ネット上でニュースをチェックしていると、こんなタイトルを見つけました。

 「中国ODAに年間300億円!日本政府『盗人追い銭』実態」

 週刊大衆の3月3日号がそんなタイトルの記事を掲載しているというのです。

 なんでも無償資金協力と技術協力を相変わらず中国に供与しており、その総額が年間300億円にも達しているのだ、と。

 こんなニュースに接した日本人の多くは、「何故?」という思いを禁じ得ないと思うのです。

 だって、そうでしょう? 尖閣は自国の領土だと言い張る中国に、そして、首脳会談も実現できない中国に、何故ODAを供与する必要があるのか、と

 本当に今でもそんな状態が続いているのか? 私は、実態を調べるために外務省のサイトチェックしてみました。

 しかし、これが本当に分かりにくい。

 外務省のサイトで「対中ODA実績概要」をクリックしても、出てくるのは次のような情報のみ。

 「対中ODAは、1979年に開始され、これまでに有償資金協力(円借款)を約3兆1,331億円(PDF)、無償資金協力を1,457億円(PDF)、技術協力を1,446億円(PDF)、総額約3兆円以上のODAを実施してきました。( 関連リンク / 対中ODAの累積額(PDF) )」

 しかも、そのデータは、2005年5月時点のものなのです。

 おい、外務省! 国民を舐めているのか! と思わず言いたくなってしまうのです。

 「関連リンク / 対中ODAの累積額(PDF)」をクリックしても、2003年度までの計数しか出ていません。

 おい、外務省! いい加減にしろよ! と言いたくなってしまいます。

 次に「最新の情報」というのをクリックすると、そこでも平成13年10月策定の対中経済協力計画しか出てきません。

 ああ、これが外務省なのかと思いつつ、今度は「国別データブック(中華人民共和国)」をクリックするとやっと、2010年度までの対中国経済協力実績が出てきました。

 2010年度の実績(支出純額ベース)に関して、次のような数値が出ています。

 円借款 -552.87億円。つまり、過去に供与した貸付けの回収が552.87億円行われたということなのでしょう。無償資金協力は13億円、そして、技術協力は347.21億円となっています。

 はは〜、この技術協力の347.21億円のことを週刊大衆は言っているのか、なんて思いつつ‥しかし、最新版のODA白書はまだ発表されていないのかと急に疑問に思ったのです。

 で、ググってみると‥な、な、なんと、先週の21日に2013年版のODA白書が公表されているではないですか。早くそう言えよ、外務省!

 ODA白書は、外部の人にみてもらうために作っているので、随分分かり易いものになっているようです。

 中国向けのODAに関し、次のようなことが記されていました。

 「中国との関係
(前半省略)
 一方、中国は経済的に発展し、技術的な水準も向上しており、また、中国自身の資金調達能力と民間資金の流入が大幅に増大するなど、ODAによる中国への支援は既に一定の役割を果たしました。対中国ODAの大部分を占めてきた円借款については、中国の経済・社会発展を象徴する2008年の北京オリンピック前までにその新規供与を円満に終了することについて日中間で共通認識に達し、2007年12月1日に交換公文に署名した2007年度案件が最後の新規供与となりました。

 対中国ODAが既に一定の役割を果たしたことを踏まえ、現在では、両国が直面する共通の課題であって、日本国民の生命や安全に直接影響するもの(たとえば、日本への越境公害、黄砂、感染症、食品の安全など)といった、限定され、かつ日本のためにもなる分野に絞り込んでODAを実施しています。」

 そう言えば、円借款は北京オリンピックを境に終了していたのでした。それから、無償資金協力は、日本国民の生命や安全に直接影響するものに限定されているのだな、なんて思いつつ‥しかし、計数も確認する必要があります。

 週刊大衆は言いました。日本は技術協力などを主体に依然中国に年間300億円ほどの援助を行っている、と。

 しか〜し、それは2つの意味で間違っていたことが分かりました。

 な、な、なんと、まだ円借款は供与され続けていたのです。

 2013年版のODA白書には、「2007年度案件が最後の新規供与となりました」なんて書いているので、もうとっくに終わっているのかと思いきや‥まだ当時の契約に基づいて2012年中にも貸付を実施したのが390.76億円もあるのです。

 どう思いますか? まだ、日本は円借款の供与を続けていたのです。

 もちろん、回収分もありますから、差引き合計では、2012年はマイナス980.04億円になっているのですが、貸付が実施され続けているのです。

 何故そのことを外務省は国民に説明しないのか?

 その一方で、2012年の対中国向けの技術協力は131.68億円とかつてよりも小額になっていました。しかし、それでも他国に対する技術協力と比べると、依然として中国に対する技術協力は相当に大きなものであるのは間違いがないのです。

 一体何故日本は中国に対し、無償資金協力や技術協力を供与し続けるのか?

 ご承知のとおり、中国は米国債の世界一の保有国なのにです。

 そのような国に何故?

 それにアフリカ諸国などに対して中国自身がODAを供与する立場に立っているのにです。

 ODA白書では、例えば、黄砂やPM2.5などの対策のために日本が協力をすることは日本のためになると言いますが‥少なくてもPM2.5の被害に関しては日本が中国に賠償を求めてもいい位なものなのです。

 尖閣は中国のものだと主張するだけでなく、日本の領空侵犯までする中国。

 なのに何故ODAを供与するの、外務省さん?

 私には、そうやってある程度のお金を中国に渡さないことには、中国での生活の安全が守られないからと、外交官や日本のビジネスマンたちが感じているからだとしか思われないのですが‥

 でも、それが本当の理由だとしたら‥怖いことなのです。

 最後に、外務省の立場に立って一言。

 どういう訳か、欧州勢や米国まで、中国へのODAを、規模はそれほど大きくないながらも増やしているのです。他の先進国も、中国のご機嫌を取らないことには中国でビジネスがしづらいということなのでしょうか。





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