本日は、今年に入って私が一番唖然とした経済ニュースについて、です。
本日、読売新聞が報じていました。タイトルは、「上場企業の行動基準、自民が策定検討へ」
さあ、如何でしょうか?
このタイトルを見て、アレレと感じた方は感性が豊かです。その反対に何にも感じない方は、相当に感性が摩耗しているかも。
上場企業の行動基準を、然るべき行政当局が検討するというような内容であれば、何も不自然ではないのです。第一に関係してくるのは、法務省でしょう。何故なら、商法は法務省が所管するものであるからです。だから、法務省がそのような検討をするというのであれば、何にも不思議には思いません。
しかし、主語は、自民党なのです。
おかしいでしょう?
それに、自民党の政治家にどれだけコーポレートガバナンスの専門家がいるというのでしょうか? 百歩譲って、そうした分野の専門家がいたとしても、上場企業の行動基準を策定するのは、政党の仕事にはなり得ないのです。最大限譲歩して、自民党が上場企業の行動基準に関する見直し案を提言するというのなら分かります。でも、そうではなく、自分たちが基準を作るという訳ですから。
もちろん、日本は民主主義の国。従って、国民から選出された議員によって構成される国会で、上場企業の基準を作ることができない訳ではない。
しかし、それは大変に専門的なことであり、いきなり政治家の先生方がああだ、こうだというような問題ではないのです。
初めに、そのような基準を改正する必要があるとして、何が問題なのか、どのような方向を目指すべきかなどについて、関係者や専門家の意見を集約した上で、改正に向けて党として議論をするのなら分かるのです。
でも、今回やろうとしていることは、そのようなことではないのです。
記事の内容を見てみましょう。
「自民党は、取締役の選び方や取締役会の運営方法などで上場企業がとるべき行動基準の策定を検討する。行動基準に強制力はないが、満たさない企業には理由の説明を求める」
自民党が基準を策定して、そうした基準を満たさない企業には、釈明を求めるのですって。
日本は法治国家であるのです。法律でもなんでもない、自民党が作った単なる基準を満たさなかったからといって、何故いちいち企業が自民党にその訳を説明しなければならないのでしょう。
自民党の人々のなかには大変聡明な方も多いので、そのようなことが実現する筈はないとは思うのですが‥
でも、そう言えば、賃金の引き上げに応じない企業には経済産業省の幹部職員が出向いて、その理由をヒアリングするなんてニュースが、昨年出ていたことがありましたよね。
それと全く似たような話です。
少しばかり感覚がずれているのではないでしょうか。
「高い水準の企業統治を実現することで、外国からの投資を促す狙いもある」
高い水準の企業統治を実現できると、外国からの投資を促すかもしれない?
逆ではないでしょうか? そうでしょう? 企業なんてものは、規制が少なければ少ないほど嬉しがるのです。税金にしても同じ。税率が低ければ低いほどいい、と。
一体全体、自民党は何を考えているのか?
「6日に開く党の金融調査会で議論を始め、政府が6月に改定する成長戦略に盛り込みたい考えだ」
はは〜、何となく事情が呑み込めてきたような気がします。要するに、成長戦略に何か盛り込む必要があるが、なかなかいいタマがないので、コーポレートガバナンスの改革が注目されたということなのですね。
「同様の行動基準は欧州各国で採用されている。従うかどうかは企業の判断だが、会社法や証券取引所の上場規則より高い目標を掲げる」
従うかどうかが企業の判断次第だったら‥何の意味もない! 何の意味もない! オッパッピー!
「社外取締役の設置については、改正会社法案では義務化が見送られたが、自民党内には、『複数人の設置を求める』との案が出ている」
私、社外取締役に関して、多くの方が過大な期待をしているというか誤解があると思うのです。会社内の者だけで構成された取締役会では自由な議論が期待できず、また、トップの独断を牽制することもできないから‥と。
一時期、社外取締役を置くことが流行になったこともありましたよね。著名な弁護士さんや会計士さん、或いは元テレビ局のアナウンサーなどが起用されたこともありました。
その結果は、どうだったか?
何の意味もなかった、と言っていいでしょう。それどころか、後になって破綻したり、不祥事を起こしたりした企業にどれだけ著名な社外取締役がいたことか。
社外取締役に起用された方は、自分に白羽の矢がたった上に、多額の報酬を得られるので、大満足。しかし、そのような場合、大抵そこのボスに利用されることがオチなのです。そもそも、自分が余り事情を知らない業界の社外取締役に就任して、どうして大胆な意見などいうことができるでしょう。それに会社内の事情など殆ど分からないのですから。さらに言えば、そもそも自分を起用してくれたその会社のボスに、どうしたら苦いことを言うことなどできるか、と。
「取締役の報酬を個別開示することを求めるかどうかや、取締役会での議論を活性化させるため、取締役の人数に一定の枠を設ける案も検討されそうだ」
取締役の人数に枠を設けるだなんて、そのようなことがどうしてできるのか、と。法治国家の意味が分かっているのでしょうか?
「企業の反発も予想されるが、自民党内には、『投資家の判断にも役立ち、市場の活性化にもつながる』との声が多い」
自民党のなかでどのような人が、そのような意見をお持ちなのか、是非教えて欲しいものなのです。
いずれにしても、そもそも自民党という自分たちの組織のガバナンスも十分にできていないことをちゃんと認識しているのか、と言いたい。 だから、自民党は歴史的使命を果たしたなんて言って去って行った男を応援する羽目になったいるのでしょう?
企業や経済界に理解のあるはずの自民党が、そんなことを考えているなんて‥と思った方、クリックをお願い致します。
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本日、読売新聞が報じていました。タイトルは、「上場企業の行動基準、自民が策定検討へ」
さあ、如何でしょうか?
このタイトルを見て、アレレと感じた方は感性が豊かです。その反対に何にも感じない方は、相当に感性が摩耗しているかも。
上場企業の行動基準を、然るべき行政当局が検討するというような内容であれば、何も不自然ではないのです。第一に関係してくるのは、法務省でしょう。何故なら、商法は法務省が所管するものであるからです。だから、法務省がそのような検討をするというのであれば、何にも不思議には思いません。
しかし、主語は、自民党なのです。
おかしいでしょう?
それに、自民党の政治家にどれだけコーポレートガバナンスの専門家がいるというのでしょうか? 百歩譲って、そうした分野の専門家がいたとしても、上場企業の行動基準を策定するのは、政党の仕事にはなり得ないのです。最大限譲歩して、自民党が上場企業の行動基準に関する見直し案を提言するというのなら分かります。でも、そうではなく、自分たちが基準を作るという訳ですから。
もちろん、日本は民主主義の国。従って、国民から選出された議員によって構成される国会で、上場企業の基準を作ることができない訳ではない。
しかし、それは大変に専門的なことであり、いきなり政治家の先生方がああだ、こうだというような問題ではないのです。
初めに、そのような基準を改正する必要があるとして、何が問題なのか、どのような方向を目指すべきかなどについて、関係者や専門家の意見を集約した上で、改正に向けて党として議論をするのなら分かるのです。
でも、今回やろうとしていることは、そのようなことではないのです。
記事の内容を見てみましょう。
「自民党は、取締役の選び方や取締役会の運営方法などで上場企業がとるべき行動基準の策定を検討する。行動基準に強制力はないが、満たさない企業には理由の説明を求める」
自民党が基準を策定して、そうした基準を満たさない企業には、釈明を求めるのですって。
日本は法治国家であるのです。法律でもなんでもない、自民党が作った単なる基準を満たさなかったからといって、何故いちいち企業が自民党にその訳を説明しなければならないのでしょう。
自民党の人々のなかには大変聡明な方も多いので、そのようなことが実現する筈はないとは思うのですが‥
でも、そう言えば、賃金の引き上げに応じない企業には経済産業省の幹部職員が出向いて、その理由をヒアリングするなんてニュースが、昨年出ていたことがありましたよね。
それと全く似たような話です。
少しばかり感覚がずれているのではないでしょうか。
「高い水準の企業統治を実現することで、外国からの投資を促す狙いもある」
高い水準の企業統治を実現できると、外国からの投資を促すかもしれない?
逆ではないでしょうか? そうでしょう? 企業なんてものは、規制が少なければ少ないほど嬉しがるのです。税金にしても同じ。税率が低ければ低いほどいい、と。
一体全体、自民党は何を考えているのか?
「6日に開く党の金融調査会で議論を始め、政府が6月に改定する成長戦略に盛り込みたい考えだ」
はは〜、何となく事情が呑み込めてきたような気がします。要するに、成長戦略に何か盛り込む必要があるが、なかなかいいタマがないので、コーポレートガバナンスの改革が注目されたということなのですね。
「同様の行動基準は欧州各国で採用されている。従うかどうかは企業の判断だが、会社法や証券取引所の上場規則より高い目標を掲げる」
従うかどうかが企業の判断次第だったら‥何の意味もない! 何の意味もない! オッパッピー!
「社外取締役の設置については、改正会社法案では義務化が見送られたが、自民党内には、『複数人の設置を求める』との案が出ている」
私、社外取締役に関して、多くの方が過大な期待をしているというか誤解があると思うのです。会社内の者だけで構成された取締役会では自由な議論が期待できず、また、トップの独断を牽制することもできないから‥と。
一時期、社外取締役を置くことが流行になったこともありましたよね。著名な弁護士さんや会計士さん、或いは元テレビ局のアナウンサーなどが起用されたこともありました。
その結果は、どうだったか?
何の意味もなかった、と言っていいでしょう。それどころか、後になって破綻したり、不祥事を起こしたりした企業にどれだけ著名な社外取締役がいたことか。
社外取締役に起用された方は、自分に白羽の矢がたった上に、多額の報酬を得られるので、大満足。しかし、そのような場合、大抵そこのボスに利用されることがオチなのです。そもそも、自分が余り事情を知らない業界の社外取締役に就任して、どうして大胆な意見などいうことができるでしょう。それに会社内の事情など殆ど分からないのですから。さらに言えば、そもそも自分を起用してくれたその会社のボスに、どうしたら苦いことを言うことなどできるか、と。
「取締役の報酬を個別開示することを求めるかどうかや、取締役会での議論を活性化させるため、取締役の人数に一定の枠を設ける案も検討されそうだ」
取締役の人数に枠を設けるだなんて、そのようなことがどうしてできるのか、と。法治国家の意味が分かっているのでしょうか?
「企業の反発も予想されるが、自民党内には、『投資家の判断にも役立ち、市場の活性化にもつながる』との声が多い」
自民党のなかでどのような人が、そのような意見をお持ちなのか、是非教えて欲しいものなのです。
いずれにしても、そもそも自民党という自分たちの組織のガバナンスも十分にできていないことをちゃんと認識しているのか、と言いたい。 だから、自民党は歴史的使命を果たしたなんて言って去って行った男を応援する羽目になったいるのでしょう?
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