経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2016年09月

 黒田総裁が、昨日、日銀本店で開かれたカナダ銀行・日本銀行共済ワークショップの開催挨拶で、次のように述べたそうです。

 カナダ銀行のウェブサイトには、「一国の中央銀行総裁は、金融市場と経済について完全な(thorough)理解を備え、国際金融に関する幅広い経験を有していなければならない」との記述があります。カナダ国民が中央銀行総裁という役職に対して高い基準を設定していることに対し、敬意を表したいと思います。その一方で、今日においても、多くの中央銀行が各々に与えられた責務を果たすために、様々な課題に直面しているということ、そして、中央銀行が万能(omnipotent)ではないということもまた事実です。

 中央銀行が万能でないことや、金融政策の効果には限界があること、否、効果に限界があるというよりも殆ど効果がないことが多いことくらい、今さら言う必要もないでしょう。

 しかし、そのような言葉を、旧体制の日銀をさんざん批判し、インフレターゲットを設けてマネタリーベースを2年間で倍増したら2%の物価目標は容易に達成できると豪語していた人の口から聞くとは思ってもいませんでした。

 黒田総裁は次のようにも言っています。

 今申し上げたように、中央銀行は様々な課題に直面している訳ですが、本日のワークショップに因み、カナダ人作家、ルーシー・モード・モンゴメリによる「赤毛のアン(Anne of Green Gables)」の一節を引用したいと思います。ご承知の通り、「赤毛のアン」はカナダではもちろんのこと、ここ日本でも大変よく知られている名作です。物語の中で、アンは育ての父親である年老いたマシューに対して、「これから発見することがたくさんあるって、すてきだと思わない?(中略)もし何もかも知っていることばかりだったら、半分もおもしろくないわ(Isn’t it splendid to think of all the things there are to find out about? . . . It wouldn’t be half so interesting if we knew all about everything)」と言います。アンの言葉は、日々、新しい知恵や解決策、政策ツールを見つけ出そうと多大な努力を続けている全ての中央銀行職員とエコノミストにとって大きな励ましとして心に響くものです。

  貴方は、この黒田総裁の言葉を聞いて、どのようにお感じになるでしょうか?

 黒田総裁にとっては、この3年半に経験してきたことは、予想もできなかったようなことばかりであったということなのでしょうか?

 しかし、もしそうだというのであれば、自分たちの言っていたように事が運ばなかったことに対して先ず反省し、そして、お詫びの言葉を述べなければならないのではないでしょうか?

 でも、黒田総裁の言動は、その逆。

 反省なんてこれっぽっちも感じられません。

 少なくても、白川前総裁に対しては、大変失礼なことを申し上げ、相済みませんでした、くらいのことを言うべきではないでしょうか。



 日銀総裁が、今さらそんなことを言うなんて、と感じた方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ



にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

 OPECが事実上減産で合意したとNHKが報じています。
 
 「OPEC=石油輸出国機構は、アルジェリアで開いた非公式の会合で、原油価格の上昇に向けて、加盟国の生産量の上限を1日当たり3250万バレル〜3300万バレルとする事実上の減産で合意し、原油価格が上昇に転じるのか注目されます。

 OPECは、原油価格の回復が頭打ちとなる中、対応を協議するため、28日、アルジェリアの首都アルジェで非公式の会合を開きました。その結果、原油価格の上昇に向け、加盟国の生産量の上限を1日当たり3250万バレル〜3300万バレルとすることで合意しました。OPECの加盟国のこのところの生産量は、1日当たり3300万バレルを超えていて、今回の生産量の上限は事実上の減産となります。OPECが減産することで合意したのは、世界的な景気悪化で需要が減少していた2008年12月以来、およそ7年9か月ぶりです。」

 まさにNHKが報じるとおり、原油価格が今後上昇に転じるのか、そして、それが物価にどのように影響するのかに関心が集まるところなのです。

 では、ここで質問なのですが、原油価格が今後反転して、それによって物価が上がりだしたら我が国の経済はどのようになると思われるでしょうか?

 日銀は、物価目標が達成できていないのは、原油価格の低下が大きいと認めている訳ですから、逆に、原油価格が今後上昇に転じるならば、日銀が別に追加緩和をしなくても自然と物価が上がっていくことが予想されるのです。

 そうですよね?
 
 異論はないでしょう?

 では、仮にそうやって物価が上がり、目標とする2%を超え、或いは3%程度にまで上がっていったら日本経済にはどんな影響を与えると思いますか?

 物価目標が達成されたということは、完全にデフレ脱却宣言ができるということで万々歳?

 マイルドではあっても、物価の下落が続くことが諸悪の根源と考える経済学者などは、インフレ率が上がったことを大歓迎すると思われます。たとえ、自分たちが主張したマネタリーベースの増大がインフレ率を高めることに寄与しなかったとしてもです。

 というか、3年半以上もリフレ派の主張どおりの政策を実施してきたものの、一向にインフレ率が上がらない訳ですから、リフレ派の主張が正しくなかったことは既に証明済みであるのです。

 いずれにしても、安倍総理や黒田総裁などは、原因がなんであれインフレ率が2%を超えるようになったら、「どうだ俺たちが言っていたとおりになっただろう」と大きな顔をするのでしょうね。

 では、そうやって2%、否3%程度にまでインフレ率が上がったとして、それで日本の経済成長率は今までより高くなることが期待できるのでしょうか?

 残念ながら、答えはノー。

 何故ノーなのでしょうか?

 その理由は、物価が上がる理由が、需要が供給を上回ることによって起きたのではなく、単にエネルギー価格の高騰によるものであれば、エネルギー価格が上がった分だけ消費者の購買力の一部が奪われることになるので、実質的な消費が増えることは期待できないからです。

 でも、リフレ派の人々が主張するように、物価が上がる状況が出現すれば、人々は、価格が上がる前にモノやサービスを購入しようとするということで、消費が盛んになることは期待できないのでしょうか?

 私は、その可能性はないと思います。モノやサービスの価格が上がるから、上がらない前に早く買おうというような行動が見られるのは、ハイパーインフレになったような場合だけで、通常みられるインフレの場合には、消費者は物価が上がることに対処するために、むしろ節約に心がけるようになるだけでしょう。

 それに、どんなに物価が上がっても、日本の人手不足が改善することはないでしょう。

 そうすると、需要の面で見ても、供給の面で見ても、日本のGDPが実質的にそれほど増えることはないと考えるべきなのです。

 賃上げはどうなるでしょう?

 確かに、物価が上がれば、賃上げが行なわれやすくなるでしょうが、しかし、インフレ率以上に賃上げが行われることは期待できないでしょう。

 と、ここまで来ると、暗い話ばかりではないかとお叱りを受けそうですが、予想される本当に深刻な事態は他にあるのです。

 それはどんなことかと言えば、仮にインフレ率が2%を越し、3%にでも接近するようになれば、流石に日銀も緩和策を転換せざるを得なくなる訳ですが、そうなると日銀が今まで大量に国債を購入してきたことが停止され、場合によっては日銀が国債を売りに出すことも想定されるのですが、そのようなことになれば、国債が暴落する恐れがあるということです。

 そして、国債の暴落が起これば、当然のことながら財政破綻が意識されるようになり、そうなると今度は、本当に増税や緊縮財政に移行せざるを得なくなってしまうということなのです。

 要するに、物価が上がると、それによって景気の好循環が生まれるのではなく、我が国の財政破綻の可能性が意識され、国民は緊縮財政を強いられてしまうだけなのです。

 ということで、物価が上がり、目標が達成できたとしても、黒田総裁は英雄扱いされるのではなく、日本の財政を破綻に導いた人として記憶に残るだけなのです。

 

 物価が上がると、良いことよりも悪いことが起こるかもしれないということを、何故日銀や政府は考えないのだろうかと疑問に思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ



にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

 為替が、1ドル=100円台になっており、介入を期待する向きもあるようです。

 また、浜田参与が言っていますね。介入が必要だなんて。

 ということで、円高であると受け取る向きが多そうなのですが、では、何故円高に振れているのでしょうか?

 FRBが利上げを先送りしたから?

 でも、利下げをしたのならともかく、利上げを先送りしたくらいで、急にドル安円高に振れるものなのでしょうか?

 では、日銀が先日、長期金利を操作すると明言し、その目標値を0%程度に設定したことが、事実上の利上げと受け取られ、その結果、日米金利差が縮小してドル安円高に振れているのでしょうか?

 しかし、債券相場に精通している方なら、日銀の決定後、長期金利はむしろ下がり気味であることに気が付いている筈です。

 だから、日米金利差は、むしろ拡大しているのではないか、と。

 実際は、どうなっているのでしょうか? グラフをご覧下さい。

 日米金利差 2016-9-28

 確かに日本国債の利回り、つまり長期金利は下がり気味であるのですが、日米金利差は拡大するどころか縮小しているのです。

 何故日米金利差は縮小しているのでしょうか?

 それは、日本国債の利回りが低下する以上に、米国債の利回りが低下しているからなのです。

 では、何故米国債の利回りが、ここにきて急低下しているのでしょう?

 その答えは、再びドイツの銀行の経営不安問題が頭をもたげているからだ、と。つまり、リスクオフの状態になっているのが理由だというのです。

 リスクオフになると、それまでの円キャリートレードの巻き戻しが起きるので…つまり、海外に出て行っていた資本が日本に戻ってくるので、そのときに外貨から円に切り替えられ、円高が起きやすくなると言われています。

 浜田参与とか最近の財務省の官僚たちは、盛んに投機的という言葉を使いたがりますが、そうした円高の理由が分かれば、そのような円買いが日本を狙い撃ちした投機ではないことがすぐ分かりそうなものですが…どういう訳か投機という悪者を作り出して、介入を正当化したい考えなのです。

 でも、そもそも円キャリートレードが起こるのは、日銀がゼロ金利どころかマイナス金利政策などを採用していることに原因がある訳ですから、そうした現象が起きることを嘆いても仕方ないとしか言いようがないのです。


 円高は投機のせいだと、ここ数年、財務省が言うようになっているのは、安倍政権におもねっている証拠だと思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 
人気blogランキングへ




にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

 黒田日銀総裁が昨日、記者会見で追加緩和策に踏み切る場合の方策について聞かれて、次のように答えたと報じられています。
 「マイナス金利の深堀りと長期金利操作目標の引き下げが中心的な手段になる」

 黒田さん、とうとう壊れてしまったのかもしれませんね。

 まあ、マイナス金利の深堀りについては、前々から言っていたことなので驚きはしないのですが…

 でも、長期金利の操作目標については、つい先日、ゼロ%程度を目標にするということで、事実上、長期金利の引き上げを決定したばかりであるからです。

 民間銀行や保険会社や年金関係者などからの悲鳴に抗しきれなくなったから長期金利の引き上げを決定したのに、その舌の根も乾かないうちに、また下げるだなんて。

 或いは、黒田総裁の本音は、長期金利の誘導目標は0%程度に設定したものの、本音としてはもっと低い水準にあっても構わないということなのでしょうか。

 民間銀行や保険会社が煩いから、一応理解を示したフリをしておこうということなのでしょうか? 或いはまた、日本のマイナス金利政策に対して、米国も批判的なことを言っているので、そうした声に配慮したフリをしておこうということなのでしょうか。

 それに、長期金利の水準が低くければ低いほど、円高を阻止する力になり得る筈だ、と。

 私、日銀の今回の枠組み修正の発表があった後、長期金利が思ったほど上がらない理由について考えていたのですが、案外、市場関係者が黒田総裁の本音に気が付いていることが大きいのかもしれません。

 いずれにしても、黒田総裁は、自分たちが示したシナリオどおりにことが運んでいないのですから早く責任を取って欲しいものだと思わずにはいられません。

 責任を取ると言えば、そもそも日銀に物価目標値を正式に設定させ、日銀がガンガン国債を買い上げ、お金を市場に放出しさえすれば、必ずマイルドなインフレが起きると主張していた安倍総理にも責任があると言わざるを得ないのです。

 その安倍総理、昨日の所信表明演説では、そのことについて何も触れていないのです。

 単に「アベノミクスを一層加速し、デフレからの脱出速度を最大限にまで引き上げてまいります」と言うだけ。

 自分たちが言っていたことが実現していないのに、全くその反省がないのです。

 安倍総理は、政策を総動員するとも言っています。

 政策総動員と聞くと、やるべきことを全てやり尽くすとのイメージが伴うのですが…しかし、政策総動員でプラスの結果が生まれるとは限らないのです。

 例えば、オフィス内の室温について、若い男性は、もっと温度を下げて欲しいと望むかもしれませんし、受付にいる秘書達は、ちょっと冷え過ぎじゃないのと思うかもしれません。

 そういった二つの要望に対し政策総動員をすると、エアコンの温度を下げると同時に、電気ストーブを使用するようなことを認めるような結果になってしまうでしょう。

 料理に対する要望でも同じことが言えます。ある人は、少し塩味が足りないと言い、ある人は、もっと甘い方がいいと言った場合に、塩と砂糖を同時に加えるとどんなことになるのか、と。

 安倍総理は経済の好循環を実現するために最低賃金を時間当たり25円引き上げ、1000円を目指すと言っています。

 パートで働いているような人々にとっては、なんと明るいニュースに思えるかもしれません。

 しかし、その一方で、日経の一面には、政府は外国人労働者を受け入れるための法整備を検討するなんてことが書かれているのです。

 外国人労働者を何故必要とするかと言えば、労働力が不足しているというよりも、企業経営者の側に、そもそも安い労働力を確保したいという思いがあるからです。

 要するに、最低賃金の引き上げと、外国労働者の受け入れは、矛盾する行為であると言っていいでしょう。

 未来への投資だなんて言ってもいますが、財源の当てもないのに財政出動をするのは、将来にツケを先送りする政策でしかないのです。


 安倍総理の所信表明は、美辞麗句の寄せ集めでしかないと思った方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ



にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

 突然ですが、安倍総理が次のようなことを言っていますが、貴方はどうお感じになりますか?

 アベノミクスを一層加速し、デフレからの脱出速度を最大限まで引き上げていく。臨時国会は、「アベノミクス加速国会」だ。これからも経済最優先で、全力で取り組みたい。

 否、経済最優先と言うのなら、それはそれでいいのです。でも、アベノミクス加速国会だ、なんて言われても、日銀の緩和策には全然効果がないではないですか?

 それに緩和策を強化するために、量から金利に目標を変えるというのも、一般の人々には…否、専門家にとってもなかなか理解できないのです。

 金利を重視するということ自体は理解できるでしょうが、長期金利をゼロ%程度に操作することが、何故金利を重視することになるのか、と。

 というのも、長期金利は一時、マイナス0.3%にまで低下していた訳ですから、それからしたら0.3%引き上げることになるからです。

 消費者物価指数は、連続4か月低下しており、7月はマイナス0.5%にまで落ちているのです。

 それで、どうしてデフレからの脱出速度を最大限にまで引き上げていくなんて、ことが言えるのでしょうか?

 もう少し、事実を真剣に受け止め、真摯に発言してもらいたいものだと思うのです。

 それから、先ほどの金利重視の話ですが、イールドカーブのスティープ化というのも、イマイチよく分からない話なのです。

 イールドカーブというのは、例えば、1年物から10年物までの幾つかの期限の違う債券の金利を並べたものと思って下さい。

 イールドカーブは、普通、期限が長くなればなるほど金利が上がるので、右肩上がりの曲線となるのことが多いのです。

 その右肩上がりの角度をより急こう配にするのが、イールドカーブのスティープ化ということです。

 今回、日銀は、長期金利を0%に誘導することになったので、このイールドカーブがより右肩上がりになる訳ですが、そうすることによって何故景気を下支えすることができると言えるのでしょうか?

 数日前、説明したように、長期金利は、将来のインフレ率の予想や潜在成長率の予想などが反映されるとされています。

 つまり、将来インフレ率が高くなりそうだと予想する向きが増えたり、将来成長率が上がりそうだと予想する向きが増えると、長期金利は上昇すると一般的に考えられているのです。

 つまりイールドカーブの角度が急であればあるほど、将来に対する見方が明るいということが言え、逆に、イールドカーブがフラットに近ければ近いほど、将来に対する見方が暗いということになるのです。

 従って、専門家からすれば、イールドカーブの角度が急であればあるほど、良い兆しが現れたということになるのですが、そのようなイールドカーブを日銀が無理やり実現したからと言って、それが何になるのでしょう?

 市場参加者の見方が自然にイールドカーブに反映され、そして、そのイールドカーブの角度がこれまでより急こう配になるのであれば歓迎できるでしょうが、日銀が長期国債の購入量などを抑えるなどして、長期金利を引き上げたとしても何の意味もないのです。

 それで、どうして金利を重視した政策に転換したなんて言えるのでしょうか?

 単に銀行界の批判に応えただけの話でしかないのです。

 


 デフレからの脱出速度を最大限にまで引き上げていくなんて言われても、白けてしまうと思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ


にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

 日銀が、今回、長短金利を操作すると発表したことは、ご存知のことと思います。

 まあ、中央銀行が短期金利を操作するのは当たり前のことなのですが、長期金利を操作するなんてことは普通ない訳です。

 確かに、短期金利を引き下げるようなことをすれば、それにつられて長期金利も下がることが多いので、間接的に長期金利を操作していると言えないこともないのですが…しかし、今回のように長期金利をゼロ%程度に誘導するなどということは今までの常識ではあり得なかったのです。

 では、何故今回、長期金利をゼロ%程度に誘導することに決定したのでしょうか?

 それは、長期金利が例えばマイナス0.3%だとかの水準にまで下がってしまうと、民間銀行はとても利鞘が稼げない状況になってしまうからなのです。

 しかし、その一方で、民間銀行が預金金利をマイナスにまで引き下げることが許されるのであれば、民間銀行は逆鞘を回避できるので、長期金利がゼロ%より下がっても必ずしも経営が成り立たなくなる訳ではないのです。

 要するに、預金金利は絶対にマイナスにしてはいかんという政治的な判断が先にあるものだから、そこから逆算して、長期金利の最低水準はゼロ%程度になったというだけの話なのです。

 では、いずれにしても、長期金利をゼロ%程度に固定することに日銀が成功したとして、それでマイルドなインフレを起こすことが可能なのでしょうか?

 答えは、そんなことを期待するのは、全く不可能。

 というのも、何故2%のインフレ目標が達成できていないのかという問いに対して、日銀が挙げる理由は、原油価格の動向や、期待インフレ率の変化などであり、そのようなことと長期金利をコントロールすることに特別な関係がある訳ではないからです。

 それに、長期金利がマイナス0.3%ほどになっても日米金利差は拡大せず、円安ドル高にはならなかったのですから、長期金利がゼロ%程度では、なおさら円安ドル高にはなりにくいと言わざるを得ないのです。

 ということで、今回の日銀の措置は、単に民間銀行の不満に応えただけ、ということなのです。

 何が、緩和策強化のための枠組みの修正なのでしょうか?!

 
 日銀は、市場機能を阻害するようなことばかりやって、怪しからんと思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ





にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

 豊洲の謎の空間と言えば、今や知らない人などいないほど有名になっています。

 あれだけ盛り土がしてあるから大丈夫ですと説明してきたのに、主要建物の地下にある筈の4.5メートル分の盛り土が実際には存在せず、空間になっているのです。

 それによって安全性にどのような影響があるかは別として、東京都が言ってきたこととやってきたことが全く違く訳ですから、都民や市場関係者が不信感を持つのは当たり前。

 プラス、かつての都知事が、俺は素人であり下から言ってきたことを言っただけとか、或いは、市場長が、決裁が上がってくればハンコを押すのは当たり前みたいなことを言う日には呆れてものも言えません。

 さらに言えば、東京都は伏魔殿だなんて…

 あんたがそこの最終責任者ではなかったのか!?

 それにしても、誰が盛り土が必要ないなんて決めたのでしょうね。

 などと思っていると、今回緩和策を強化するために枠組みの修正を行なったとされる日銀の説明も、どうもおかしな状況になってきていることに気が付きました。

 日銀のサイトで、長期金利の決定の仕方について次のように説明されていますが、先ずそれを確認下さい。

 長期金利と短期金利の決まり方の違い

 まず、長期金利は、短期金利とは決まり方が大変違う、ということにご注目下さい。

 短期金利の代表は、「無担保コールレート(オーバーナイト物)」ですが、これは日本銀行の金融調節によってコントロールされています。また、オーバーナイト物より少し長い短期金利(1週間や1か月の金利)もオーバーナイト物に強く影響されています。つまり、短期金利は、基本的にその時点の金融政策の影響下にあるのです (注) 。

 これに対して長期金利は、その時点の金融政策の影響も受けはしますが、それとは別の次元で、長期資金の需要・供給の市場メカニズムの中で決まるという色合いが強く、その際、将来の物価変動(インフレ、デフレ)や将来の短期金利の推移(やこれに大きな影響を及ぼす将来の金融政策)などについての予想が大切な役割を演ずる(詳細は後述)、という特徴があります。」


 そして、日銀は、長期金利の決定要因を3つ上げるのです。

 (1)期待インフレ率
    将来の物価予想(インフレ、デフレ)はこの程度だろうという「予想」。例えば、高インフレになるだろうとの「予想」が強まれば、長期金利は直ちに上昇する。

 (2)期待潜在成長率
    今後の経済が成長していく地力が強いと予想されれば、資金を投じて投資を行うことのメリットが高まるので、長期の資金需要も増え、長期金利は上昇する。

 (3)リスクプレミアム
    将来について不確実性があることに対して投資家が要求する上乗せ金利。リスクプレミアムが拡大すれば、長期金利は上昇する。

 そして、日銀は、順序は逆になりますが、長期金利をコントロールする場合の注意点も書いています。
 
 「ここで大変大事なことは、長期金利というものは、(2)のインフレ昂進予想のケースのように(まだインフレになっていないのに)「予想」(期待)が変化した時点で「直ちに」変動するということです。すなわち、長期金利には、将来の変化を先取りする性質があるのです。

 ですから、長期金利をコントロールしようとする場合、そうした試み自体が人々の「予想」(期待)を変えるか変えないのか、慎重に見極めなければなりません。

 また、長期金利の動きをよく見て、それが将来のどういう変化を先取りしているのか、どういう「期待」を「市場」が持っているか、を考えることが大切であるとも言えるわけです。」


 要するに、長期金利は短期金利と異なり、基本的に日銀がコントロールするのは適当ではないという思いがあるのです。というのも、長期金利はまさに体温みたいなもので、それで人間の健康状態が判断できると同じように、長期金利の水準をみることによって経済の状況が判断できる、と。

 しかし、そうした先人の教えを無視して、日銀は今年1月マイナス金利導入を決定し、さらに長期金利に対する介入の姿勢を強めていたのでした。

 全然言っていることとやっていることが違うのです。

 盛り土問題みたいでしょう?

 日銀が相場よりも高い価格で国債を買い入れるものだから、長期金利までマイナス圏に突入し、市場関係者が、将来のインフレ率や潜在成長率についてどう判断しているのかがまるで分からなくなっていたのでした。

 では、今回、日銀は、そのことについて大いに反省し、態度を改めようとしているのでしょうか?

 答えは、ノー。

 全然反省などしていません。

 日銀が、長期金利を事実上引き上げようとしているのは、民間銀行の利鞘が縮小し、不満が噴出しているので、それで長期金利については下がり過ぎないようにしたいと言っているだけなのです。

 それに、長期金利は、ゼロ%に誘導しようと言っているのですから。水準は少し高めになりましたが、完全にコントロールしたいという姿勢は強まっているのです。

 でも、何故ゼロ%なのでしょうか?

 私には、その理由がさっぱり分かりません。

 そもそも長期金利を操作するなんて簡単に言ってのけること自体、日銀総裁として相応しくないと言わざるを得ないのです。


 安倍総理と黒田総裁とが一緒になって、支離滅裂なことをやっているだけだと思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ



にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村

 日銀が今回金融緩和強化のために打ち出した新しい枠組みの名は、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」です。

 なんともダサイネーミングです。

 それに金融緩和強化のためというのが腑に落ちません。というのも、長期金利をマイナスからゼロに引き上げようという内容になっているからです。事実上の利上げなのに何故金融緩和の強化なのでしょうか?

 いずれにしても、長期金利を一定の目標に誘導しようという政策は、古今東西殆ど例がないのではないでしょうか?

 というのも、そもそも長期金利を操作するということが、禁じ手と考えられてきたからなのです。

 それに、実際に長期金利を操作しようとしても、そう簡単に操作が可能なのかという疑問も湧いてきます。

 日銀は、長期金利操作を行うため新しいオペを導入すると言いますが、それは日銀が指定する利回りによる国債の買入れ、つまり指値オペと呼ばれるものですが、そのオペでは日銀の価格より高い価格で国債を買ってもいいという者が現れた場合、金利の低下を食い止めることができないのです。

 もっとも、そもそも日銀が提示する価格よりも高い価格で国債を買ってもいいという者がいるのかという疑問も湧く訳ですが…

 しかし、何かの思惑で、今後日銀がマイナス金利の深堀をする筈だという予想が高まると、ひょっとしたら国債の価格は上がり…つまり、国債の利回りは誘導目標を離れてマイナスになる可能性もあるのです。

 現に、この「長短金利操作付き量的・質的緩和」が発表されたから、どういうことか、それまでとは逆に今度は長期金利が低下し始めているのです。本日の午後2時56分現在で、マイナス0.055%となっています。

 市場関係者の中に、マイナス金利の深堀を予想する向きが増えているということなのでしょうか?

 まだ、その本当の理由は分かっていませんが、少なくても長期金利の誘導がそう簡単なものではないことがこれで明らかになったと言えるでしょう。

 今年の1月のマイナス金利導入決定といい、そして、今回の長期金利操作といい、日銀のやることは裏目にばかり出ているのです。


 日本は市場経済の国なのに、長期金利を誘導しようなどということ自体が矛盾していると思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ
にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

 日銀が量から金利に金融政策の枠組みを修正したなどと新聞が報じています。

 どう思います?

 思い起こすと、量的緩和策が採用されたのが2001年3月。もう15年以上も前のことなのです。

 若い人たちはご存じないかもしれませんが…その当時言われたのです。

 政策金利はゼロ%より下に引き下げることができないから、金融政策の目標を金利からお金の量に変更することにしたのだ、と。

 つまり、金利はゼロより下に引き下げることはできないが、その代り日銀がマネタリーベースを拡大することによって景気を回復させる、或いは、物価を上げる、と。

 で、今回はその逆で、量から金利に逆戻りなのです。

 どういうことかと言えば、金利がマイナスになることも不思議ではなくなったので、再び金利をメルクマールにしようということなのでしょう。

 というよりも、幾らマネタリーベースを拡大しても物価が上がらないものだから諦めたのかもしれません。

 でも、だとしたら、岩田副総裁が就任当時言っていたことが全く外れたということなり、岩田副総裁は自分が言っていたとおり潔く辞任すべきではないのでしょうか?

 まあ、その点はおいておいても…

 再び金利に焦点を当てるというのであれば、マイナス金利が少しも不思議でなくなった今、マイナス金利の幅をさらに大きくするというのなら分かります。

 しかし、一時期マイナス0.3%ほどにまで低下していた長期金利(10年物国債の利回り)を0%程度に誘導することに決めたと言うのです。

 これ、長期金利の引き上げではありませんか!?

 否、利上げがいけないと言っているのでないのです。そうではなく、マイナス金利の深堀もあり得ると言いつつ、長期金利を事実上引き上げるというのは、矛盾していないのかと言いたいのです。

 NHKは、今回の日銀の決定について、「金融緩和策を強化」したと報じていますが、私には強化したとはとても思えません。

 銀行業界や生保業界のみならず、産業界からもマイナス金利政策について批判が相次いだことから、そのマイナス金利政策を実質的に修正したと言うべきではないでしょうか?

 要するに、日銀が3年半かけて行ってきた社会実験が失敗したものの、その失敗を認めずにお茶を濁しているだけなのです。

 読売は本日の社説で、「そうした局面で日銀が決めた新方針には、当初狙った短期決戦から長期戦へ、金融政策の舵を切る狙いがあろう。妥当な判断だ」などと評価していますが、そもそも、物価目標を正式に設置すること自体、短期決戦を前提としている訳ですから、もう前提自体がおかしくなっているのです。

 安倍総理の「2%の物価安定目標を早期に実現するためのもので、政府として歓迎したい」という発言も、白々しいとしか言えません。

 だって、一刻も早くデフレから脱却することが必要で、そのためには物価目標値を設定し、そして、日銀にどんどん国債を買い取らせてお金をばらまけばインフレが起きると言っていたのは安倍総理自身であるからです。

  どうでもいいことですが、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」だなんていうネーミング、超ダサイと思わないのでしょうか?



  安倍総理、黒田総裁、そして岩田副総裁は、自分たちが言ってきたことが実現しなかったのだから、そのことについて反省するのが先決だ、と思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ


にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村

日銀が、長期金利(10年物国債の利回り)を0%程度に誘導することに決定したと報じました。

昨日から開かれていた金融政策決定会合で議論した結果ですが…

貴方は、この結果についてどうお思いでしょうか?

私は、マイナス金利の深堀をすることに比べたらまだましだという感じです。

但し、マイナス金利の深堀を期待していた市場関係者にとっては、なんでそうなるの?という感じかもしれません。

或いはまた、イールドカーブのフラット化を予想していた向きには、一応想定の範囲内と映っているかもしれません。

(注)「イールドカーブのフラット化」は「イールドカーブのスティープ化」の誤りです。お詫びして訂正します。(2016年9月22日)

いずれにしても、私の一押しは、金利の引き上げですから、それからしたらまだまだこれから先、長い道のりになるのですが…でも、マイナス金利の深堀をしなかったことは評価すべきかもしれません。

黒田総裁の記者会見は午後3時半からの予定ですので、それを見て改めて明日解説したいと思います。





黒田総裁は、まだいろんな措置があると言っているけど、実行できそうなことは殆どないのではないかと思う方、クリックをお願い致します。
↓↓↓
人気blogランキングへ



にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ