野田総理って、一体何なのでしょうね?
「もちろん、日本の総理」
それは分かるのですが‥総理の仕事ってなんなのでしょう? 今回のTPP参加問題を巡る総理の言動は、総理として相応しいものなのでしょうか? 少なくても、国民の意見をよく聴き、そして、総理の考えを国民に示そうとした形跡は全くなし。
最後の一言も、イマイチ意味が不明なのです。 「TPP交渉参加へ向けて関係国との協議を始める」
この文言から判断する限り、まだTPPに参加すると決めた訳でもなさそうに見えるものの‥新聞などは、「参加表明」と報道しているのです。
これは我が国の政治家が得意とする玉虫色の表現ということでしょうか?
何故玉虫色でなければならないのか? 青にも見えるし、緑にも見え、時には黄色っぽくも見え、赤みを帯びることもある。ああ、これこそ玉虫色!
では、野田総理は腹のなかでは、どんなことを考えているのか? 腹のなかも玉虫色で、自分でも考えがまとまっていないのか?
答えは、イエスでもあり、ノーでもあるのです。
私、思うのです。野田総理は、TPPに参加して、アメリカのご機嫌を取りたいと考えていることでは間違いがない! そうやってアメリカを支援し、またアメリカから気に入られないと今後の政権運営が難しいのは間違いない、と。
だから、どうしてもTPPには参加したい。それに、TPPに参加すべきだということは経済界の願望でもあるし‥
では、農業について、野田総理はどう考えているか?
結局、野田総理の頭のなかは、そこのところが欠如しているということなのです。TPPに参加すると、日本の農業が壊滅するという人々がいる。その一方で、オレンジやサクランボの例を出し、日本の農業が壊滅するなんていう主張には根拠がないという人々がいる。実際には、どちらを信じるべきなのか?
それに、そもそも民主党の農業政策が間違っているのです。戸別補償によって農家を守るなんて政策が未来永劫続くわけがないのです。それに、そんなお金をもらいたくないと思っているのは農家自身でもあるのです。
一番の問題は、次のところにあるのです。農産物の関税を徐々に進めていくべきなのかどうか?
自由貿易論者であれば、暫定期間は置くとしても、当然そういう方向で進めるべきだという考えになるでしょう。具体的に言えば、こんにゃく芋の関税、コメの関税、牛肉やバターなどの関税を計画的にゼロに引き下げるべしとなるでしょう。
では、そうやって関税を引き下げたら、日本ではコメやコンニャク芋の生産が行われなくなってしまうのか? 或いは、仮にそうであるとして、そういった事態を受け入れるべきなのか、どうか?
そのことについて、はっきりと総理は考えを示すべきであるのです。日本がTPPに参加したら、稲作農家やコンニャク芋農家や酪農業者はどうなるのか、と。
で、ここで、日本はもっと第二次産業に特化して生きて行けばいいと言えば、非常に分かりやすい! しかし、第二次産業の特化するということは、日本の農業が衰退しても構わないということ
になり、それに対しては多くの国民が反対するのです。経済学者でも、そこまで言う人は極一部。というのも、そんなことを言えば、非常に冷たい人間と思われることを恐れるからなのでしょう。
「農家が可哀そうではないか!」「日本の食料自給率がさらに低下して安全保障上問題ではないか」なんて。それに、日本の国土から水田がなくなることになれば、生態系にも大きな影響を与えるだけではなく、国土保全上の問題も発生するでしょう。
私、思うのですが、農産物の関税を低くすれば、恐らく相当の影響があると思うのです。例えば、コンニャク芋の生産は落ちるでしょう。酪農業者のなかにも廃業を余儀なくされる者が続出するでしょう。そして、放棄される水田が増えるでしょう。しかし、日本の農業が壊滅的な状態になるかと言えば‥どうも、そんなことにはならない気がするのです。
早い話‥ブランド化された農産物は、生き残るということなのです。そして、それはサクランボやオレンジの件で、実証済みとも言えるのです。
だったら、何故、政府はそういう考えをもっと主張しないのか?
それは、彼らの農業政策に対する考えが浅薄なものでしかないからです。農水省や政治家の、日本の農業の強化策に関する基本的な考えは、日本の平均的な農地の面積を広大化し、そしてコスト低減を図るべきだというのです。つまり、日本も、アメリカやオーストラリアの農法をまねるべきだという考えであるのです。農地を集約化、広大化し、そして、遺伝子組み換え作物をもっと利用するようにすればよい、と。
しかし、日本とアメリカやオースオラリアの平均的農地面積は桁が違うのです。幾らその点で努力してもおいつかないでしょう。その上、遺伝子組み換え作物の権利は全て米国が握っているような状態ですから‥当然、米国の思い通りになるだけの話です。
言っておきますが、アメリカ式の農法で生産した作物など‥確かに今よりはコストを下げることはできるでしょうが、決して大きな需要を喚起することなどできないのです。つまり、全然消費者に訴えるところがない、と。今よりも安いとはいっても、しかし、アメリカのものよりは全然高い! しかも、アメリカと同じように遺伝子組み換えの農産物である、と。
では、日本の農家はどんな方向を進むべきか?
それは、日本の農家が得意とする方向を目指すということなのです。
アダムスミスやリカードは言ったのです。各国がそれぞれ得意な分野に力を入れて、そのうえで貿易の自由化を進めれば、世界の経済は発展する、と。
つまり、先ず我々は、日本の農業が有している相対的な優位点を確認することから始める必要があるのです。日本の農家が、アメリカやオーストラリアの農家より勝っているところは何か?
それはもう、棚田の風景を見れば分かるように、日本の場合には、自然と共生するという気持ちが残っていることだと思うのです。決して、自然を人間の力でコントロールしようなどとは思わない。なるだけ農薬の使用を最小限度に抑え、美味しい安全なものをつくるために骨身を惜しまない。
そうやって作った作物が美味しくない筈がありません。もちろん、そうやって人手がかかっている分コストは高くつくでしょう。しかし、幾ら高くても、世界には幾らでも日本でできた農産物を欲しいという消費者がいるのです。
野田総理は、何故、そうした農業の将来像を示そうとしないのか?
いずれにしても、幾ら野田総理がオバマ大統領にゴマをすろうとしたところで、日本がTPPに加入したくらいで、米国の失業問題が解決するものではないのです。むしろあまり米国に期待させない方が、本当の親切であるような気もするのです。
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「もちろん、日本の総理」
それは分かるのですが‥総理の仕事ってなんなのでしょう? 今回のTPP参加問題を巡る総理の言動は、総理として相応しいものなのでしょうか? 少なくても、国民の意見をよく聴き、そして、総理の考えを国民に示そうとした形跡は全くなし。
最後の一言も、イマイチ意味が不明なのです。 「TPP交渉参加へ向けて関係国との協議を始める」
この文言から判断する限り、まだTPPに参加すると決めた訳でもなさそうに見えるものの‥新聞などは、「参加表明」と報道しているのです。
これは我が国の政治家が得意とする玉虫色の表現ということでしょうか?
何故玉虫色でなければならないのか? 青にも見えるし、緑にも見え、時には黄色っぽくも見え、赤みを帯びることもある。ああ、これこそ玉虫色!
では、野田総理は腹のなかでは、どんなことを考えているのか? 腹のなかも玉虫色で、自分でも考えがまとまっていないのか?
答えは、イエスでもあり、ノーでもあるのです。
私、思うのです。野田総理は、TPPに参加して、アメリカのご機嫌を取りたいと考えていることでは間違いがない! そうやってアメリカを支援し、またアメリカから気に入られないと今後の政権運営が難しいのは間違いない、と。
だから、どうしてもTPPには参加したい。それに、TPPに参加すべきだということは経済界の願望でもあるし‥
では、農業について、野田総理はどう考えているか?
結局、野田総理の頭のなかは、そこのところが欠如しているということなのです。TPPに参加すると、日本の農業が壊滅するという人々がいる。その一方で、オレンジやサクランボの例を出し、日本の農業が壊滅するなんていう主張には根拠がないという人々がいる。実際には、どちらを信じるべきなのか?
それに、そもそも民主党の農業政策が間違っているのです。戸別補償によって農家を守るなんて政策が未来永劫続くわけがないのです。それに、そんなお金をもらいたくないと思っているのは農家自身でもあるのです。
一番の問題は、次のところにあるのです。農産物の関税を徐々に進めていくべきなのかどうか?
自由貿易論者であれば、暫定期間は置くとしても、当然そういう方向で進めるべきだという考えになるでしょう。具体的に言えば、こんにゃく芋の関税、コメの関税、牛肉やバターなどの関税を計画的にゼロに引き下げるべしとなるでしょう。
では、そうやって関税を引き下げたら、日本ではコメやコンニャク芋の生産が行われなくなってしまうのか? 或いは、仮にそうであるとして、そういった事態を受け入れるべきなのか、どうか?
そのことについて、はっきりと総理は考えを示すべきであるのです。日本がTPPに参加したら、稲作農家やコンニャク芋農家や酪農業者はどうなるのか、と。
で、ここで、日本はもっと第二次産業に特化して生きて行けばいいと言えば、非常に分かりやすい! しかし、第二次産業の特化するということは、日本の農業が衰退しても構わないということ
になり、それに対しては多くの国民が反対するのです。経済学者でも、そこまで言う人は極一部。というのも、そんなことを言えば、非常に冷たい人間と思われることを恐れるからなのでしょう。
「農家が可哀そうではないか!」「日本の食料自給率がさらに低下して安全保障上問題ではないか」なんて。それに、日本の国土から水田がなくなることになれば、生態系にも大きな影響を与えるだけではなく、国土保全上の問題も発生するでしょう。
私、思うのですが、農産物の関税を低くすれば、恐らく相当の影響があると思うのです。例えば、コンニャク芋の生産は落ちるでしょう。酪農業者のなかにも廃業を余儀なくされる者が続出するでしょう。そして、放棄される水田が増えるでしょう。しかし、日本の農業が壊滅的な状態になるかと言えば‥どうも、そんなことにはならない気がするのです。
早い話‥ブランド化された農産物は、生き残るということなのです。そして、それはサクランボやオレンジの件で、実証済みとも言えるのです。
だったら、何故、政府はそういう考えをもっと主張しないのか?
それは、彼らの農業政策に対する考えが浅薄なものでしかないからです。農水省や政治家の、日本の農業の強化策に関する基本的な考えは、日本の平均的な農地の面積を広大化し、そしてコスト低減を図るべきだというのです。つまり、日本も、アメリカやオーストラリアの農法をまねるべきだという考えであるのです。農地を集約化、広大化し、そして、遺伝子組み換え作物をもっと利用するようにすればよい、と。
しかし、日本とアメリカやオースオラリアの平均的農地面積は桁が違うのです。幾らその点で努力してもおいつかないでしょう。その上、遺伝子組み換え作物の権利は全て米国が握っているような状態ですから‥当然、米国の思い通りになるだけの話です。
言っておきますが、アメリカ式の農法で生産した作物など‥確かに今よりはコストを下げることはできるでしょうが、決して大きな需要を喚起することなどできないのです。つまり、全然消費者に訴えるところがない、と。今よりも安いとはいっても、しかし、アメリカのものよりは全然高い! しかも、アメリカと同じように遺伝子組み換えの農産物である、と。
では、日本の農家はどんな方向を進むべきか?
それは、日本の農家が得意とする方向を目指すということなのです。
アダムスミスやリカードは言ったのです。各国がそれぞれ得意な分野に力を入れて、そのうえで貿易の自由化を進めれば、世界の経済は発展する、と。
つまり、先ず我々は、日本の農業が有している相対的な優位点を確認することから始める必要があるのです。日本の農家が、アメリカやオーストラリアの農家より勝っているところは何か?
それはもう、棚田の風景を見れば分かるように、日本の場合には、自然と共生するという気持ちが残っていることだと思うのです。決して、自然を人間の力でコントロールしようなどとは思わない。なるだけ農薬の使用を最小限度に抑え、美味しい安全なものをつくるために骨身を惜しまない。
そうやって作った作物が美味しくない筈がありません。もちろん、そうやって人手がかかっている分コストは高くつくでしょう。しかし、幾ら高くても、世界には幾らでも日本でできた農産物を欲しいという消費者がいるのです。
野田総理は、何故、そうした農業の将来像を示そうとしないのか?
いずれにしても、幾ら野田総理がオバマ大統領にゴマをすろうとしたところで、日本がTPPに加入したくらいで、米国の失業問題が解決するものではないのです。むしろあまり米国に期待させない方が、本当の親切であるような気もするのです。
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コメント
コメント一覧 (2)
頑丈な足枷を嵌められて、どうやってTPP?
是非ドジョウのお手並みを拝見したいわ。
(出来たら、すごい芸当!)
初心に帰って「国民目線」の政治をしていただきたいと思います。今度の増税予想金額を見ると一般家計が最も金額ベースで多かった。ちゃんと納税負担の多い所に目配りをしないと内需が落ち込むのでは?と心配です。
農産物供給に余力があれば米豪のように輸出努力をするのが普通に思えます。でも日本の農政は減反政策で耕作放棄地を増やし農地は荒廃、豊作になると野菜を廃棄する。常に供給過剰を怖れて生産調整を農家に強いる農業政策を見ていると農政に関わる人びとが農地農作物農民を本当に大切に思っているのか時々疑問に思います。