円が120円台になりました。1年1ヶ月ぶりの円安です。

 どうして、ここにきて円安が進んでいるか分かりますか。実は、10日に発表にな
った米国の昨年11月の貿易赤字幅が市場予測よりも小さかったからとされてい
ます。

 昨年11月の貿易赤字は582億ドルの赤字なのですが、これは、前月に比べると
1.0%の減少となっているのです。また、これで3ヶ月連続で貿易赤字は縮小した
ことになります。さらに、市場の予測値(平均)は、595億ドルの赤字とされていた
らしく、その予測値をも下回る結果になったことが、円安が進んだ理由とされてい
ます。

 では、ここで基本的な質問です。

 米国の貿易赤字が小さくなると、どうしてドル高円安が進むのでしょうか。

 それは、米国の貿易赤字が大きければ、米国へ輸出した業者がその代金のド
ルを外為市場で売却するのに対し、米国の貿易収支が黒字であれば、海外の
輸入業者が米国の企業に代金を支払うためにドルを外為市場で購入する必要
があるからです。

 このメカニズムは、分かりやすいことだと思います。

 しかし、よく考えると、この答えは質問にマッチしたものにはなっていません。

 確かに、米国の貿易収支が黒字になったのであれば、ドル高が進むのは理解
できるのですが、いくら予想よりも改善したとはいえ、米国の11月の貿易収支は
582億ドルの巨額の赤字を計上しているのです。

 巨額の貿易赤字を計上しながら、どうしてドル高になるのでしょうか。

 実は、マーケットは、先々の出来事を予想し、それを織り込んだ上で相場を形
成しているのです。

 ということは、貿易収支が発表になる前の相場水準、例えば、1ドル=118円と
か119円という相場は、市場の予測(平均値)の595億ドル程度の貿易赤字を前
提としていたということです。

 ということで、マーケットは、経済指標が発表になってから、その指標に反応す
るのではなく、近々発表になる経済指標の予想値を予め織り込むという行動をと
るのです。そして、実際に指標が発表になった場合には、その指標が前期に比
べてどうかということが問題になるのではなく、マーケットの予想に比べどれくらい
乖離しているかが問題になるのです。

 そして、乖離が大きければ、それは「サプライズ」と表現される訳です。

 

 ただ、私からみれば、米国の06年の貿易赤字は過去最大になるのは確実であ
り、その事実からすれば、ドル高が進んでいることは解せないことです。では、そ
うした事実にも関わらずどうして、ドル高が進んでいるかと言えば、米国を始めと
する各国の通貨当局が「貿易の不均衡問題」を先送りする姿勢を示しているか
らです。

 そうした状況では、仮に、個人的にはドルはもう少し安くてもしかるべきだと感じ
ても、相場の流れに乗って、ディーリングを繰り返すことによって利益を上げるこ
とが賢明だと考えるから、一層ドル高になる傾向があるのです。

 

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