スペインの銀行救済が決定して少しは事態が改善するのかと思いきや、その反対。むしろ、スペイン国債の利回りは上昇し、そしてそれに煽られたかのようにイタリア国債の利回りも上昇しているのです。

 ともに利回りは6%台であり、両国がこのような高金利を支払い続けることはとても無理であるのです。
 
 では、どうするか?

 私の考えによれば、欧州が余りにも理想的な姿を追い求めていることが危機の背景にあるのです。だとすれば、一時理想追求を休止して、現実路線に戻ることがいいのではないかということになるのです。

 では、現実路線とは何か?

 つまり、ユーロ圏にとどまる資格のないような国は、この際、ユーロを一時的にでもいいから離脱して経済の再生を先ず優先する、と。そうなのです、財政再建の前に経済回復を優先するのです。そして、経済回復に当たっては、自国通貨に復帰し、その自国通貨の価値が大きく下がることを武器にすべきであるのです。

 しかし‥私だって十分認識しているのです。

 そもそも、ギリシャ自身がユーロ離脱を望んでいない、と。そして、ユーロ圏のリーダー格のドイツやフランスもそれを望んでいない、と。さらに言えば、我が国のマスコミも、決してギリシャのユーロ離脱を支持することはないのです。

 まあ、ギリシャの国民がユーロ離脱を望まないというのは分からないではありません。というのも、ギリシャの国民は、自分たちの生産能力を引き上げることよりも、自分たちの消費水準をどうにか維持したいと、そんなことばかり考えているからなのです。ドラクマに復帰して、そのドラクマの価値が二束三文になってしまったら、必要な品物をもはや海外から手軽に輸入することができなくなってしまう、と。

 では、何故我が国のマスコミまで、ギリシャのユーロ離脱に反対するのか?

 彼らの普段の言動からすると、この態度はどうも納得がいかないのです。というのも、日本のマスコミは、常々、円安に誘導することによって日本の輸出産業を救済すべきだなんてことばかり言っているからです。もし、その考えが正しいのであれば、ギリシャについても、ドラクマの価値が下がることによってギリシャ経済が救済されることになると言うシナリオをどうして支持しないのか?

 いずれにしても、欧州の関係者は誰もギリシャのユーロ離脱を望まない。従って、外部の者が幾らユーロ離脱のメリットを生かしてみたら‥なんてアドバイスをしても、何の意味もない!

 でも問題は、ギリシャのユーロ離脱を望まないのであれば、それならそれに相応しい行動をドイツを中心としたユーロ圏諸国がすべきであるのに、それもしない、と。つまり、もっともっと積極的にギリシャやスペインなどの救済に動くべきなのに‥どうして真面目に働くドイツ国民が、遊んでばかりいるギリシャ人を助ける必要があるのかなんて、不満たらたらであるのです。

 一体全体ユーロ圏とは何なのか?

 もちろん、決して一つの国ではない、と。遠い将来において一つの国になることが理想であるかもしれないが、決して今は一つの国ではない。しかし、ユーロを使用している国は、もはや自国の通貨を発行するという通貨主権を放棄しており、通貨の面だけで考えると、ユーロ圏は如何にも一つの国であるかのような様相を呈しているのです。

 問題は、そうやってユーロを利用することに伴うメリットを享受することと引き換えに、自国の通貨を自由に発行することができなくなったことにあるのです。自国の通貨を自由に発行できる間は、取り敢えずは不良債権に悩む銀行を救済するために、政府は幾らでも中央銀行に通貨を発行させることによって乗り切ることができる訳ですが、その手段がユーロ圏に加入していることによって利用できなくなっているのです。

 もちろん、スペインやギリシャの政府がそうした通貨発行の権利をはく奪されていても、欧州中央銀行が危機を回避するために、あたかも自国の危機だという認識でスペインの銀行の資金注入をすることができれば、スペインの金融危機も速やかに収束させることが可能となるでしょう。

 では、欧州中央銀行は何故果敢に行動しないのか?

 それは、欧州中央銀行自体が、或いはリーダー格のドイツ自身が、ギリシャやスペインを「他の国」とみなして、彼らが緊縮財政に取り組まない限り支援はすべきではない、という考えに固執しているからであるのです。

 でも、もし、欧州中央銀行やドイツが、そのような硬直的な考えに固執するのであれば、だったらギリシャのユーロ離脱を認めるのが筋であると思うのです。そして、どうしてもユーロ離脱を認めたくないというのであれば、この際は危機回避のためにもっと果敢に欧州中央銀行が行動すべきであると思うのです。





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