我が国の政治家のなかには、未だにデフレからの脱却が最優先課題だなどと言っている人がいる訳です。しかも、日本経済は、他の先進国と比べて大変みじめな状態にあるかの如く。円高で輸出企業が打撃を受けているというのであれば分かるのです。でも、そうではなく、デフレで大変だと言うのです。

 確かに、長年我が国においては、物価が上がっていなかったのです。概ね年間1%ほど低下して
来たと言ってもいいでしょう。で、この現象を捉えて、デフレ過敏症の人々は、デフレだ、デフレだと騒ぎ立てるのです。

 もちろん、そうやって物価が落ちるなかで、実質GDPも毎年1%ほど低下しているのであれば、これは尋常ではないかもしれません。でも、実質GDPは概ね増え続けているのです。

 日本時間で明日、オバマ大統領が雇用について演説をすることになっており、大変関心が集まっています。演説のスタートの時間まで気にしている様子です。早くしないとフットボールの試合が始まって、国民が聴いてくれないぞ、と。

 
 日本も、雇用の回復が重要だと言う政治家が多いのです。確かに、それはそうでしょう。しかし、アメリカと日本の雇用状況の深刻さの違いがどれほどのものか政治家は分かっているのでしょうか。

 もし、野田総理が訪米し、オバマ大統領に対し、日本でも雇用回復に力を入れているなんて言ったとしたら、相手は嫌な顔をするでしょう。「それは嫌味なの?」と。

 どうしてでしょう? だって、アメリカの失業率は未だに9%台であるのです。そのアメリカに向かって、失業率が4%台の日本が、日本も雇用の回復に力を入れているなんて言ったとしたら‥やっぱり嫌味にしか聞こえないでしょう。

 つまり、雇用に関しては、オバマ大統領は、日本が羨ましくてしようがない!

 しかし、日本の政治家でそんなことについて言及する人はいない。失業中の方にはお気の毒ですが、全体としてみれば、日本の労働者はアメリカの労働者よりマシな状況にあるのです。


 FRBのバーナンキ議長は、リーマンショック以降よく言ってきたものです。「アメリカは、決して日本轍を踏んではいけない」と。「そのためには、どれだけでも金融を緩和する」と。

 確かに言ったとおり金融を緩和したのです。ゼロ金利政策も採用し、そして、タブーであった長期国債の買い取りまで実施したのです。
その結果、物価が低下するには至っていないのですが、しかし、雇用には効果がないのです。日本の轍を踏まないどころか、日本より悪い状態に陥っているのです。つまり、日本の方がラッキーであるのです。

 では、どうして日本の雇用はアメリカほど酷くならなかったのか?

 それは、一つには、日本経済が物価の低下を受け入れ、また、賃金の低下を受け入れ、全体として雇用の確保に熱心であったからなのです。翻ってアメリカはどうでしょう? 幾ら大統領が雇用の確保に全力を注ぐなどといっても、アメリカの大企業は、今や海外の安い労働力を利用するのは常識になっているのです。余りにも海外の労働力に頼るようになっているため、そうしたデータを外部には公表したがらないのだとか。失業者から批判されるのが嫌なのでしょう。


 ヨーロッパは如何でしょう?

 依然として落ち着きがみられないのです。問題は財政赤字に、金融危機であるのです。かつての日本と同じように問題の先送りをしているので、いつまで経っても疑念が払しょくされないのです。従って、ヨーロッパの方が、日本よりましな状況にある訳でもないのです。

 確かに、日本でもラッキーでないことがある訳です。何故、こんなに自然災害が起こるのでしょう。亡くなられた方々にはご冥福を祈る他ありません。

 しかし、皆助け合っています。今回の台風の被害は予想を遥かに超えるものでしたが、現地の高校生がボランティアで後片付けをするのに対して、お年寄りが有難いと言っていました。私も、そういう高校生がいることに対して、大変心温まるものを感じました。

 日本は、まだ幸せな方だ、と思って暮らした方がどれだけマシなことか!


 少なくても、雇用に関しては、日本の方がアメリカより恵まれているでしょう。また、だからこそ、アメリカは大統領が明日、国民に対し訴えかける訳なのです。「あなた方の窮状は分かっている」と。


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