10兆円超の経済対策を今月末までにまとめると言われていますが、そのための財源に関して官房長官が次のように言っています。

 「(財源については)ありとあらゆるものを駆使」

 「赤字国債を発行する予定はないということは明言しておきたい」 

 赤字国債を発行することはないから安心しろと言いたそうな台詞ですが、その代り建設国債を発行するのでは国債の発行残高が増える訳ですから、とんでもない発言です。

 各国の政府債務残高がどれほどあるかを比較する場合、赤字国債だけに着目し、建設国債は除外されるなんてことはないのです。

 それに、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を算出する場合も、赤字国債だけに着目するのではありません。

 借金は借金なのです。

 私、この官房長官の発言は、一つの作戦のような気がします。しかも、相当昔に流行った作戦のような…。

 どういうことかと言えば、建設国債の場合には、その資金の使途が道路や港湾や建物などのような資産として残るものの建設に使われるから、という理由で国債の発行を多めに見てもらおうということなのです。

 しかし、幾ら資産が残るからといっても、余り利用されることのないような道路などが作られるような場合も多く、また、一旦そのような施設を作ると、それを維持管理するための費用がかかるという問題もあるのです。

 その上、個人がローンを借りてマイホームを取得するような場合には、いざというとき、そのマイホームを売却して現金化することが可能である訳ですが、国の場合には、そうした資産の売却はほぼ実現不可能であるという問題もあるのです。

 結局、安倍政権が続けば続くほど政府の借金が増えるのは目に見えています。

 最近、安倍総理は、アベノミクスをスタートしてから税収が増えたなんて豪語していますが、税収が少しばかり増えても国債の発行残高は、とんでもないペースで増え続けている現実を忘れてはいけません。

 グラフをご覧ください。

 国債発行残高の推移

 税収が増えているなら本当は国債の発行残高が増えるペースはもっと落ちてしかるべきなのです。

 しかし、税収が増えても、それでまた無駄としか思えない公共事業に手を出すので、益々借金が増えているのです。そして、借金の残高が増えるので、だから増税が必要になるのです。

 増税には反対だというのであれば、こうした必要性に乏しい経済対策こそ慎まなければいけません。

 国民の多くが騙されているとしか思えません。



 
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