経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2015年05月

 昨日、米国の2015年1-3月期のGDPの改定値が発表されましたが、それによると、速報値では0.2%の成長率であったのが、なんとマイナス0.7%に下方修正されたのだとか。

 何が原因だったのでしょうね?

 日経新聞は、次のように報じています。

 「下方修正の理由について、米商務省は最新データを反映した結果、「住宅投資が上向いたものの、輸入が上方修正され、製造業や卸売りの在庫投資も減少した」と説明。政府支出のマイナス幅も広がるなどしてよくない材料を相殺しきれなかった」

 さあ、如何でしょうか?

 先ず、住宅投資が上向いたもののとありますが、確かに住宅投資は上方修正されており、これは何も問題はないでしょう。

 次に、輸入が上方修正されたとありますが、輸入が上方修正されると、何故GDPの伸び率を押し下げることになるのでしょう?

 答えは、例えば個人消費や輸出が修正されない一方で、輸入が上方修正されれば、個人消費の対象となった財やサービスのうち、輸入されたものの割合がより大きくなるので、その分、国内の財やサービスの生産は小さくならないと話が合わないからです。

 では、最後に在庫投資についてはどうでしょうか?

 在庫投資とGDPの関係については、先日も説明をしましたが、ここは貴方がちゃんと理解しているどうかを確認する意味で、少しの間、ご自分で考えてみて下さい。

 如何でしょう?

 私は、ここは、在庫投資が減少したという書き方ではなく、在庫投資が下方修正されたと書くべきだと思います。何故ならば、ここは速報値の改正の理由を述べている個所だからです。在庫投資が減少したというのは、あくまでも前期との比較の話であって、1次速報値との比較ではないからです。

 それに、もっと重要な事実を述べるならば、在庫投資が減少したとここで言っているものの、実際には前期と比べて減少していないです。

 表をご覧ください。

米GDP改定値
 在庫投資は確かに下方修正されているので、それがGDPの成長率を押し下ているのですが、その一方で、在庫投資の数値は、前期の80.0から95.0に増えているのです。

 まあ、これだけ言っても、まだ私の言うことに確信が持てない人もいるかもしれませんので、最後に、米国商務省の正式な説明を掲載しておきます。

The second estimate of the first-quarter percent change in real GDP is 0.9 percentage point, or $40.7 billion, less than the advance estimate issued last month, primarily reflecting an upward revision to imports and downward revisions to private inventory investment and to personal consumption expenditures that were partly offset by an upward revision to residential fixed investment.

「主に、輸入が上方修正されたこと、及び民間在庫投資と個人消費が下方修正されたことを反映して」

 米国商務省の見解は、あくまでも在庫投資の下方修正であり、在庫投資の減少ではないのです。



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 国内でバターの不足が予想されるというので政府がバターの緊急輸入を決定しました。

 では、何故バターが不足するというようなことが起きるのか? 
これまでいろいろとその理由を考えてきましたが…より本質的な理由を述べるならば、それはバターを生産しても大して儲からないことではないでしょうか?

 ところで、企業は何を目指して活動しているのか?

 利益追及のためです。

 だから、牛乳の生産が儲かるとなれば牛乳の生産量を増やし、バターが儲かるとなればバターの生産量を増やす、と。

 でも、バターの不足というのが近年頻発しているのです。緊急輸入なんて言っていますが、毎年、しかも年に何回もバターを輸入するようなことが起きているのです。

 いいでしょうか? バターの品不足は起きても、メーカーはチーズなどの生産を抑制しようとはしていないのです。

 何故でしょうか?

 単純に考えるならば、バターを作るよりチーズを作る方が儲かるからでしょう。ですから、バターだけが品不足となるのです。

 ところで、普通ある商品が不足するようなことが起きれば、自然と価格は上がるものなのです。天候不順で野菜の生育が悪くなると、とたんに価格が暴騰する、と。普段は丸ごと売るのが普通のキャベツも、それを半分に切ったりして店頭に並べる、と。価格がそれほど上がったとは思わせないようにする工夫です。

 そして価格が上がれば、生産者はその価格が上がった商品の増産を目指す訳です。コストが変わらない一方で価格が上がるのであれば、儲けが増えるからです。

 では、バターはどうなのでしょうか?


 業務用のバターは確かに価格が上がっていると言うのですが…しかし、消費者向けの普通のバターの価格には、それほど変化は見られないのです。

 もし、そうではなく価格がどーんと上がれば、国内のメーカーは牛乳やチーズの生産を抑えてもバターの生産を優先するかもしれません。

 しかし、政府が予めバター不足を予想して海外からバターを輸入するので末端のバターの価格はそれほど上がらずに終わるのです。

 で、そうしてバターの価格が上がることがなければ、バターは相変わらず儲からない商品のままであり続けるのです。

 これでは、バター不足が今後も発生することは簡単に予想されるではないですか?

 では、何故バターは儲からないのか?


 例えば、ある牛乳の価格が、1リットル200円だと仮定しましょう。そして、その一方で、200gのバターの価格が400円である、と。

 バター200gを作るために必要な生乳の量はどれだけか、お分かりになりますか? なんとその23倍の4600グラム。

 ということは、大雑把な計算ですが、200円×4.6=920円ということで、200gのバターを作るためには920円分の牛乳が必要になるのですが、その一方で、その200gのバターは400円でしか売れないので、なかなかペイしないのです。

 お分かりになりましたか?


 では、何故そんなに儲からないバターの生産に見切りをつけないのか?


 でも、そんなことをしたら、生乳が余った時に、その生乳の処分に困るのです。余剰状態が長く続けば、牛乳の価格が低下し、酪農業者たちの経営は益々苦しくなるでしょう。

 そこで、どうせ処分する位なら、その余った生乳を原料としてバターや脱脂粉乳を作れば…損失を幾らかで小さくすることができる、と。

 でも、そのような余り物でバターを作るなんて発想をしているから、本当に付加価値の高いバター製品が登場しないのではないでしょうか。

 例えば、レーズンバターなんてありますよね。そんな消費者がもっと喜ぶような商品をどんどん開発する努力が必要なのではないでしょうか。

 例えば、レーズンバターをお酒のつまみにすると、割と悪酔いしないと思うのですが、そのようなことをもっとアッピールしたらどうでしょうか。

 先日、少し触れたアサリのバター焼き用のバターなんて売り出すのもいいかもしれません。

 ただ、いずれにしても、日本の乳製品は、生産のコストがかかり過ぎなのですよね。

 何故でしょう? 例えば、ニュージーランドなどから学ぶべきことはないのでしょうか?

 ニュージーランドは、自然放牧の形を取っているので、牛の飼育にかかる手間が少なく、生乳の生産コストが日本より遥かに安く済むと言われています。具体的に言えば、餌を与えたり、糞の処理をしたり、或いは牛の分娩に人間が拘わることも少ないと言います。しかも、そうして牧舎で育てるのではないので、悪臭の問題もないと言います。

 そのような国と競争しなくてはいけないのですから…今のままの酪農を続けていても生き残る可能性は極めて小さいとしか思えません。

 というよりも、今のような状態で日本の酪農が生き延びると考える方がおかしいのかもしれません。

 日本の酪農の根本的な見直しが必要なのではないでしょうか。


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 新国立競技場の建設費負担問題を巡って舛添都知事が吠えています。

 どう思いますか? 今回は、都知事を支持したい?

 本当に愚かな人たちですよね。なんで今頃になってそんな問題でもめるのかと思うのです。そうでしょう?

 それに…私は、何故今までの国立競技場を解体する必要があったのかと思うのです。あれで十分ではなかったのか、と。仮に十分でないというのであれば、改修などをすればいいだけのこと。

 いろんな思い出を作ってくれた競技場だったのに。でも、もう解体してしまったのですよね。

 覆水盆に返らず!

 いずれにしても、国立競技場であるのに、何故都が金を出す必要があるのかと言われると、そのとおり!

 但し、その一方で、東京都がオリンピックを誘致したのだから、東京都もそれなりの負担を負うべきだと言われると、それも一理あるかな、と。

 で、そんなことで揉めていると、2020年の東京オリンピックに間に合わないのでは…なんて声も聞こえてきたりして…でも、実は、2020年の東京オリンピックの前に重大なイベントが控えているのです。

 何かご存知ですか?

 そうです、2019年9月から10月にかけラグビーのワールドカップが日本で開催されることになっており、その際、新国立競技場も試合会場として予定されているのです。

 ということは、本当は東京オリンピックに間に合わせるだけではなく、その前のラグビーのワールドカップに間に合わせる必要があるのです。

 でも、そんな話を聞くと、益々舛添知事の味方をしたくなるかもしれませんね。

 だって、新国立競技場はオリンピックのために建設するのだとは言いながらも、見方を変えるとラグビーのワールドカップのために建設するとも思えるからです。そのための費用を都が負担する必要があるのか、と。

 ところで、ラグビーと聞いて思い出す政治家がいませんか?

 森元総理。

 ピンポン!

 森元総理は、東京オリンピック組織委員会の会長であるだけではなく、
長い間、日本ラグビー協会の会長も務めていたのです。

 恐らく、今回の資金負担の問題にも彼の意見が大きく影響をしているのではないでしょうか。

 しかし…

 建設費を誰がどう負担するかなんてそれほど重大なことではありません。だって、いずれにしても最終的には納税者の負担になることに違いはないからです。

 そうでしょう? 結局、我々が負担しなければいけないということなのです。

 私、思うのですが…そんなことよりも、本当に真夏にオリンピックなど開催して大丈夫なのか、と。

 今や小中学校でも運動会は秋ではなく、5月頃に開催するのが主流になっているではありませんか? 1964年の東京オリンピックでさえ10月に開催したのです。それが、2020年の東京オリンピックは、一番暑い7月下旬から8月上旬にかけて行われる、と。

 真夏にオリンピックを開催して、選手のみならず観戦者の健康が気にならないのでしょうか。

 それに、今、インドは熱波、そしてアメリカは大洪水に今見舞われている最中です。今後、益々異常気象が頻発することが心配されると言うのに…

 より深刻な問題に政治家は大事な時間を費やして欲しいと思うのです。


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 本日も、バター不足のついて考えてみたいと思います。

 はっきり言って、バターが不足している本当の原因はどこにあると思いますか?

 これ、見方によっていろいろな考えがあり得るのですが…でも、本当の原因が分からないからいつまで経っても同じことが繰り返されるのです。

 いずれにしても、先ず農水省の公式見解がどうなっているかと言えば、

Q 1. なぜバターが不足したのですか。

A 1. 平成25年の猛暑の影響で乳牛に乳房炎等が多く発生したことや、酪農家の離農等で乳牛頭数が減少していることなどにより、生乳(=搾ったままの牛の乳)の生産量が減少したため、バターの生産量が減少し在庫量が大きく減少しました。

 バターの在庫量が減少したため、乳業メーカー等は、安定的な供給を続けられるような出荷量に抑制したことや、供給不安等を背景として家庭用バターを中心に購入量が増加したこと(PDF:248KB)等から、店頭のバターが品薄になったものと考えられます。

Q 2. 牛乳が不足していないのに、なぜバターが不足するのですか。

A 2. 生乳は、非常に腐敗しやすいため、まず最も生鮮性が求められる牛乳や生クリームなどに加工され、最後に保存性の高いバターや脱脂粉乳に加工されています。バターや脱脂粉乳は、生乳が多く生産される時は在庫として積み上げておき、一方、生乳生産が不足する時は、バターや脱脂粉乳の生産を減らす替わりに在庫を放出するといった需給調整弁の機能を持っています。

  このような生産構造となっているため、生乳生産量が減少してくると、バターの生産量が大きく減少することになります。

 如何でしょうか?

 この公式見解を聞いて、納得がいくでしょうか?

 先ず、乳牛頭数が減少しているために生乳の生産量が減少しているからとありますが、生乳から作られるものはバターばかりではなく、他に牛乳、生クリーム、チーズ、脱脂粉乳などがあるのです。

バター不足

 では、それらの製品も品薄になっているのでしょうか?

 答えはノーです。品薄になっているのは、バターだけなのです。

 では、何故バターだけが品薄になるのでしょうか?

 それは、同じ生乳でも、その用途によって取引価格が異なっているからです。

<生乳の取引価格>

 牛乳用:115円/キロ
 生クリーム用:75円/キロ
 バター用:70円/キロ
 チーズ用:50円/キロ


 如何です? 同じ生乳でもこんなに取引価格が違うのです。

 貴方が酪農業者だったら、なるだけ牛乳用として売りたいと思うのは当たり前。

 (注)実際には、酪農家に支払われる価格は、生乳の用途が決まった後で決まるということらしいので、酪農業者には用途の選択の余地はないものと思われます。


 となれば、バター用の生乳が不足しても、牛乳用の生乳は必ずしも不足はしないのです。

 なーるほど、と思った貴方、早合点は禁物です。

 というのも、チーズ用の生乳はもっと安い価格で取引されているからです。つまり、バター用よりもさらに価格が低い、と。

 であれば、チーズについてはバター以上に品不足が発生しているのか?

 しかし、チーズが品不足だなんて話は全然聞きません。

 何故でしょうか?

 チーズはバターと違って関税率が低く、海外からの輸入物が多いからでしょうか? つまり、国内の生産は落ち込んでいるが、海外製品で不足を賄っている、と。

 では、チーズの国内生産は減少しているのでしょうか?

 でも、そんなことはないのです。チーズの生産は増えているのです。しかも、さらにチーズの国内生産を増やすために補助金まで支給しているのです。

 おかしいとは思いませんか?

 よく考えてみて下さい。日本政府は、バターの生産をより重視し、そして保護しようとしているからこそ、バターの輸入には実質360%もの関税率を課す一方で、チーズの輸入には30%程度の関税率しか課していないと思ったのに…実際には、バターの生産よりもチーズの生産を重視しているのです。

 嘘ではありませんよ。農水省のサイトで確認が可能なのです。近年、バターの生産は減少気味であるのに、チーズの生産は増えているのです。

 いいでしょうか。チーズは関税率が低いために、どれだけでも自由に海外から輸入が可能であるので品不足が起きる心配はありません。それなのに、チーズの生産により力を入れているからこそ、バターの生産は減ってもチーズの生産は増えているのです。

 つまり、バターとチーズのどちらをより重視しているかと言えば、チーズなのです。

 呆れてものが言えません。チーズの生産に回す生乳の量を抑えれば、バターの品不足が起きることはなかったのです。だから、最初から、このようなことが起きるのは予想の範囲内なのです。

 それに、バターの品不足が起これば、農水省生産局畜産部牛乳乳製品課と独立行政法人の農畜産業振興機構の出番となるでしょう?

 言ってみれば、自分たちで仕事を作り出して、自分たちで大変そうに振舞っているだけなのです。

 バターの品不足なんて茶番でしかないと言うべきでしょう。



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 バターの不足が予想されるので、政府が緊急輸入を行うなんて報じられています。

 ところで、先日、久しぶりにアサリのバター焼きでも作ろうと思ったのです。
普段はアサリの酒蒸しを作ることが多いのですが、偶にはアサリのバター焼きもいいかなと思い…で、スーパーの乳製品の棚に足を向けたのですが、バター製品が少ないのに驚きました。本当はチューブ入りのバターを買いたかったのですが…で、結果としてチューブ入りが買えたのですが、それはバターが1/3しか入っていない製品だったのです。

 本題に戻しましょう。

 いずれにしても、バターが不足していると聞けば、少し心配してしまうのが人情。だって、食べものですから。だから、本能的に反応してしまうのです。

 しかし、同時に、いろん疑問が湧いてくるのです。

 バターが不足すると予想されるとしても、何故不足分を政府がわざわざ輸入する必要があるのか? そんなこと民間に任せておけばいいのではないか、と。

 で、いろいろ調べていくと、バターというのは指定乳製品とされ、独立行政法人の農畜産業振興機構がほぼ独占的に輸入を行っているのだとか。

 ほぼ独占的というのは、一般の輸入が殆どみられないということですが、何故そうなのかと言えば、通常のバターの輸入には実質360%もの関税率がかかるからだと言うのです。

 関税率が360%ですよ!

 要するに、国が酪農業者を守るために高い関税をかけて保護している結果、海外からバターが自由に輸入されることがないから、こうして何らかの原因が重なるとバターが不足する事態が簡単に発生するのです。

 林農林大臣は、「バターの安定供給に支障が生じないよう、十分な量を追加輸入する方向だ。今週中には具体的な量も含めた追加輸入の対応を公表したい」と述べているのですが…

 どう思います?

 早速輸入すべきなのでしょうか?

 それにしても、多くの疑問が残るのです。

 バターだけでなく、例えば野菜や魚介類だって、天候などの影響で品薄になるなんてことはよく起きる訳ですが…そのような場合、価格が敏感に反応して、それで需要と供給のバランスを取るのです。

 バターについては、そのようなことを何故考えないのでしょうか?

 つまり、供給が不足するというのであれば、価格が上がるのを待ち…そして、価格が上がれば、国内の酪農業者も、バターの原料となる生乳の生産を増やそうとするのではないでしょうか?

 でも、どうもそのようなことを考えている気配はないのです。

 バターが不足するなら、それなら政府が輸入をする、と。

 しかし、そうやって簡単に輸入をしてしまうのであれば、何のために高い関税率をかけているのか、という疑問を禁じ得ないのです。

 まあ、いいでしょう。でも、問題は他にもあるのです。それは、バターが不足するというのであれば、何故チーズは不足しないのか、ということです。

 何故だかお分かりになりますか?

 実は、チーズの輸入に対しては実質30%程度の関税率しかかからないために、割と輸入がしやすいからだと言うのです。

 ということは、もしバターの関税率をチーズ並にすると、バターの品不足なんて起こる筈がないのです。

 では、そもそもバターの関税率も引き下げたらどうなのでしょうか?

 そんなことをしたら国内の酪農業者が保護できない? 

 でも、政府が本気で国内の酪農業者を守ろうとしているとは思えないのは既にみたとおりです。 簡単に海外から輸入するので、価格が上がらない、と。価格が上がらないと、国内の酪農業者の保護にはならないのです。

 ところで、こうしてバター不足が起きる最大の理由は、酪農業者が減り、生乳の生産が減っているからだと言います。さらに言えば、政権交代以降の円安で、家畜の餌代などのコストが嵩んでいるためになかなか採算が取れにくくなり、そのために廃業が後を断たない、と。

 でも、そのような現状があるということは、高い関税率で酪農業者を保護する政策が、所期の効果を発揮していないということなのですから、だったらこの際、関税率にそれほど拘ることはないとも思うのです。

 そうしたら、少なくても消費者は恩恵を感じることができますし…。




 
 こんな制度を維持していても、結局有難がっているのは、独立行政法人の農畜産業振興機構だけだと思う方、クリックをお願い致します。
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 イエレンFRB議長が22日、年内の利上げ開始が適当であると述べたと報じられていますが…ご存知でしょうか?

 ところで、米国の失業率は、随分下がってきたとは言え日本よりは相当高い訳ですが…日本のついては利上げどころか追加の緩和策が話題になるほどなのに、何故米国は利上げを行おうとしているのでしょうか?

 それについて、即、回答ができる貴方は立派!

 問題はインフレ率なのですよね。

 要するに、日米ともにインフレ率の目標値は2%であるのですが、日本は再びインフレ率が大きく低下しているからなのです。つまり、インフレ率を経済活動の尺度と考えた場合、日本の方が遥かに景気が悪く、その一方、米国はそれほどではないということなのです。

 でも、その一方で、黒田日銀総裁は、物価の基調は着実に改善しているなんて言うのですよね。

 しかし、改善しているのなら、アメリカのように今度は利上げの時期を模索する必要が出てくる訳ですが…そのような気配は全然感じられません。

 ということで、国民としても何が何だか訳が分からなくなり…しかし、その一方で、株価だけは着実に値を上げているので、誰も日銀を責めようとはしない。

 いずれにしても、アメリカの利上げのタイミングが、マーケットに大きな影響を与える可能性があるのはご承知のとおり。そこで、本日は、イエレン議長の本音がどのようなものであるかを探ってみたいと思うのです。

Given this economic outlook and the attendant uncertainty, how is monetary policy likely to evolve over the next few years?

「このような経済見通しとそれにまつわる不確実性に鑑みたとき、今後数年のうちに金融政策はどのように変化しそうなのか?」

Because of the substantial lags in the effects of monetary policy on the economy, we must make policy in a forward-looking manner.

「金融政策には相当のラグが伴うことから我々は、金融政策をフォワードルッキングなものにしなければならない」

Delaying action to tighten monetary policy until employment and inflation are already back to our objectives would risk overheating the economy.

「雇用とインフレ率が我々の目標に達するまで引き締めを遅らせることになれば、経済を過熱させてしまうリスクがある」

For this reason, if the economy continues to improve as I expect, I think it will be appropriate at some point this year to take the initial step to raise the federal funds rate target and begin the process of normalizing monetary policy.

「このため、もし経済が、私が予想するように改善を続けるのであれば、今年のある時点で、フェデラルファンズレートの誘導目標を引き上げる最初のステップに着手するとともに、金融政策の正常化のプロセスを開始することが適当であろうと考える」

To support taking this step, however, I will need to see continued improvement in labor market conditions, and I will need to be reasonably confident that inflation will move back to 2 percent over the medium term.

「しかし、このような行動に出るためには、私は、雇用市場が引き続き改善することを確認する必要があるとともに、インフレ率が中期的に2%の水準に戻ることに合理的な確信を持つ必要がある」

After we begin raising the federal funds rate, I anticipate that the pace of normalization is likely to be gradual.

「フェデラルファンズレートの引き上げを開始した後、正常化のペースは緩やかなものになるであろうと私は予想する」

The various headwinds that are still restraining the economy, as I said, will likely take some timeto fully abate, and the pace of that improvement is highly uncertain.

「既に述べたように、経済活動を抑え込む様々な向い風が収まるには相当時間がかかると思われ、また、改善のペースも非常に不確かである」

If conditions develop as my colleagues and I expect, then the FOMC's objectives of maximum employment and price stability would best be achieved by proceeding cautiously, which I expect would mean that it will be several years before the federal funds rate would be back to its normal, longer-run level.

「経済情勢が、私たちが予想するように展開するのならば、雇用の最大化と物価の安定という公開市場委員会の目標は、用心深く事を進めることによって最もよく達成されるであろう。つまり、フェデラルファンズレートが長期的に見て正常と思われる水準に復帰するには数年を要することとなろう」

Having said that, I should stress that the actual course of policy will be determined by incoming data and what that reveals about the economy.

「但し、実際に金融政策がどのようなコースをたどるかは、今後入手されるデータがどのようなものであるかによって決定されることを強調しなければならない」

We have no intention of embarking on a preset course of increases in the federal funds rate after the initial increase.

「金利引き上げ開始後、フェデラルファンズレートがどのように上昇していくかについて、前もって決定したスケジュールがある訳ではない」

Rather, we will adjust monetary policy in response to developments in economic activity and inflation as they occur.

「むしろ、我々は、経済活動やインフレ率がどのような変化するかに応じて金融政策を調整していくことになる」

If conditions improve more rapidly than expected, it may be appropriate to raise interest rates more quickly; conversely, the pace of normalization may be slower if conditions turn out to be less favorable.

「もし、予想したりも状況が急速に改善するのであれば、さらに早く金利を引き上げることが適当になるかもしれない。逆に、状況が好ましくないことが判明すれば、正常化のペースは遅くなるかもしれない」


 如何でしょうか?

 国内で報じられるニュースを聞くだけでは伝わってこないニュアンスをお感じになったのではないかと思うのです。

 私が、一番注目したのは、年内の利上げどころか、もっと利上げの時期が早まるかもしれないと彼女が述べていることなのです。もちろん、その逆のケースもあり得ると、保険をかけてはいるのですが…

 いずれにしても、日米で株価が上がり続けているのに…その一方で、自らが異常と認める金融政策を何時までも続けているのが何とも不可解というほかありません。

 それもこれも、インフレ率は2%程度が正常であると自分たちが決めてかかっていることから発生しているのですが、その前提がそもそも正しいと言えるのでしょうか。




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 昨日、在庫投資とGDPの関係について、このブログで記事を書きました。

 2015年1-3月期の在庫投資が、前期と同様にマイナスになっているのに、在庫が増えていると書いている新聞があるのはおかしい、と。

 私が言っていることの意味がよく分からないという方は、恐縮ですが、昨日の記事を読んで下さい。それとも、余りにも専門的過ぎる話で興味が湧きませんか? でも、これが理解できると、な〜るほどと感動しますよ。

 なんでもそうですけど、そういう地道な努力も必要なのです。経済成長についても同じです。皆がそれぞれに地道な努力を重ねるから日本の経済が成長する、と。そのような努力なしに、やれ政府に財政出動しろとか、或いはもっと金融を緩和しろなんて幾ら言っても、そのようなことだけでは経済は成長しないのです。

 本題にもどりましょうね。

 いずれにしても、私が昨日、在庫投資とGDPの関係について記事を書いたところ、本日、日経さんが解説記事を掲載しているのです。新聞社のなかでも、何かおかしいぞと感じた記者がいたということでしょう。大いに結構。

 記事のコピーをご覧ください。

在庫投資



  非常に分かりやすく書いてある…と思ったのですが、そうでもないようです。読んでいくと、頭がこんがらかってしまう人がいるかもしれません。

 何故頭がこんがらがるかと言えば…

 こんな風に書いてあるからです。

 在庫が100から110へ増え、さらに150増える場合、GDPを押し上げる、と。

 これは容易に理解できますよね。しかし、その後が難解なのです。

 「まず100の在庫を持つ企業の事例を考えよう。2期目に在庫が110に増えたとすると、その増えた分の10がGDPに計上される。在庫が3期目に150に増加すると、増加幅は前の期に比べて30増え、GDPはこの分押し上げられる」

 何かお感じになりませんか?

 在庫が100から110になり、その増えた分の10がGDPに計上されるというのは分かりますよね。でも、だったら3期目に110から150に増加すると、その増えた分の40がGDPにカウントされると思われるのに、この解説では前の期に比べて30しか増えていないので、30だけしかGDPを押し上げないとしているからです。

 何とも不可解な、とお思いでしょうか? 

 でも、ここは取り敢えずさらに読み進めていきましょう。

 在庫が減る場合については、こんな風に言っています。

 在庫が100から70に減り、さらい60に減るケースでは、3期目の減り方は2期目の減り方よりも10少なくなっているので、その10の分だけGDPを押し上げる、と。

<お詫びと訂正>

 上の文章の「
3期目の減り方は2期目の減り方よりも10少なくなっているので、その10の分だけGDPを押し上げる」は「3期目の減り方は2期目の減り方よりも20少なくなっているので、その20の分だけGDPを押し上げる」の間違いです。訂正してお詫びいたします。


 如何でしょうか?

 人によっては、100の在庫が70に減る場合にはGDPを30引き下げ、それがさらに60に減ると、GDPを10引き下げる、と。

 実は、そのような考え方をする人は錯覚に陥っているのです。

 どういうことかと言えば、100の在庫が110になった後、150になった場合、3期目のGDPには、その増えた分の40がGDPの一部になっているのは間違いがないのですが、2期目のGDPに比べてどれだけGDPが増えるかと言えば、それは30でしかないからです。つまり、3期目の在庫投資(在庫の増加額)の40のうちの10は、前期と同じ水準のGDPを実現するために当てられ、それ以外の30が増加分になるということなのです。

 つまり、2期目と比べた3期目のGDPの増加分に在庫投資がどれだけ寄与しているかということになると、毎期10ほどの在庫投資があるのが普通であるとするならば、その10に幾ら上乗せされたかが問題になるということなのです。

 ということになれば、在庫が増え続ける局面でも、通常よりもその増えるペースが遅い場合には、GDPを引き下げることになります。逆に、不況に突入して、在庫が減り始めるような局面では、今度は限られた期間において、いつもより減るペースが遅い場合には、GDPを押し上げることになるのです。

 お分かりになったでしょうか?

 いずれにしても、在庫投資というのは、このように非常に分かりにくく、しかも、思った以上の作用を及ぼす訳ですが、何故そのような力を持っているかと言えば…何故だかお分かりになるでしょうか?

 それは、それ以外の需要項目、例えば個人消費や、設備投資や住宅投資、或いは公共投資、輸出などは、全て値がマイナスになることはないのに反して、在庫投資の場合にはマイナスになることがあるので、余計にGDPを攪乱させてしまうからです。

 例えば、個人消費が思った以上に順調に伸びている場合でも、仮に、在庫投資が急激に減少している場合にはそれほど生産に結びつくことがなく、GDPの伸びが予想以上に低くなることとがあり得るのです。逆に、個人消費が不調である場合でも、在庫投資が急激に増えているならばGDPの伸びが予想以上に高くなることもあり得ます。

 本日も、難解な話にお付き合い頂き大変ありがとうございました。





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 少々遅くなって申し訳ないのですが…2015年1-3月期の我が国のGDPについて解説したいと思います。

 もう、その必要はないですか? でも、一応念のため。

 2015年1-3月期の実質GDPの成長率は前期比(年率換算ベース)でどうなったか?

 答えは、2.4%の増加となったのです。

 まあ、それだけを見るならば悪くない数値。但し、具体的なレベルとしては、527.3兆円ということで、満足できるレベルとは思えません。

 グラフをご覧ください。

実質GDPの推移
(内閣府のデータにより作成)

 お分かりになったでしょう?

 2014年1-3月期は、消費税増税直前の駆け込み需要で実質GDPの水準が一気に上がった訳ですが、それを別にして、それより以前の水準からすればまだ低いのです。

 でも、まあ一応グラフの向きを見れば、それはそれで歓迎すべきかもしれませんね。

 では、何が成長率を押し上げているのか?

 全体の伸びは2.4%ですが…個人消費は1.4%、設備投資も1.4%と、それほど好調というほどでもないなか、住宅投資が7.5%と高い伸びを示しているのです。

 では、この住宅投資の高い伸びが全体を押し上げた主な要因かと言えば…住宅投資は、前期の12.9兆円から13.1兆円へと0.2兆円伸びたに過ぎず、これが主要因とは言えないのです。

 では、何が主要因なのか?

 実は、またしても民間在庫が原因になっているというのです。在庫品の増加が、前期のマイナス3.2兆円からマイナス0.1兆円へと減少幅が低下しているために、これで実質GDPを3.1兆円ほど押し上げているのです。

 在庫品の増加が、マイナス0.1兆円になったということが何を意味するかお分かりでしょうか?

 これがプラスの値だったら、その額だけ在庫が増えたことを意味します。従って、マイナスであるということは、それだけ在庫が減ったということなのです。

 ということで、1-3月期も在庫は前期と同じように減っている訳ですが、その減り方のペースが落ちたということなのです。

 少々わかりにくいですが、それが今回実質GDPを押し上げた主な要因ということです。

 では、各紙は、そのことをどのように伝えているのでしょうか?

<日経>
 住宅・設備投資、底入れ GDP年率2.4%増

 1〜3月に実質GDPへの寄与度が最も大きかったのは在庫。卸売業や小売業が抱える流通在庫が増えたことが大きい。消費意欲の回復を反映し在庫が販売増につながるかも、今後の成長率の重要なカギとなる。

 日経は、在庫が増えたことが大きいと言っていますが、それは正確ではありません。在庫は、減り方はガウンと落ちているものの、やはり減少しているのです。因みに、在庫を、製品在庫、仕掛品在庫、原材料在庫、そして流通在庫と細分化してみても、流通在庫はやはり減少しているのです。

<毎日>

 GDP:年率2.4%増…設備投資プラス 1〜3月期

 1〜3月期のGDPを押し上げた陰の主役は、企業が倉庫に積み上げた「在庫投資」が増えたことで、成長率の押し上げに0.5%寄与した。国内で生み出された付加価値の総額を示すGDP統計では、在庫が前期より大幅に増えればGDPにプラス、大幅に減ればマイナス要因になるためだ。

 毎日も、在庫が増えたと書いていますが、正確ではありません。「在庫が前期より大幅に増えればGDPにプラス、大幅に減ればマイナス要因」というのはそのとおりですが、在庫が減ってもプラス要因になる場合があるのです。

<読売>

 GDP、年率換算でプラス2・4%…1〜3月期

 企業の在庫が増えたこともGDPを押し上げる要因となった。

 読売も、在庫が増えたと書いていますね。しかも、社説でも、次のように言っているのです。「商品などの在庫増加が、GDPを押し上げている面もある。積み上がった在庫を円滑に解消しないと、生産の抑制につながる恐れがあろう。」

<朝日>

 GDP1─3月期年率+2.4%、設備投資や輸出増2四半期プラス成長

 輸出の伸びや設備投資がプラスに転じて景気改善が確認できたが、民間在庫投資が実力以上に成長率を押し上げた面がある。民間在庫投資は、前期比寄与度プラス0.5%となり、成長率寄与度が最も大きく、全体を押し上げた。ただ、今後は生産の下押し圧力となる可能性もある。

 朝日は、余り細かなことを言っても読者には分からないと思い、説明を端折ったということなのでしょうか。ただ、在庫が増加したとは書いていないところは評価できます。

 そうしたなか、一社だけ正確に報じている新聞がありました。

<日刊工業>

 1―3月期のGDP、年2.4%成長−企業の在庫調整一巡

 内閣府が20日発表した1―3月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・6%増、年率換算で同2・4%増と2四半期連続で増加した。1%台後半とみていたシンクタンク予測を上回った。個人消費が予測を上回る同0・4%増だったほか、企業の在庫調整が一巡した影響が大きい。

 1―3月期の実質GDP成長率が民間予測を上回った理由の一つは、企業の在庫調整のペースが予測より緩やかだったこと。民間在庫品増加の成長率への寄与度は0・5%と、3四半期ぶりに増加に転じた。

 日刊工業は、在庫調整のペースが緩やかだったと言っていますが、それは在庫の減少のペースが落ちたことを意味するので、正確な記述と言えるでしょう。


 如何でしょうか?

 なんといい加減な記事の多いこと。

 まあ、そこまで細かいことを求めている読者など殆どいないと言われるとそれまでなのですが…

 でも、この民間在庫の動向が、GDPの予測を難しくしていると以前から盛んに言われ…そして、今回から内閣府は、その民間在庫の種類ごとの増加状況を報じているのです。

 その意味でも、もう少し正確な報道をして欲しいと思います。




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 昨日、厚生労働省が毎月勤労統計調査を発表したのですが、ご存知でしょうか?

 で、それによると2014年度の1人当たりの現金給与総額は、前年度と比べて0.5%増えたと言うのです。名目ベースで賃金が増加したの4年ぶりのことなのだとか。

 賃金が増えるということは何と嬉しいことか!

 では、物価上昇率を加味した実質賃金はどうなっているのでしょうか?

 実質でも増えていれば、もうこれは、アベノミクス、万歳!となるところですが…

 言うまでもなく、消費税の増税もあり…実質ベースでみると3%も減少しているのだとか。

 これでは、アベノミクス、万歳!どころか、どないなってんねん、と悪態の一つもつきたくなるというもの。

 で、以上のことについては、昨日ネットに流れていたニュースで知っていたのですが、今朝、改めて新聞を見て驚いてしまったのです。

 我が家は、日経新聞と長崎新聞を取っているのですが、こんなに扱いが違うのですから。

 次の記事のコピーをご覧ください。

賃金

 長崎新聞の方は、実質賃金3%減と大きな字が踊っているのです。

 では、日経新聞の方はどうか?

 これ、本当のベタ記事です。普通の記事の活字よりも字がさらに小さいのではないのでしょうか。

 で、こんな風にかいてあるのです。

 正社員の給与1%増、と。 そして、その隣には、昨年度、実質は3%減とも書いてあります。

 日経新聞のなんと正直なことか!

 安倍内閣に対する深い思いやりが察せられるのです。あくまでも給与が増えたことを強調したい、と。だから、労働者全体の賃金の伸び率を取り上げるのではなく、より高い伸び率を示した正社員の給与について取り上げたのでしょう。

 まあ、そこまでは許しましょう。どのような記事の構成にしようと、それは新聞社の自由。

 しかし、正社員の給与が1%と増と書いた隣に、実質は3%減と書けば、正社員の給与が実質では3%と減少したものと読者は勘違いするのではないでしょうか。

 でも、実質3%減となったのは、正社員の給与ではなく、労働者全体の賃金なのです。

 問題は他にもあるのです。それは、このような統計調査の結果を知った一般の人々は、安倍政権が盛んに賃金が上がったと言っている割には、2014年度はそれほど賃金が上がっていないのは何故なのだろうかと思うことが予想されるのに、その疑問に新聞社が少しも応えようとはしていないことです。

 もし、そのことに新聞社が気が付いているのであれば、私は、このようなベタ記事でお茶を濁すのではなく、何故厚生労働省の調査では、賃金の上昇率がそれほど高く出ないのかを読者に分かりやすく解説すべきだと思うのです。

 何故、こんなに賃上げ率が低いのか、と。

 今、私が言っているのは、実質についてではありません。正社員の名目値でさえ、賃金は1%としか上昇していないことについて言っているのです。

 何故なのでしょうか?

 答えは…

 普段、マスコミが伝える賃上げ率には、定昇分が含まれていることが関係しているのです。どういうことかと言えば、定昇分は、個人としてみれば確かに賃金が増える要因にはなるのですが、労働者全体としてみたら、賃金が増える要因にはなり得ないからです。というのも、労働者全体では、1年たっても基本的には全体の平均年齢は上がらないからです。つまり、定昇分は、全体の統計には影響を及ぼさない、と。

 要するに、普段、新聞社などは定昇込みの賃上げ率を伝えることによって、賃上げ率をより高く見せているから、このようなギャップが生まれてしまうのです。

 お分かりになったでしょうか?

 いずれにしても、このベタ記事を見て、日経さんはなんと正直なと思わずにはいられなかったのです。




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 突然ですが、シャープについてどう思いますか?

 今後、なんとかして復活することができるのでしょうか? それとも…

 いずれにしても、シャープの経営悪化が表面化してからもう何年経過したことか!?

 一時期、シャープに関するニュースが殆ど聞かれなくなった時期もあったので、ひょっとしたら少しは業績が回復しているのか、なんて思ったこともあったのですが、蓋を開けたら業績が回復するどころか2000億円を超える大赤字。

 どう思います?

 それに、それほど莫大な赤字を出した割には、リストラ以外、抜本的な対策はなんら講じようとはしていないのです。

 これではシャープの再生を期待したくても、それは無理というものではないでしょうか?

 私思うのですが、こんな中途半端な状態を続けるくらいなら、いっそのこと一旦は会社を倒産させ、そして、改めて再建策を講じる方がどれほど効率的かと思います。

 何故ならば無理なことは誰が考えても無理なのですから。幾ら現実を受け入れたくないと思っても、どうにもならない場合があるのです。

 それに、倒産という形でけじめをつけないから、本来責任を負うべき経営陣がいつまでも居座り続け…だから経営不振に陥った真の原因究明ができず、従って、真の対策を講じることもできないのです。

 何故シャープは経営不振に陥ったのか?

 その原因がイマイチはっきりとしないから抜本的な対策を打つこともできない、と。

 それに、工場が存在する地元への影響を考慮する必要があるとしても、再生の見込みがない部門や工場は、早期に撤退することも必要なのです。

 しかし、企業が倒産という事態に遭遇するまでは、社員や地元の関係者は、シャープがそこまで深刻な事態に陥っているということに気が付くことは少ないのです。

 なんとかなるのではないか、と。銀行や政府が付いているではないか、と。

 しかし、誰もがそのような甘い気持ちでいては、無駄に時間が経過するだけなのです。

 誤解のないように言っておきますが、シャープの経営陣や社員が、今からでも十分再生が可能であると真に信じているのであれば、それなら私は何もいうつもりはありません。しかし、そうではなく再生は相当に厳しいと心底思っているのであれば、そして、シャープが実は債務超過に陥っているというのであれば、それなら一旦は倒産した方がいいのではないのでしょうか。その方がすっきりする、と。

 それに、倒産したからといっても、それでシャープが完全になくなる訳でもないのです。米国のGMを思い出してみて下さい。2009年6月にチャプターイレブン(連邦倒産法第11条)の適用を申請して一旦は倒産をしましたが、その後、新生GMとして蘇ったではないですか?
 
 あの時も、GMが債務超過に陥ったことがきっかけとなったのです。債務超過に陥り、資金繰りが付かなくなった、と。そこで政府がつなぎ融資を行うなどの措置を施した訳ですが、結局は、チャプターイレブンの適用を申請するしかなくなったのです。

 普段はアメリカの欠点ばかりが目につくのですが、そういう点に関しては日本は見習うべきではないのでしょうか?

 私、思うのですが、シャープはひょっとしたら…というか、見方を換えたら、本当は債務超過に陥っているのではないのか、と。つまり、普通に決算を組むと債務超過に陥ってしまうので、この際は、本来損失として処理すべきものを未処理のままにして、かろうじて債務超過に陥ることを回避している可能性があるのです。

 そのような深刻な事態に陥っていないと言うのであれば、1200億円以上もの資本金の額を1億円にまで減らす減資を行うなんて言う筈がないではないですか。

 実質債務超過に陥っていればこそ、株主に対してもほぼ100%に近い減資を求めることができるのです。

 いずれにしても、その辺の認識が甘いから、多くの関係者が甘い夢を追い求める訳ですが、それでは時間の無駄になるだけなのです。それでは、有能な人材の能力も十分に生かしきれないままで終わる可能性が大きいでしょう。

 もちろん、倒産になれば、或いは工場等が閉鎖になれば、相当の数の人材が職場を離れることが余儀なくされる可能性があるのですが、本当に有能な技術者であれば、他社への転職がそれほど難しいとは思えません。

 誤解のないようにもう一度言いますが…本当にシャープの社員などがこのままで再生が十分に可能であると考えているのであれば、話は別なのです。それなら頑張ればいいだけの話です。しかし、このままでは到底再生は難しいと考えるのであれば、一旦はシャープを破綻させた方が話は早いと思うのです。

 ギリシャについても同じなのです。

 今月末、或いは6月5日が一つの節目になると言われています。つまり、公務員等への給与の支払いや、IMFへの返済の時期を迎えるということなのですが…しかし、いつまで経っても交渉がまとまる気配はないのです。

 ギリシャについては、本当は国家財政が破綻したのも同然です。しかし、形式的に破綻という形を取っていないので、国民は自国の財政の厳しさががいつまで経っても分からないのです。



 
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