経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2013年03月

 本日、日経新聞を読んでいると、「FRB議長の深謀遠慮 金融緩和の出口戦略をにらむ」なんて文字が躍っているのですが‥

 いずれにしてもバーナンキ議長は、日本を含む先進国による超緩和策は大いに結構だと言っているのだ、と。

 もし、それが本当だとすれば、アベノミクスを支持する人々は、まさに我が意を得たりと大喜びするでしょう。

 こんなことを私が言うと‥バーナンキ議長の真意はそうではないと、これから私が言うと思うでしょ?

 でも、バーナンキ議長は、本当にアベノミクスというか、アベノミクスの大胆な金融緩和を支持しているのです。

 それによって仮に通貨安競争が引き起こされそうになったとしても、大胆な金融緩和策の恩恵は大きいの
だ、と。

 それに、そもそもバーナンキ議長によれば、先進国が皆一斉に緩和策を展開しているのだから、どこかの国だけが通貨安の恩恵を被るなんてことにはならないというのです。

 いずれにしても、皆さんも、バーナンキ議長が具体的にどんな理屈で先進国による大胆な金融緩和策を支持するのか知りたいでしょう?

 だったら、次の英文を読んでみて下さい。

 英語の嫌いな方は、訳だけ読めばいいのです。

photo2

Like other aspects of the crisis, the notion of competitive depreciation has strong classical antecedents, particularly in relation to the global Great Depression of the 1930s.

「今回の危機の他の問題と同じように、通貨安競争という概念も古典的なものであって、特に1930年代の大恐慌と関連付けられる」


So let me start by briefly revisiting the older discussion and its evolution.

「そこで、過去どのような議論がなされ、それがどう発展してきたかを簡単に振り返ってみたい」

As my audience knows, on the eve of the Great Depression the exchange rates of most industrial countries were determined by the rules of the international gold standard--or, more technically, by the gold-exchange standard, as foreign exchange (primarily dollars and pounds sterling) was used along with gold as a form of international reserves.

「皆さんご承知のように、大恐慌の後に、殆どの先進国の為替レートは、国際的な金の基準― もっと専門的に言えば、金交換基準によって決定されていた。というのも、外国為替(主にドルとポンド)が、金とともに外貨準備を構成していたからである」

The gold standard, which had been suspended during World War I, was painstakingly rebuilt in the 1920s. Unfortunately, the reconstructed gold standard had a number of serious problems.

「第一次大戦中停止されていた金兌換が1920年代になって解禁された。しかし、不幸なことに再開された金兌換には幾つかの深刻な問題があった」

For one, the exchange rates implied by the gold valuations that countries chose for their currencies following World War I were in some cases far from the levels consistent with balanced flows in trade and payments.

「先ず、第一次大戦後、各国が選択した金の評価によって決定された為替レートは、国際収支に整合する
レベルから余りにもかけ離れていたことである」

Notably, as John Maynard Keynes pointed out in his famous pamphlet, The Economic Consequences of Mr. Churchill, the British pound was overvalued under the new gold standard, which disadvantaged British exports and contributed to weak economic conditions in the United Kingdom in the late 1920s.  

「特に、ケインズが彼の有名なパンフレットで指摘したとおり、チャーチル氏の経済の結末、つまり英国のポンドは新しい金基準の下では過大評価がなされ、それが英国の輸出を不利にし、そして1920年代後半における英国経済停滞の原因になった、と」

One of Mervyn King's predecessors as governor of the Bank of England, Montagu Norman, who presided over both Britain's return to the gold standard and its subsequent exit, said of the ill-fated choice of parity for the pound: "Only God could tell whether it [the value in gold chosen for the pound sterling] was or was not the correct figure"; another commentator added, "But of course the Deity may not be an Economist."

「イングランド銀行の総裁としての、キング総裁の前任者の一人のノーマン氏は、金解禁とそれに続く金輸出の禁止を決定した総裁であるが、彼は、ポンドにとってのパリティという不幸な選択についてこう言ったのである。『それ(選択されたポンドの金の価値)が正しいか正しくないかは神にしか分からない』と。そして、別のコメンテーターが次のように付け加えた。『しかし、もちろん神はエコノミストではないかも知れない』」

Another problem, which became clear as the global economy weakened and financial conditions deteriorated, was that fixed exchange rates under the gold standard were vulnerable to speculative runs.

「世界経済が弱体化し、そして金融環境が悪化するなかで明白になってきた問題は、金基準の下での固定相場制度は、投機的な動きに晒されやすいということである」

Although runs, or in some cases policy decisions, effectively took a number of countries off the gold standard in the early 1930s, the financial world was shaken to its foundation when the United Kingdom, the unofficial center of the global gold standard, was forced by a speculative attack to leave gold in September 1931.

「そうした投機的動きや政治的決断によって、1930年代の初めに多くの国が金基準から離脱したものの、世界の金基準の非公式の中心であった英国が1931年9月に投機的攻撃によって金基準からの離脱を余儀なくされたとき、金融の世界がその根底から揺さぶられた」

Over the next five years, essentially all of the world's industrial nations left the gold standard, either de facto or de jure.

「次の5年間に渡って、世界の全ての先進国は金基準から事実上、または公式に離脱した」

Declines in the value of the departing nation's currency, sometimes very sharp ones, typically followed.

「金基準から離脱した国の通貨の価値は、時には大きく低下した」

The uncoordinated abandonment of the gold standard in the early 1930s gave rise to the idea of "beggar-thy-neighbor" policies.

「1930年代初めの金基準からの各国の離脱が、『近隣窮乏化』政策という概念を生み出した」

According to this analysis, as put forth by important contemporary economists like Joan Robinson, exchange rate depreciations helped the economy whose currency had weakened by making the country more competitive internationally.

「ジョーン・ロビンソン のようなその時代のエコノミストたちによってなされた分析に従えば、為替レートの切り下げが、国際競争力を増すことによって通貨の弱くなった国の経済を支援したのである」

Indeed, the decline in the value of the pound after 1931 was associated with a relatively early recovery from the Depression by the United Kingdom, in part because of some rebound in exports.

「事実、1931年以降のポンドの価値の下落によって、輸出が幾分回復したこともあり、英国は早期の経済回復がもたらされた」

However, according to this view, the gains to the depreciating country were equaled or exceeded by the losses to its trading partners, which became less internationally competitive--hence, "beggar thy neighbor."

「しかし、この見解に従えば、通貨価値が低下した国の利益は、より競争力を喪失した隣国の損失と同じになるか、それを上回ることになる」

Over time, so-called competitive depreciations became associated in the minds of historians with the tariff wars that followed the passage of the Smoot-Hawley tariff in the United States.

「時の経過に従い、所謂「通貨安競争」が歴史家の頭のなかで、スムート・ホーリー法を米国で成立させた関税戦争とごちゃになってしまった」

Both types of policies were decried--and in some textbooks, still are--as having prolonged the Depression by disrupting trade patterns while leading to an ultimately fruitless and destructive battle over shrinking international markets.

「両方の政策とも非難された(教科書のなかで今でも非難されている)。貿易相手国の邪魔をすることによって大恐慌を長引かせた、と。そのような政策は、結局、無益で破壊的な戦いに導き、国際市場を縮小させただけではないか、と」

Economists still agree that Smoot-Hawley and the ensuing tariff wars were highly counterproductive and contributed to the depth and length of the global Depression.

「エコノミストたちは、スムート・ホーリー法とそれに続く関税戦争は大変に有害であり、世界不況を深刻化させたことに今でも合意する」

However, modern research on the Depression, beginning with the seminal 1985 paper by Barry Eichengreen and Jeffrey Sachs, has changed our view of the effects of the abandonment of the gold standard.   

「しかし、バリー・アイケングリーンとジェフリー・サックスによる有力な1985年の論文によって始まる大恐慌に関する研究は、金基準を廃止したことの効果に関する我々の見解を変えたのだ」

Although it is true that leaving the gold standard and the resulting currency depreciation conferred a temporary competitive advantage in some cases, modern research shows that the primary benefit of leaving gold was that it freed countries to use appropriately expansionary monetary policies.

「金基準からの離脱とその結果としての通貨価値の下落が国際競争力の向上をもたらすことがあったのはその通りだとしても、金からの離脱の主なメリットは、各国が拡大的な金融政策を適切に採用することができる
ようにしたことである」

By 1935 or 1936, when essentially all major countries had left the gold standard and exchange rates were market-determined, the net trade effects of the changes in currency values were certainly small.

「全ての主要国が金基準を離脱し、為替レートが市場で決定されるようになった1935年か1936年までは、通貨価値の変更がもたらした貿易に与える影響は確かに小さかった」

Yet the global economy as a whole was much stronger than it had been in 1931.

「しかし、それでも世界経済は全体として、1931年頃の状況と比べればはるかに回復していた」

The reason was that, in shedding the strait jacket of the gold standard, each country became free to use monetary policy in a way that was more commensurate with achieving full employment at home.

「その理由は、金基準という堅苦しいジャケットを脱いで、各国が完全雇用を国内で実現するような金融政策
を自由に採用することができるようになったからである」

Moreover, and critically, countries also benefited from stronger growth in trading partners that purchased their exports. In sharp contrast to the tariff wars, monetary reflation in the 1930s was a positive-sum exercise, whose benefits came mainly from higher domestic demand in all countries, not from trade diversion arising from changes in exchange rates.

「さらに言えば、各国は、彼らの輸出製品を購入した貿易相手国の力強い成長によっても利益を得ることができた。関税戦争とは対照的に、1930年代の通貨膨張はウィンウィンの政策であり、為替レートの変更によって貿易に歪みを生じさせることによってではなく、全ての国の国内需要が増大することから利益が得られるのである」

The lessons for the present are clear.

「現代に対する意味合いは明らかである」

Today most advanced industrial economies remain, to varying extents, in the grip of slow recoveries from the Great Recession.

「今日、殆どの先進国は、程度の差こそあれ、不況からの緩やかな回復過程にある」

With inflation generally contained, central banks in these countries are providing accommodative monetary policies to support growth.

「インフレが概して封じ込められているので、こうした国々の中央銀行は、成長を支援するために緩和策を実施
している」

Do these policies constitute competitive devaluations?

「こうした政策は通貨安競争になるのか?」

To the contrary, because monetary policy is accommodative in the great majority of advanced industrial economies, one would not expect large and persistent changes in the configuration of exchange rates among these countries.

「それどころか、大多数の先進国経済が採用している金融政策が緩和的なものであるので、こうした国々の間で、為替レートの大きな変動が起こるとは考えられないのである」

The benefits of monetary accommodation in the advanced economies are not created in any significant way by changes in exchange rates; they come instead from the support for domestic
aggregate demand in each country or region.

「先進国の緩和的な金融政策の恩恵は、為替レートの変更によって生み出されるものではない。その恩恵は、各国の国内総需要を支援することによって生ずるのである」


Moreover, because stronger growth in each economy confers beneficial spillovers to trading partners, these policies are not "beggar-thy-neighbor" but rather are positive-sum, "enrich-thy-neighbor" actions.

「さらに言えば、各国の経済がより力強く成長すれば、その恩恵が貿易相手国にも及ぶので、こうした政策は『近隣窮乏』ではなく、むしろウィンウィンの『近隣富国』策である」



 さあ、バーナンキ議長の言いたいことが分かったと思うのですが、貴方はどのようにお感じになっているのでしょう?

 彼によれば、金融政策というのは、ものすごーく強力な武器にように思えるのですが、しかし、その強力な武器を利用しても、米国の失業率はなかなか低下しない、と。何故?

 それに、こうして無制限に大胆な金融政策を打ち続けると、またしてもバブルに至る懸念があるのですが、彼はそれをどう考えているのでしょう?

 日本について言えば、日本の経済が最近好調だと思われているのは円安になったからです。つまり、アベノミクスが支持されているとは言っても、日本人の発想とはちょっと理屈が違うのです。




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 日銀当座預金残高が史上最高値を記録しました。

 2013年3月29日の時点、つまり2012年度末時点で58兆1300億円に達したと報じられているのです。

 日銀当座預金残高




 (資料:日本銀行)

 では、日銀当座預金とは何か?

 それは日銀のお金なのか?

 そうではないのです。民間の銀行や証券会社などが日本銀行に預けているお金が日銀当座預金と呼ばれるものなのです。

 では何故民間銀行などは、日本銀行お金を預けるのか?

 そは、民間銀行同士の資金決済、或いは日本銀行との資金決済などを行うために日本銀行に預金口座を開いているということなのです。

 そうした口座を保有していないと資金の決済ができないでしょ?

 貴方だって、公共料金の自動引き落としをするために民間金融機関に普通預金の口座を有しており、そこから毎月電気代など引き落とされる、と。

 但し、民間銀行が日銀当座預金口座にお金を預けるのは、それだけが目的ではないのです。というのも、民間銀行は規定により保有する預金の一定割合を日本銀行に預けておかなければならない仕組みになっているからです

 そうしないと、イザというときに資金不足に陥ってしまう恐れがあるからなのです

 私たちだって、そうなのです。日常の生活に必要のないと思われるお金は定期預金にしたり、国債で運用したり或いは、株や社債で運用するかもしれませんが、その一方で、急な出費に備えて現金を多めに持っていたり或いは、いつでも引き出しが可能な普通預金を持っていたりするでしょ?

 その我々の普通預金と同じような意味を有する預金が、民間銀行が日銀に預けている日銀当座預金になるのです。

 では、
民間銀行は、どのようにしてその日銀当座預金の残高を管理しているのか?

 今は金利がスズメの涙よりも少ないので説得力はないのですが‥本来であれば、我々は余分な資金があれば、そういった資金はなるだけ現金や普通預金で保有せず、定期預金などで運用しようとする訳です。

 何故?

 だって、現金で持っていると利子が稼げませんから、普通預金でも殆ど同じ。一方、定期預金にしておけばそれなりに利子が稼げる、と(但し、今は、ゼロ金利政策が実施中なので、それも叶いません)。

 そういったことから言えば、民間銀行というものは、日銀当座預金の残高をギリギリまで絞り込みたいと考えるのが本来の姿なのです。

 必要以上日銀当座預金を保有して‥本来稼げる利子収入を放棄するなんて民間企業では考えれないことですから。

 にも拘わらず、2012年度末の日銀当座預金残高がこれまでの最高値を記録したなんて言っている訳なのです。 一体どうしたことなのか?

 いずれにしても、10年ほど前までなら、5兆円もあれば十分であると考えられていた日銀当座預金残高が60兆円に近付こうとしているのです。

 もちろん、その背景には、日銀が民間銀行等の保有する国債をどんどん買い上げているという現実があるのです。つまり、超緩和策を実施しているので、民間銀行の保有する長期国債などを日銀買い上げ‥そして、その代金が当座預金勘定に放り込まれるので残高が増える、と。

 岩田副総裁が言っていましたよね。日銀当座預金残高が80兆円ほどになれば、インフレ率2%が実現できる、と。

 本当に、リフレ派の人々は金融の実務について疎いですよね。

 百歩譲って、世の中に出回っている銀行券の残高が現在の80数兆円から90兆円、或いは100兆円になったらインフレ率が2%程度は実現できるというのならまだ分かるのです。

 何故ならば世の中に出回る日銀券が実際に90兆円、100兆円と増えるということは、それだけ経済活動が活発になっていることの証拠でもある訳ですから。

 でも、日銀券が10兆円増えるということと、日銀当座預金残高が10兆円増えるということは同じではないのです。

 そもそも、本来なら利子の付かない当座預金口座に余分のお金を預けておくようなバカな真似を何故民間銀行がすると考えるのか?

 その辺りを岩田副総裁は分かっているのでしょうか?

 だから、物事の自然の成り行き任せるのであれば‥世の中に出回るお金が90兆円、或いは100兆円と増えることはあっても、日銀当座預金残高が80兆円になることなどあり得ないのです。幾ら大量に、日銀が国債を買い上げてもです。

 おかしいでしょ?

 では、何故今、日銀当座預金残高が過去最高値を更新しているのか?

 既に60兆円に近づこうとしているのだから、岩田副総裁の言うように80兆円に達することもあり得るのではないのか?

 実は、何故民間銀行が日銀当座預金を多額に保有していても平気な顔でいられるかと言えば‥それは、日本銀行が民間銀行などに対し超過準備部分の当座預金に対しては、0.1%の金利を付けて上げているからなのです。

 0.1%なんて大したことはない?

 馬鹿を言っていはいけない。

 我々が民間銀行に1年物の定期預金をしても、0.1%の1/4の0.025%程度しか金利はつかないのです。

 それに、例えば、3か月ものの国庫短期証券で余資を運用する場合、これまでは0.1%程度の利回りを確保することができていたのが、最近では、アベノミクスの掛け声の下で金利が低下しているものだから、例えば、0.04%程度まで利回りが低下しているのです。

 ということは、日本で一番安全な運用先である日本銀行にお金を預けて‥しかも、そのお金は何時でも引き出し可能だというのに‥そレに対して、な、な、なんと0.1%も利子を付けて上げているということになるのです。日本銀行はなんと太っ腹であることか

 だから、短期金利が益々低下するなかで、民間銀行などは日銀に預けている日銀当座預金の残高を増やしているという訳なのです。

 でも、言っときますが‥そうやって幾ら日銀当座預金残高が増えても、世の中に出回るお金が増える訳ではないのです。だから、物価を押し上げる力はない、と考えるべきでしょう。

 


 いずれにしても、国民は銀行に1年物の定期預金をしても、0.025%としか利子がつかないのに、民間銀行が日本銀行から0.1%もの金利を得ているのは不公平極まりないと思う方、クリックをお願い致します。
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 「政府の債務残高が、名目GDP=国内総生産に比べ200%を超えるという、極めて高いというか異常な状況は、持続不能だ。短期的に財政政策を活用するのは適切だが、中長期的には持続できないと思う」

  
 このように昨日、参議院の財政金融委員会で答弁した人がいるのですが、誰かお分かりでしょうか?

 実は、この発言、日銀の黒田新総裁によるものなのです。

 どう思います?

 将来の世代に借金のツケを先送りしたくないと考えるような人々にとっては、ごく普通の発言に聞えるかもしれないのですが‥

 しかし、何が何でもインフレを起こさなければいけないと考える人の発言としては、どのように聞こえたのでしょうか?

 新政権が発足して丸3か月間が経過し‥その間に、円安にはなったし、株価も上がった、と。

 では、肝心の物価の方はどうなのでしょう? 2%のインフレを実現するのでしたよね?

 これが物価も既に相当上がってきているというのであれば、黒田新総裁がそのような発言をするのも分からないではない。

 しかし‥

 本日、2月の消費者物価指数が発表になりました。

 生鮮食品を除く総合ベースで2月は、前年同月と比べて0.3%のマイナスと、相変わらずデフレを脱出する気配は感じられないのです。

 CPI  前年同月比



 

 その一方で、黒田総裁は、2年のうちにインフレ率を2%にまで引き上げるためにどんなことでもすると明言しています。

 そして、そのための主な手段はと言えば、より償還期間が長い国債を購入することだ、と。

 でも、こうして黒田総裁は、日本の財政は既に持続不可能な状況に陥っていると言うのです。

 だとすれば、黒田総裁は、今後、新発国債の発行を増やすべきではないという考え方になるのでしょう。

 しかし、新発国債の量がこれから先増えないというのであれば、どのようにして市場に放出するマネーの量を増やしていくのでしょうか?

 結局、流通市場に出回っている長期国債をせっせと購入することしかできないのですが‥それでは日銀の資産を急増してマネーを大量の放出するという方策も、なかなか実現できない恐れがあるのです。

 それでも、日銀が流通市場に出回っている長期国債をバンバン買いますか?

 しかし、そのためには相場よりも高い価格で国債を買い入れることが余儀なくされ‥結局、日銀は、長期国債を購入する度に損失を計上することになってしまうでしょう。

 いずれにしても、そうして日銀が大量に国債を保有するようになれば、幾ら黒田総裁が、日銀は財政ファイナンスを行うものではないと言っても、財政ファイナンスをしているようにみられるのは必至でしょう。

 但し、黒田総裁を弁護する訳ではありませんが、黒田総裁の言い分を想像するならば‥財政ファイナンスをするような事態においては、国債の引き受け手が少なくなり国債の利回りが急騰している筈であるのに‥最近の日本の状況では、国債の利回りが上昇するどころかこんなに利回りが低下しているのだから、財政ファイナンスをしているなどという指摘はおかしい、との反論があり得るでしょう。

 では、そのようにして黒田総裁が率いる新生日本銀行が大量の国債を保有するようになれば‥つまり、日銀の資産をどんどん拡大していけば、マネーが大量に世の中に放出され、物価は確実に上がると言えるのか?

 しかし、長期国債を保有している民間銀行などが、そうして国債を日銀に売却して得た資金を日銀の当座預金勘定に預けたままにしておけば‥それは、岩田副総裁が想定するように、日銀当座預金残高が急増することにはなっても、しかし、それではお金が世の中に回ったことにはならず、物価を引き上げる効果は殆どないと思われるのです。

 結局、問題は、本当に世の中にお金が大量に出回るかどうかなのです。

 しかし、もうこれまでに何度も繰り返して言っているように、政府が出動して例えば、給付金を無制限に支給するようなことをするのであれば、幾らでも世の中に出回るお金の量を増やすことは可能であるのですが‥日銀には、無償で資金を供給する権限はないために、日銀のマネーの総量をコントロールする力は限られたものでしかないのです。

 黒田総裁の発言は、部分部分を抜き取ってみると、どれも優等生の答弁のように見受けられるのですが、しかし、全体として観察した場合には一貫性を欠くようにしか思えないのは私だけなのでしょうか?

 まだ、新生日本銀行の評価を下すのは早すぎるでしょうが‥黒田総裁は、やっぱりタックスマンの血が流れているのかと思い知らされた発言であったのです。



 良い悪いは別にして、財政のことを心配しながらインフレを起こすというのであれば、それは筋金入りのリフレ派とは呼べないな、と思う方、クリックをお願い致します。
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 キプロスの銀行が、やっと28日の正午から午後6時までの間、銀行業務を再開するといいます。キプロスでは今月の16日から銀行業務がストップされているので、キプロス国内の企業や国民は、もう10日以上も不自由な生活を強いられているのです。

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 (キプロス政府のサイトより。会議をしているアナスタシアディス大統領)

 我が国で、このようなことが起きたら経済にどのような影響を及ぼすでしょう?

 多分、既に企業倒産が続発しているでしょう。何故ならば必要な資金の決済ができないからなのです。否、決済が不能であるために、手形が不渡りになることもないため、倒産が起きずに済んでいるのでしょうか?しかし、幾ら形式的に倒産」に該当しなくても、経済活動が事実上麻痺してしまうことは否定できないでしょう。

 いずれにしても、キプロスが外部の支援が得られないまま銀行業務を再開すれば、忽ち資金枯渇してしまうことが確実であったために、こうして長い間、銀行業務を再開することができなかった訳なのですがご承知のとおり、この度、キプロスとトロイカの間で話し合いがまとまり、EUからの資金支援を仰ぐことができるようになったので、こうして銀行業務を再開しようとしているのです。

 しかし、銀行業務再開のニュースとともに次のようなことが報じられているのです。

 「キプロス中銀が、資本規制を発表」

 一体どういうことなのでしょうか?

 ・1日当たりの預金の引き出しは、300ユーロを上限とする。
 ・小切手の換金は認めない。
 ・海外でのクレジットカードの利用は、月額5000ユーロを限度とする。

  
 要するに、資本がキプロス国外に逃避することをキプロス政府が恐れているということなのです。

 折角、外部から支援を得て銀行業務を再開しても、キプロスからの資本逃避が止むことがなければ、キプロスの金融不安が収まることはない、と。

 確かにそれはそうでしょう。

 でも、そうして資本がキプロスから逃避する動きが何故起きるのかと言えば、キプロスの銀行の損失を預金者に押し付けてしまったからなのです。

 もちろん、預金者の預金の取り崩し限度額は1日当たり300ユーロまでなので、即座に預金が流出してしまうなどということは物理的に起こり得ないのですが、それでも様々な形で、お金を国外に移動させる動きが続くと思うのです。

 つまり、幾ら資本規制をかけようとも、キプロスが使用している通貨がユーロである以上、そうした資本規制措置が十分機能するとはとても思えないのです。

 仮に、キプロスが独自の通貨を使用しているというのであれば、幾らキャッシュを国外に持ち出そうとしても、金融危機にあるキプロスの通貨が海外で十分通用する訳はないので、わざわざキプロスの通貨を国外に持ち出そうとする者もいないでしょう。

 しかし、キプロスで出回っている通貨はユーロなのです。もちろん、ユーロはユーロ圏諸国ではどこでも自由に使用することができる。何の資本規制もかからない。しかし、そのユーロが、キプロス国内に留まる限り、こうして様々な規制がかけられる訳ですから、仮に、キプロスが危機的な状況になかったとしても、キプロスに存在するユーロは、どうしても国外に逃避しようとしてしまうのです

 では、そうした資本の海外逃避の動きをストップさせる方法はないのか?

 そのためには、大口預金者に対する預金カットを撤回すばいいのです。もし、それが可能であれば、大口の預金者は安心することができ、キプロスに預けているお金を海外に持ち出す必要がなくなるのです。

 しかし、それは無理なこと。即ち、賽は投げられた、と。

 というよりも、大口預金者に負担を求めることがなければ、EUからの支援を得ることができずに、キプロスの金融システムは崩壊していた訳ですから。

 つまり、キプロスとトロイカは、金融危機を回避したいと言いながらも、同時に金融危機が継続するようなことをしているのです。

 もちろん、キプロス中銀が資本規制を実施しなければ、それこそ即座に大量の資本がキプロスから逃避してしまい、さらなる外部の支援が求められることは必至でしょう。

 しかし、そうやって資本規制をするということは、取りも直さず外部に逃避しようとしている資本が大量に存在するということですから、今後、国外に流出すべき資本は、一旦は流出してしまわないことには事態が収まることはない訳です。

 トロイカ側が試算していましたが、結局、キプロスの銀行の資産規模がこれまでの半分以下になるまでは、当然のことながら資本の流出が続くと予想しておいた方がいいのです。

 いずれにしても、自由に使用できる筈のユーロに例外的ながらも大きな制限が課されることになっているユーロ圏諸国。

 ユーロの実験はこれからも続くのです。

 

 キプロスは、ユーロ圏実験台にされている意味あるかもしれないと感じた方、クリックをお願い致します。
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 キプロスの銀行救済問題に関して、キプロスとトロイカ側の話がついたと報道されているのですが‥

 トロイカとアナスタシアディス大統領


 
しかし、まだキプロスでは銀行業務が再開していないことをご存知でしょうか?

 昨日、26日には銀行業務が再開される予定だったですが、それが木曜日まで延長されるというのです。

 つまり、未だにキプロスの預金者たちはATMで少しずつお金を引き出すことしかできないのです。

 それに、例の大口預金者の預金カットにしても、40%のカットになるのか、或いはそれより少なくて済むのか、それも決まっていない。

 何故かと言えば‥正確な預金者のデータがないために、必要な財源を確保するためにカット率を幾らにすればいいのか計算ができていないためだというのです。

 いずれにしても、自分たちの預金が幾らカットされるかも知らされていない大口預金者たち。

 もう、二度とこんな銀行預金をするのは止めよう‥そう思っているのに違いないのです。

 そう思うでしょう? 貴方だって。私がキプロスの銀行にお金を預けていたとすれば、当然そう思うと思います。

 しかし、キプロス政府は、EUの支援金がキプロスに到着すれば、預金の引き出しも自然に収まるだろうと見ているようなのです。

 確かに小口の預金に関しては、そうかもしれない。しかし、大口の預金に関しては、カット率が正式に決定され、そして残額の預金の引き出しが可能になったならば、即座に残額が引き出されてしまうと思うのです。

 そう思いませんか? だって、大口の預金者の多くは、ロシアの富裕層など、海外の預金者である訳ですから。

 本当だったら自分の国の銀行にお金を預ければいいのに、それをわざわざキプロスの銀行にお金を預ける訳ですから、それなりの理由がある筈。

 例えば、国内では金利が非常に低いとか‥或いは、金利にかかる税金が高いとか‥あるいは、預金口座を開設するのにいちいち面倒な手続きが必要だとか‥

 そうなのです、キプロスはタックス・ヘイブンなのです。だから、お金持ちは、キプロスの銀行お金を預けたがるのです。

 しかし、こうして金融危機が勃発すると、思いもかけずに自分の預金が何の予告もなしにカットされてしまう!

 自業自得というべきなのか!?

 10万ユーロの預金は預金保険の対象外であるから、預金カットの対象とされても止むを得ないと言ってしまえば、そのとおりであるのですが‥

 でも、預金をカットされたお金持ちは絶対にそのことを忘れない‥と思っているとロシアのお金持ちたちは、意外と今回の預金カットに平然としているのだ、とか。

 平然としているとは言っても、もちろん内心では怒ってはいるのでしょうが‥

 では、彼らは、ロシアの銀行に預金しておけばよかったかと言えば‥

 過去ロシアでは、1993年にルーブルが切り下げられたり‥或いは、1994年と1996年には、約200の銀行を残して後は全て姿を消したり‥或いはまた、1998年の金融危機の際には、多くの銀行が支払い不能の状態に陥ったりして‥

 つまり、多くのロシア人にとっては、今回のような出来事は何度も過去に経験済みのことのです。

 というよりも、自分たち預けておいたお金引き出せないような事態これまで何度も遭遇してきたからこそ、海外のキプロスにお金を預けているというのです。

 そういうことだったのですか?

 醤油こと!

 だったら、意外とキプロスの危機は今後自然に収まる可能性もあるということです。

 ただいずれにしても、この先、キプロスの金融立国戦略には大きな見直しが迫られると思うのですが、一体どのようにして経済を立て直すのか?

 この際、地中海の海の幸を食材に利用し、観光客にトロイカでも食べてもらってやっていくか?

 キプロスのアナスタシアディス大統領は、トロイカ側との交渉の最中に、IMFのラガルド専務理事に椅子を投げつけてやろうかと思った、なんて報じられていますが、本当なのでしょうか?

 そんなことを口にする位だから、よほど屈辱的な言葉を浴びせられたのでしょうか?

 いずれにしても、今回のキプロスの問題は、EU以外に、ロシア、トルコ、英国などがそれぞれの立場で登場し、今後の欧州情勢を予想する上で重要なヒントを与えてくれるのです。







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 銀行を救済すると言えば、普通はその銀行と取引のある者、特に預金者を保護するのが主眼であるのですが‥キプロスの銀行救済は我々の常識とはちょっと違う。

 違うどころか、大口の預金者は、預金残高の4割を諦めてもらうという内容になりそうなのだ、と。

 つい先日、9.9%の預金カット案がキプロスの議会で否決された筈なのに‥キプロス政府がトロイカ(EU、ECB、IMF)と話し合いをした結果は、むしろ預金のカット率が高くなったというのです

 何故、そんなことに?

 それは、小額預金者に負担を押し付けないためなのだ、とか。

 つまり、国内の不満を抑えるために小額預金者預金カットを免除しようとすれば、大口の預金者預金カット率を大きくしない自前で調達することの必要な財源58億ユーロが捻出できないということなのです。

 では、大口預金者は文句を言わないのか?

 もちろん、大口預金者は文句を言うでしょう。

 つまり、タックス・ヘイブンのキプロスの銀行にお金を預けているロシアの富裕層やロシアの企業が文句を言う、と。現に何故キプロスの救済問題を議論するに際して、予めロシアに相談しなかったのかとロシア側が難癖をつけているのです。

 では、ロシア側に事前に相談をしたら、良い結果が生まれていたのか?

 それは何とも言えない。

 いずれにしても、キプロスとしてロシアのことを無視した訳ではなく、否、むしろロシアに支援を要請していたのですがロシアとしては、何らかの担保を得られない限り支援には応じられないという態度のです。

 では、キプロスとしては、ロシアの要求に応えるがあるのか?

 実は、天然ガス田の権利を担保にする案もあるのですが‥しかし、そのガス田については、トルコ政府がキプロスがガス田の権利を勝手に外国に移譲するような真似は許さないと、言っているのです。

 top_map(キプロス情報サービスより。キプロスはこんなにトルコに近いのです)


 まあ、そうした関係者の言い分を総合的に考えるならば、結局、ロシアにババを引き受けてもらうしかないという結果になったのだと思うのです。


 仮に、この案で最終決着がつくならば、取り敢えずキプロスの民間銀行は、EUから100億ユーロの支援を得て、営業を再開することができるでしょう。

 しかし、そのように預金を40%もカットするという荒療治に出ることによって、今後、一層資本の海外流出が続くことが懸念されるのです。

 ということで、一難去ってまた一難。


 しかし市場は、キプロスなんてユーロ圏全体に占める割合が0.2%だからと、依然として高を括っているのです。

 いずれにしても、これでロシアとEUの溝はさらに深まったと言えるのです。


 

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 相変わらず五里霧中のキプロス。

キプロス大統領
 (キプロス政府のサイトより。キプロスの大統領)


 キプロスでは、来週の月曜日まで銀行の営業は休止されたままだと言います。但し、ATMで少しだけ預金を下ろすことは可能なのだ、とか。そうしたことで最悪の事態が今のところ回避されているのしょう。

 しかし、キプロス国内の多くの商店では、もはやクレジットカードなどでの買い物はできなくなっていると言います。買い物をしたいのであれば、現金で支払ってくれ、と。

 こうなると信用システムは事実上崩壊していると言ってもいいのです。当然、実体経済には大きな打撃となるでしょう。

 ところで、私は、これまでキプロスの預金課税は余りにも無茶だという立場を取ってきました。そのようなことをすればさらに預金流出を起こすだけではないか、と。

 それに、これまでユーロ圏内で行われてきた銀行救済のケースでは、そうして預金者に負担を求めることなど一切なかったのに、何故キプロスのケースではそうした慣例を破り、預金者に負担を求めるのか、と。公平ではないではないか、と。

 いずれにしても、預金課税を実施して自前で58億ユーロを賄うことをしなければ、100億ユーロの支援は行なえないと主張するトロイカ軍団。

 このような非常事態になっても、EUやECBはキプロスに一切妥協しない方針なのだとか。自前で58億ドルを調達できないのであれば、支援はできない、と。

 つまり、ドイツを始めとする支援国側は、キプロスがデフォルトを起こそうと、或いは、ユーロ圏を離脱するようなことになろうとも、それはやむを得ないと思っている節があるのです。

 ギリシャの時とは大きく違うのです。

 ギリシャのユーロ離脱はあり得ないし、そのようなことは認めることはできないと一貫して主張していたユーロ圏諸国。

 しかし、キプロスについては違うのです。

 でも、それは何故なのでしょう?

 ギリシャの人口は約1100万人。そして、ギリシャのGDPは約2400億ユーロ。

 それに対して、キプロスの場合には‥

 人口が約87万人。そして、GDPは約170億ユーロ。

 ギリシャでさえ経済規模は大したことはないからと言われていた訳ですが、キプロスの場合には、それよりさらに一桁小さいのです。もう少し具体的に言うならば、キプロスのGDPはユーロ圏全体の0.2%にしか過ぎない、と。

 要するに、キプロスで何かが起こったとしても大したことではないと、皆思っているからそのような態度でいられるのです。

 そして、欧州勢がキプロスの金融危機に関し、本気で心配している風が感じられないから、米国の市場も、アジアの市場も、蚊に刺された程度にしか感じないのでしょう。

 でも、そうは言っても、本当にキプロスがデフォルトを起こしたら? そして、キプロスがユーロ圏を離脱したら?

 もう一度言います。ドイツを始めとするユーロ圏諸国は、もう腹を決めているということでしょう。ユーロ圏を離脱するなら、それはやむを得ない、と。

 では、どうしてキプロスはそこまで冷たくあしらわれるのか?

 キプロスは、地中海のケイマンみたいなものだと言われてきたのをご存知でしょうか?

 そうです、タックス・ヘイブン‥租税回避地なのです。

 要するに、ユーロ圏に参加したからには皆と同じ条件で経済活動を営むべきであるにも拘わらず、キプロスはこれまでタックス・ヘイブンという立場を武器に散々良い目をしてきたではないか、と。そのせいで、他国はどれだけ迷惑を被っているのか、と。それなのに困った時にだけ他国に支援を求めるのは何事だ、とドイツなど周りの国々が感じているのでしょう。

 キプロスに対する反感は、恐らく英国に対する反感も反映しているのでしょう。そして、キプロスがロシアとの関係が緊密なことも面白くない、と。

 でも、その一方で、英国とロシアが仲が悪いのは余りにも有名。その英国とロシアが、このキプロスの金融危機を巡っては、同じような立場にある訳なのです。皮肉なものなのです

 来週の月曜日がタイムリミットと言われていますが、恐らく受け皿銀行が出来、事実上破綻している銀行の預金などが引き継がれることになる可能性が大でしょうが‥いずれにしても何らかの手段でキプロスは58億ユーロを調達せねばならず、それができなければ初のユーロ圏脱退となるかもしれないのです。

 最後にロシアが登場するのでしょうか?

 

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 麻生財務大臣が21日、国会で次のように述べました。

 「(政府と日銀の共同声明に盛り込んだ2%の物価目標について)いきなりそこまでいくのは簡単な話ではない」

 「学者とはこんなものか。実体経済が分かっていない人はこういう発言をするんだと正直思った」

 どう思います、この麻生財務大臣の発言?

 麻生さんが急に白川元日銀総裁さんのように見えてきましたね

 麻生財務大臣は、何故、日銀の新体制がスタートした矢先に、水をかけるような発言をしたのか?

 もちろん、私はリフレ派的な考え方に否定的な方ですから、この麻生財務大臣の発言は支持できる。

 しかし、麻生財務大臣は安倍総理をサポートしてアベノミクスを推進する立場にある訳で、その麻生大臣が安倍さんの考えをあたかも否定するようなことを何故言うのかという思いがするのです。

 この麻生財務大臣の発言を聞いて、安倍総理はどんな気持ちになっているでしょう?

 麻生さん経済通と自負しているが、やっぱり金融のことは分かっていないのだ、と安倍総理は思ったのか?

 そして、逆に麻生財務大臣の方は、安倍総理は今アベノミクスで人気絶頂だけども、経済を分かっているのは自分の方なのだ、と思っているのか?

 いずれにしても、そうして改めて意見の相違が表面化してくると‥小さな波が立ち始めるのです。

 でも、繰り返しになりますが、どうして麻生財務大臣はそんなことを言ったのか? 学者とはこんなものか、なんて。そして、実体経済が分かっていない人は、こういう発言をするんだなんて。

 はっきり言って、麻生財務大臣は岩田副総裁にダメ出しをしたということなのです。俺は、岩田なんて当てにしないぞ、と。よっぽど気にいらないのでしょうね。

 でも、もし、麻生財務大臣が岩田教授のことを気に入らないとすれば、浜田教授のことも気に入らない筈。そして、クルーグマン教授のことも気に入らない筈。

 そうなるでしょう? 理屈として。

 つまり、麻生さんは、正真正銘のケインジアンだということなのです。

 世の中が不況に陥っているときには、少々金利を下げたって効果はない。否、ゼロ金利にしたってお金を借りる人は現れなかったではないか、と。

 だから、そんな時には財政出動するしかないではないか!

 これが麻生流の経済哲学なのです。

 まあ、ある意味非常に分かり易い。

 でも、そうやって麻生財務大臣が、岩田教授や浜田教授の考えを否定するのであれば、それは即、安倍さんのリフレ政策を否定することにもなるのです。

 もう一度言います。今、安倍総理は、この発言をどのように感じているのでしょう?

 でも、心配は要らないのです。安倍さんのリフレ政策だって、信念に基づいた考えではないからです。つまり、借り物の考えであり、状況に応じて如何様にでも変わり得る。

 その証拠に安倍さんは、筋金入りのリフレ派たちが言うように、インフレを起こし、それを起爆剤として経済を活性化させるべしという考えに必ずしも固執していないのです。そうではなく、実体経済が回復する結果として、マイルドなインフレが起きるのでも結構であるというのが安倍さんの考え!

 その一方で、麻生財務大臣の考えは長年の経験に基づいたものだから、誰が何と言おうと一朝一夕で変わるものではないのです

 自分の考えを曲げないと言う意味では、麻生財務大臣と岩田教授はともに同じであり、二人が今後、意見の一致をみることはないでしょう。

 その反対に、リフレ派的な政策を掲げながらも、黒田総裁と安倍総理は割と柔軟な考え方をしているので、今後の状況次第ではどのようにでも自説を変える可能性がある。

 つまり、今は絶対にマイルドな‥具体的に言えば2%のインフレを起こすことが必要であると言っている訳ですが、この先、さらに株価の上昇が続き‥そして、実体経済が着実に回復しつつあることが確認できる状態になれば、この二人は必ずしもインフレを起こすことに拘らなくなると思うのです。

 いずれにしても、麻生財務大臣にしてみれば、何でもかんでも「金融」で解決できるなんて考えよりも、「金融」政策には限界があると認める、伝統的な日銀流考えの方が都合がいいのです。

 何故かと言えば、金融に限界があると認めればこそ財政の出番となり‥そうなれば、公共事業が復活する、と。

 逆に、「金融」で全ての経済問題が解決できるなんて言われた日には、財政の出番がないからです。
 
 asosirakawa(財務省のサイトより)

 つまり、麻生さんにとって、白川さんはマイナス面ばかりではなかったということなのです。








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 何故キプロスが問題なのか?

 ひょっとしたら、状況がイマイチ分かっていない人がいるかもしれません。

 そもそもキプロスって?という人もいるでしょう。

 愛と美の
女神アフロディーテ(ヴィーナス)誕生の地として知られるキプロス。地中海に浮かぶ島国なのです。人口は100万人弱。

 だったら、仮にそのような国の経済が立ちいかなくなったとしても、ユーロ圏全体に与える影響は小さいだろうしましてや世界に与える影響も微々たるもの、と思いたいところなのですが‥だからと言ってバカにできない面があるのです。

 もし、このキプロスがデフォルトを起こしてユーロ圏を離脱することにでもなれば、またぞろユーロ崩壊のシナリオが動きだし‥そうなるとまたしても超円高が襲うことが懸念されるのです

 では、何故キプロスが今危機に陥っているのか?

 実は、キプロスの産業の特徴は‥

 「観光業が主なのでしょ? 綺麗な海だし‥」

 もちろん、それもあるのですが‥それ以上に金融セクターが大きな比重を占めているのです。

 「アイスランドみたいな?」

 そういうことなのです。何しろキプロスの銀行が保有する資産は、GDPの8倍にも上るというのですから。

 それだけ金融部門が大きいと、バブルが弾けるなどしなければガンガンお金を稼いでくれる訳ですが‥逆に、バブルが弾けると、それが裏目に出てしまう、と。

 少しずつ状況が分かってきたかと思うのですが‥いずれにしても金融セクターの占める割合が余りにも大きくなり過ぎると‥仮に、民間銀行の経営が危うくなった時に、政府の力だけではとても支えることができなくなってしまうのです。

 だってGDPの8倍もある資産を民間銀行が保有し、そして、その資産の大半が不良債権化する訳ですから。

 日本に置き換えてみると、日本の民間銀行が500×8=4000兆円の資産を保有し、そして、その保有する資産の例えば半分が貸し倒れ処理されると2000兆円が損失となり

 その2000兆円を政府が穴埋めをすることなど、不可能でしょ?

 では、何故キプロスの銀行がそのように多額の損失を被っているかと言えば‥

 ギリシャの債務をチャラにして上げたことがあったでしょ?ギリシャを救済するために。だって、ギリシャには支払うお金がないからです。

 つまり、キプロスの銀行は、ロシアの富裕層を含む内外の預金者から集めたお金ギリシャの国債を購入していたが、その大半の債権がチャラにさせられてしまった、と

 言ってみれば、ギリシャを救うためにキプロスの銀行が犠牲になった訳で、こんなことになるのであれば、結局ギリシャ支援は何だったのかということになるのです。

 いずれにしても、今度はこうして
キプロスの銀行が危機的状態に陥っしまったので、誰かがそれを救う必要があるのです

 ギリシャの債務問題を処理する際に、このような副次的な問題が発生することは分かっていた筈。しかし、ギリシャの問題に関心が集まっている間は、キプロスのことなんか心配する余裕はなかった、と。先ずは、ギリシャをどうにかして‥そして、その後キプロスの問題が顕在化したら、その時にキプロスのことは考える、と。

 結局、欧州の政治家たちのやっていることは、その程度のことであるのです。

 ただ、それでも、あくまでも自分たちの責任と自分たちのお金で、そうした処理の仕方を選択しているというのであれば、外部の者が何かを言う必要もない。

 しかし

 欧州のリーダーたちのやっていることは、世界のための存在するIMFを巻き添えにして‥つまり、本来、自分たちだけで処理すべき問題なのに‥大きな負担をIMFに押し付けた上で、その場しのぎの処理というか、ババ抜きゲームを続けているだけなのです

 だから、日本人としては怒りたくなるでしょ?

ラガルド

 では、このババ抜きゲームは、今後どうなるのか?

 つまり、誰に負担が押し付けられるのか?

 キプロスの議会は、キプロスの銀行の預金者にババが押し付けられることを拒否した訳です。

 但し、もちろんこのままでは外部からの資金支援を得ることができずに、キプロスの銀行は破綻してしまいます

 いつ破綻するかと言えば、今度銀行の営業を再開した日に破綻するだろう、と

 では、いつ営業を再開するのか?

 キプロスは、21日、22日も銀行の営業を休みにすると決定したのだ、とか。

 だったら、25日の月曜日に営業が再開されるのか?

 但し、25日は、元々銀行の休業日になっていて‥そういうことで26日の火曜日に営業が再開され‥つま、26日がXデーになりそうだというのです。

 ですから、時間が若干あると言えばある。しかし、余りにも関係者が多く‥そして、代案をまとめるためには余りにも時間が少なすぎるとも言える。

 それに、よりによってこんな危機的な状況において、中心的役割を果たすべきIMFのラガルド専務理事の自宅が家宅捜査されたのだ、とか。

 信じられます?

 「国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事がフランスの経済財政相時代に職権乱用にかかわった疑いがあるとして、仏捜査当局は20日、同氏のパリの自宅を捜索した。ラガルド氏の弁護士は仏AFP通信に「ラガルド氏は何も隠していない」と疑惑を否定した。
 疑惑の発端は、サルコジ前大統領に近い実業家ベルナール・タピ氏によるアディダス株売却。手続きに携わった当時の国営銀行クレディ・リヨネの誤った対応で同氏は自己破産に追い込まれたとして係争を起こした。タピ氏は2008年に巨額の賠償金を得たが、係争の調停にラガルド氏が介入し、タピ氏に便宜を図った疑いが持たれている。」(日経電子版)

 これだけでは分かりにくいかもしれませんが、要するに、タピ氏はサルコジ大統領を支持していたことから、ラガルド財務相の助けを得て、クレディ・リヨネとのもめ事を裁判ではなく調停によって解決することができ、しかも、その際勝ち取った賠償金(約4億ユーロ)が相場よりも相当高いものであったと疑われているのです。

 いずれにしても、ラガルド氏の自宅に警察が乗り込んだ、と。

 何か似たようなことを思い出しますね。まだ、数年ほどしか経っていないのです。

 思い出しましたか?

 そうです、ラガルド氏の前任のストロス・カーン氏も、強姦容疑で、飛行機に搭乗した直後に機内で逮捕され‥結局、彼は釈放はされたものの、IMFの専務理事のポストを離れなければいけなくなってしまったのです。

 彼フランスの出身。そして、このラガルド氏もフランスの出身。そして、ともに政治家。

 このような人たちを、そもそもIMFのトップの据えること自体が適切なのかどうか?

 

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 キプロスの議会が19日、預金課税を否決したと報じられています。

 何でも、小額預金者への課税免除されるように修正されたのに、それでも反対36票、棄権19票‥賛成は1票もなく、反対多数で否決されたのだ、と。

 まあ、これで国民は少し安心しているでしょう。

 しかし‥

 その一方で、キプロス側が預金課税を否定したままで何の対案も示さないとすれば、外部からの資金支援を仰ぐことができず‥そうなれば、キプロスの銀行破綻してしまうのです

 但し、今のことろは銀行の営業を21日まで停止しているので預金の払い戻しに応じなくて済み、かろうじて破綻を免れているです。

 だったら、このまま銀行の営業を停止したままにしておけば、銀行は破綻することはないとも言える訳ですが‥その一方で、国民や企業は必要な資金を銀行から引き出すことができないので、経済が麻痺してしまうのです。

 では、一体、どうやって事態を打開するのか?

 考えられる手段としては、キプロスが代案を示す。つまり、相当規模の財源を自ら捻出する。

 でも、どんなことが考えられるのでしょう?

 観光地を担保にでも入れる?

 もし、有力な代案がないとなれば、
取り敢えず、
支援の前提条件を緩和してもらうしかなく、そのためには代表格のドイツを説得する必要があるのです。

キプロスとドイツ








































 いずれにしても、キプロスの経済規模が、ユーロ圏全体の0.2%程度しかないので、EUやIMFの関係者は、高を括っていたのではないのでしょうか?

 そして、また、キプロスは、ロシアの企業や富裕層の預金を大量に受け入れていて、しかも、それがマネーロンダリングの疑いが濃いからということで、キプロスを差別的な目でみていたことが、今回こうして混迷を深める原因になっているのではないでしょうか?

キプロスとロシア

 







































 
預金課税が否決されて国民はほっとしているでしょうが‥しかし、だからと言って事態は全然改善していないのです。

 それどころか、本当に銀行が破綻して、経済活動が麻痺してしまう可能性が大きくなっているのです。

 こうなったら、潰れるべき銀行は一旦潰した上で、しかし、同時に受け皿の銀行を設立して、預金債権などを引き継ぐ方式を考えるべかもしれません。

 そうして、銀行が潰れてしまえば、預金者たちもある程度の負担を受け入れざるを得ないと思う訳ですから。




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