経済ニュースゼミ

小笠原誠治の、経済ニュースを通して世の中の動きを考察するブログです。地球温暖化阻止のために石油・石炭産出権取引を提唱します。産出権取引は排出権取引とは違います。みんな勘違いするのです。

2016年11月

 今回トランプ氏が大統領戦に勝利した理由の一つには、Change とYes, we can と連呼したオバマ大統領に期待したものの、何も変わらなかったことがあると言われています。

 というよりも、海外からの安い製品の流入によって益々米国の労働者は職を奪われている、と。

 そこで何も変わらないなら本気で変えなければいけないとばかりに、トランプ氏が登場し、中国製品やメキシコ製品に高い関税をかけ米国への流入をストップさせると言っているのです。

 では、このトランプ氏の貿易政策は適切なものと言えるのでしょうか、そしてまた、本当に実施されることになるのでしょうか?

 しかし、それは適切とも言えないし、実施するのも無理だと思うのです。というのも、水は高いところから低いところへ流れるが如く、同じ性能の品物があった場合、通常は誰でも安いものを買うのが当たり前だからです。

 要するに、米国市場に安い中国製品やメキシコ製品が流入してきているのは、米国の消費者がそう望んだ結果であり、米国の消費者が誰からか強要された訳ではないのです。

 それと同じように、米国の労働者の賃金とメキシコの労働者の賃金に相当の差が生じているのであれば、どんな経営者でも賃金の安いメキシコに工場を移すことを考えたっておかしくないのです。

 日本で空洞化が発生したのも同じ理由からです。

 仮に、日本で国内の労働者を守るために、日本企業は海外に工場を移転してはいけないという法律が成立したとして、それが効果を生むと期待できるでしょうか?

 というか、経済界がそのような法律を絶対に成立させないと思います。そして、仮にそのような法律ができたとしても、それが効果を生むとは到底期待できません。

 どんなに規制をかけても、お金(資本)はより利益を生むところへ移動するものだからなのです。

 それに、トランプ氏の意見には、人種差別的な考え方が見え隠れしていることも大変気にかかるところです。

 トランプ氏が、主に批判するのは中国とメキシコですが、何故白人の労働者が中国人やメキシコ人の犠牲にならなければいけないのか、と。

 職を奪われた先が、英国だとかフランスだとかというのであれば、もう少し違った反応になるのではないかと思うのです。

 自分たちは、アンフェアなやり方で中国やメキシコから職を奪われたので、それを取り戻すべきだ、と。そして、余りにも単純にユーエスエー、ユーエスエーなんて連呼しているのです。

 トランプ氏や彼を支持する労働者たちに聞いてみたいものなのです。

 あなた方は似たような品質の家電製品や車があった場合、安い方を選ばずに高い方を選ぶのか、と。

 普通なら、誰だって安い方を買うはずです。

 労働者を採用するにしても、安い賃金で喜んで働いてくれる国があれば、そっちに工場を作った方が都合がいいことくらいすぐ分かる筈なのです。

 つまり、米国の労働者が中国やメキシコから仕事を取り戻したいと思うのであれば、その方法はただ一つ。

 つまり、彼らが得ているのと同じ水準の賃金で我慢するか、彼ら以上に効率よく働くことができるか、というだけなのです。

 しかし、トランプ氏がやろうとしていることは、無理やり米国企業のメキシコ移転を阻止したり、或いはメキシコ製品に高い関税をかけるというようなことですから、これは市場経済の原理を無視した暴挙と言う他ありません。

 それに、米国経済とメキシコ経済は、既に複雑に絡み合っているというか、相互依存体制が出来上がっているので、例えば、メキシコからの部品の輸入が禁止されてしまうと、米国内での生産活動に支障が生じてしまうのです。

 結局、そういった現実が全く分かっていないか、分かっていながらも労働者たちの不満を和らげるためにトランプ氏が一芝居打っただけかもしれないのです。

 トランプ氏が公約通りのことをやろうとすれば、経済は大混乱を来すだけではなく、経済界からも総スカンを食らうでしょうし、逆に、公約が実現できないとなれば、労働者たちの失望を招き、支持率の急落を招くことは必至でしょう。

 いずれにしても、このトランプ氏の下で米国経済が着実に発展するなんてとても思えません。

 そんな次期大統領のところに54万円のゴルフクラブを持参してご機嫌伺いに行った安倍総理は、本当に経済が分かっているのかと疑問に思ってしまいます。


 トランプ氏の言っていることも無茶苦茶だが、そのトランプ氏のところに早速、機嫌を伺いに行った安倍総理もねえ、と思った、クリックをお願いします。
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 野沢直子というタレントをご存知でしょうか?

 以前は、いいともとかによく出演していましたが、最近はサンフランシスコに住んでいるのだとか。

 その彼女、最近ではトランプ氏に対する発言で注目を浴びていました。

 「トランプ大統領になったらブラジルに引っ越す」「髪型が嫌い」「アメリカ人はバカなのかと思う」

 その彼女が、急に態度を変えて次のように言っているのです。

 「今はもう、手のひらを返したように支持しています!」「「ウチの旦那も同じ髪型にしました。息子もトランプ大学に行くことにしました」

 自分で言っているように、まさに手のひら返しと言っていいでしょう。

 しかし、手のひら返しは野沢直子だけではないのです。米国人のセレブと言われる人たちで、あんなのクリントン氏を支持していたのに…そして、トランプ氏が勝ったら海外に移住するとまで明言していたのに、同様にやっぱり米国に留まると言っている人のなんと多いことか!

 一体なんなのでしょうね、この現象。

 私、思うのですが、結果で出てしまった以上…つまりトランプ氏が大統領になることが決まった以上、トランプ氏のことを今までのように批判していたら自分たちにとって不利益なことが起きるのではないかと恐れ、だから態度を変えたのではないかと思うのです。

 
勝ち馬に乗る 勝てば官軍 寄らば大樹の陰 長いものには巻かれろ 

 英語では次のような言い方があると言います。

 Jump on the band wagon. 

 If you can't beat them, join them.

  Better bend than break.

  Don't kick against the pricks.


  要するに、権力者に楯突くとろくなことがないということでしょうか。

 でも、だとしたら今韓国で起きている大統領を巡るスキャンダルについて、誰も笑うことができませんよね。

 大統領から無理難題を突き付けられても逆らうことができない韓国の大企業のトップたち。

 日本のマスコミの状況も似たようなものでしょう。

 今は、安倍政権を批判するときではない、と。
 
 ということで、マーケット関係者も、この際、トランプ氏の考え方に立ってご祝儀相場を演じているということなのでしょうか。



 欧米人は、普段は自由だとか人権の尊重だとかを口にしているけど、本当は儲けることをより重視している計算高い人間ではないかと思った方、クリックをお願い致します。
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 本日は、トランプ氏の貿易政策について考えてみたいと思います。

 先ず、非常に基礎的なことから質問したいと思います。

 トランプ氏は、次の2つのうちのどちらの立場に立っているでしょうか?

 (1)自由貿易
 (2)保護主義

 さあ、如何でしょうか?

 トランプ氏は共和党に属しており、従って、自由貿易論者であるに違いないなんて答えた人はいないでしょうか?

 トランプ氏が本当はどう思っているかは分かりませんが、しかし、トランプ氏が選挙戦で訴えていたことから考えれば保護主義を支持しているとしか思えません。

 だって、TPPからは撤退すると言うし、中国製品には45%の関税をかけると言うし…

 どうみても、保護主義を支持しているとしか思えません。

 では、保護主義とはどのようなことを意味するのでしょうか?

 トランプ氏のスピーチはいつもアグレッシブであり、それから考えると保護主義を支持しているというのが皮肉にしか思えないのですが…

 以下、Investopediaからの引用です(訳は私のものです)。

 Protectionism refers to government actions and policies that restrict or restrain international trade, often done with the intent of protecting local businesses and jobs from foreign competition.

「保護主義とは、自由な貿易を制限する政府の措置や政策を意味し、国内産業の保護や海外との競争で職を奪われることを防ぐことを目的とすることが多い」

 Typical methods of protectionism are tariffs and quotas on imports and subsidies or tax cuts granted to local businesses.

「保護主義の典型的な措置は、関税や輸入割当、そして、国内産業に対する補助金や減税である」

 The primary objective of protectionism is to make local businesses or industries more competitive by increasing the price or restricting the quantity of imports entering the country.

「保護主義の主な目的は、輸入品の価格を引き上げたり、輸入品の量を制限することによって国内産業の競争力を付けることにある」


 保護主義の反対は、自由貿易ですが、自由貿易は次のように説明されます。
 
 Free trade is the economic policy of not discriminating against imports from and exports to foreign jurisdictions.

「自由貿易とは、海外からの輸入品や海外への輸出品に対してなんら差別的な措置を取らない経済政策のことである」

 Buyers and sellers from separate economies may voluntarily trade without the domestic government applying tariffs, quotas, subsidies or prohibitions on their goods and services.

「海外と取引をする輸出入業者は、彼らが扱うモノやサービスに対して政府が関税、輸入割当、補助金或いは禁止措置を課すことなく自由に取引を行うことができる」

 Free trade is the opposite of trade protectionism or economic isolationism.

「自由貿易は保護主義、或いは経済的孤立主義の反対の概念である」


 トランプ氏は、中国が米国に輸出攻勢をかけることによって米国の労働者から仕事を奪い、そして、米国のメーカーは、メキシコ等に工場を移転させることによっても米国の労働者から仕事を奪っていると主張している訳ですが…

 それがそのとおりだとしても、見方を変えると、米国の農産物の日本への輸出が日本の農業の衰退の原因になっていることも事実であり、それについてはどう考えるのかを聞いてみたいものなのです。

 いずれにしても、米国の企業が海外に工場を移転したり、いろんな仕事を海外にアウトソースするのは経済合理性に基づくものであり、それにストップをかけることはほぼ不可能に近い訳ですから、トランプ氏の貿易政策が実現するとはとても思えないのです。

 それに、中国製品の流入によって仕事を奪われた米国の労働者たちも、中国の安い製品のお蔭で毎日の生活を営むことができている訳ですから、その中国製品の価格が突如として45%も値上げされたら、そうした人たちの生活を苦しめることにもなるのです。

 まあ、そんなことは分かっていても、いっぺん言ってみたかったということでしょうか、自由貿易なんか糞くらえと。


 政治家たちは、結局、耳触りの良さそうなことを無責任に言っているだけだ、と思う方、クリックをお願い致します。
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 キューバのカストロ氏が亡くなったというニュースが入ってきました。

 歴史に残る人物だけに世界の注目度の違いを感じるのですが…

 各国首脳の反応です。
安倍総理大臣:「キューバ革命後の卓越した指導者であるフィデル・カストロ前議長の逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。本年9月に、私がキューバを訪問しお会いした際には、世界情勢について情熱を込めて語られる姿が印象的でした。日本政府を代表して、キューバ共和国政府および同国国民、ならびに御遺族の皆様に対し、ご冥福をお祈りします」
プーチン大統領:「キューバ革命の指導者フィデル・カストロ氏の死に深い哀悼の意を表する。この著名な政治家の名前は、現代史における時代の象徴であると考えられている。カストロ氏と仲間によって建てられた自由で独立したキューバは、国際社会の有力な一員となり、多くの国や人々の象徴的な存在となった」
習近平国家主席:「フィデル・カストロ同志は、世界の社会主義の発展のために後世まで残る歴史的な功績を打ちたてた。偉大な人物であり、歴史と人民は彼を記憶にとどめるだろう」、「フィデル・カストロ同志は、生前、中国との友好にも力を尽くした。中国の人民は、親密な同志を失った」

 で、今や世界の注目度ナンバーワンのトランプ氏はなんと言ったかといえば…
 
トランプ次期大統領:
The world marks the passing of a brutal dictator who oppressed his own people for nearly six decades.
「自国民を60年間近くに渡り弾圧してきた野蛮な独裁者の死を世界が見守っている」

Fidel Castro’s legacy is one of firing squads, theft, unimaginable suffering, poverty and the denial of fundamental human rights.
「フィデル・カストロの遺産は、銃殺隊、窃盗、想像できない苦しみ、貧困、そして基本的人権の否定だ」

While Cuba remains a totalitarian island, it is my hope that today marks a move away from the horrors endured for too long, and toward a future in which the wonderful Cuban people finally live in the freedom they so richly deserve.

「キューバは全体主義の島国のままであるが、本日が、余りにも長く続いた恐怖から旅立つ日となり、キューバの素晴らしい国民が最終的に自由に生活ができる将来を迎えることを私は願う」

Though the tragedies, deaths and pain caused by Fidel Castro cannot be erased, our administration will do all it can to ensure the Cuban people can finally begin their journey toward prosperity and liberty.

「フィデル・カストロによってもたらされた悲劇、死、そして苦痛は消し去ることはできないが、キューバの人々が最終的に繁栄と自由に向かって進むことができるようにトランプ政権としてはあらゆることをするつもりだ」

 カストロ氏に関しては、プラスの評価とマイナスの評価が混在しているようですね。

 では、カストロ氏は、生前どんなことを言っていたのか?

カストロ前国家評議会議長:

 in April 1959 NBC Television's "Meet The Press."

 Democracy's my idea. I do not agree with communists, my acts prove. Free press in Cuba -
free ideas, freedom religion belief. What we want is to get, as soon as possible, the condition for free election.

「民主主義が私の考えだ。私は共産主義者とは意見が違う。それは行動が証明する。キューバにおける報道の自由、思想の自由、信教の自由。私が望むことは、一刻も早く自由な選挙ができる環境を整えることだ」

  in October 1979, Castro addressed the U.N. General Assembly

 Why do some people have to go barefoot so that others can drive luxury cars? Why are some people able to live only 35 years in order that others can live 70 years? Why do some people have to be miserably poor in order that others can be extravagantly rich? I speak for all the children in the world who don't even have a piece of bread.

「ある者たちが贅沢な車を運転することができるようにするために、何故他の者は裸足で歩かなければいけないのか? ある者たちが70年間で生きることができるようにするために、何故他の者は35年間しか生きることができないのか? ある者たちが大変な大金持になることができるようにするために、何故他の者はみじめなほど貧乏でいなければいけないのか? 私は、一切れのパンさえ食べることができない世界の子供たちのために言っているのだ」

 in the spring of 2016.

Soon I'll be 90 years old. Soon, I'll be like all the others. For all of us, our turn will come.

「間もなく私は90歳になる。間もなく私は、他の者たちと同じようになる。皆、順番が来る」

 因みに、オバマ大統領は、トランプ氏とは対照的な声明を発表しています。


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 グラフをご覧ください。

 ブレークイーブン・インフレ率 2016−11


 先日お見せしたグラフをリニューしたものです。

 青の折れ線グラフが、通常の残存期間10年の国債の利回り(名目)です。そして、赤の折れ線グラフが同じく残存期間10年の物価連動国債の利回りで…つまり、実質利回りを示しています。

 名目利回りと実質利回りの差は、予想インフレ率になります。

 大統領選後、米国債(10年)の利回りは急上昇していますね。
その理由は、トランプ氏の政策によって、景気がよくなり物価が上がることが期待されているからです。

 そして、このように米国の金利が上昇し内外金利差が拡大しているので、ドル高となっている訳ですが…

 このような現象は今後も続くとみていいのでしょうか?

 しかし、TPPを離脱し、保護主義的な政策に向かうトランプ氏の下で、どうしたら景気が上向くなんて考えることができるでしょう?

 もちろん、保護主義的な政策を採用すれば、再び製造業が復活することが考えられないではありません。但し、そのためには長い年月を要することでしょうし、そして仮に今失業している人々が再び職を得ることができるようになったとしても、米国が輸入を止めた分と同じくらいの輸出の減少が起きる訳ですから、いいことばかりである筈はありません。

 米国民の生活水準が落ちることは避けられないと思います。

 生活水準が下がるとは、毎日の生活に必要なモノの価格が上がるということです。

 なのにどうして楽観的なムードばかり強まり、株価が上がるのか、と。

 私は、いずれ大きく反転する気がするのですが、如何でしょう?




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 米商務省長官が23日、中国を世界貿易機関(WTO)協定上の「市場経済国」と認定するには機が熟していない(not ripe)と表明しました。

 つまり、これからも中国を非市場経済国として扱い続けるということなのですが…でも、それは具体的にどういうことを意味するのでしょうか?

 答えは、ある国がダンピングなどをした際、その国が
非市場経済国であればダンピングの対抗措置が取りやすくなっているのです。
 
 
 実は、中国は今から15年前の2001年にWTOに加盟しましたが、その際、当初15年間は他国からダンピング認定で不利な条件を課される「非市場経済国」として扱われることを受け入れたのです。

 
しかし、時が経つのは早いもので今年の12月11日にその扱いが終了しようとしているのです。

 当然のことながら、中国は他の先進国並みとして扱われる、つまり市場経済国(Market Economy Status)として認められ、反ダンピング関税などがかけられることが少なくなるものと思っていたところ…

 米国が、not ripe 、時期尚早とつれない態度を示しているのです。

 これもトランプ氏が次期大統領に就任することが決まったことと関係があるのでしょうか?

 全く関係はないようです。

 というか、以前から欧米は、中国を市場経済国として認めることに難色を示していたからなのです。

 何故?

 少なくても欧州勢は中国には相当気を使っていたのに、何故?

 というのも、例えば中国は鉄鋼の過剰設備を有し、今でも鉄鋼を極めて安い価格で輸出し続けている、つまり欧米等からみたらダンピングをしているために、日本を含め世界の鉄鋼メーカーは大変な迷惑を被っているからです。

 つまり、なんとかしてそのような安売り、つまりダンピングを止めさせたいと考えているのに、中国が市場経済国として扱われることになれば、ダンピングを止めさせる手段が限られてしまうのです。

 でも、中国を市場経済国として認めないというのであれば、何故中国の人民元をSDRの構成通貨にすることを認めたのでしょうか?

 一方で、中国が市場経済国でないというのなら、そのような国の通貨をハードカレンシーとして認めるのはおかしいとは思わないのでしょうか?

 多分、それには所管の問題が絡んでいるのでしょう。

 つまり、通貨問題は米財務省の所管であるが、貿易摩擦に関することは米商務省の所管である、と。

 となれば、財務省は中国にある程度の理解を示しているが、商務省は中国には厳しく当たるということなのでしょうか?

 そう言われれば、米財務省は、トランプ氏の立場とは異なり、中国が人民元の価値を低くするために介入を続けているなんて言ってはいませんし、それに、米国にとって中国は最大の債権者である事実の重みを十分承知しているのでしょう。

 一方、商務省の方は、米国の産業界の利益を代弁する立場にあるので、どうしても中国には文句を付けたくなってしまうのでしょう。

 いずれにしても、まだまだ揉めそうな気がします。

 


 
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 またまたドル高円安が進んでいますね。

 何が原因かと言えば、23日に発表になった米国の耐久財受注額が前月比、予想を上回る4.8%の伸びとなったことや、12月の利上げが確実視されるようなったことなどが挙げられると思うのですが…

 でも、何度も言うように、トランプ次期大統領の下で米国の製造業を復活させるためにはドル高が邪魔になるのですよね。

 というのも、ドル高こそが米国の製造業の競争力を奪った原因だとトランプ氏は考えているからです。

 そしてまた、だからこそ中国を為替操作国に認定したり、中国製品に45%もの関税を課したりするなんて言い張っていたのです。

 ところで、そうしてトランプ氏に悪者扱いされている中国ですが、割と平静さを保っているようにも見受けられますが、どうしてなのでしょうか?

 その最大の理由は、トランプ氏が幾ら中国を為替操作国に認定したいと思っても、それは不可能であることを中国自身が確信しているからではないのでしょうか。

 何故かと言えば、トランプ氏は、中国が人民元の価値を低く保つために為替介入をしていると主張している訳ですが、米財務省が米議会に半年に一回提出する為替報告書には、中国は人民元の価値の低下を食い止めるために為替介入をしていると書いてあるからなのです。

 グラフをご覧ください。

中国外貨準備

 中国の外貨準備高の推移を示しています。

 2014年6月頃には、4兆ドルに迫っていたのが、今やその8割程度の水準にまで減少しているのです。

 中国が人民元の価値を低く保つために人民元売りドル買いの介入を行なえば外貨準備は増え、反対に人民元買いドル売りの介入を行なえば外貨準備は減るので、このグラフから最近は人民元の価値を支えるための介入が行われていることが窺われるのです。

 要するに、中国、少なくてもこの2年間ほどはトランプ氏が言うことと反対のことをしており、中国を為替操作国に認定するなんてことはあり得ない、と。

 それに、中国は、トランプ氏が次期大統領に就任することが決まった後、さらに人民元の価値低下を食い止めるべく積極的に動き出した可能性があるのです。

 どういうことかと言えば、人民元を買い支えるためにはドルが必要になる訳ですが、そのドル資金を調達するために中国は手持ちの米国債を売却している、と。

 最大の米国債の保有者の中国が米国債を売りに出すからこそ、米国債の価格の低下が激しいのではないでしょうか。

 そして、皮肉なことにそうやって米国債の価格の低下、イコール金利の上昇が起きるものだから、それがドル高を引き起こしているのです。

 中国としては、人民元の価値がこれ以上下がらないように、いわばトランプ氏の意向に沿って行動しただけであり、その結果、逆にドル高人民元安になったとしても、それは本意ではないと言いたいところではないのでしょうか。

 トランプ氏は、そうした中国の行動に対して、どのように対応するつもりなのでしょうか?

 中国の米国債売却が怪しからんなんて文句を言うことがあり得るのでしょうか?

 このままでは、トランプ氏を支持した労働者たちの期待を裏切ることは間違いないと思われます。


 
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 米国の株価(NYダウ)が史上初めて1万9千ドルを超えました。

 トランプ相場が続いているのですね。

 当初は、「怖いもの見たさ」なんてことが言われていたのですが、最近では、グリーンスパン元議長ではありませんが、「根拠なき熱狂」(irrationar exuberance)という言葉が当たっているように思われます。

 「根拠はある。大型減税やインフラ整備が予定されているし…」

 確かに、そのようなことが言われている訳ですが…そもそも、米国の株価は、長らく続いている超低金利政策のせいでバブルが起きているのだと言っていたのは、トランプ氏本人なのですから。

 それにですよ、TPPから撤退したり、中国の製品に45%もの関税を課すなど、保護主義的政策が強まれば、米国経済に深刻な影響を与えることが当然予想されるではありませんか?

 市場関係者の多くが、TPPから撤退することが、トランプ氏の言うように米国経済の復活をもたらすものであると考えるなら話は別ですが、そのような考え方をする者がそれほど多いとはとても思えません。

 私、思うのですが…トランプ氏自身も、米国経済全体にとっては自由貿易をさらに促進した方がプラスになることは分かっていると思うのです。

 しかし、その一方で、自由貿易のせいで米国の自動車産業などが衰退したのも事実である、と。

 そして、トランプ氏は、そのようにして職を奪われた者の不満を代弁することなしには大統領選に勝利することはできないと考えたから、TPPから撤退すると言わざるを得なかっただけではないのでしょうか。

 自由貿易を推し進めれば、世界経済全体としてのパイは膨らむかもしれませんが、その一方で、職を失う産業や労働者が生じることは当然にあり得ることなのです。

 米国人の多くは、自由貿易を支持することが自分たちの利益になることくらいよく分かっている筈なのです。ただ、その一方で、自由貿易のせいで職を失った人々が多数存在しており、そうした人々の不満がマグマのように溜まった結果が、TPPからの撤退が支持された理由と考えるべきでしょう。

 ということで、保護主義的な政策を打ち出しているトランプ氏の下で、どうやったら米国経済が今までよりも高い経済成長を遂げることができると考えるのか、それが私には理解できないのです。

 それにですよ、インフラ整備に多額のお金をつぎ込むという政策は、本来共和党の採る政策とは矛盾するとしか思えません。つまり、1兆ドルのインフラ整備事業などと言っていても、本当に実現するかどうかは何とも言えないと思うのです。

 また、法人税や所得税の減税については、仮にそれが実現できても、恩恵を被るのは高所得者層ばかりであり、それらの減税によって米国経済が活気づくかと言えば、大変に疑問なのです。

 いずれ現実に直面するだろうが、それまでの間、暫く夢をみていたいということで株価が上がっているだけではないのでしょうか?



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 先日、ニュージーランドで地震が起きたため、また日本でも地震が起きるかもしれないと思っていたところ、本当に起きましたね。

 おまけに津波まで押し寄せています。

 被災地の皆様にお見舞い申し上げます。

 さて、ニュースをチェックしていると、「福島県沖で強い地震が発生したことを受けて円買いが進み」(時事通信)と報道されています。

 で、さらに記事を読んでいると、「安全資産としての円」という言葉が今回も登場しています。

 しかし、やっぱりおかしいと思いませんか?

 仮に円が本当に安全資産だとしても、地震が起きて大変な状況になっているのは日本なのですから、何故その日本の円に買いが集まるのか、と。一時的にでも、円から逃避してしかるべきだと思うのです。

 しかし、やっぱり円が買われる。

 何故か?

 それは、円が安全資産であるからではなく、超低金利の円で資金を調達し、そして、それを外貨に交換して海外で運用していたのを一時停止し、様子見する動きが強まるから、つまり、円キャリートレードの巻き戻しが起きるから円が買われるだけなのです。

 何度も言いますが、円が安全資産だと思われている訳ではないのです。

 それにも拘わらず円が安全資産だと言い続けるマスメディアは、一体何を考えているのかと言いたい!

 それにしても、今年は自然災害が大変に多い年です。

 地球温暖化の進展とともに、益々自然災害が多発化することが懸念されます。

 ということは、今後も益々円高になる可能性があると思っていた方がいいでしょう。

 しかし、そうやって円キャリートレードの巻き戻しに伴う円高が起きるのは、日本が長らく超低金利政策を続けているからであって、投機的な動きが起きるからではないのです。

 つまり、自分が蒔いた種というべきなのです。

 そんな基本的なことも理解しないで、円高は投機筋の動きが原因だと批判することが常の浜田内閣官房参与。

 その人が総理の指南役だなんて、どこか韓国の大統領に似ていないでもない気がするのです。



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 11月19日、ペルーで日露首脳会談が行われましたが、なかなか厳しい状況が続いているように思われます。

 会談後、安倍総理は次のように言っています。
 「簡単ではない」

 それに、安倍総理にべったりの二階幹事長も次のように。
 「ムチャクチャに満点の結果が出るとは思えない」

 どうして、希望が持ちにくいかと言えば…

 プーチン大統領が、北方領土での「共同経済活動」を行なう必要性に言及したからというのです。

 どういうことなのでしょうか?

 朝日新聞は、次のように解説しています。

<北方領土での共同経済活動>

 北方領土を巡る日本とロシアの信頼関係を深めるため、両国による合弁事業などの協力を進めようという考え。栽培漁業やインフラ整備などが対象として想定されてきた。ロシアは自らの法律の枠内で事業を進めるべきだという立場。日本の領土にロシアの法律を適用することは認められないと主張する日本との隔たりは大きく、本格的な協力は実現していない。

 要するに、北方領土で共同経済活動を行うということは、日本がロシアの領有権を認めてしまうことになって、そうなると北方4島は日本のものであるから、即、返還すべしという日本のこれまでの立場と矛盾していまうからなのです。

 そもそも、プーチン大統領の北方領土問題に関する基本的な考えは次のとおりなのです。

 「解決したい」、「領土の取引はしない」

 私、勝手な想像ですが、安倍総理は何か誤解をしているのではないかと思うのです。

 プーチン大統領だって北方領土問題を解決したがっている。だとしたら、話し合いの余地が十分あるのではないか、と。その一方で、プーチン大統領は、領土の取引はしないと言っているので、「北方領土を返還してくれるなら日本は経済協力に応じる」とか、「北方領土の返還に応じない以上、日本が経済協力を行うことはできない」(政経不可分の原則)という日本の従来の立場を改めない限り、事態は進展しない、と。

 ということで、安倍政権は、国際協力銀行による対露融資などを含め、既に前のめりで経済協力に着手しているところなのです。

 そして、もう少し日本が対露支援に積極的な姿勢を示せば、北方四島の返還に向けて動き出すのではないか、と。

 しかし…その可能性は小さいのではないでしょうか?

 ロシアの国民の多くが北方四島に対する考えを変えれば別ですが、返還なんてあり得ないと言っている訳ですから、そうした国民の意思に逆らってまでプーチン大統領が行動を起こすことはないでしょう。

 「でも、プーチン大統領も、解決したいと言っているでは?」

 勘違いしてはいけません。

 プーチン大統領がいう解決とは、日本に北方領土はロシアのものだと認めされることが解決なのです。そして、そのために「共同経済活動」を行なおうと言っているのです。

 まあ、日本が正式にロシアの領有権を認めたら、その上で、小さな島の2つほどはプレゼントしてあげてもいいと言うかもしれませんが、それも、日本がロシアの領有権を認めた上での話なのです。

 ということで、私プーチン大統領が来日しても、とても満足のいく結果が出るとは思えないのです。

 



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