2010年03月02日

消費税で物価を上げる

 そこの貴方!

 そう、貴方です。貴方に質問したいと思います。質問は3つあります。

(1)貴方は、消費税の引き上げに賛成ですか、反対ですか。

(2)消費税は誰が負担しますか?

(3)現在5%の消費税率を10%に引き上げると、物価はどのくらい上が
  るでしょうか。


 さあ、如何でしょうか。答えについて考えてみたいところですが、その前
にもう一つ。

 NHKの職員が不祥事を引き起こしたとします。そんなとき、貴方はどう
思いますか?

 「それは怪しからんことだ!」

 では、民放の職員が不祥事を起こしたら、NHKの職員が不祥事を引き
起こしたときと同じように憤りますか?

 「いやー、NHKの職員の場合ほどじゃないかも‥」

 何故でしょう?

 「だって、NHKは受信料を我々から取っているじゃないの。民放はそう
ではないし‥」

 我々から徴収した受信料で運営されているから、国の機関みたいなも
のだということですね。では、民放の運営には、我々は貢献していないの
でしょうか?

 「民放は無料で見れるからね」

 では、我々はお金を払っていないと?

 「払ってないよ」

 では、誰が民放の運営費を出しているのでしょうか?

 「スポンサー。あんまり変なことを聞かないの!」

 じゃあ、スポンサーは、我々がテレビ番組を観て楽しむことができるよう
に慈悲心によりお金を出しているのでしょうか。

 そんなことはありません。ちゃんとスポンサーは我々が購入する商品の
価格に、CMの放映料を上乗せしているのです。つまり、我々消費者が、
民放の運営費を負担している、と。

 
 ということで、頭の体操を少ししてみました。

 本題に戻りましょう。

 先ず、消費税の引き上げに賛成か、反対か。これは、各人の好みの問
題でしょうから、賛成でも反対でもかまいません。

 「じゃあ、聞かなきゃいいのに!」

 では、消費税は誰が負担するのか?

 「誰って、商品を買う人でしょ」

 つまり、消費者が負担するということですね。

 「他に誰が負担してくれるのよ? 知らない間にお母さんが負担してい
るのかな」

 消費税をお母さんが負担することはないでしょうね。ですが、常に消費
者が負担するとも言えないのです。

 「いい加減な! 買い物をすると、毎回消費税も支払わされているじゃ
ないの」

 確かに、我々が支払う代価には消費税が含まれています。

 「でしょ?」

 ですが‥

 例えば、まだ、消費税が導入されていないときに100円の価格で売られ
ていたインスタントラーメンがあったとします。

 「まるちゃん?」

 で、政府が5%の消費税を導入することに決定するとします。そのイン
スタントラーメンは幾らになるでしょうか?」

 「幾らって‥、105円に決まっているじゃん」

 一応そういうことになるのでしょうが、もし、消費者がそうした増税による
値上げを嫌ったとしたら? つまり、インスタントラーメンの価格が上がる
ならば、暫く買うのを控えるとか、買うとしても、買う数量を減らすとか‥。
そうなると、メーカーは考えるでしょう。価格を下げるか、と。つまり、本体
価格を以前の100円から例えば95円に値下げして、それに5%分の5円
を消費税を乗せて、合計100円で売るとしたら?

 こうして本体価格が引き下げられることがあれば、我々は、今までと同
じ100円でインスタントラーメンを購入することになるわけです。

 「でも、そのときには本体価格は95円に値下げされていて、5円分の税
は、やはり消費者が負担しているのでは?」

 そういう見方をすれば、そのとおり。消費者が常に消費税を支払ってい
るということは事実でしょう。

 しかし、消費者は、課税される前も後も、同じように100円でインスタント
ラーメンを購入することができる一方で、メーカーの方は、以前は100円
の代金を受け取ることができたのに、課税後は、95円しか手元に残りま
せん。だとすれば、5%分の消費税は、実質的にはメーカーが支払ったと
いうことができるのです。

 「なーるほど」

 我々は、消費税は常に消費者が負担するものであり、企業には全く負
担がかかっていないように考えがちですが、本当はそうではないのです。
消費税の負担は企業側にもかかることがあるのです。それと同じようなこ
とは法人税についても言えることです。我々消費者は、消費税の増税に
ついては反対しても、法人税の増税には案外無頓着であるのではないで
しょうか。むしろ、消費税を上げるくらいだったら法人税を上げればいい
ではないか、と。如何にも法人税の引き上げは消費者とは関係がないよ
うな‥。でも、そんなことはないのです。企業側が自分たちに課せられる
税が増加すれば、その負担を消費者に転嫁しようとする、つまり、製品価
格を引き上げようとすることがあり得るからです。

 いずれにしても、消費税は形式的には消費者が負担しているが、実質
的には消費者と企業の双方によって負担されていると言えるのです。そし
て、その分担割合は、消費税の課税にともなう価格の上昇が大きければ
大きいほど消費者の負担が大きくなる、と。100円のインスタントラーメン
が105円になるならば、消費税は実質的に100%消費者が負担し、100
円のままであれば、実質的に100%メーカーが負担し、そして103円にな
ったら、そのときは本体価格が98円になり、そしてその5%が5円で、合
計103円になるので、3円分は消費者が実質的に負担し、2円分はメーカ
ーが負担している、と。

 3番目の質問は、もうお分かりのように消費税の引き上げによって価格
が幾らになるかというのは、何とも言えないというのが正解ということにな
ります。


 で、本日、私が言いたいのはこれからがメインということになります。今
までのはオードブル。

 貴方に質問します。消費税を引き上げたら、物価はどうなるか?

 もうお分かりですよね。幾ら上がるかは不明であるが、幾分は上がるで
あろう、と。だとすれば、デフレを解消したいと考える人にとっては、消費
税の増税は一つの検討材料になり得るであろう、と。ただ、大問題があり
ます。それは、消費税を増税すれば、価格の上昇、そして物価の上昇が
もたらされるであろうが、その一方で、消費者の所得に変化がなければ、
実質的な購買力が落ちるために、購入数量は減少し、実質GDPは減少
する、と。

 では、名目GDPは、どうなるのでしょうか?

 こちらは何とも言えないでしょう。価格の上昇以上に数量が減少してい
るとすれば、名目GDPは減少するでしょうが、価格の上昇ほどには数量
が減少しなければ、名目GDPは増加することになるでしょう。

 まあ、デフレの解消を第一に考える人にとっては、名目GDPが増加す
ればそれは大いに歓迎すべきだ、と。ただ、繰り返しになりますが、幾ら
名目GDPが増加しても、実質GDPが減少してしまうのでは、

「何の意味もない! 何の意味もない!」

 では、実質GDPを減少させずに済む方法はないのか?

 実質GDPの減少は、消費者の購買力が減少することによって引き起こ
されました。だったら、消費者の購買力が減少しないようにすればよい。

 何をすればいいのか?

 つまり、消費税として徴収した税金を、また、消費者や企業に定額給付
金とか減税分として還元すればいいということです。

 つまり、仮に100円のインスタントラーメンが105円に上昇したとしても、
消費者が支払った5円がまた国から給付金や減税などの形で還元される
ことになれば、結局消費者の負担は実質100円で済むわけですから、以
前と同じ量のインスタントラーメンを消費することができる、と。そして、そ
の一方で価格は105円となり、そうした結果の積み重ねにより物価が幾
らかでも上昇するのであれば、デフレを解消することが可能になるので
す。

 菅さんがどうしてもというのであれば、こうした案を検討しては如何でしょ
うか。

 消費税を上げる一方で、減税をしたり手当を支給する‥、結局、消費
税の増税を実現する作戦だな、と思う方がいるかもしれませんね。

 

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columnistseiji at 10:59│Comments(2)TrackBack(0)物価 | 菅財務大臣

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この記事へのコメント

1. Posted by レディア   2010年03月02日 12:56
>消費税として徴収した税金を、また、消費者や企業に定額給付金とか減税分として還元すればいい

増税した分は還元しますって何の意味があるんでしょうか。
モノの値段上がった時点でさらに消費が落ち込んで終わりでしょう。
さらに、消費量に応じて還元額が変わらないのであれば(個人の消費量なんて調べようないので必然的にそうなりますよね)
「使わなければ使わないほどお得」ってなりますよね普通。

家計も民間もお金ないんです。
増税なんかされたら消費がさらに減るんです。

増税→消費(需要)減→デフレギャップ増大→デフレ進行
民間企業潰す気ですか?

問題なのは「モノの値段が安いこと」じゃなくて「需要が少ない」ということでしょう?(笑)
単純に供給過剰なんですよ今は。
だから、政府のやるべき事は
「お金を配ること」ではなくて「お金を使うこと(公共事業とか)」だと思いますがどうですか?
2. Posted by zolist   2010年03月03日 00:34
おっしゃるとおり
消費税は企業負担になります。
しかも海外からの輸入と対抗する圧力もかかりますから、最終的にはそういう輸入品との原価勝負になります。結果、企業の人件費にしわ寄せがくるわけです。
消費税上げれば上げるほど海外に出口を求めて原価レベルで海外からの格安品と対抗を強いられるわけです。
消費税は今すぐ廃止すべきだし、代替は関税引き上げです。中国はWTOルール守らないし、コピー商品野放しです。また向うは法律で外資を意図的に制限しているので、日本企業が原価低減志向で部品レベルまで中国生産が加速すれば日本の強みはなくなります。
デフレを解消したかったら、個別に物余り製品でだぶついて分野で、その原因が海外からの格安品が原因である部分に狙い撃ちで関税をかけるべきなのです。
私の案では、関税だと世界がうるさいので海外からの流入には超高額消費税をかけ、純粋国内生産品や部品には消費税をかけるな。
こういう意見です。そして日米では結託して同じ消費税環境にする。中国や韓国製は消費税で締め出す。
これが日本の国益です。

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