経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2013年04月

 突然ですが、最近セルインメイという言葉をよく聞きませんか?

 ご存知ない? Sell in May

  株式投資をしている人々に対する教えであり、5月には株を売れ、と。

 では、売った後どうするのか? Sell in May の後にはまだ文章が続くのです。

 Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day.

 5月に売って、ここから立ち去れ。 そして、セント・レジャー・デー(9月の第二土曜日。この日に競馬の大レースが行われる)まで戻ってくるな。

 夏場は商いが薄くなりがちであり、そして、過去の歴史をみても、この期間は株価が余り上がらないと統計的に出ているのだとか。もっと具体的に言えば、11月から4月までの半年間と、5月から10月までの半年間を比べると、前者の方が明らかに株価の上昇率が高いのだ、と。

 ということで、5月に入ったら株を売れという教えのです。

 でも、アベノミクスに酔っている人々には、そのような教えは耳に入らないでしょう。

 kabu2
 いずれにしても、Sell in May ではありませんが、面白そうな投資の格言を集めてみましたので、皆さんもその意味合いをじっくり味わって頂けたら、幸いです。

 
 先ずは、株の買い時に関して。

 株を買うならいつか?

 今でしょ!

 



 
最近の流行文句ですが‥

 The time of maximum pessimism is the best time to buy and the time of maximum optimism
is the best time to sell. (John Templeton)

 「悲観論が極限に達したときが最大の買い時であり、楽観論が極限に達したときが最大の売り時である」

 こんな格言を示されると‥今は、買い時というよりも売り時になってしまいそうです。

 こんなのもあります。

 Only buy something that you'd be perfectly happy to hold if the market shut down for ten years. (Warren Buffett)

 「仮に株式市場が10年間閉鎖になっても全く問題なく保有しておくことができる株だけを買え」

 そんなことを言われると困ってしまいますか? 私は、この格言は好きですね。

 こんなのもあります。

 If you have trouble imagining a 20% loss in the stock market, you shouldn't be in stocks.
(John (Jack) Bogle)

 「株価が20%落ちたことを想像して悩む位だったら、株式相場に手を出すべきでない」

 でも、儲かるから止められない。

 October: This is one of the peculiarly dangerous months to speculate in stocks. The others are July, January, September, April, November, May, March, June, December, August and February. (Mark Twain)

 「10月は、株の投機が特に危険な月である。それ以外に危険な月と言えば、7月、1月、9月、4月、11月、5月、3月、6月、12月、8月、そして2月だ」

 面白いですね。でも、幾ら脅かしてもアベノミクスの前には無力。

 こんなのはどうですか?

 The four most dangerous words in investing are 'This time it's different'. (John Templeton)

 「投資の最も危険な4つの単語からなる言葉は、『今回は違う』」

 アベノミクスで、異次元の緩和策が実施されているから、今回は明らかに違うと思っている人々が多いとおもうのですが‥

 では、株式投資をしても、損をしない教えはないのか?

 Rule No. 1: Never lose money. Rule No. 2: Never forget rule No. 1.

 「規則その1、お金をなくすな。規則その2、規則その1を忘れるな」

 仮に運よくお金を儲けることができても、それで幸せになれるとは限らないという教えもあります。

 No matter how hard you hug your money, it never hugs you back.

 「どんなにきつくお金を抱きしめても、お金はあなたを抱き返すことはしない」

 Money will buy you a fine dog, but only kindness will make him wag his tail.

 「お金があると素敵な犬を手に入れることができるが、可愛がらないとその犬がなつくことはない」

 確かにそのとおり。そして、お金があっても友達はできない。それどころか‥

 Money couldn't buy friends, but you got a better class of enemy. (Spike Milligan)

 「お金で友達を買うことはできなかったが、敵は作ってしまった」

 Time is more valuable than money. You can get more money, but you cannot get more time.
 (Jim Rohn)

 「時間はお金より価値がある。貴方はもっとお金を手に入れることができるが、もっと時間を手に入れることはできない」

 まさに、そのとおり。

 過去、NTT株が政府によって大量に売りに出されたことがあります。最初はブームが起きたのですが、その後大暴落。あの当時、役所にどれだけ苦情の電話がかかってきたことか!

 Investors have very short memories. (Roman Abramovich)

 「投資家は忘れやすい」

 どうしても、投資したいのなら、これは如何でしょう?

 Never invest in any idea you can’t illustrate with a crayon.

 「クレヨンで絵に描いて説明できないような投資話には決して乗ってはいけない」

 最後は、これです。

 There is no finer investment for any community than putting milk into babies. (Winston Churchill)

 「どのような社会にとっても、赤ん坊にミルクを飲ませるほど素敵な投資はない」

 まさに名言。


  名言は、聞いた時には納得しても、直ぐ忘れてしまうことが多い、と思う方、クリックをお願い致します。
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 ゴールデンウィークにブログをご覧頂きありがとうございます。

 さて、本日私は、次のような記事が目に留まりました。

 「一円玉の製造、3年連続ゼロに 需要低迷続く 」(日経)

 どういうことかと言えば‥

 「財務省は2013年度、一般流通向けの一円玉を製造しない方針だ。11〜13年の3年連続で一円玉の製造はゼロになる。電子マネーの急速な普及などで、一円玉の需要低迷が続いている」(同じく日経)

 皆さん、この記事をお読みになって何か感じますか?

 「別に‥」ってですか?

 1円玉の製造が3年連続ゼロになるというのですが、これは黒田総裁の異次元緩和策と整合性が取れるものなのでしょうか?

 黒田日銀総裁は、マネタリーベース、つまり日銀による資金供給量を2年間で倍増すると確約したですよね。

 もちろん、1円玉のような硬貨の製造について日銀が関知することはないのですが‥でも、その代り麻生財務相に責任ある。そして、その麻生財務相は、黒田総裁とともにアベノミクスを推進する中心人物の一人。

 要するに、アベノミクスで言う大胆な金融政策と、1円玉のような硬貨の製造をストップしていることは矛盾しないのか、と問いたいのです。

 はい、そこの貴方、今1円玉だろうって、バカにしませんでしたか?

 1円を笑うものは1円に泣く。

 それに、近年製造が減っているのは、何も1円玉だけではなく、硬貨全般について言えることなのです。

コイン製造枚数推移

 そこの貴方は、電子マネーの普及が理由だから、1円玉の量が増えなくても問題がないと考ているのですか?

 だったら、次のような質問をしたいと思います。

 電子マネーの普及で、1円以外の10円玉や100円玉製造も少なくて済むようになるとどうなるのでしょうか? つまり、世の中に流通するコインが減るとどうなるのでしょうか? 

 さらに言えば、同じように電子マネーやクレジットカードの利用が急速に増えて、お札の流通量が少なくて済むようになったときに、アベノミクスを支持する人々は、そのような事態にどう対処するのか?

 それでもお札や硬貨の流通量をどんどん増やすべきだと考えるか?

 

 リフレ派的な考えを支持する人々は、お札や硬貨の流通量が少なくなれば、物価が下がってデフレが酷くなるからそれは受け入れられないと考えるのでしょうか? そしてまた、円高になると主張するのでしょうか?

 だったら、例えば安倍総理は、1円玉も10円玉も100円玉も、どんどん製造して、どんどん流通させた方がいいと考えるのでしょうか?

 想像すると楽しくなりますね。

 しかし、仮に幾ら政府が、コインやお札で支払いをしようと努めても、そうしたコインやお札の多くはいずれは民間の金融機関に預けられ、そして民間の金融機関も余分なお金は日銀に預ける。そて、流通に必要とされない余分なコインは再び政府に還流する仕組みになっているのです。

 そうやって還流するコインの受け取りを政府は拒否できない。だから、コインの流通量を政府がコントロールすることはできないのです。

 そこまで分かったなら、世の中に出回るお札の量だって、そう簡単にコントロールすることができないことくらい分かる筈。

 しかし、リフレ派は、それでも世の中に出回るお金の量を増やせと主張する。

 一方、リフレ派を装っている黒田総裁も、現金の流通量をコントロールすることが如何に難しいかを多分承知しているから、日銀券の発行残高を目標にするとは口が裂けても言えない

 しかし、白川前総裁とは違うところを見せなければならなかった。だから、マネタリーベースを新たに目標値として掲げると言った。

 でも、マネタリーベースは、お札とコインと、そして民間銀行等が日銀に預けている当座預金を合わせたものであって、そして、今言ったようにキャッシュの量をコントロールするのは大変困難であるので、結局、マネタリーベースを目標にすると言っても、本当は日銀当座預金残高を目標値にするの何ら変わらないのです。

 しかし、日銀当座預金を目標にすると言えば、10年以上前の量的緩和策と同じになってしまうので、全然格好がつかない。だから、マネタリーベースなどという言い方で茶を濁す。そして、異次元の政策だなどとホラを吹く。

 確かに放出する資金量の多さには驚きます。しかし、その殆どが日銀当座預金口座に眠ったままならば、果たして、どんな効果が生まれるかはなはだ疑問なのです。

 いずれにしても、財務省が、最近硬貨の製造に熱心でないことを安倍総理はどのように評価するのでしょうか?


 政治家は、お金の量をコントロールしようなんてことを考えるよりも、もっとやるべきことがある筈だ、と思う方、クリックをお願い致します。
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 本日の日経新聞の5面には次のような文字が躍っています。

 「外貨準備で新興国国債」「日本・ASEANが通貨交換協定」

 どう思います? というか、何のことか想像がつきますか?

 そうなのですよ。昨年関心を集めた日韓通貨スワップのASEAN版を政府が企んでいるのです。

 昨年、あだけ批判されたのにですよ。

 こんな風に書いてあります。

 「日本が外貨準備で新興国の国債を購入すると同時に加盟各国との通貨交換協定を拡充するのが柱で、ASEAN諸国や日本からの進出企業の資金調達を支援する」

 はっきり言わせてもらいます。

 何故日本政府が、新興国の国債を購入しないといけないのか? それにこれは、脱法とまでは言わないまでも、政府自らが決めたルールを潜りぬける行為でもあるのです。

 そもそも、日本政府はそんなにお金が余っているのか?

 そんなことはない。政府債務の対GDP比率は群を抜いて世界一。確かに、国債の殆どは国内の投資家によって消化されてはいる。だから、単純に海外と比べることができないのはそのとおりですが、しかし、それにしても世界一であることには何ら変わりがない。

 また、だからこそ現政権としても財政健全化に乗り出すと明言しており‥先日、麻生副総理がG20会合で訪米した際にも、麻生副総理は、日本は来年の4月に増税を予定しているとはっきり述べているのです。

 「この点、私は昨年の与野党合意による税制抜本改革法の成立を誇りに思っています。その法律に従い、消費税率を来年4月に現在の5%から8%へ、そして2015年10月に8%から10%へと引き上げることが予定されています。」

 ちゃんと言っているでしょう?

 麻生さんの頭のなかでは、もう確実に消費税が10%に上がるシナリオになっている。

 そして、何故消費税の増税が必要かと言えば、政府にお金がないから。

 そんな日本政府が、つまり国債を大量に発行しなければやっていけない日本政府が、何故海外の新興国の国債を買う必要があるのか? 

 日経新聞には「5月3日に、日本とASEAN加盟国が財務相・中央銀行総裁会議を初めて開催し、新たな金融協力の枠組みを発表する」と書いています。そして、「会議には麻生太郎副総理兼財務相と日銀の黒田東彦総裁が出席する」と。

 米国では、日本は増税に乗り出すと言インドでは、日本が新興国の国債を購入してあげると言う。

 いい加減にして欲しいと思います。

 でも、ひょっとしたら、私と反対の考えを持つ人もいるでしょう。特に経済界に。新興国と日本の関係強化が図られれば何かと自分たちは好都合だから、と。

 ということは、日本政府は、海外進出するような企業を応援したいということなのか? さらに言えば、企業の海外脱出をむしろ支援するということなのか?

 或いは、「日本は、大量に外貨準備を保有しているので、その外貨準備で新興国の国債を購入するのなら問題はない」なんて意見が聞こえてきそうな気もします。

 どう思いますか?

 確かに、日本政府は中国に次いで膨大な外貨準備を保有しているのは事実。

 しかし、それは日本政府がコツコツと貯めたお金ではないのです。全く反対です。外貨準備は、全て投資家から借りたお金が原資になっているのです。つまり、円を借りて、その円を外貨に交換して保有しているだけの話。何故、そのようなことをするかと言えば、そうやって円を主にドルに交換することにより円の価値を低く押さるようなことを繰り返してきた結果が、膨大な外貨準備になっているのです。

 つまり、外貨準備という言葉に騙されてはいけないのです。

 外貨準備というから、如何にも政府が余裕資金を保有しているような雰囲気醸し出されますが、それは全くの錯覚。日本の外貨準備は、政府が誰かから借りているお金に過ぎないのです。

 従って、その借金が原資となっている外貨準備で、新興国の国債を保有するなんていうことになれば、日本政府が借金をして、新興国に融資するのと同じなのです。

 しかし、このブログで何度も述べたとおり、海外を支援するのなら、本来なら円借款というODAの枠組みを利用すべきなのです。

 しし、円借款を与えるためには、相手国が開発途上国である必要がある。

 何故そんなルールを設けているのか?

 だって、そうしないと幾ら国際協力のためとはいえ、お金がいくらあっても足りないからです。それに円借款の場合には、安い金利が適用されるからです。お金持ちの国に、安い金利のお金を貸す必要などないでしょ?

 だから、韓国などは、そうした円借款の枠組みを幾ら利用したくても、利用できない。

 そこで、外貨準備に目を付けた、と。

 外貨準備で米国債を購入したり、或いはユーロ建て債券を購入したりできるのだから、韓国の国債を購入することのどこが悪いのか、と。

 では、外貨準備のお金、そのようなことのために使っていいのか?

 これが、ドル資産であったり、ユーロ資産であったり、ポンド資産であれば、日本が万が一のときにモノをいう頼りになる存在と言ってもいいのですが、例えば、韓国国債やフィリピン国債、或いはタイの国債を保有していたとして、それが万が一のときに即座に換金できるのか? ちゃんとした支払い手段になるのか?

 韓国国債は微妙かもしれませんが、いずれにしても安心することはできないのです。そんなの分かり切った話ではないですか?

 つまり、そうした新興国の国債に投資することなど、外為特別会計制度の本来の趣旨に反する行為だと言わざるを得ないのです。

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 そんなことを平気で行おうとする黒田元ADB総裁。

 外貨準備を管理する外為特別会計は、昔からブラックボックスになっていて、財務省にとって使い勝手のいい財布になっているのです。

 しかし、今言ったように、その外貨準備のかなりの部分が新興国などの国債で運用されるとなれば、外為特別会計の資産内容が悪化してしまうのです

 通貨交換協定についても、同じようなことが言えるのです。

 日本の円は、世界中どこに行ってもその価値が認められる。そのハードカレンシーの円と、新興国のソフトな通貨を交換するなんて、常識では考えることができないのです。しかも、それが日銀という中央銀行が自己の責任の下に行うならともかく、これまた外為特別会計がしゃしゃり出る訳ですから、外為特別会計の資産内容が悪化してしまうのです。

 どうしても進めたいの?

 やっぱりまだアジア共通通貨構想を諦めていないということなのでしょうか、黒田さんは。





 外為特別会計による通貨交換協定と新興国国債の保有は、やっていはいけないと思う方、クリックをお願い致します。
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 麻生副総理が、またマスコミや野党の議員が食いつきそうな発言をしています。
 
 24日の夜に都内で開かれた会合でこんなことを言ったとか。

 20130419_2
 (財務省のサイトより。 G20後の記者会見。発言の内容とは関係のない写真です)


 「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているやつの医療費はおれたちが払っている。公平ではない。無性に腹が立つ」「生まれつき体が弱いとか、けがをしたとかは別の話だ」

 如何です?

 でも、それだけではないのです。医療費を削減するアイデアまで述べているのです。

 「10万円あげます、となったら『ちょっと病院行こうかな』という人が行かない。70歳以上の医療費は百数十万円かかっている。もっともカネのかからない方法で政府支出も抑えられる」

 麻生副総理は、財務大臣でもあるのですから、日本の財政健全化のために知恵を絞るのは仕事のうち。いいアイデアがあるのなら、どんどん出してもらいたい。

 いずれにしても、こんなことを言えば、恐らく問題視するメディアや野党議員が現れることでしょう。そして、その一方で、そうした問題視するメディアなどに対し、ネトウヨか何かしりませんが、麻生さんの熱狂的な支持者たちが、「言葉狩りだ!」と批判する。

 私、常々思うのは、麻生さんの発言っていうのは床屋さんでよく聞かれるような議論多いな、ということです

 一言で言えば、床屋談義。床屋さんで近所の親父が話をする分には、誰も異議は述べない。それどころか、それに同調する人も多い筈。

 以前もありましたよね。証券会社は田舎では株屋と言われていて、印象がよくない‥なんていう発言が。

 あれと同じ類の発言だと考えていいでしょう。

 確かに、かなりの人が、高齢者の医療費に関しては似たような感想を抱いていると思うのです。そんなに毎日、病院に通う必要があるのか、と。

 でも、慎重な人、或いは紳士と思われたい人は、そのようなことは思っていても口には出さない。だって、相手は病人ですから。そして、高齢者なのですから。そのような人々を十把一絡げにして話をすると必ず反発を食らう。

 だって、中には本当に気の毒な人もいるからです。

 で、そこのところは、麻生氏も「生まれつき体が弱いとか、けがをしたとかは別の話だ」と予防線を張

 本日私は何を言いたいのか?

 いいんですよ、国民には思想信条の自由があり、表現の自由も保障されている。だから何を言ってもいい。しかし、副総理であり財務大臣でもあるのだから、それなりの‥というよりも大変大きな責任も同時にある筈。

 本当に10万円を高齢者に渡すことによって医療費の削減が実現できるのなら、何故すぐにでも実行しないのか?

 麻生さん、すぐやるべきですよ。

 もちろん、そのアイデアを実行したくても、厚生労働省や財務省の事務方の反対があるかもしれない。

 しかし、本当にそれで医療費を削減できると信じるのなら、実現に向かって努力をして欲しい。麻生さんは、そのアイデアを実行すべく役人たちに指示したのか?

 そこなのですよ。

 それに、言いたいことが分からないでもないが‥麻生さんは大きな誤解というか、事実をよく理解していないところがある。

 彼は何について誤解しているのか?

 それを一つ一つ解説しましょう。

 「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているやつの医療費はおれたちが払っている」

 この「おれたちが払っている」という認識が先ず間違っている。

 正しくは、「おれたちに請求書が送られてくる」。

 いいでしょうか? もし、「おれたち」が誰かの負担をちゃんと肩代わりしているのであれば、国債の発行残高が700兆円に達するなんてことにはなっていないのです。

 そうでしょう? 「おれたち」は今後増税という形で請求書を突き付けられるかもしれないが、まだ払ってはいないのです。

 でも、その点はまだ見逃すことができる。問題は次のことなのです。

 麻生さんは、「公平ではない。無性に腹が立つ」と言います

 しかし、公平でないことをしているのは政治家自身ではないのでしょうか?

 景気が悪いからといっては、公共事業の大盤振る舞いをして、そのツケは消費者に押し付ける。困っているのは何も土木業者だけではないのです。いろんな職業の人がいるのです。何故、土木業者だけ?

 これ、公平ではないのではないでしょうか?

 景気をよくするためといって、自動車や家電の購入に補助金をばら撒く。自動車などを買わない人は補助金をもらえないにも拘わらず、ツケだけは押し付けられる。

 これ、公平ではないのではないでしょうか?

 それに、そうした政策を推し進めようとする政治家自身が、どういう訳か無税の政務調査費が月100万円も渡される。その政務調査費がちゃんと政治家の活動のために使用されるのならまだしも‥どう考えても理屈の付かない使い方に使用されることがあるではないですか?

 これも公平ではない。

 それに、「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているやつの医療費はおれたちが払っている」という認識も‥

 経済通を自認するのであれば、もう少し玄人らしい発言をしてもらいたいと思うのです。

 確かに、暴飲暴食をした病人の医療費を健康な人々が負担していると言える。しかし、では、病人だけが利益を得ているのか?

 違います。表向きはそうした病人が助けられているように見えるのですが、本当は、日本の医療保険制度によってお医者さんたちが助けられているのです

 もし「おれたち」が負担をしなければ、暴飲暴食をして病気になった人たちの何割かは病院に行くことができない。そうなると、病人たちも困るが、それと同時に多くの病院が赤字になってしまうのです。

 だったら、「おれたち」は病院を助けるために負担を押し付けられているとも言えるので、「おれたちの不満は病院に対しても向けられるべきものなのです。

 違います?

 麻生さんのことをけなしてばかりではいけませんね。彼はいいことも言うのです。

 麻生さん健康で病院に行かなかった高齢者には10万円渡して、医療費を削減しようというアイデアが採用される可能性が大きいとはとても思えないのですが、本質をとらえた議論であることは確かなのです。つまり、経済学的には筋がいい、と。

 健康でありつづければ、10万円上げると政府が言う。そうすると、健康でいようとする動機付けができる。

 もちろん、度が過ぎて、本当は医者にかかるべきだった病人が医者にかからずに却って病気が悪化するなんて弊害も考えられますが‥今は取り敢えずその問題は度外視します。

 もし、10万円与えることによって医療費が削減できるということが立証できるとすれば、のアイデアをもっと幅広く応用することができるようになるでしょう。

 例えば、児童手当について、一律に支給するのではなく、成績が向上した人には手厚く支給するとか或いは企業が儲ければ儲けるほど、適用される法人税率を低くするとか。

 世界中どこに行っても、法人税減税すべきだという議論が聞かれる時代になってしまいましたが、何故そのようなことが言われるかと言えば、そうしないと企業が海外に脱出してしまうからだ、と。

 政府がこんなに莫大な借金を抱え、だから消費税の増税が必要不可欠だと政府は主張する一方で、法人税の増税には二の足を踏んでしまう。

 何故かと言えば、企業の脅かしに負けているからです。法人税を上げて企業が海外に脱出してしまえば、何にもならない、と。

 しかし、世界中がそんな考えでいるから、自分の国だけ低い法人税率にして、世界中から企業を集めようという不届き者の国家が現れるのです。つまり、それこそが近隣窮乏化策。自分の国さえ発展すれば他の国はどうなってもいい、と

 それではいけないのです。

 それに、そもそも幾ら儲けても、結局、税金で持って行かれると思うから、有能な税理士を雇い、そして、様々なテクニックを弄して課税所得と小さく見せようと努力する。

 これが、もし、課税所得が大きくなればなるほど適用される法人税率が下がるシステムであれば如何でしょう?

 そうなれば、今ほどは節税の努力をする必要がなくなるのです。

 でしょう?

 だったら、利益の大きい企業こそ優遇すべきです。

 財務大臣の麻生さんは、何故それを主張しないのか?

 そうすれば、法人税率は全体として下がるかもしれないが、国に納められる法人税の総額が増える可能性があるのです。

 麻生さんの今回の発言を叩き台にして、生産的な議論に発展することを切に望みたいと思います





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 4月4日に異次元緩和策が発表されてから3週間になろうとしています。

 もう3週間、それともまだ3週間? 黒田氏が総裁に就任してからは1か月以上が経過した訳ですが‥

 いずれにしても、皆さんは黒田総裁にどんな成績を付けるでしょう?

 成績を論ずるのは早すぎる?

 そうかもしれません。だって、まだたった1か月ですから。

 でも、その反対に、こうして株価が上げ続けているので、黒田総裁を支持する人が多いことが十分予想されるのです。というか、先日の世論調査で、過半数の方が異次元緩和策を支持するという結果が出ていました。

 では、黒田総裁が4月4日に言っていたことが着実に実現しているのか?

 本日は、その辺りについて、じっくり検討してみたいと思います。

 先ず、4月4日の記者会見のなかから重要であると思われる発言をピックアップしてみました
 
  「金融市場調節の操作目標としては、マネタリーベースが一番適切だろうと考えました。それから、マネタリーベースは、端的に言うと、日本銀行の出す通貨、お金という意味でも分かりやすく、学界でも一番よく知られている指標ではないかと思います」

  「長めの金利をさらに下げていく、あるいは資産価格のプレミアムに働きかけていくことによって、より十分あるいは迅速に資金需要に対応できるようになり、その結果、これまでよりも、当然、資金需要が出てくるわけです。このような形で、かなり直接的にイールドカーブ全体を下げ、リスクプレミアムを縮小していく効果があります」

 もう私が言うまでもなく、黒田総裁は、「2倍2倍」の金融政策に乗りだし、マネタリーベースを2年間で倍増するというのです。日銀が供給するマネタリーベースが2倍になれば、流石にインフレが起きるだろう、と。

 では、3月上旬以降、マネタリーベースはどのように推移しているかと言えば‥

 グラフをご覧ください。

銀行券

 日銀が保有する国債の残高が10兆円も増えています。

 そして、それに合わせて、日銀当座預金も24兆円ほど増えている、と。

 つまり、マネタリーベースがどんどん拡大しており、黒田総裁が言ったとおりに事態は進んでいるのですが‥でも、肝心の銀行券の発行残高は、たった1千億円しか増えていないのです。国民一人あたりにして約1千円。

 これで世の中に出回るお金が増えていると言うのでしょうか?
 
 みんな騙されている!

 もとい、騙されているというのは、誤解を招く発言です。

 みんな勝手に勘違いしている。或いは真実に薄々気が付きながら真実を見ないようにしている

 特にリフレ派を自称する皆さんには、しっかりと真実を見つめて欲しいのです。

 お金をじゃぶじゃぶ市場に投入すると言えば、世の中に出回るお札、つまり日本銀行券が増えることを意味するのではないのですか? そしてまた、諸君は、世の中に出回る日本銀行券の量を増やせと、日銀に圧力をかけてきたのではないのか!?

 だって、お札をじゃんじゃん刷ればいい、と言っていたではないですか!

 しかし、日本銀行券は、たった1千億円しか増えていない。つまり、お札は刷っていない。

 もちろん、当座預金残高が急速に増大しているので、民間銀行がその気になれば、幾らでもキャッシュを引き出すことは可能。しかし、殆ど引き出さないから、当座預金の残高だけが増え、日銀券は増えない。

 2倍、2倍なんていっても、全然お金が増えている訳ではないのです。

 黒田総裁は、そもそもマネタリーベースを目標とするなんて言わずに、日銀券発行残高を目標にするべきではなかったのか?

 彼は4月4日の段階で、次のように言っていたのです。

 「「量的」な目標をきちっと導入した方がよいわけです。その際の目標の候補としては、一番狭い意味では、かつての量的緩和時のような「日銀当座預金」があり、広いものでは「マネタリーベース」、さらには「バランスシート」があると思います。このうち、経済学的な観点から言えば、やはり「マネタリーベース」が分かりやすく、かつ金融市場調節の操作目標として適切な指標であろうと考えました。資産総額であれ、当座預金残高であれ、期待に与える影響は一定程度あるとは思いますが、マネタリーベースが、学界で一番エスタブリッシュされている量的な指標であるということと、金融市場調節の操作目標という観点からマネタリーベースが一番適切ということで、このようにしたわけです」

 この発言を、貴方はどのように理解しますか?

 私は、この発言に黒田総裁の率直さを感じることはありません。それどころか、人々を錯誤に引き込もうとしてる。そして、問題の本質を逸らそうとしている。

 だって、そうではないですか?

 そもそも筋金入りのリフレ派なら、そんな屁理屈を並べるまでもなく、何故「日銀券の発行残高」を目標にすると言わないのか?

 日銀券の発行残高をコントロールできるはずだし、それができないようだったら、できる総裁に交替させたらいいというのが、リフレ派の主張だったのではなかったのか?

 そうでしょう?

 それに対し、日銀は以前から、どんなに日銀がしゃかりきになっても、日銀券の発行残高を自分たちの意のままにコントロールなどできないという考えであった。

 そして、そうした考え否定してきたのが岩田副総裁であり、竹中教授であったのです

 推測ですが、黒田総裁、日銀券の発行残高がそれほど簡単にコントロールできるものではないと以前から感じていた。だから、日銀券の発行残高を目標値に据える訳にはいかず、さればとて、日銀当座預金を目標にすると言えば、全然目新しくないので、それでやむなくマネタリーベースを使ったに過ぎないのではないのか。

 いずれにしても、幾ら当座預金残高が膨らんだところで、日銀券の発行残高が増えないことにはインフレが起きたり、景気がよくなったりすることはないでしょう

 従って、もし、このことについて多くの人々が気が付き始めると、人々の期待というか予想に訴える筈の戦略が、却って裏目に出てしまう恐れあるのです。

 次に、黒田総裁が言っていた、長めの金利に働きかけるというシナリオは、どうなっているのでしょう? つまり、長期金利は下がっているのか? そして、イールドカーブは下がってきているのか?

 次のグラフをご覧ください。

国債利回り
 金利は、異次元緩和策発表時点で、一時的に大きく下がっているのですが‥それ以降は、下がっているというよりも、上がっているような雰囲気なのです。

 つまり、金利に関しては、黒田総裁のシナリオ通りには運んでいない、と

 でも、黒田総裁に対する支持は、極めて高い。

 結局、多くの人々は、理屈がどうかなんてことには関係なく、為替がどうなるか、株価がどうなるかが全てではないのでしょうか?







 


 いずれにしても、以上のような状況を考えた上で、黒田総裁を評価すればどのような点を付けるべきなのでしょうか?

 黒田総裁が政治家ならば、十分合格点を上げていいとは思うのですが‥


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 安倍政権の支持率が上がっています。株価が上がっていることですし‥

 新しい日銀の金融政策を支持する人も多いようです。これも、異次元緩和のお蔭でさらなる円安を招き、さらに株価を上げていることが大きいと思います。

 では、今後、安倍政権の、そして黒田総裁率いる日銀にとっての課題は何か?

 いろいろある訳ですが‥多くの人が思っていることは、本当に2年で物価上昇率が2%にまで上がるのか、ということだと思うのです。

 私は、そうしたリフレ派的な手法を支持しないこともあり、何が何でもインフレを起こすようなことは必要はないと考えるので、何故そこまでしゃかりきになってインフレを起こそうとするの疑問のです。でも、安倍総理やリフレ派の人々は、ここは何としても2%のインフレ率を引き起こすことが必要だと考えているでしょう。

 いずれにしても、本当にインフレになるのか?

 黒田総裁のこれまでの発言を総合すると、2年間経過すれば、概ねその程度のインフレ率に達すると彼は考えているのでしょう。何といっても、2年間でマネタリーベースを2倍にするというのですから‥もし、それでもインフレが起きないのであれば、これは明らかにリフレ派が主張してきた政策が合理性を持たない証拠にもなってしまうのです。

 その意味でも、何が何でもインフレを起こさなければならない、と。

 従って、例えば、来年の4月頃になってもまだインフレ率がゼロ近辺を彷徨っているとすれば、さらに大胆な追加策を打つでしょう。

 貴方も、そう思うでしょう?

 しかし、2年でインフレが起きるなんて考えている人々は、私はアホじゃないかと思ってしまうのです。

 何故か?

 だって、このままの情勢では来年4月に消費税の増税が実施されることがほぼ確実だからです。

 つまり、異次元緩和策が物価を上げる効果が今後見られないと仮定しても、来年の4月になれば、増税によってモノやサービスの価格が3%近く上がるのです。

 もちろん、消費者が増税に反対して、増税の分消費を抑えるならば、思ったとおりの値上げにつながらないのは事実。また、政権与党が法律を制定してまで禁止しようとしている消費税増税還元セールなどが、仮に大々的に日本中で展開されるようなことになれば、これまた思ったとおりの値上げにはつながらないでしょう。

 しかし、私は、来年4月に物価上昇率は2%を超えると予想します。

 何故か?

 だって、そんなこと過去の経験から十分推測がつくではありませんか?

 19997年4月に消費税が5%に引き上げられたとき、物価はどうなったか?

消費者物価指数と増税

 2%ほど上がったのですよ。恐らく今回もそうなる。否、それ以上のことが起こる。何故ならば、あの当時は、銀行や証券会社がバタバタ潰れるような最悪の時期であったのですが、今回は、むしろ株価が上がり、ムードが大きく好転していてインフレになり易い状況になっているからです。円安の影響もあるでしょうし。それに前回は、消費税率が2%ポイント引き上げられただけなのに、今回は3%ポイントも引き上げられるのです。

 但し、1997年の消費税増税の影響は1年間しか続かず、その後は、またインフレ率が低下してしまいました

 では、来年の4月に消費税増税が実施されても、インフレが起きるのは1年間だけで、2015年4月以降には、インフレ率は再び低下してしまうのか?

 しかし、今度の増税は2弾構えであることを忘れてはなりません。

 2014年4月に消費税率を5%から8%に引き上げるのが第1弾。そして、その1年半後の2015年10月に第2弾として、さらに消費税が10%に引き上げられることが予想されているのです。

 つまり、2015年4月以降、一旦は増税による効果が消えてしまうでしょうが、その後半年もすればまたしても物価を2%程度引き上げる効果が表れるでしょう。そして、第2弾の増税の効果も1年間は続く訳で、そうなれば、2014年4月から2016年9月頃までは、増税によって物価上昇率が押し上げられる
ことがほぼ確実であるのです。

 先ず、異次元緩和策によって円安が引き起こされ、それが物価を押し上げる。

 そして、株価の上昇によって、経済活動が上向く可能性があり、それがまた物価を押し上げる。

 さらに、今言った2段構えの増税によって、確実に物価を押し上げる。

 ということで、黒田総裁が今後何もしなくても、来年4月以降インフレ率が2%以上になることは確実だと私は予想しているのです。

 だから、この先、政府や日銀が注力すべきことは、これ以上物価を上げることではなく、物価が上がっても国民の生活が苦しくならないようにすること、或いは、インフレが起きたときの対応を考えておくことであるのです

 そのためにはもちろん賃金が上がることが一番望まれます。そして、そのために政府が、労働組合の存在意義をなくしてしまうほど張り切っているの承知しています。でも、そう簡単にはいかないでしょう。

 いずれにしても、来年4月以降インフレ率が2%を上回るような状態が出現すると、今度はそれに合わせて長期金利が上がるのが必至。

 そして、長期金利が上がるいうことは国債の価格が下がるということで、投資家が日本国債を敬遠する動きに発展する懸念がないとも言えない。

 つまり、皮肉なことに政府が日本の財政を健全化しようとして増税に着手することが、インフレ率を高め、そして、そのことが長期金利の引き上げを招き、国債の価格を低下させてしまう、と。

 そのようなことが十分起こり得るという認識が、安倍総理や麻生副総理にあるのでしょうか?

 そうなってから驚かないように、政府は十分シミュレーションをしておく必要があるで

 そもそも、増税によってインフレ率が高まった場合、それをどのように扱うのか、つまり、別枠として考えるのか? 理由は何であれ、インフレになったと歓迎するのか、その辺りの考え方が整理されていないのではないでしょうか?


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 突然ですが、経済学の初歩的質問をしてみたいと思います。

 先ず、次の文章をお読みください。そして、それが正しいことを言っているか、間違っているのか、間違いであるならば何故間違いだと考えるのかをお答え下さい。

 「国が不況期に借金をして公共事業を実施し、好況になったら税収を増やして借金を返せば、景気の変動幅を小さくすることができます。この機能を経済学では『ビルトイン・スタビライザー』(自動安定化装置)と呼びます」

 さあ、如何でしょうか?

 「国が不況期に借金をして公共事業を実施し、好況になったら税収を増やして借金を返せば、景気の変動幅を小さくすることができます」

 それはそのとおり。

 問題は、その機能がビルトイン・スタビライザーと呼ばれるのか?

 如何です?

 違いますよね。だって、政府が何も特別なことをしなくても、景気の変動幅を小さくすることができるから「自動」安定装置なのですから。

 景気が過熱しているからそれを冷やし、景気が悪いから景気対策を打つのでは、「自動」ではないではないですか?

 それでもイマイチ信用できないというなら、OxfordのDictionary of Economicsの定義をご紹介しましょう。

Dictionary
・built-in stabilizers

  Any features of the economy that tend to limit economic fluctuations through routine behaviour, without the need for specific decisions.

  「特別な決定をすることなく、日常の行動を通じて経済的変動を抑制する傾向のある経済の特徴」

  The government's budget provides obvious examples.

 「政府の予算が良い例である」

  If national income falls, the application of given direct and indirect tax rates cuts revenue automatically;

 「もしGDPが減少するならば、一定の所得税と間接税が適用になる結果、税収を自動的に減らす」

  if unemployment rises, the application of given benefit rules ensures that income maintenance payments rise.

  「もし失業率が上がるならば、一定の失業保険が適用になる結果、所得補償の支払額が増加する」

  This raises the budget deficits, and limits the fall in incomes.

 「このことが予算の赤字を大きくし、所得の低下を抑える」

  Similarly, when national incomes rises the budget deficit falls.

 「同様に、GDPが増加するとき、予算の赤字が減少する」

  The advantage of built-in stabilizers over deliberate policy measures is that they operate automatically and immediately.

 「自動安定装置が裁量的政策よりも優っている点は、それが自動的にそして速やかに機能することにある」

 ちょっと長くなりましたが、自動安定装置の意味がよくお分かりになったと思うのです。

 設問にある「国が不況期に借金をして公共事業を実施し」というのは、自動安定装置の反対の「裁量的政策」(deliberate policy)であるのです。

 では、こんな大勘違いをするのは一体誰なのか?

 あの日経新聞なのです。

 設問の文章は、本日の「ニュースを読み解く やさしい経済学  終章 アベノミクスを考える」の中に出てくる文章です

 経済がイマイチ分からない初心者などのためにこのコーナーは設けられたのではないのですか?

 なのに何故そんな間違いをしでかすのか?

 もちろん、人間には間違いや勘違いは付きものですから、こうしたことも起こり得るとは思うのですが、新聞の編集は1人でやるものではありません。何人もの目を通っているはずなのに‥
 
 でも、こんなことをしでかしてしまう。

 速やかに訂正の記事を掲載することが必要でしょう。

 だって、この記事を真に受ける読者がいるからです。

 そして、例えば就職の面接でビルトイン・スタビライザーが話題になって、日経に出ていたとおりの応答をすると、「君、間違っているよ!」と言われかねないからです。



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 G20の財務大臣・中央銀行総裁会議の結果、日本の異次元緩和策について理解が得られたが、その一方で、日本は財政再建を求められた、と報道されています。

 どう思います? どう思うかというのは、何故日本に海外が財政再建を求めるのか、ということです。

 他人の国のことでしょ? 本気で心配してくれているのか?

 いずれにしても、G20の共同声明には、次のような一文があるのです。

 「日本は、信頼に足る中期財政計画を策定すべきである」

 昔だったら、日本は世界経済の牽引役となるべく、内需を拡大する政策を取るべきだ、などと散々言われていたのに、今や財政出動するよりも、財政健全化に気を配れだなんて。

 もちろん、注文が付いたのは何も日本ばかりではないのです。

 欧州勢に対しては、金融システムを安定させるために経済通貨統一の基盤を強化せよと注文を付け、そして、米国には、努力は認めるものの、さらなる財政再建努力が必要だと言い、そして、名指しこそしませんが中国に対しては、内需を拡大するような政策を採るべきだ、と。

 その意味では、日本財政再建努力を求められても何らおかしくはない。

 しかし、その要求がどれほど本気なのかということなのです

 これについては、穿った見方もあります。財務省筋が海外を使って、増税を実現さえようとしている、なんて。

 まあ、そのような要素が一切ないとは言い切れません。IMFの副専務理事には、財務省から人を送っていることでもありますし‥

 aso33(米国で増税を明言した麻生財務相)

 ただ、それを別にして、もし本気で海外勢が、日本は財政再建に取り組むべきだと考えるとしたらそれはどのような理由によるものなのでしょう?

 日本の将来を案じて?

 日本のことを心配する人が海外に全くいないとはいいません、しかし‥そもそも日本の政治家ですら、将来のこと真剣に考えているとは思えないのに

 しかし、こうしてG20の共同声明に、欧州、米国の次に日本の名前が挙げられ、中期財政計画を策定すべきと言う。

 どうして?

 では、逆に、今後日本の財政状況が益々悪化して、投資家の日本国債離れが起きたらどうなるのでしょうか?

 そのようなことが直ぐに起こるとは到底思えないのですが‥でも、5年、10年、20年後も安心していていいかと言えば、それははなはだ不確実。否、5年以上先のことは分からないと言うべきではないでしょうか?

 何故ならば、この2年間の貿易赤字も、今から5年前に誰が想像していたか、と思われるからなのです。

 いずれにしても、もし本当に投資家日本国債離れが始まれば、状況は一変してしまうでしょう。

 幾ら日本政府が国債を購入してもらいたいと思っても、投資家が敬遠しだすと、国債の価格は暴落し、金利は急騰。

 そんなことになれば、恐らく日本政府が保有している米国債の売却が必要だという声が挙るでしょう。或いは、IMFなどに貸し付けているお金も回収すべきだという声が挙るでしょう。さらに、開発途上国に貸し付けている円借款も、直ぐに回収することはできないとしても、新規の貸し付けはストップしてしまうでしょう。

 国連の活動にしても、多額のお金を日本が拠出しているから活動が維持できるのです。米軍基地の維持にしても、思いやり予算を日本がつけて上げているから、それが可能のです。

 そもそも、日本から巨額のお金を貸しつけてもらって、その原資で債務国の支援を行っているIMFが、日本に対して、財政再建の努力を怠るな、などと真顔で説教するのが喜劇でなくて何でしょう?

 おかしいでしょう?

 でも、幾らおかしくても、日本がぽしゃってしまうと、確実にその影響がIMFなどの国際機関に及ぶ。それだけでなく、米国政府にも多大な影響を与えてしまうのです。

 だから、彼らも少々心配になり始めているのでしょう。

 これが、幾ら日本政府の借金の対GDP比率が高くても、貿易黒字多額に計上しているような状態なら高を括っていてもいいかもしれません。しかし、ご承知のように2年連続で貿易赤字を計上しているだけでなく、赤字が大きくなっているのです。

 もちろん財政再建に乗り出したからと言って、急に借金がなくなるなんてことにはならないのです。それどころか、借金の残高が増えないようにするだけでも、身を切るような辛抱が求められるのです。

 プライマリーバランスを黒字化するなんて、口でいうのは容易いのですが、実際には大変な苦労が伴うのです。

 しかし、今政権与党の先生方は、予算の大盤振る舞いを当たり前と思っている。だから、成長戦略の中身も、
補助金を与えたり減税したりと、相変わらず財政に頼るような施策ばかりではないですか。

 子供たちに英語を教えるために1万人の外国人を日本に呼ぶ?

 アホか、と言いたい。

 お金がないのに、何故そんな無駄なことをするのか?

 直接外国人に接すれば英語に興味が湧くのは分かります。しかし、今は、外国人を直接日本に呼ばなくても、インターネットで幾らでも英語が学べる訳ですし、インターネットを使わなくても、NHKの基礎英語を利用するだけでもいい。

 後は、英語の入試問題の内容をガラッと変えればいいだけの話です。

 なのに、何故そんなもったいないお金の使い方しか思いつかないのか?




 政治家はどうしてこうも無駄遣いばかりしたがるのか、と思う方、クリックをお願い致します。
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 G20会合が終わり、日本のメディアは、日本の異次元緩和策に理解が示されたなんて報道している訳ですが‥それでもって円安がさらに進みそうだとの見方も出ているのですが‥

 本当に異次元緩和策に理解が示されたのか?

 それを知るためにはどうしたらいいのか?

 取り敢えず、共同声明の原文を読んでみればいいのですよね。

 では、今回の会議はどこで開かれたのか?

 ワシントンで開かれたのですよね?

 だったら、米財務省のサイトにアクセスすれば、原文を読むことができるのでしょうか?

001SAIShomepage (米財務省のサイトより)  

 ところが、以前でしたらこのような国際会議が開かれれると即座に声明文などを掲載していたのが最近は、どういう訳かサイトの更新をさぼっているのです。
 
 嘘だと思うなら、米財務省のサイトにアクセスしてみて下さい。今年2月のG7とG20の声明すらまだ掲載されていないのです。一体どうしたのでしょう?

 
 でも、心配は要りません。日本の財務省のサイトを訪れると、ちゃんと声明文が掲載されているからです。

 但し、喜ぶのはまだ早い。

 というのは、声明文の日本語訳を読み始めると‥ちんぷんかんぷんだからです。

 どうしてこんなに分かりづらい日本語訳にしてしまうのでしょう?

 そうなれば自分で改訳するしかない。

 分かり易い日本語になおしてみましたので、お読みになって下さい。


 「1.我々、G20 財務大臣・中央銀行総裁は、世界経済の現状を議論し、9月の首脳によるサミットに向けて政策アジェンダを進めるために、会合した。」

 「アジェンダを進めるために」と言われて、何のことか貴方はお分かりになるでしょうか? 私には分かりません。

  アジェンダを進めるなんて日本人に言っても、「どういうこと?」って聞き返されるに決まっています。

  そこで、英文を見ると、

  We, the G20 Finance Ministers and Central Bank Governors, met to discuss the current situation in the global economy and to bring forward the policy agenda for our Leaders' summit in September.  

  とあります。

  20か国の財務大臣と中央銀行の総裁たちが、最近の世界経済の状況を議論するために今回、会合を開いたというのはよく分かります。

 、to bring forward the policy agenda for our Leaders' summit in Septemberの意味は?

  bring foward というのは、提案するとか、議題に乗せるという意味であり、彼らは、9月のサミットで取り上げられるべき政策議題を提案するために会合を開いた、と言っているのです。

  「アジェンダを進める」のではなく「議題を提案する」という意味なのです。


 「世界経済及び強固で持続可能かつ均衡ある成長のためのG20フレームワーク」

 「2.我々は成長を引き上げ、雇用を創出する決意を再確認した。」

 これは問題なし。

 「3.世界経済はいくつかの主要なテール・リスクを回避し、金融市場の状況は改善を続けている。しかし、世界経済の成長は、引き続き弱過ぎ、多くの国において失業は高すぎる状態にとどまっている。回復は引き続き一様ではなく、新興市場国が相対的に力強い成長を経験し、米国が漸進的な民間需要の強化を示しているが、ユーロ圏は全体として未だ回復を実現していないように、異なる速度で進行している。政策の不確実性、民間のデレバレッジ、財政による抑制、傷ついた信用仲介、そして世界の需要の未だ不完全なリバランスは、引き続き世界経済の成長見通しにとって重しとなっている。財政の持続可能性と金融の安定性に関連する課題を含め、中期的な課題もまた、多くの国において存在している。」

  文章が長いので、分解します。

 「世界経済はいくつかの主要なテール・リスクを回避し、金融市場の状況は改善を続けている。」

 テール・リスクの意味が分からない人がいるかもしれませんが、それは、起きる確率は小さいものの、起きたら大変な事態になるリスクを意味します。

 では、それが分かったとして、この場合の幾つかのテールリスクとは何を意味するのか?
  
 普通に推測すれば、欧州の債務問題などを指しているのでしょう。

 「しかし、世界経済の成長は、引き続き弱過ぎ、多くの国において失業は高すぎる状態にとどまっている。」

  これは問題はないでしょう。

 「回復は引き続き一様ではなく、新興市場国が相対的に力強い成長を経験し、米国が漸進的な民間需要の強化を示しているが、ユーロ圏は全体として未だ回復を実現していないように、異なる速度で進行している。」

  これも問題はないかもしれませんが、もう少し分かり易い表現に変更することは可能です。

  英文は次のようになっています。

 The recovery remains uneven and is progressing at different speeds with emerging markets experiencing relatively strong growth, the United States demonstrating a gradual strengthening of private demand, and the recovery in the euro area as a whole yet to materialize.

  次のように改訳したら如何でしょう。

 「経済の回復状況は一様ではない状態が続き、そして、進展のスピードも異なっている。例えば、新興市場国では、比較的力強い成長を続けている。米国については、民間需要が少しずつ力強さを増している。そうした一方、ユーロ圏は、全体として未だ回復軌道に乗っていない。」
 
 「政策の不確実性、民間のデレバレッジ、財政による抑制、傷ついた信用仲介、そして世界の需要の未だ不完全なリバランスは、引き続き世界経済の成長見通しにとって重しとなっている。」

  この箇所は全く頂けません。文章を読むのが嫌になってしまうという感じです。

  民間のデレバレッジって何?と思わず言いたくなってしまいます。世界の需要の未だ不完全なリバランスって何のこと?

 英文をみてみましょう。

  Policy uncertainty, private deleveraging, fiscal drag, impaired credit intermediation, and a still incomplete rebalancing of global demand continue to weigh on global growth prospects.

  英文を直訳してしまったということですね。直訳が悪いという訳ではありませんが、英文の意味することを本当に理解しているのか疑問に思ってしまいます。

 Policy uncertaintyは確かに政策の不確実性のこと。では、これは何を意味するのか?

 米国で議会の分裂状態が続き、何も決められない政治が続いていることを意味しているのです。

  Private deleveragingとは?

   leverageは、梃を意味します もっと言えば、他人からお金を借りて投資や投機をすることです。deleverageはその反対になる訳ですから、結局、民間部門が、他人からお金を借りて行う投資を抑えることを意味するのです。

 a still incomplete rebalancing of global demandは何を意味するのか?

 未だ不完全なリバランスなんて言ってもらっては困ります。

 これは世界的な需要の再調整がまだ完了していないことを意味しているのです。リーマンショックが起きた。そして、ユーロ危機が起きた。そうしたことに伴い世界経済は不況になり、需要が落ち込んだ。その落ち込んだ需要が、まだ、自然に戻るべきところに到達していないことを言っているのです。

    従って、「世界経済の需要の再調整が未だに完了していないこと」と言ったら如何でしょうか?  

 「4.我々は、進展は見られるものの、成長を強固で持続的かつ均衡あるものとするには更なる措置が必要であることに合意している。我々が前回会合して以降、いくつかの国は経済活動を刺激するための措置を取っている。とりわけ、日本の最近の政策措置は、デフレを止め、内需を支えることを意図したものである。加えて、韓国は積極的なマクロ経済政策パッケージを発表した。」

  日本が登場しました。じっくりと見てみましょう。

 
We have agreed that while progress has been made, further actions are required to make growth strong, sustainable and balanced. Some countries have taken steps to stimulate activity since we last met. In particular, Japan's recent policy actions are intended to stop deflation and support domestic demand. In addition, Korea announced an active macroeconomic policy package.

  この箇所は全然問題がありません。よく理解できます。

 「しかし、進行中の世界経済の弱さに対応するとの我々のコミットメントを達成するには、一層多くの措置が必要とされる。」

  ここは、またしても分かりにくい! 少なくても一般の方なら、何を意味しているのかさっぱり分からないでしょう。

 However, much more is needed to fulfill our commitment to address the ongoing weakness in the global economy.

 次のように改訳してみました。

 「世界経済の力強さに欠ける状態がずっと続いているが、それではいけない。そのための対策を打つと我々は公言しているが、その約束を果たすためには一層の措置が必要なのだ。」

 これなら理解できるでしょう?

 「主要な優先政策課題は概ね以前と同様のものである。ユーロ圏においては、銀行同盟に向けた速やかな動き、金融市場の分断の更なる縮小、および銀行のバランスシートの継続的な強化を通じて、経済通貨同盟の基礎が強化されるべきである。」

 この箇所も一般の方には理解が難しい。

 Major policy priorities remain largely the same.

 「主要な課題はほぼ今までと同じ。」

 In the euro area the foundations of economic and monetary union should be enhanced, including through an urgent movement towards banking union, further reducing financial fragmentation, and continued strengthening of banks' balance sheets.

 ユーロ圏においては、銀行同盟に向け速やかに行動するとともに、金融システム崩壊のリスクの少なくし、さらに、銀行の資産内容を引き続き改善することによって、経済通貨同盟の基盤が強化されなければならない。」

 これなら意味が分かるでしょう?

 「米国では著しい赤字削減が既に達成されたが、バランスのとれた中期的な財政健全化計画に向けた更なる進展が必要である。日本は、信頼に足る中期財政計画を策定すべきである。大幅な黒字国は、国内の成長源を強化するための更なる措置の実施を検討すべきである。我々は、潜在的な成長を引き上げ雇用を創出するため、引き続き野心的な構造改革を実施する。」

 この箇所は、まあ良しとしましょう。

 ただ、「大幅な黒字国は、国内の成長源を強化するための更なる措置の実施を検討すべきである。」の意味がお分かりですか?

 これは中国に対する注文なのです。中国は、国内の成長源、つまり消費や投資といった国内需要を高める政策を採用すべきだと言っているのです。

 「5.先進国における財政の持続可能性の維持は、引き続き極めて重要である。先進国は、ロスカボスで我々の首脳が行ったコミットメントに沿って、中期的な財政戦略をサンクトペテルブルグ・サミットまでに策定する。我々は、次の会合で我々の戦略を提示し、検証する。」

 この箇所もいいでしょう。

 「6.我々は、根底にあるファンダメンタルズを反映するため、より市場で決定される為替レートシステムと為替の柔軟性に一層迅速に移行し、為替レートの継続したファンダメンタルズからの乖離を避けるとの我々のコミットメントを再確認する。」

 We reiterate our commitments to move more rapidly toward more market-determined exchange rate systems and exchange rate flexibility to reflect underlying fundamentals, and avoid persistent exchange rate misalignments.

 次のように改訳すると分かり易いと思います。

 「我々は、為替レートがファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映するようにするために、より柔軟な変動相場制度へ速やかに移行し、そして為替レートの柔軟性を実現するために行動するとした我々の公約を再確認する。」

 「我々は、通貨の競争的な切り下げを回避し、競争力のために為替レートを目的とはしない。そして我々は、あらゆる形態の保護主義に対抗し、我々の開かれた市場を維持する。」

  We will refrain from competitive devaluation and will not target our exchange rates for
  competitive purposes, and we will resist all forms of protectionism and keep our markets open.

 この箇所も敢て改訳するなら、次のようになります。

 「我々は、通貨価値の切り下げ競争を慎み、競争力を強化する目的で為替レートを目標にすることはしない。」

  「我々は、資金フローの過度の変動及び為替レートの無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与えることを再確認する。金融政策は、中央銀行の各々のマンデートに従って、国内物価安定に向けられるとともに、経済の回復を引き続き支援するべきである。我々は、長期間の金融緩和から生じる意図せざる負の副作用に留意する。」

  最後の部分は問題ないでしょう。

  さあ、これで如何に財務省の日本語訳が分かりにくいかお分かりになったと思うのです。そしてまた、本当に言いたいことがどういうことであるのかも分かって頂けたと思うのです。

 肝心の、日本の異次元緩和策に関して、世界が理解を示したというのはどうなのでしょうか?

 本心からそう思っているかは別にして、取り敢えずはセーフの判断がなされたと理解していいでしょう。


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 私、数か月前に、ホウレンソウは必要がないという会社創業者の話を紹介させて頂きました。

 ホウレンソウとは、報告、連絡、相談のこと。

 組織が巧く機能するには、例えば社員が上司に適宜、仕事の報告、連絡、相談をすることが肝要であると、サラリーマンは頭に叩き込まれていることが多いのですが、ある会社の創業者は、そんなことばかりで社員が自分の頭で考えることをしなくなり、指示待ちタイプの社員ばかりになって会社は発展しない、と言っていました。

 まあ、言われてみたら一理あるのです。

 ただ、一言別の角度から言わせてもらえば、部下にホウレンソウを求める上司が多い割に、部下に大切なホウレンソウをしない上司がなんと多いことか!

 本題に戻りますが‥
いずれにしても、企業は人なりのです。

 そして、問題は、その企業を構成する社員一人ひとりの能力を如何に発揮させるかであるのです。ホウレンソウが必要ないと敢て誤解を招くような言い方をした経営者も、社員のモチベーションを高めるためにそのようなことを言っているのです

 ところで、今朝‥とは言っても午前4時台の話なのですが‥NHKのラジオ深夜便をボーっと聞いていると、ある町工場の経営者の方が話をしていました。

 初めから聞いていた訳ではないのですが、この方、面白いことを言のです。

 なんと、この会社の従業員は、自分たちの会社に注文を出してくれる取引先であっても、どうしても嫌な相手であれば、切ってしまうことができるというのです。

 お客様は神様です、なんて言葉がありましたが‥嫌いな顧客からの注文だったら、応じなくてもいいというのです。

 思わず「じぇじぇじぇ」と言いたくなってしまいます。

 嫌いな顧客とは取引をしないで済むというのであれば、どんなに楽なことか! しかし、そうして嫌い顧客を切ってしまえば、注文が激減して会社が倒産してしまう恐れがあると思うのですが‥

 それに、そもそも仕事なんて面白くないことの固まりみたいなものなのです。

 もちろん、どんな職業を選ぶかは本人が決めることが多いでしょう。多くは、自分の性に合っていると思って職業を選ぶ。

 で、そうして仮に憧れの大会社に就職することができても‥実際に入社すると、そこには嫌な先輩や、厳しい上司がいたりして‥そしてまた、取引先にも意地悪な人がいたりして‥

 そんなことにいちいち反応していてはとてもサラリーマンなんてやっていられない。だから、アフターファイブに上司や得意先の悪口を言いながら酒を呑む、と。

 余り愚痴ばっかりこぼして酒を飲んでいると二日酔いになってしまうので注意が必要なのですが、まあ、そうやって酒でも飲んで憂さを晴らすことができるのもサラリーマンの特権。

 それに、なんて自分はついていないと思っていても、周りを見回したら、何と自分よりもついていない人がいるのを知ると、急に安心したりして‥

 また、最初は嫌に思える上司や仕事の関係者であっても、半年、1年と経つうちに、徐々に好きになる人もいないではないので、早合点は禁物です

 いずれにしても、どうしても好きになれない取引先の関係者がいたとして、そのような取引先との関係を切ってもいいと社長が言ったとしたら、何と有難いことか!

 だって、そうでしょう? もう、嫌な思いをする必要がないからです。

 少しくらい嫌な相手だと思っても、自社の売上増進のためなら大抵のことは我慢するのが普通の社員。だから、そもそも、あの会社との取引は止めましょうなんて、社員が言う筈がない。だから、そんな会社に忠実な社員が、あの会社との取引は考え直した方がいいと言うのは、よっぽどのことなのです。

 しかし、仮に社員がそのような提案をして、それを聞くような社長がどれほどいるのか?

 むしろ、バカもん!と一喝されるのがオチでしょう。

 しかし、この会社の社長は、
現場の判断がそうなら、それでいいと言う。

 恐らくその社長が、神様みたいに思えてくるのではないでしょうか?

 この社長のためなら、もっと頑張ろう、と。取引先を失っても、自分の意見を聞いてくれたのだから、と。

 そんな社長どこにいるか、知りたいですか?

 中里さん
(有)中里スプリング製作所のサイトから)

 社長は、
(有)中里スプリング製作所の2代目中里良一さん61歳。この会社は、群馬県甘楽町(かんらまち)にあり、社員21名で、新幹線の車両から洗濯バサミまで約7000種類のバネを作っているのだ、とか

 中里社長は、企業の9割以上は損得勘定で商売をしているが、中小企業はそれだけではやっていけないと言います。損得勘定ではなくて、好き嫌いの要素が大切である、と。

 早い話、大学を出て、大企業入りたがる人が多いが、彼らの多くは損得勘定で判断している、と。収入などの損得で判断して大企業に入るだろうが、中小企業は、大企業のような条件を提示することはできない、と。

 しかし、それでも、もし自分(社長)や会社のことを好きになってくれれば、収入面で見劣りしてもずっと働き続けてくれる、と。その反対に、いい条件につられて入社したような人は、さらにいい条件を提示する会社が現れれば簡単に裏切る、と。

 ここにこの社長が好き嫌いの要素を重んずる理由があったのです。

 経済的な条件だけで自分たちは一つになっているのではない。お互いが好きだから、この会社が成立している、と言いたいのでしょう。

 なるほどな、と思いました。

 そうやってお互いを尊敬しあう仲だから会社が発展するのも不思議ではない、と。

 ただ、そうなれば、会社の規模を拡大するのは難しいのではないでしょうか?

 だって、自分と馬の合う人間など、そう簡単に見つかる訳でもないし‥

 そこのところはちゃんと心得ていて、そもそも会社を無理に大きくする気持ちはないのだと。従業員は最大28人に決めているのだ、と。

 何故28人か?

 自分のことを好きになってもらっても、自分が多くの欠点を有していることは分かっている、と。数えてみたら自分には28の欠点があることが分かったので、それを社員に公表するとともに、28の欠点を補う意味で社員の数は最大28人にまでと決めたというのです。

 まあ、その話については私としては納得はできないのですが、無理に会社を大きくしようとしても意味がないということは分かるのです。

 あとは、仕事の細分化を余り求めずに、全工程を見ることのできる「職人」の育成に励むことが重要だとも仰っていました。

 仕事は、分業を進めることにより生産性が何百倍、何千倍にもなることをアダムスミスが指摘したのは余りにも有名です。

 そして、実際にも、その教えに従って仕事がなされることが多いのです。

 でも、この社長によれば、そうした分業は、良いことばかりを生むわけではないことになるのです

 何故ならば、余りにも分業が進んでしまうと、個々の従業員は、自分の専門以外の仕事ができなくなり‥そうなると、今度は自分の保身のために、自分の専門の知識同僚に教えたがらなくなってしまうというのです。で、そうなれば、会社内が閉鎖的になり専門知識の共有ができなくなってしまう、と。だから、なるだけどのような仕事も対応できる職人さんを育て、そして、各自の取得した技能を皆で分かち合うことが肝要である、と言うのです。

 いずれにしても、NHKの深夜便などに登場する人は、皆、人前で話をするのが好きなようにお見受けしました。お話も大変に興味深いですし‥

 この社長、講演をするために全国を駆け回っているらしいのですが‥そうやって全国を回るのは、何も好きな話をするためだけではなく、社員が嫌いな会社との取引を切った分を埋めるために営業活動同時に行っているのだ、と。

 いずれにしても、気の合った人々で構成される組織で長く働くことができたら、それに越した幸せはないかもしれません


 
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