経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2013年11月

 10月の消費者物価指数が発表になりました。

 生鮮食品を除く総合指数で、前年同月比0.9%の上昇率です。因みに前月比は0.2%の上昇率であり、それを単純に年換算すれば(複利計算しなくても)2.4%になる訳ですから、そうなればインフレ率2.0%の目標達成はほぼ確実になったかとも思われます。

 しか〜し‥生鮮食品の価格以外に、特殊な要因で値動きすることが多いエネルギー価格を除いた、コアコア指数で物価動向を判断することが大切なのです。

 では、コアコア指数はどうなっているかと言えば‥前年同月比は0.3%の上昇となっており、また、前月比についても0.3%と高い伸び率になっているのです。

 実は、コアコア指数の伸び率がプラスになったのは、安倍政権になってから初めてのことなのです。というよりも、2008年10月以来、5年ぶりの出来事なのです。

 ここは、素直におめでとうと言うべきなのでしょうか?

 少なくても、リフレ派の人々は、今、鼻高々になっていることだと思うのです。

 バンザーイ! バンザーイ! なんちゃって。

 甘利大臣は、早速次のように述べています。

 「総合、コア、コアコア、全てプラスが出そろった。アベノミクスの効果が次第に進展し、デフレ脱却に向け、脱出しつつある。その姿がさらに明確になった」

 確かに、コアコア指数でみてプラスになったからには、物価が上がり始めたと判断していいと思います。しかし、私の考えでは、物価が上昇し始めたからといって、必ずしも景気がよくなるとは考えられないので、喜ぶわけにはいかないのです。

 景気が実際によくなって、その結果物価も上がっているというのであれば、物価が上がっているのは景気がよくなっている証拠だから喜ぶこともできる訳ですが‥今起きている物価の上昇は、むしろ他の要因で起きていると考えるべきなのです。

 では、何故物価が上がっているのか?

 一番の理由は、生鮮食品やエネルギー関係を除けば、円安による効果が大きいということではないのでしょうか?

 消費が活発になって‥つまり需要が旺盛で品不足になった結果、物価が上がっているというのでしたら、メーカーからすれば嬉しいの一言に尽きるでしょうが‥しかし、幾ら価格が上がってもメーカーは喜んではいないのです。というよりも、メーカーは、コストアップに対応するために値上げに踏み切らざるを得ないだけなのです。

 そして、そのコストアップを引き起こしている最大公約数的な要因が円安であるのです。

 例えば、豆腐屋さんが、原料となる輸入大豆の価格が高騰しているから、値上げをすることになったとしても、豆腐の需要が増えて値上げをするのではないのですから、豆腐屋さんの儲けが増えることはないのです。だから、豆腐屋業界で働く人々の賃金が上がる訳でもない、と。

 ところで、私、先日、ドラッグストアでお酒を買おうとして価格を見て驚きました。何と紙パックに入ったTVでよく宣伝される日本酒の価格が、いつもより200円程度も上がっていたのです。

 思わず、じぇじぇじぇと叫びたくなりました。

 一体、何が起こっているのかと思い少し調べてみると‥日本酒のメーカーが、お酒の価格を引き上げていることが分かったのです。

 但し、日本酒の価格上昇の最大の理由は円安ではありません。確かに、紙パックを使用するために、原料となる輸入パルプの価格が上がれば価格を押し上げる要因にはなるのですが、それよりも大きな理由があるというのです。

 一体それは何なのか?

 それは、米トレーサビリティ法によって2011年7月から米の原産国表示が義務化され、それまで海外産の米を使っていたせんべいやもちなどのメーカーが国産米の割合を高めているので、原料米の価格が上昇しているからなのだ、と。

 いずれにしても、そのような理由で日本酒の価格が上がるのであれば、日本酒のメーカーの儲けが増える訳ではないし、そして、消費者にとっても、価格が上がる分、他の消費を削減せざるを得なくなるのです。

 私、日本酒の価格動向が気になって、総務省の物価統計を見てみました。

 一体、日本酒の平均的価格は、10月にどれほど上がっているのか、と。

 そうすると意外なことが分かったのです。

 「清酒」: 前月比0.0% 前年同月比−1.3%

 物価統計でみると、日本酒の価格は1年前と比べて下がっているのです。

 では、せんべいやもちの価格はどうなっているのでしょうか?

 「せんべい」: 前月比3.2% 前年同月比0.9%

 「もち」: 前月比−1.7% 前年同月比−3.1%

 せんべいの価格は上がっているものの、もちの価格はそうでもないようなのです。

 それにしても、清酒の価格に対する我々庶民の感覚と、物価統計上の数値に大きなギャップが発生しているように思えてなりません。

 政府が、物価を引き上げ、デフレを脱却することが最優先課題だというのであれば、何故清酒の価格が統計上は下がっているように見えるのか、その辺を納得いくように説明しなければいけないでしょう。

 いずれにしても、物価が本格的に上がり出しても、需要が増えた結果の物価上昇ではないので、庶民の生活は苦しくなるだけの話なのです。


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 NYダウが5日連続で最高値を更新しています。株価は、今や1万6097ドル33セントにまで上昇しているのです。

 流石にここまで来ると、バブルではないかという声が大きくなっています。

 先日、イエレンFRB副議長が議会証言に立った時も、誰かが彼女に、株価はバブルではないかと質問していました。

 彼女はそれに対して、そんなことはないと返答したのですが、そういうことが質問されること自体、既に多くの人が、バブルではないかと感じている証拠なのです。

 では、何故株価は上がるのか?

 それは、QE3という量的緩和策を米連銀が採用し続けているからなのです。分かり易く言えば、毎月850億ドルのペース、つまり毎月約8兆5千億円分の長期国債や住宅ローン担保証券を米連銀が市場から買い入れ‥つまり毎月8兆5千億円もの資金を市場に投入しているということなのです。

 毎月8兆5千億円だと、1年間で102兆円もの規模になります。

 では、何故米連銀は、そのような途方もない規模の資金供給を行っているのか?

 株価を上げることが目的なのか?

 いいえ、そうではありません。少なくても表面的にはそうではなくて、実体経済を支援するためのものなのです。つまり、景気を良くして、失業率を少しでも下げたいと思えばこそそのような非伝統的政策、もっと言えば禁じ手にまで手を出しているのです。

 では、そのQE3は、所期の目的を達成しつつあるのか?

 多くの人は、それほどの効果はないと思っているのです。少なくてもそれによって雇用状況が着実に改善しつつあるとはとても言えない。

 では、QE3なんて止めてもいいのではないか?

 しかし、それほどの効果がないとしても、失業率を低下させるために止めることはとてもできない。それに、物価が安定したままであるので、なお止めることができない。これが、少しでもインフレの兆候が出てくれば、QE3を早めに止める必要があるという意見も出てくるのでしょうが、インフレ率が2%以内に収まっている限り、そのような声はなかなか出てこない。

 それに、今やQE3が株価を支えているという認識が広がっているので、その意味でもなかなかQE3を止めることができない、と。

 しかし、そうだとすれば、やっぱり今の株価はQE3によって支えられているというのが事実であるということになるのです。つまり、最近の株高は、経済のファンダメンタルズを反映したものというよりもバブルであると考えた方がいいのです。

 まあ、そんなことを考えて米国のPBSのNews Hourを見ていたら、バブルという言葉に遭遇しました。

 The Newest Bubble: Peer-to-Peer Lending?

 Peer to Peer Lendingとは何のことかお分かりでしょうか?

 これ、簡単に言えば、お金を借りたい人とお金を貸す人をネットで結びつける金融仲介サービスのことであるのです。

 ネットで、お金を必要としている事業者を紹介する。そして、その一方で、その事業者にお金を融資してもいいという一般の投資家を募る、と。

 ネットが発達することによって今ではそのようなことまで行われるようになっているのだとか。

 では、そのような投資話に危険はないのか?

 ポール・ソロモン氏は、危険がないことはないと警告するのです。何故ならば、そうした素人の投資家は信用リスクというものを自分で判断することができず、いきおいそうした仲介業者の言葉を信用するしかない、と。そして、そうした仲介業者は、必ずしもそのような一般の投資家たちと利益を同じくするものではないので、投資家を欺くようなことをしがちであるからだというのです。

 なんか、どこかで見聞きしたような話なのです。

 中国の理財商品などというのも、似たようなものです。

 さらに、こうした一般の投資家たちは、ゼロ金利政策が続く中でなかなかいい投資先を見つけることができないので、こうした儲け話にひっかかりやすい、と。

 この番組でインタビューに答えていたDoug Dachille氏が、次のように言っています。

  What history has demonstrated is that while the name of the financial instruments responsible for financial crises always seem to change, the root causes are the same: poor credit underwriting standards, the excessive use of leverage, classic agency problems (lack of economic skin in the game) and the power of group thinking pushing the belief that this time, things will be different and financial alchemy has somehow produced real instead of fool's gold.

 「歴史が教えるところによれば、金融危機を引き起こす金融商品の名は絶えず変化するように見えるが、しかし、金融危機の真の原因は同じである。融資基準がいい加減であること。レバレッジを利かせすぎること。古典的なエージェンシー問題(経営者が自らの会社に出資をしないようなこと)。それに、今回はいつもと違う、つまり、今や金融工学が本物の金を作り出すことができるようになったというような考えが広まることだ」

  まあ、そう言われれば、まさにそのとおりなのです。

 しかし、分かっていても、株価が上がっているのに黙ってみていることができないのが人間の性というものなのです。


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 特定秘密保護法案が、昨夜、衆議院で強行採決されました。

 賛否両論、多くの意見が述べられているので、私が今さらコメントする必要はないかもしれませんが‥それでも一般の人が抱くと思われる疑問を解決するために、そして、この問題の本質を理解してもらうため私にも意見を言わせて欲しいのです。

 こうした法案に賛成する方は、外交や国防上の秘密を守ることは重大な国益であるから、そうした秘密を国家公務員が漏らすことは決して許してはいけない、と言うでしょう。

 そのように言われて、貴方はどうお感じになるでしょうか?

 多分、そのように言われれば、それはそのとおりだと言わざるを得ないでしょう。

 何故ならば、そうした重要な情報は日本の国益に関係してくるからなのです。幾ら国民に知る権利があるとしても、そのような微妙な情報については、一定の制限が課せられたからと言ってもおかしくはない、と。そしてまた、そのような重要な情報が漏れることのないように罰則を強化することが必要である、と。

 まあ、一般論からすれば、賛成派の意見は、一見それほどおかしくは見えないのです。

 しかし、現実の政治や行政、或いは外交の世界を知っているものからみれば、とてもおかしく思えてしまうのです。

 そもそも、今でも、そうした重要な情報を漏らした国家公務員等は処罰される規定があるのです。国家公務員法では懲役1年以下、自衛隊法では懲役5年以下。

 そうした規定が軽すぎると言えるのでしょうか? というよりも、国家公務員などが重要な情報を漏らす事件がそれほど頻発しているのでしょうか?

 今世の中で問題になっていることの多くは、正確な情報を流さないことと関係のあるものばかりであるような気がするのです。例えば、食品偽装。要するに、隠ぺい体質であることの方がより大きな問題であると言っていいでしょう。

 いずれにしても、
国家公務員が重要な情報を漏らす事件がそれほど頻発しているとは、私には思えません。それに、仮に重要な情報が漏れるようなことがあるとすれば、それは圧倒的に政治家筋から漏れることが多いというのも事情通ならよく承知しているところです。

 それに外交や防衛などに関する重要な情報を必死で守る必要があると現政権が考えるのであれば、何故米国政府が、総理の電話内容などを含めて日本側の様々な情報を盗聴している事実に対して真剣に取り組もうとしないのか?

 日本のマスコミは報じませんが‥日本に駐在している外国の外交官の間では、日本ほど情報を収集しやすい国はないというのが共通認識になっているのです。

 日本政府は、どこまで外国政府関係者のスパイ活動に対する防衛策を講じているのか?

 そのような本当に必要と思われる対策を講じることなく、秘密を暴露した国家公務員とその関係者を厳しく処罰するという特定秘密保護法案。だとすれば、その法案の狙いとするところは、重要な情報が海外に漏れるのは見逃しながらも、重要な情報が主権者である国民に知られることだけはどうしても阻止したいということであるのは明らかです。

 そうなのです。今回の特定秘密保護法案の最大の目的は、秘密情報が海外に漏れることを防ぐためにあるのではなく、主権者である国民に都合の悪い情報が漏れることを防ぐためにあると考えた方がいいでしょう。

 だから、特定秘密保護法案という名前は決して相応しいものでありません。

 もう一つ大きな欠点がこの法律にはあるのです。

 それは、何を秘密にするかが全く為政者の意思で決まってしまうことです。

 もちろん、本当に国益のために秘密にしておいた方がいい情報もあるでしょう。しかし、そもそも主権者は国民であり、国民はその権利を国会議員に委任しているだけなのですから、基本的には全て国民に知らせるのが筋というものなのです。ただ、繰り返しになりますが、全ての情報を国民に知らせるならば、確かに不都合が発生するのもそのとおりだから、必要最小限の範囲でそれを制限すべきだということになるのです。

 その必要最小限度という範囲の判断が政府に委ねることが論理的におかしいのです。何故ならば、
国民と政府の間では、利益が相反することがしばしば起こり得るからです。

 日本はアメリカのポチだと往々にして言われることがあります。そして、多くの人々は、まあ、そんなところもあるよなと内心思っている。総理になる政治家も、アメリカの意向には逆らわない方がいいと、過去のいろいろな出来事から学習している。

 例えば、あれほど人気があった田中角栄元総理が、ロッキード事件で失脚をせざるを得なかった。橋本元総理も、米国債を売り払いたいという誘惑に駆られることがあるなどと不必要な発言をして、おかしなことになってしまった。

 だから、日本の総理はどうしてもアメリカの意向を最大限に尊重しようとする。確かに、日本の国としてもアメリカとの関係が良好である方が、良い結果をもたらすことが多いとも想像されるのですが‥しかし、アメリカの利益と日本の利益が相反する場合が多いのも当たり前の話なのです。従って、総理がアメリカの意向を尊重しようとすればするほど、国民の利益には反することになることも多いのです。だから、そうした情報が政府の判断で全て秘密になってしまうようなことになれば、日本が民主主義の国であるというのは名ばかりになってしまうのです。

 どう考えても、この法案が今必要であるとはとても思えません。


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 普段はそれほど日本のニュースを扱わないBBCが、今回の中国の防空識別圏設定に関して大きく取り上げています。果たしてBBCは、日本寄りの報道をしてくれているのでしょうか?

 その前に、何故中国はこのような行動に出るのでしょうか?

 これは、日本の領空に無人機を飛ばすのと同じように、明らかに中国の戦略なのです。

 つまり、無人機を撃ち落とせば、それは日本が戦争を仕掛けたとみなして、日本を攻撃する口実とする、と。

 その反対に、そうした無人機日本が見逃すのであれば、それこそ数多くの無人機を飛ばして、事実上尖閣を占有する端緒にしよう、と。

 今回の防空識別圏設定にしても、日本が中国の言うとおりに従うのであれば、尖閣に対する中国の権利を認めたものとなり、その反対に中国の言い分を無視すれば、防空識別圏を侵した者に対する攻撃の口実にする、と。

 では、BBCは、このニュースをどのように報じているのでしょうか?

 タイトルは、Shinzo Abe: China new air defence zone move 'dangerous'と、安倍総理の発言を引用した形になっていますから、日本寄りの記事だという感じがします。

 読んでいきましょう。

 China's action had "no validity whatsoever on Japan", Mr Abe added.

  「中国の行為は、いかなる正当性も有しない」

 ということで、先ず安倍総理の発言を紹介。しかし、次に、中国の反応を次のように述べるのです。

 China has voiced anger at Japanese and US objections to the new air zone, and lodged complaints with their embassies.

 「中国は、この新しい防空識別圏に対し日本と米国が異議を述べたことに怒りの声を挙げ、日本と米国の大使館に抗議した」

 この後は、この防空識別圏が、論争の対象となっている島、つまり尖閣を含んでいることを紹介し、中国が、この防空識別圏を通過する場合には中国のルールに従うべきだと、言っている、と。

 そして、今度は、そうした中国側の言い分に対する日米の反応を細かく報じる、と。

 ポイントだけ抜き出すと‥

 先ず、安倍総理の発言。

・the zone "can invite an unexpected occurrence and it is a very dangerous thing as well".

 「不測の事態を招きかねない非常に危険なものである」

・We demand China revoke any measures that could infringe upon the freedom of flight in international airspace.

 「国際法上の飛行の自由の原則を不当に侵害する措置を撤回することを中国に要求する」

 次は、米国のヘーゲル国防長官の発言。
 
・the move a "destabilising attempt to alter the status quo in the region".

   「当該地域の実情に変更を加えようとする危険な試みだ」

・This unilateral action increases the risk of misunderstanding and miscalculations.

 「この一方的な行為は、誤解や計算違いのリスクを増大させる」

・This announcement by the People's Republic of China will not in any way change how the United States conducts military operations in the region.

 「今回の中国の発表が、当該地域で行う米国の軍事作戦に影響を及ぼすことには一切ない」

 
 ちゃんと日米の主張を紹介しています。しかし、この後、中国の言い分も紹介するのです。

 ・absolutely groundless and unacceptable

 「日本側の反応は、根拠がなく受け入れることができない」

 しかし、中国側の言い分の紹介はそれにとどまりません。分量で判断すれば、日本側の主張50に対し、中国側の主張50というところでしょう。

 BBCはこの後、韓国や台湾の主張を紹介した後、尖閣問題に関する最近の日中間の出来事を簡潔に紹介します。そして、最後に3つの事実を報じて終わりにするのです。

(1)中国は、習近平体制になってから領土問題に関してより強硬な姿勢になっており、そのことが近隣諸国との緊張関係を高めている。

(2)米国は、当該地域での小さな出来事が、深刻な事態に発展する可能性があることを警告している。

(3)中国は、ベトナムやフィリピンとの間で領土問題を巡って争っている。

 私、この記事を読んで、少し失望しました。確かに、事実を報じるのがマスコミの使命であるのは分かるにしても、もう少し中国の非合理さを指摘してもいいのではないか、と。

 日本の主張と中国の主張を同じ程度に報じるBBC。表面的には、それで客観性と公平さを保っているように装うことができる。

 でも、そんなことでは英国は世界をどのような方向に導こうとしているのか大いに疑問を持たれても仕方がないでしょう。欧米が重要視する人権や民主主義が尊重されない中国であるのに、その中国と日本の主張を同等に扱うのは如何なものなのか?

 いずれにしても、中国の尖閣に対する主張をBBCがこうして大きく取り上げるので、日本が、日中間には尖閣を巡る領土問題など存在しないとどれだけ主張しても、世界はもはやそのようには見ていないということが分かるのです。その意味では、中国の戦略が残念ながら成功しているということでしょう。




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 イランの核開発を巡る協議について合意が得られ、米国のオバマ大統領が国民に向け23日、スピーチを行いました。

Good evening.  Today, the United States -- together with our close allies and partners -- took an important first step toward a comprehensive solution that addresses our concerns with the Islamic Republic of Iran’s nuclear program.  

「こんばんは。本日、米国は、 緊密な関係にある同盟国およびパートナーの国々とともに、イランの核開発問題に対処する総合的な解決策に向け、重要な第一歩を踏み出した」

Since I took office, I’ve made clear my determination to prevent Iran from obtaining a nuclear weapon.  

「大統領に就任以降、私は、イランが核兵器を保有することを何としてでも阻止するという意志を明らかにしてきた」

As I’ve said many times, my strong preference is to resolve this issue peacefully, and we’ve extended the hand of diplomacy.  

「何度も述べてきたとおり、私は、この問題を平和的に解決するのが私の流儀であって、そこで、外交手段を講じてきた」

Yet for many years, Iran has been unwilling to meet its obligations to the international community.  

「しかし、長い間、イランは国際社会に対しその義務を履行しようとはしなかった」

So my administration worked with Congress, the United Nations Security Council and
countries around the world to impose unprecedented sanctions on the Iranian government.

「そこで、我が政権は、議会、国連安保理、そして世界中の国々と協力して、イラン政府に対し前例のない制裁を課してきた」

These sanctions have had a substantial impact on the Iranian economy, and with the election of a new Iranian President earlier this year, an opening for diplomacy emerged.

「これらの制裁は、イラン経済に大きなインパクトを与えた。そして、今年の初めに新しい大統領を誕生させ、外交がスタートした」

 I spoke personally with President Rouhani of Iran earlier this fall.  

「私は、今年の秋早々に、ロウハニ大統領と個人的に会談をした」

Secretary Kerry has met multiple times with Iran’s Foreign Minister.  

「ケリー国務長官は何度もイランの外務大臣と会っている」

And we have pursued intensive diplomacy -- bilaterally with the Iranians, and together with our P5-plus-1 partners -- the United Kingdom, France, Germany, Russia, and China, as well as the European Union.

「そして、我々は精力的な外交を展開し‥つまり、イラン側と二国間協議を行う他、P5プラス1の面々と一緒になって協議をした。その面々とは、英国、フランス、ドイツ、ロシア、中国、そして、EUである」

Today, that diplomacy opened up a new path toward a world that is more secure -- a future in which we can verify that Iran’s nuclear program is peaceful and that it cannot build a nuclear weapon.

「本日、その外交政策がより世界を安定させる方向への一歩を切り開いた。将来、イランの核開発が平和的なものであること、そして、イランは核兵器を作ることができないということを我々が確認することができるのである」


 さあ、このオバマ大統領のスピーチを読んで、貴方はどのようにお感じになるでしょうか?

 世界が平和の方向に向かうならば、何と喜ばしいことか、と多くの人は思っていることでしょう。また、だからこそ、こうしてオバマ大統領は、これが歴史的な一歩になると言っているのです。

 しかし、注目して欲しいのは、この合意にこぎつけるため動員された国々です。

 英国、フランス、ドイツ、ロシア、中国、そしてEUであるのです。

 英国、フランスが名を連ねるのは当然かもしれません。その一方で、ロシアや中国が何故参加するのか?

 米国が彼らを真の友達と感じることはないでしょうが、彼らは、安保理の常任理事国であり、そして、軍事大国でもあるから決して外せない、と。

 では、安保理の常任理事国という観点で考えるのならば、何故ドイツが含まれるのか? そして、その一方で、日本は何故含まれないのか?

 日本は、今回の件で何も貢献をしていないのでしょうか?

 しかし、その話になると大変微妙であるのです。というのも、岸田外務大臣が今月9日に、イランのロウハニ大統領と会談をし、包括的核実験禁止条約批准と国際原子力機関(IAEA)による査察受け入れを提案しているからなのです。しかも、それだけに留まらず、日本側はイランに対し、「日本はイランでの原発建設に協力する用意がある」とまで言明しているのです。

 ここまでの協力をしながらも‥日本の名前には言及しないオバマ大統領。

 ただ、その一方で、日本のイランに対するスタンスは、かねてから米国と全く一緒であるという訳でもなかったという経緯があるのです。と言うのも、ご承知のとおり、日本はイランの原油の輸入国であったので、イラン制裁に必ずも同調することができなかったからなのです。

 それに、かつて「米国債を売却したい誘惑に駆られることがある」と発言して米国から睨まれた、橋本元総理は、総理に就任する前の大蔵大臣の時代にも、米国とイランの仲が険悪化しているのにも拘わらずイランに円借款を供与しようとしたことがあったのです。

 何故、私がそのようなことを知っているかと言えば、私は、当時大蔵省国際金融局開発金融課で仕事をしていたからなのです。まあ、そうした指示が、事務方に降りてきたことがあったのです。

 私は、当時、直属の上司に対し、イランに円借款を供与したら、アメリカから怒られとんでもないことになると、発言したことを覚えています。

 つまり、米国とイランは長い間険悪な仲にあったが、日本は、イランの保有する原油を当てにする他なかったために、イランとはむしろ良好な関係を維持しようとしていたという歴史的経緯があるということなのです。

 まあ、そのようなことがあるから、米国は、イランの件では日本をまともに扱おうとしないのかもしれません。

 しかし、より長期的な目で世界の現実を分析するのであれば、日本の発言力が相対的に落ちてきているということが大きいのではないのでしょうか。つまり、経済力の相対的地位が低下し、そのために世界が日本を見る目に変化が生じてきているということです。

 考えてみたら、日本のGDPが世界のGDPの1割を占めていたなんていう話はもう昔の話で、経済力2位の地位は中国に奪われてしまっているのです。

 そして、かつては多額の貿易黒字を背景として世界中に大量の資金還流をしていたことも懐かしい思い出に過ぎなくなっているのです。1990年頃、日本は、5年間で650億ドルの資金還流を行うなんてことを世界に向かって公言していたのです。

 今は、一転、貿易赤字が拡大の一途を辿っているのです。

 それなのに、どうして海外を支援する力があると思い続けているのでしょう。

 政治家たちは、相変わらずまだ昔の夢から醒めていないようにしか思えないのです。



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 キャロライン・ケネディ駐日大使が、読売新聞と単独会見し、日本ほど重要な同盟国はない、と述べたのだとか。

 wwwj-caroline-kennedy-portrait
 (米国大使館より)

 The United States has no more important ally than Japan.

 ふむふむ‥

 America has no truer friend than Japan, and there is no more important place I could serve my country than in Japan,

 「アメリカには、日本ほど真の友人はいない。私が日本においてほど祖国のために尽くすことのできる場所はない」

 どう思いますか?

 この発言を100%信じて、感激する日本人もいるでしょう。

 その反面、それは少し褒めすぎではないか‥何か考えているのではないかと思っている人もいるでしょう。

 まあ、しかし外交上の挨拶ですから、少しくらいのリップサービスがあっても当たり前。

 いずれにしても、そのようなことを言われれば、普通の人なら悪い気はしないでしょう。

 では、実際、米国人たちは一体日本をどのように見ているのか? どこの国を親友であると感じているのか? そして、どこの国が同盟国として非常に重要であると感じているのか?

 キャロライン・ケネディ大使が言うように、日本がアメリカにとって真の友人であり、最も重要な同盟国と考えているのか?

 しばらくの間、自分なりに考えてみて下さい。

 多分1番である筈はないと思う人が多いことでしょう。1番は英国に違いない、と。そして、その次にはイスラエルが来るかもしれないから‥日本は、3番目くらいではないか、と。

 そのようにもし貴方が考えたとしたら、相当に認識のずれがあるのです。

 もっとも、そうは言っても、アメリカにはいろいろな考えの人がいるのも確かですので、これがアメリカの普通の考えだと言うのは難しいと思うのですが‥、それでも敢て言えば、通常、アメリカが親友と考える国は、次のような国であると言っていいでしょう。

 英国、イスラエル、カナダ、オーストラリア‥

 まあ、この後に、どのような国が続くかと言えば‥少し変わった意見としては、オバマ大統領はどういう訳かフランスを重要な同盟国として上げます。そして、バイデン副大統領などは、欧州ほど重要な地域はないと言ったりするのです。

 バイデン副大統領が今年の2月、ミュンヘンで行ったスピーチの一部です。

 Simply put, President Obama and I continue to believe that Europe is the cornerstone of our engagement with the rest of the world, and is the catalyst for our global cooperation.

 「簡単に言えば、オバマ大統領と私は、他の残りの世界と向き合うに当たって欧州が礎石であり、また、世界協力のための触媒であると引き続き信じている」

 Time and again, when it comes to a search for partners in this extremely complex world, Europe and America still look to each other before they look anywhere else.

 「この複雑な世界においてパートナーを探そうとするとき、欧州とアメリカは、他の国と向かい合う前に互いに関心を示し合う仲であることが多いのだ」

 このバイデン副大統領の発言を聞くと、何とアメリカという国は、礎石(cornerstone)という言葉を多用することかと感じられます。

 オバマ大統領が、日本の総理と会談するとき、いつも何とかの一つ覚えみたいに、コーナーストーンと言うでしょう?

 いずれにしても、日本は何とも思われていないのかという向きがあろうかと思いますので、ネット上で発見した米国の同盟国ベスト10を紹介すると‥

・同盟国ベスト10
 1.カナダ
 2.英国
 3.フランス
 4.ドイツ
 5.イスラエル
 6.メキシコ
 7.トルコ
 8.エジプト
 9.ロシア
 10.サウジアラビア

 あれれ‥日本はリストアップされていませんね。残念! でも、早まらないで下さい。次のようなベスト10もあるのです。

 1.英国
 2.カナダ
 3.イスラエル
 4.日本
 5.オーストラリア
 6.韓国
 7.ドイツ
 8.ポーランド
 9.フランス
 10.フィリピン


 やっと日本の名が上がりました。ということは、キャロライン・ケネディ大使が言うこともあながちお世辞だけではないということになるのでしょうか。

 しかし、このリストには日本の名が上がっているものの、同時に韓国の名も上がっていることがお気に召さない方もいることでしょう。

 何故、韓国がリストアップされているのでしょうか?

 韓国は、ベトナム戦争で30万人の兵隊を送り込みました。そして、イラク戦争においても、米英に次いで多くの兵隊を送り込みました。そのようなことを評価しているようなのです。

 といういうことで、このリストに日本が上がっているのも、結局、日本の軍事的貢献度を評価しているというだけの話で‥真の友人かどうかはそれほど関係がないのかも知れません。

 そんなことを考えていると‥米国から、日本が重要な同盟国だと言われることが果たして名誉なことなのか、とハタと考えたくなってしまうのです。

 キャロライン・ケネディ大使から、日本は大切な友人だと言われれば確かに悪い気はしないのですが‥でも、それほど米国にとって日本が重要な国であるのであれば、何故ルース大使が日本を発った後、約100日間も大使のポストが空席になっていたのでしょう。

 オバマ大統領がキャロライン・ケネディ氏を駐日大使に起用すると発表したのが7月24日。ルース大使の離日が8月12日。そして、キャロライン・ケネディ大使が着任したのは11月19日なのです。

 
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 ニューヨークタイムズ紙が今月14日付で、日韓の関係を改善するための3つの提言を行っています。

 何と言っているのでしょうか?

 なお、以下は、私が勝手に要点をまとめたものですので、ご了解下さい。

 その1

 韓国政府は歴史的出来事を重要視しているが、韓国国民の関心はそれほどでもないことを米国は理解すべきだ。韓国の指導者たちは国民の不満を理由として挙げるが、それは間違いだ。米国としては、韓国がいつまでも歴史的出来事を取り上げることを止めさせるべきだ。

 その2

 米国政府は、日本政府に対して外交の目標を対外的に明確にさせるべきだ。特使を隣国に派遣して安倍総理の防衛構想の意図を十分に知らしめることが重要だ。

 その3

 ところで、3番目の提言には慰安婦の問題が出てくるので、ここは原文をみておいた方がよさそうです。sex slave なる用語が登場するからです。

  Finally, the United States should encourage Japanese good faith in resolving the biggest historical sticking point, comfort women.

 「最後に、米国は、日本人の良心に働きかけ、最大の歴史的障害物、つまり慰安婦の問題を解決させるべきだ」

 The practice of conscripting young girls as sexual slaves for the Japanese Imperial Army during World War II requires a formal acknowledgment and apology.

 「第二次世界大戦中に日本帝国陸軍が性的奴隷として少女たちを慣例的に徴収していた事実は、公式の事実確認と謝罪を要求するものである」

 Mr. Abe should also meet with some of the survivors.

 「安倍総理はまた、生存者と会談すべきだ」


 さあ、これら3つの提言をお読みになって、どのように感じたでしょうか。

 私としては、その1とその2については、特に異存はありません。しかし、3番目の提言については、理解できません。

 私に言わせたら、アメリカがそのような認識でいるからこそ、いつまで経っても日韓のいざこざが解決しないのです。

 確かに、慰安婦の生き残りであるという人々の言うことが正しいとしたら、彼女たちが筆舌に尽くしがたい経験をしたことはそのとおりでしょう。

 特に、軍人から刀で切りつけられ、死にそうになったというような話を聞けば、同情の念を禁じ得ません。

 確かにむごい。しかし、そのような事実と、強制されて慰安婦をさせられていたかどうかとは直接関係がないのではないでしょうか?

 当時の彼女たちの収入などからしても、彼女たちを奴隷と呼ぶのは如何なものなのでしょうか?

 奴隷が、普通の労働者よりも高い賃金を稼ぐことなどあり得るのでしょうか?

 そこのところを奴隷制度をかつて採用していたアメリカ自身に聞いてみたい。

 アメリカの政治家たちは、韓国のロビー活動に利用されているだけの話なのです。勝手にストーリーをこしらえて、つまり、慰安婦は奴隷だったなどと勝手に自分たちで解釈して、日本を一方的に責めているだけなのではないのか。

 それに日本は、過去、事実を認め、何度も謝罪もしているのです。それなのにいつまでも蒸し返すから、安倍さんたちのように、事実は韓国側の言うようなものではないと言いたくなってしまうのです。

 日本側からすれば、何故いつまでもしつこく謝罪を要求するのか、と。

 その辺が日本人のメンタリティと大いに違うのです。

 日本人の場合には、もし加害者が自分の罪を認めて謝罪すれば、恐らく「分かった、もういい」と言うのではないでしょうか。

 何故韓国は、米国に告げ口をするのか?

 それは、米国が、韓国にとっても日本にとっても、お母さんの役割を果たしているからです。つまり、韓国は、直接日本に文句を言っても相手にされないので、そこでお母さん役の米国に言いつけて、米国から日本に文句を言ってもらう作戦なのです。

 ここで、日本が米国の主張を一切聞き入れないのならば、韓国が米国を頼りにすることはなくなるかもしれません。

 しかし、日本は必ず米国の言うことを聞くと韓国は思っている。そして、案の上、日本は米国の言うことを最大限に尊重をしてきたのです。

 だって、こうして米国の新聞が日本に対し、慰安婦の問題で改めて事実を認めて、謝罪しろと言っている訳ですから。

 でも、その一方で、安倍総理としても引けない一線があるのです。

 靖国神社への参拝を諦めろと言われれば、敢えて参拝は見送る。しかし、慰安婦の問題について、改めて謝罪しろとまで言われても‥そこまでするならば、もうそうなれば「安倍晋三」ではなくなってしまうのです。

 本当は、米国が韓国に対し、いつまでも過去の出来事に囚われていては、進歩がないと言うべきなのに‥そして、もし、そうすることができれば、韓国も態度を改める可能性があるのです。

 しかし、現実にアメリカがしたことはと言えば‥2007年7月、米国下院は、性的奴隷という言葉を使用して、日本を非難する決議を採択したのです。

 いいでしょうか? 米国がそのような動きに出たからこそ、韓国は益々声を挙げるようになったのです。

 つまり、韓国はお金を利用して、せっせとロビー活動に専念し、そして米国の議員たちを手玉にとることに成功しているのです。

 その米国が、日本に対してお説教をする資格が一体あるのでしょうか?

 お母さん役の米国が妹役の韓国の言い分しかきかないでおいて、どうして姉の日本が妹と仲良くなることができるのでしょうか? というよりも、妹は、お母さんにだけ気に入られればいいだけの話で、姉と仲良くなる気などないのです。


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 また、株価が上がってきていますが、本日は11月22日。何の日でしょうか?

 「いい夫婦の日?」

 まあ、それはそうなのですが‥

 「安倍総理が『家庭の幸福は妻への降伏』だと言っているけど‥」

 幸福(こうふく)と降伏(こうふく)が掛ことばになっているようですね。安倍さんにしては巧い! 座布団一枚。しかし、昭恵夫人の言うことは殆ど聞いていませんよね。

 話が脱線しました。いい夫婦など関係ないのです。

 そうではなく、本日11月22日は、あの5月22日から丁度半年が経過したことになるのです。

 「5月22日って?」

 5月22日は、安倍政権になって以降、株価が最高値を付けた日(終値ベース)なのです。もう少し正確に言えば、その2日前の5月20日に日経平均が僅かにNYダウを抜き、さらに5月22日には終値が15600円台に乗せて、明らかにNYダウを抜き去ったのです。

 ここまでは大変に調子が良かった。

 しか〜し‥

 それが、米国時間の5月22日、バーナンキ議長の一声で大きな変化を遂げるのです。

 思い出したでしょう?

 日本時間の5月23日、日経平均はさらに続伸し、一時は15900円台を記録します。しかし、その後、どういう訳か株価は急落。終値は14400円台になってしまったのです。

 そして、この頃からテーパリング、つまり連銀の債券購入策の縮小が強く意識されるようになったのです。

 グラフをご覧ください。

 日経平均と株価

 日本の株価は、その日を境に急落の一途を辿った、と。

 その後、7月に入った頃からまた回復し、それ以降は為替の動きをそのまま反映したかのような株価になっているのです。 ここに来て日経平均が再び15000円台に乗せたのも、ドル円が100円台に乗ったことを反映しているのでしょう。

 まあ、このような見方をするならば、日経平均は為替に連動しているだけだ、とも思えるのですが‥しかし、その為替の動きがどうも巧く説明できないのです。

 例えば、今マーケットが一番関心を示していることと言えば、何時連銀のテーパリングが開始されるかということですが‥そして、先日議会証言に立ったイエレンFRB副総裁は、ハト派振りを強く印象付ける発言をしたため暫くはこのままQE3が継続するという見方が強くなっているのですが‥

 そうなるとドルと円の関係はどうなってしかるべきなのか?

 普通だったら、これでまた米国の長期金利の上昇が遠のくと受け止められ、ドル安円高圧力がかかってよさそうなものなのに実際には円高に振れている、と。確かに、本日円安に振れている理由としては、黒田総裁の発言が影響しているという向きが多いのはそのとおりでしょうが‥

 半年前にバーナンキ議長がテーパリングに言及したときも、むしろドル安円高が起きるという反対の動きが発生したのでした。

 何故米国のテーパリングの可能性が大きくなるとドル安円高になり、反対にその可能性が小さくなるとドル高円安になるのでしょうか?

 私は、反対のことが起きて当然のような気がするのです。

 では、逆に、今後実際に連銀がテーパリングに着手したときに、円は高くなりドルは安くなるのでしょうか?

 ドル金利は確実に上がるでしょうから、ドルが安くなり円が高くなる理由は考えにくいのです。

 いずれにしても、これから先、さらに日本の株価が上がる可能性があるかと言えば‥結局、今後さらに円安が進むかどうかにかかっているように見える訳ですが‥日本としては、現在、異次元の緩和策を実施しているので、これよりも金融を緩和することは不可能であるものの、アメリカとしては、テーパリングが何時かは実施されることになるだけのことなので、そうなれば円がさらに安くなるシナリオも考えられないではないのです。

 しかし、実際には、今テーパリングの時期が遠のいたとの見方によって、円が安くなっていると考えられるので、実際にテーパリングが始まった時に為替がどのように反応をするのかは何とも言えないのです。

 いずれにしても、半年前の株価の急落を思い出してしまいました。

 今の米国の株高はQE3によって演出されたものだと言っても過言ではない。だから、市場関係者は何時かは、株価が反落する可能性もないとは決して思わない。そんな弱気な見方が強くなれば、また半年前と同じようなことを繰り返す可能性もあるのです。


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 10月のコンビニの売上高が発表されました。

 先ず、各社の報道ぶりをみてみましょう。

msn産経 :コンビニ売上高0.8%減 10月、多雨で客数低調
ロイター:10月のコンビニ既存店売上高は前年比‐0.8%、4カ月連続減
朝日:コンビニ売上高、10月は微減 台風や雨で客数減る
日経:10月のコンビニ売上高0.8%減 4カ月連続マイナス

 さあ、如何でしょう?

 マスコミが報じるところを信じるならば、どうもこのところ消費がやや落ち込んでいるということなのでしょうか?

 もう少し、記事の内容を詳しく見てみると、例えば、msn産経は次のように報じています。

主要コンビニエンスストア10社の10月の既存店売上高は、前年同月比0.8%減の7264億円となり、4カ月連続で前年を下回った。

 10月の全国の主要コンビニの売上高は、前年同月比で0.8%となっており、金額ベースでは7264億円だ、と。
 
 やっぱり消費は落ち込んでいるのか?

 しかし、この文章には「既存店売上高」はという言葉が入っています。これは一体どういうことなのでしょう?

 実は、コンビニの売上高や百貨店の売上高を見る場合には、「既存店ベース」でみる方式と「全店ベース」でみる方式があるのです。そして、今回、売上高が減少したというのは、既存店ベースでの話なのです。

 では、全店ベースでみるとどうなのか?

 どの社も、全店ベースの売上については一言も触れていないようです。それどころか、テレビ局のなかには、「既存店ベース」と断っていないところもあります。

 こうなれば、生データに当たるしかありません。

 JFAコンビニエンスストア統計調査月報は次のように報じています。

 2013年度10月度
 [全般的動向]
  今月は北日本から西日本にかけて平均気温がかなり高く、カウンター商材や調理パン等の日配品が好調に推移したこともあり、客単価については、前年を上回った。一方、台風の接近数が多かったことや秋雨前線の影響により、全国的に降水量が多く、日照時間が少なかったため客数に影響が出た。
  既存店ベースでは、来店客数12億3,778万人(前年同月比−1.5%)が3ヶ月連続のマイナス、平均客単価587円(前年同月比+0.6%)が2ヶ月連続のプラスになり、売上高7,264億円(前年同月比−0.8%)は4ヶ月連続のマイナスとなった。

 確かに生データでも既存店ベースの売上げの話が中心となっているのですが、その後、全店ベースの話も出てくるのです。

 全店は8ヶ月連続のプラス・既存店は4ヶ月連続のマイナス

 いいですか、全店ベースの売り上げはプラスになっているのです。しかも8か月連続のプラスであり、伸び率は、な、な、なんと4.3%増えているのです。前年同月と比べれば、7674億円が8006億円になっているのです。

 何故マスコミは、全店ベースで売り上げが伸びている事実を報じないのか? そして、協会も何故既存店ベースの売り上げを重視するような伝え方するのか?

 実は、ここには古くからの問題があるのです。つまり、百貨店やスーパーなどの売り上げを見る場合、既存店で考えるべきなのか、それとも全店ベースで考えるべきなのか、と。

 例えば、ある地方都市の百貨店の売上高を考える場合、百貨店が新設、廃止されたような場合、全店ベースでみると、店舗数の変化に応じて売り上げが急変することが予想される訳ですが、それは当該地域の消費動向を正確に反映するものではないという批判がなされるのです。

 従って、飽くまでも一般的な消費動向を知るために百貨店などの売り上げを見る場合には、既存店ベース、つまり、店舗の数が一定であることを前提とした売上高を見る方がよいと言われるのです。

 そう言われれば、確かにそのような気もするのですが‥しかし、反面、その方式には欠点もあるのです。というのも、例えば、ある地方都市にそれまで百貨店が1店舗しかなかったところに新しい百貨店が進出してきたと仮定してみて下さい。

 そのような場合、当該地域の人口がそれほど増えていないような場合には、当然、既存店の売り上げが大きく落ち込むことが予想される訳です。つまり、既存店ベースでもみると、百貨店の売り上げは大きく落ち込んだ、と。しかし、新設された百貨店を含んだ、当該地域の合計の売上高でみると、増えることはあっても減ることはないでしょうから、全く見方が違ってくるのです。

 私、1年半ほど前まで福岡市の中心部に近い場所に住んでいましたが、私が住んでいたマンションの近辺には元々コンビニが最初2店舗しかありませんでした。それが、ある時、コンビニがさらに1店舗、そしてまた1店舗と新設されたのです。

 つまり、目と鼻の先、距離にして30メートル以内ほどのところに4店舗が存在するコンビニ激戦区になってしまったのです。

 このような場合、その地区の消費動向を知る目的でコンビニの売り上げを見る場合、既存店ベースで見た方がいいのか、それとも全店ベースで見た方がいいのか?

 恐らく、かつての2店舗の売上高だけを追うならば、新設店の影響で売り上げは大きく落ち込んでいたでしょう。しかし、その地区の消費が落ちていた訳では決してないのです。それどころか、出店しても儲かる可能性があったから2店舗も新たに新設されたのです。

 要するに、コンビニの売上高を見る理由が何なのかを知ることが先ず必要なのです。

 日本全体の消費の動向を知るためであるならば、基本的には全店ベースをみた方がいいと思うのです。もちろん、かつてコンビニが世の中に出現し始めた当時においては、それまでの旧来型の小売店がコンビニに模様替えすることが殆どであったために、例えコンビニの売れ行きが全店ベースでみて急増していても、その反面、旧来型の小売店の売り上げが落ちて行っていたでしょうから、全店ベースでみることが適当でなかった時代もあったでしょう。

 しかし、今はそのような影響を心配することは殆ど必要なくなっているのではないでしょうか。

 グラフをご覧ください。

コンビニ売上

(JFAコンビニエンスストア統計調査の数値により作成)

 全国のコンビニの売上高の対前年同月比を示したものです。実線は全店ベースで、点線は既存店ベースの動きを示しています。

 これで分かるように、既存店ベースと全店ベースの売り上げの伸び率が大きく相違するようになったのは、昨年以降のことなのです。そして、その反面、同じく昨年以降、店舗数の増加率が高い水準で推移していることも分かると思うのです。

 つまり、
ここ最近、既存店ベースの売り上げが落ちているというのは、店舗数が高い伸びで推移しているために、その分、既存店の売り上げに影響を及ぼしているからだ考えるべきなのです。

 既存店ベースでの売り上げが落ちているということは、1店舗当たりの売り上げが落ちているということで、各店主にとっては苦しい状況を物語るものであるのでしょうが、しかし、全店ベースでの売上は伸びているので、消費が落ち込んでいると考えることは適当ではないのです。

 それに、そもそも本当に景気が悪いのなら、コンビニの店舗数が増える訳がないのですから。



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 10月の貿易統計が発表になりました。

 どんな風に報じられているかと言えば‥
 
 産経:貿易赤字、10月で最大 1兆円超、原油輸入膨らむ

 日経:貿易赤字1兆907億円、10月で最大 過去最長も更新

 朝日:貿易赤字16カ月連続 10月、1兆907億円

 ロイター:10月貿易収支は1兆0907億円の赤字、過去3番目の赤字額


 どこの社の報じ方もほぼ同じ。単月の貿易赤字がまた1兆円を超えたのだ、と。

 こうしたニュースを聞いて、誰も明るさを感じる方はいないでしょう。日本の貿易赤字は悪化する一方だ、と。

 では、明るい面はないのでしょうか?

 私が見た限り、明るい話を取り上げている社はどこもなし!

 しか〜し‥

 経済統計というものは、メディアが報じることだけを鵜呑みにしていてはいけないのです。それだと、大変重要なことを見失うことがあるのです。今回の貿易統計もその例の一つと言えるでしょう。

 実は、10月の貿易統計には明るい要素が含まれているのです。

 ジャーン! グラフをご覧ください。

輸出数量の伸び率推移
(資料:貿易統計)

 青色の線が、輸出金額の対前年比をプロットしたものであり、橙色の線が輸出数量の対前年比をプロットしたものです。

 ご覧のように、輸出金額は、前年同月に比べて、3月頃から着実に伸びてきていたのです。そうです、円安のお陰で輸出金額は伸びてきていたのです。

 しか〜し‥

 そうして輸出金額ベースでは輸出が回復しているように見えても、数量ベースでみたら前年同月の水準を下回っているではないかと、批判されてきていました。

 何故、円安になっても輸出数量が回復しないのか、と。

 そして、それについて日銀の黒田総裁などは、Jカーブ効果のせいであり、時間が経てば回復するであろうと言ってきました。

 しかし、厳密に言えば、Jカーブ効果のせいで貿易収支の赤字幅が拡大することはあっても輸出数量が減少することはないのです。

 何故ならば、円安になることは、どう考えても輸出数量を減らすことにはならないからです。

 では、何が輸出数量を減らしてきていたのか?

 いろいろと理由が考えられます。

 第一に、世界経済、特に欧州経済の動向が芳しくなかったから。

 第二に、日中間の緊張が高まったから。

 第三に、日本の輸出力が落ちたから。

 多分、そうした要因がいろいろと絡み合って、なかなか数量ベースで輸出が回復することはなかったのでしょう。

 しか〜し‥

 輸出数量の対前年比は、7月、8月とプラスを記録した後、9月に再びマイナスになったのですが、10月には4.4%と再びプラスを記録することができたのです。

 ここにきてやっと数量ベースでみても回復の兆しが感じられる我が国の輸出。

 恐らく、今後も数量ベースでの回復が期待できるでしょう。

 何故か?

 それは、機械受注統計を見れば、ある程度推測が可能であるからです。つまり、機械受注統計のうちの「外需」がこのところ増勢傾向にあるからです。

 機械受注統計は、6か月から9か月後の設備投資を占う指標であると言われますが‥ということは、海外からなされた注文が半年後以降の輸出に反映されるからなのです。

 ただ、不安材料がないこともありません。それは、OECDが2014年の世界経済の見通しを従来の4%から3.6%に下方修正したことです。

 世界経済の成長率が低下すれば、海外の日本からの輸入が減少してしまうのです。

 でも、本日のところは、輸出数量が伸び始めたということを確認しておきましょう。



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