧力を減じることができるようになることを意味しているのです。

 ですから、見方を変えれば、日中間で、為替に関してちょっとした摩擦が生じているといってもいいのです。

 でも、中国の方は、日本側からそうやってクレームが付けられても余り怒っている風でもないのです。

 何故? それは、この2年間ほど超円高によって、中国の日本国債の購入が大きな利益を中国側にもたらしているからであるのです。

 
 マスコミは、真相を知っていて敢て報道を控えているのでしょうか? それとも本当に何も知らないのでしょうか?


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 今年も残り少なくなりました。大変なことが起きたこの1年です。何が大変だったかなんて言うまでもありません。では、大震災の他には何が起きたのか?

 改めてそう聞かれると‥案外返答に窮してしまうかもしれません。

 そこで、今年を振り返る意味で、2011年の10大経済ニュースを発表したいと思います。

 2011年の10大経済ニュースです!

 
 第1位:地震、津波、原発事故

 第2位:ユーロ危機

 第3位:超円高

 第4位:米国の高水準の失業率の定着

 第5位:日米両国の財政破綻危機

 第6位:TPP参加論争

 第7位:タイの大洪水

 第8位:独裁体制の崩壊

 第9位:オリンパス、大王製紙問題

 第10位:米国債の利回りが2%を切る


 何故、こんな順位になったのか?

 理由は、詳しくは言いません。その代り、それら中身について次のとおり示しておくことにします。


 <地震、津波、原発事故>
 ・復旧復興財源論議
 ・節電対策
 ・放射能汚染
 ・東京電力の国営化問題
 
 <ユーロ危機>
 ・ギリシャ危機
 ・イタリアへの波及
 ・欧州安定化基金、ESM
 ・メルコジコンビ
 ・英国の孤立化

 <超円高>
 ・大震災直後の円高
 ・ユーロ危機による円高

 <米国の高水準の失業率の定着>
 ・10月まで失業率は9%台

 <日米両国の財政破綻危機>
 ・米国の債務限度引き上げ問題
 ・米国の歳出削減
 ・米国債の格下げ
 ・日本の特例公債法

 <TPP参加論争>
 ・国を分けた議論

 <タイの大洪水>
 ・日本企業に影響

 <独裁体制の崩壊>
 ・エジプト、シリアの政権崩壊

 <オリンパス、大王製紙問題>
 ・粉飾決算問題
 ・コーポレートガバナンス

 <米国債の利回りが2%を切る>
 ・ユーロ危機の影響


 やっぱり、誰がどう考えても、第1位は、地震、津波、原発事故に決まっているのです。数年前、リーマンショックが起きたときに100年に一度の出来事と言った人がいますが、今回こそ、本当の危機であるのです。

 後は、1年中、ユーロ危機がくすぶり続けた年でした。

 そして、米国の債務限度引き上げ問題の影響もあり、米国債の格付けが引き下げられたのですが、皮肉なことに、米国債の利回りは史上初めて2%を切り、1%台に突入した年でもあったのです。


 米国債の格付けは引き下げられた。しかし、国債の利回りは史上初めて2%を切っただなんて、
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 皆さんは、BRICsという言い方があるのをご存知だと思うのですが‥

 「Bはブラジル、Rはロシア、Iがインドで、Cは中国」

 そうですね、近年世界で最も注目されている新興経済国を指すのがBRICS。それでは何時頃からそんな言い方がされるようになったかご存知でしょうか?

 まあ、そこまで突っ込まれて聞かれると、知っている人は限られると思います。

 実は、このBRICsというのは、ゴールドマン・サックスのエコノミストであるジム・オニール氏が10年ほど前に考案した言い方であるのです。

 「じゃあ、日本のぶりっこより後になって生まれたんだ」

 はあ?

 それはそうと、そのジム・オニール氏というのが、nprの番組に出演して、BRICに関しインタビューに答えていましたので、それを簡単に紹介したいと思います。

  • 10年前にBRICという言い方を考案した。
  • 10年前の時点では、ブラジルを含めるべきかどうかで議論があり、関係者のなかには、ブラジルを含めないとBRICという言葉が完成しないために、敢てブラジルを入れているのだ、という自虐的な見方さえあった。
  • 10年が経った今、想像以上にこれら4か国は巧く経済を運営している。特にブラジルはそうだ。
  • ブラジルの長所は、民主主義の国であり、以前と違って経済システムが安定していることと、貧富の差が縮小していることにある。
  • 中国については、doomsday scenario (最後の審判のシナリオ)があるが、我々は欧米流の観点で中国を評価することはできない。
  • ロシアについては、人口減少が起きており、男性の平均寿命は、かつては60歳未満であった(最近は、3、4歳伸びている)。
  • ロシアの主要な問題は、石油とガスに対する依存度が高すぎること。そして、経済活動を規制する法体系に問題があること。
  • ロシアに対しても、中国に対するのと同じように、欧米流の観点で評価することはできない。


 ということで、ジム・オニール氏の言うことを聞くと、なるほどためになることが多いのです。

 まあ、最近ロシアの平均寿命は伸びつつはあるものの、日本以上に少子化現象が顕著である、と。そして、その点については、一人っ子政策を採る中国も似たような状況にあるのです。

 いずれにしても、オニール氏が強調するのは、中国やロシアを、欧米的な目で観察すること、或いは評価することは適当でないということです。

 中国については、doomsday scnarioなどという言い方で、バブルの崩壊も囁かれるのですが、どうやらオニール氏は、バブル崩壊の可能性は低いとみているということなのでしょうか?

 そういえば、先日、中国の住宅価格が低下している、と発表になっていました。

 面白い国ですよね、中国というのは。今更言うまでもないことですが、都合が悪くなれば、公式の統計でも簡単に公表をストップさせてしまうのです。今年の上半期に中国が、住宅価格の公表を停止させたことを憶えていませんか?

 ですから、中国の住宅価格なんていったって‥当てにならないなと思っていると、また、発表を再開し‥前年比ではまだ低下していないものの、前月比では2か月連続して住宅価格が低下しているなんて報じているのです。

 上海などの都市部における住宅価格の低下が特に顕著であるらしく‥そして、そんなことが映像入りで報じられるようになると、我々としては、中国もなのかと思ってしまうのです。

 日本でバブルが弾け‥その次はアメリカとヨーロッパで、そして、近いうちに中国でも弾けるのか、と。

 確かに、中国の住宅価格は今後、もっと低下を続ける可能性はあるのです。

 では、日本でそうであったように‥或いはアメリカでそうであったように、それによって経済危機にまで発展するのか?

 ここで、オニール氏の発言を思い出すべきであるのです。

 中国は、欧米の見方で評価してはいけない、と。

 欧米人は、昔からギャンブルが大好きです。投機と言っていいかもしれません。株で儲ける、土地投機で儲ける。しかし、彼らの心のなかには、悪魔とエンジェルが棲んでいるのです。昔のアメリカのアニメを見ていると、よく悪魔とエンジェルが登場する光景がありましたよね。

 つまり、ひょっとしたら最後の審判の日が訪れるのではないかという思いが、欧米の人間には絶えず付きまとっているのです。

 他方、中国人はどうか?

 彼らの心のなかに悪魔とエンジェルが棲んでいるとはとても思えないのです。だから、
doomsday なんていう発想がそもそもない。北朝鮮も一緒でしょう。

 それに、中国の平均的所得水準は、欧米に比べてまだまだ低い。ということは、中国の人件費はまだまだ低く、今後も暫くは輸出で稼ぐという構造は変わらないということです。

 つまり、喩え住宅バブルが弾けても、中国はそれなりに乗り切っていくのではないでしょうか。



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 日本の政治を変えてくれるものとばかり思っていた民主党に対する期待はとうの昔に消失しているのですが‥やっぱり呆れてしまうのです。

 枝野大臣が次のようなことを言いました。

 「国内市場の活性化を図り、日本にものづくりと雇用を残すという強力なメッセージを出すことが急務だ」

 我々日本人は、「ものづくり」と言われる言葉に弱いですよね。ものづくりこそ日本人の得意とするところである。ものづくりを大切にすることが日本の繁栄に繋がるなんてつい考えがちであるのです。

 ものづくりと言えば、例えば品川の町工場、或いは金型工場などを思い出すのです。そして、そのようなところに政治家はすぐ行きたがります。そうした中小の工場こそ、日本の経済を支えているのだ、と。

 もちろん、ものづくりの文化を絶やさないようにすることは大切なことでしょう。では、どうやったらものづくりの文化を維持できるのか?

 枝野大臣は、どんな機会に上のような発言をしたのでしょう? また、枝野大臣はどうやったら、ものづくりの文化を守ることができると考えているのでしょう。

 お分かりですか? 実は、上の発言は、エコカー補助金の復活決定に際して、枝野大臣が述べたものだとか。

 エコカー補助金はご存知ですよね?

 大震災を経て、テレビではすっかり見ることがなくなった「こども店長」が自動車の販売促進に
しっかり利用していた手段です。

 今回、一定の燃費基準を満たすエコカーに対し、乗用車10万円、軽自動車7万円、トラック・バスについては、大型車は90万円、中型は40万円、小型は20万円の補助を行うことを決定したというのです。

 誰がそんなことを決める権限があるのでしょう? 何故ならば財源は税金であるからです。

 それに、補助金を与えると、その対象の業界が競争力が強化されるのか?

 確かに、エコカー補助金を与えると、一時的に車の販売が促進され、自動車産業が潤うのはそのとおり。しかし、補助金が切れたら? 

 むしろ、一般論としては、補助金を幾ら与えても海外競争力が向上することはないというのが、経験が示してきたところではないでしょうか。もっと言えば、保護されればされるほど弱くなる、と。

 なのに補助金をまた復活? しかも、それを経済産業大臣が推進するの?

 確かにリーマンショックの後、世界の主要国が自動車の販売に対して、減税措置を講じたり、或いは補助金を与えたりしたのはそのとおり。

 でも、あれは世界同時不況で、例えば、自動車の輸出が半減するという未曾有の事態に陥ったために講じた異例の措置であり、本来であれば、特定産業に補助金を与えることなどしないのが
今や世界の常識になっているのです。

 それに‥補助金政策を訴えるのが農水省であるというのであれば、まだ分からないでもありません。しかし、経済産業省といえば、TPPを推進する立場にある役所ではありませんか。

 つまり、経産省は、一方では自由貿易が大切だ、保護主義は許さないと口では言いながら、他方では、今回のように特定業種に補助金を与えるなどという、保護主義まがいのことをしているという訳なのです。

 さらに言えば‥補助金を与えることによって、車の売れ行きはグーンと伸びるかもしれませんが、補助金が切れれば、必ず反動がくるのです。つまり、補助金を与えても、長い目でみれば、それほど売れ行きが伸びるかどうかは確かではないのです。

 いずれにしても、どうしてこんなことが国民の議論抜きに簡単に決まるのか?

 年金の財源にも事欠くために、年金を交付国債の発行でしのぐ必要があるという一方で、必要とは認められない補助金を復活させようというのです。

 エコカー補助金の復活は、結局、政治家と業界が癒着していることの証ではないのでしょうか。

 消費税増税の前に無駄の削減が必要だと言いながら、どうして補助金の復活などできるのでしょう?

 
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 キムジョンイル氏が死亡したというニュースが流れて丸一日が経過しました。もう、世界中が大騒ぎです、少なくても表面的には。でも、本当にアメリカも中国もそのことを事前に察知していなかったのか? いずれにしても、大騒ぎです。

 でも、こうやってキムジョンイル氏が死亡したということが既成事実になっても、世界は益々北朝鮮に注目するのです。何故でしょう?

 それは簡単なこと。誰が権力を握ることになるのかに注目しいているということなのです。

 もちろん、次のリーダーはキムジョンウン氏である訳ですが、しかし、それは表面的なことであり‥というのもまだ20歳台という若さであるので、誰かが彼の後見人になるとみているのです。つまり当分は、そのアドバイザーが判断をするだろうということなのです。

 でも、権力の移譲が起きる場合には、そういうことは常に想定されることなのに、ここまで大騒ぎするものなのか?

 「日本は拉致問題があるからよ」

 しかし、拉致問題に関心を寄せるのは日本だけで、他の国は、拉致問題など殆ど意識していないのです。

 そうなのです。日本以外の国の場合には、北朝鮮が核保有国であるということにばかり目が行くのです。つまり、仮に北朝鮮が核を保有していなければ、独裁国家であっても、これほど警戒することはないのです。つまり、どんなことをするか分からない後継者が、核爆弾のボタンを押す立場に就くので、やきもきしているということなのです。

 いずれにしても、世界は拉致問題の解決など考えている訳ではない、と。その一方で、日本はと言えば、特に一般の人は、核兵器のことよりも拉致問題の方にばかり関心が行くのです。

 で、北朝鮮の問題を解決するためには、この拉致問題と核兵器の問題を同時に処理することができれば理想的なのですが‥

 ご承知のように、北朝鮮は、核兵器については、開発を止めるような姿勢を見せたかと思えば、また開発を再開したりして‥本音としては、決して核兵器を放棄することなど頭にない訳です。

 何故、北朝鮮は核兵器を放棄しないか?

 そんなことをしたら自分たちの地位も利益も、一瞬にして水泡に帰す、と。そうやって強力な武力の後ろ盾があればこそ、国内においても、また海外からの反対勢力も封じ込めることができる、と。

 一方、アメリカにすれば、北朝鮮に核兵器を放棄させることが最大の課題ですから、そのことができないうちに、日本が北朝鮮に対し拉致解決の見返りに経済支援などしたら、米国の作戦の障害になってしまうのです。だから、日本に対して、決して自分たちだけの判断で行動してはいけないと釘を刺しているのです。

 つまり、日本政府は、拉致問題を解決するために北朝鮮に経済的支援を行うことをと考えても、
アメリカの了解を得ないことには何もできないのです。そして、アメリカはと言えば、拉致問題など殆ど重要視していないので、決して日本が北朝鮮と差しで話し合いをすることなど認めないのです。

 つまり、今までの延長線上で政府が行動しようとする限り、拉致問題の解決を期待するのは大変に難しいのです。

 では、アメリカの主張は正しいのか? 北朝鮮が核兵器を放棄することが絶対に必要なのか?

 確かに、何をするか分からない独裁国家が核兵器を保有することは、隣国としても危なくてしようがない。でもよく考えたら、核兵器を保有している国は他にも沢山あるのです。

 では、何故北朝鮮にアメリカは厳しく当たるのか? それは、北朝鮮が独裁国家であり、かつ、アメリカとして北朝鮮をコントロールすることが難しいと感じているからに他ならないのです。

 ということで、アメリカはどこまでも北朝鮮に対し核を放棄させようとし、その一方で、北朝鮮は核を放棄することなど考えないので、そうなると日本としても、なかなか北朝鮮に経済的恩恵を及ぼすことができず、結果として拉致問題の解決もおぼつかないのです。

 しかし、昨日も言いましたが、キムジョンイル氏は亡くなったのです。つまり、拉致問題の第一の責任者がいなくなったので、少しは拉致問題解決の障害が少なくなったとも言えるのです。

 では、北朝鮮側は、今後拉致問題の解決に向けて動き出すことはあるのか?

 あるとすれば、日本側からの経済支援を獲得することを条件とするでしょう。でも、繰り返しになりますが、日本側が勝手に動くことにはアメリカがなかなかウンとは言わない。問題はここにあるのです。

 この際、核の問題と拉致の問題を切り離すことをアメリカに提案し、そのことをアメリカに理解してもらうことが必要であるのです。

 そもそも、今でも北朝鮮に対しては中国が様々な支援をしている訳ですから、仮に日本が拉致問題解決の見返りに少しばかり経済支援を行ったところで、アメリカの作戦にそれほどの影響を与えるとは思えないのです。

 それに、どんなに頑張ったって、北朝鮮が核を放棄することを期待するのは難しいのです。もちろん、北朝鮮が自ら民主国家に移行する道を選択するというのであれば別ですが。

 北風と太陽の話ではありませんが、そのような二者択一の考え方ではなく、核放棄については
粘り強く説得しつつも、しかしその一方で、北朝鮮の経済が発展するように、世界が少しくらい協力するようなことがあってもいいと思うのです。

 何故ならば、北朝鮮の国民は、何百万人が餓死しても権力に盾突くことががなかった訳ですが、
逆に少しずつ生活水準が向上してくることによって、マインドコントロールが解ける様な気がする
からです。

 いずれにしても、北朝鮮の問題に関しては、韓国と日本がもっと積極的に行動することが求められていると言えるでしょう。


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 お昼のニュースを見ていたら、大変なニュースが流れてきました。

 北朝鮮の金正日総書記が、12月17日午前8時30分に亡くなったのだとか。

 現地指導に向かう途中、急病で死亡した、と。69歳だった、と。


 金正日総書記は、2008年9月、建国祝賀式に出席しなかったことがあります。脳卒中で、それ以降、左手が動かなくなっていた、と。

 我が国の政府は、これから情報収集に当たるといっていますが‥

 (12時20分時点)

 本日は、この記事を追加していきたいと思います。



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 本日は、キム・ジョンイル氏の死亡のニュースでもちきりなのですが、やっぱり変わった国ですよね。

 何故、死亡の事実が発表されるまで2日以上もかかるのか?

 それに、もしかしたら2日前に亡くなったのではなく、もう少し前の可能性もあるのです。

 でも、いずれにしても公表された事実を信じるしかなさそうなのですが‥

 死亡の原因は、身体的、精神的な過労が原因だと言われているのですが、そのような状態のなかで、何故現地指導にでかけていたのでしょう?

 まあ、とにかく我々日本人としては、拉致問題のことが直ぐ頭に浮かぶのです。

 これで拉致問題解決の糸口がつかめるようになるのか? 或いは、逆に解決が遠のくのか?

 私、思うのですが、これで解決の可能性が大きくなるのではないか、と。

 何故かと言えば、北朝鮮側は海外の援助を欲している訳ですから、今回の金正日氏の死亡をきっかけに交渉に乗り出すことが期待できるのです。

 今までにできなかったことが何故今後は期待できるかと言えば、一番の責任者がなくなったことで、全ての責任を亡くなった者に押し付ければいいからです。

 もちろん、北朝鮮側としては見返りを要求するでしょうが‥日本側としては、この際、少々の要求は受け入れなくてはならないでしょう。

 以前から金で解決するのは怪しからん、なんて声もあるのですが、拉致された人とその家族にとっては、たまったものではないのです。

 解決の障害は、むしろそうやって日本が北朝鮮側に物質的な援助を与えることに対する米国のチェックにある訳で、米国に対して、日本政府はあまり煩いことをいうなと言うべきでしょう。


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 ロシアは、欧州を支援するためにIMFを通じて100億ドルを拠出する考え方を示したなんて報じられている訳です。

 はい、そこの貴方! 貴方はどう思いますか?

 ロシアも優しくなったね、なんて考えています?

 そんなことはないですよね。ネット上の意見をみると、どうもロシアに対する懐疑心があるらしく、手放しで喜んでいる人は少ないのです。

 では、何故そんなに気前よくロシアはお金を出すというのか?

 今ユーロ危機の関係で、英国が孤立化しており‥そして、英国とロシアは仲が悪いので、この際ロシアを売り込む‥?

 そんなことではないのです。

 本当はちゃんとした理由があるのです。

 「ユーロ圏が落ち着いた方が、ロシア経済にもよい影響があるから?」

 それはそうなのですが、もっと切実な理由があるのです。でも、これから言うことは、確かな証拠がある訳ではなく、多分に推測の要素を含むのでその点に留意してお聞き下さい。

 実は、ロシアは、ユーロ建ての資産を沢山保有しているのです。外貨準備の一環としてユーロ建て資産を保有しているということです。そして、ユーロ建て資産と言えば、当然のことながら、ユーロ圏諸国の国債が中心になるのです。

 少し分かってきました?

 つまり、ロシアは、ユーロ圏諸国の債権者であるということです。ユーロ圏諸国にお金を貸している、と。しかし、ご承知のように、ユーロ危機が収まらない。イタリア国債の利回りはまた7%台に乗ってしまった。どうしたものか?

 売り払えば、国債の価格が暴落しているので、大損となるのです。それに、ロシアがユーロ圏諸国の国債を売り払ったなんてことが知れると、ロシアのイメージが台無しです。

 何とかうまい手段はないか?

 では、そうした国債をIMFに譲渡したらどうでしょう? 100億ドル相当のユーロ圏諸国の国債を
IMFに引き渡す、と。つまり、ロシアの債権は、IMFに対する貸付金に早変わり。そうなると、もはやイタリアがどうなろうと、スペインがどうなろうと、ロシアは取りはぐれがなくなる訳です。何故ならば、お金を貸した相手がIMFであるので、万が一のときには、IMFの全加盟国が保証人の代わりになるからなのです。

 なんといいアイデアでしょう。

 ロシアはIMFを通じて欧州を支援した、と。それだけでも大変に聞こえがいい。そのうえ、ロシアの不良債権は、IMFに対する貸付金に変身することによって優良債権に早変わりするのです。

 

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 最近、増税の話ばかりで気が滅入りますね。年金の支給年齢は遅くなりそうだし‥

 ところで、消費税の増税の話になると、必ずこんなことを言う人がいるのです。

 「こんなデフレの状態で増税をするとは何事か? 益々デフレが酷くなり、却って税収は落ち込む」

 ただ、そんなことを言うのは、大体評論家か専門家を気取ったような人が多いのです。

 貴方は、この議論が正しいと思いますか? それとも‥

 多分、結構多くの人が、その考え方を支持しているようにも思えるのです。そして、そんな意見を述べている人の殆どが、そのようなことが経済学の教科書に書かれており、否定のできない事実だ考えているようなのです。

 でも、本当にそんなことが経済学の教科書に書いてあるのでしょうか?

 答えは、厳密に言えば、そんなことは全く書かれていない。ただ、ケインズ流の考えに従えば、景気をよくするために減税をするようなことが書かれており‥どうもそこから、景気が悪い時に増税すると景気を悪くするという考えが導き出されているように見えるのです。

 では、本当のところはどうなのか?

 もし、貴方がそのことに興味があれば、アメリカのNewsHourのレポートが非常に役に立つのです。
 
 Now, what the ups and downs in tax rates means for economic growth.

 「税率の引き上げ、或いは引き下げは経済成長にとってどんな意味があるのか?」

 NewsHour economics correspondent Paul Solman offers a history lesson for some insights.

 「NewsHourのポールソロモンが、歴史から学んだことを紹介します」


 ということで、NewsHourのReportが始まるのですが、皆さんにはかいつまんでご紹介いたします。


 Do higher taxes on the rich retard economic growth, or don't they?

 「金持ちに対する高い所得税は経済成長を阻害するのか、或いはしないのか?」

 In 1917, given the expensive war, Congress jacked the top marginal rate upward.

 「1917年に、戦費を賄うために議会は、最高税率の引き上げを行った」

 From 7 percent to 77 percent. And, by the way, the phrase "soak the rich" emerged at that time, too.

 「7%から77%へ引き上げられた。それによって「金持ちから搾り取れ」という言い方が生まれた」

 The new top marginal tax rate of 77 percent applied only to income starting at a million 1918 dollars. The average rate for the very rich, however, was only 15 percent.

 「1918年のドルの価値で、100万ドル以上の所得のある者に対しては、77%の限界税率が課せられた。しかし、そうした金持ちに対する平均税率は、15%でしかなかった」

 Fifteen percent average rate means the wealthiest Americans paid 15 percent of their overall income in taxes. It's not nothing, but it's not 77 percent.

 「平均税率が15%であるということは、最も金持ちのアメリカ人は、全課税所得の15%を税として支払ったということである。77%ではない」

 Conceivably, high taxes on the rich prolonged the Great Depression, but, then, how to explain the postwar boom, right through the Republican administration of Dwight Eisenhower, when the top marginal rate remained in the 90s? And when President Kennedy cut the top rate, growth didn't exactly soar.

 「多分、金持ちに対する高い税率は恐慌を長引かせたのであろうが、それでは、戦後の景気を
どうやって説明することができるのか? アイゼンハワーの共和党政権まで、最高税率は90%台
のままであったのだ。そして、ケネディ大統領が最高税率を下げたとき、景気は上向かなかった」

 President Reagan? Cut rates drastically, as advisers like Arthur Laffer urged.

 「レーガン大統領は? ラッファー氏の勧めに応じて劇的に税率を切り下げたが」

 Two big tax cuts, one in '81 and another one in '86. The top rate came down from 50 percent to 28 percent, and that's the lowest it's been since Andrew Mellon.

 「二度の大幅な引き下げがあった。一度は1981年で、もう一度は1986年だ。最高税率は50%から28%へ低下した。それはメロン財務長官時代以降最低の水準だった」

 What was the rationale for that?

 「税率の切り下げにどんな合理性があるのか?」

 That if you cut taxes, you will stimulate growth and that growth will trickle down from the top all the way to the bottom of the income distribution.

「もし、税率を引き下げれば、経済成長を促し、そして成長の果汁が高いところから下層階層に滴ることになる」

 And what happened?

 「どうなったのか?」

 Not a whole lot of trickling down.

 「トリクルダウンの現象が沢山見られたとは言えない」

 So does that refute the notion that, if you cut taxes, you stimulate growth?

 「では、減税をすると経済成長を刺激するという考えを否定するのか?」

 It's not exactly clear, but -- but there's no strong support for the proposition that trickle-down works.

 「はっきりしていないのだ。しかし、トリクルダウンの理論が機能するという明確な証拠はない」

 Of course, strong political support for the proposition continues to the present. But, sadly, says the professor, there's no academic consensus.

 「もちろん、その主張に対する根強い政治的な支持が今も続いている。しかし、悲しいことに学術的な合意はないとその教授は言う」

 Clinton boosted the top marginal rate from 31 percent to 39.6 percent.

 「クリントンは、限界税率を31%から39.6%へ引き上げた」

 Economic growth spiked after the Clinton tax increase. And although no one says that high tax rates lead to economic growth, this kind of fact is certainly not the greatest fact if you want to argue that higher tax rates, top marginal rates impede economic growth. So relationship is complicated.

 「クリントンが増税をして以降、経済成長率は上昇した。その高い税率が経済成長率を高めたとは誰も言わないが、もし貴方が高い税率、つまり最高限界税率が高いと経済成長を阻害すると主張したいであれば、こうした事実は確かに都合が悪い。つまり、関係は複雑であるのだ」

 And complicated, it remains. Economic growth hasn't exactly spurted in the wake of the tax cuts of George W. Bush, which President Obama reluctantly agreed to extend through next year.

 「そして、今も複雑である。ブッシュ大統領の減税の後、経済成長は確かに上向くことはなかった。そして、その減税をオバマ大統領は渋々来年まで延長することに合意した」


 さあ、如何でしょうか?

 このニュース番組は、税率と経済成長率の関係に、学術的な合意はできていないと明言しているのです。

 我が国のテレビによく登場する評論家や政治家は、そのことを認識しているのでしょうか?

 否、まともに経済学を学んだとはとても思えないのです。

 そして、そのような評論家に多くの国民が影響を受けているのです。

 
 テレビに出ている評論家は好き勝手に言っているとしか思えない、と感じている方は、クリックを
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 皆さん、アメリカが1ドル硬貨の製造を停止すると発表したのを知っていますか?

 殆ど海外に行かない私は、そのニュースを聞いて考えてしまいました。1ドルコインを製造しないようになると、人々は困るのではないか、と。

 例えば、我々の生活から100円硬貨がある日消えてしまえば、50円玉2枚で代用するか、或いは10円玉10枚で代用することになるでしょう。ああ、何と面倒くさいことか。

 でも、心配は要らないのです。何故なら、アメリカ人は1ドル札を使うことが殆どであるからだ、と。

 なーるほど。皆さんは、100円札というのが流通していたのをご存知でしょうか?

 板垣退助さんの肖像画の100円札です。まあ、知っているという人は、中高年だと思うのですが‥

 今、仮に100円札と100円硬貨の二つが流通していたとして、我々日本人は、どっちを主に使うでしょうか? 100円札、それとも100円硬貨?

 私は、なんとなく100円硬貨の方が使い勝手がいいような気がするのですが、アメリカ人にとって1ドル硬貨は使い勝手が悪かったのでしょうか?

 なんて思って調べてみると、この1ドル硬貨というのが、直径が26.5mm、重さが8.1gもあるということで、結構大きいのです。日本の100円硬貨は、直径が22.6mで、重さが4.8gしかありませんし、500円硬貨にしても、直径が26.5mmで、重さが7.0gであるといいますから、1ドル硬貨は大変大きくて重たいのです。

 それに‥まだ理由があるのです。というのは、この1ドル硬貨というのが何種類もあるらしく‥
これ、どういうことかと言えば、2007年から毎年、四半期ごとに新しい1ドル硬貨を発行しているらしく、今までに20種類が発行されているのだとか。

 何故なのでしょう? 実は、この1ドルコインには歴代の大統領が描かれていて、今後も次々に発行される予定になっていたからなのです。つまり、これ1ドル硬貨ですよ、と言われても果たして本物かどうか分からないということもあるのでしょう。

 それに1ドル札を使うことが習慣になっていると、余りなじみのない1ドルコインを使うのには抵抗感があるのかもしれません。

 で、そんな訳で1ドルコインは国民には人気がなく、今や大量の1ドルコインが連銀に還流してきているのだというのです。

 NPRのニュースを聞いてみましょう。

INSKEEP: Yesterday, the White House announced it would halt the minting of unwanted $1 coins. As NPR has reported, over 1 billion of the coins are sitting unused in government vaults.

「昨日、ホワイトハウスは、需要のない1ドルコインの鋳造を停止すると発表した。NPRが報じたように、10億ドルを超す1ドルコインが、政府勘定の金庫に保蔵されている」

MONTAGNE: The pile-up is due to a law passed in 2005 that requires the minting of new dollar coins honoring all the U.S. presidents one by one. David Kestenbaum, with our Planet Money team, reports.

「こうして1ドル硬貨が貯まっているのは、2005年に通過した法律のせいですが、その法律は、米国の全ての大統領に敬意を払い、一人ひとりを新しいコインにすることを求めているのです。デービッド・ケステンバウムが報告します」

DAVID KESTENBAUM, BYLINE: When we first reported on this, we calculated that the unwanted coins had cost taxpayers some $300 million to make. There were so many coins piling up, the Federal Reserve was redesigning a vault in Texas to help hold them all. We got to see a vault in Baltimore filled with coins.

「我々がこのことを最初に報告したとき、需要のないコインが3億ドルほどの経費を納税者にかけていると算出しました。本当に多くのコインが貯まっており、連銀は、それらを全て貯蔵しておくためにテキサスの金庫の改造を行ったところです。ボルティモアも金庫はコインでいっぱいでした」

AMY ESCHMAN: This is our coin vault. It's roughly the size of a soccer field.

「これが我々のコインの金庫です。ざっと、サッカー場の大きさです」


 ということで、1ドル硬貨を発行しても、全然人気がなく、発行したコインの約4割は連銀に還流してくる始末で、その結果、コイン保管用の金庫が不足しているのです。このまま1ドル金庫を発行し続けたら、益々場所がなくなってしまう、と。

 ガイトナー財務長官は次のように言っています。

 We're going to save the taxpayers about $50 million a year. That's a meaningful chunk of money.

「我々は、納税者のお金を毎年5千万ドルほど節約することになろう。それは、かなりの金額である」

 この1ドルコインの発行計画は、歴代大統領の名前や功績などを国民に知ってもらう目的があったと言いますが‥ちょっとばかり思慮が足りなかったというべきではないでしょうか?

 だって、我々日本人だって、お札の肖像画の人物がどんなことをしたかなんて、全部知っている
訳ではないのですから。それを、歴代の大統領を全部コインにするなんて‥

 いずれにしても、需要のないものの生産は長く続くことはないことを、今回の出来事は我々に教えているのです。

 
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