2016年もあと2週間ほどになりましたが、今のマーケットは年初の動きとは全く正反対の状況となっています。

 年明け早々のマーケットは、一挙にリスクオフの様相が強まり、世界的に株価が下落しましたが、トランプ氏が次期大統領に決定してからは、その反対に一気にリスクオンの様相が強まっているのです。

 トランプラリーとかトランプ相場とか呼ばれています。

 私としては、熱狂的陶酔相場と言いたい気持ちです。

 いずれにしても、今ドル高円安が急速に進み、それによって日本の株価も上昇しているのですが、では、何故これほどまでにドル高円安が進んでいるのでしょうか?

 私は、常日頃、日米金利差が短期的には為替相場を左右すると言っていますが…そして、最近は日経なども日米金利差が為替を左右しているというようなことをよく書くようになってますが…

 そうした説明では、どうも説得力を欠くというか、十分ではないように思われるのです。

 どういうことかと言えば、もし、日米金利差の拡大が原因でドル高円安が起きているのだとすれば、そうして日本から米国に流れていくお金は、当然のことながら金利差を狙って債券に投資されることが多いでしょうから、そうなると債券価格を押し上げる力が働くので、その結果米国の金利がいつまでも上がり続けることはないと思われるのですが、実際には、トランプ氏の勝利をきっかけとして起きている米国の長期金利の上昇は今も続いているからなのです。

 そして、その一方で、同時に株価の上昇が続いているでしょう?

 否、むしろ株価の上昇と長期金利の上昇、つまり米国債の価格の下落が同時に起きていると言っていいでしょう。

 要するに、リスクオンのイケイケドンドンのムードに乗って、景気はもっとよくなる筈だから債券ではなく株に投資した方が儲かるという読みが強くなっているのです。

 リスクオンとなれば、円キャリートレードが盛んになる訳で、そうなれば円で調達した資本を外貨に交換した上で運用する動きが強まるので、これまた円安となるのです。

 つまり、日米金利差が拡大したからドル高円安が起きているというのではなく、景気がよくなるだろうから、米国の株に投資をした方がいい、そして、そのために海外の投資家は自国通貨をドルに交換すること必要であり、また、それまで米国債に投資していた投資家は、米国債から株に乗り換えるために米国債を売却するので、米国の金利が上がっていると思われるのです。

 グラフをご覧ください。

NYダウ 2016−12
米国債利回り 2016−12


 NYダウのこの1年間の推移を示したものと米国の長期金利の推移を示したものを用意しました。

 どちらも、トランプ氏が次期大統領に決定した以降、大きな変化を示しているでしょう?

 株価の上昇と米国債の価格の下落(利回りの上昇)が同時に起きているのです。そして、それとともにドル高が起きています。

 内外金利差が拡大すれば、それによってドル高の力が働く、一般的には言えると思うのですが…今起きているのは、リスクオンのムードが強まることによってドル高円安と米国の金利の上昇、従って、内外金利が拡大していると理解すべきではないでしょうか?

 いずれにしても、では、トランプ政権がスタートしたら、本当に景気はよくなると考えていいのでしょうか?

 私は、決してそうは思いません。その理由は、これまでにも述べてきたので本日繰り返すことはしませんが、勝てば官軍、或いは、jump on the bandwagon、つまり勝ち馬に乗る、という気分が強まっているだけではないのでしょうか?

 理窟はともなく、トランプ氏は大型減税やインフラ投資を実行すると言っているので、他の都合の悪いことには目を向けることなく、景気はよくなる筈だ、よくなるに違いないと思っているだけだ、と。

 でも、思ったほど景気が良くならなかったらどうするのでしょう?

 こうして世界的にリスクオンの様相が強まり、ドル高が急速に進むと、中国はなお一層人民元の低下を防ぐために人民元の買い介入をすることになるでしょう。そうなると否が応でも手持ちの米国債を売却することになり、そうなると益々米国債の価格が低下し…つまり、米国の金利が上昇して米ドルが強くなる、と。

 で、そうして米ドルが強くなると同時に人民元の価値がさらに低下するので、またまた人民元を買い支える必要が出てくる訳です。

 






 減税や公共投資をしたからと言って、本当に米国の潜在成長力が高まる訳ではないので、いずれ現実に気が付いてマーケットは反転するのではないかと思う方、クリックをお願い致します。
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