経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2012年04月

 連休でお休みなのにブログを読んで頂きありがとうございます。

 さて、貴方はクルーグマン教授をご存知でしょうか?

 そう、何年か前ノーベル経済学賞を受賞した学者であり、そしてもう何年も前から日本に対してデフレ脱却の方法をアドバイスしてくれている大変親切な学者でもあるのです。

 ただ、私などからすれば、彼のアドバイスは小さな親切というよりも大きなお世話にみえて仕方がないのですが、いずれにしても彼の発言力が相当の影響力を持っているのは事実なのです。

 で、そのクルーグマン教授が、この度新たに本を出版したのだとか。そのタイトルは、End this depression now !

 「この不況を今終わらせろ!」

 大変力強いメッセージであるのです。また、日本に貴重なアドバイスをしてくれているのでしょうか?実はそうではないのです。この本は米国経済自身に対するものであるのです。

 では、この本の狙いは何なのか? 

 こんな説明が書かれているのです。

The Great Recession that began in 2007 is now more than four years old—and counting.

「2007年に始まった景気後退はもう4年目に入っており、今も続いている」

Some 24 million Americans are unemployed or underemployed, and at recent rates of job creation we won’t be back to normal levels of employment until late this decade.

「24百万人余りの国民が失業ないし不完全就業の状態にある。現在のような雇用の創出率では、2010年代の終わりになるまで、我々は正常な水準にまで雇用が戻ることはない」

This is a tragedy. Do we have to accept it?

「これは悲劇だ。我々はこれを受け入れなければならないのか?」

“No!” is the resounding answer given by Nobel Prize–winning economist Paul Krugman in this call to arms. We have seen this situation before and we know how to fix it; all we lack is the political will to take action.

「「そうではない」というのが、ノーベル賞受賞者のポールクルーグマン氏の答えだ。 我々はこのようなことを過去見たことがあり、対処の仕方を知っている」

Krugman walks us through the financial crisis that triggered the greatest downturn since the Great Depression and outlines the efforts that have been made thus far.

「クルーグマンは、大恐慌以来最大の景気後退を引き起こした金融危機について紹介し、これまでなされてきた措置を概観する」

The way forward is clear. Our priority must be to get ourselves back on the path to growth; every day that we lag behind normal production levels only adds to the astronomical economic loss of this depression. What we need for a rapid, powerful recovery is precisely what we’ve needed in crises past—a burst of government spending to jump-start the economy.

「対処策は明らかだ。最大の優先事項は、成長の軌道に戻すことである。潜在成長率に達しない毎日が続けば不況による損失を増すばかりだ。力強い回復のために必要なことは、過去の危機の際に必要としたことと同じものだ。経済を再起動するための政府の大規模な支出である」

 まあ、これだけ読めば、クルーグマン教授が亀井静香氏などと同じように、景気回復のためには政府がどんどんお金を支出すればいいと主張していると想像されるのですが、果たしてそのような理解でいいのでしょうか?

 というのも、今のアメリカの政界では、与党も野党もともに政府の支出を削減すべきだということでは意見の一致をみているからであるのです。それに、幾ら政府が大型の補正予算を組もうとも、経済がなかなか回復することがなかったのは、日本が既に経験済みであるからです。
 
 だとすれば、クルーグマン教授は、案外日本の事情には疎いのか? まあ、その辺のところは分からないのですが、クルーグマン教授はNPRのインタビューに応えて、次のようなことを言っているのです。

SIEGEL: Well, let's say that you could make economic policy by fiat and you could apply Keynesian solutions to our current mess. What would you do?

「貴方が命令によって経済政策を立案することができ、そして現在の状況に対しケインズ政策を適用することができると仮定しよう。貴方はどうしようというのか?」

KRUGMAN: Well, that's an interesting thing because it's now much easier than it was because we've now had three years of what amount to quite sharp austerity at the state and local level. We've had - normally, state and local employment grows with population. Instead it has shrunk by 600,000 over this period. So that if we were simply to rehire those fired schoolteachers, go back to the kind of employment that we should've had on a normal track at the state and local level, right there, we could add well over a million jobs. And before you know it, we'd be back to something that felt a lot more like prosperity.

「それは興味深いことだ。というのも、今となっては過去に比べてもっと易しくなっているからだ。何故ならば、国及び地方のレベルで3年間も緊縮策を採用しているからだ。通常であれば、国及び地方の政府の職員は人口の増加とともに増える。しかし、実際にはこの期間に60万人ものポストがなくなった。そこで、もし我々が、そうして首になった学校の先生を再雇用するとしたら、つまり正常の職員数に戻したら、100万もの雇用を加えることができるであろう。そしてすぐに経済が繁栄していることを実感するであろう」

SIEGEL: But at the end of several discussions in the book, when you talk about the arguments of debt, you're saying don't worry so much about borrowing more. The interest rates are practically zero or in real terms they're zero. Borrow now. Don't worry so much about the short-term debt. You always end up by saying, yeah, I'm not saying you don't worry at all. At some point, you have to deal with that.

「しかし、この本の中で貴方は政府の借金の問題について触れ、そして、これ以上借金を重ねても心配ないと言っている。金利は事実上ゼロである。実質的にもゼロである。今借りろ。短期の借り入れについては心配するな。そう言い続けている。貴方が全く心配していないというつもりはない。あるところでは、貴方は借金問題について対処する必要があると言っている」

Conservative critics say when is that point that Keynesians will always say, it's important, but not now? When is that now, when it is important to reduce our debt?

「保守的な批評家は、ケインジアンがいつも言う重要なときとは何時なのか、今ではないのかと言う。それでは、いつ債務を減らすことが重要な時になるのか?」

KRUGMAN: OK, (unintelligible) about self-justification here. I was - and I think most people
who are Keynesians in this crisis were very much concerned about measures that increased the deficit when the economy was doing relatively well. Back when, you know, Bush was pushing through his tax cuts and his unfunded wars, we were the people who were saying don't do that. You really need to save that borrowing capacity for when you need it.

「私はかつて‥そして、この経済危機においてケインジアンの立場に立つ殆どの人々は、経済が比較的巧くいっているときに債務を増やすような施策について大変懸念を有していた。ご承知のように、ブッシュは減税と財源のない戦争を推し進めていたとき、そのようなことはすべきではないと言ったのは我々である。借り入れが必要なときに備えて節約をすることが必要なのである」

So there's a lot of role reversal. The same people who were blithely unworried about deficits back when deficits really were a bad thing are now the ones who are crusading against deficits now, except not if it means increasing taxes on rich people. But the answer is actually - it's a quite straightforward one.

「つまり、全く反対なのだ。借金が本当にまずいときに、借金について呑気に何も心配しない人々が今、借金反対のために動いている。但し、金持ちへの増税を除いて。しかし、答えははっきりしている」

If you get to the point where the economy is strong enough that the Federal Reserve is starting to raise interest rates so as to avoid an inflationary overheating, that's the time when you can, in fact, start to do some fiscal austerity. And it won't cause higher unemployment because the Fed can simply put off those interest rate hikes. But we're not in that situation now.

「もし、連銀がインフレを回避するために金利の引き上げに転じるほど経済が十分に力を取り戻すようになったら、その時こそ財政緊縮策に取り組むべきときなのだ。そして、連銀はそうした金利の引き上げを先送りすることができるので、失業率を高めてしまうこともないであろう。しかし、今はそのような状況にはない」

We're in a situation now where the interest rate is zero, which means any austerity policy, any cutbacks in spending just lead to unemployment. They actually did very little to reduce the budget deficit. They probably make, in the long run, fiscal position worse. Once the economy has recovered enough, then you'll find me turn into a fiscal hawk, but not now.
「我々の今の状態は、金利がゼロである。ということは、どのような支出の削減であっても失業に結びつくということである。実際には、そうしても財政赤字を減らすことは殆どない。長期的には、財政状況をむしろ悪化させる可能性がある。経済が回復した暁には、私は財政再建論者になっているだろうが、今はそうではない」

 さあ、如何でしょう?

 このようにノーベル賞を受賞した高名な経済学者のクルーグマン教授が、不況の時には緊縮財政などに手を付けるべきではないというので、さぞかし日本の政治家も安心して増税反対論を主張することができるのでしょう。

 でも、もう一度言います。日本は財政出動をしても、それほど景気がよくなることはなかったのです。

 財政出動の規模が too little だったから?

 しかし、仮に景気が力強く回復するときまで無制限に財政出動を続けようと政府が誓ったところで、投資家たちがそのような政府の姿勢に疑問を投げかけて、日本の国債を敬遠するようになれば、そこでゲームセットになってしまうのです。

 確かに、クルーグマン教授の説に従って、米国が財政出動を続けるとすれば、日本の経済界などは大歓迎するでしょう。何故ならば、そうなれば当面は米国経済に明るさが戻り、そして日本から米国への輸出も増加することが十分に期待できるからです。

 でも、そうなれば、またしても米国の双子の赤字問題がクローズアップされ、財政破綻のマグマが益々地中に溜ることになるのです。

 どう考えても、クルーグマン教授の主張は危険であるとしか思えないのです。

 いずれにしても、米国の失業率が高い理由は、新興国経済の安い賃金のせいである側面が強い訳ですから、どれだけ財政出動をしようとしても、学校の先生が復職するなど以外は大した効果は期待できないのです。



 アメリカが財政出動をしても、米国の失業率をそれほど引き下げる効果はないだろうと思う方、クリックをお願い致します。
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 昨日、日銀が追加の金融緩和策を発表しました。どう思います?

 多分、どう思うかというよりも、内容がちんぷんかんぷんで分からないという人が圧倒的に多いことでしょう。

 まあ、恐らく多くの政治家もそうでしょう。だから、普通の政治家は特にコメントすることはなし。

 でも、日銀バッシングが好きなリフレ派にとっては、こんなの緩和策でもなんでもないと映っているのではないでしょうか? 「余りにもtoo little だ」と。

 私は昨日思ったのです。何故、この追加の金融緩和策決定がニュース速報で流されるのか、と。

 お気づきでしょうか? 昨日のお昼頃、追加の金融緩和策が日銀の政策委員会で決定されたなんてテロップで流れたのです。おかしいとは思いませんか? 殆どの国民がその意味するところが理解できないものを速報で流すなんて。何か深い意図があるのでしょうか。

 いずれにしても、私は、何が何でもマイルドなインフレを引き起して景気回復につなげるという考え方に大変懐疑的であるために、今回の措置が合理的であるとはとても思わないのですが、それはそれとして、もし日銀が、世間で評価しているように事実上のインフレ目標値を採用しているというのが本当であるとすれば、やはりリフレ派の言うように今回の緩和策は余りにも意味がない。

 まあいずれにしても、今回日銀がどんなことを決定したかをみてみないと皆さんも批判のしようが
ないでしょうから、日銀の資産購入ファンドの変更内容を見てみることに致します。
 

<資産購入ファンド>


        導入時の規模    従来の規模           今回の規模
   (2011年12月末目途)(2012年12月末目途)(2012年12月末目途)(2013年6月末目途)
   
総額       35.0兆円     65.0兆円     65.0兆円     70.0兆円
資産買入れ    5.0兆円     30.0兆円     35.0兆円      40.0兆円
(長期国債)    1.5兆円     19.0兆円     24.0兆円     29.0兆円
(国庫短期証券) 2.0兆円       4.5兆円       4.5兆円       4.5兆円
(CP等)       0.5兆円       2.1兆円       2.1兆円       2.1兆円
(社債等)        0.5兆円       2.9兆円       2.9兆円       2.9兆円
(指数連動型上場
 投資信託)   0.45兆円       1.4兆円        1.6兆円       1.6兆円
(不動産投資
 信託)        0.05兆円      0.11兆円     0.12兆円     0.12兆円

固定金利オペ  30.0兆円     35.0兆円          30.0兆円     30.0兆円
(期間3か月)     20.0兆円     20.0兆円    20.0兆円     20.0兆円


 細かいことは申しません。 簡単に言えば、資産購入ファンドの大きさが、今回65兆円から70兆円に増加したと言われているのですが、実は、それは期間を半年伸ばしたためであり、従来の2012年12月末時点での目標値をみれば、依然として65兆円で変わることはないのです。5兆円増えるのは、飽くまでもそれ以降の半年分の数値を加味した話であるのです。

 それから、長期国債の買い入れ額については、2012年12月末の目途でみても、確かに5兆円増えてはいるのですが、その代り固定金利オペの数値は逆に5兆円減っていることに注意する必要があるのです。

 ただ大雑把に言えば、今回の見直しによって長期国債の買い入れを増額したことは事実であり、問題は、そのことによってデフレ回復のきっかけをつかめるかどうかにあるのです。

 さあ、デフレはこれで脱却できるのか?

 もし、その可能性が小さいというのであれば、もっともっと長期国債の買入れを増やしたらどうかという案が出てきても当然であるのです。

 しかし、私の見る限り、世間では日銀がインフレ目標値の採用に踏み切ったみたいなことを言ってはいるのですが、しかし日銀政策委員会の頭のなかは、インフレ目標論者などの考えていることとは全く違うことが窺えるのです。

 では、インフレ目標論者はどう考えるのか?

 それは、ズバリ、お金の流通量を増やしてマイルドなインフレを起こすことが必要だというのです。

 では次に、日銀政策委員の頭の中はどうか?

 彼らもマイルドなインフレが起きることを望んでいるものと思われるのですが、それは力づくでインフレを起こすのではなく、景気がよくなった結果としてマイルドなインフレになることを望んでいるにとどまるのです。

 つまり、日銀政策委員は、何が何でもインフレさえ引き起せば取り敢えず成功だとは考えないのです。それに対して、インフレ目標論者は、何が何でも取り敢えずインフレを起こすべきだ、と。

 そのように両者の考え方には依然として大きな違いがあり、そしてインフレ目標論者は、何がなんでもインフレを起こすべきだと考えるために、もっともっと大量に長期国債の買い入れを行うべきだと言うのです。否、彼らの夢を実現するためには、実は国債なんか買っていても効果は薄いのです。何故ならば、今の日本の国債は幅広く投資家から歓迎される投資対象であるからです。また、だからこそ10年債の利回りも0.9%程度と、世界でも群を抜いて低い。

 つまり、そのように投資家が保有したがる長期国債というのは、例え日銀が購入してくれなくても希望すれば簡単に市場で換金が可能であり、その意味で通貨に非常に近い性格を有していると言えるのです。或いは、長期国債を担保に入れればいつでもお金を貸してもらえるし、また場合によっては、お金を払う代わりに、長期国債を受け取ってもらうことも可能なのです。

 つまり、そのようにお金に近い性質を持つ日本の長期国債を日銀が現金と交換したところで、それほど経済にインパクトを与えることは考えられないのです。では、何をすべきか?

 それは、なるだけ流動性に乏しい資産を日銀が買い上げることが一番の方策であると言えるのです。つまり、バーナンキ議長が言っていたように、ケチャップを買えばよい、と。

 これはたとえ話であるのですが、要するに流動性に乏しいものを買えばよい、と。だから、例えば、不動産などを日銀がバンバン購入すれば確かに現金の流通量は増え、また不動産価格の下支えにもなることが期待できるのです。

 こうすれば、インフレ目標論者の願いどおり、マイルドなインフレが起きることでしょう。

 ただ、問題もあるのです。それは、日銀がケチャップや不動産をどんどん買うことになれば、所謂不良資産を大量に保有することに繋がり、ひいては日銀が債務超過に陥る恐れがあるのです。そして、日銀が債務超過に陥れば、今度は財政出動で日銀に税金を投入することが必要になり、そうなればまた増税の必要が増す、と。

 そして、そうやって仮にマイルドなインフレの実現には成功しても、日銀が債務超過に陥り財政出動を仰ぐような事態になったとしたら、その時に日銀総裁は歴史に悪名が残るのは確実であるでしょう。だから日銀は、できれば安全な資産しか購入したくないというのが本心であるのです。しかし、安全な資産だけしか買わなければインフレにはならない、と。



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 突然ですが、失業にはどんな種類があるかご存知でしょうか? 或いは、何が原因で失業が発生するのでしょうか?

 さあ、如何でしょう?

 まあ、このような質問をすれば、リストラにあったからとか、今の仕事が嫌になったからなどと答える人が多いと思うです。

 もちろん、それも立派な答えではあるのですが、ここは経済学のテキスト流に考えてみて下さい。

 「循環的失業と摩擦的失業‥」

 では、循環的失業とは何でしょう?

 そうです、景気がよくなれば失業者が減り、逆に景気が悪くなれば失業者が増えるということで、景気循環に応じて変動する失業のことであるのです。表現を変えれば、需要不足が原因で起きる失業。

 では、摩擦的失業とは、何でしょう?

 摩擦的失業とは、求職側の有する求人に関する情報が不十分なことなどの理由で発生する労働移動に伴う一時的失業です。

 他の種類の失業はないでしょうか?

 「構造的失業というのもある」

 そうなのです。構造的失業というのがあるのです。構造的失業というのは、求人側が求める労働者の資格や能力などが求職者側の有する資格や能力などと一致しない、所謂ミスマッチによって発生する失業のことであるのです。

 米国では、今でも失業率が8%台となお高水準にあるのですが、その一方で、企業側をインタビューすると、自分の会社は求人広告を出しているが、なかなか希望する条件の労働者がみつからないなんてことが最近よく報道されているのです。つまり、ここ最近、米国では構造的失業が増えている可能性があるのです。

 では、失業者を減らすにはどうすればいいか?

 そのためには、例えば減税や公共投資を行い、企業が雇用を増やす環境を整備することが考えられるのです。つまり、景気を良くすることによって雇用を増やせばいいと。

 確かに、景気を良くすれば失業率が落ちることが考えられるのです。でも、既にお分かりかもしれませんが、失業率が高い原因が構造的失業が増えていることにあれば、幾ら景気がよくなっても、思うように失業者が減るとは限らないのです。

 それに敢て言わせてもらえば、失業者の方には、仕事の選り好みが激しくなっている傾向もあるのです。こんな仕事は嫌だ、あんな仕事は嫌だ、と。

 では、秀才の誉れの高いバーナンキ議長は、構造的失業が増えているために、米国では失業率が高い水準にとどまっていると考えるのでしょうか?

 この問いに直ぐに答えを出すことのできる貴方は凄い! 或いは、私の3月27日の記事をよく読んでくれた方でしょう。

 そうなのです。バーナンキ議長は、決して構造的失業が増えていることが大きな理由とは考えないのです。仮に今構造的失業が増えているように見えても、景気がよくなればその構造的失業も減ることが考えられるのだ、と。

 何か矛盾した考え方にも見えるのですが、いずれにしてもバーナンキ議長は、構造的失業をそれほど問題視してはいないように見えるのです。

 では、バーナンキ議長の立場に立てば、失業率を下げるためには景気を良くする政策を継続すべしということになるのでしょうが、幾らゼロ金利政策を続けても、そして幾ら長期国債の購入という異例の措置を継続しても、失業率は依然として高いままであるのです。

 では、バーナンキ議長は、失業率の改善がもっとスピーディに起きて当然と考えるのか?

 でも、ここのところが大変にややこしい!

 なんとバーナンキ議長は、米国の失業率の最近の低下ぶりは、むしろ驚くほどであるというのです。こんなに失業率が低下するためには、もっと急速に景気が回復していなければならないのに、現実の景気の回復ぶりは緩やかである、と。

 もうこうなると、一般の方は、バーナンキ議長が何を言いたいのか、ちんぷんかんぷん。

 いずれにしても、バーナンキ議長は大変な秀才であり、また学者でもあるので、どうしても教科書的な発想から抜け切れないところがあるのでしょう。つまり、摩擦的失業を除けば、失業の原因は、需要不足で発生する失業と、労働者の資格や能力に関する求人側と求職側のミスマッチによって起きる失業のどちらかに分類される、と。

 皆さんは、このような発想に何かおかしなものを感じないでしょうか?

 というのも、失業の原因は他にもあるからです。

 それはズバリ、海外の安い労働力の存在であるのです。

 つまり、幾ら需要を追加するような政策や景気を刺激するような政策を採用しようとも、企業が生産能力を拡大するために海外の労働者を当てにするような動きに出れば、国内の失業はなかなか減ることはないのです。

 このような失業の類型を何と呼んだらよいのでしょう?

 海外の低賃金が引き起こす失業ですから、海外要因失業とでも呼びましょうか?いずれにしても、
海外の低賃金労働によって引き起される失業もまた、構造的失業と同じく景気がよくなったからと言って直ぐに改善するものではないことに、我々は改めて注意を向けるべきだと思うのです。

 その上で、このようなことが原因で発生する先進国側に特有の失業問題について、金融政策当局や政府はどのように対処すべきなのか? じっくりと検討すべきだと思うのです。


 なお、バーナンキ議長の最近の雇用問題に関する考え方は、本ブログの3月27日付「バーナンキ議長の雇用理論講義」をご覧ください。


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 北朝鮮が大変過激なことを言っています。

  「万古逆賊、李明博(イ・ミョンバク)ねずみ集団の群れに対するわが軍隊と人民の怒りは天に達した」「革命武力の特別行動をただちに開始する」「特別行動が開始されれば3−4分、あるいはそれよりも短い瞬間にネズミ集団の群れと挑発の根源を焦土化する」

 伝えられるところによれば、北朝鮮は、李大統領が国防科学研究所(19日)と統一教育院(20日)で行った発言と講演の内容を問題視しているのだとか。

 李大統領は何と言ったのか?

 「われわれが強ければ、北朝鮮は挑発してくることができない」「北朝鮮住民に最も必要なものは人権だ。北朝鮮は農地改革などを進めなければならない」

 確かに、そんなことを南の大統領から言われては北の面目が立たない。しかし、だからと言って激怒するほどの内容でもないような‥

 私は思うのです。他にも理由がありそうだ、と。

 李大統領は、先日、こんなことも言っているのです。

 「またもや国際社会からの孤立を自ら招いた」「誰も、武力や強圧によって北朝鮮に変化を強いようとはしていない。自ら変化するなら、韓国だけでなく国際社会が協力する」

 さあ、如何でしょう? 韓国が北朝鮮に協力すると言っていることに対し、北が怒るのは変だと思いますか?

 北は、「協力する」ということに反応しているのではないのです。そうではなく「自ら変化するなら」と条件を付けていることに反応をしているのです。

 変化するとは何か? それは、政治体制を改め、普通の国になることを意味しているのです。つまり、ジョンウン氏は、権力の継承者としてこれから国家を率いて行こうとしている矢先に、そんなこと止めてしまえと韓国の大統領から言われたと感じたのかもしれないのです。

 つまり、神聖なる北の現体制に異議を述べる者は誰も許すことができない、と。また、だからこそ北朝鮮は、現体制の維持をむしろありがたがる中国と友好な関係を続けるのでしょう。

 いずれにしても、こんな物騒なことを言われると、隣国の日本としては落ち着いていられないのです。

 一方で、まさか現実に行動する可能性は小さいだろう、と。何故ならば、北朝鮮が行動を起こすのであれば、それに対し、国際社会がいよいよ本気になって北朝鮮の政権転覆に乗り出すことが容易に予想されるからなのです。

 では、日本は黙ってみていればいいのか?

 まあ、そうするしかない‥なんて政治家の多くは思っているのかもしれません。

 でも、全然方法がない訳ではないのです。それに、そもそも北が今の体制を続けるということは、世界経済の運営上、大変な損失にもなっているのです。

 突拍子もない提案を聞いて下さい。

 日本が北朝鮮に対し、1000億ドルと引き換えに、北朝鮮の人民たちを働かせる権利を譲ってくれと申し出ては如何でしょう? そしてその際、今の政治体制は改めてもらい、民主体制に移行するように、と。もちろん、北朝鮮という国は維持し、日本は飽くまでも北朝鮮の人民を用い、北朝鮮において生産活動を行うだけである、と。そして、北朝鮮の労働者には正当な賃金を払う、と。

 多分、何とバカなアイデアなのかと多くの人が思うでしょう。しかし、そういう人々は、問題の本質が分かっていない。

 先ず、韓国と北朝鮮の人口とGDPをみてみましょう。

 韓国は、人口約4800万人で、GDPはおおよそ9500億ドル。それに対して、北朝鮮の方は人口約2400万人で、GDPはたったの262億ドル。

 つまり、北の人口は韓国の半分にとどまるのですが、GDPは韓国のおおよそ1/36しかないのです。もし、人口に応じた生産能力があるのであれば、北のGDPは4750億ドルほどあってもいいのです。従って、北は潜在能力のほんの一部しか活用していないとも言えるのです。

 では、北の人々は、能力が劣るのか?

 しかし、北の出身者には力道山もいたし、有名なサッカー選手もいるのです。個人的な能力にそれほどの遜色があるなんて考えられないのです。つまり、経済体制を自由化して、もっと効率的に北朝鮮の労働者たちを使用することができれば、北朝鮮のGDPを今の10倍以上にするのはそれほど難しい話ではない筈です。

 ということは、仮に日本が北朝鮮に1000億ドルを支払ったとしても、5年か10年後には元を取ることが可能なのです。

 そして、トップのジョンウン氏や軍部にしても、本当に1000億ドルをもらえることができ、しかも、自分たちの生命が保証されるというのであれば、決して悪い話ではないでしょう。このまま現体制を維持しても、先々はエジプトやリビアみたいになってしまうかもしれない。それなら1000億ドルと引き換えに、体制移行を受け入れても損にはならないな、と。

 それに、現体制の無秩序な崩壊を警戒する中国にしても、日本が北朝鮮の国内において、労働者たちに働き口を保証するのであれば、敢て脱北しようなどという国民も出てこないという訳で、反対する理由は少なくなる筈なのです。

 突拍子もない話ですが、日本が欧州危機の収束のために600億ドルを出すことを考えれば、隣国の北朝鮮のために1000億ドル程度出したって、別におかしくはないのです。

 損するどころか、むしろそれによって日本側には多大な利益がもたらされることが期待できるのです。

 早速、野田総理は、北に向かってこのアイデアをぶつけてみては如何でしょう。


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 IMFの資金増強に関し新聞社が論評しているが、果たして読者をうならせることをどの程度書いているのだろうか?

 先ず、今回のIMFの増資に関して詳細をご存知ない方も多いと思うので、要点を整理してみたい。

 何故、今IMFの資金増強なのか?

 通常、IMFや世界銀行などの国際機関が資金増強を行う場合は、増資と呼ぶ。そのことをご存じだろうか?

 しかし、今回のケースは、あくまでも資金増強であって増資ではない。

 「ぞうして?」

 オジサンギャグは止めて欲しい!

 何故増資ではないのか? そのことが分かっていないと、今回の資金増強を巡る国際間のやり取りの本質が見えてこない。それに、何故あれほどラガルド専務理事が日本に感謝するのか、も。

 「だから、ぞうして?」

 答えは、この記事を最後まで読めば分かるのだ。

 そもそも、リーマンショックが起きる前までは‥正確に言えば、その1年前のパリバショックが起きる前までは、IMFは開店休業状態になっていたのをご存じだろうか?

 つまり、かつてIMFからお金を借りていた国も返済を終わり、そして世界経済が順調に伸びていたものだから、どこの国もIMFに頼る必要がなくなっていた。

 しかし、それもつかの間、世界経済は反転を始める。そして、欧州の財政問題に関心が及ぶや、ユーロ危機が発生し、IMFに資金支援を仰がざるを得ない事態になった。

 で、そうなると今度はIMFの財源が不足する事態が発生する。ギリシャやアイルランドなどだけではなく、スペインやイタリアなどまで潜在的借入国として名が上がっているからだ。

 通常であれば、このようなときにはIMFの加盟国が、それぞれの経済力に応じて新たな追加出資に応じ、増資を行うことになるのであるが、今回は米国の財政事情問題があり、世界各国が公平に追加出資を行うのが難しい事態が発生したのだ。

 「米国がお金を出さなくても、米国抜きでお金に余裕があるところがお金を出せばいいじゃない?」

 確かにそれも一つのアイデア。しかし、そのためにはアメリカがそれに同意する必要がある。

 一方、中国やロシアは、IMFに対しお金を出していいという姿勢を以前から明らかにしていたが、ご承知のとおり、今回中国やロシアは、IMFに対する資金協力額を明らかにしてはいない。

 何故?

 つまり、特に中国などは、IMFにお金を出してもいいが、その見返りとして投票権の拡大と、例えば専務理事や副専務理事のポストを確保する狙いがあったのが、それが必ずしも実現するかどうか見通しが立たないために、協力額を明らかにしていないと思うのだ。

 では、何故、中国の希望は叶えられないのか?

 中国が沢山お金を出せば、それに応じて中国の投票権が拡大しないのか?

 理屈の上ではそれは当然可能。しかし、もし、そうやって中国やロシアやブラジルや或いは日本の投票権を拡大することになれば、その分だけ追加出資を拒んでいるアメリカの投票権は減少することになり、ひいてはアメリカは拒否権を喪失してしまうことになるのだ。

 つまり、アメリカはどんなことがあっても、IMFにおけるこれまでの優位な立場を放棄するようなことは認めない訳で、そうなると幾らIMFが資金増強の必要があっても、増資という形を取ることはできない、と。

 従って、それでもIMFが資金を集めるためには、増資以外の形を選択しなければならなくなったということなのだ。

 お金は出さないが、口だけは出すアメリカ。

 それに対して、口は出さずお金だけは出すという日本。だからこそ、投票権の拡大につながらないIMFに対する融資という形にいち早く賛成した訳なのだ。また、そうして見返りを求めずにお金だけ出すので、IMFの専務理事としては、日本が大変気前よく見えるのだ。

 そのような事情を、どれだけ各社がご存じで社説を書いているのか?

 各社の社説のポイントをみてみよう。


 読売(4月22日)

 「G20共同声明 IMF増強は前進だが課題も」

・欧州危機の封じ込めに向け、IMFの資金基盤の強化で足並みをそろえたのは前進。
・これでIMFが財政危機国などに融資できる枠が倍増。市場に促されていたG20がなんとか結束を
示した。
・G20の議論を主導したのは日本。日本がG20の直前、600億ドルの拠出を真っ先に表明。
・それが呼び水になり北欧諸国や英国などが次々と拠出を表明。慎重だった中国、インド、ブラジル、ロシアも金額を明示せずに協力に応じた。
・財政赤字拡大を理由に米国が拠出を見送ったのは残念。
・問題は欧州危機が完全に払拭されていないこと。スペインの信用不安がくすぶり、国債利回りが上昇している。スペインの財政危機が深刻化すれば、欧州の危機が再燃しかねない。
・G20は欧州に対し、今回の合意に気を緩めず財政改革と経済再生の着実な実施を迫るべき。


 毎日新聞(4月22日)

 「IMF資金拡充 欧州の努力もっと促せ」

・世界経済も日本も、欧州への輸出減少などにより大きな打撃を受けている。小出しで後手の対応を続けてきたユーロ諸国の責任は重い。
・G20は、ユーロ圏へのさらなる支援を念頭にIMFの資金基盤を4300億ドル(35兆円)超拡充することで合意。
・困っているユーロ圏のために国際社会が協調して手を差しのべるのは聞こえがよいが、今回の合意は納得し難い。前提条件である欧州側の自助努力が足りない。
・欧州連合(EU)は先月末、債務危機国に資金を融通するための域内基金の規模を5000億ユーロから8000億ユーロに拡大すると発表。しかし、これはすでに3カ国支援に使った3000億ユーロを含む額だ。残る5000億ユーロも、最終的に到達するのは14年半ばの予定である。規模、スピードともに不十分。
・危機国に緊縮財政を強いるこれまでの手法は経済的にも政治的にも限界にある。
・欧州はより抜本的で持続可能な戦略に方向転換する必要がある。ユーロ共同債の導入はその一つ。
・そうした変革を強く促すことこそG20やIMFの本来の役目。寛大な資金支援によりユーロ圏が困難な課題を先送りするのを助けることは国際協調ではない。
・日本は真っ先にIMFへの追加拠出を表明。その額もユーロ圏外では突出した1位。これが呼び水となったいう評価も聞かれるが、日本が取った行動は、真の国際貢献と呼べるのか。
・米国はIMFへの追加拠出を行わない。議会の支持が得られないからだ。同じく資金を出さないカナダは、欧州の影響が強く出るIMFの支援決定に変更を提案している。
・カネは気前よく出すが、欧州の債務危機やIMFのかかわり方についてほとんど議論がないのが日本。国会はこうした問題こそ正面から取り上げるべき。


 産経新聞(4月22日)

 「IMF増強と日本 高評価を存在感に繋げよ」

・最大の懸案だった危機への安全網整備が進展したことを歓迎。とりわけ日本がG20開幕前に600億ドルの資金拠出を表明して、その呼び水役を果たしたことを率直に評価。
・今回のG20では、具体的な資金増強額を示すのは困難とみられていた。米国が拠出見送りを表明し、中国など新興国の動きも鈍かったからだ。
・欧州危機対応の中心は当事者のユーロ圏が担うべきだが、影響は世界経済全体に及ぶ。
・ギリシャ危機で新興国の欧州向け輸出が停滞。日本も歴史的円高で輸出産業が大打撃を受けた。
・IMFの資金増強はそうした事態を避ける安全網だ。日本の資金拠出表明は「超円高阻止」の意思表示。
・中国や新興国は今回具体額は示していない。拠出形式が議決権に反映しない貸し付けであるため、IMFでの発言力強化に繋(つな)がらないことも一因。
・中国などが拠出額提示を先延ばしするなら、市場は再び揺さぶりをかけてこよう。
・特中国は国内総生産世界2位。経済大国の責任を果たすよう強く求められている。
・日本としては、IMFや米国から受けた今回の高い評価を、国際金融の世界で再び存在感を示す好機にしたい。


 さあ、如何でしょう?

 先ず、読売の社説ですが、全般的に分析力に深みがなく退屈してしまいます。

 次は、毎日の社説。日本は金を出すだけではなく、欧州やIMFに対して中身のあることを言え、と全く正論なのですが、毎日自身が言っているのは単に共同債の発行程度であり、先ず毎日が、もっと独自の主張をすべきであるのです。

 最後は、産経さん。今回の日本の資金協力は、円高阻止の意思表示だという独自の見解を披露し、それはそれなりに興味深いのですが、ただ、そうした考えを支持する海外勢は殆どいないと思うのです。それに、中国に対しては注文を付けながらも、米国に対しては一言も文句を言っていないのが大変気になるのです。

 皆さんは、どの社の考えを支持されるでしょうか?




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「ここ数年で最も賢明なリーダー‥米紙が野田首相を評価」なんていう見出しが目についたのです。

 私だって日本人。その日本人の代表である首相が海外で評価されるとなれば、悪い気はしないというのが本音です。

 でも、今まであんなに相手にされなかった日本の首相が、何故今評価されているというのでしょうか? 読売新聞にはこんな風に書いてあるのです。

 「米紙ワシントン・ポスト(電子版)は19日、野田首相へのインタビューをもとに「日本は難しい決断ができるか」と題する記事を掲載した。
 記事では、首相が取り組んでいる四つの「困難な問題」として、消費税率引き上げ、原発再稼働、沖縄の米軍基地再編問題、環太平洋経済連携協定(TPP)参加を挙げた。
 首相はこれらに同時に答えを出そうとしているとし、「ここ数年で最も賢明なリーダー」と評価している。」


 なんとなく記事が伝えようとしている意味が分かるような気もしますが、ここは原文をチェックする必要があるでしょう。

 Can Japan make the tough decisions?

 タイトルは、「日本は難しい判断をすることができるか?」

 ふーむ‥タイトルからは、野田首相が優秀だなどと言うニュアンスは伝わってこないのです。

 The question here is no different than in Europe or the United States: Can democracies still rouse themselves to do hard things?

「ここでの問題は、ヨーロッパや米国での問題と異なることはない。民主主義は、苦い薬を飲むことができるか、ということである」

 Here, it is prime ministers who come and go, while indebtedness rises (Japanese government debt is 230 percent of gross domestic product, compared with 103 percent in the United States , according to a new report from the International Monetary Fund) and other problems get kicked down the road.

 「日本では、首相が簡単に入れ替わる。その一方で借金は嵩む(IMFの最新の報告書によれば、米国の政府債務残高はGDPの103%であるのに対し、日本政府の債務残高はGDPの230%に達している)し、その他にも先送りしている問題がある」

 “The greatest problem in Japanese politics over the last two decades is that we put off what needed to be done,” Noda told me and

 「「過去20年間における日本の政治の最大の問題は、やるべきことを先延ばししていることだ」と野田は私に言う」

 Noda has vowed to double the consumption tax, a kind of national sales tax, from the current 5 percent.

 「野田は、消費税を現在の5%から倍増すると誓った」

 He wants to restart at least some of Japan’s 54 nuclear power plants

 「彼は54基の原子力発電所のうち少なくても幾つかを再開したいと望んでいる」

 He is trying to resolve a long-festering dispute over U.S. military bases in Okinawa.

 「彼は、長い間議論になっている沖縄の米軍基地問題を解決しようとしている」

 And he wants Japan to join free-trade negotiations in the Pacific region that alarm this country’s coddled rice farmers.

 「そして彼は、コメ農家が警戒しているTPPに参加しようとしている」

“It’s really a question of political culture,” Noda told us, an issue of whether Japanese politicians “can act in the national interest.”

 「全く政治文化の問題であると野田は言う。日本の政治家が国家的見地で行動することができるかどうかの問題だ、と」

 ここまで読んできても、まだ野田首相が評価される理由が分からないのですが‥

 Administration officials appreciate that Noda has moved the U.S.-Japan alliance back to the center of Japanese strategy after his predecessors flirted with “balancing” between China and the United States. Noda said Thursday that his “unshakable conviction” that the alliance is “the foundation of Japanese security” was only fortified by U.S. help during the March 2011 disaster.

 「政府関係者は、彼の前任者が中国と米国を天秤にかけて弄んだ後で、野田が日米同盟を日本の戦略の中心に戻したと評価する。野田は木曜日、日米同盟が日本の安全保障の要であるというゆるぎない確信が2011年3月の震災後のアメリカの支援によって強化されたと述べた」

 では、やっぱり日米同盟に関する野田氏の考えが評価の理由だということなのでしょうか?

 そうなのです、その後の文章で、グアムへの移転経費の話も出てきますし‥

 で、最後にこんな文章が出てくるのです。

 But after two relatively flamboyant but utterly clueless premiers, Noda’s solidity is welcome.

 「しかし、2人の派手で無能な総理の後では、野田の堅実さは歓迎されるのだ」

 結局、野田総理は、金魚でなくどじょうであり、しかもアメリカに対する気遣いができるので、愛い奴だということになるのでしょうか。

 まあ、あの方たちと比べれば、どんな総理だってまともに見えることでしょう。特に最初の方は、米国より中国の方を向こうとした訳ですから。

 でも、そういう米国も、日本と中国を天秤にかけて弄ぶようなことをしているのですよね。

 
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 安住財務大臣がワシントンでのG20において、日本のIMFへの拠出を声明すると伝えられてます。

 私、思うのですが‥それにしても規模が大きすぎませんか? 何と600億ドルもの資金を出すというのでうから。600億ドルと言えば、約5兆円。国民の一人当たり約4万円を負担することになるのです。

 それに、アメリカはどうするかと言えば、お金は出さないと断言しているのです。アメリカの意向に反して日本が行動する? どうも変なのです。

 まあ、国際協力ということで、世界経済の安定につながるのであれば、日本もそれなりの負担をすべしというのは分からないではないのです。幾ら政府に巨額の借金があるといってもです。それはそれ、これはこれ。

 しかし‥東京都が一定面積以上の土地や一定価格以上の土地を買うには議会の承認が必要であるのに、安住大臣は、今回の拠出の件で国会の承認を得るようなことがあったのでしょうか?

 もちろん、そんなことはないのです。野党の議員も寝耳に水。そして国民も寝耳に水。しかし、今回の拠出は、外為特別会計の予算を国会が通しているために、その中に含まれているという解釈であるのです。

 どうも腑に落ちませんよね。

 まあ、それはそうとして、今回の日本のIMFに対する拠出表明にはどうも不可解なことが多いのです。

 もちろん、国民のなかには、今政府が国民に増税を求める一方で、海外には大盤振る舞いするのかなんていう批判をする人々がいるのは承知しているのですが、それ以外にとても深刻な問題があるのです。

 先ず本日、ネットでニュースをみていると、産経さんのニュース解説が目につきました。今回の日本のIMFへの拠出にはどんな意味があるのか、と。

 ポイントだけ示します。

 Q 日本が、各国に先立って600億ドルの資金拠出を表明した意味は?

 A 欧州危機を一日も早く収束に向かわせたいからだ。欧州経済や海外経済が混乱すれば、「安全資産」とされる円が買われ、円高が急激に進行する恐れがある。自動車、電機など日本の輸出企業が大きな打撃を受け、景気回復が遅れてしまう。


 まあ、欧州危機を収束させ、そして円高を阻止するために必要なのだと言われると、なかなか説得力を持つのです。なるほど昨年からの超円高は、欧州危機を背景にした動きであることは誰もが認めるところであるのです。欧州危機によって円高になるのであれば、円高を食い止めるためには、何としても欧州危機を収束させる必要がある、と。

 確かにそうなのでしょうが‥でも、そんなに立派な理由があるのであれば、何故記者会見の場で安住大臣はその旨国民に説明しなかったのでしょうか? 

 どうも不可解であるのです。それに、そうやって今円円安に持っていきたいと思うのであれば、何故今増税に躍起になるのか? 政府が真摯に財政問題に取り組めば取り組むほど円の信認は高まり、円高になる確率が高いと思うのですが如何でしょうか?

 つまり、私には、この円高回避論という理由は、誰かが探し出した単なる言い訳にしか聞こえないのです。

 まあ、そうは言っても、私も欧州危機が一日も早く収まることを期待するのはそのとおりで、違うことは、如何にしてそれを実現するかということなのです。

 では、どうやるのか?

 それは、私が以前から言っているように、ギリシャなどを一時的にユーロから離脱させる方法であるのです。そうやって自国通貨に復帰することになれば、自国通貨の価値の低下という効果によって、効果的に景気を回復させることが期待されるのです。

 つまり、欧州危機を収束させ、そして円安の方向に持っていきたいとしても、必ずしも日本がIMFに資金を出すことは必要ではないのです。

 他にも不可解なことがあるのです。

 それは、日本が多額の拠出を行うことで、日本の発言権を増大させることにつながると言われているのですが‥

 この点に関し私は、もしIMFのトップのポストを日本人が得るようなことにつながるのであれば、国益の観点から、それならそれで少しは支持できるとも考える訳ですが、日本が幾ら多額の資金協力をしても、日本の発言権の拡大にはどうも繋がらないようなのです。

 というのも、SankeiBizが次のように報じているからであるのです。

 「19日からの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で正式表明する。具体的には、外貨準備を管理する外国為替資金特別会計(外為特会)の保有資産を活用し、IMFに600億ドルまで貸し付ける融資枠を設定する」

 今まで今回の拠出の件に関しては、日本のIMFに対する拠出とされていたので、私はてっきり投票権の拡大に繋がる出資という形をとるものばかりと思っていたのですが、何とそうではなく、IMFに融資する形をとるのだ、と。

 これで少しばかり謎が解けたのです。

 というのも、皆さんご承知かもしれませんが、今回、アメリカはIMFへお金は出さないと以前からはっきりと明言しているのです。そして、英国も米国に同調してお金は出さない、と。

 では、アメリカなど大口の加盟国がお金を出さないまま、日本などが追加出資に応じることになるとどうなるのか?

 各国の投票権は出資額に応じて割り当てられるので、当然のことながら追加出資に応じないアメリカの投票権比率は低下し、日本など追加出資に応じた国の投票権比率は上がる、と。

 しかし、実はここに大きな問題が潜んでいるのです。というのも、アメリカは、一定比率の投票権を確保することによって拒否権を有しているからなのです。つまり、如何なる案件に関しても、アメリカが拒否権を行使すれば、何も実現できないシステムになっているのがIMFの運営であるのです。

 では、アメリカは、IMFに追加出資はせず、拒否権が失われるような事態になることも止むを得ないと考えているということでしょうか?

 とんでもない。アメリカが拒否権を返上するなど考えられないことなのです。つまり、アメリカは金は出さないが、言うべきことは言い続ける、と。

 つまり、そういうアメリカの意向を尊重しようとするのであれば、日本などのIMFへの資金協力は、出資以外の形を取らざるを得ず、従って融資の形態が想定されるということになるのでしょう。従って、幾ら日本が多額の資金協力を行っても、日本の発言権が増大することにはならないのです。

 安住大臣は、そのようなことを国民にしっかりと説明した上で、G20に臨むべきではなかったのでしょうか?

 もちろん、国民としては、お金だけだしても日本の発言権の増大につながるものでなければ、一体日本にとっては何のメリットがあるかとなってしまうのです。或いは、安住大臣はそのような細かい仕組みについて、果たして十分に理解しているのか?

 最後に、IMFに拠出する資金の出所の問題について説明しておきたいと思います。

 報じられているところによれば、IMFに拠出する資金は、外為特別会計のお金を利用するとのことですが、実はそのお金を利用することに私は大いなる不安を感ぜざるを得ないのです。

 というのも、政府は、外為特会に莫大な資産を有しているものの、同時にそれに匹敵する莫大な負債を有しているからであるのです。つまり、我が国の政府は気前よくIMFにお金を貸しつけようとは言ってはいるものの、そのお金は実は自分の余裕資金ではなく、市場から調達した資金、つまり借金であるのです。しかも、その借金の償還期間は数か月という短い期間であるのです。

 つまり、日本政府が、例えば3カ月間の短期証券を発行してお金を調達し、それをIMFに貸し付ける、と。そして、IMFはそれをギリシャなど南欧の国に貸し付ける、と。当然のことながら欧州の債務国の問題が短期間で解決をすることはなく、財政再建が軌道に乗るためには何年という長い年月がかかるのです。一方、日本がIMFに貸し付けたお金の返済は、3か月毎に訪れるのです。

 私は何を言いたいのか?

 つまり、資金の運用と資金の調達に期間のミスマッチが生じるということなのです。

 かつて、1980年代にアメリカでS&Lが経営危機に見舞われたのも、そうした期間のミスマッチが原因になっていたのです。そして記憶に新しいアメリカの住宅バブルの崩壊も、住宅ローン会社の期間のミスマッチが原因になっていたのです。

 私がこういうと、仮にそうであるのであれば、長期の米国国債に投資している現状でも、期間のミスマッチが生じているのではないかという疑問があると思うのです。しかし、幾ら長期の米国国債を保有しているとしても、米国債は市場でいつでも換金が可能であるので、期間のミスマッチは起こらないのです。

 いずれにしても、そうした不健全な資金の運用を今財務大臣自らが行おうとしているのです。そうしたリスクについて、どれだけ安住大臣は承知しているのでしょうか?

 それでも、どうしてもIMFにお金を融資したいというのであれば、IMFの土地と建物ぐらいは当然担保に取った上で行うべきだと思うのです。

 いずれにしても、アメリカは1ドルも出さないと言っているのに、何故日本が率先して出すのか?仮に円高を回避するためだという理由があるにしても、日本の為替介入を批判していたのは、欧州勢だということを安住大臣は忘れたのでしょうか?

 

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 本日、2011年度の貿易収支が発表になりました。

 どのような結果になったか、貴方はご存知でしょうか?

 まだ、聞いていない? でも、まだ聞いていなくても、大体の予想はつく筈です。何故ならば、数か月前に2011年の貿易収支が発表になり、そのとき大いに関心を集めたからです。

 では、2011年度の貿易収支はどうなったのか?

 「赤字なんでしょ?」

 もちろん、そのとおり。では、その赤字を貴方はどのように評価するでしょうか?

 「どう評価するかと言われても‥」

 だから、貿易収支の赤字は今後も続くとみられるのか、それとも一時的な現象であり、また貿易黒字を計上することになるとみられるのか?

 この問いに答えるためには、2011年度の貿易収支が赤字になった原因を考えることが必要となるのです。ただその前に貿易収支がこの10年間ほどで、どのように推移してきたかをみてみましょう。

<貿易収支の推移>                            
           輸出        輸入        収支
1999年度 48兆5476億円  36兆4516億円  12兆0960億円
2000年度 52兆0452億円  42兆4494億円   9兆5959億円
2001年度 48兆5928億円  41兆5090億円   7兆0837億円
2002年度 52兆7271億円  43兆0671億円   9兆6600億円
2003年度 56兆0603億円  44兆8552億円  11兆2051億円
2004年度 61兆7194億円  50兆3858億円  11兆3336億円
2005年度 68兆2902億円  60兆5113億円   7兆7789億円
2006年度 77兆4606億円  68兆4473億円   9兆0132億円
2007年度 85兆1134億円  74兆9581億円  10兆1553億円
2008年度 71兆1456億円  71兆9104億円   −7648億円
2009年度 59兆0079億円  53兆8209億円   5兆1870億円
2010年度 67兆7888億円  62兆4567億円   5兆3321億円
2011年度 65兆2819億円  69兆6920億円 −4兆4101億円

 

 さあ、如何でしょうか? 何かお感じになりますか?

 「ここに来て急に貿易収支が悪化しているのだなあ」

 貴方はそのようにお感じになりましたか? 

 確かに、これまで貿易収支が赤字に陥ったのは、リーマンショックが襲った2008年度だけで、しかもその翌年度にはすぐ黒字に回復しているのです。そのことからしても、2011年度の貿易赤字は驚くに値するのにその赤字幅は、何と4兆円にも上っているのです。

 ただ、私は、他にも驚くべき点があると思うのです。

 輸出の推移をみて下さい。

 我々はともすれば、必要以上に悲観して経済を見る癖があるのです。

 日本は空洞化が進み、将来どうなるのか? なんて。

 でも、そう言う割には最近の数年間を除けば、輸出は着実に伸びてきていたのです。これが驚かずにいられるでしょうか?

 そしてまた、日本の輸出企業は円高で大変な目に遭っているなんていう割には、こんなに着実に輸出を伸ばしてきていたのです。

 それはそれとして‥では、2011年度の貿易赤字の原因は何か?

 それは、大雑把に言えば、輸出が減り、輸入が増えたからであるのです。

 では、何故輸出が減ったのか?

 もちろん、一つには円高が進んだという背景もあるのでしょうが、最大の理由は、何といっても震災後のサプライチェーンの寸断で、自動車などの減産が余儀なくされたこと。そして、次には、欧州危機を背景に中国に対する部品などの輸出が減少したことであるのです。

 一方、輸入は何故増加したのか?

 これも震災が関係しているのです。つまり、原発事故が起こり、原子力発電所が止まったせいで火力発電へのシフトが起こり、その結果、原料となるLNGの輸入が急増したことがあるのです。つまり、もしもLNGの輸入額が前年度並みにとどまっていたとすれば、全体の輸入額は2兆円弱は少なくなり、その結果貿易収支の赤字も実際の半分ほどで済んでいた可能性があるのです。

 では、輸出の減少、そして輸入の増加も、震災という一時的な要因によるものだから、2012年度は一転赤字から黒字に転換することが期待できるのか?

 確かに、輸出は再び回復することが期待できるのですが、LNGの輸入については、今後も今までと同じようなペースで輸入をすることが余儀なくされるでしょうから、輸入額が以前の水準にまで落ちるということは、LNG価格の低下が起こらない限り期待することは難しいのです。

 ただ総じてみれば、徐々に輸出が回復することによって、2012年度の貿易収支は赤字を計上しなくて済む程度になるのではないでしょうか?

 少なくても、日本の貿易赤字が定着したと判断するのは尚早である気がするのです。

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 マスゴミという言い方が流行るこのネットの世界ですが、率直に言えば、私はそんな言い方は好きではありません。というか、このネットの世界も、スポンサーがもっと付くようになり、そしてテレビ並みに大きな影響力を持つようになれば、いずれ似たような運命を辿るのではないでしょうか。

 しかし、それにしても、日経と朝日の社説の中身はなんたることか!

 お読みになりました?

 先ず、日経の社説。

 「都が尖閣を買うのは筋が違う」(4月19日)

 ・都が買うのは筋が違う。本来であれば国が買い、管理すべきだ。

 ・中国は領有権を主張し、日本をけん制している。

 ・安全保障は国が責任を負う分野だ。

 ・都民の税金を使って購入しても、都民にどんな利点があるのか。

 ・中国と領有権争いを抱えている印象を世界に広めるのは得策ではない。

 ・ワシントンで電撃的にこの話を発表した石原知事のやり方には違和感が残る。


 次は、朝日の社説。

 「石原発言は無責任だ」(4月18日)

 ・知事は中国に四の五の文句など言わせるものか、という態度である。

 ・中国の対応を不快に思ってきた人々の留飲を下げる効果はあるだろう。

 ・これは東京都の仕事ではない。

 ・日本人が上陸しただけで反発してくる中国のことだ。問題はいっそうこじれるだろう。

 ・自治体の長の石原氏に、領土が絡む問題を解決する手だてはない。政府の外交に悪影響を与えることを承知で大風呂敷を広げるのは、無責任。

 ・中国側の対応にも自制を求める。

 ・日中両国民がお互いに批判しあって、何か得るものがあるのか。

 ・体制が変わったばかりの北朝鮮への対応でも、日本と中国との連携は欠かせない。

 ・都民の税金を使って島を買うことの説明がつくか疑問。

 ・税金を使って選挙向けのパフォーマンスをしているようにも見える。

 ・東京都よりも外交を担当する政府が所有する方が、まだ理にかなっている。

 
 さあ、如何でしょう?

 私は、朝日だから‥とか、日経だから‥とか、というように、レッテルを貼って判断するようなことはしたくはありません。問題は、何を言っているかなのです。

 先ず、特に朝日に関して言えることは、石原氏は何か法律や倫理に触れるような悪いことをしたのか、ということなのです。決してそんなことはありません。ただ、日本の国民として、或いは一政治家として、或いは東京の知事として、できる範囲で責務を果たそうとしただけの話なのです。

 そして、両紙とも、他国の領土を自分のものだと言い張る中国に対して、それほど非難する姿勢がないのが大変気になるのです。朝日などは、ただ「自制を求める」というのみ。自制を求めると言うだけで、相手が言うことを聞く国かどうか、そのくらいの想像力が働かないのでしょうか?

 結局、両紙とも、中国を刺激しない方が何かと日本にとっては得だというだけなのです。

 私、思うのです。日本人の圧倒的多数が、中国に恩義を感じ、また中国に対しては、多少無理なことを言われたりされたりしても、中国に嫌われないことを優先したいというのであれば、それならそれも一つの生き方であるでしょう、と。

 つまり、ある男性を好きになったある女性が、男のいうことに半信半疑ながらもお金を貢ぎ、また、
返すと言った筈のお金をその男がたとえ返すことがなくても、それならそれでいいではないかと女が思うことも理解できるのです。

 では、日本人の多くがそんな感情を抱いているのか? 日中両国の平和を維持するために、島の一つや二つくれてやってもいいと思っているのか?

 決してそうではないのです。それどころか圧倒的多数が、領土を守りたい、と。

 では、主権者の国民がそんような思いを抱いているのだとすれば、それを実現するのが政府であり、政治家の責任ではないのでしょうか。また、その国民の思いを代弁するのが新聞社の務めではないのでしょうか?

 さて、両紙とも、外交は東京都の仕事ではなく、政府の仕事だと主張するのです。

 そんなこと、石原知事でさえ、また我々国民だってちゃんと分かっているのです。しかし、政府がやるべきことをやらないので、一石を投じているだけの話です。何も、貴重な都民の税金を好き好んで浪費しようというのではないのです。

 それに、仮に尖閣に日中の昔からの交流の様子を紹介する展示館でも建設し、そこに内外から多数の観光客を集めることに成功でもすれば、東京都は、その事業で大儲けすることも十分にあり得るのです。

 だって、そんな展示館が尖閣に建設され、誰でも見学することができるようになれば、一度訪れたいと思うでしょ?

 それから、都が買うのではなく、国が買うべきだという主張も少しおかしい。

 問題は、国が買うべきだとか、個人の所有にしておくのが適当ではない、ということではないのです。所有形態は個人のものであったとしても、それを国が責任を持って守る姿勢が大事だということなのです。

 今は確かに国の所有にはなっていないものの、国は島を借り上げて民間人が上陸できない体制をとっているのです。しかし、そのこと自体がおかしいのです。何故日本の領土である島に日本人が上陸することを認めないのか? 結局、中国を刺激しないことだけを考えているのが日本政府の態度であるのです。だから、その姿勢を改めない限り、島が国の所有になっても根本的な解決にはならないのです。

 ある子供が公園で凧を上げて遊んでいました。その子供が紙と竹ひごで作った貴重な凧であるのです。凧が空高く上がり、大変うれしそう。すると、隣の家の金持ちの子供がそばに来て、その凧をよこせというのです。その凧は本当は自分のものだ、と。

 さあ、お金持ちの子供から無理難題を言い渡されたその子供は一体どうしたらいいのでしょう?

 折角自分が苦労して作った凧を渡した方がいいのか? 渡さないと少し怖い気もするのです。それに、言うことを聞かないと、お金持ちの親が自分の親に何を言うか分からない。

 しかし、何故自分のものを何の理由もなしに放棄しなければならないのか?

 どうしたらいいか分からないので、学校の先生に相談すべきなのか?

 さあ、如何でしょう?

 朝日や日経が言っているのは、学校の先生や友達に悩み事を相談するのは、問題を大きくしてしまうから止めた方がいいと言っているのです。隣の家はお金持ちだから、刺激したら損ですよ、と。

 朝日に言いたい。朝日新聞が中国に掛け合って、中国が、尖閣は中国のものだと二度と言わないと確約をとってくるというのであれば、朝日の言い分を認めましょう、と。

  

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 石原都知事の今回の尖閣購入計画を巡るマスコミの報道は、どう考えても腫れ物に触るような扱いであるのです。

 もちろん腫れ物に触るといっても、その腫れ物とは石原氏のことではなく中国であるのです。

 テレビ局のなかには次にように報じるところがあるのです。

 「今回、中国側は割と冷静に対応している」と。

 バカなことを言ってはいけません。中国外務省の報道官は、公式見解として次のように言っているではないですか。

 (都知事の尖閣購入は)「違法であり、無効だ」 「尖閣諸島は中国の固有の領土で、争う余地のない主権を有する」 「日本側がいかなる措置を取ろうと、これらの島々が中国に属するという事実を変えることができない」

 まあ、そんなことを中国の一国民がインタビューに答えて言うとか、或いはネット上で発言する程度であれば、日本としても、冷静な対応が必要かもしれません。しかし、中国外務省の報道官が正式にそんなことを言っているのです。

 何故、日本政府は、それに対して反発しないのか? 何故外務省は黙っているのか?

 それだけではありません。私には、外務省の頭の中が全然理解できません。それは、外務省は、尖閣の領有権に関して、一貫して次のように言っているからなのです。

 尖閣に関して「領土問題は存在しない」

 百歩譲って‥或いは千歩譲って、日本が金の力かなんかで、中国側の不満を封じ込め、そして中国側に尖閣に関して何も言わせないでいるのであれば、それなら、涼しい顔をして世界に向かって「領土問題は存在しませんから」なんてことを言うのも理解できるのです。

 しかし、現実はその反対。中国は、今や明確に領有権を主張し、その上事実行為を積み重ねようとしているのです。

 これで、領土問題が存在しないというのであれば、どんなケースが領土問題に該当するのか?

 でも、不思議なことにこの領土問題の考え方に関しては、右寄りの人々と外務省には奇妙な共通点が見受けられるのです。そうなのです、どちらも領土問題は存在しないと言うことです。

 確かに、我々は、尖閣は日本固有の領土であると信じて疑わない。つまり、尖閣は100%日本のものだ、と。しかし、だからと言って領土問題が存在しないという言い方が、一般的に通用するのでしょうか? 何故ならば、中国側は、尖閣は自分たちのものだと言っているからなのです。

 恐らく、外務省的な発想によれば、二つの国がある島(地域)に関して領有権を主張しているような場合で、どちらの領有に属するか明確に決定しがたい場合のみを、領土問題が存在するケースと考えているということになるのでしょうが、そんな考え方からすれば、我が国は、我が国に正当な権利があると思う場合しか権利を主張することはないので、我が国の場合には、決して領土問題が存在することなどなくなってしまうのです。

 では、領土問題がない日本は幸せな国なのか?

 でも、領土問題が存在しなくても、領土を巡るいざこざが存在することは否定できないので、外務省的な考えなど全く意味がないのです。

 こんなたとえ話がいいかどうか‥

 貴方が通勤途上で鞄を盗まれたとしましょう。そして、貴方は被害届を警察に出そうとします。しかし、警察官が言うのです。貴方は鞄を盗まれたと言うが、その盗まれた鞄の正当な所有者は貴方であることは間違いない。だから、その鞄の所有権に関して争いが起こり得る筈がない。

 しかし、それはそうなのですが、一旦手元を離れてしまった鞄を取り戻さないことにはどうにもならないのです。つまり、法的な権利関係がどうなるかということではなく、現実に取られた鞄を取り戻すことが大切なのだ、と。

 もし、警察がこんな態度を取るようであれば、貴方はどうすることでしょう? そうなれば、もう自力救済しかない、と。頼りになるのは自分だけであるのです。

 もう一度言います。尖閣の領有権を主張するのが、中国や台湾の一部の人々だけであるのであれば、日本として過剰に反応することはないでしょう。領土問題は存在しないと言っていてもいいでしょう。

 しかし、中国政府は、尖閣は中国のものだとはっきり言っているのです。だとすれば、その中国に対し、尖閣は日本のものであるから、日本の権利を侵害するようなことを言うのは止めるべきだと日本政府は言うべきであるのです。

 それなのに何故言わないのか?

 それは、日本の企業が中国に侵出しており‥或いは、中国からの観光客を当てにしており‥つまり、経済的なことを考慮してのことだと思うのです。テレビ番組のスポンサーである一流企業の多くが中国との深いつながりを持っているために、中国を必要以上に刺激しない方が得策だと考えているということであるのです。

 或いはまた、例えば外交官の立場になれば、余りにも中国を刺激すると有形無形に中国側からいじめられるようなことになりかねない、と。

 でも、それが真実だとすれば、外交官は一体誰のために外交をやっているのかと、言いたくなってしまうのです。

 領土問題など存在しないと今でも言い張る外務省は、いじめなど存在しないと強弁する教育委員会や文部科学省とどうしても重なって見えてしまうのです。

 先ず、事実を客観的に把握することなしに、どうして問題が解決できるというのでしょう?

 領土問題が存在すると認めたとしても、それは尖閣に対する日本の領有権の正当性にいささかも疑問を投げかけるものではないのです。そこのところを野田総理は外務省とよく話し合って、領土問題はあると認めた上で、中国の言い分を退ける道を探るべきだと思うのです。

 もちろん、曖昧に済ませるという方法もないではないのでしょうが、ここまで中国が自分たちの領有権を主張する一方で、日本側だけが曖昧な態度に終始することになれば、徐々に中国の言い分を認めることになってしまうのです。

 中国がいつまでも紳士の国になれないとすれば、その責任の一端は中国に甘い顔をする日本側にもあるということなのです。

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