経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2013年12月

 安倍総理が靖国神社を参拝して、世界的に物議を醸しだしています。とは言っても、世界中のメディアや政治家たちが反応しているだけで、一般の人々はそれほど関心を示しているとは思われません。

 それにしても、何故こうもステレオタイプの反応ばかりなのかというのが第一の感想です。

 総理の靖国参拝に対して反対する人々は、A級戦犯を祀っている神社に参拝するということは、過去の日本軍がやった行為を反省していないのではないか、と。

 その一方、賛成する人々は、国のために命を捧げた兵隊さんの霊を慰めるために参拝するのは当然ではないか、と。

 後者の意見は、現内閣のほぼ一致した考えであるかと思うのですが‥私に言わせたら、批判に対して正面から答えていないように思われます。業界用語で言えば、すれ違い答弁。

 というのも、海外の人々であっても、戦争で尊い命を犠牲にした人々の霊を慰めるために総理が参拝することまで非難する人は殆どいないからです。但し、中国と韓国は別かもしれません。中国などの人々のなかには、そもそもA級戦犯であろうとなかろうと日本がやったのは侵略行為以外の何物でもないので、それに加担した日本人は皆同罪だと映るかもしれないからです。

 いずれにしても、安倍さんを始めとして現在の内閣の面々は、A級戦犯が祀られているという事実は敢えて無視するのです。その点については無視をして、ただ、国のために尊い命を犠牲にした兵隊さんの霊を慰めるのが何故悪いのかと、繰り返すのみ。

 ただ、私としては、安倍さんが、第一次安倍内閣のときに靖国に参拝できなくて、それが痛恨の極みとまで言っていたのに、第二次安倍内閣になっても靖国に参拝せずにいたので、どうして約束を守ることができないのか、と批判していたのも事実。

 誤解を恐れずに言えば、私は総理の靖国神社参拝を本当は支持するものではないのです。ただ、その一方で、安倍総理が痛恨の極みだとまで言い、また、そうした発言を支持した国民もいた訳ですから、約束を守らないのだったら、そんなこと最初から言わなければいいと思っただけなのです。

 まあ、以上のようなことは、誰でも考えること。私が敢てブログに書くまでもないかも。

 しかし‥実際には、日本人の多くが口には出さないけれどもいろんなことを考えていると思うのです。だから、私も、こうして記事にしているのです。

 そもそもA級戦犯が祀られているからといって、靖国神社はそれほど敬遠されなければいけないところなのか?

 この点については、安倍総理を支持するような人々は、A級戦犯が祀られていようとそんなことは全然気にしない。それどころか、国が支援せずにおられるか、と。

 その一方で、私などのようにA級戦犯が祀られていることは適当ではないと思う立場の者からすれば、少し複雑な感じになるのですが‥

 では、私は靖国神社にお参りしないのか?

 ちゃんとお参りするのです。何故かと言えば、そこに国のために尊い命を犠牲にした人たちが祀られているからです。私の父親と同じ世代の人が、桜の花びらのように若くして散っていったのです。現在私たちがこうして生活することができるのは、そうした人々の犠牲があるからです。

 何故参らずにおられようか、と。

 だから、お花見のシーズンになって、靖国神社でお花見をするのも全然問題はなし。

 でしょう? 靖国神社に総理がお参りするのを反対する野党の政治家の多くも、靖国神社でお花見をしたり、或いはお参りしたことがある人が殆どなのではないでしょうか?

 実際、私は、民主党の枝野元官房長官が、野党の議員時代に、靖国にお花見見物に来ていたのを見た経験があるのです。

 だから、総理の靖国神社参拝の本質的な問題は、靖国神社にお参りすること自体よりも、そもそもA級戦犯、或いは日本軍が戦時中に行った残虐行為に対してどう思うかという問題だというべきなのです。

 要するに安倍総理は、A級戦犯の人々がやったことをどう思っているかということなのです。

 彼らは間違ったことをしたが、罰も受けたのだから許してやるべきだと考えるのか?

 それとも、そもそもA級戦犯なんていっても、戦争に勝った国が裁いた結果なのだから、おかしいのだと考えているのか?

 そこのとこなのです。果たして安倍総理はどのように考えているのでしょう。

 安倍さんの熱狂的な支持者の多くは、そもそもA級戦犯なんておかしいという考えですよね。しかし、総理がそのようなことを言う訳にはいかない。

 この辺りのところが、もやもやの原因なのかもしれません。

 ところで、安倍総理は、今回の靖国参拝について、二度と戦争を起こしてはいけないとの思いで参拝をしたと言っていますが、私は、その言葉を文字通りに受け取ることはできません。

 否、確かに二度と戦争を起こしてはいけないと総理が思っているかもしれません。そこまで疑うというのではありません。しかし、日本が戦争を起こしてはいけないと思いつつも、相手のあることですから、何かの拍子で戦争に発展することもあり得る訳です。

 そのような場合に、安倍総理はどんな行動に出るのか?

 他国から少々侵略されたり攻撃されたからと言っても、戦争を起こさないという誓いを守り、最後まで抵抗するようなことはしないのか?

 そんなことはないでしょう。

 その反対です。国民の生命と財産は守り抜くというのが、安倍さんの考えですから。だから、日米同盟を大事にして集団的自衛権を行使したいと考えているのでしょ?

 そして、世界平和に貢献するためにも、お金を出すだけではなく、ブーツ・オン・ザ・グラウンドが大事だと思っているのでしょ?

 だから、憲法改正が必要だと主張していたのです。そして、仮にそれが実現できなければ、憲法の解釈を変更する、と。

 大変に分かり易い。

 それに、そもそも靖国神社というのは、戦争で犠牲になってもちゃんと靖国神社にお祀りするから何も考えずに桜の花のように散りなさいと、兵隊さんたちを鼓舞するためにあったのです。

 つまり、戦いを前提として存在するのが靖国神社。

 仮に、安倍総理が、靖国神社で二度と戦争を起こさないと誓ったとすれば、桜の花のように散って行った人々の霊は複雑な気持ちになるでしょう。だって、自分たちは国のために命を犠牲にした訳ですから。

 だから、二度と戦争を起こさないと誓う場所として、靖国神社は一番ふさわしくないところなのです。本当に二度と戦争を起こさないという誓いを立てるのであれば、千鳥ケ淵戦没者墓苑を選択すべきではなかったのでしょうか。

 でも、安倍総理にとっては、千鳥ケ淵戦没者墓苑では気分が出ないのでしょうね。何故ならば、兵隊さんたちは、死んだら靖国で会おうと誓って戦地に飛び立ったからなのです。

 靖国神社がどんなにピュアな存在で、どんなに重要な役割を果たしたとしても、結局、戦争を前提とした存在であったのです。

 だから、安倍総理の言っているのは屁理屈にしか聞こえない。

 ただ、その一方で、戦争で犠牲になる兵隊さんの霊を慰めるようなことを国がしないのであれば、誰も国のために犠牲になっていいと思う人はいないでしょう。だから、その意味では、安倍総理の行為を批判できる資格のある国がどれだけあるのか、という気もしてくるのです。

 結局、日本は戦争で負け、或いは、侵略戦争をしかけた(しかけさせられた)ために、今でも言いたいことが言えないのです。


 
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 本日は、今年の経済10大ニュースを発表いたします。

 それでは1位から。

 1位は、「アベノミクス効果」

 まあ、今年の経済10大ニュースのトップはなんといってもアベノミクス効果でしょう。

 もちろん、私はアベノミクスというか、リフレ派的な考え方を支持しません。お金の量を増やしてインフレにすることが景気回復に資するという考え方を支持できないということなのです。

 ところが、世の中には意外にそうした考え方に同調する人が多いのも事実。

 いずれにしても、アベノミクスの効果で経済の風景が一変したことは事実であり、それを認めない訳にはいかないのです。少なくても超円高が修正されるきっかけになったのは事実でしょう。そして、円安がもたらされて株価を引き上げたのも事実。

 ということで、1位はアベノミクスの効果です。


 次は第2位

 2位は、「世界的な株価の上昇」です。

 まあ、世界的といっても、主に米国と日本の株価が上がったということなのですが、これを2位に挙げたいと思います。

 株価が上がったことがそれほどの重大なニュースになるのかと思う方もいらっしゃると思うのですが‥一つには、NYダウが最高値を更新していること、そして、それが財政を巡る政治の捻じれ現象のなかで起きたから私には驚きなのです。もちろん、日本の株価の上昇はアベノミクスを背景としていることは事実でしょう。

 但し、この株高のニュースに一つだけ付け加えるならば、日本においては、5月に一度大きく値を下げたことを挙げたいと思います。バーナンキ議長がテーパリングの可能性に言及したことがきっかけになったのです。でも、どういう訳か、日本の株価はそれ以降しばらく下げたのに、米国ではそうはならなかったのです。

 いずれにしても、それまでほぼ1本調子で上げて続けてきた日本の株価に冷や水が浴びせられた格好になったのです。セルインメイ、つまり5月に株を売れという格言がありますが、そのような格言を無視するかのように上げ相場を演じていたのに、5月の下旬に入ると、その格言が当たってしまったのです。


 第3位は、「円安の進行」です。

 これもまさしくアベノミクスの効果でしょうが‥円相場は、年初の1ドル=87円台から今104円台にまで低下しているのです。つまり、ドルは円に対して20%ほども強くなっているのです。そして、円はドルに対して16%ほども弱くなっているということなのです。

 誰がこれほどの急激な円安を予想できたでしょうか?

 
 第4位は、「異次元緩和策の発表」です。

 4月4日に、黒田総裁が行った会見は今でも鮮明に記憶に残っているとことと思います。「倍返し」ではありませんが、黒田総裁は、マネタリーベースの量を2年で2倍にすると断言したのでした。

 確かに、言ったとおりにマネタリーベースは着実に増加しているのですが、しかし、所期の効果を発揮しているとは思えません。

 
 第5位は、「米国の財政を巡る政治のねじれ」です。

 本当に、米国議会の捻じれ現象には困ったものなのです。今年の3月、赤字削減の中身について合意ができずに予算の強制削減が実施されてしまったのです。当初の予想では、そうしたことによって米国の経済成長率は大きく落ち込むであろうと言われていたのですが、実際にはそうはなりませんでした。

 バーナンキ議長がそのように警告をしていました。そして、私もそうした考えをすっかり信じていたのですが‥

 さらに言えば、10月には連邦政府機関の一部閉鎖ということも行われました。

 ああ、それなのにそれなのに‥景気は悪くなるどころか、結構いい感じで回復しているようなのです。

 どうなっているのでしょう。

 
 第6位は、12月19日の米公開市場委員会による「テーパリング決定」です。

 2012年9月に開始されたQE3。つまり、毎月、住宅ローン担保債券と長期国債を合計850億ドル米連銀が買い入れる政策の規模が縮小されることになったのです。

 マーケットは、5月のバーナンキ発言以降、これについて大いなる関心を持ってみつめてきたのですが、ついに12月の公開市場委員会の会合で量的緩和策の規模が縮小されることになったのです。

 一言、それについて付け加えるのならば、量的緩和策の規模縮小によって株価にはマイナスに影響するであろうと見られていたのが、その決定を境に株価はむしろ上昇しているのです。


 第7位は、「消費税増税の決定」です。

 これについては、殆ど説明の必要はないと思うのですが、いろいろすったもんだした挙句、10月1日に安倍総理が消費税増税の決定を発表したのです。

 これについてコメントするならば、こうして消費税の増税を決定する一方で、景気を落ち込ませてはいけないといって5.5兆円の経済対策を実施するという政府。

 何のための増税かと言いたい。要するに暖房と冷房のスイッチが一緒に入っているようなものなのです。

 
 第8位は、「貿易赤字の拡大」です。

 確かに、アベノミクス効果によって日本の経済の風景が一変したのは事実。そして、円安が進んできた訳ですが、どういう訳かなかなか輸出が数量ベースで増加しなかったのです。そして、そうしたことも反映して、我が国の貿易赤字は拡大の一途を辿っているのです。

 今は、円安が日本経済の恵みの雨のように受け止められていますが、しかし、貿易赤字が定着するなかでこれまでと違う意味で円安が今後進まないとも限らないのです。

 そのようなときには、恐らく国債の価格の低下が同時に起こるでしょうから、日本の経済構造の変化に黙っていても気が付くことになろうかと思うのですが‥そうした歓迎されない出来事についても、政治家は絶えず注意を払っておく必要があるのです。

 そんなことを考えたら、いつまでも財政出動に頼るような経済運営が如何に危ういかお分かりになると思うのです。

 
 第9位は、「日銀総裁の交替」です。

 まさに、この日銀総裁の交替人事が、アベノミクスの実施に当たって大きな役割を果たしたと言えるのです。人事と言えば、米国でもバーナンキ議長が来年1月いっぱいで辞任し、後任にはイエレン副議長が就任する予定になっているのです。


 第10位は、「キプロスの金融危機の発生」です。

 これについては、そんなことがあったのかと思う人も多いかもしれませんが、今年の春にキプロスの金融危機が表面化し、預金元本の大幅なカットが決定され、世界中の関心を集めたことは特筆すべき出来事だったと思うのです。

 因みに、こうした出来事はあったものの、ユーロ危機は次第に収束に向かいユーロの価値が上がったことも特筆すべきでしょう。


 以上が今年の経済10大ニュースです。

 
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 内閣府が昨日、1人当たりGDPの世界ランキングを発表したと言います。

 もう少し正確に言うならば、昨日発表された国民経済計算確報の資料のなかに、1人当たりGDPの世界ランキングが掲載されているのです。

 ということになれば、日本が何位にランクされているかが気になるところですが‥

 日経と時事通信は次のように報じているのです。

 日経:「1人あたりGDP、3年連続で過去最高 世界10位」

 時事通信:「世界10位に上昇=日本の1人当たりGDP」

 日経平均も1万6千円台に乗り、最近明るい経済ニュースが多いので、この1人当たりGDPのニュースも明るく読めてしまうのです。

 まあ、世界10位というのは必ずしも高い水準ではないかもしれませんが、3年連続で上がっていると言われると嬉しいではないですか。これもアベノミクスのお蔭なのか?

 しかし、少し冷静になって下さい。というのも、この世界ランキングは、2012年のGDPに関するものだからです。ですから、アベノミクスの効果がまだ表れている筈はないのです。

 そうなのですよね、悪くばかり言われた民主党政権でしたが‥そして、そうやって悪く言われても仕方がない面が多かったのも事実でしょうが、しかし、その民主党政権時代に3年連続で1人当たりGDPの世界ランキングは上昇していたのです。

 何事もものは考えようなのです。

 でも、何故日本のランキングが上昇したのか?

 まあ、大体想像がつくと思うのですが‥時事通信の記事は頂けません。だって、こんな書き方をしているからなのです。

 「内閣府は25日、ドル換算した2012年の1人当たり名目GDP(国内総生産)が前年比0.6%増の4万6537ドルと、3年連続で過去最高になったと発表した。人口が減少する中、GDPの総額が増加したことが主因だ」

 確かに人口が減るなかでGDP総額が増加すれば、1人当たりGDPの増加率は全体のGDPの増加率を上回ります。でも、それは本当の理由とは言えないのです。本当の理由は、円高ドル安のせいで、ドル表示のGDPが膨らんで見えただけだからです。

 グラフをご覧ください。

 GDP世界ランキング
(資料:内閣府のデータにより作成)

 かつて日本の1人当たりGDPは、世界第3位なんて高いレベルにあったことがあるのです。オリンピックのメダルで言えば、銅メダル。夢よもう一度という訳にはいかないのでしょうか?

 安倍総理は、Japan is back と何度も口にしていたではないですか? ですから、3位は無理としても、6位入賞位まで回復することはできないのでしょうか?

 アベノミクスの効果が来年も続くとすれば、2012年の10位からさらにランキングを上げることが期待できないのか?

 しか〜し、それは無理。

 確か政府の経済見通しでは、2013年度の名目GDPは484兆円程度であり、そして、日本の総人口が127百万人ほどですから、2013年の1人当たりGDPは380万円ほど。そして、それを2013年の為替レートで換算すれば、約4万ドル。

 では、2012年のランキングで1人当たりGDPが4万ドル程度の国は何位にランキングされているかと言えば‥

 16位のドイツが4.18万ドル。そして、17位のフランスが、3.99万ドル。

 ということは、単純に考えれば17位となる訳ですが‥しかし、2013年に入ってユーロやポンドなどの価値が上昇していることからすれば、20位ぐらいに落ちる可能性があるとみていておいた方がよさそうなのです。

 いいでしょうか、来年は、1人当たりGDPランキングが、日本は、今回発表になった10位から20位ほどに落ちることがほぼ確実なのです。


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 昨日公表された月例経済報告では、なんと4年2か月ぶりに「デフレ」の文言が削除されたとそうですが、その一方で、デフレ脱却はまだ正式には認めていないのだとか。

 多分安倍政権としては、アベノミクスの成果を示すためにも可能な限り早く正式なデフレ脱却宣言を行いたいのでしょうが‥その一方で、賃金上昇の動きはまだ起きておらず、そして、来年4月からの消費税増税の引き上げが目と鼻の先に迫っていることから、慎重を期しているのかもしれません。

 のみならず、政府によれば、デフレ脱却の判断には4つの指標を重視する考え方だと報じられているのです。
 
 (1)消費者物価指数
 (2)GDPデフレーター
 (3)需給ギャップ
 (4)単位労働コスト(賃金動向)

 如何でしょうか?

 確かに、以上の4つが全てデフレ脱却を示すのであれば、もう鬼に金棒。デフレ脱却をすることができるのはそのとおりでしょう。

 しかし‥ここで私はふと考えてしまいます。

 デフレとは一体何なのか?

 ここにアベノクスの論理的な弱点があるのです。或いは、詰めの甘さと言った方がいいかもしれません。アベノミクスの支持者は、声高にデフレ脱却を最優先しなければならないと叫ぶ割には「デフレ」の定義をはっきりと定めていないのです。

 だから、人によって「デフレ」の意味するところが違う。

 一番狭義の意味では、デフレは物価が持続的に低下する状態を意味するので、その意味でのデフレを判断するためには、上の4つのうちの消費者物価指数だけを見れば済むような気がします。

 でも、どのようにデフレを定義するかどうかは別問題として、仮に物価が上がっただけでは国民が満足しないのも事実。そして、政治家はそのことに十分気が付いているので、物価が上がっただけではダメで、賃金が上がることが必要だと言う。

 しかし、仮に賃金が上がる状況が出現したとすれば、そのときに物価が依然として下がり続けていても国民は文句を言わないでしょう。

 当然でしょう? 何故ならば、賃金が上がる一方で、物価が上がらないのであれば、なおさら国民にとっては都合がいいからです。

 ということで、口ではデフレ脱却が最優先だなどと言ってはいるものの、アベノミクス支持者にとって本当に重要なことは賃金が上がることなのです。そして、賃金が上がりやすくなるためには物価が上がることが必要だと考えるから、だからデフレ脱却を叫ぶのです。

 要するに、デフレ脱却は手段であって目的ではない。真の目的は賃金の上昇なのです。

 そうでしょう?

 いずれにしても、そうして何が目的で何が手段かもはっきり認識しないままに、デフレ脱却が必要だなんて口で言っているだけだから、いざデフレ脱却の判断する段になっても、何を基準にしていいかが分からない。

 で、結局、役人任せになってしまい、そして、役人が上記のような基準を示しているということなのです。

 では、役人の示した判断は適当だと言えるのか?

 全くナンセンスとしかいいようがありません。

 誤解のないように言いますが、確かにそれら4つの条件が満たされたら、それは申し分ないということになるでしょう。

 しかし、今問われているのは、デフレから脱却したと判断できる最低限の要件は何かということなのです。

 繰り返しますが、賃金が上がれば、デフレ脱却宣言ができようとできまいとどうでもいいのです。何故ならば賃金の上昇が真の目的だから。

 だとすれば、(4)の単位労働コストなんて考える必要はなし。

 さらにしつこく繰り返しますが、私は賃金が上がる必要がないなんて言うのではないのです。そうではなく、賃金が上がれば物価が下がり続けようが殆ど重要でない、と。つまり、デフレから脱却できていなくても関係ないということなのです。だから、デフレ脱却の話と、賃金が上がるかどうかは区別して考えるべきなのです。

 次に、(2)のGDPデフレーターは考える必要があるのか?

 GDPデフレーターは一種の物価指数なので、参照することがあってもいいかもしれませんが‥しかし、この円安の状況にあってGDPデフレーターを参照することには大きな問題があるのです。

 円安が発生すると物価にどんな影響を及ぼすと思いますか?

 円安になると輸入品の価格が上がるので、インフレになると考えるでしょう?

 確かにそうした効果があるのはそのとおりですが、それにはタイムラグが伴うのです。そして、GDPの支出項目中の輸入は、マイナスの項目であることを忘れてはいけません。

 Y=C+I+G+(X-M)

 つまり、GDPは、C(個人消費)とI(企業の投資)とG(政府支出)にX(輸出)を足したものからM(輸入)を引いたものであるので、輸入にかかる価格が上がれば、全体のGDPデフレーターをむしろ引き下げてしまう効果があるのです。今、タイムラグがあると言いましたが、それは、円安の効果が個人消費の対象のモノやサービスの価格にまで影響が及んだ段階でGDPデフレーターが上がる可能性はあるのですが、当初の段階では輸入価格が上がるだけで、そうであれば全体のGDPデフレーターをむしろ低下させてしまうということです。

 実際、過去1年ほどのGDPデフレーターをみると、輸入デフレーターが大きく伸びているために全体のGDPデフレーターは殆ど上昇していないのです。

 だから、GDPデフレーターを基準にしてしまえば、今の円安が続く限り、なかなかデフレ脱却の判断はできないでしょう。そのようなことっておかしいでしょう?

 では、残りの(3)の需給ギャップはどうでしょうか?

 確かに需給ギャップが縮小すれば、それが物価を引き上げる力を及ぼすのはそのとおりなので、物価動向を予想する上では需給ギャップを見ることが重要なのですが‥でも、需給ギャップはあくまでも需給ギャップに過ぎないのです。

 さらに言えば、今安倍政権が企業側に口を酸っぱくして言っていることとは、設備投資をやれということであり‥仮に、企業が政府の要請に従って設備投資に積極的になれば、さらに需給ギャップが拡大する結果になる訳ですから、政府は、口ではデフレ脱却が優先だなとと言いながらも、実際にはデフレを長引かせるようなことを言っていることになってしまうのです。

 ということで、今頃になってデフレ脱却の判断には4つの基準があるなんて役人に発言させているところにアベノミクスの論理的な詰めの甘さが窺われるのです。


 

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 日本の株価も上昇しています。本日、日経平均は、一時16000円台を回復したのです。

 これも米国の株価上昇を受けた動きなのだとか。

 12月18日に、QE3の規模縮小を打ち出したFRB。規模縮小でドル高円安が進み、その結果、日本の株価が上がるというのであれば、まあ、取り敢えず理屈はつくかもしれませんが‥しかし、何故米国の株価は上がったのか?

 何でも実態経済の回復のスピードが増しているからなのだとか。しかし、それにしても、QE3の規模縮小を打ち出した途端に株価が上がらなくてもいいものを‥なんて思ってしまうのです。

 いずれにしても、おねだり癖から抜けきることのできないマーケットは、金融政策に関して勝手に誤解して反応しているに過ぎないと思うことが多いのです。

 例えば、これまで市場では、テーパリング警戒論とでもいうべきものが横行していた訳ですが‥

 何故、テーパリングを警戒していたかと言えば、FRBの金融緩和が弱められると市場に冷や水をかける結果になりはしないかと懸念されていた訳ですが‥

 でも、そもそもQE3の効果があったのかが怪しいのです。

 まあ、私がそんなことを言うと、お前は何を言うのか、と言われそうなのですが‥

 そもそもQE3はどんな効果があると期待されていたのでしょうか? ズバリお答え下さい。

 そうです、米連銀が長期国債を大量に購入することによって長期金利を低下させ‥つまり、長期国債の価格は低下し、そうなると相対的に他の資産の魅力が増すと。


 実際市場では、そのようなメカニズムが働いているかのように作用して、確かに株価は上昇続けてきたのです。


 しかし、昨年9月3日にQE3を採用して以降、米国の長期金利は低下していたのでしょうか?

 グラフをご覧下さい。

米国の10年物金利の推移

(資料:FRB)

 如何でしょうか? その時点では、米国の長期金利は既に未曾有の低水準に達していて、QE3を採用したからといって、それ以上長期金利を引き下げたとは思えないのです。というか、実際、下がっていないのです。

 では、今回QE3の規模縮小に着手すると決定したことにより、長期金利水準の動きには何か変化が起きているのか?

 しかし、それについても、グラフを見てもらえば分かるように、長期金利は今年の5月以降、徐々に上昇をし始めていたことが分かるのです。

 何故なのでしょう?

 恐らく、その辺りからテーパリングの実施が意識され始めたということではないのでしょうか。そして、実際に5月22日にバーナンキ議長がテーパリングの可能性について言及したことから、その動きが顕著になった、と。

 ところで、最近米国の経済成長のスピードが増していると言われています。また、だからこそQE3の規模を縮小しても問題はないと判断されたのでしょう。

 では、経済成長のスピードが増すと言うことは、これから先インフレになる可能性が大きくなると考えていいのか?

 さあ、如何でしょう?

 恐らく、多くの方はインフレになる可能性は大きくなるだろう、何故ならば景気が良くなる訳だから、と答えるのではないでしょうか。

 しかし‥

 米国債の利回りから判断する限り、むしろ逆の予想が示されているのです。つまり、インフレになる可能性は小さくなったと。

 何故そのようなことが言えるのか?

 青線のグラフは、通常の10年物国債の名目金利を表していますが、赤線のグラフは、10年物の物価連動国債の利回りを表しているのです。物価連動国債とは、物価の変動に応じて元利金の支払いが保証されるものであるので、その利回りが示すものは実質金利と考えられるのです。

 ということで、米国では、今年の6月頃から物価連動国債で示される実質金利がプラスに転じ、名目金利と実質金利の差が少し縮小しているのです。

 一方、「予想インフレ率=名目金利−実質金利」の関係にあるので、この半年間ほどインフレの恐れはむしろ小さくなっているということなのです。

 貴方の常識的感覚と反した結果になっているでしょう?

 それに、6月以降、実質金利がプラスに転じているということは、その分だけお金の借り手の負担が大きくなっていることを意味する訳ですから、その意味でも何故株価を押し上げる効果があるのかと思ってしまうのです。

 仮に、実質金利が上がっているのは、実体経済が改善していることを示していると言おうとしても‥そのようなことはこれまで殆ど誰も言っていなかった訳ですから‥

 ということで、なかなか理屈どおりにはなっていないのが最近の市場であるのです。

 アナリストの言う理屈なんて、簡単に信じてはいけないということなのです。


 
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 2014年度の名目GDPが500兆円台に復活しそうだと報じられています。というのも、昨日閣議了解された2014年度の経済見通しによれば、名目GDPが2013年度末には484.2兆円、そして、2014年度末には500.4兆円になることが予想されているからなのです。

 グラフをご覧ください。
名目GDP
(資料:内閣府)

 確かに、我が国の名目GDPは、かつて一旦は500兆円を突破していたのに、リーマンショックのあった翌年度から500兆円を下回る水準で推移しているのです。

 但し、実質GDPでみれば、その後回復基調にあり、そう悲観することもないと思うのですが、とにかく「名目GDP」が大事だと力説される方々にとっては、500兆円の大台を回復することがとても大事なことだと思っているようなのです。

 もちろん、名目で500兆円台を回復して、そして、その上物価もそれほど上がらずに済むならば‥
それに越したことはありません。

 しか〜し‥

 本当に、2014年度に名目で500兆円を回復すると予想されるのでしょうか?

 先ず、政府の見通しによれば、2013年度と2014年度において経済は次のように成長することになっています。

        実質  名目
2013年度  2.6%  2.5% 
2014年度  1.4%  3.3%


 名目では、2013年度の2.5%の成長率が2014年度には3.3%に上昇するのだ、と。これだけ見れば大変結構にも思えるのですが‥実質成長率は、2013年度の2.6%から2014年度には1.4%に落ちてしまうのです。

 どうしてなのでしょう? アベノミクスの効果で、もっと成長を遂げる筈ではなかったのでしょうか?

 しかし、これは2014年度から消費税の引き上げが実施されるために止むを得ないものと思われるのです。

 でも、考え方を変えれば、消費税を5%から8%に引き上げながらも1.4%の実質成長が期待できるというのであれば、これはもう出来過ぎの結果というべきではないでしょうか?

 本当に2014年度において、経済はそれほど成長することが期待できるのでしょうか?

 私は、この見通しは大アマだ!と断言せざるを得ないのです。

 というよりも、名目成長率が500兆円に乗るように逆算した結果ではないかとさえ思われるのです。

 2014年度に名目GDPが丁度500兆円に達するなんて‥

 この政府の見通しが甘すぎるというのは、各支出項目の伸び率を見れば一目瞭然なのです。

 先ず個人消費。

 個人消費は、実質ベースで2013年度の2.5%の伸びが2014年度には0.4%の伸びに落ちると予想しているのですが‥0.4%も伸びるというのは甘すぎるでしょう。何故ならば、消費税の増税分が3ポイント分もある訳ですから、それでも実質でなお個人消費の伸びがプラスを維持するとしたら、家計の収入が物価の上昇分以上に増えないとそれだけの消費が期待できないのですが‥果たして、労働者の賃金がそれだけ上がると期待できるのでしょうか。少しは上がっても、例えば3%以上も上がるなんて期待するのは困難です。

 次に、設備投資。

 設備投資は、実質ベースで2013年度の0.4%が4.4%に伸びると予想していますが‥どうしてそんなに設備投資が伸びることなど期待できると言うのでしょう。何といっても、消費税増税前の駆け込み需要の反動で、2014年度にはむしろ消費が停滞することが予想されるのですから。企業がそのような環境のなかで、設備投資に積極的になるとはどうしても考えられないのです。

 この点に関する、政府の考えは次のようになっています。

 「輸出や生産の増加、企業収益の改善や政策効果等により、設備投資は引き続き増加する」

 確かに輸出が急速に回復していけば、設備投資が増えることも期待できるのですが、最近までの輸出動向を見る限り、幾ら欧米の景気が回復しだしたとしても、それほど輸出が増えるなんてどうして言えるのでしょう。

 最後に輸出をみると、実質ベースで2013年度の4.0%から5.4%に上昇すると予想していますが、これも甘い予想としか言えないのです。

 ということで、2014年度に名目GDPが500兆円台を回復しそうだと報じられていますが、これは逆算して算出した結果に過ぎないのではないでしょうか。

 役人がゴマをすっているとしか思えないのです。


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 BBCが上司にとって最も重要な言葉について紹介しています。

 Magic words in the workplace.

 「職場のマジックワード」

 「プリーズ」より、或いは「ありがとう」よりもっと重要な言葉があるというのです。

 何が重要なのか?

 その前に、確かにありがとう、と感謝の気持ちを率直に伝えるのは大事なことなのです。この感謝の気持ちを伝えそこなったためにどれだけ損をしている人がいることか? その反対に、ありがとうと率直に言える人は、なんと感じのいい人かと映るのです。

 では、プリーズはどうでしょうか?

 これ、日本人にはそのニュアンスが分かりづらいかもしれませんが、西洋の社会においては、このプリーズは大変に重要な言葉だと言っていいでしょう。

 とは言っても、多くの日本人にはそれが分からない。何故か?

 だって、日本人がプリーズというときには、「こちらに来てください、プリーズ」とか、「どうぞめしあがれ、プリーズ」と言うような使い方しか思い浮かばないからなのです。

 でも、プリーズの用法はそれだけではないのです。

 「お代官様、後生ですから命だけは助けて下せえ」なんて言うときも、プリーズが活躍します。

 「後生ですから」と言われれば、なかなか拒否できないでしょう。

 「パパ、今度の夏休みには旅行に連れて行ってね、お願い、お願い」なんて言われると、優しいパパはなかなかダメだと言えないのです。この場合、プリーズは2回、プリーズ、プリーズと続けて言うことが多そうです。

 私の言っていることが嘘だと思うのなら(まるちゃんのラーメンの宣伝をする役所さんのセリフのように聞こえるかもしれませんが‥)、一度知り合いの外国人に試してみて下さい。

 例えば、「私の英語の発音を直して下さい、プリーズ」なんて。

 相手は、ああ面倒くさい、やなこった、なんて心のなかで思っても、プリーズと懇願されたらむげには断れないのです。何故ならば、それだけ下手に出られて断るのは紳士のすることではないからです。だから、取り敢えず貴方の要望を聞く振りをしてくれるでしょう。

 大事なことを言い忘れていましたが‥日本人は、例えば、ラーメン屋さんに入って、注文を聞かれた際などに、ただ「ラーメン」とか「味噌ラーメン」とか言いますが‥よく考えたら、それは大変無愛想な言い方なのです。そうではなく「ラーメンをお願いします」とか「味噌ラーメン、お願い」とか言えば、注文を受けた方も悪い気はしない。水を持ってきてと言うのも、「水!」では、やっぱり失礼なのです。「お冷、お願いします」なんて言うでしょう? だから、そのときにplease が必要なのです。

 ということで、海外ではそのpleaseをちゃんと使うことのできない人は無教養な人だと思われてしまうのです。

 ということでいずれにしても、欧米で生活して行くためには、Thank you とpleaseがとても大切なのです。

 この2つを上手に使うことができなければ、幾らRとLの発音の違いが分かったり、或いは英単語を1万語以上知っていても、英米人から好かれることはないでしょう。逆に、それらをいつも正しく使っていると、あの人はなんていい奴だなんて思われることでしょう。

 話は本題に戻りますが、BBCによればその2つの言葉よりモノを言うのがあると言うのです。では、一体それは何なのか?

 実は、I'm sorry が大事なのだ、と

 恐らく今、多くの方が意外に思っているのではないでしょうか? だって、欧米人はなかなか謝らないのが普通だと我々日本人は教えられてきたからです。謝ってしまうと、損害賠償を請求されかねないから、彼らは普通謝らないのだ、と。

 そんな我々の常識に挑戦するかの如く、BBCの記者は、I'm sorry が職場の人間関係を保つためには大事だと言うのです。

 では、何故謝罪の言葉が重要なのかと言えば‥

 To repair damaged relationships with employees, these executives decided to say two of the toughest words for many bosses to utter: “I’m sorry.” Such mea culpas seem to be more common these days, partly because of the growing likelihood of a public uproar on social media when companies slip up.

 「従業員との傷ついた人間関係を修復するために、これらのトップたちは、多くのボスにとって最も言うことが難しい言葉を発することを決心した。つまり「私が悪かった」と。そのような謝罪の言葉が、最近はやり出しているように見える。それは一つには、会社がヘマをしでかしたときに、社会がそれを許さなくなる可能性が大きくなっているからだ」

 なんか、日本の食材偽装を思い出してしまいました。

 では、本当に英国では、上司がミスをしたような場合に、素直に部下に謝ることが多くなっているのかと言えば、上司の87%は、いつも或いはよく謝ると答えているのに対し、部下の方は、19%としか、自分たちの上司は謝らないと答えているのだとか。

 こんなに認識ギャップがあるところが大変興味深い!

 いずれにしても、上司がミスを認めて部下に謝罪することは職場の人間関係を維持する上で重要だとBBCの記者は指摘します。正直であるということは信頼関係の礎石になる、と。逆に、上司がミスを認めないと信頼関係が崩れてしまう、と。そして、職場の信頼関係が崩れてしまえば、どうして会社が発展するでしょう。

 但し、謝罪に際しての注意すべきことも指摘しています。

 謝罪する場合には、明確に(clearly)、心から(sincerely)、そして簡潔に(concisely)、と。

 そして、上司は、謝罪の言葉がいつも効果を発揮すると期待してはいけない、とも。何故かと言えば、上司が普段信頼されているときには、謝罪の言葉が効果を持つが、そうではなく、既に信頼を失墜している場合には、無能な上司であると思われるだけだから、だと。

 まあ、こうして英国では I'm sorryと言うことが普通になる気配があるとのことですが、翻って日本では、率直な謝罪の言葉が少なくなっているようにしか思えません。

 プロ野球の統一球を巡るゴタゴタはどうなったのでしょう? 謝罪の言葉があったとは思えません。今回都知事を辞任した猪瀬氏も、謝ったのは、都政を停滞させたことに対してだけではないですか。原発の事故に関して、所管省庁の経済産業省の人間が謝ったなんてことは記憶にありません。

 そうでしょう?

 それに、確かにテレビカメラの前で偉い人々が深々と頭を下げる光景は、見飽きるほど見てきました。

 しかし、あれは本当に謝罪しているのでしょうか?

 私には心からの謝罪とは思えないのです。そうではなく、マニュアル通りの謝罪でしかないのです。だから、心がこもっていないのです。

 私の記憶では、心からの謝罪の光景と言えば、バブル崩壊後に山一証券が倒産して、その時社長が泣いて謝罪したこと程度しか思い浮かばないのです。

 あやまってもあやまらない日本人が多くなっています。もう一度言います。誤っても謝らない日本人です。

 
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 第二次安倍政権になって1年が経過しようとしています。

 アベノミクスによって日本経済は明るさを取り戻したようにも見える訳ですが‥では、本当にアベノミクスが功を奏したと言えるのでしょうか?

 とはいっても、アベノミクスには3本の矢があり、その3つについて全てレビューする余裕はありません。本日は、その3本の矢のうちの金融政策について考えたいと思うのです。

 いずれにしても、超円高が修正され円安がもたらされたという事実は、認めない訳にはいきません。

 では、何故円安になったのか?

 どうお考えになりますか?

 アベノミクスというかリフレ派的な考えを支持する人々は、それはマネーを大量に市場に放出している効果だと主張するのではないでしょうか?

 黒田総裁が4月4日の記者会見で、今後2年間でマネタリーベースを倍増すると断言したのは事実です。

 では、日本のマネタリーベースがどんどん増加しているから円はドルに対して安くなったのでしょうか?

 そうに決まっているだろうと思う人が多いと思います。

 しかし、仮に日本のマネタリーベースが今年の春以降急増しているのが事実だとしても、それと同じように米国でもマネタリーベースが増加しているとしたら、どうなのでしょうか?

 それでも、円はドルに対して安くなるのか?

 そんなことはないですよね。米国ではマネタリーベースがそれほど増えない一方で、日本のマネタリーベースが増えるから円安になるのですよね。

 では、米国では最近、マネタリーベースは増えていないのか?

 グラフをご覧ください。

資産規模推移
 (資料:日銀、FRBのデータにより作成)

 日銀と米連銀のバランスシートの増大ぶりを示したグラフです。まあ、それがマネタリーベースの増加ぶりを表していると考えてもいいでしょう。

 ところで、日銀のマネタリーベースが今年の春頃から急増しているのは事実ですが、米国の場合には、昨年の秋頃から再び急増しているのです。どうしてでしょうか?

 それは、まさにその時からQE3を実施し始めたからに他ならないのです。

 つまり、最近まで日本と米国は、同じようにマネタリーベースを拡大し続けてきたのです。なのに、どうしてドルが強くなり円が安くなるのか?

 おかしいでしょう?

 確かに、市場にはアベノミクスの効能を信じる投資家も多いので、その意味で‥つまり心理的効果として円安が生じている可能性はあるのですが、こうして米国も日本と同じようにマネタリーベースを増やしているのですから、アベノミクス或いは異次元緩和策を実施しているから円安ドル高が起きているというのは筋が通らないのです。

 では、何が円安の原因なのか?

 やっぱりユーロ危機が一段落していることが最大の理由でしょう。つまり、一応危機が遠ざかった格好になっているので、逃避通貨としての円に対するニーズが急減しているのです。

 ということで、そもそもマネタリーベースが通貨の価値を決める、などという単純な話は通用しないということなのです。

 仮にマネタリーベースが通貨価値の最大の決定要因だというのであれば、米国は今でもこうしてマネタリーベースを急増させている一方で、ユーロ圏においては、昨年の夏ごろからバランスシートを縮小し始めている、つまりマネタリーベースを減少させているので、従って、ドルの価値がユーロに対して著しく低下しなければ話の辻褄が合わない訳ですが‥

 グラフをご覧ください。

 ユーロ・ドル
 (資料:FRBのデータにより作成)

 確かに、今年に入ってから、ユーロの価値がドルに対して上がってきてはいるのですが、その上がり方は比較的緩やかなものに留まっていて、それぞれのマネタリーベースの増減をしっかりと反映しているとはとても考えられないのです。

 ということで、私は、日銀がどんどん国債を買い入れてマネタリーベース増やしているからといって、それで必ず円安が起きるという主張を受け入れることはできないのです。

 ただ、その一方で、幾ら根拠のない考えであっても、そのような説を信じる人が市場に存在するならば、円安になることは十分に考えられるのです。

 結局、市場参加者が合理的な発想をしないから今の円安が起きていると考えていいでしょう。

 但し、繰り返しますが、最大の円安の原因は、ユーロ危機が遠のいているからでしょう。



 確かに、為替相場が各国のマネタリーベースの増加状況を正確に反映しているとは考えることはできないと思う方、クリックをお願い致します。
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 ついに量的緩和策の規模縮小が決定されました。これまでの毎月850億ドルの資産購入の規模が750億ドルに減額されたのです。

 しかし、それなのにNYダウは大きく値を上げました。そして、日経平均も上げています。

 どうして?

 つい先日まで、マーケットはテーパリングを警戒していたのではなかったのか?  多くのアナリストたちは、テーパリングが始まれば、少なくても当初は株価が低下すると予想していたのではなかったのか?

 それなのに株価は大きく上昇したのです。

 何故なのでしょう?

 市場では、これについて、量的緩和策の規模縮小を行うことができるほど経済回復の力が強まっているからなんて見方もあるのですが‥

 それは、理由になっていないのではないでしょうか?

 だって、経済環境が整ったからテーパリングに着手するのは当初から分かっていたことだからです。

 私は、株価がむしろ上昇した理由は、FRBがテーパリングに着手すると言いながらも、実際には、まだパーティーは続くことを容認したことにあると思うのです。

 つまり、パーティの参加者は、そろそろパンチボウルが片づけられるのかなと思っていたところ、まだパンチボウルは置いておくとホストから言われたものだから、喜んだ、と。

 では、何故パンチボウルの片づけは始まっていないと言えるのか?

 そのためには、やはりFOMCの声明文を読んでみることが必要なのです。

 英語が嫌いな貴方も、どうぞ読んでみて下さい。重要な部分だけを抜き出しました。 

In light of the cumulative progress toward maximum employment and the improvement in the outlook for labor market conditions, the Committee decided to modestly reduce the pace of its asset purchases. Beginning in January, the Committee will add to its holdings of agency mortgage-backed securities at a pace of $35 billion per month rather than $40 billion per month, and will add to its holdings of longer-term Treasury securities at a pace of $40 billion per month rather than $45 billion per month.

「雇用の最大化に向け前進していることと雇用環境の見通しが改善していることに鑑み、当委員会は、資産購入のペースを緩やかに遅らせることを決定した。来年1月から当委員会は、住宅ローン担保債券の毎月の積み増し額を400億ドルではなく350億ドルにし、また長期国債の積み増し額を450億ドルではなく400億ドルにする」
 
The Committee will closely monitor incoming information on economic and financial developments in coming months and will continue its purchases of Treasury and agency mortgage-backed securities, and employ its other policy tools as appropriate, until the outlook for the labor market has improved substantially in a context of price stability.

「当委員会は
経済や金融に関するデータを綿密に監視し、今後、物価が安定しているなかで労働市場の見通しが相当に改善するまで、引き続き長期国債と住宅ローン担保債券の購入を続ける。また、他の適切な措置を用いる」

If incoming information broadly supports the Committee's expectation of ongoing improvement in labor market conditions and inflation moving back toward its longer-run objective, the Committee will likely reduce the pace of asset purchases in further measured steps at future meetings.

「もし、今後入手されるデータが、労働市場は改善し、インフレ率は連銀の長期目標に近づくという当委員会の予想を裏付けるものであれば、当委員会は将来の会合において、資産購入のペースをさらに落とすことになりそうである」

However, asset purchases are not on a preset course, and the Committee's decisions about their pace will remain contingent on the Committee's outlook for the labor market and inflation as well as its assessment of the likely efficacy and costs of such purchases.

「しかし、資産購入措置は既定路線にあるのではない。そして、資産購入のペースに関する当委員会の決定は、この措置に伴うメリットとデメリットの比較衡量だけではなく、今後の労働市場とインフレに関する見通しに今までどおり依存する」


 いいでしょうか? 「資産購入のペースに関する当委員会の決定は、この措置に伴うメリットとデメリットの比較衡量だけではなく、今後の労働市場とインフレに関する見通しに今までどおり依存する」という部分が重要なのです。

 つまり、このまま資産購入措置が終了に向かって進むわけではない、と。必要だったら再び増額がなくもない、と。
 
To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that a highly accommodative stance of monetary policy will remain appropriate for a considerable time after the asset purchase program ends and the economic recovery strengthens.

「雇用の最大化と、物価の安定に向けた動きを支援するために、当委員会は本日、この資産購入措置が終了し、経済回復の動きが強まった後も、相当の期間において超緩和策を維持することが適当であると再確認した」

The Committee also reaffirmed its expectation that the current exceptionally low target range for the federal funds rate of 0 to 1/4 percent will be appropriate at least as long as the unemployment rate remains above 6-1/2 percent, inflation between one and two years ahead is projected to be no more than a half percentage point above the Committee's 2 percent longer-run goal, and longer-term inflation expectations continue to be well anchored.

「当員会はまた、少なくても失業率が6.5%を上回り続ける限り、そして、1〜2年先のインフレ見通しが当委員会の長期目標である2%を0.5ポイント以上上回らないと予想される限り、そしてまた、長期インフレ予想が引き続き十分に落ち着いている限り、現在の0%〜0.25%という例外的な低さとなっている政策金利の目標値を維持することが適当であるという見通しを再確認した」

The Committee now anticipates, based on its assessment of these factors, that it likely will be appropriate to maintain the current target range for the federal funds rate well past the time that the unemployment rate declines below 6-1/2 percent, especially if projected inflation continues to run below the Committee's 2 percent longer-run goal.

「当委員会は現時点において、こうしたファクターに基づき、フェデラルファンズレートに関する現在の目標値を、失業率が6.5%を下回った後も維持することが適当であろうと予想する。特に、インフレ見通しが引き続き当委員会の長期目標である2%を下回る限り」

 この最後の部分が特に重要です。FRBは、インフレ見通しが 2%を下回る限り、仮に失業率が6.5%を切ったとしてもゼロ金利政策を続けると言っているのです。

 ゼロ金利政策は、量的緩和策とは違うだろうという声が予想されます。

 しかし、量的緩和策が仮にストップされたところで、市場に対する大量の資金投入がそれで終了する訳ではないのです。何故ならば、政策金利をほぼゼロに保つためには、短期物とは言え国債などを市場から連銀が買い上げ続けなければいけないからです。

 もう一度言います。FRBは、インフレ率が2%を上回らない状況では、ゼロ金利政策を続ける可能性が大であると断言したのです。

 では、インフレ率が今後2%を上回る可能性については、どう考えられるのか?

 こうしてテーパリングが始まると、ドル高につながる、と。そして、ドル高が起きると、益々輸入物価は低下するので、インフレ率が低くなる可能性があるのです。

 だから、今後益々インフレ率が低い水準で推移することが予想され‥ということは、ずっとずっとゼロ金利政策が続くことが考えられる、と。

 つまり、パーティーはまだまだ続くとマーケットが受け止めたので、株高になった訳なのです。


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 政権が交代してから1年近くになりますが‥そして、アベノミクスのお陰で経済界には明るさがもどったのも事実なのでしょうが‥しかし、イマイチ納得ができないこともあるのではないでしょうか?

 通貨供給量を増やしてデフレから脱却せねばならない。そして、通貨供給量を増やすために日銀が国債を大量に購入することが必要だ。

 まあ、そんなことを安倍さんが主張し、それを黒田総裁率いる日銀が実施している、と。

  黒田総裁は今年の4月4日に、今後2年間でマネタリーベースを倍増させると公言しました。そして、それは着実に実施され、今、日銀当座預金残高は100兆円を突破しているのです。

 では、ここで問題です。

 日銀は、今じゃんじゃんお札を印刷しているのか? イエスかノーかでお答えください。

 如何でしょうか?

 2年間でマネタリーベースを倍増させると約束して、それを実施している訳だから、じゃんじゃんお札を印刷しているのに違いないと考える人が多いのではないでしょうか。

 しかし、答えは、ノー。

 何故か?

 それは、確かに、日銀が市場から大量の国債を買い上げ、従って、その分市場に資金が放出されているのですが、実際にそれが日銀券の発行に結びついている訳ではないからです。国債の購入代金の殆どが、国債を売却した金融機関などの保有する日銀の口座に振り込まれて、それがそのままになっているからなのです。

 つまり、国債の売却代金が溜りに溜って、それがそれまでの当座預金と一緒になって100兆円を突破したということなのです。

 もちろん、この100兆円のお金が現金で引き出されるならば、日銀はじゃんじゃんお札を刷る必要があるのですが、実際にはそうなっていないのです。

 但し、病は気から‥景気も気からなんて言われるように、実際にキャッシュが大量に出回ることがなくても、こうして円安が起きるのです。そして、そうやって円安が起きたので、日本の輸出メーカーにとっては恵みの雨となり、業績が改善して株価も上がったのです。

 では、円安のお陰でどの程度輸出は回復しているのか? そして、円安のお陰で貿易赤字は縮小しているのか?

 本日、11月の貿易統計が発表になりました。

 11月の貿易赤字は、な、な、なんと過去3番目の大きさで、1兆2928億円になった、と。

 昨年1年間の貿易赤字は7兆円弱。それが今年は、11月までの合計で既に10兆円を突破しているのです。

 円安になると日本の輸出が回復して‥そして、それによって貿易収支も改善すると期待していたのではなかったのか? 話が違うではないのか?

 まあ、そんなことを言うと、円安になってもJカーブ効果のせいで最初は輸入額の増加分が輸出額の増加分を上回り‥つまり、当初は貿易収支は悪化するものだなどと言い訳をしていました。貿易収支が改善するためには時間がかかる、ということです。

 時間がかかる? でも、もうそろそろ1年が経とうとしているのです?

 じゃあ、来年は必ず貿易収支は改善するのか? 再び貿易収支が黒字になると期待できるのか?

 先ず、今年1月からの円安による輸出増加の効果を考えてみると、輸出額が明らかに増え始めたと言えるのは4月頃以降の話であり、さらに数量ベースの輸出が伸び始めたのも7月以降のことなので、今でも思ったほどには輸出数量は伸びていないのです。

 表をご覧ください。
輸出入額

 (資料:貿易統計)

 具体的に言えば、11月の輸出額は前年同月比18.4%も伸びながらも輸出数量の伸びは6.1%にとどまっているのです。

 一方、輸入の方はどうかと言えば、11月の輸入額は前年同月と比べて21.1%も伸び、輸入数量も5%も増加をしているのです。

 円安で輸入額が増加するのは分かります。例えば、海外から輸入する原油や天然ガスの量が同じであるとすれば、円安になった分だけ円ベースに直した代金が増えるからなのです。

 でも、何故最近になって輸入数量が増えるのか、と思ってデータを見直してみると‥今年の1月以降、輸入数量が前年同月と比べて増えた月が5回、逆に減った月が6回あるので、平均してみると、数量に大きな変化はないと考えてもよさそうなのです。

 まあ、私がこのようなことを言うと、2011年3月の原発の事故のせいで大量の天然ガスの輸入が余儀なくされているので貿易収支が赤字になったのだと仰りたい人がいると思うのですが‥私が言いたいのは、それはそうだとしても、その後、円安によって果たしてその貿易赤字が縮小するような効果が働いているのか、それとも逆に赤字を大きくするような効果が働いているのかということなのです。

 そして、その結果はと言えば、少なくてもこの1年間で見る限り、貿易赤字を増やす方向に向いている、ということなのです。

 では、来年以降はどうなると予想されるのか?

 確かにここにきて輸出数量が少しずつ増え始めているので、そうしたことが今後も期待でき、その一方で、輸入数量に大きな変化が起きなければ、貿易収支が改善に向かうことも考えられるのですが、そのためには、輸出価格が下がらないことが必要になるのです。というのも、輸出金額と、輸出数量及び輸出価格の関係は次のようになっているからです。

 輸出金額=輸出価格×輸出数量
 輸入金額=輸入価格×輸入数量

 貿易収支は輸出金額から輸入金額を引いたものであるのは、説明の必要がないと思います。

 輸出数量が今後増加する一方で、輸入数量が一定だとすれば、そして、その時に輸出価格と輸入価格が一定であれば、輸出金額が増えるのに対して輸入金額は一定であるので貿易収支は改善する。しかし、幾ら輸出数量が増加しても、その反面で輸出価格が低下してしまえば、輸出金額は思ったほどは増えないので、貿易収支は改善しないのです。

 と言うよりも、日本の輸出企業は、円安のなかで現地価格を引き下げることによって‥つまり輸出価格の伸びを低めに抑えることによって数量を伸ばしているのが現実であるのですから、なかなか輸出額の伸びが輸入額の伸びを上回ることが期待できないような構造になっているのです。

 

 


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