経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2014年01月

 2013年の消費者物価指数の伸び率が明らかになりました。

 生鮮食品を除く総合指数で前年比0.4%の上昇となっているのです。

 どう思いますか?

 目標率の2%からすれば少し低い気がしますか? それとも、期間があと1年間あるのだからまあまあだと考えますか?

 いずれにしても、2013年の消費者物価指数の伸び率が0.4%だというこの発表は、注意する必要があるのです。

 というのも、そもそも消費者物価指数といっても、3種類あるからです。

 (1)総合指数、(2)生鮮食品を除く総合指数、(3)食料(酒類は除く)及びエネルギーを除く総合指数

 思い出しましたか?

 そのままの呼び方では面倒なので、(1)を総合指数、(2)をコア指数、(3)をコアコア指数と呼びましょう。

 物価が上がることによって、或いは下がることによって国民生活にどのような影響を及ぼすかを
知るためには、本来総合指数でみるべきでしょう。しかし、魚介類や野菜などは天候の影響で大きく変動するために、生鮮食品は除いた方がいいという考え方もあるのです。

 ということで、我が国では消費者物価指数として、かつては総合指数と生鮮食品を除く総合指数、つまりコア指数の2つを発表していたのですが‥いつの頃からか米国を真似をするようになってコアコア指数まで発表されるようになったのです。

 何故コアコア、つまり食料とエネルギーを除くような物価指数を算出するのか?

 エネルギーと言えば、結局、原油価格を表すと考えていいのでしょうが、ご承知のように原油価格は経済の動向とは関係なく変動することも多いので、景気の指標として物価を見る場合には、エネルギーも除いた方がいいという考え方なのです。

 では、何故食料を除くのか?

 生鮮食品を除くのは分かるのですが、食料を全て除くという意味は正直言って分かりません。ただ、米国がそうしているからということではないのでしょうか。
 
 いずれにしても、3つの指数があり、そのうちの生鮮食品を除く総合指数、つまりコア指数について、メディアは報じているのです。

 では、(1)の総合指数の動きはどうなのか?

 なんとこれも(2)のコア指数と同じように、2013年は前年と比べて0.4%の伸びとなっているのだとか。

 では、(3)のコアコア指数はどうなのか?

 な、な、なんと、こちらの方は、前年比0.2%の下落なのだとか。

 景気の動向をより的確に示すと思われるコアコア指数の伸び率は、なんと2013年もマイナスに留まっているのです。

 リフレ派の方々、或いは安倍政権の熱狂的な支持者は、この私の指摘を知って、ご不満に思うかもしれません。何かいちゃもんを付けないと気が済まないのだな、と。

 まあ、そのように思う人たちは、本当に物価を引き上げることが絶対に正しいと信じているということでしょう。でも、ご安心下さい。私は、アベノミクスの下で物価が上がっていないではないか、と言いたいのではないのです。その反対。

 原因は別にして、アベノミクスの結果、或いは異次元緩和策の結果、物価が上がっているのは事実なのです。

 (3)のコアコア指数の伸び率はマイナスだと今、言ったばかりではないのか、と言いたそうですね。

 確かに2013年の平均値はそうなのです。

 いいでしょうか? 2013年の物価指数と言うのは2013年の各月の平均値を指しているのです。ということは、物価が一定の方向に向かって動いているとすれば、ある年の物価指数はその年の6、7月頃の数値とほぼ一致すると言ってもいいのです。

 そんな半年も前の数値に拘ってもしようがないでしょう?

 見るならば最近の指数の動きをみなければいけません。

 では、2013年12月の消費者物価指数はどうなっているのか?

 (1)の総合指数は前年同月比1.6%の上昇。(2)のコア指数も前年同月比1.3%の上昇。そして、(3)のコアコア指数も前年同月比0.7%の上昇。

 どの指数で見ても上がっているのです。一番伸び率が低い(3)のコアコア指数でも0.7%も伸びている、と。

 正真正銘の総合指数でみれば、1.6%も伸びている。そして、目標値が2%であること、そして、目標達成のための期間があと1年間もあることを考えれば、もうこれは十分合格点を上げていいのです。

 今、リフレ派と安倍政権の熱狂的な支持者は、私が急に改心して、リフレ政策を支持するようになったのか、と疑問に思っているかもしれません。

 バカもん!

 確かに物価は上がっている。しかもこのままだと目標達成は確実。

 しかし、私は、そもそもそういった物価目標に意義を感じていないのです。また、仮に物価目標値を支持したとしても、物価が上がっている理由がリフレ派の事前に説明とは全然違っているので納得ができません。

 リフレ派は、世の中に出回るお金の量を増やせば、インフレが起きない筈がないと主張しました。
しかし、実際には、世の中に出回るお金の量は言われているほど増えている訳ではないのです。何故ならば日銀が供給したお金の殆どは、日銀の当座預金として預けられたままになっているからです。

 しかし、どういう訳か、マーケットはアベノミクスに反応を示し、円安に振れた、と。これまた、円安が起きた本当の理由は、ユーロ危機が収まったことが大きいとは思うのですが‥

 まあ、その点は置いておくとして、とにかく円安になったから物価が上がっただけなのです。

 リフレ派のなかで、以前から円安にすれば物価が上がり、そうなるとデフレから脱却できると主張していた人がいるのならば、それなら私は納得します。しかし、そのように主張していた人はいないのです。

 いずれにしても物価は上がっています。繰り返しますが、国民の負担感をそのまま示す正真正銘の(1)の総合指数は、前年比1.6%も上がっているのです。

 リフレ派の方々、そして安倍政権の熱狂的な支持者は、万歳と心のなかで叫んでいるかもしれません。

 そのような方々に言いたい。どうして庶民の感じていることが分からないのか、と。

 今インフレ率が1.6%もあり、そして、あと60日ほどしたら消費税が5%から8%に上がるのです。

 そうなると、その消費税の増税のせいで恐らく2%程度は物価が上がるだろうと予想されているの
です。或いは、政府の監視が厳しければ、3%まるまる物価が上がるかもしれません。

 1.6%プラス2%は3.6%。1.6%プラス3%は4.6%。

 仮に4%前後も物価が上がったら、国民の暮らしはどうなるでしょうか?

 それはやっぱり生活に響くのです。

 どうしてこんなに物価が上がるのか、と。

 そこで、誰かが、それは消費税が上がったらで仕方がないと言う。しかし、国民は消費税が上がるといっても、実際には物価は2%程度しか上がらないと言っていたではないかと思う。

 では、その差は何なのか?

 日銀が物価を引き上げるために引き続きせっせと国債を買い上げていることを知るのです。

 日銀がそのような余計なことをしなければ、物価の上昇率はもう少し低く済んだものを‥

 何故増税だけではなく、異次元緩和策とやらで国民の生活を苦しくする必要があるのか、と。

 もうすぐブーイングが起こり始めるでしょう。


 

 消費税の増税をした上に、物価を引き上げる金融政策が必要なのかと疑問に思う方、クリックをお願いいたします。
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 日経平均がどーんと下げています。何でも下げ幅が500円を超えたのだとか。

 そう言えば、昨年末の大納会には安倍総理が出席し、日経平均は値を上げて取引を終えたのでした。しかし、年が明けると一転、株価は下げた、と。それに1月だけでも今回のような下げは経験していることですから、驚く必要がないと言えばそうなのですが、流石にまた1万4千円台に逆戻りすると弱気にもなりたくなるもの。

 いずれにしても何故今回、株価は下げているのでしょうか?

 その理由が納得のいくものであり、そして、今後の見通しが立つのであれば、少しは冷静さを取り戻すことができるでしょう。

 何故、今回株価は下げているのか?

 それは、米国の株価が下げているからです。何故米国の株価が下げているかは、報じられているとおりでしょう。

 いずれにしても、米国の株価が下げていると言えば、やっぱりね、と思う方が多いと思うのです。それに為替も円高に振れています。

 それについても、やっぱりね、と思う人が多いと思うのですが、でも、どうして米国の株価が下がると日本の株価が下がるのでしょうか?

 非常に基本的な質問と言っていいでしょう。でも、多くの投資家にとっては、それは言ってみれば常識。だから、そのような質問をすることさえ憚られる。

 だって、そんなことを聞くと、恥ずかしいでしょう? そんなことも分からないでよく株取引ができるな、と。

 しかし、仮に米国の株価に日本の株価が引っ張られるにしても、米国の株価の下げ幅よりも日本の株価の下げ幅の方が大きくなることが多いような気がしますが、それは何故なのでしょうか。

 お分かりでしょうか、皆さん?

 そもそも日本の株価なんて考えるところから錯覚は始まっているのです。

 日本の株価ではない?

 否、日本の企業の株式を取引する訳ですから日本の株価と呼んでいいのですが、しかし、取引をしている人の全てが日本人ではないのです。

 我が国の株式市場に占める外国人投資家の割合は、
バブルの絶頂期の頃、全体の5%を切っていたと思うのですが、それが今や30%弱程度にまで大きくなっているのです。

 でも、それだけで驚いてはいけません。株主が日本の企業の場合には、持ち合いなどというようなこともありますし、また、長期的な観点で保有している投資家も多いのです。一方、海外投資家の場合には、売ったり買ったりが激しいのです。

 つまり、全体では3割程度しか占めない外国人投資家も、日々の取引においては、それ以上ウェイトを占めるということです。

 要するに、外国人の持ち株比率は3割程度であっても、外国人の売買比率はその倍の6割程度になることもあるのです。

 だから、東京市場とはいっても、外国人投資家の行動が及ぼす影響の方が大きいと見た方がいい、と。

 そのような外国人投資家は当然のことながら、東京市場が本拠地という者は殆どおらず、大半はニューヨークなどを本拠地としているのです。だから、どうしても主になるマーケットがニューヨークであり、東京は従になる、と。

 ということで、ニューヨークで下げれば東京も下げるパターンが多いのです。

 でも、ここで再び、疑問に思う人がいると思うのです。

 何故米国の株価が下げたからと言って、日本の株価が下げなければいけないのか、と。

 それは、米国の株と日本の株が、商品として相反する性格を有しているとは思われていないからでしょう。

 つまり、米国の景気が悪くなる時に、日本の景気は反対に良くなるとは考えられていない、と。米国の景気が悪くなる時には、日本から米国向けの輸出も落ち、日本の景気も悪くなるであろう、と思われているということなのです。

 そうなれば、米国の株価と日本の株価が同じような動きを示しても全然おかしくはない、と。

 それに、米国の景気が悪くなれば、それ以上に日本の景気が悪くなると考えられるとすれば、日本の株価が米国の株価より下がって当然かもしれません。

 さらに言えば、ニューヨークを主たる活動の場としている投資家は、その本拠地の米国で損失が発生した場合、その損失を埋めるために日本で益出しをすることが多いので、日本のマーケットでは益々売りを誘うことが多くなるのです。

 ということで、ニューヨークで下げていないのに一人東京だけで株価が下げているのなら要注意。また、円高が進んでいないのに株価が下げているのであれば、これも今までと違う動きが出ているということで要注意。

 しかし、今回の株価の下げは、その2つの原則に反したものではないので、それほど驚く必要はないのです。

 翻って、アベノミクスが株価の上昇をもたらしたと賞賛されることが多いのですが、その一方で、米国では昨年1年間NYダウが史上最高値を更新し続けてきたことを忘れてはいけません。つまり、アベノミクスだけで日本の株価の上昇がもたらされた訳ではないということです。確かに、アベノミクスによって超円高が修正されたのは事実であり、それが株価の上昇に寄与したのはそのとおりでしょうが、やはり米国の株価が昨年1年間上昇し続けたということが大きいのです。

 では、これから先、どうなるのか?

 それはご自分で考えてみて下さい。


 昨年1年間株価が上がった理由は、アベノミクスの他に米国の株価が上がり続けていたからだ、という考えに賛同する方、クリックをお願い致します。
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 文部科学省が、中学校と高校の学習指導要領の解説書に、尖閣と竹島に関して、初めて「我が国固有の領土」と明記することにしたのだとか。

 まあ、それは当然と言えば当然。何故ならば外務省のサイトにも明確にそのように記述されているからです。

 ところで、担当の下村大臣がこの件でどのように説明しているかと言えば‥
 
 「自国の固有の領土を正しく教えるのは当然のこと。改定の考え方については、近隣諸国にはしかるべき説明をしていきたい」と。

 どう思いますか?

 自国の固有の領土に関し正しく教えるのは当然と言うのはそのとおり。但し、近隣諸国、つまり韓国と中国に説明をしていきたいなんて言っていますが、説明したからどうにかなるものではないことはもはや明らか。

 だから、そんな発言を聞くと、却って白けてしまうのです。

 違いますか? 今更一体何を説明するのか? 説明することによって「近隣諸国」の理解が本当に得られるとでも思っているのか?

 そんなことはない筈です。

 下村大臣はこうも述べています。
 
 「わが国の将来を担う子どもたちが、自国の領土を正しく理解できるようにすることは、極めて重要なことだ。すべての教科書で新たな内容に沿った記述をしてほしい」

 「そもそも今までの教科書で、わが国の領土の範囲をきちっと教えていなかったことに問題がある。教育的観点から、自国の固有の領土を子どもたちに正しく教えることは、国家として当然のことだ」

 言っていることは概ね正しい。

 しかし、だからと言ってそれで十分ではないのです。

 早い話、子どもたちだけではなく、一般の人々も理解できないことがあるのです。

 何に関して理解できないか?

 それは、尖閣と竹島が日本固有の領土だという割には、日本政府がこれまでやってきた行動がよく理解できないということなのです。

 もう少し具体的に言いましょう。

 竹島は韓国が不法に占拠していると政府は教科書に書かせたい。

 結構でしょう。では、何故日本政府は断固とした措置をそれに対して取らなかったのか、そして取らないのか?

 私は何も武力に訴えてでも取り戻せと言っているのではないのです。平和的手段でなければならないのは当然です。しかし、断固たる姿勢は大切。何故国際司法裁判所に訴えないのか? 

 それに過去、何故竹島を不法占拠されたまま円借款を供与したのか?

 それに、韓国側に累次に渡り抗議をしてきたとは言うものの、本気で抗議をしたのは地元の島根県だけであって、政府はそうした島根県の動きにブレーキをかけてきたではないですか?

 そうでしょう?

 もう長い間、韓国は竹島を占拠しているので、その気になりかけているのです。だからこそ、前大統領も島に上陸して日本の意向を確かめたのです。

 何故国際司法裁判所に訴えないのか?

 韓国がそれを受け入れないから?

 韓国がどのような行動に出るかは別として、日本としてできる限りのことをする責務が政府にはあるのです。それをしない本当の理由を国民は知りたい。

 何故、そうしたことを教科書に書かないのか?

 尖閣に関しては、領有権の問題が存在しないことを生徒に理解させると言っていますが‥先生だって、その意味するところが理解できないのではないのか?

 そもそも領有権の問題とは何なのか? 領有権の定義をはっきりさせるべきではないですか。定義がはっきりしないまま領有権の問題が存在しないと言っても、教えられる方は全然意味が分かりません。

 もちろん、実際に尖閣を巡って日中両国の間に殆ど問題が生じていないならば、それで十分でしょう。しかし、実際には尖閣を巡って近年これだけ緊張が高まっている訳ですから。しかも、米国や英国も両者の動きを注視しているのです。

 そうした問題は、領有権の問題とは呼ばないのか? だったら、どういう呼び方をすれがいいのか?

 中国が尖閣の領有権に関し、不当なクレームを付けている問題とでも呼べばいいのか?

 しかし、いずれにしても、現実に中国がクレームを付けているのは事実。中国の主張が全く根拠のないものだとしても、です。

 だから、領有権の問題は存在しないと生徒に教えても、生徒の疑問は深まるばかりなのです。

 生徒の疑問を解消するためには、先ず領有権の問題の定義をはっきりとさせる必要があるのです。そして、その場合の領有権の問題と、実際に起きている尖閣を巡る問題をどのように峻別すればいいのかも教えて上げなければいけません。

 それにもっと大事なことを言いたいと思います。

 領有権に関する問題が存在しないなら、それはそれで結構なことですが、では何故日本は中国に遠慮するような行為を取ってきているのか?

 安倍総理は、公務員を尖閣に常駐させると言ったのに、実際には自粛しているではないですか?

 その辺が全然理解できないのです。

 いずれにしても中国は、事実上尖閣を自国のものにしようとしている。

 日本としては許してはいけない行為です。

 では、何故中国はそのような作戦に出ているのか?

 それは、韓国が竹島を占拠した事例を見習っているのです。

 日本は韓国から竹島を占拠されても抵抗すらしていない。だったら、中国も事実上尖閣を占拠できれば、自国のものにできるかもしれない、と。

 日本が竹島の不法占拠に関して、国際司法裁判所に訴えるなどの行為に出ないから、中国も韓国に見習おうとしているのです。

 それに、米国の発言にも要注意です。米国は、日本が尖閣を占有している事実は尊重したいと言う一方で、領有権の問題に関しては判断しないと言います。

 ということは、仮に何らか手段で尖閣が中国が占有する状態になったとしたら、そのときには、中国の占有を米国が認める可能性もない訳ではないようにも理解できるということなのです。

 そこに中国は望みをかけているのではないのでしょうか?

 





 教科書に事実をはっきり記述すると同時に、竹島の不法占拠に関しては国際司法裁判所に訴えるべきだと思う方、クリックをお願い致します。
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 私、以前から、日本はそろそろ経常赤字になる恐れがあると警告を発してきました。

 現に、貿易収支の悪化を反映して、経常収支は単月でみればこれまでにも何度か赤字を記録したことがあるのです。

 しかし、四半期ベースでみれば、近年まだ赤字になったことはない!

 では、2013年は、通年で見てどうなるのか? そして、2014年はどのようになることが予想されるのか?

 ご承知のとおり、2013年の貿易赤字は前年の6〜7割増しにもなっているのです。つまり6.9兆円の赤字から11.4兆円の赤字へと。

 そんなに貿易赤字が増えているのだから、まだ公表はされていない経常収支も、赤字に転落しないまでも相当に悪化することが予想されるのか?

 しかし、私が言うのも変なのですが‥実は2013年の経常収支はそれほど悪化しそうな気配はないのです。

 グラフをご覧ください。上段は、1985年以降の経常収支の動きを示したものなのです。

経常収支、所得収支2
(資料:財務省の国際収支統計により作成)

 最初のうちは、貿易収支が経常収支を上回る状況が続いていました。貿易収支では多額の黒字を計上しても、他の部門で赤字を計上していたためです。

 しかし、2000年を境にその傾向に変化が表れたのです。そうです、経常収支の方が貿易収支を上回るようになったのです。何故でしょうか? その最大の原因は、所得収支が徐々に拡大の一途を辿ってきた結果、他の部門の赤字を補って余りあるような状況が出現したからなのです。

 つまり、それまで外貨の稼ぎ頭の筆頭は貿易収支であったのが、そうした貿易黒字の蓄積の結果と言える純債権が生み出す利子や配当などの所得、つまり所得収支が外貨の稼ぎ頭に成長を遂げたということなのです。

 経常黒字のピークは2007年に迎えました。しかし、ご承知のように2008年にはリーマンショックが起き、輸出は急減します。結果、貿易黒字も大幅にダウン。その一方で、所得収支の黒字には大きな変化は生じませんでしたが、経常黒字も大幅にダウンしたのです。

 その後暫くして、貿易収支は若干改善するのですが、これまたご承知のように2011年には東北の地震と津波のせいでサプライチェーンが寸断されるとともに、天然ガスの輸入急増があって、貿易赤字に陥落してしまいます。但し、所得収支が黒字のお陰で経常収支はどうにか黒字を保つことができました。

 2012年には、さらに貿易赤字が拡大します。そして、それを反映して経常黒字もほぼ半減。

 さあ、ここまでの姿を見て、貴方は2013年の経常収支がどのような結果になると予想するでしょうか?

 2013年には貿易赤字がさらに拡大した訳だから、経常黒字はほぼゼロに近づくのではないのか?

 そのように予想する人が多いかもしれません。

 いずれにしても、答えはほぼ分かっているのです。下段のグラフをご覧ください。2013年の第3四半期までの結果が既に出ているのです。後は、これに第4四半期分を加えればいいだけですから、大体の予想がつくのです。

 如何でしょう?

 意外に経常収支は健闘しているのです。この分では多分、経常赤字に転落することはないし、恐らく2012年と同じ位の黒字を記録するのではないでしょうか?

 では、何故そのようなことが可能なのか?

 それは所得収支が貢献しているのです。

 では、何故所得収支は頑張っているのか?

 1つには米国の株価が最高値を更新したようなことがあるのでしょうが、それ以上に大幅に円安が進んだことから、外貨建ての対外資産の円換算額が膨らみ、そうなると、それに伴い利子や配当の円換算額も膨らむという現象が起きているからなのです。

 つまり、真の意味において海外で稼ぐ所得が増えたというよりも、海外で稼いだ所得の円換算額が円安のために増大しているということなのです。

 因みに、円安になると日本が海外の投資家に支払う利子や配当が増えるのではないかと心配する向きがあるかもしれませんが、こちらは円による支払いなので、円安の影響は受けないのです。

 では、2014年の経常収支はどうなるのでしょう?

 多分、輸入がこれ以上増加することは考えにくい一方で、輸出の増加もそれほど期待できないとすれば、そして、所得収支が2013年と同じレベルを維持するとすれば、結局、2014年も2013年並みとなることが予想されるのです。

 但し、仮に再び円高が進むようなことがあれば、今度はその円高が所得収支の円換算額を縮小させる力が働くので、経常赤字に陥らないとも限りません。

 ということで、今後急激に経常収支が悪化する可能性は小さいと言ってもいいのですが、いずれにしても貿易赤字が大きくなれば、経常収支にとってはボディブローのように利いてくることを忘れてはいけません。

 おやじの小言と冷たい酒は、利かないようで後で利く!


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 このブログでも何度も予想していたとおり、2013年の貿易収支が10兆円の大台を超えたとか。なんでも過去最大の11兆4745億円を記録したのだ、と。

 どう思います?

 因みに年間の貿易収支が赤字になりだしたのは2011年からで、2011年が2.5兆円の赤字、2012年が6.9兆円の赤字、そして2013年が11.4兆円の赤字と、赤字幅は拡大の一途を辿っているのです。

 何故、2011年に貿易収支は赤字に転落したのか?

 ご承知のように、原発の稼働が停止され火力発電に対する依存度が増えた結果、天然ガスの輸入が急増する一方で、地震と津波等の災害のためにサプライチェーンが寸断されて、輸出が減少したことが主な要因だと言っていいでしょう。それにあの頃、急激に円高が進みましたよね。そうして円高になったので輸出が益々奮わなくなってしまったのです。

 しかし、その円高もアベノミクスのスタートともに修正され、ここ数日は新興国の通貨安が起きた結果、若干円高に振れている面はあるものの、基調としてはこの1年間以上円安が続いているのです。

 では、こうしてもはや1年以上も円安が続いているというのに、どうして貿易収支は改善しないのか? 一気に黒字に戻ることが無理だとしても、何故貿易赤字の額は縮小しないのか?

 何故でしょう?

 それは、輸入は、円安のために輸入額でみればもろに影響を受けているのに、その一方、輸出は、円安になったことに伴い製品価格の引き下げを行い、輸出競争力を確保しようとしているのにも拘わらず、輸出数量の増加が思ったほどではないので、結果として、輸出額の伸びが輸入額の伸びを下回るような状況が続いているからなのです。

 寂しいものですよね。かつては年間の貿易黒字額が10兆円とか11兆円とかあったこともあるのに‥今は、逆に11兆円もの赤字を出しているのです。

 あれっ、変な顔をしていますね。私の言うことにご不満なのでしょうか?

 そうなのですよね。最近、いるんですよね。

 貿易赤字の何が悪いんだ、なんて言い張る人が。

 もっとも一般の方は、そんな風には考えない。貿易赤字は歓迎すべきことではない、と考える。

 では、何故貿易赤字は悪くないなんて言うのか? その前に、何時ごろからそんな考えが広まっているのか?

 実は、数年前からと言っていいのです。つまり、我が国の貿易収支が赤字に転落した頃から。

 誰がそんなことを言いだしたのか?

 あの高橋洋一氏などが言い始めたのです。

 いずれにしても貿易赤字が悪くないという論者の主張の共通点は、貿易収支や経常収支が赤字になるのであれば、その一方で資本収支は黒字になり、トータルすればゼロになる‥なんて。

 或いは、幾ら輸入が輸出を上回ろうと、輸入するのは、輸入の対象となる原材料や製品をその国の国民が欲するからそうなっているだけの話で、何故それが悪いのか、と。

 先ず、ここで気が付いて欲しいのは、貿易赤字が悪くないと言い張る人々は、経常収支が赤字になっても、同じように悪くないと言うことなのです。

 よく見受けられるように、幾ら我が国の貿易赤字が大きくなろうと、経常収支でみれば依然として黒字を維持しているし、今後も経常収支が赤字になる恐れはないので心配は要らないという論者とは、その論理的根拠が全く違うのです。

 経常収支が黒字であるから心配は要らないという人は、本当は貿易収支も黒字である方が望ましいと多分考えるのでしょうが、但し、物事はトータルで考えなければいけないから、まあ貿易赤字であっても経常黒字であるのであれば、よしとしようという考えなのでしょう。

 今、私がそんなことを言ったので、皆さんのなかには、だったらもっと大きな目で見て‥つまりトータルで考えればいいのではないか、と思った方がいるかもしれません。

 経常収支でみるよりも、資本収支を合わせて全てのトータルでみるべきだ、と。

 確かにそうなれば、誤差脱漏というテクニカルなことを抜きにすれば、プラマイゼロになる訳です。

 でも、そんなことを言いだすと、世界中のどのような国もプラマイゼロになる訳です。

 いいですか?

 ギリシャやキプロスや今再び関心を呼んでいるアルゼンチンだって‥そんなデフォルトを起こした経験のあるような国も、国際収支はトータルでみればプラマイゼロ。というよりも国際収支の統計は、そのような仕組みになっているというだけの話です。

 個々の企業のバランスシートにしたって同じなのです。どんな企業でも、資産の部と負債の部に資本勘定を加えたものはバランスが取れている訳です。

 貿易赤字のどこが悪いという主張は、バランスシートは左と右のバランスが取れているから、問題がないというのと同じようなものなのです。

 しかし、バランスシートが右と左でバランスが取れているのは、そのような仕組みにしているからだけなのです。

 貿易赤字が悪というのであれば‥或いは経常赤字が悪というのであれば、どうして米国は長い間、貿易収支と経常収支の赤字が続いているのに、経済成長を続けているのだ、なんて反論もなされるのです。

 確かに貿易収支が赤字でも、そして、経常収支が赤字でも経済が成長しない訳ではないのです。私もそれを否定することはありません。

 しか〜し‥

 そのような人々は、大事なことを忘れてしまっているのです。

 米国は中国のことが好きか、嫌いか?

 嫌いな人もいる反面、親中派もいるのです。ただ、軍事関係者などにしたら、中国は敵国みたいなものなのです。だから、沖縄に米軍基地が必要なのです。しかし、その米国も中国に気を使うことが多いではないですか?

 例えば、日中間の緊張の高まりに対しても、日本に対して、もう少しどうにかならないかと譲歩を迫る。つまり、靖国参拝なんかやめとけと言うのです。

 おかしいでしょう? 日米は同盟関係にあり、片や中国はある意味警戒すべき国であるにも拘わらずです。

 何故、そこまで中国に米国は気を使うか?

 それは、米国が中国から多額の借金をしているからなのです。つまり、中国が米国の国債を大量に保有している、と。だから、常に債権者たる中国に気を使わざるを得ないのです。

 だって、中国がその気になれば、米国の国債を一気に売却して、米国経済を混乱に陥れることが可能なのです。もちろん、そのような行動に出れば、中国にも損失が及ぶので容易にはそのようなことはできない。しかし、そうしたカードを中国が持っているのです。

 さらに、米国が、経常収支が赤字のまま経済成長を続けるときには、海外から大量の資金を調達しているために、経済成長の果実の一部を、そうして資金を提供してもらっている国々に配当として支払う必要があるのです。だから、見た目の経済成長どおりに米国人が潤う訳にはいかないのです。

 私が、貿易赤字になったことを心配するのは、それがいずれ経常赤字を招く恐れがあるからです。

 もちろん、国際収支統計の仕組みもちゃんと分かっているし、理屈の上では貿易赤字や経常赤字それ自体が悪いことを意味する訳ではないことも承知をしているのです。

 しかし、そうは言っても、経常赤字の国はいずれ他国に資金提供を仰ぐ羽目に陥ることになるのは容易に想像が付き、そして、他国に資金提供を仰がなければいけなくなると、様々な困難が生じる訳ですから。

 まあ、一般の方で騙される方は少ないと思うのですが‥貿易赤字のどこが悪いのか、なんて発言には注意をした方がいいのです。


 

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 アルゼンチンのペソ暴落が世界経済に波紋を投げかけています。

 ここ暫く落ち着いていた国際経済ですが、またしても脆弱な面をさらけ出しているのです。

 ところで、私は、今回のアルゼンチン・ショックは米国の金融政策とは何の関係もなく起きていることに注意する必要があると思っています。

 米連銀がテーパリングに着手することによって、それまで新興国に向かっていた資金の流れが逆流し‥などという構図とは殆ど関係がないということなのです。

 では、何故、ここにきてアルゼンチンのペソは暴落したのか?

 それは、これまでアルゼンチン・ペソを買い支えてきた中央銀行が、買い支えを断念したからなのです。もっとも、その背景には、アルゼンチン・ペソが割高であるという認識が蔓延していたということがあるからなのですが、それでもこれまではどうにか中央銀行がペソを買い支えきていた、と。

 では、何故アルゼンチン・ペソは何故割高だと言えるのでしょうか?

 もちろん、ペソの価値が市場のメカニズムを反映して自由に決まるものであれば、何時までも割高な状態など続く筈はないのですが、変動相場制とは名ばかりで、実際は国・中央銀行が介入によって公定レートを操作しているからなのです。ということで、実態は固定相場制を採用しているようなものなのです。

 それに、アルゼンチンは近年再びインフレ率が相当高くなっており、そうして通貨の購買力が落ちるペースにペソの公定レートが見合ったものとなっていないのです。

 アルゼンチンの近年のインフレ率は10%程度だと公表されているのですが‥実際にはインフレ率は20%から30%に達しており、それを政府が隠ぺいしているという噂が絶えないのです。そればかりか、政府はインフレを防止するために価格の凍結など無理筋な対策を講じざるを得なくなっているのです。

 アルゼンチン・ペソが割高に感じられる理由がお分かりになったでしょうか?

 全ては、高いインフレ率にあるというということなのです。

 では、何故政府は高いインフレ率を認めないのか? そして、その高いインフレ率に応じるようにペソの公定レートを引き下げないのか?

 しかし、高いインフレ率を認めると、政府が物価連動国債を発行しているために、元利払いが膨大になり、政府の負担が急増してしまうという弊害があるというのです。

 一方、何故ペソの公定レートを引き下げないのかと言えば、そうしてペソの価値を引き下げると、生活雑貨の多くを輸入に頼っているアルゼンチンとしては、益々インフレが加速する恐れがあるからだというのです。

 いずれにしても、そうしてインフレが酷くなればそれだけ輸出品の価格が上がり、そのために輸出競争力は削がれてしまうのです。そして、ペソの対外価値を割高に保つことも、これまた輸出競争力を削ぐ結果となり、2010年頃まで長年黒字を記録していた経常収支が、2011年以降芳しくなくなっているのです。

 それに、ここ数年アルゼンチンは資本の逃避に悩まされています。そのため、そうした動きを封じ込めるために為替管理を強化しているのです。具体的に言えば、国民は自由にドルが手に入らない、と。従って、どうしても外貨が必要な国民は闇の市場で取引を行うことになり、そして、そうした闇市場での為替相場が公定レートと大きく乖離する現象が発生しているのです。

 つまり、国民はドルの調達が制限されているために、公定レートよりも高い価格でドルを買う羽目になっているのです。

 まあ、以上のようなことを考えてくると、アルゼンチンのペソ暴落が起こるべくして起こったことがお分かりになると思うのです。

 ただ、それにしても、アルゼンチンは、ここに来て何故ペソの買い支えを断念したのでしょうか?

 いつまでもそのようなことはできないという思いもあったのでしょうが‥私は、もう一つ理由がある気がします。それは、つい先日、アルゼンチンがパリクラブの債務交渉の再開を申し出たことと関係があるのです。

 2001年12月、アルゼンチンはデフォルトを宣言しました。それによって我が国の金融機関は、保有していたアルゼンチン国債の価値がパーになるという悲劇に見舞われたのです。

 その後始末が、まだ済んでいないのです。そうした債務処理を済ませないうちには、どれだけ国際金融市場で起債をしたいとしても、投資家は相手にしないのです。

 それも、当然と言えば当然。

 しかし、これまで見てきたようにアルゼンチンは、ここに来て資本の逃避という危機的な状況に直面しており、どうしても国際金融界との関係修復をする必要に迫られているのです。つまり、そうしないと必要な外貨が確保できない、と。

 ただ、そうして国際金融界の理解を得るためには、これまでのような内向きの政策とは決別する必要があるのです。もっと経済合理性のある政策を打ち出す必要がある、と。為替管理や為替レートに関してもそうなのです。だから、無理のある為替の買い支えを断念したのではないのでしょうか。

 まあ、そのように考えれば、今回のアルゼンチンショックが意味することは、悪いことばかりではないような気もするのです。





 それにしても最近女性が大統領になった国は、上手くいっていない気がしますが、気のせいでしょうか。そうかもと思った方、クリックをお願い致します。
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 何気なく早朝のラジオのニュースを聞いていたら、円が、1ドル102円台を付けていることを知りました。

 何があったのか?

 新興国の通貨が軒並み下げているのだとか。

 では、何故新興国の通貨は下げているのか?

 アルゼンチンのペソの急落が発端なのだとか。トルコのリラ、ロシアのルーブル、南アフリカのランド、インドのルピー、ブラジルのレアル‥皆下げているのだとか。

 皆さんも、今回のニュースについて驚いたでしょうか?

 新興国の通貨が安くなるかどうかは別にしても、この段階で円高に振れる訳ですから。

 だって、そうでしょう?

 米国の景気回復力が少しずつ勢いを増し、そしてその結果、量的緩和策の規模が縮小され続ければ益々円安に向かうと思われていたからです。

 それなのに、円安が進むのではなくこうして円高に振れている、と。

 しかし、記憶力のいい方は、こうして新興国通貨が安くなることを警告していた人物がいたことを思い出すかもしれません。例えば、世界銀行総裁。FRBがテーパリングに着手すると、新興国に向かっていた資金が引き上げられ、そうなれば新興国の経済に悪影響を及ぼすと言っていました。その後IMFも同じようなことを言っていた筈。

 さらに、よく調べてみると、昨年5月のバーナンキショック以来、このようなことが起きることもあり得ると、マーケットでは意識されていたことが分かります。

 バーナンキショックとは何か?
 
 毎月850億ドルの規模で米連銀が行っている長期国債等の買入れ規模をいずれ縮小し始めるとバーナンキ議長が昨年5月に示唆した出来事です。あれ以来、何時そのようなことが始まるのかと、マーケットの関心を集めてきたのです。

 そして、そのバーナンキショックが起きた頃から、5つの国が意識されていたのです。名付けて、フラジャイル・ファイブ。

 フラジャイルって? と思う方もいるでしょう。

 fragile  砕けやすい、もろい、ということです。つまり、対外的なショックに弱い国ということを意味しているのです。

 では、具体的にその5か国とはどこを指すのか?

 ブラジル、トルコ、南アフリカ、インド、インドネシア。

 経常収支が赤字である新興国という点に特徴があるのだとか。これらの5か国は、米国が量的緩和策を縮小し始めると、影響を受けると言われていたのです。つまり、それまでそうした新興国に向かっていた資金が逆流し始め、そして、それらの国の通貨価値は低下するであろう、と。

 もちろん、そうした通貨価値の低下が徐々に起きるのであれば、それほどの副作用を心配することもなく‥つまり、円高に振れるなどということも殆ど起きないでしょう。しかし、そうした通貨安が突如として襲えば、暫しの間、安全な円に逃避しておこうという動きが起きてもおかしくはないのです。

 つまり、今回の円高は、そうした新興国の通貨価値の下落が余りに急に起きたので引き起こされたと考えていいでしょう。

 では、いずれにしても、そうした新興国の通貨価値の低下は、米国がテーパリングに着手したことが原因であるのか?

 だとしたら、今後FRBが量的緩和策の規模を縮小すればするほど円高に戻ってしまうと考えていた方がいいのか?

 しかし、そうではないのです。

 何故?

 確かにテーパリングには、新興国通貨の価値を引き下げる効果があると言えばあるでしょう。しかし、今回の新興国の通貨安の切っかけになったアルゼンチンは、そもそもフラジャイル・ファイブには入っていません。

 フラジャイル・ファイブに入っていないというよりも、もっと劣等生だと考えられていたのではないのでしょうか。

 いずれにしても、アルゼンチンの経済状況をみてみると、そもそもアルゼンチンの外貨準備高が減り出したのが、FRBのテーパリングとは何も関係がないことが分かります。つまり、一言で言えば、アルゼンチンが再び危機の様相を呈しているのは、米国の金融政策とは関係なく、自国の政策の拙さに原因があるということなのです。

 何故アルゼンチンのペソは暴落したのか?

 というよりも、アルゼンチンは自国経済を守るために為替の規制を強化してきたのですが、実体経済がそれに見合ったものではないので、最終的に為替で調整されるしかなかったということなのです。

 これだけでは分かりにくいですか?

 では、国際通貨研究所が昨年の4月に公表した「膨らむアルゼンチン経済の矛盾」と題するレポートを参考にして分かり易く説明したいと思います。

 アルゼンチンのペソには公式レートというものがあるのですが‥つまり、その公式な為替レートが実態を反映していない、と。というのも、アルゼンチンは近年インフレが酷くて‥そして、インフレ率が高くなればなるほどペソの購買力は低下するので、例えばドルとの交換レートはそれに応じて低下しないと理屈に合わないことになります。

 例えば、アルゼンチンのインフレ率が20%であり、アメリカのインフレ率が0%なら、1年後にはペソがドルに対して20%安くならなければ話が合わない、と。しかし、実際の公式レートはそこまでペソ安になっていないというのです。

 では、何故アルゼンチンは実態に合わせてペソの公式レートを下げないのか?

 しかし、そうするためには、アルゼンチン政府はそれだけインフレが酷いということを認める必要がある、と。実は、ここ数年、アルゼンチンの実際のインフレ率は25%ほどあるのに、政府が認めたインフレ率は10%程度でしかないのです。

 何故アルゼンチン政府は事実を認めないのか?

 でも、そうするとアルゼンチン政府は、インフレ連動国債を発行しているために、元利払いが急増してしまい、対応できなくなるからだ、と。

 いずれにしても、そうして専門家だけではなく一般の人々も、アルゼンチンのペソが割高に評価されていることを知ると、いずれペソは大暴落するに違いないと考え、だったらそうなる前にペソをドルに交換しようとする、と。

 一方、アルゼンチン政府はそうした資本流出を食い止めるために様々な資本規制を行ってきたのですが‥結局、効果がなかったということなのです。

 それに、公式レートが高いままであれば、それだけアルゼンチンの輸出産業の競争力が損なわれる訳ですから、持続可能な政策でないことは自明であるのです。

 起こるべくして起こったアルゼンチンペソの暴落。それが他の新興国通貨の連れ安を招いたと考えるべきでしょう。



 アルゼンチンのペソが暴落した理由は、米国の金融政策とは切り離して考えるべきだということが分かった方、クリックをお願い致します。
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 安倍総理の英語力を、一般の人々はどう感じているのでしょうか?

 そんなことを聞かれても‥そんなの関係ない! そんなの関係ない! オッパッピー!

 私もそう思いたい。それよりも話の中身だ。良いことを言えば、自然に人は耳を傾けてくれるもの。

 では、中身も充実している上に英語も上手だったら?

 それだったら文句はなし。それにそれほど英語が上手ければ、他国のリーダーたちとも2人きりで話ができるので、誤解されることも少なくなるでしょう。

 早い話、安倍さんが自由に英語でオバマ大統領と話ができるのであれば‥

 そうでしょう? 微妙なニュアンスも相手方に伝わるのです。それに通訳がいないので、何でも言える、と。もちろん冗談や下ネタも‥

 逆に言えば、そうでなければなかなか親しみを感じることもないでしょう。

 まあ、小泉氏とは違い‥チンなくば立たず、なんて下ネタを安倍さんがいうことはないでしょうが。

 それにしても、小泉さんって、本当に下ネタが好きですよね。

 話は本題に戻ります。

 でも、幾ら自分では英語が上手いと思っていても、肝心の聞いている方が、聞きづらいと思えば逆効果になることもあるのです。

 いずれにしても、貴方は、安倍総理の英語力をどう評価するのか? そして、海外の人々はどう感じているのか?

 海外の人々がどう感じていようと、そんなの関係ない?

 私、思うのは、自分のの英語はブロークンだからと意識している様子が相手に伝わるのであれば、相手は少しくらい下手な英語でも気にしないと思うのです。それどころか一生懸命に英語を話そうとしていることを評価してくれるでしょう。

 繰り返しになりますが、でも、上手ではないのに俺の英語上手いだろうと自分が思っている様子が相手に伝わると、相手は、何だこの日本人は、と思ってしまうでしょう。

 では、何故安倍さんは、英語でスピーチをしたがるのか?

 歴代の総理は英語が下手だったけど、自分はこんなに上手いと言うところを見せるため?

 麻生副総理は自分が英語が上手いと思っているようだが、自分の英語のスピーチは凄いというところを見せるため?

 いずれにしても、もし安倍総理に苦手意識があれば、恐らく英語でスピーチをすることはないと思うのです。

 ということは、本人は相当に自信を持っている、と。

 では、安倍総理は何故自信を持つのか?

 それは周りが褒めるからなのです。日本人だけではなく、アメリカのネオコンのお友達も褒めていましたね。

 いずれにしても、私、一般の人々が安倍総理の英語力についてどのように思っているかを知りたくて、ネットで少々調べてみました。そうしたら興味深い記事に出会ったのです。

 そ、れ、は‥現代ビジネスの「決定!『有名人の英語力』ランキング  実は誰が一番うまいのか」

 週刊現代の2013年10月5日号のランキング表が掲載されているのです。

 1位から20位までのうち主な方は次のようになっています。

 1位:高円宮妃久子さま 99点
   
 そう、誰だってそう思うでしょう。

 2位:松田聖子 97点

 意外です。というか、松田聖子がどのような英語を話すか聞いた記憶がないので、評価はできません。

 2位:小林克也 97点

 この人は、1位にしてもおかしくないでしょう。

 で、それより下にランクされている人で主だったところを挙げると‥

 5位:宇多田ヒカル 93点
 6位:三木谷浩史 92点
 7位:宮里藍 90点
 8位:真田広之 89点
 9位:関根真理 88点

 宇多田ヒカルなんてずっと海外で生活している訳ですから、満点近くの点数を上げるべきだと思うのですが‥それに関根真理ちゃんの英語もネイティブ並なので、もっと上にランクすべきだと思うのですが‥

 では、その関根真理ちゃんの後にランクされているのは誰なのか?

 実は、10位は二人います。そして、その一人は孫正義氏 86点。

 13位には、渡辺健がランクイン、83点。15位は小澤征爾 80点。 

 それから17位に、工藤夕貴ちゃんがランクイン、78点。

 あのアメリカの映画に出演して、流暢に台詞を喋っていた工藤夕貴ちゃんが78点なのだとか。アンビリーバブル、インクレダブル。私なら満点近くの点数を上げる。

 それから最後にイチロウ選手が20位にランクインしていて75点。そう言えば、イチロウの英語ってあまり聞いたことがないような‥

 いずれにしても、今のところ政治家はランクインされていませんが‥ランク外で「意外と残念な人たち」というリストに麻生太郎氏が出てきます。

 麻生さんは58点なのですって。

 これ、どう考えてもおかしい。確かに発音はなまっているかもしれませんが、この人の英語は通じるのです。

 後は、先日テレビ会見で英語力をみせつけたサッカーの本田選手も出ています。54点なのですって。このときはまだロシアにいたから、英語力が理解されていなかったのでしょうか。

 スポーツ選手では、松井選手の名前も出てきますが、この人は50点だ、と。そういえば、ゴジラが英語で話すのも聞いた記憶はないのです。

 では、ここでもう一回聞きます。

 2人いた10位の、もう一人の人は誰なのか?

 実は、安倍総理なのです。そして、ハイディ氏とデーブ氏の寸評には次のように書かれているのです。

 「発音は完璧ではないけど、歴代総理のなかではピカイチ!」(ハ)、「以外にも文法の基礎ができている。かつて宮澤喜一さんが完璧に流暢な英語を喋ったが、それ以来の久々の英語ができる総理です」(デ)

 どう思います? この寸評。というよりも、この週刊現代の記事、どうみたって、安倍さんをよいしょするために誰かが書かせた記事ではないのでしょうか。

 麻生さんの英語力が58点と非常に辛い点数になって、それに比べて安倍さんは86点とこれまた非常に甘い。

 どう考えたって、安倍さんに、貴方の英語は凄いと思わせている輩がいる。そして、安倍さんに海外で英語でスピーチをさせている。

 当然のことながら安倍さんは英語でスピーチをするために相当の時間とエネルギーをその準備に費やするに違いないのです。

 結果として、安倍さんの英語力が向上するというメリットもあるでしょう。

 しかし、安倍さんに英語のスピーチをさせるのであれば、もっと厳しく英語を指導したらどうなのでしょう。特に、個々の発音というよりも、全体として自然な英語に聞こえるようにアクセントの置き場所に注意を向けさせるべきなのです。それに、単語を途切れ途切れに話す癖があるので、なかなか自然な英語に聞こえないのです。

 いずれにしても、どう考えても安倍総理の周りには耳触りの良いことしか言わないというか、ゴマすりが多すぎるのではないのでしょうか。

 英語のことだけではないのです。経済のことに関しても、これまでアベノミクスの評価が比較的良かっただけに、本人には耳触りの良いことしか報告されていないのでしょう。

 安倍総理は、今回、ダボスで記者からアベノミクスについて質問され、また例のゴルフのたとえ話をしていました。今までの金融政策は、バンカーに打ち込んだのにサンドウェッジを使わずパターを使っていたようなものだと。要するに、サウンドウェッジを使わないのは、インフレを警戒しすぎたようなものだ、と言うのです。

 安倍総理は、インフレなんて警戒する必要はない、それどころかマイルドなインフレを起こすことの方がむしろ必要なのだ、とそう言いたいのでしょうが、この先、物価が上がることによって国民がどれほど不満を述べるかということが分かっていないのです。

 4月から消費税が上がり、物価はもっと上がるでしょう。恐らく物価上昇率は前年比で3%位にはなる。

 その位だったらマイルドなインフレというところでしょうが、しかし、必ず国民はそうして物価が上がることに文句を言い始めるでしょう。

 



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 安倍総理がダボスで基調講演を行いました。紙を見ずにこれだけ長いスピーチをしている姿をみると、よっぽどスピーチの練習をしたのだろうと想像させられます。

 それに、ひょっとしたら英語が少し上達しているかも‥

 でも、以前にも言ったように、英語でスピーチをする場合には、自分の語彙力というか、英語力に合った内容にした方がいいと思うのです。つまり、もっと平易な言い方の方が受けるのではないか、と。

 いずれにしても、余り感動を呼ぶような話ではないのです。退屈なのですよね、一言で言えば‥

 経済の話なのだから、それはしようがない?

 でも、落語にオチがあるように、うん、それは面白い、それはそのとおりだというようなものがないと、聴いていて面白くないでしょ?

 そして、聴いている人が面白くないと感じていることが話し手に伝わると、話し手の方も盛り上がりを欠き‥つまり悪循環に陥り、話は益々平板なものになってしまうのです。

 それに、自慢話が多すぎるのではないでしょうか。

 アベノミクスの話をするにしても‥どうしても自慢に聞こえてしまう、と。

 人間って、他人の失敗談なら喜んで聞くのですが、成功した話には余り関心を示さないものなのです。それが普通の人間です。

 しかし、そうは言っても注目を浴びたところもあるのです。それを見てみましょう。

 The dividend of growth must not be wasted on military expansion.

 「経済成長の配当は、軍事拡張のために費やすべきではない」

 これは、中国のことを暗に指しているのでしょうね。

 Japan has sworn an oath never again to wage a war. We will continue to be wishing for the world to be at peace.

 「日本は、二度と戦争をしないことを誓った。我々は世界が平和であることを望み続ける」

 それは、そのとおり。

 If peace and stability were shaken in Asia, the knock-on effect for the entire world would be enormous

 「もし、アジアにおいて平和と安定が揺らぐことがあれば、世界全体に及ぼす連鎖反応は計り知れない」

 これも、暗に中国のことを指している、と。

 ということで、聞いている人も含め海外は、自慢話に聞こえるアベノミクスの話よりも、日中間の緊張の高まりに関心を示しているのです。日中間できな臭い感じがするが、果たしてどうなるのだろうか、と。

 安倍総理は、現地に集まった記者たちに次のように語ったとも伝えられているのです。

 Unfortunately with China we don’t have a clearly explicit roadmap.

  「まずいことに、中国との関係において我々にははっきりとした工程表は何もない」

 There may be some conflict or dispute arising out of the blue or on an ad hoc level or inadvertently.

 「突然、或いは不注意で衝突や紛争が起きるかもしれない」

 We don’t want inadvertent conflict arising out of these two countries and we want [a] military-force-level communications channel fully established.

 「我々は、両国の間で不注意で衝突が起きることを望まないし、また、防衛関係者同士で意思疎通図られる体制が確立することを望んでいる」

 安倍総理が、海外でそんなことを口にしているなんて。日中間の緊張関係は、一般の国民が思っているほど深刻な事態になっているということなのでしょうか。 

 いずれにしても、今や世界は、アベノミクスの成果よりも日中間の緊張の高まりに大いに関心を示していることがこれで明らかになったかと思うのです。
 
 ということで、皆さんも、ダボス会議に出席した安倍総理が海外の人々からどのように受けとめられたかということが分かると思うのですが‥私は、ここで3点異議を述べたいと思います。

 私は、安倍政権の政策には普段いろいろと注文を付けさせてもらっています。但し、それも日本のためを思えばこそ。でも、その私でさえも、海外で安倍総理が誤解されるようであったら、やはり寂しいのです。もう少し上手にスピーチができたものを、と。

 疑問の第一は、何故このようなメリハリがない、つまり感動を呼ばない内容になったのか、ということなのです。

 アメリカの大統領がスピーチをするときには、ちゃんと専門のライターが書くということはもはや周知の事実です。だから、必ず受けると思われる話も盛り込んでおく、と。

 今回の話でおもしろいと思われる部分はあったのか?

 リーマンブラザーズに言及したときに、「リーマンブラザーズがリーマンブラザーズとシスターズであったら」と言ったときに笑わないければいけなかったのか?

 ここで笑わないともう笑うところがない?

 疑問の第二は、スピーチに出てくる言い回しや語彙と発音のアンバランスです。何故、そのような格調が高そうな英語にしたのか、と。

 安倍さんの英文のスピーチは、面白いかどうかは別として格調の高い英語と言っていいでしょう。難しい言い回しも出てくる。

 普通ちょっと英語のできる人でも、戦争をするというが wage a war であると知っている人は少ないのではないでしょうか。

 しかし、そうやって難しい語彙などが出てくる割には一語一語区切ったような話し方になってしまう。多分、アクセントを重視した指導をされたのでしょう。そうでないと英語らしく聞こえないから、と。

 しかし、アクセントを重視するあまり、どうしても無駄な力が入り過ぎて、聞いている方が疲れてしまうのです。

 第三は、この安倍総理のスピーチに対する反応ぶりに対する疑問です。

 はっきりと言いましょう。ネット上で見受けられる海外の反応は、概して評判がよろしくない。

 発音がよくないとか。例えば、約3年前の3月11日の地震について言った earthquakeがarsequake に聞こえた、とか。

 まあ、でも、そんな発音の間違いは、日本人が話す英語だから珍しくもなんともない、と。むしろそんなことをいちいち言う方がおかしいかも。

 しかし、安倍さんに対する批判としては、彼が軍国主義者で、warmonger、つまり戦争屋であるというようなものが多いのです。

 確かに安倍総理は、集団的自衛権を主張する人間ですから、ハト派に属するとは言えないでしょうが‥でも戦争屋といのは言い過ぎでしょう。でも、どうもそのようなイメージが定着しているような気さえするのです。

 とは言っても、飽くまでもそれはネット上での話。それに、ネットの世界では恐らく英語のできる多くの中国人が、中国を擁護するために書いた批判も多いでしょう。だから、そのような批判をそのまま受け入れる必要もないでしょう。

 しかし、そうであれば、今度は次のような疑問が頭をもたげるのです。

 日本のネトウヨ、もとい、安倍さんの熱狂的な支持者は何をしているのか、と。

 海外のネットの掲示板などにもっとコメントを寄せるべきではないのか、と。

 或いはそうした人々は、海外で安倍さんがどのような言われ方をしているのか知らないのでしょうか。国内で、自分たちの意見を主張するだけでそれで満足しているということなのでしょうか?

 そんなことでは中国に負けてしまいます。何故英語の得意な麻生さんにでも英語を習って、海外の掲示板にコメントを書き込まないのでしょうか?

 以上が、私が感じた3つの謎なのです。

 いずれにしても、安倍さんのスピーチは誰に対して行ったものなのでしょう?

 海外の人々に理解してもらうため?

 だったら、もう少し控えめな内容の方が好感が持たれるでしょう。

 或いは、日本にいる国民に英語ができる姿を見せたいため。

 だったら半分は成功で半分は失敗かもしれません。

 総理だから、安倍さんの英語は凄いと皆、褒めるでしょうが‥そう思っていない人も多いのです。

 いずれにしても、どうも安倍総理は、対外的に情報操作戦で成功しているようには思えないのです。


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 都知事選に立候補する細川氏の公約内容が分かったと毎日新聞が報じています。

 ・オリンピックまでに東京を変える

 ・世界一の省エネルギー都市を目指す

 ・「東京エネルギー戦略会議」を設置し、政策の行程表を作る


 もちろん脱原発についても言うそうです。

 ・原子力は放射性廃棄物の処分ができない致命的な欠陥を抱えている

 ・再稼働を止める政治決断を行うなら今しかない


 ということで、脱原発の姿勢は予定どおりであり、その一方、消極的であったオリンピックの開催についても、日本らしい簡素な五輪ながらも積極的に取り組む姿勢を明確にしそうなのです。

 まあ、それにしても、このような脱原発の動きに対して口汚くののしる輩がいます。池田某とかいう経済学者。

 「反原発という老人福祉」などという挑発的な表現を用いています。のみならずこんな言い方まで。

 「反原発は、今や若者の運動でも「反体制」でもなくなった。それは原発が止まったまま貿易赤字を垂れ流す現状維持を求める「超保守」の運動なのだ。老人が原発をきらうのは理解できる。それは地球温暖化や化石燃料の枯渇などの長期の問題には役に立つが、先の短い彼らの人生には意味がないからだ。「原発即ゼロ」をかかげて、当選の可能性も許認可権もない都知事選に出るのは、老人のお遊びと考えればそれなりに楽しいだろう。官邸デモにも、団塊の世代の引退した老人が多い」

 それにしても分かりにくい文章! まあ、それは置いておきましょう。

 この人の主張によれば、原発を稼働させないと貿易赤字になるのだと。

 確かに、原発の稼働が止まり、そして、その代り火力発電の比重が増えたために、天然ガスの輸入量が増えたのはそのとおり。しかし、その一方で、輸出が回復すれば貿易赤字も小さくなる筈で、現に内閣府は昨年の夏以降には貿易赤字が小さくなると言っていたのです。

 でも、円安は進んでも輸出は思ったほどには回復しない。その一方で、円安になる分、元々割高な天然ガスの輸入代金がさらに膨らんだ、と。

 要するに、貿易赤字が拡大しているのは、何も原発を稼働させないからだけではなく、というよりも、アベノミクスによる円安の効果が思ったほどではないことも大きいのです。

 先日、そのことを担当の甘利大臣が認めたばかりではないですか。

 それに何度も言いますが、原発のコストが安いなんていうのは、計算の前提がおかしいのです。そして、現にこうして原発の事故が起きたせいでどれだけ国費を投じなければいけない羽目になっているかということなのです。

 原発を稼働させないと電力料金が上がり、そうなると益々企業の国外脱出に拍車がかかるなんて言いますが‥これは表面的な見方に過ぎないのです。原発を再稼働させることに伴う全ての経費を電力料金に上乗せするならば、決して電力料金が安く済むなんてことにはならないのです。

 企業にとって原発を再稼働した方が電力料金が安く済むように見えるのは、裏で国が様々な費用を負担していたからそうなっていただけなのです。また、仮に今後もそうした様々な費用を国が負担すれば、確かに企業側に請求される電力料金は安いもので済むかもしれませんが、結局、最終的には税のかたちで国民にしわ寄せがくるのです。そして、そうやって増税が繰り返されると、景気が悪くならざるを得ないのです。

 そのようなことはちょっと考えたらすぐ分かる筈なのに‥しかし、結論が先にありきで、どうしても原発を再稼働させたいと。そして、そのために反原発は老人のお遊びだなんて酷いことを言う。

 「老人が原発をきらうのは理解できる。それは地球温暖化や化石燃料の枯渇などの長期の問題には役に立つが、先の短い彼らの人生には意味がないからだ」なんて言っていますが、大変失礼な発言だと言わざるを得ません。

 如何にも老人たちが、地球温暖化の回避に無関心であるかのように批判する。

 地球温暖化の回避なんて、彼らのもう残り少ない人生を考えれば、意味がないのだから、と。

 バカもん!

 彼らは自分たちのことを考えて、脱原発なんて言っているのではないのです。自分たちの子や孫、或いはその先の子孫のことを考えて、いつまでも人間が安心して住める環境を残したいという一心で言っているのです。

 それに、そのような発言をする一方で、原発再稼働を望む電力会社は、地球温暖化の回避にそれほど積極的であったとは思えないのです。もちろん地球温暖化の回避という言葉を使用していましたが、その一方で、何故日本だけが過大な義務を負うのかと文句ばかりを言っていたではないですか。つまり、地球温暖化の回避という言葉を原発推進のために利用していただけ。

 さらに、脱原発の人々は地球温暖化の回避に無関心であるかの如く言うのも正確ではありません。何もそのような人々の多くが火力発電でよいと言っているのではなく、再生可能エネルギーを利用すべきだと言っているのです。

 その一方で、例えば太陽光発電に対する支援に消極的になっているのは原発再稼働派ではないですか。何故ならば、太陽光発電の比重が高まると自分たちにとって都合が悪いからなのです。そして、そうやって再生可能エネルギーの普及にブレーキをかけつつ、そして、再生可能エネルギーが占める割合はこんなに小さいから当てにならないなんて言うのです。

 ちょっと私も興奮気味なのですが‥本日言いたいことは、それだけではないのです。

 そうではなく、やっと先日の森元総理の発言の真意が分かったということなのです。

 森元総理は、当初、小泉・細川コンビは、五輪を人質にして、卑怯であると批判しました。

 憶えているでしょう?

 多分、皆さんはよく憶えていることでしょう。しかし、憶えてはいるが、森さんが言いたかったことの意味が分からなかった、と。何故ならば、細川さんは、東京オリンピックを開催したいなら脱原発に賛成しなければダメだ、なんてことは一言も言っていないからなのです。彼が言っていたのは、そうではなく、そもそもオリンピックなど開いている場合か、と。オリンピックなどにエネルギーを費やすよりも、脱原発に努力すべきだと言っていたのです。

 そうですよね。

 だからオリンピック開催に賛成の人はむしろ、細川さんの支持には回らない。だとしたら、人質どころか、その反対なのです。

 つまり、細川という悪い男がいて、あるお金持ちの子息を誘拐した、と。そして、その細川がお金持ちに電話をするのです。「息子を返して欲しかったら1億円出せ」と。しかし、そのお金持ちの男は、その子どもが実は自分の子どもでないことを、最近行ったDNA鑑定でしったばかり。しかも、その子どもは犯罪に手を染め、手を焼いていた、と。

 お金持ちにとっては子どもが誘拐されても全然困ることはなかったのです。

 それと同じではないでしょうか。

 でも、私、本日、森さんの発言の真意が分かりました。

 五輪を人質にという発言は、細川さんたちが都民を相手に五輪を人質にしているというのではなく、自分に対して、つまり森氏に対して人質にしているということなのです。

 ご承知のとおり、森元総理は東京五輪大会組織委員長に就任することが決定しています。

 そして、組織委員長になれば、当然開催地の東京都の知事とも連絡を密にして仲良くやっていかなければならない、と。つまり、都知事に気を使う必要があるかもしれない、と。

 では、仮に細川氏が都知事に就任した場合、森組織委員長は細川氏と巧くやっていけるのか?

 それは決してできない。何故ならば、細川氏は脱原発を鮮明にしているから。しかし、そうは言っても仲良くしないと、五輪の運営が巧くいかないかもしれない。そうすると、場合によっては、脱原発に賛成の姿勢を示さざるを得ない局面も考えられる。

 つまり、もし、組織委員長として都知事のご機嫌を取ろうとするならば、脱原発に対しても文句は言えない、ということなのです。

 しかし、できませんよね、森元総理には。何故ならば森元総理は、安倍総理と同じように原発再稼働派であるからなのです。

 要するに、森元総理は、俺を脅かすのか、と言いたいのです。


 確かにそう考えると、森元総理は、どんなことがあっても舛添氏を当選させようとするでしょう。しかし、舛添氏は、自民党の歴史的使命は終わったと、自民党を見捨てた政治家なのですね。

 でも、そんなの関係ない! そんなの関係ない! おっぱっぴー!



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