経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2015年06月

 私、思うのですが、ギリシャ問題に関しては、多くの勘違いが存在していると思うのです。

 先ず、ギリシャがデフォルトを起すかもしれないと言われている訳ですが…ギリシャは今から4年ほど前にデフォルトを起したと同じなのです。

 何故かと言えば、2010年5月以降、ギリシャはEUやIMF或いはECBの支援を受けているからですが、通常、IMFはラストリゾートと呼ばれていて、破綻の恐れがある場合か、破綻した後に最後の貸し手として登場する機関であるからです。

 簡単に言えば、IMFに頼らなければいけないということは、既に一度破綻したか、破綻の恐れが極めて高いということなのです。

 本日が、借金返済の期限だと言われていますが、誰に対する借金かと言えば、そのラストリゾートのIMFに対しての借金なのです。

 とすれば、今度は二度目の破綻、或いはデフォルトと呼ぶのが相応しいでしょう。

 ギリシャ政府の対応はお粗末としか言いようがありません。

 だって、その最後の拠り所のIMFなどのお蔭で最悪の事態を免れてきたのに、そのラストリゾートの言うことを聞かなかったら、どのような結末になるかくらい簡単に予想できたはずだからです。

 つまり、ギリシャは大変に認識が甘い、と。

 でも、どうしてそんなにギリシャの認識が甘いかと言えば…その責任の一端はEUやIMFなどにもあるのです。というのも、ギリシャの財政問題を早急に解決したいと思うあまり、ギリシャに事の重大さを十分に認識させないままに救済の手を差し伸べてしまったからなのです。

 ギリシャは、自分たちを破綻させると、EUも困るのだなと、あの時、実感したのではないでしょうか。そして、ユーロ圏から去られて困るのもEUなのだ、と。

 ということで、こんな混迷した状態が長く続くことになってしまったのです。

 いずれにしても、本日が返済のタイムリミットであるので、明日になれば、ギリシャはデフォルトに陥ったと正式に認定されることでしょうが…その後のことが少しばかり気にかかるのです。

 つまり、ギリシャは、ユーロ圏にこのまま留まるのか、と。

 ギリシャの国民の多くがユーロ圏に留まることを強く希望しています。ドラクマを使うのは二度と嫌だ、と。このままユーロを使い続けたい、と。

 では、仮に他のユーロ圏諸国が、ギリシャに対し、そこまでギリシャが望むのであれば、このままユーロ圏に留まることには反対しないと言ったとしたら、どうなるのでしょう?

 ギリシャの国民は、多分、大喜びするでしょう。

 では、それでギリシャの国民の生活は保証されるのか?

 答えはノー。

 というのも、ギリシャが幾らユーロを使い続けることができるとしても、自分たちが勝手にユーロを発行することはできないので、ギリシャ政府は資金繰りを付けることができず、そして、ギリシャの民間銀行も、金庫にはキャッシュが残っていないので、営業を再開することができないからです。

 そうなると、他の誰かが支援の手を差し伸べてくれない限り、幾らユーロ圏に残ることができても、ギリシャ政府にはなす術がないのです。

 正確に言えば、ギリシャ政府には税金が入ってくるには入ってくるでしょうが、入ってくるよりも出て行く方が多いので、政府は、公務員を雇って置くことができず、国の機能は完全にストップしてしまうでしょう。

 もちろん、年金の支払いもストップです。

 そんな状態になってもユーロ圏に留まることに何の意味があるのでしょうか?

 もちろん、どこかの国が再びギリシャを助けてもいいと言うのであれば、別ですが…

 このような事実をどれだけのギリシャ国民が認識しているのか、私は大いに疑問だと思うのです。

 まだ、多くのギリシャ国民が現政権を支持し、そして、ユーロ圏に残留することを希望する一方で、緊縮財政は受け入れられないと言い続けているのですから、混迷は深まるばかりでしょう。


 ギリシャの国民は、また、誰かが助けてくれると思っているのだろうか、と疑問に思う方、クリックをお願い致します。
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 ギリシャのデフォルトが事実上確定したようです。

 だって、6月26日という最終段階に至った時点で、ギリシャが、国民投票を7月5日に開くからそれまで待ってくれなんて言うからです。

 流石に、そんな理不尽な要求は聞き入れられないと債権団が判断したのでしょう。

 仮にギリシャ政府が国民投票で態度を決したいと考えたとしても、それならそれでもっと早い時期に国民投票を行うべきだったのです。

 6月30日のタイムリミットを過ぎ、デフォルトになってからそんなことをしても何の意味があると言うのでしょう?

 ということで、債権団はギリシャ支援をこれで終了することにしたため、ギリシャ政府が資金繰りをつけるメドが完全に断たれ、IMFへの返済ができないどころか、銀行が店を開くすることすらできなくなってしまったのです。

 信じられますか?

 預金をしている銀行が店を開けないというのです。だったら、必要な資金を降ろすことができず、そうなれば買い物もできない、と。

 具体的には、6月29日から7月6日頃までと噂されていますが、確定的なことは分かっていないようなのです。

 では、何故銀行を休業にせざるを得ないかと言えば…銀行を開けると預金者がおしかけ、預金の支払いを要求することが容易に予想される訳ですが、それに応えるだけの十分な現金が準備できないからなのです。

 銀行を開けたままにしておいて、本日貴方への預金の支払いはできません、なんて言えば、パニックになってしまうでしょう?

 だから、銀行の営業を1週間ほど休むと言っているのです。

 但し、全く預金の支払いに応じないと国民の生活に支障をきたすので、6月30日からは現金自動支払機だけは動かし、1人当たり1日60ユーロ(約8300円)までの支払いには応じる、と。

 なんと悲惨な状態に陥ってしまったギリシャ。

 ギリシャの首相は、預金も年金も保証されれているからなんて言っていますが、どれだけの人がその言葉を信じることができるでしょう。

 でも、それもこれも今の政権を国民が選択した結果なのです。

 何を選択するのも主権者である国民の自由ですが、その責任を負うのもこれまた当然のことなのです。

 いずれにしても、1週間ほどしたら銀行は、また、営業を再開することができるのでしょうか?

 私は、これは大変に難しいことだと思います。

 何故かと言えば…今までECBは、ギリシャの銀行は支払いの能力があるという前提で、緊急支援を続けてきた訳ですが、仮にギリシャ政府が6月30日にIMFへの返済を行うことができないという事態になれば、ギリシャの銀行の支払い能力にも大きな疑問符が付くからです。

 で、そうしたECBの緊急支援が止まれば、ギリシャの銀行は資金繰りを付けることができず、銀行は倒産ということになってしまうでしょう。

 本当に悲惨な状態という他ありません。

 ギリシャの国民は、事ここに至っても、ユーロ圏に留まりたいと言っているようですが、ユーロ圏に留まる限り、ギリシャ政府は独自の通貨を発行することができず、そうなると何もなす術がないのです。

 いずれにしても、ギリシャは、債権団の言うことをもう少し受け入れ、暫くは辛抱に辛抱を重ねて、蓄えを積み上げることしか再生する道はないでしょう。


 でも、そういうのが苦手なのがギリシャなのですよね。




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 2015年5月の実質ベースの消費支出が前年同月比で4.8%伸びていることについて、昨日、私が記事を書いたところ、反論がありました。消費は回復しているのではないか、と。

 反論の趣旨は次のとおりです。
・消費支出額は次のように推移している。

 2013年5月 282,366円
 2014年5月 271,411円
 2015年5月 286,433円

・つまり、消費支出額は、2年間で282,366円から286,433円へと4067円増えているのであるから、増税の影響を脱し、回復している。

 どう思いますか?

 確かに名目の金額は、4067円増えています。伸び率で言うと、2年間で1.44%。

 しかし、この間、消費者物価指数は99.8から104.0へと上昇しているのです。こちらの伸び率は2年間で4.21%となるので、実質ベースの消費支出は年率で1.3%減少していることになるのです。

 昨日の議論は、実質消費がどうなっているかということですので、実質消費は回復していないというのが正解なのです。

 これでも消費は増税の影響から抜け出して回復したなんて主張するのでしょうか?

 まあ、でも、取り敢えずそれなりの理屈を立てているのでブロゴスで私の記事を批判するなかでは立派な方と言っていいでしょう。


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 物価の変動の影響を除いた実質ベースの消費支出が、1年2か月振りでプラスになったと報じられています。

 しかも、その伸び率は4.8%である、と。

 信じられます?

 消費税率を昨年4月に5%から8%に引き上げたことによって消費はガクンと落ち込んだのですが…それが今や前年同月比で4.8%も伸びているというのです。

 いいでしょうか? 名目値の伸び率ではないのです。実質値で4.8%も伸びたというのです。

 信じられます?

 いずれにしても、そんなに消費が回復しているのだろうか、と疑問に思った方は鋭い!

 ヒントを上げましょう。

 日経は、こんな記事を掲載しています。
 
 「消費、車・家電に回復の兆し 5月の家計調査 」

 「2014年4月の消費増税後の落ち込みが長引いていた自動車や家電の消費に回復の兆しが表れつつある。総務省が26日発表した5月の家計調査(2人以上世帯)では、自動車の購入費が物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べて86.1%、テレビ・エアコンなどの家庭用耐久財の購入費も56.6%それぞれ増えた。」


 自動車の購入費は86.1も伸び、テレビやエアコンなどの家庭用耐久財の購入は56.6%も伸びているのだ、と。

 えっ、益々分からなくなった?

 では、伸び率ではなく、絶対額で考えてみて下さい。自動車やテレビやエアコンの購入に当てた費用が、過去に見られないほど伸びているということなのでしょうか?

 答えはノー。

 次のグラフをご覧ください。

実質消費の実態
(総務省のデータで作成)

 家計調査で明らかになった消費支出(名目)の推移を示しています。

 二人以上の世帯の家庭の1世帯当たりの消費支出の平均値ですが、5月は286,433円となっているのです。

 このグラフを見た限りにおいては、5月になって急に個人消費が回復しているなんて感じないかもしれません。

 それはそうですよね。4月に比べたら減っている訳ですから。

 しかし、昨年の5月比べて4.8%増えたというのは間違いではないのです。それはそれで正しい。

 では、何故そのような高い伸び率になったのか?

 答えは、今年の5月に消費支出がどーんと伸びたというよりも、昨年の5月にガクンと落ちたものだから、結果として伸び率が高く見えるだけの話なのです。

 自動車の購入費が86%増えたと考えるよりも、昨年5月は、駆け込み需要の反動で自動車が殆ど売れなかったからと考えるべきなのです。

 お分かりになりましたか?

 つまり、本当に消費が回復しているかはまだ分からないのです。

 早とちりしてはいけません。

 

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 私のブログを読んだ方から、お便りを頂きました。長いのではしょって紹介させて頂きます。

 「先生の経済ニュースゼミを毎日楽しみにしてます。ギリシャについての先生の論評が少し厳しいなという気がしてメールしてます。確かにおっしゃる通りギリシャがこのような財政状況になったのは収入以上の支出をしたからだろうと思います。払うべき税金を払わない富裕層がいてそれを徴収することもできずに、一方で年金や公務員の数の多さによるばらまきで財政が厳しくなりました。でもそのようないわば福祉国家的な政治が必要だったのではないでしょうか。弱肉強食の世界で国民はそれに救いを求めるしかなかったのではないでしょうか。

(中略)

 確かに先生の言うようにギリシャはユーロを離脱してドラクマを発行できれば独自の金融政策ができるので事情は好転するかもしれませんが、先生もそうなるには相当の時間がかかると思ってらっしゃると思います。その間国民は苦しみます。私は今のギリシャの国民の苦しみは自業自得とは思ってません。ユーロ仲間に新自由主義経済を押し付ける勢力が冷たすぎると思います。先生もギリシャの国民に対して応援のメッセージを出して頂けたら嬉しいです。」


 確かに、私の意見はギリシャの人々からみれば厳しく映るかもしれません。しかし、私は、ギリシャのことを思えばこそ、つまり、ギリシャにまっとうになってもらいたいので厳しいことを言っているのです。

 私のブログをいつもみて下さっている方なら、私が消費税の増税を支持していることをご存知だと思います。

 これも、貧しい人からみたら、とてつもなく厳しい意見に思えるかもしれません。

 しかし、何故私が増税を支持するかと言えば…それは今のままのやり方では日本が将来とんでもない事態に陥ることが予想されるからなのです。

 要するに、私がギリシャの人々や国内の人々に厳しいことを言うのは、ある種のエールであって、決して憎くてそんなことを言っているのではないのです。

 ところで、お便りをくれた方は、ギリシャ国民の苦しみは自業自得ではないと言います。

 では、一体誰の責任なのでしょう?

 それに、ギリシャの人々の働きぶりなどについては、多くのことが紹介されているではないですか。

 大体午後3時くらいになると仕事は終わりなのでしょ? お昼寝の時間があるのでしょ?

 それでもって、国民の4人に1人は公務員で、そして、公務員になったらもう一生が保証されたのも同然だと。それに年金の額だって、現役時代と同じくらいの年金がもらえるのだ、と。

 そもそも経常収支が赤字の国が、そんな大盤振る舞いを続けていたら、どのような結末を迎えるかなんて、少し考えたらすぐ分かる筈。

 もちろん、ギリシャの人々が1日何時間働こうとそれらは彼らの自由。お昼寝タイムがあっても、それも彼らの自由。税金が高くても安くても、彼らの自由。年金についても同じ。

 しかし、そのような判断を下した結果については、当然自分たちが受け入れるしかないのです。

 何故自業自得でないのでしょうか?

 もし、他のユーロ圏の国々に責任があるとしたら、それは余りにも安易にギリシャを救済したことではないのでしょうか。

 私は、ギリシャの首相が、債権団と交渉をしている一方で、ロシアの大統領に会いに行くような、そんな天秤にかけたような手法も理解できません。
 


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 ギリシャ政府が債権団に対し譲歩の姿勢を示したことで、交渉妥結の可能性が出てきました。

 最後の最後になって示したギリシャ政府の妥協策というのは…

 ・企業や富裕者層に対する課税

 ・付加価値税の選別的引き上げ

 ・早期退職者に対する年金の引き下げと年金保険料の引き上げ

 但し、さらなる年金の引き下げと公務員の給与の引き下げは行わないとしている模様です。


 この程度の内容でギリシャの財政再建が可能なのかどうか私には分かりませんが、これで取り敢えず当面のデフォルトは回避できたということになるのでしょうか。

 但し、当面のデフォルトが回避できるとしても、ギリシャ経済が回復するかどうかは別の話。

 というのも、昨日、紹介したとおり、ギリシャ国民による預金の引き出しが収まらないからなのです。

 要するに、信頼できるものがない、と。疑心暗鬼がはびこっている、と。

 これでは、安心して新たな商売などできる筈がありません。

 では、何故人々は疑心暗鬼になっているのでしょうか?

 それはギリシャ政府自身が、借金の棒引きを認めさせたり、また、さらなる借金の棒引きを債権者側に要請しているからです。

 それに…もらえる筈だった賃金や年金が一方的に減らされたでしょ?

 もう誰も信じられない、と。

 しかし、経済活動というのは信頼の上に成り立つものですから、信頼が失われた社会では、経済が発展する筈がないのです。

 疑心暗鬼で新しい商売を始める気にならないと、人を雇うこともない。そうすると、失業者はなかなか減らないでしょう。

 ところで、IMFが押し付ける経済調整プラグラムは、緊縮財政が主な柱となるので経済成長を阻害してしまうという批判がよく聞かれます。

 貴方もそう思いますか?

 公務員の給与が下がり、年金が減る訳ですから、それによって消費が落ち込むのは当然で、そうなると確かに経済成長が阻害されてしまう恐れがない訳ではありません。

 しかし…よ〜く考えてみて下さい。

 そもそもかつての貯蓄過剰の日本のような社会がそのような緊縮政策を採用すれば、さらに需要が縮んでしまうので経済成長を阻害するという理屈は分かるのですが…ギリシャのような慢性的な貯蓄不足の社会では、そのような理屈は成り立たないのです。

 何故かと言えば、貯蓄不足で、借金大国になっているということは、収入以上の生活を国民が営んでいるからそのようになっているので、そのような構造を改めるには、国民が消費を抑えることが必要となるからです。

 でも、それではなかなか景気が回復しないってですか?

 しかし、私は、だからこそ一旦ユーロ圏を離脱したらどうかと言っているのです。そうすれば、自国通貨の価値が安いことを利用した景気回復が実現できる、と。

 今のユーロの価値は、どう考えても、ドイツにとっては安すぎるが、ギリシャにとっては高すぎるのです。

 でも、ギリシャの人々は、ユーロ圏に残りたいのでしょ? しかも、ユーロ圏に残った上で、これ以上賃金を下げたり、年金を下げることは受け入れられない、と。

 しかし、繰り返しになりますが、ギリシャが今のような借金国家になった理由は、国民が自分たちが働いた分以上の賃金や年金を受け取っていたからなのですから、ここは債権団が言うとおり、もう少し厳しい目に自分たちを合わせないことにはギリシャの経済や財政が安定することはないでしょう。

 何故そのことに気が付かないのでしょうか?

 要するに、ギリシャ問題は殆ど解決しておらず、これからも燻り続けるでしょう。



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 ギリシャ問題がいよいよ大詰めを迎えています。

 それにしても、どうしてギリシャ政府は強硬な姿勢を改めようとしないのでしょうか? ひょっとして、デフォルトを起してもいいと思っているのでしょうか?

 いずれにしても、ここまでギリシャ政府が強硬な姿勢を貫く理由の一つは、緊縮財政はもうごめんだという国民の声に押されて自分たちの政権ができたからですよね。

 だから、簡単には主張を引っ込めることはできない、と。

 では、そうしたギリシャ政府の強硬な姿勢は、全てのギリシャ人、特にお金持ちに支持されていると考えていいのでしょうか?

 私は、どうもそうではないと思うのです。

 何故かって、ですか?

 次のグラフをご覧ください。

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 これ、ギリシャの民間銀行が保有する民間部門の預金残高の推移を示しているのです。

 今から6年ほど前に2400億ユーロ(約33兆6千億円)あった預金が、今や(2015年4月時点)1300億ユーロ(約18兆2千億円)ほどにまで減っているのです。

 何故預金残高が減るかと言えば、いつ銀行が倒産するかもしれない、或いはいつ預金封鎖が行われるかもしれないという不安感があるので、預金者が預金を引き出してしまうからなのです。

 つまり、この預金残高は、政府に対する信頼度を示していると見ることができるのです。

 では、もう一度じっくりとご覧ください。

 ギリシャの財政問題が発覚してから減る一方であった預金残高は、2012年の半ばごろから今年の初めぐらいまでは横ばいか、僅かに増加する動きが見られていたのです。

 それが、新政権が発足する前後から、急にまた減り出しているのです。

 お分かりになりますか? つまり、預金者たちは、全然現政権を信頼していないということなのです。

 こうやって預金が減る一方では銀行が新規の融資など行う訳がなく、だから景気はなおさら悪くなってしまうのです。

 ギリシャの政治家たちに言いたい!

 今のような強硬な姿勢を貫くならば、益々ギリシャの経済は衰退してしまう、と。

 こんな状態が長く続くくらいなら、いっそデフォルトを経験させ、すっきりさせた方がまだましだと思うのです。

 どうして、そのことに気が付かないのでしょうか。


 
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 私が住んでいる島原市でも来月からプレミアム付き商品券の販売が始まるという案内がありました。

 1万円で、1万2千円分の買い物ができる商品券が手に入る、と。

 貴方が住んでいるところでも、始まっていますか?

 これ、個々人レベルで考えると、買わないと損である、或いは買うと得であることがすぐ分かりますよね。

 だって、1万円で1万2千円の買い物ができる訳ですから、通常の状態と比べて2千円の得になる、と。

 でも、誰かが得をするということは、誰かがその負担を負うということである訳ですが…今回のプレミアム付き商品券は、国がその差額分を負担しているのです。

 だとしたら、なおさら買わないと損?

 でも、国にはそんな余裕があるのでしょうか?

 ないでしょう? ないから昨年4月には5%の消費税率を8%に引き上げた訳ですし、また、2017年4月には、さらに10%に引き上げられることになっているのです。

 そして、こうして政府がプレミアム付き商品券に対する交付金を支給するなんて無駄なことをするから、政府の赤字はまたまた膨らみ、そうして赤字が膨らむので増税が必要となるのです。

 それに、そんな難しいことを考えなくても、国が負担するということは、国民の税金で賄われるということを意味するので、国民は1万2千円の買い物ができる商品券を取り敢えず1万円で購入することができるように見えても、結局、1万2千を負担することになること位少し考えたら分かりそうなもの!

 要するに、プレミアム付き商品券を販売することによって個人消費が活発化するなんて政治家が考えているとしたら、政治家は国民のことを余り知的ではないと考えているということになるでしょう。

 それに、このプレミアム付き商品券は、ひょっとしたら一時的にも個人消費を刺激しないかもしれないのです。つまり、1万円で1万2千分の買い物ができるようになったからと言っても、家計部門としては、その2千円分の余力を支出に回さず貯蓄に回す可能性があるからです。

 いずれにしても、長い目で見たらこのプレミアム付き商品券は殆ど効果がないどころか、政府の借金をさらに増やすだけで…従って将来の増税の可能性をさらに増すだけの効果しかないのに、マスコミや学者たちが殆ど批判をしないことが私には不思議でなりません。

 また、如何なる増税にも反対する類の人々が、このプレミアム付き商品券の批判をしないのも、これまた理解できません。

 だって、増税が嫌であるのであれば、増税の原因となる行為を批判しないで、どうするのですか?

 それとも、増税反対論者というのは、もらうことは何ら拒まず、払うことがただ嫌いなだけの人々なのでしょうか?

 先日、選挙権を18歳に引き下げる法律が可決成立し、マスコミなどは、高校生など若い世代ももっと社会のことに関心をもつべきだなんて、もっともらしいことを言っているのですが、このプレミアム付き商品券のような愚かとしか言いようのない制度を批判しないで、何を偉そうなことを言うのかと思うのです。

 近いうちに、若者のみが購入する権利のあるプレミアム付き商品券なんてものが販売されるようになるかも…ですね。




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 ギリシャ問題がいよいよ危うくなってきています。このまま行くと、デフォルト発生ということにもなりかねません。期日は今月末の6月30日。

 本当にどういう結末になるのでしょうか?

 外部の人間がそうして気をもむ一方で、ギリシャ国内では、ユーロ圏への残留を訴える数千人規模のデモが起きていると報じられています。

 でも、そんなにユーロ圏に残りたいのであれば、債権団の言うことをもう少し聞くべきだと思うのですが、如何でしょうか。

 辛いでしょうが、給与カットに年金カット、そして増税を受け入れることも必要でしょう。

 しかし、ユーロ圏には残りたいと言う一方で、緊縮財政はまっぴらごめんだ、と。これはでは、妥協が成立する訳はありませんよね。

 では、債権団はどんなシナリオを考えているのでしょうか?

 ギリシャがデフォルトを起し、ユーロ圏を去るシナリオを想定しているのか?

 まあ、そのようなシナリオもないわけではないでしょうが…むしろ、債権団は、ギリシャがユーロ圏に残ることを前提としたシナリオを考えているのではないかと思うのです。但し、ユーロ圏に残ることを前提にしているといっても、ギリシャが妥協しない限り、デフォルトが起きるのはやむを得ない、と。

 ひょっとしたら、デフォルトに到らせた上で、ギリシャ政府の資金繰りが付かなくなる事態を放置した方が、その後の交渉がやりやすくなると考えているかもしれないのです。

 デフォルトを起した後もギリシャがユーロ圏に留まるとすれば、独自の通貨を発行する訳にはいかないので資金切りが付かず国家機能がマヒしてしまうでしょう?

 そうなれば国民の不満が爆発して、また新しい政権が誕生する訳ですが、今度は流石に債権団の意向を聞かざるを得なくなる、と。

 だって、ギリシャ政府が資金繰りが付かなくなれば、給与や年金のカットどころか、一銭も給与や年金が支給されない事態になってしまうからです。

 もちろん、理想的なシナリオとしては、最後の最後にギリシャの現政権が妥協し、債権団の言うことを受け入れるというシナリオでしょうが…でも、それは多分あり得ないでしょう。むしろ、現政権は、最後の最後まで突っ張りとおして、自分たちの考えを債権団に受け入れさせようとしているようにしか思えません。

 ですから、このままいけば相当高い確率でデフォルトが起きる、と。

 で、デフォルトが起きた後もギリシャがユーロ圏に留まる限り、政府が資金繰りを付けることは至難の業ですから、恐らく国家機能がマヒしてしまう、と。

 これは大変な事態だと思うのですが、しかし、それもこれも結局、ギリシャの国民が選択した現政権が招いた事態であるので、誰にも文句をいう訳にはいかないのです。

 ギリシャの国民は、国家機能がマヒしたままでもユーロ圏に残りたいと言うのでしょうか?



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 昨日、FOMCの声明文が発表され、そして、イエレン議長の記者会見も行われたところなのですが、どう思います?

  FOMCというのは、FRBの公開市場委員会のことで、金融政策の内容を決定する機関です。念のためですが…

 殆どの人の関心事は、いつゼロ金利が解除されるか、つまり、いつ利上げが行われるかということですよね。

 ラガルドIMF専務理事が、利上げは年を明けてから行うべきだと発言したことは記憶に新しいと思うのですが…その発言がFOMCの決定に何にか影響を及ぼしているのでしょうか?

 答えは、ノー。アブソルートリー、ノー。

 私からすれば、言っていることはこれまでと殆ど変らないのですが…ただ、NHKによれば、記者会見でイエレン議長は、(利上げの時期について)「会合参加者の大半がことし後半には条件が整うと期待している。年内の利上げは可能だ」と述べたとされています。つまり、年内の利上げに言及している、と。

 イエレン議長が、そこまではっきりと本当に言ったのでしょうか? 何か条件が付いているということはないのでしょうか?

 ここは、イエレン議長の言ったことをよく検証してみることが必要ですよね。

And clearly most participants are anticipating that a rate increase this year will be appropriate.

「殆どの参加者が年内の利上げが適当であろうと予想しているのは明らかである」

Now, that assumes, as you can see, that they are expecting a pick-up in growth in the second half of this year, and further improvement in labor market conditions.

「ご承知のとおり、これは、彼らが、今年の下半期に成長率が上向き、そして雇用市場がさらに改善すると予想していることが前提になっている」

And we will all be - we will be making decisions, however, that depend on the actual data that we see in the months ahead.

「そして、この先、我々は判断を下すことになるが、それは今後明らかになる実際のデータの内容次第である」

So certainly we could see data in the months ahead that will justify the expectations that you see in the so-called dot plot.

「従って、統計グラフの期待値を正当化するデータを入手できるであろう」

But again the important point is no decision has been made by the committee about what the right timing is of an increase.

「しかし、繰り返しになるが、重要なことは、利上げの時期に関して当委員会は何も決定していないということである」

It will depend on unfolding data in the months ahead.

「それがいつになるかは、今後明らかになるデータの内容次第である」

But certainly an increase this year is possible; we could certainly see data that would justify that

「しかし、確かに年内に利上げが行われる可能性はある。利上げを正当化するデータを入手することができるであろう」

 如何でしょうか?

 実際に言った内容を追っていくと、幾分ニュアンスが違うようにも思えます。

 確かに、自分たちは年内の利上げが適当であろうと、今考えている。しかし、何も決断はしていない。実際にどうなるかは、今後明らかになるデータの内容次第だ。ただ、これから先、景気や雇用環境はさらに改善するだろうから、そうなると年内利上げの可能性は十分ある。

 こんな感じでしょうか。

 でも、イエレン議長は、もう一つ大切なことを言っているのです。

 Too much emphasis is placed on the timing of the first increase. What matters is the entire path of rates.

 「利上げの時期ばかりが強調されている。しかし、問題は、その後の利上げのペースである」

 おっとっと、という感じです。

 自分自身が、そこまで利上げのタイミングについて言及しておきながら…そう来ましたか。

 でも、いいでしょう。恐らく外野がうるさすぎると言いたいのでしょう。IMFの専務理事までもが利上げは年明けにしろなんてしゃしゃり出るからです。

 ただ、まあ、こうして時期だけではなく、その後の利上げのペースが大切だなんて言うことは、もう年内の利上げは織り込み済みにしてくれということなのではないでしょうか。


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