経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2013年05月

 本日、4月の消費者物価指数が発表になりましたが‥デフレから脱却する兆しはあるのでしょうか?

 さあ、如何でしょう?

 このような質問をすると、4月の段階ではまだ物価は下がっているが、5月になればどうやら物価は上昇しそうだと答える方が多いのではないでしょうか?

 でも、何故そのように答えるのか?

 それは、マスコミが次のように報じるからなのです。

・4月全国消費者物価-0.4%、5月都区部は4年2カ月ぶりプラス(ロイター)

・4月の消費者物価指数、6か月連続マイナス(読売新聞)

・消費者物価4月0.4%下落 都区部5月速報はプラス(日経新聞)

・4月の消費者物価指数は6カ月続けてマイナス 前年比0.4%下落、家電の値下がり続く(MSN産経ニュース)


 これ以上例を挙げる必要もないでしょう。いずれにしても、4月については、どこも物価が上がっていると書くところはなし。

 しかし、実際には上がっているのです。5月に上がり始めそうなのではなく、4月に既に上がっている、と。

 次のグラフをご覧ください。

消費者物価指数

 先ず左側のグラフ。これが最近の消費者物価指数(除く生鮮食品)の推移を表したグラフなのです。

 最近、下がっていると見ますか?

 上がっているではないですか。だって1月をボトムに上向いているでしょ?

 それなのに何故下がっているというのか?

 それは、今年の2月から前月と比べた数値は上がっているものの、前年同月と比べるとまだ下がっているということなのです。

 何故、前年同月と比べるのか?

 それは、そうやって見るのが我が国の習慣だから。それに、物価指数というのは、月によって特異な動きをする習性があるので、季節調整をしない原指数を前月と比べることは適当でないからです。

 では、季節調整した数値で見ればどうなるのか?

 それが右側のグラフなのです。

 如何です?

 2013年4月は、僅か0.1ポイントでしかありませんが、それでも前月と比べて上がっているでしょ?

 やっぱり既に物価は上がっているのです。

 もちろん、5月になってどうなるかは分かりません。物価上昇が定着するのかどうかも分かりません。

 しかし、東京都区部の5月の指数は上がっている訳ですし‥

 そろそろ物価が上がってもおかしくないと思うのです。

 1社でもこのような独自の分析をするところがあれば興味深いと思うのですが‥みんな金太郎飴みたいなニュースしか報道しないのです。


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 本日から第2章に入りました。第2章は地代を扱っていますが、この地代に関するリカードの考え方がユニークで面白く、しかも説得力があるのです。但し、それに貴方が賛同するかどうかは別。

 

 リカードを理解することなくして、アダムスミスの主張を真に理解することはできないでしょう。

 

 貴方も、一緒に勉強をしませんか?

 

 

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 突然ですが、長期金利は中央銀行がコントロールすることはできない、という議論をよく聞くでしょ?

 えっ、聞いたことがない? そう言われると話が進まないのですが‥いずれにしても、金融界の常識として、そのようなことになっているのです。

 では、何故中央銀行は長期金利をコントロールすることができないのか?

 最高に権威のある日本銀行の説明をご紹介しましょう。

「まず、長期金利は、短期金利とは決まり方が大変違う、ということにご注目下さい。
 短期金利の代表は、「無担保コールレート(オーバーナイト物)」ですが、これは日本銀行の金融調節によってコントロールされています。また、オーバーナイト物より少し長い短期金利(1週間や1か月の金利)もオーバーナイト物に強く影響されています。つまり、短期金利は、基本的にその時点の金融政策の影響下にあるのです (注) 。
  これに対して長期金利は、その時点の金融政策の影響も受けはしますが、それとは別の次元で、長期資金の需要・供給の市場メカニズムの中で決まるという色合いが強く、その際、将来の物価変動(インフレ、デフレ)や将来の短期金利の推移(やこれに大きな影響を及ぼす将来の金融政策)などについての予想が大切な役割を演ずる(詳細は後述)、という特徴があります。」

 さあ、如何でしょうか?

 中央銀行が長期金利をコントロールできない訳が理解できたでしょうか?

 多分、多くの方が分かったような分からないような‥

 ですよね?

 いずれにしても、そもそも長期金利とは何を意味するのか?

 その定義をはっきりさせないと議論ができないように思われるのですが‥長期金利とは何ぞや?

 実は、この「長期金利」には様々な意味があるのです。

 つまり、期間の長い金利をひとまとめにして長期金利と言うこともあれば、そうではなく新発10年物国債の利回りを指す場合もある、と。

 ただ、最近関心を集めている「長期金利」が何を意味するかと言えば、新発10年物国債の利回りのことなので、これから先は、「長期金利=10年物の新発国債の利回り」だということで議論を進めたいと思います。

 確かに、10年物国債の利回りがどう決まるかと言えば‥日銀が言うように、将来のインフレの可能性や景気の動向、或いは将来の短期金利の予想などが反映されるのは、そのとおりでしょう。

 でも、それはそうだとしても、日銀が大量に長期国債を購入すれば、国債の価格が上るのではないのでしょうか? そして、国債の価格が上るということは、国債の利回りが下がるということであり、だったら、国債の利回りは幾らでも低下させることができるような気がするのですが‥

 そう思いませんか?

 もし、そうは思わないという人は、よく分かっている方だと思われるので、これから先は読む必要はないでしょう。しかし、多分、多くの方が、日銀が大量に国債を購入すれば、国債の利回りは下がる筈だ、と考えるのではないのでしょうか?

 安倍総理や麻生財務相が実際どのように感じているかは知りませんが‥しかし、多くの政治家、多くの人々が、これだけ大胆な金融政策を実施しているのに、何故国債の利回りが上がるのか、不思議に思っているのではないでしょうか?

 もちろん、国債を日銀が大量に購入すれば、いずれインフレが起きやすくなるのはよく理解できる、と。

 そして、そうやって人々がインフレを予想するようになると、長期金利も上昇するであろう、ということも理解できる、と。

 しかし、そうは言っても、日銀が国債を保有している市中銀行から大量に国債を購入すれば‥つまり、需要が供給を上回れば、国債の価格が上り、そうなれば国債の利回りは低下する筈ではないか、と。

 如何でしょう?

 貴方もそのように考えるでしょう?

 確かに、日銀が大量に国債を購入するということになれば、国債の流通市場で、需要が供給を上回るようになるでしょう。

 ただ、大事なことは、この場合、幾ら需要が供給を上回っても簡単には国債の価格が上らないということなのです。

 何故、国債の価格が上らないのか?

 それは、日本銀行が、市場実勢を尊重して国債の購入価格を決めるからなのです。つまり、幾ら国債を大量に買いたいと日銀が思っても、どれだけでもお金を出す、金に糸目は付けないと言っている訳ではないのです。だから、そこには自ずから制限があるのです。

 これがもし、幾らでもお金を出すというのであれば、国債の利回りは限りなくゼロに近くなるでしょう。否、そうではなく、マイナス金利になることさえあるのです。だって額面を遥かに超える価格で日銀が国債を購入するようなことをすれば、その一方で、償還期に日銀が受け取る元本は額面金額でしかないために、日銀にとっては国債を保有することで確実に損になるのですから、利回りはマイナスになってしまうのです。

 黒田総裁は4月4日に、今後2年間において、日銀が未曾有のペースで国債を購入すると約束した。

 president-kuroda1
 それによって黒田総裁自身、長期金利が下がることはあっても、そう簡単に上がることはないだろうと考えていたのではないでしょうか?

 しかし、幾ら日銀が大量に国債を購入するとは言っても、日銀が自由に購入価格を決定できる訳ではないのです。

 そのことについて、多くの人々が理解していないものだから‥だから、昨今の長期金利上昇の現象がイマイチ理解できない、と。

 安倍総理や麻生財務相は、そのことをどれだけ理解しているのでしょう?

 ただ、仮に政治家などが、そのことについて理解したならば、今度は次のような質問が浴びせられるかもしれません。

 何故日銀は、国債の購入価格を自由に決めないのか、と。利回りが低くなるように国債の購入価格を高くすれば済むことではないか、と。

 貴方も、そのように考えるのではないでしょうか?

 しかし、それは日銀にとってはできない相談なのです。

 何故?

 やっぱり日銀が保守的で、リフレ政策に対して警戒しているから?

 そうではないのです。

 仮に、日銀が市中銀行から購入する国債の価格を、実勢相場よりも高くすることにしたとしましょう。

 その結果、例えば、1%の利子のついた額面100円の国債を市中銀行が100円で落札をし、その後、日本銀行が長期金利を低めに誘導するために、その時点での長期金利が1%であるにも拘わらずその国債を例えば102円で購入するようなことをしたらどうなるのか?

 確かに、当該国債の利回りは低下する、つまり長期金利は下がる。それはそのとおり。

 しかし、その国債は、本来相場からすれば100円でしか売れないのです。それを、偶々日銀が高い価格で買うとなれば、市中銀行は、何もしなくて差額の2円分が儲けになる、と。つまり、日本銀行がその差額分を市中銀行にプレゼントすることになってしまうのです。

 おかしいでしょ? 市中銀行が何も苦労することなく日本銀行からお金をもらうなんて。

 だから、日本銀行は実勢よりも高い価格で国債を買い取ることができないのです。

 このメカニズムを今の日本で、どれだけの人々が分かっているのか?

 黒田総裁、本日、国会でまた、国債の大量購入によってリスクプレミアムを引き下げることができる、と訳の分からないことを言っています。

 誤解のないように言っておきますが、良い悪いの議論は別にして‥国債の大量購入によって長期金利に下押し圧力をかけることは可能かもしれませんが、しかし、リスクプレミアムを引き下げることはできないでしょう。

 黒田総裁は、何か誤解しているのではないのでしょうか?

 

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 NYダウが28日、最高値を更新したと伝えられています。

 おかしなものですよね。だって、バーナンキFRB議長のQE3の規模縮小を示唆する発言がきっかけになって、我が国の株価がこんなに低下した(と言われている)にも拘わらず、NYダウは上がっている訳ですから。

 では、どうしてNYダウが上っているかと言えば‥その理由の一つとして、この日S&Pケース・シラー住宅価格指数が発表になったのですが‥3月の全米主要20都市の住宅価格が前年同月比10.9%上昇し、過去7年で最大の伸びを記録したからだ、と。

 前年同月比、つまり1年前と比べて全米で平均1割も住宅価格が上昇しているというのですから、これは尋常ではありません。またしても、ミニバブルが起きようとしているのでしょうか?

 いずれにしても何故、それほどまでに急ピッチで住宅価格が上っているかと言えば、
 
 ・住宅在庫が低水準にとどまっていること、

 ・記録的な低さにある住宅ローン金利を反映して消費者の購入意欲が高まっていること

 などの理由が挙げられるのだとか。

 まあ、これだけ急ピッチで住宅価格が回復しているのであれば、株価が上がるのも当然と言うべきなのでしょうか?

 しかし、結論を急いではいけません。冷静に次のグラフをご覧になって頂きたいと思います。

ケース・シラー住宅指数
(S&Pのプレスリリースより)

 確かに、住宅価格が1年前と比べて上がっているのは事実。しかし、水準をみれば、まだ本格的に回復軌道に乗ったかどうかは微妙であると思うのです。というのも、2009年の春頃から上ったり下がったりというパターンを繰り返してきたからです。つまり、そのパターンが今後も繰り返されるとすれば、近いうちに住宅価格が下がることも予想されない訳ではないのです。(因みに、細かい数字を上げるならば、現在の住宅価格は06年のピーク時に比べて依然28%低く、03年後半当時の水準に戻っているとか)
 
 実際、格付け会社のフィッチは、米国の一部地域における最近の住宅価格の上昇ペースは速すぎるとし、価格が反転する可能性があるとの見方を示しているのです。

 フィッチによれば、全米でもカリフォルニア州での価格上昇が特に目立ち、ここ1年で13%値上がりしているものの、例えば、ロサンゼルスでは、失業率が10%を上回り、ここ2年の実質所得が減少しているのだ、と。つまり、そのような状況のなかで1年間で10%も住宅価格が上るのは、持続可能な動きではないと言いたいのでしょう。

 いずれにしても先のことは誰にも分からないのですが、この先、景気回復が続けば、長期金利が上がり続けるでしょうから、そうなれば、住宅価格の上昇のペースも落ちると見た方がいいかもしれません。

 あと3、4か月間ほど様子をみてみないと、何とも言えないですね。


 
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 甘利経済財政相が、本日、株価の乱高下に関して、「一時的に乱気流に突入した機長のような心境だ。株価の上昇がかなり速かったということで、若干、調整局面に入っている」と述べたのだとか。

 機長のような心境だ、と言いたいのは分からないでもありません。ただ、そのように述べたということは、今回の株価の下落が相当ショックであったのでしょう。

 しかし、狼狽えていてはいけない。投資家に安心感を与えることが必要だ、と。

 そこで、彼はこんなことも言っているのです。
 
 「各国の市場は落ち着いてきているので、まもなく日本の市場も落ち着いてくる」

 ホンマでっか?と言いたい。本当に落ち着くのか?
 
 さらに、彼はこんなことも言ったのだとか。

 「航行上、当機の安全に問題はありません。落ち着いて席にお着き下さい。当機はまもなく乱気流を抜ける予定でございます」

 もう一度言いたい。ホンマでっか?と。

 結局、何故今回の株価の下落が起きたのかということをある程度納得いくように説明でき、そして、その原因がもはや取り除かれたと言うことができるのであれば、少しは信頼する気にもなるのですが‥

 違います?

 では、そもそも何が株価を押し下げたのか?

 で、それについては、麻生財務相が次のように言っているのです。

 「1日でこれだけ(株価が)乱高下するのは、あの機械のおかげだ」

 機械のおかげ? 機械のせいだと言うことですよね。そして、その「機械」とは、コンピューターを駆使した株式の高速売買を指している訳ですが‥これだけで、株価の下落が説明できるのでしょうか?

 もっとも、誰が何と言ったからと言って、これが絶対正しいと証明できるものなどない訳ですが‥そうは言っても、ある程度は納得のいくものでないと‥

 では、株価の下落の一番の原因は何か?

 私、一番の原因は、それまで余りにも一本調子で株価が上がり続けていたことが大きいと思うのです。そろそろ調整が入ってもおかしくないのではないか、という思いが投資家の間で強まっていたところに株価の下落が始まり、そして、麻生財務相が言う機械のせいもあり、大きく値を崩したのではないか、と。

 ただ、それだけの説明ではまだ説得力が足りない。

 他にも理由があるのか?

 しかし、ちゃんと理由はあるのです。

 それは、5月13日の週辺りから長期金利が上がり始め、そして、株価の大幅な下落が起きた5月23日にはとうとう1%台の乗せたことが大きいと思うのです。

 10年物国債利回り3

 1%台に乗るかどうかというのは、投資家にインパクトを与えますよね。

 そして、そうして日本の長期金利が上れば、当然のことながら円高圧力をかける訳で‥そうなれば株価にはマイナスになる訳ですし、また、長期金利が上がることによって景気回復に冷や水がかけられるので、そのことも株価を押し下げる要因になった、と。

 では、何故5月13日の週辺りから長期金利が上がり始めたのか?

 それは、その頃を境にして、日経平均がNYダウを追い抜くことが意識され始め‥要するに、株価の上がり方が勢いを増し‥そして、そうして株価が上がることが当然視されることによって、投資家が国債を売却して株式に乗り換える動きが勢いを増したので、その結果、国債の価格が低下し‥つまり長期金利が上がり出したと思われるのです。

 簡単に言えば、株価の上昇が大いに見込まれるようになったために、それまで国債に投資していた投資家が株式投資に乗り換えるために国債を売却することによって、長期金利の上昇を誘発し、そして、その長期金利が1%台に乗ったところで円安の流れが止まり、そして、同時に株価がそれまで一本調子で上がり過ぎてきたのではないかということが意識され‥「機械」のせいもあり、株価が暴落したのではないかと思うのです。

 では、今後はどうなるのか?

 株価が調整局面を迎えたことによって、確かに今後は今までに比べて緩やかな動きになることが予想されるのですが‥しかし、再び、株価の上昇のペースが速くなったり、インフレの可能性が大きくなったりすれば、その時には必ず長期金利が上昇し始めるでしょうから、そうなれば再び株価が乱高下することが予想されるのです。

 逆に言えば、こうして株価が乱高下したのは、株式市場が、長期金利の上昇や円高に振れた事に対して反応をした結果であると言え、その意味ではマーケットが十分に機能したとみるべきでもあるのです。

 むしろ、バブルに警告を発するような出来事と受け止めるべきではないのでしょうか。



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 先週の話になってしまい恐縮なのですが、5/23の株価暴落が起きた1日前に、黒田日銀総裁がどんな記者会見を行っていたかご存知でしょうか? そして、ご存じならば、それについてどのようにお感じになっているでしょうか?

 株価下落が起きた後の記者会見であったとしたら、恐らく質問は株価に集中していたと思うのですが、あの時は長期金利の上昇に関心が集まっていたために、質問は主に長期金利に集中したのですが‥

 主な質問と、それらに対する回答をご紹介したいと思います。

(問) 長期金利は、足許では、1%を窺うような水準に上がっています。4 月に金融緩和を決める頃よりもむしろ上がっているということで、この理由をどう分析しているのか、お聞かせ下さい。

(答) 長期金利は、5 月の初めにかけて一旦低下した後、欧米の長期金利の上昇や本邦株価の上昇、為替の円安進行などを背景に上昇しています。

 長期金利は、先行きの経済あるいは物価情勢に関する見通しに、債券を保有することに伴う様々なリスクに応じた、いわゆるリスク・プレミアムが加わって形成されています。日本銀行の巨額の国債買入れには、このリスク・プレミアムを圧縮する効果があり、その効果は、今後買入れが進むにつれて強まっていくと考えています。従って、こうした「量的・質的金融緩和」による強力な金利低下圧力のもとで、長期金利が跳ね上がることは予想していません。

(問) 4 月の緩和を始めてから、長期金利の数字だけでみても、水準はともかく比率的にはかなり上がっていると思います。最初に「長期金利を下げる」とおっしゃっていて、実際には上がってしまっているのは何故なのか、総裁がどのように受け止めているか教えて下さい。

(答) 金利には物価上昇や景気回復の期待の要素があるわけです。これらの要素は、おそらく次第に金利を上昇させていく要素だと思います。他方、保有残高が年間約50 兆円に相当するペースで増加するように行う国債の買入れ、あるいは全体としてマネタリーベースが年間約60〜70 兆円のペースで増加していくことにより、様々な形でのリスク・プレミアムの圧縮という効果も実際にはあるわけです。

(問) 本日発表された4 月の貿易統計では、輸出は確かに伸びてきていますが、数量ベースでみると前年比はまだマイナスです。円安が進み始めたのが昨年12 月頃からと思いますが、過去の円安局面ではもう少し早く数量ベースはプラスになっていたと思います。日本経済の構造的な面で、かつてと違う動きがあるのかどうか、ご所見をお願いします。

(答)輸出数量については、いわゆる「Jカーブ効果」と言われますが、為替レートが変動して直ちに輸出数量が変動するのではなく、一定のタイムラグを置いて輸出数量に影響が出てくる現象だと思います。タイムラグについては、一般的な理論はないと思いますが、6 か月ないし9 か月などとも言われています。「Jカーブ効果」によって、数量増加に一定のタイムラグを要するということです。もちろん、企業が生産拠点を大規模に海外展開していることの影響もあるかもしれませんが、為替が輸出に影響するという基本的な構図は変わっていないと思います。


 大きく2種類の質問を紹介させて頂きました。

 (1)異次元緩和策は、長期金利を下げる狙いがあった筈なのに、何故長期金利は上がっているのか?

 (2)円安が急速に進んでいるのに、輸出数量が伸びないのは何故か?

 
 そして、これら2つの質問に対して、黒田総裁がどのように答えたかと言えば‥

 長期金利が上がっている理由については、

 長期金利は、将来の経済成長率と物価に関する予想が反映される他、リスクプレミアムが反映されるので、先行きの経済成長や物価の上昇が予想されると長期金利に上昇圧力をかけ、逆に、リスクプレミアムが小さくなれば、長期金利に下降圧力をかける。日銀による大量の国債の購入策には、そのリスクプレミアムを小さくする効果があるので、今後、その効果が効いてきて長期金利を引き下げることが期待される。

 如何です、この考え方?

 長期金利には、将来の経済成長率見通しと物価予想が反映される他、リスクプレミアムがそれらに上乗せされるという考え方は、私も理解できるのです。そして、それが日銀の公式の見解だということも承知しています。

 しかし、解せないのは、日銀が国債を大量に購入することが、国債のリスクプレミアムを引き下げるという考え方です。

 どうして日銀が国債を大量に購入すると、国債を保有することに伴うリスクが小さくなると言えるのか?

 私には、どう考えてもその理屈が分からない。

 その一方で、日銀が国債を大量に購入すると、国債の利回りを、その瞬間、大きく引き下げる効果があると言うのはよく理解できるのです。

 何故ならば、日銀が国債の購入者として市場に乗り込み、どれだけでも国債を買いまくる訳ですから、国債の価格が上り、利回りは低下する筈だ、と。

 しかし、そのことと、実際にリスクプレミアムが低下するというのは、全く別の話ではないのではないでしょうか?

 それどころか、もし、こうした日銀の政策が、ある程度の期間経過後、大きく見直されるようなことにでもなれば、益々ボラティリティは高まり、リスクは大きくなるのではないかと思われます。

 はっきりと言って、黒田総裁のこの答弁に合格点を上げることはできないのです。

 では、次の質問に移ります。

 円安が急速ピッチで進んできたのに、何故輸出数量は伸びないのか?

 これに対し、黒田総裁が何と答えたかと言えば‥今、Jカーブ効果が表れており、そのため輸出数量が伸びていないだけだ、と。

 結論を先に言えば、この答弁にも合格点は上げることができません。それは、2つの意味で満足のいく解答ではないからです。

 先ず、黒田総裁が、今、日本で起きている現象がJカーブ効果によるものだと言うのがそもそも納得がいきません。

 確かに、黒田総裁が言うとおり、円安の効果が輸出数量にまで及ぶのに時間がかかることが、Jカーブ効果の主な原因だというのは分かるのですが、Jカーブ効果というのは、為替安が起きても当初は、むしろ貿易収支が悪化するということを意味する一方で、質問者は、貿易収支のことなど聞いていないので、その意味でJカーブ効果という言葉をここで引用するのがピンとこないのです。

 それに、仮にJカーブ効果があったとしても、円安に伴い輸出数量が減少するなどという現象は、普通は起きる筈はないのです。
 
 普通は円安が起きれば、輸出数量が増えるのです。但し、輸出数量が増えるには時間がかかる、と。そして、そのことは誰でもが理解できる。しかし、円安によって輸出数量が減少することは理解できません。

 そうでしょ?

 記者の質問には、何故、輸出数量は減少を続けているのかという意味が込められているのです。それに対して、黒田総裁は、Jカーブ効果のために輸出数量が増えるのには時間がかかる、と。

 確かに輸出数量が増加するのに時間がかかり、それはJカーブ効果と呼ばれるものと関係しているのはそのとおり。しかし、幾らJカーブ効果を認めるからと言って、円安によって輸出数量が減るなどと主張する人は普通はいないのです。

 そうでしょ?

 つまり、輸出数量が減少を続けているのには、特別な理由があり、それについて黒田総裁は答えるべきだったのにも拘わらず、Jカーブ効果のために輸出数量が増加するには時間がかかるだなんて。

             
輸出数量指数
 先日、このブログで紹介したとお
り、4月の輸出数量は、対世界では、マイナス5.3%になっているものの、対米国では、4.5%の増加になっており、円安の効果が既に表れているのです。そして、その一方で、対EUについては、マイナス12.6%となっており、そこにはEUの経済成長率がマイナスで推移していることが反映されているのです。因みに、対中国との関係でもマイナス4.9%となっていますが、その理由については、皆さんお分かりのことだと思うのです。


 ということで、黒田総裁の5月22日の記者会見の内容は、精彩を欠くとしか言いようがありません。

 先ずは、日銀が大量の国債の購入を行うことによってリスクプレミアムを引き下げることになるという根拠を分かりやすく説明するのが先決ではないのでしょうか。もし、それが可能であればの話ですが。



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 先週は、突然の株価の下落で、我々は不意を突かれました。狼狽した人も大勢いる筈です。現実に大きな損失を被った人も。

 では、何が株価の下落を誘ったかと言えば‥

 理由はいろいろあるようなのですが、きっかけになったのはバーナンキ議長の22日の議会での証言とそれに続く質疑応答にあると言われています。

 ご存知ですよね?

 バーナンキ議長が、数回の委員会の会合を経て資産購入措置の規模を縮小する可能性があると言ったことが、株価下落のきっかけになった、と。

 私は、それを聞いて最初、とても違和感を感じたのでした。

 何故かと言えば‥

 米国の量的緩和策が早期に終了することになれば米国の金利が上がり始め、そうなるとさらなるドル高円安を招き‥ドル高円安の可能性がむしろ高くなるのですよ。だったら、日本の株価は上がって然るべきではないか、と

 しかし、実際には、逆にこんなに低下したのですから。

 おかしい!納得がいかない。

 日経平均 5月23日 

 ということで、このバーナンキ発言の意味を本日は考えてみようと思うのです。

 いずれにしても、彼は具体的にどんな発言をしたのか?

 それを先ず確認しておきたいと思います。

  The program relates the flow of asset purchases to the economic outlook. As the economic outlook - and particularly the outlook for the labor market - improves in a real and sustainable way, the committee will gradually reduce the flow of purchases.

「長期国債買入れ措置は、経済見通しに資産購入額を関連付けるものである。経済見通し、特に雇用市場の見通しが、本当にそして持続可能な形で改善するならば、当該委員会は、徐々に購入額を減額することになる」

 I want to be very clear that a step to reduce the flow of purchases would not be an automatic, mechanistic process of ending the program. Rather, any change in the flow of purchases would depend on the incoming data and our assessment of how the labor market and inflation are evolving.

「資産購入額を減額する手順は、この措置を自動的、機械的に終わらせるものではないということを明らかにしておきたい。資産購入額の変更があるとしたら、それはむしろ雇用市場とインフレの進展に関し、どのようなデータを入手し、そして、それをどのように我々が評価するかにかかってくるだろう」

(中略)

 If we see continued improvement and we have confidence that that's going to be sustained then we could in the next few meetings ... take a step down in our pace of purchases. If we do that it would not mean that we are automatically aiming towards a complete wind down. Rather we would be looking beyond that to see how the economy evolves and we could either raise or lower our pace of purchases going forward.

「もし、引き続き改善が続き、そして、そうした改善が持続可能であるという自信が持てたならば、その時には、数回の会合を経て資産購入額のペースを落とす措置を取ることができるであろう。ただ、我々がそうするからと言って、そのことが自動的に完全な停止を目指すということにはならない。むしろ経済が如何に進展しつつあるかを評価した上で、資産購入額のペースを上げることができるか、或いは緩めることができるかということになろう」

 如何でしょうか?

 確かに、今後数回の公開市場委員会の会合において、経済動向次第で資産購入措置の規模が変わる可能性をはっきりと述べています。

 但し、様々な憶測を呼ばないように、丁寧に話をしているでしょ?

 購入のペースが落ちるかもしれないし、反対に速まるかもしれない、と。

 それに、そうした決定は決して自動的になされるものではなく、委員会でよく検討されてから行う、と。

 だから、今後数回の委員会の会合を経て、資産購入措置のペースが緩くなる、つまり、資産購入額が減額されると決まった訳では決してないのです。

 にも拘らず、市場は過剰反応をしてしまったようなのです。

 繰り返しになりますが、もし、資産購入額が減額されるのならば、ドル高円安を誘発する筈でしょ?

 そして、そうなれば日本の株価が上がってもおかしくないはずでしょ?

 しかし、実際には逆の結果になってしまった、と。

 バーナンキ議長は、ここに紹介した発言の他に、日本の異次元の緩和策を支持すること、そして、最近の米国の株高に関して、経済ファンダメンタルズに一致しないとは見えないとも言っているのです。

 何故、バーナンキ議長に、最近の米国の株高について質問などするのでしょうね?

 それは、最近の株高がバブルが起きている証ではないのかと問うているのだと思うのです。FRBがゼロ金利政策を採用しているだけでなく、長期国債の購入まで行っているので、それによって株価が引き上げられているのではないか、と。

 もちろん、そのような質問に対して、バーナンキ議長が不用意な発言をする筈がありません。

 バーナンキ議長は、株価は経済ファンダメンタルズと一致していないようには見えないと言い、間接的にバブルが発生している可能性を否定したのです。

 でも、そのような質問をする人がいるということ自体が、最近の株価の記録更新に関して、米国で疑問に感じる人が増えているということを意味しているのです。

 もちろん、株価の上昇を嫌う人などいるとは思えないのですが、こうして株価が上昇を続けるのは、米国の超緩和策が主な理由である、と。

 そして、そうしてバブル、或いはミニ・バブルが発生しているという認識が広まると、今度は、バブルが崩壊することを懸念する人々が現れるということでしょう。

 もちろん、まだまだ上がるという方に賭ける人もいるし、その反対に、今言ったようにそろそろバブルは弾ける、或いは調整があるという方に賭ける人もいる、と。

 私は、ここまで日米で余りにも一本調子で株価が上がってきたものだから、むしろ売りを仕掛けて一儲けしようという動きがあったのではないか、と推測するのです。或いは、よく言われる利益の確定売りが大量に発生したかもしれません。

 但し、それにしても、今回は、売りが激しかった。

 何故か?

 今、多くの投資家は、自分の頭で考えるよりも、流れに逆らわないという戦略をより重視するようになってきているのではないのでしょうか?

 だから、一旦下げの勢いが強まると、今度は下がる方に皆が乗ってしまう、と。或いは、損失を大きくしたくないために、少しでも下がる気配がすると売り急いでしまう、と。

 但し、その下げの勢いが何かのきっかけで逆転し、そして上昇が再び始まると、またその上昇の勢いに乗ろうとする、と。

 いずれにしても、先日のバーナンキ議長の発言が、米国の株価の大きな下落を引き起こすなら分かるのですが、そうではなく日本の株価の暴落を引き起こしたので、意味が分かりにくいのです。

 QE3の縮小或いは終了で、株価が下がるというのであれば、先ずは日本株というよりも米国の株について起こってしかるべきだからです。

 しかし、米国の株価の下げはそれほどではなかった、と。

 結局、それまでの日本の株価の上がり方が余りにも一本調子であったために、ここらで調整が入っただけだというのでしょうか。

 多分、そういうことなのでしょう。

 だったら、バーナンキ議長がどれだけ注意深く発言していても、こうした調整局面は避けれらなかったと思うのです。

 本当の理由は、日経平均がNYダウを、23日の午前中に600ポイントほど上回ってしまったので、それで米国からガツンとやられたのかもしれません。


 

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 最近、長期金利に関してどうも妙な意見が多いと思うのですが、如何でしょうか?

・安倍総理:「市場との対話を通じて日銀が適切に対応されることを期待している」「仮に国債市場の機能が低下することなどにより、長期金利の急激な上昇が起こることとなれば、経済財政、国民生活に大きな影響が及ぶおそれがある」(5/24)

・ 麻生財務相:「株、金利、為替に関して、私からコメントすることはない。市場に与える影響を考えると、これまでも(コメントし)なかったが、これからもない」(5/24)

・黒田日銀総裁:「景気回復や物価上昇への期待が大きくなれば、長期金利が上がることはありうる」「今の時点で実体経済に大きな影響を及ぼすものとはみていない」(5/22)
 
 昨日、長期金利がとうとう一時1%台にまで上昇して、安倍政権の面々は少々驚いているようなのです。もっとも、それ以上に株価の暴落が凄まじかったために、この長期金利の問題は、霞んでしか見えないのですが‥

10年物国債利回り2

 何故、安倍総理が上のような発言をするのか?

 それは、ご自身でも言っているように、長期金利の急激な上昇が起きれば、財政や経済に大きな影響を与えるからなのです。

 分かるでしょ? 1000兆円もの借金を抱える政府にとって、長期金利の上昇が何を意味するか?

 これまでは、デフレで超低金利が続いていたから、膨大な借金を抱えていても、どうにか利払いを継続することができた訳ですが、金利が急に増大することになれば、予算を組むことすら難しくなってしまうのです。

 金利上昇の影響はそれだけではありません。そうでなくても盛り上がりに欠ける企業の設備投資にも冷や水をかけるかもしれないし‥家計の住宅投資にさえ‥

 だから、安倍総理も麻生財務相も長期金利の動向を注意深く見守っている、と。

 ただ、それにしても安倍総理や麻生財務相の発言は、少しおかしくはないのでしょうか?

 先ず、安倍総理の発言に対して。

 これまでと次元の違う緩和策を強要したのは、安倍総理自身ではないですか? つまり、異次元の緩和策を実施することによって、市場の機能が歪められてしまっているのは自明のこと。それを今になって‥

 次に、麻生財務相の発言に対して。

 確かに株や為替に関して、コメントを控えた方がいいのはそのとおり。しかし、長期金利については如何なのでしょう?

 長期金利についても、発言してはいけないのでしょうか?

 しかし、そもそも今やっている異次元の緩和策は、黒田日銀総裁によれば、長期金利をさらに引き下げることによって企業の投資活動に刺激を与えることも狙いの一つである訳ですから、今さら長期金利に関して何故財務大臣が発言を控えた方がいいのか、その理由が分からないのです。

 その一方で、黒田総裁は、長期金利が上がらないように様々な手を打つと言っているのでしょう?

 どうも解せません。

 いずれにしても、安倍さんと麻生さんは、ともに長期金利の上昇が困ったことだと見ている。

 その一方で、黒田総裁も、困ったことだと思いつつも「景気回復や物価上昇への期待が大きくなれば、長期金利が上がることはありうる」ともっともなことを言っているのです。

 黒田総裁の言うことはそのとおり。

 景気回復が期待されるようになれば、当然物価も上がるだろうと人々は予想し、そして、そうなれば当然のことながら金利も上がるであろうと予想する、と。

 そうでしょ? 違います?

 先日、政府は、月例経済報告で景気の判断を上方修正したばかりではないですか。

 景気ウォッチャー調査でも、先行きの景気判断DIは、2000年以降最高の水準になっていたではないですか。

 そうなれば、物価が上がるであろうと思う人も多くなり、そして、金利が上がると予想する人も多くなる、と。

 昨日、株価は大暴落を演じましたが、それでも、相当なレベルにまで株価が回復していることは事実なのです。

 つまり、一言で言って、景気はよくなりつつある、と。

 だから、その意味でも金利は上がって当然。

 蛇足になるかもしれませんが、内閣府の景気動向指数を算出する材料の一に「長短金利差」があるのですが、将来景気がよくなるであろうという予想が高まることによって長期金利が上がり、そして、長短金利差が大きくなると、景気が良くなる証になることを政治家は知らないのでしょうか?

 こんなに景気がよくなりつつあると人々が感じているのですから‥そして、併せて日銀は、2年間で何が何でも物価上昇率を2%にまで引き上げると断言している訳ですから‥だから、物価が上がると予想する人が増え、そして、それに合わせて金利が上ったとしても当然だと思うのです。違いますか?

 しかし、政治家は、長期金利が上がることに対して狼狽える、と。

 そもそもリフレ派のなかには、幾らインフレ率が上がっても、中央銀行がその気になりさえすれば、金利水準を低く抑えたままにしておくことは可能だなんて言っていた高橋氏みたいな学者もいる訳ですが、そうした主張が全く説得力を持たないことが今証明されているということではないのでしょうか?

 景気が良くなれば、物価が上がる。そして、政治家たちは、景気がよくなっていると胸を張る。しかし、その一方で、金利が上っては困ると言う。

 そんなバカな!

 景気がよくなれば、物価が上がり、金利も上がるのです。

 それが当たり前。それが嫌なら中国にでもいっちゃいな、と言いたい。



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 貴方は、デイビッド・リカードをご存知ですか?

 「経済学および課税の原理」という著書のなかで、何故自由貿易が全ての国にとってメリットになるかを説いた偉大な学者です。

 しかし、学者とは言っても、アダムスミスのような正真正銘の学者ではなかった。彼は、株取引で儲けた後、一人で経済学の研究生活に入ったのです。

 だから、自己流。時として、突拍子もないことを主張する。難解でもある。

 しかし、一本筋が通っているのです。そして、先入観にとらわれず、中立的な立場から発言することを終生心掛けたのです。

 決して市場原理主義者などではないのです。その証拠に、農産物の自由化についても、農業者に与える影響を緩和するために、徐々に自由化すべきだと主張したのですから。

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 日経平均が15900円台に乗せています。2007年12月12日以来のことだとか。

 しかし、考えてみれば、リーマンショックが起こる前の年までは、株価がそんな高い水準にあったのです。人間って忘れっぽい生き物なのですね。

 いずれにしても、このところの日経平均の上昇のペースは早すぎる!?

 とうとうNYダウを追い抜いてしまっているのをご存知でしょうか?

日経平均とNYダウ
  しかし、冷静に考えると、NYダウを追い抜いたなどという表現は全く適当ではないのです。何故ならば日経平均とNYダウでは、単位が違うからなのです。

 でも、それでも15000ドル台と15000円台にあるので、どうしても比べてみたくなる、と。

 そして、5月に入った頃から、日経平均がNYダウに追いつくことが少しずつ意識されていたのです。ご存知でしたか?

 もちろん、知っている人は当然知っている。そんなこと当たり前だ、と。しかし、知らない人は知らないし、今もそんなことに関心はない、と。

 いずれにしても、終値で、日経平均が5月20日にNYダウを追い抜いたのです。

 そして、本日、日経平均は15900円台に乗せ、その一方で、NYダウの昨日の終値は1万5307ドルなので、600ポイントほど日経平均が上を行っているのです。

 では、何故、急にこんなに日経平均の方が先を行くような形になっているかと言えば‥

 そうなのです。昨日は、バーナンキ議長の議会証言があり‥

 バーナン議長、最初は、長期国債の買い取りを今後も続けそうなことを言っていたのが、質疑応答の段階になって、国債の買い取りの規模が縮小される可能性を示唆するようなことを言ったものだから、マーケットが嫌気したのだとか。

 で、そうして米国の超緩和策が修正されるようなことになれば、ドル金利の上昇が見込まれるので円安が促進され‥そして、円安が進むので日本の株価が上がるという構図になっているのです。

 では、今後はどう展開することが予想されるのか?

 私は、株価は、今までのように円安が今後も続くかどうかに大きく依存すると思うのです。つまり、円安が進めば進むほど株価は上がるであろう、と。

 では、どこまで円安は進むのか?

 少なくても、輸出がもう少し回復して、輸出と輸入が収支トントンにならないと基本的には円安の流れはとまらないような気がするのです。もちろん、ユーロ危機の再燃などがない前提で。

 他方、そうは言っても、国内の政治家のなかにも105円を超えるような円安はむしろ弊害の方が大きいと考える向きもあり‥それに、諸外国との関係でも、これ以上の円安は好ましくないという考え方もあるのです。

 ということで、これから先もさらに一段と円安が進む可能性がない訳ではないものの、それにはおのずと限界があるような気もするのです。

 では、仮にどこかの地点で円安が止まったとして、株価はどうなるのか?

 どうなるのでしょうね?

 コメントしない方がいいでしょう。何故ならば、将来のことなど誰にも分からないからなのです。

 ただ、一つだけ言っておきたいのは、もうそろそろ緩やかな動きに戻った方がいいような気がするのです。もちろん、株をやっている人々からすれば、株価が上がって何が悪いのか、いうことになるのでしょうが‥しかし、余りにも上り方が急すぎると、今度は、その反動で急落する可能性が大きくなるからなのです。

 山高ければ谷深し!

 バブルを起こして、景気回復のきっかけにしたいという気持ちも分からないではないですが、バブルを起こすと結局、高くついてしまうのです。


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 突然ですが、こんなに円安が進んでいるのに、輸出が伸びていないどころか、数量ベースでは前年比をまだ下回り続けている、つまり減少を続けているという現実をご存知でしょうか?

 多分、多くの方はご存知ないと思います。

 はい、そこの貴方! そう、貴方です。今、私のことをおかしなことを言う奴だと思いませんでしたか?

 確かに、まだ輸出が本格的に回復している訳ではないかもしれないが、輸出が減っているなんてがない、と思いませんでしたか

 では、先ず次のグラフをご覧ください。

 輸出が増えない

  我が国のここ3年間ほどの輸出の推移を表したグラフです。

  あれ、益々不思議そうな顔をしていますね。

  輸出はそれほど増えていないかもしれないが、減ってはいないではないか、と思ったでしょ?

 そうなのです。このグラフが示すところによれば、確かに輸出はそれほど増えてはいないかもしれないが、少なくても減っているようには見えないのです。

 因みに、本日発表になった4月分は濃い青色で分かりすくしています。このグラフの基になっている数値は、季節調整をしたものでない原数値であるために、前月と比較することが適当でな、1年前、2年前、そして3年前の4月と比べることができるように、4月分は皆濃い青色で分かりやすくしました。

 確かに輸出が減っている訳ではない。むしろ緩やかに増加していると言ってもよい。

 しかし、財務省が本日発表した貿易統計によれば、4月の輸出数量指数は、5.3%も低下しているのです。

 つまり、輸出数量は、これだけの円安にも拘わらず、昨年の4月と比べて5.3%減少しているのです。

 どう思います?

 その前に、地域ごとの内訳も紹介しておきましょう。

輸出数量指数
 対世界の輸出数量がマイナス5.3%。一方、対米国は、4.5%と増加しているのです。これは円安の効果が出ていると言えるのかもしれません。しかし、対EUはマイナス12.6%。そして、対アジアもマイナス4.9%。

 つまり、これだけ円安になっても、効果が表れているとみることができるのは、米国との関係だけであり、対EUと対中国との関係では効果が表れているとは言えないのです。

 では、何故EUへの輸出が増えないのか?

 それは、EUが緊縮政策を採っている最中であり、そして、経済成長率がマイナスで推移しているので、なかなか購買力が高まらないからなのです。

 では、何故中国への輸出が増えないのか?

 もう、これは説明の必要はないでしょう。

 日中間の緊張の高まりが継続しているからです

 いずれにしても、これだけ円安が進んでも、輸出が回復するどころか、数量ベースでは減少している、と。だとすれば、実質GDPには、輸出がマイナスに作用することが予想されるのです。

 このままでは、アベノミクスの効果が出るどころか、実質経済成長率を引き下げてしまう可能性の方が今のところは大きいのです。

 ただ、そうは言っても、では逆に円安が起きていなかったら、どうなっていたかと言えば、輸出数量はさらに落ち込んでいたでしょう。

 では、こうした事実からどんなことが今後予想されるのか?

 ひょっとしたら、今の株価の回復は、少しばかり行き過ぎではないのかという見方が増えるかもしれません。そして、その反対に、円安はまだまだ進む可能性があるという見方が増えるかもしれません。

 日本を訪れる外国人旅行者の数は急速に増えているのですが‥輸出の方は、いろいろな事情が絡んでいるようです。


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 難解なリカードの「経済学および課税の原理」を分かりやすく解説する「リカードの経済学講座」を開始しました。

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 昨日、政府は2か月ぶりに景気判断を上方修正した、と報じられました。

 何でもそれまでの「一部に弱さが残る」などとしていた判断が「緩やかに持ち直している」に変更された、のだとか

 へー、そんなものなのかと思いつつ、内閣府のサイトにアクセスしてみたのですが「日本経済の基調判断」を読んでみて、なんと退屈なこと。

 これでは、専門家を除いてまともに読んでみようという人は殆どいないでしょう。

 しかし‥付属の資料を見ていると、それなりに興味をそそる事実が浮かび上がってくるのです。本当ですよ。

 では、何が私の興味をそそったか?

 ところで、今、アベノミクスの効果で少なくても円安と株高が実現されたことだけは確かです。それについては誰も反論できないと思います。

 では、実際に景気は良くなっているのか?

 但し、幾ら株高が続いても、実際に景気が良くなっているのかと言えば、人によっては判断が異なるのです。

 株式投資などを行っている高額所得者は懐具合が良くなっているようだが、一般庶民にまではその恩恵は及んでいない、とよく言われますから

 しかし、この月例経済報告に出てくる「景気ウォッチャー調査」の結果をみると、人々の景気に対する感じ方が、これまでになく高まっていることが窺われるのです。

気になる経済指標

 というのも、景気ウォッチャー調査の景気判断DIは、4月時点で56.5と過去3番目の水準になっているからです

 「過去3番目の水準とは凄いななんて思ってはいけません。

 というのも、過去最高の水準は57.3であり、それを記録したのは、2006年3月と‥それと、2013年3月であるからです。

 つまり、3月に最高のタイ記録となっていたのです。

 但し、その一方で、先行きの景気判断DIについては、この4月に57.8と、正真正銘の最高値を記録しているのです。

 ということで、日本中の様々な職場で働く人々の景気に対する判断は、2000年以降、最高に達していると言ってもいいのです。

 しかし、ひょっとしたら人々の判断は錯覚かもしれない‥なんて今思っている人はいませんか?

 今まで余りにも不況が長く続いてきたので、期待が先行し過ぎているのではないか、と。

 しかし、私は、次の二つの指標から、期待だけが先行しているとか、錯覚であるとは言えないと思うのです。

 先ず、米国の景気回復を裏付ける資料から。

 ご承知のようにNY株価は史上最高値を更新中ですが‥それ以外でも、例えば、住宅価格の回復振りを示す指標をご覧ください。

 ケース・シラー指数です。

 2000年の住宅価格の水準を100とする指数ですが、ボトム時には140を切っていたのが、それが150にまで回復してきているのです。

 それに、住宅着工件数も相当に回復してきているでしょ?

 但し、正確を期すならば、どちらも水準自体はだまだ低いというべきでしょう。何故ならば、ケース・シラー指数のピークは200を超していた訳ですし、また、住宅着工件数もピークは、200万件を超していた訳ですから。

 次に、円安の効果がこんなところにも表れているという指標をご覧いただきましょう。

 中国人も含めて、日本を訪れる外国人の数がこんなに急上昇しているのです。

 これだけ急速に円安になっている訳ですから、外国人にとっては日本を訪れるチャンスであるのは容易に理解できると思います。

 だから、例えば、米国人にとっては日本へ気軽に訪問することができるようになった、と。では、中国人にとってはどうか?

 中国の人民元が、最近、ドルに対して着実に強くなっているのをご存知ですか?

 人民元がドルに対し価値が上がっているのであれば、円に対してはなお価値が上がる、と。だから、中国人にとっては、日本への旅行が益々しやすくなるのです。

 では、こうして、日本の景気が良くなりつつあるのは、全てアベノミクス、或いはそのアベノミクスの主要な柱である大胆な金融政策、つまり異次元緩和策が功を奏したためであると言えるのか?

 しかし、それについては何とも言えないのです。

 何故ならば、異次元緩和策の狙いは、大胆な緩和策により国民のインフレ予想に影響を与えることによって景気を刺激することにある訳ですが、今のところ少なくても消費者物価が上がる気配はないからです。

 つまり、物価は、まだ上がる気配がないのにも拘わらず‥しかし、円安が引き起こされ、その円安を起爆剤として、景気が回復し始めているということなのです。

 では、仮に今、円安は起こらなかったが、インフレだけは起こり始めているという状態だったとしたら、ここまで景気が回復していたでしょうか?

 私は、ノーだと思うのです。

 いずれにしても、円安にも限度があるでしょう。

 政治家の間でも、余りにも円安が進むとデメリットがあるという意見も聞かれるようになりました。ということは、ひょっとしたら、そろそろこれ以上の円安が起きる可能性小さくなることも考えられるのですが、今までの株価の上昇は、まさに円安がエンジンとなって引き起こされてきたと言っていいわけですから、円安の進行が止まった時に株価はどうなるのかという疑問が湧いてくるのです。

 円安が止まっても、自律的な景気回復のエンジンに火がつき、その後も株価は上がり続けるのか?

 それとも、円安が止まるとともに、株価の上昇もストップしてしまうのか?

 いずれにしても、現在の日本の景気回復は、円安によってもたらされたものであり、インフレ率が高まることによって引き起こされたということができないのは、明らかなのではないでしょうか。


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