突然ですが、増税は必要だと思いますか、それとも?
間違わないで下さいよ、増税が好きか嫌いかという質問ではないのです。増税が嫌いなのは分かっています。そうではなく、日本の将来を考えたとき、増税は止むを得ないかどうかと聞いているのです。
如何でしょう?
そういう質問なら、増税は止むを得ないとお答えになる方も多いと思います。
しかし、消費税増税の再延期を支持するかどうか、なんて聞くものだから、だったら先延ばしした方が嬉しいとなるのです。
では、増税の先延ばしを歓迎した人に、延期期間の2年半が過ぎたら、どうすべきなのかと聞いたら、どう答えるのでしょうか?
さらに延期すべきだと答えるのでしょうか? 消費税を根っから嫌う人は、むしろ消費税など廃止してしまえと答えるかもしれません。
それはそれで、一つの選択肢だと思うのです。
では、それはそれとして…今のまま国債の発行残高が増えることに何も手を打たなくてもいいのかと聞けば、どう答えるのでしょうか?
消費税など廃止してしまえという人でも、財政について真剣に考えるのであれば、その代わり所得税や法人税を増税すべきだと答えるかもしれません。
しかし、世の中には極一部だとは思うのですが、政府の借金など全く気にすることはないと主張する人がいるのです。
この記事を今、お読みになっているあなたに聞きたいと思います。
貴方は政府の借金など気にすることはないと思いますか?
もし、そのようなお考えであれば、この先を読む必要はありません。さようなら。
でも、極一部の人が、どうして政府の借金など気にする必要はない、などというかと言えば…
(1)政府の債務は、国民の債権であり、合算して見れば、プラマイゼロ。だから、気にする必要はない、と。
(2)日本銀行は、幾らでもお札を刷ることができるので、いざとなれば、政府が日銀からお金を借りれば、幾らでも国債の償還に応じることができる、と。
(3)財政の健全化を主張する者は、政府の借金が増えるとインフレが起きると主張するが、今は、インフレよりもデフレについて心配すべきであり、インフレが起きていない状況で政府が借金を増やしても全然問題ではない。むしろマイルドなインフレが起きるまで借金を増やす方がいい、と。
まあ、このようなことを臆面もなく主張する訳ですが…
もし、貴方が国債を保有しているならば、こんことを言われた日には、怖くて国債を保有し続けることなどできなくなるでしょう。
政府の債務は国民の債権を意味するなんて言うことは、債権をチャラにすることを仄めかしているからです。また、お札をどんどん刷ってそれで返すというのも、そうなると本当にハイパーインフレが起きる可能性があるので、結局、価値のないお札で償還してもらうのと同じこと。
結局、そうなると誰も国債を保有する人がいなくなり、政府は資金繰りが付かなくなってしまうのです。
日銀にお金を借りれば問題ない?
でも、それは事実上、財政が破綻したことと同じなのです。
政府の発行する国債を国民が保有したがらないので、政府が日銀からお金を借りれば、取り敢えず資金繰りに窮することはなさそうに見えますが、しかし、誰も国債を保有したがらないという状況では、恐らく日銀券の信用もなくなっているとしか思えないからです。
要するに、こんな主張は、全くのファンタジーにしか過ぎないのです。
となると、消費税の増税が望ましいかどうかは別として、何らかの増税か、何らかの歳出削減か、或いはまた、そうしたことの組み合わせによって財政再建を図るしかありません。
今回、再び消費税増税の延期が事実上決定されました。安倍総理は、消費税増税は需要を腰折れさせる懸念があると言っています。でも、そんなことを言うのであれば、何故自民党は、3党合意に加わったのかということになるのです。というのも、消費税を引き上げれば消費を抑制すること位、最初から分かっていたからなのです。
何故、そもそも3党合意が成立したのでしょうか?
グラフをご覧ください。
公債(国債)残高と名目GDPの推移を示したものです。
過去、20年間ほど、名目GDPは500兆円前後のレベルにあり、ほぼ横ばいの状況にあります。
その一方で、公債残高は約200兆円から約800兆円と4倍に膨れ上がっているのです。
2004年度から2005年度頃までの約3年間においては、公債残高と名目GDPがほぼ同じ大きさであったことが分かると思うのですが、リーマンショックが起こった後、公債残高の伸びのスピードが上っているのです。
要するに、このような状況を放置できないという共通認識ができたからこそ、3党合意に至ったのです。何とかしなければいけない、と。
では、どうするかと言えば、消費税の増税しかないであろう、と。
改めて言いますが、消費税の存在そのものに反対する人がいることは承知しています。
では、所得税率や法人税率の引き上げに国民的合意が得られるかと言えば…それはなかなか難しいと言わざるを得ません。
そもそも所得税については、サラリーマンはほぼ確実に所得が捕捉されるのに対し、自営業者などの所得はなかなか正確に捕捉できないという問題があるからです。それに、お金持ちになると、タックスヘイブンではありませんが、様々な節税のテクニックを利用するのが当たり前みたいになり…そうなると益々正確な所得の把握が難しくなり、結局、サラ―リーマンだけが厳格に課税されることになるのです。
不公平でしょう?
法人税については、そうでなくても企業の海外移転が増えているので、増税をすると益々そうした流れを加速してしまう恐れがあります。
もちろん、だからと言って、私は手放しで消費税の増税を支持している訳ではありません。例えば相続税などは上げるべきだとの考えですが、相続税の増税に対するお金持ちの反発は余りにも大きい!
そうなると、結局、消費税の増税位しか思いつかないのです。
増税の前に、歳出の削減を行うべきだとの意見が多いのも承知しています。
しかし、これは私の持論ですが、増税をするからこそ無駄な歳出に対する国民の監視の目は厳しくなるのです。現に、増税に反対する声は多くても、給付金などの無駄としか思えない支出に国民が反対することは少ないのです。
増税をすると苦しくなるのは分かります。
しかし、増税をしないと、将来もっともっと苦しくなるのです。
消費税増税の延期については、安倍総理一人の判断に任せるのではなく、国会でも大々的な議論をした上で決めるべきだと思う方、クリックをお願い致します。
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間違わないで下さいよ、増税が好きか嫌いかという質問ではないのです。増税が嫌いなのは分かっています。そうではなく、日本の将来を考えたとき、増税は止むを得ないかどうかと聞いているのです。
如何でしょう?
そういう質問なら、増税は止むを得ないとお答えになる方も多いと思います。
しかし、消費税増税の再延期を支持するかどうか、なんて聞くものだから、だったら先延ばしした方が嬉しいとなるのです。
では、増税の先延ばしを歓迎した人に、延期期間の2年半が過ぎたら、どうすべきなのかと聞いたら、どう答えるのでしょうか?
さらに延期すべきだと答えるのでしょうか? 消費税を根っから嫌う人は、むしろ消費税など廃止してしまえと答えるかもしれません。
それはそれで、一つの選択肢だと思うのです。
では、それはそれとして…今のまま国債の発行残高が増えることに何も手を打たなくてもいいのかと聞けば、どう答えるのでしょうか?
消費税など廃止してしまえという人でも、財政について真剣に考えるのであれば、その代わり所得税や法人税を増税すべきだと答えるかもしれません。
しかし、世の中には極一部だとは思うのですが、政府の借金など全く気にすることはないと主張する人がいるのです。
この記事を今、お読みになっているあなたに聞きたいと思います。
貴方は政府の借金など気にすることはないと思いますか?
もし、そのようなお考えであれば、この先を読む必要はありません。さようなら。
でも、極一部の人が、どうして政府の借金など気にする必要はない、などというかと言えば…
(1)政府の債務は、国民の債権であり、合算して見れば、プラマイゼロ。だから、気にする必要はない、と。
(2)日本銀行は、幾らでもお札を刷ることができるので、いざとなれば、政府が日銀からお金を借りれば、幾らでも国債の償還に応じることができる、と。
(3)財政の健全化を主張する者は、政府の借金が増えるとインフレが起きると主張するが、今は、インフレよりもデフレについて心配すべきであり、インフレが起きていない状況で政府が借金を増やしても全然問題ではない。むしろマイルドなインフレが起きるまで借金を増やす方がいい、と。
まあ、このようなことを臆面もなく主張する訳ですが…
もし、貴方が国債を保有しているならば、こんことを言われた日には、怖くて国債を保有し続けることなどできなくなるでしょう。
政府の債務は国民の債権を意味するなんて言うことは、債権をチャラにすることを仄めかしているからです。また、お札をどんどん刷ってそれで返すというのも、そうなると本当にハイパーインフレが起きる可能性があるので、結局、価値のないお札で償還してもらうのと同じこと。
結局、そうなると誰も国債を保有する人がいなくなり、政府は資金繰りが付かなくなってしまうのです。
日銀にお金を借りれば問題ない?
でも、それは事実上、財政が破綻したことと同じなのです。
政府の発行する国債を国民が保有したがらないので、政府が日銀からお金を借りれば、取り敢えず資金繰りに窮することはなさそうに見えますが、しかし、誰も国債を保有したがらないという状況では、恐らく日銀券の信用もなくなっているとしか思えないからです。
要するに、こんな主張は、全くのファンタジーにしか過ぎないのです。
となると、消費税の増税が望ましいかどうかは別として、何らかの増税か、何らかの歳出削減か、或いはまた、そうしたことの組み合わせによって財政再建を図るしかありません。
今回、再び消費税増税の延期が事実上決定されました。安倍総理は、消費税増税は需要を腰折れさせる懸念があると言っています。でも、そんなことを言うのであれば、何故自民党は、3党合意に加わったのかということになるのです。というのも、消費税を引き上げれば消費を抑制すること位、最初から分かっていたからなのです。
何故、そもそも3党合意が成立したのでしょうか?
グラフをご覧ください。
公債(国債)残高と名目GDPの推移を示したものです。
過去、20年間ほど、名目GDPは500兆円前後のレベルにあり、ほぼ横ばいの状況にあります。
その一方で、公債残高は約200兆円から約800兆円と4倍に膨れ上がっているのです。
2004年度から2005年度頃までの約3年間においては、公債残高と名目GDPがほぼ同じ大きさであったことが分かると思うのですが、リーマンショックが起こった後、公債残高の伸びのスピードが上っているのです。
要するに、このような状況を放置できないという共通認識ができたからこそ、3党合意に至ったのです。何とかしなければいけない、と。
では、どうするかと言えば、消費税の増税しかないであろう、と。
改めて言いますが、消費税の存在そのものに反対する人がいることは承知しています。
では、所得税率や法人税率の引き上げに国民的合意が得られるかと言えば…それはなかなか難しいと言わざるを得ません。
そもそも所得税については、サラリーマンはほぼ確実に所得が捕捉されるのに対し、自営業者などの所得はなかなか正確に捕捉できないという問題があるからです。それに、お金持ちになると、タックスヘイブンではありませんが、様々な節税のテクニックを利用するのが当たり前みたいになり…そうなると益々正確な所得の把握が難しくなり、結局、サラ―リーマンだけが厳格に課税されることになるのです。
不公平でしょう?
法人税については、そうでなくても企業の海外移転が増えているので、増税をすると益々そうした流れを加速してしまう恐れがあります。
もちろん、だからと言って、私は手放しで消費税の増税を支持している訳ではありません。例えば相続税などは上げるべきだとの考えですが、相続税の増税に対するお金持ちの反発は余りにも大きい!
そうなると、結局、消費税の増税位しか思いつかないのです。
増税の前に、歳出の削減を行うべきだとの意見が多いのも承知しています。
しかし、これは私の持論ですが、増税をするからこそ無駄な歳出に対する国民の監視の目は厳しくなるのです。現に、増税に反対する声は多くても、給付金などの無駄としか思えない支出に国民が反対することは少ないのです。
増税をすると苦しくなるのは分かります。
しかし、増税をしないと、将来もっともっと苦しくなるのです。
消費税増税の延期については、安倍総理一人の判断に任せるのではなく、国会でも大々的な議論をした上で決めるべきだと思う方、クリックをお願い致します。
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コメント
コメント一覧 (1)
「消費税くらいしか思いつかない」というところに引っかかりました。小笠原さんは「化石燃料の産出兼取引」を提唱されてますが、私は、現在の原油安の時代こそ、欧州各国で導入されている炭素税を大々的に(段階的に?)導入すべきと思います。現在の原油安では(他の化石燃料も類似の推移として)、化石燃料の輸入額は大体10兆円と思います。
http://agora-web.jp/archives/1371400.html
これに100%程度(あるいは相当の定額課税)をかけることにより、10兆円程度の税収が得られます。消費税増額分の2倍以上です。同時に、現在の複雑な燃料課税制度を簡略化します。
化石燃料を多く消費する産業(石炭火力など)は大変不利になるので、また福祉施設、教育機関、低所得者には、税額全体をみてバランスをとるための、ある程度の軽減はするにしても、国全体として、低炭素技術やライフスタイルに向けて大きく動き出し、その方面への投資や技術開発、地方の眠ったエネルギー源も見直されるのではないでしょうか?
また、化石燃料の輸入が減ることは、安全保障上も大きなメリットです。
適切に価格転嫁されれば、消費税と類似で広く浅く国民が負担することになりますが、低炭素化すればするほど税金は安くなる、これがミソです。
色々制度設計上の注意が必要かと思いますが、自分ではよいアイデアではないか、と自賛しております(笑)。
ご意見、ダメ出し頂ければ幸いです。