経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2014年11月

 本日、10月の消費者物価指数が公表されましたが、10月の全国の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合が前年同月比2.9%の上昇となったのだとか。

 そして、そのことについて日経新聞は、「4月の消費増税の影響(2%)を除くと、過去に日銀の黒田東彦総裁が「割れることはない」と発言していた1%を下回った」と解説しています。

 どう思いますか? 

 どう思うかなどと聞かれても…多くの人はどうも思わないかもしません。というよりも、多くの人々は、円安のせいで物価が上がるのは困ったことだと感じているでしょう。

 しかし、その一方で、そのような国民の思いとは全く関係なしに黒田日銀総裁は、インフレ率が1%を下回ったことを嘆いていると思うのです。

 そうですよね、インフレ率の目標は2%ですから。それが1%を再び下回ることになれば、目標から一層遠のいたことになるのです。それに、日経も解説していたとおり黒田総裁は1%を割れることはないと言っていたからなのです。

 しかし、繰り返しますが、多くの人々にとってそんな目標は…何の意味もない! 

 むしろ、国民にとっては消費税が上がったことでもあるし、これ以上物価が上がっては困るのです。

 しか〜し…日銀の黒田総裁はそうは考えない。麻生財務大臣もそうは考えない。増税の影響分を除いてインフレ率が2%の目標値を達成することが望まれる、と。

 では、何故物価が上がることが望まれるのでしょうか?

 答えは、そうでないとデフレマインドが払しょくできないからだ、と。

 では、何故デフレマインドが払しょくできないと、困るのか?

 答えは、デフレマインドが蔓延すると企業は設備投資などにも積極的になることができず、その結果、景気が回復しないからだ、と。

 理解できますか?

 まあ、一応それなりに理屈は通っているように見えるかもしれませんが…私は、そのようなストーリーを信じる気にはなりません。

 デフレマインドだなんて、そんなものが蔓延しているなんて嘘なのです。

 そうではないのです。日本では少子高齢化が進展し、消費が盛り上がらないからかつてのような経済成長率が実現できないのです。そしてまた、国内の賃金が海外に比べて割高だから、企業は国内での投資に積極的になることができないのです。

 いいでしょうか? デフレからの脱却が優先課題だなんていう政治家や専門家が多いのですが、では、本当に日本企業はデフレマインドに支配されていたのでしょうか?

 確かに、長い期間、国内においては企業が投資に消極的になっているというのは事実でしょう。しかし、それは飽くまでも国内における投資の話であって、海外での投資には積極的であったのです。だから、日本企業がデフレマインドに支配されていたなどというのは事実ではないのです。

 ところで、本日私が言いたいのはそれだけではありません。

 本日、消費者物価指数が発表になったので、皆さんに問いたいと思うのですが…今年の4月から始まった消費税率の引き上げが及ぼす物価への影響が2%であるという日銀の考え方についてどう思いますか?

 何故2%であると断言できるのでしょう。それに、仮に増税直後において2%程度の影響があったとしても、何故半年以上も経った今も2%のままであると断言できるのでしょうか?

 半年経って、2%程度だと思っていた影響が2.5%程度に上がるとか、或いは逆に1.5%程度に下がるとかということは考えられないのでしょうか?

 しかし、この増税の影響が2%であるというのは、永久に変わらないのです。

 何故でしょう?

 一般の人々は、増税を行ってもそれが価格に転嫁されやすいものとされにくいものがあり、それらを総合的に考えると平均して2%程度物価を押し上げることになるのでは…と考えるのではないでしょうか?

 でも、日銀はそうは考えないのです。そうではなく、物価指数を算出するための対象となるモノやサービスのうち、課税の対象となるものはおおよそ7割(従って課税の対象にならないものはおおよそ3割)だから…つまり、3%×0.7=2.1% で、アバウト2%になるだろうという考えなのです。

 しかし、これは、日銀が考えたそうあるべき姿(数値)であるだけで、実際にそうなるという保証はないのです。例えば、課税の対象にならない家賃や診療代や自動車保険料などが増税を契機に値上げされない理由はないのです。

 要するに、増税が物価上昇率に与える影響が2%であるというのは、実際に増税に伴う影響を測定して出てきた数値ではないということなのです。単に、机上の計算で、そうなるのではないかという数値に過ぎないのです。

 物価が重要な指標であると考える今の日銀が、実際の物価上昇の要因を考慮することなく増税の影響は2%であると言い切ってしまう姿勢に私は疑問を感じるのです。


 物価上昇率に与える増税の影響が何故2%であると言われているのかが、やっと分かったという方、クリックをお願い致します。
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 消費税増税に頑なに反対する人たちがいつも言っている一言があります。

 「増税をして景気を悪くすれば、むしろ税収は減ってしまう!」

 税収が減る可能性が大きいのであれば、財政当局も増税を断行しようとは思わないと私は思うのですが…増税反対派の人々からみれば、財政当局とはそもそも増税することに生きがいを感じているように思えるらしく…そのような財政当局をいつも厳しく批判するのです。

 いずれにしても、増税反対派は、増税をすれば税収が減るからということもあり、増税に反対してきたのですが…では、次の記事をどう解釈したらよいのでしょうか。

 「国の税収、17年ぶり高水準  1兆円上振れ51兆円台 今年度、 財政再建寄与は限定的 」(日経新聞)

 「2014年度の国の一般会計税収は51兆円台半ばに達しそうだ。消費税率を前回引き上げた1997年度の53.9兆円以来、17年ぶりの高水準となる。所得税収や法人税収が堅調で、当初の政府想定からの上振れが1兆円台半ばとなる」

 いいでしょうか、このニュースは2013年度の実績について報じているのではないのです。現在進行中の2014年度、つまり来年の3月までの税収見込みについて言っているのです。ということは、当然のことながら、今年4月に実施した消費税率の引き上げの効果も反映されているのです。

 実質GDPが、4−6月期、7−9月期と連続してマイナス成長になったことは記憶に新しいと思うのですが…しかし、その一方で、所得税収や法人税収は堅調であると言うのです。しかも、全体では当初想定よりも1兆円以上も上回るであろう、と。

 増税反対派の人に問いたい。

 あなた方の言っていたようにはなりそうにないではないですか? 税収が落ちるのではなく税収は当初見込みよりも1兆円以上も上回りそうだというのです。

 どうしてこんなことになっているのか、理由を聞かせて欲しいものなのです。

 そうですよね、円安の効果で輸出産業の業績が回復しているからですよね。それにベアも実現し、株価も上昇しているので、所得税も増えやすい、と。

 だとしたら、消費税を増税したら税収は必ず減るなんて言えないではないですか?!

 でも、次のような反論も想像されます。

 「消費税を増税しなかったら、もっと税収が増えた筈だ」

 ホンマでっか、と言いたい。

 消費税を増税しなかったら、確かに2014年度上半期の実質GDPの伸び率がマイナスに落ち込むことはなかったでしょうが…ですが、それがそれほど法人税や所得税の税収に影響を及ぼしたとは思われません。むしろ、消費税率が引き上げなかったことによる期待された税収の剥落効果の方が大きいと思われるのです。

 グラフをご覧ください。

税収の推移
(財務省のデータで作成)

 一般会計税収は、当初50兆円と見込まれていたのが、それが今回51兆円台になりそうだと報じられている訳です。一方、増税による消費税の増収分は4.5兆円ほどですから、その4.5兆円の効果が剥落したとすれば、税収合計では51兆円−4.5兆円=46.5兆円。それに景気が悪化しかなった効果が若干上乗せされるだけの話で、到底51兆円台には及ぶはずがないのです。

 どう思いますか?


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 日銀の黒田総裁が、為替に関する意見を修正しています。

 以前は、円安は日本経済にプラスに作用するという意見でしたよね。それが、昨日名古屋で行った記者会見では、「安定的に推移することが望ましい」という意見になっているのです。

 もっとも、こうした見方に対して黒田総裁はちゃんと言い訳は用意しているようなのです。

 というのも、発言を詳細に分析してみると、発言内容に大きな変化はないという解釈もできるからです。

 では、以前の言い回しと昨日の言い回しを比較してみましょう。

<以前の言い回し>
 「ファンダメンタルズに即した円安は日本経済全体にプラスになる」

<昨日の言い回し>
 「為替相場は経済や金融のファンダメンタルズを反映し安定的に推移することが望ましい」

 お分かりになったでしょうか? ともに、ファンダメンタルズを反映していれば可であると言っているようにも思えるからです。

 しか〜し…そんなのは役人が得意とする言い訳に過ぎません。余りにも言いぶりを急変させると、記者たちから突っ込まれかねないので、オブラートに包んだだけなのです。

 そうです。言いぶりは余り変わっていないように見えないこともありませんが、中身はガラッと変わったと言っていいでしょう。

 但し、それが黒田総裁の真意であるかどうかは分かりません。否、むしろ、それは真意ではないと言った方がいいでしょう。

 では、何故真意でもないことを言ったのか?

 ズバリ、それは安倍政権を援護射撃するためにです。どういうことかと言えば、黒田総裁自身は、今でもマイルドなインフレにもっていくためには円安を歓迎したいところなのでしょうが…その一方で、政治的にはこれ以上の円安を受け入れることが難しいことも承知しているので、この際は政治的な配慮を行ったということではないでしょうか。

 アベノミクスを巡っては、円安のせいで国民や中小零細企業は被害を蒙っているという見方が広がっているので、少なくても選挙が済むまではこれ以上円安を進行させない方が望ましいと判断したのでしょう。

 ということで、今後は為替は安定的に推移することが望ましいというような口先介入が横行するのではないかと私は想像しますが…では、そうなるとここで円安の進行は暫く休止すると見た方がいいのでしょうか?

 しかし、その一方で、米国では7−9月期のGDPの成長率が上昇修正され、景気回復のスピードが増していることが確認され、ゼロ金利政策の解除が前倒しになるとの見方が広がってきているのです。

 となれば、一段と円安になる可能性もあると言った方がいいでしょう。


 黒田総裁は、政治的な配慮が多すぎるのではないかと思う方、クリックをお願い致します。
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 軽減税率の導入を声高に叫ぶ党があります。軽減税率を一貫して主張してきたのは自分たちの党だけだ、と。

 どう思いますか? 軽減税率の導入に賛成しますか?

 確かに生活必需品に対して軽減税率を導入するということは、貧しい人々を支援するものであるという見方もできるのですが…私は大いに疑問だと思うのです。

 というのも、貧しい人々が購入するモノやサービスは何も軽減税率が適用されそうなものばかりではないからです。つまり、貧しい人々であっても、必需品とは思われないものや、やや贅沢な品物と思われるものを買う時もあるからです。

 貧しい人でもというか、どんな人でも夏はビールを飲みたくなるし…冬になれば日本酒を飲みたくなるでしょう。或いは焼酎のお湯割りやウィスキーの水割りを。だけど、そのようなアルコール類については、軽減税率どころか特別な税が加算されているのです。

 だとすれば、我々消費者にとって大事なことは、全体でどれだけの税負担がかかるかであって、我々が購入する品物のうち、どのような品物が課税されてどのような品物が課税されないかはそれほど重要なことではないのです。

 早い話、消費税率を11%に引き上げるとともに軽減税率を導入する案と、消費税率を10%に引き上げ軽減税率は導入しない案があったとして、どちらの方が貧しい人々に優しい税制度だと言うことができるでしょうか?

 仮に軽減税率を導入せずに消費税の税率を10%に引き上げる案の方が、全体としての税負担が軽くなるのであれば、別に軽減税率を導入しなくてもその方を選択したいと考える人々が多いのではないのでしょうか。

 あれっ、今貴方は、消費税率を10%に引き上げるとともに軽減税率を導入すればいいではないかと考えませんでしたか?

 しかし、軽減税率を導入すれば、税収が見込みどおり上らないので、消費税率を例えば11%とかにしなければならなくなってしまうのです。

 それに…現実には、消費税率を10%に引き上げたところで基礎的財政収支の均衡を取るには程遠いのです。つまり、本当であれば、もっともっと消費税率を引き上げる必要があるのです。従って、仮にここで軽減是率を導入するならば、それによる税収の目減り分を補うために消費税率をさらに引き上げる必要に迫られるだけの話なのです。

 また、私がいつも言っているように、仮にコメに軽減税率を適用しようとしても、コメにも安いコメと高級なコメがあるのに、どこで線引きをするのでしょうか? それとも、貧乏な人には手が出ない高級なコメ、例えば5キロで1万1千円以上もする
南魚沼産極上有機米にも軽減税率を適用するのでしょうか?

 野菜など生鮮食品に軽減是率を適用する場合、例えば、マツタケや季節外れの高級なスイカなども適用するのでしょうか?

 新聞社は、新聞が民主主義を育てるのに必須の手段だからという理由で軽減税率の適用を主張していますが、そのようなことを言うのであれば、他の商品に関しても、いろんな言い分が成り立つのです。パソコンだって、インターネットの通信料金だって、有益な情報を得たり、自由に意見を言ったりするための必須の手段であるからです。

 パソコンや通信料金にも軽減税率を適用しますか?

 私には、軽減税率の適用を叫んでいるのは、単なる人気取りにしか思えないのです。

 本当に貧しいひとたちのためには生活保護制度もあることですし…



 いずれにしても新聞に軽減税率を適用する必要はないと思う方、クリックをお願い致します。
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 突然ですが、私の書いた記事がWEBRONZAに本日掲載されましたので、お知らせします。WEBRONZAでの掲載はこれで2本目になります。

 本日の記事のタイトルは、「地球温暖化防止に石油・石炭産出権取引の導入を!」

 この提案は、私が何年も前から行っているものですので、経済ニュースゼミの熱心な読者であれば概要をご存知かもしれません。

 そうでない方も含め、是非ご一読頂ければありがたいです。

 3連休の最後の日に、私事で恐れ入ります。

 なお、WEBRONZAの購読は有料ですが、アクセスして頂けると、ポイントと冒頭部分だけは読むことが可能です。
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「地球温暖化防止に石油・石炭産出権取引の導入を!」
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 増税したから7−9月期も経済成長率がマイナスになってしまったと言われています。

 そうですよね、与党も野党もどの政党の議員もそのようにテレビで主張していますよね。

 確かに、そう言えば分かりやすいのは事実!

 しかし、それは本当なのでしょうか?

 もし、消費税増税のせいで7−9月期のGDP成長率がマイナスになったというのであれば、そもそも個人消費が4−6月期と比べて減少していなければいけないのですが…実際には減少ではなく増加しているのです。

 でも、幾らそのようなことを私が言ってもなかなか受け入れようとはしない。

 「あなたがどう言おうが、消費が冷え込んでいるのは事実なのだ」と。

 では、実際に個人消費はどのように推移しているのでしょうか。

 グラフをご覧ください。

名目個人消費

 


















 青いグラフと赤いグラフがありますが、どちらの方が正しいのでしょうか? 或いは、どちらの方があなたの実感に合っているでしょうか?

 青色のグラフの方が示すところによれば、2014年4−6月期、7−9月期とも、個人消費は前年同期を下回っているものの、ほぼ同じような水準であるとも言えます。

 一方、赤いグラフの方は、2014年4−6月期、7−9月期とも、個人消費は前年同期を大きく下回っています。

 もう一度お聞きします。どちらの方があなたの実感に近いでしょう?

 リフレ派の方々や増税反対派の方々は、赤いグラフが実感に近い、つまり正解だと言うのではないでしょうか?

 実は、青いグラフも赤いグラフもともに正解なのです。

 どういうことかと言えば、青いグラフは名目の個人消費を示し、赤いグラフは実質の個人消費を示しているだけですから。

 でも、私は、赤いグラフが実感に合っていると考えた人に問いたい!

 赤いグラフは実質値なのです。リフレ派の方々は、常日頃、GDPを見るには生活実感にあった名目値でみるべきだと言っていたではありませんか? だったら、何故個人消費についても名目ベースで見ないのか、と私は言いたい。

 いいでしょうか? 青いグラフが示す個人消費の2014年4−6月期と7−9月の値が、前年同期と殆ど近い数値を示しているということは、消費者は別に増税があったから消費を特に控えているなんてことがないことを物語っているのです。

 もちろん増税を境に個人消費が大きく減少したことは事実ですが、それは増税の直前に駆け込み需要が発生したことの反動であるだけで、増税そのものが個人消費を落ち込ませている訳ではないのです…少なくても名目ベースでは。

 一方、実質ベースの個人消費は、駆け込み需要の反動減という要素を除いても落ち込んでいるのは事実です。でも、それは増税という形で消費者が購買力が2%程度奪われたから当たり前の話なのです。因みに、何故2%分購買力が奪われたかと言えば…3ポイント税率が引き上げになっても、物価は実際には2%ほどしか上がっていないからです。

 いずれにしても、名目ベースで考えるならば、増税の影響で個人消費が大きく落ち込むことなんてありえないのです。消費者は可処分所得の許す範囲で生活に必要な物資を購入するだけのことですから。

 もし、それでも納得がいかないと思うのであれば…つまり、個人消費の動向は実質ベースで判断すべきだというのであれば、GDPも名目値ではなく実質値で判断すべきなのです。


 
 多くの人は、名目の議論と実質の議論の区別ができていないのでは、と思った方、クリックをお願い致します。
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 お知らせ

 先日、facebookの友達になりたいというリクエストを読者の方から頂きました。最初は、読者の方と分からずに承認させてもらったのですが、皆様のなかでもリクエストの希望があれば、どうぞご遠慮なく。

 友達になることの特典

1.あなたの友達が一人増える。
2.経済問題などに関する質問を気軽にしやすくなる。
3.私を幸せな気分にさせることができる。


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 衆議院が解散され、アベノミクスの成否に注目が集まっています。

 当然のことながらアベノミクスは成功しているという意見と、そうではなく失敗であったという意見がある訳です。

 しかし、不思議なことにどちら側に属する人々も、ある点では意見が一致しています。何でしょうか?

 それは、日本が長い間デフレから脱却することができずにいるということ。つまり、日本が先進国のなかでは突出して不況に喘いでいるという点で認識が一致しているのです。

 どう思いますか? 貴方もそう思いますか?

 いずれにしても、与党の議員も野党の議員もそうですが、自分たちの支持層に受けが良さそうなことを言うだけ!

 そして、今言いましたように与党の議員も野党の議員も、日本は長い間不況にあるという前提でそれぞれ持論を述べるのです。

 日銀にどんどんお札を刷らせてマイルドなインフレを起こすことが先決だとか、円安に誘導することが望ましいとか、最低賃金を引き上げることが必要であるとか、規制緩和をすべきであるとか…

 しかし、そもそも前提となる認識が間違っているのです。

 日本の経済成長率は低くないのです。他と比べて低いと思うので、どうにかして他の国並みにならないものかと思い悩む、と。

 グラフをご覧ください。

生産年齢人口1人当たりGDP

 「日本経済をぼろぼろにする人々」というタイトルのブログに有益なグラフが掲載されており、それを引用させてもらおうかと思ったのですが、よく調べてみると2012年5月に当時の白川日銀総裁が講演の際に使用したグラフが元になっていることが分かりましたので、その日銀の資料を引用させて頂きたいと思います。

  右側のグラフをご覧ください。2000年から2010年までの主要国の実質GDP成長率が比較されています。赤が日本の実質GDP成長率です。

 確かに日本の成長率は低い。しかし、それには各国の人口の変動が反映されていないのです。人口が増えつつある国の成長率が人口が減っている国の成長率を上回っても、ある意味当然でしょう?

 但し、人口が増えている国の成長率が相対的に高くても、人口1人当たりでも同じことが言えるという保証はないのです。

 真ん中のグラフをご覧ください。人口1人当たりの実質GDPの成長率を比較したものです。

 日本をはっきりと上回る国は英国とドイツ位なもの。日本は米国やフランス、それにユーロ圏全体とほぼ同じ成長率を示しているのです。

 しかし、人口1人当たりのGDPを見るよりも、生産年齢人口1人当たりGDPで見た方がもっと現実を反映していると言えるかもしれません。というのも、日本のように急激に高齢化が進んでいる国家では、人口全体に占める生産年齢人口の割合が小さくなるからです。だとしたら、生産年齢人口1人当たりGDPを比べた方が、日本の経済の実力をより的確に示していると言えるでしょう。

 では、生産年齢人口1人当たりの実質GDP成長率を比較するとどうなるのか?

 左側のグラフをご覧ください。

 な、な、なんと日本が一番高い成長率を示しているのです。

 いいでしょうか? 日本の潜在成長率が他の国々に比べて見劣りしているというのは、あくまでも人口要因を度外視した議論であるということを忘れてはいけません。

 もちろん、各国の実質GDPの成長率を単純に比較したら日本が低いのはそのとおり!

 ですが、そのことは何も日本の1人当たりのGDPの成長率が低いことを意味しないのです。

 逆に言えば、日本の少子高齢化現象に歯止めをかけることなしに実質GDP成長率を上げることが困難であること位すぐ分かる筈。

 にも拘わらず政治家たちは、お札を刷れとか、最低賃金を上げろとか、或いは規制緩和をしろとか、本質からそれた議論ばかりをするのです。

 以上のようなことが分かれば、我が国としてどんな対策が一番必要とされるかは自明のことではないでしょうか? つまり、人口を増やすこと。そして、人口を増やすことが困難であるというならば、それなら我が国の実質GDP成長率を他国並みにしようなどとは思わない方がいいでしょう。

 しかし、だからと言って必ずしも悲観することはないのです。何故ならば、1人当たりのGDPの成長率が他の国並みであるならば、我々日本人1人ひとりの豊かさの程度も他の国々と足並みをそろえて向上していくことになるからです。


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 安倍総理が、今回の解散は「アベノミクス解散」だと言っています。野党はアベノミクスが失敗したと言っているが、国民に信を問いたい、と。

 どう思います?

 もちろん、両論あると私は思います。アベノミクスは成功したという意見と、そうではなくアベノミクスは失敗だったという意見。

 では、それぞれの根拠はどんなものでしょうか?

<アベノミクス成功説>
 ・株価が上昇した。
 ・企業業績が回復した。
 ・賃金が上がった。

 まあ、そんなところでしょうか。

 では、失敗説は?

<アベノミクス失敗説>
 ・株価は上がっても庶民の生活には恩恵がない。
 ・円安で物価が上がり、生活が苦しくなっている。
 ・賃金が上がったといっても実質賃金はむしろ下がっている。

 さあ、如何でしょう?

 一般的傾向としては、大企業やお金持ちのなかにはアベノミクスを支持する向きが多い一方、中小零細企業や庶民のなかにはアベノミクスを支持しない向きが多いような気がします。

 ただ、その一方で、国民のなかにはアベノミクスが成功か、失敗かなんて聞かれても、「よく分からない」という人も多くいそうな気がします。

 というよりも、経済の専門的なことは分からないから、そのようなことは政治家や専門家に任せているのだ、と。

 そう思いませんか?

 で、仮に国民の多くがアベノミクスの成否に関して明確な答えを出すことができないとすれば、そのことを国民に問うてみても意味のないことだと思うのです。

 それに、国民の間というかテレビのワイドショーなどで、アベノミクスの賛否を巡って大いに議論が盛り上がっている訳でもないのですから。

 そうでしょう?

 恐らく安倍総理としては、これだけ株価を上げることに成功し、それに賃上げについても、実質賃金こそ下がってはいても何年振りかでベアを実現させたことに相当の自信を持っているのだと思うのです。そして、だからこそ国民に信を問いたい、と。

 要するに、安倍さんは、国民に褒めてもらいたい、と。そして、褒めてもらえる可能性のあるものが、安倍政権の経済政策、つまりアベノミクスであるのです。

 考えてみたら、批判される可能性の高いモノを争点にしようと思う政治家などいない筈ですから。

 では、我々有権者は、安倍総理やマスコミがアベノミクスが争点だと言うので、アベノミクスに対する評価だけで投票態度を決めなければいけないのでしょうか?

 おかしいでしょう? だって、経済政策だけが政治家の仕事ではないからです。

 もっと国民の意見が分かれているというか、国民の関心の高い分野があるではないですか?

 例えば、原発再稼働の問題。それに、集団的自衛権の発動の問題。北朝鮮の拉致問題についても、何故交渉が頓挫してしまっているのか、国民はそのことについてももっと説明を聞きたいと思っているのです。

 そうしたこと、全てを総合的に判断して国民は投票態度を決することになるでしょう。

 でも、原発再稼働の問題が関心を集めると、与党としては嫌なのですよね。

 だって、原発再稼働に関しては、絶対にダメだとは言わないまでも、可能であるのならば再稼働はしないで欲しいと考えている国民の方が多いからなのです。

 つまり、原発再稼働を争点にしてしまえば、自民党が不利な立場に追い込まれることは明白なのです。

 安倍総理が、アベノミクスだけに関心を向けさせようとしている理由がお分かりになったでしょうか?




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 昨日、10月の貿易統計が発表になりましたが、それによると10月の輸出数量は前年同月比4.7%増になり、2か月連続で増加したのだ、と。

 どう思いますか?

 そういえば、少し前にクルーグマン教授が来日して、円安の効果は少しずつ出てくるから慌ててはいけない、と言っていましたが、それが現実のものとなったということなのでしょうか?

 いずれにしても、これまでの輸出数量の推移をみてみないことには何とも言えません。

 では、グラフをご覧ください。

輸出数量
(貿易統計のデータにより作成)

 如何でしょう?

 輸出数量は回復しているように見えるでしょうか?

 右端の赤線を引いた97.9というのが2014年10月の数値です。

 どう思います?

 上がったり下がったりしていて、俄かには判断できないとお感じですか?

 そうなのです。輸出や輸入は、季節要因が大きく働くので単純に前月と比較してはいけないのです。

 ということで、1年前の93.4と比べれば、発表されたとおり4.7%の増となっていることが分かるでしょう。因みに2年前と比べると…2年前は89.5であり、従って、2年で9.4%伸びていることが分かるので、そのことから判断すれば、輸出数量は着実に上向いてきていると言えるかもしれません。

 それに、今回の97.9という数値は、ここ数年で一番高い数値という訳ではないものの、相当に高い数値であることも分かるのです。

 では、そろそろ輸出数量の回復が始まったと考えていいのか?
 
 しかし、この輸出数量指数というのは、2010年の平均値が100であるということを忘れてはいけません。つまり、今回輸出数量が相当回復してきたようにみえても、まだ2010年の平均値に達している訳ではないということなのです。さらに言えば、2010年の平均値にも達していないということは、リーマンショック以前の水準には遠く及んでいないということなのです。

 2014年10月の輸出数量指数が前年同月比で4.7%の増加になったということは紛れもない事実ですが、しかし、それをもって輸出が以前のような勢いを取り戻したと断じることはできないのです。

 少なくても、もう少しは様子を見る必要があるでしょう。


 
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 1ドル=118円台をつけています。

 本当に凄いスピードで円安が進んでいるのです。

 テレビのニュースでは、日米の金融政策の違いが一段と鮮明になったから…などと言っています。

 いずれにしても、これほどまでに円安が進んでも、日本経済全体としてみたらプラスの効果が大きいなんて、まだ言うのでしょうか?

 確かに輸出企業からすれば、円安になれば円ベースの輸出額はそれだけ増える訳ですから、決算に好影響を与えるのはそのとおり。しかし、逆に輸入企業からすれば、それだけ円ベースの輸入額が増えるので逆に決算には悪影響を与えるのです。

 では、家計部門にはどのような影響を与えるのでしょう?

 輸出企業の業績が良くなれば、そのような企業で働く労働者の賃金は上がるのか?

 仮に上がるものだと想定しましょう。そうすると、その意味では家計部門も好影響を受ける。

 でも、それとは逆に輸入企業の業績は悪くなるでしょう。そうなれば、そのような企業で働く労働者の賃金は下がるでしょう。

 そうすると、二つの効果は打ち消しあって中立。

 しかし、それとは別に家計部門は円安によるエネルギー価格の上昇分を負担しなければならないので、その意味で購買力が奪われてしまうのです。

 だとしたら、総合的に考えても、円安はマイナス効果の方が大きいのではないでしょうか。

 ただ、その一方で、円高が行き過ぎてしまい、多くの輸出企業が壊滅的な被害を受けるような事態になれば、それはそれで日本経済全体にとって深刻な事態になるので、円安を歓迎するような状況が起こり得るのも事実。

 では、今、日本経済は、どのような状況にあると考えるべきなのでしょうか?

 日本の輸出産業を支援するためにまだまだ円安が進んだ方が望ましいのでしょうか?

 しかし、日本の経済界は、そもそも1ドル=95円程度が望ましいと公言していたのではなかったのでしょうか。つまり、1ドル=95円程度でありば採算がとれる…と。

 それから考えると1ドル=118円というのは余りにも円安に傾きすぎているとも言えるのです。

 だとしたら、円安がもたらすプラスの効果よりもマイナスの効果の方が遥かに大きくなっているのではないのでしょうか?

 いずれにしても、私はこう言いたい!

 日本経済にとって本当に恐ろしいのは、円高が極端に進むことよりも円安が極端に進むことだ、と。

 何故なのか?

 それは、リフレ派の人々がいつも言うように、お金(円、日銀券)は幾らでも日本銀行が刷りまし可能であることと関係しています。

 仮に、極端に円高が進んで日本の輸出企業が壊滅的な打撃を受けたとしても、我々日本人は、日本銀行が刷り増した円でどれだけでも生活に必要な物資を調達することが可能である一方、極端に円安が進んだ場合には、幾ら日銀が円を刷り増しても、何の役にも立たないからです。つまり、円は海外から敬遠されてしまうということです。

 但し、極端に円安が進んだとして、そのような状況で日本の輸出がタイムリーに回復すれば、そのときには稼いだ外貨で生活に必要な物資を調達することができるでしょう。しかし、もし、極端に円安が進んでも貿易収支がそれほど改善しないならば、日本は徐々に外貨不足に陥ってしまうのです。

 外貨不足の恐ろしさを知らない若い人々が多いと想像します。

 いいでしょうか? 外貨不足に陥ったならば、幾ら日本銀行がお札を大量に印刷しても…というよりもお札を大量に印刷すればするほど円の価値が低下して、日本としては必要な物資を調達することができなくなってしまうのです。

 少子高齢化がこれだけ進み…そして、貿易赤字がすっかり定着してしまった日本!

 そんな日本にとって本当に怖いのは、今後は円安になるのではないのでしょうか?

 私は、遠からず物価を上昇させることよりも経常黒字を保つことが優先されるような時代になると予想しています。

 でも、それに気が付かない政治家の何と多いことか!



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