明日からAPECの首脳会合が開かれます。我が安倍首相も政府専用機で開催
地のシドニーに向け飛び立ちました。

 首脳会合の最大の関心事は、地球温暖化対策です。安倍首相はかねてから、
2050年までに温室効果ガスの排出量を半減する提案をしていますが、首相は、
出発に先立ち次のように言っています。

 「今回のAPECは地球温暖化、エネルギー問題、貿易の自由化について議論
することになる。日本の提案である(2050年までに温室効果ガス排出量を世界全
体で半減するとした)『美しい星50』を説明し、多くの国々の理解を得たい」

 

 うーん、「美しい」ですか。確かに宇宙からみた地球は美しいといいますが、ここ
まで環境が害されてしまった地球を、美しいと形容すると、何か、問題の本質が
分かっているのかと疑われそうな気がします。

 それに、前から言っていますが、2050年までに半減といっても、後43年も先の
ことで、そんなに時間をかけていたら完全に取り返しのつかないことになりそうで
す。それに排出量半減というのも、多くの科学者からみれば不十分なものでしか
ありません。大多数の科学者は、7割以上の削減をしないと、地球の気候は安定
しない、要するに温暖化は止まらないとみているからです。

 

 ところで、一足先にオーストラリア入りしている米国のブッシュ大統領は、中国
の胡国家主席と会談していますが、「経済成長を阻害しない形で温暖化対策を
進めるべきだ」との認識で一致したとされます。

 まあ、これが技術革新などによる効率化が可能な範囲で温室効果ガスの排出
削減に努めようというものであれば、温暖化の進展を遅らせることなどとても望
み薄に思えてしまいます。

 ただ、開発途上国側が、「自分たちは、これまで石油や石炭をそれほど使用し
たわけではない。今のような状態になったのは欧米を始めとする先進国側がふ
んだんに石油や石炭を使用したせいである。従って、開発途上国側にも先進国
並みの温室効果ガスの削減を求めるのは筋違いだ」と言うのは、少しは分かる
気もします。

 ただ、気持ちは分かるのですが、開発途上国側には、石油や石炭を大量に消
費しているあの中国も含んでいるのです。そんなことを言っていたら、いつまでた
っても効果的な地球温暖化対策が構築できません。



 私、これまでブッシュ大統領や安倍首相の政策を批判してきました。但し、マイ
ルドに。

 批判だけなら誰でもできるぞ、という意見もあると思います。


 そこで、今日は地球温暖化対策の提案をします。

 まず、これまで、京都議定書に反対してきたのは、先進国側では、アメリカとオ
ーストラリアでした。

 どうして、これらの国が強く反対しているのでしょう。

 それは、アメリカの石油会社やオーストラリアの石炭会社が、温室効果ガスの
排出削減が行われると、自分たちの利益が大きく損なわれると考えているからで
す。だから、莫大なお金を使って温室効果ガスと地球温暖化の因果関係は不確
かだと、宣伝してきたのです。

 でも、IPCCの第4次レポートでも、因果関係は確認され、米国も因果関係を認
めているのです。


 問題は、石油会社や石炭会社の既得権をどこまで保護してやるかです。いくら
石油や石炭の使用が、気候変動の主たる理由になっているとしても、石油や石
炭のお陰で我々の生活水準の向上がもたらされたことも事実です。

 しかし、その一方で、これ以上地球温暖化が進行してしまうと取り返しのつかな
い事態になる可能性が相当に強まっています。ということは、我々としては、地球
温暖化の阻止のために相当なお金を支払ってもしようがないということです。

 次に、開発途上国側も、温室効果ガスの排出量削減義務を課せられることを
嫌っています。それは、先ほど述べたような理由からで、今から先進国に追いつ
こうとしているときに、そんなことを言われても‥との思いでしょう。

 ということで、各国に温室効果ガス排出量削減の目標値を課すという考え方が
適当かという思いがしてきます。

 仮に、排出量についての目標値を設定するのではなく、石油や石炭の産出量
そのものに制限を設ける方法をとったら如何でしょう。

 例えば、温暖化を阻止し気候を安定化させるためには、90年時の3割程度の
石油や石炭の使用しか認められないというのであれば、生産量そのものに目標
値を設けるのです。

 この方法が可能であれば、石油や石炭を消費する各国に具体的な義務を課す
わけではないので交渉が容易になる可能性があります。

 ただ、今度は別の問題が発生します。

 石油や石炭の産出国からすれば、どうして、生産量を制限されなければいけな
いのかと。また、国ごとの生産量を設定するのも政治的に極めて難しいと言えま
しょう。

 そこで、世界中で1年間に生産できる石油と石炭の量を予め決めてしまうので
す。それは、先ほど言った90年時の3割とか1割とします。そして、その生産量を
ベースにして、石油・石炭産出権取引を開始するのです。石油や石炭を生産した
い国は、その市場で権利を購入することにより、初めて具体的な生産が可能に
なるようにさせるのです。

 でも、ここでまた問題が生じます。そんな義務に何で生産国側が従わねばなら
ないのかと。そうです。これは、あくまでも生産国側を含む世界全体が合意しな
いと機能しないシステムです。

 確かに、これまで何の制限もなく石油や石炭を産出してきた国が、急に制限を
課せられるとしたら大反対するでしょう。このため、生産国側の既得権を補償す
るために、こうしたシステムに賛同してくれるのであれば、これまでの利益に見合
う程度の補償金を支払うことを提案すればいいのです。

 これまでと同じ程度の利益が確保できるのであれば、そして、それに応じること
で地球の温暖化が防ぐことができるのであれば、こうした国々も反対する理由は
なくなります。

 ただ、生産国側に支払うお金は、誰がどのように分担するかについては、交渉
が必要です。

 これは、結局、国連の分担金と同じような考え方で、基本的には、各国のGDP
の規模に応じて資金を調達するしかないのではないでしょうか。



 ただ、一旦、生産国側がこのシステムに応じることになると、今度は、世界政府
(のような組織)には石油・石炭産出権の販売代金が収入として毎年入ってきま
すから、全く持ち出しになることもないのです。

 石油や石炭の産出国が、そんなに簡単に生産量の削減に応じるものだろうか
という向きもあるかも知れませんが、あのオイルショックを思い出して下さい。

 あのとき、OPEC諸国側は、自ら生産量を縮小しようとしたのです。

 何故か。それは、それによって石油価格を上昇させることができ、利益を増や
すことができるであろうと考えたからです。

 ということで、石油や石炭の産出国側にすれば、これまでと同じような利益が確
保できることが保証されるのであれば、産出量の削減に応じる可能性は十分あ
るのです。そして、世界的規模で、毎年の生産量の上限を制限することができれ
ば、今度は、それをベースに、産出権取引を開始し、効率的な生産を実現するこ
とが可能になるのです。そして、最終的に温室効果ガスの排出量を急減させるこ
とが可能になります。

 何よりも、大幅に生産量を圧縮をしながら、これまでと同じ程度の利益が確保
できるということになれば、これまで以上に地下資源を温存することができるの
で、生産国側にとっては大変魅力的な提案になるでしょう。

 

 ということで、石油・石炭の産出権取引を開始しましょう。

 8日、9日と首脳会議が開かれることになっていますが、地球温暖化がもたらす
深刻な影響を考えたら一刻の猶予も許されません。

 アメリカも、オーストラリアも、中国も、ぐだぐだ言うのは止めましょう。



 でも、まだ反対の声も聞こえそうです。

 石油や石炭の価格が暴騰するのではないかと。価格が高いとコスト高になり、
経済成長に影響がないのかと。

 確かに、石油や石炭の生産量が大幅に削減されるわけですから、価格は上が
るはずです。でも、経済にとって重要なのは価格水準自体ではないのです。急激
に価格が変動することが悪影響をもたらすだけなのです。従って、この点は、各
国の判断で、必要とあれば石油や石炭の価格変動を緩やかにするような手段を
とればいいだけの話です。

 それに、石油や石炭の産出量が制限されることになると、クリーンエネルギー
の開発が急激に促進され、その意味で経済が活性化される効果があります。


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