年の瀬が迫ってきたので、今年の経済10大ニュースを発表したいと思います。

2016年経済10大ニュース

 1.マイナス金利の導入
 2.下げて上がった株価
 3.トランプ氏が次期米大統領に
 4.リフレ政策失敗
 5.英国のEU離脱決定
 6.中国の資本流出
 7.アルファ碁がプロに勝利
 8.有効求人倍率がバブル期並みに
 9.FRBが金利引き上げ
 10.パナマ文書


 
 第1位は、マイナス金利の導入です。

 日本銀行は、1月29日、突然マイナス金利を導入しました。

 導入が決定されたマイナス金利は、市中銀行が日銀に預ける日銀当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を課すというものと説明されることが多かったのですが、一般の方には、それでどうして長期金利(10年物国債の利回り)がマイナスにならなければならないのか理解ができないのです。

 そうでしょう?

 だから、それは表面的な説明というべきで、本当のところは、日銀がそれまで以上に高値で国債を買い上げることを意味していると言った方がいいのです。日銀が本来の相場より高く国債を買い上げるので、利回りがマイナスになるからです。

 それにしても、何故マイナス金利など導入する必要があったのでしょうか?

 甘利大臣の辞任と、世界的に株価が下落していた頃だったので、黒田総裁としては何か打ち出す必要があったというだけのことではなかったのでしょうか?

 つまり、マイナス金利になると、円安になり、そうなると株価にいい影響があるのではないか、と。

 しかし、実際には、マイナス金利を導入したにも関わらずむしろ円高になってしまったのです。それに、融資が伸びる効果も殆どなく、また、その後、民間金融機関からの批判が高まったりもしたのです。

 第2位は、下げて上がった株価です。

 NYダウは、昨年の今頃、17500ドル近辺だったのが、年明け早々急落し、一時は16000ドルを切っていたのが、ご承知のとおりトランプ氏の大統領選勝利後は、トランプ熱狂陶酔相場と呼んでいいくらいに上げており、直近ではほぼ2万ドルとなっているのです。

 日経平均も似たような動きであり、昨年の今頃の水準である19000円にまで戻していますが、NYダウほどの上昇にはなっていません。

 それにですね…大切なことを言っておけば、日本の場合、年間の投資家別の売買状況を見ると、海外と個人は大幅な売り越しとなっていることを見逃してはいけません。

 日本株が上がる場合、外国人の買い越しとなっていることが多いのですが、今年はそうではないのです。では、どこが買い越しになっているかと言えば、最大の買い越しは日銀なのです。

 つまり、日本の株高は作られた株高と呼んだ方がいいのです。

 第3位は、トランプ氏が次期大統領に、です。

 今説明したように、トランプ氏が大統領選に勝利した後、予想に反したマーケットの展開になっていると思います。つまり、余りにも楽観的な展開と言っていいでしょう。

 では、何故そうなるのかと言えば、予想される大型減税とインフラ投資によって景気が良くなる筈だ、と。しかし、その一方で、トランプ氏は、例えば中国製品に45%の関税をかけるなんてことを言い続けているのですから、保護主義が台頭して世界経済がシュリンクしてしまうことが懸念されるのです。

 いずれにしても、トランプ氏の大統領就任後、実際にどのような経済運営となるのかが大変注目されます。

 第4位は、リフレ政策の失敗です。

 最近1年間の我が国のインフレ率(生鮮食品を除く総合)をみると、前年同月比でプラスとなったのは2回、ゼロ%が1回、ということで残りの9回はマイナスになっています。しかも、最近では、7月、8月、9月と3か月連続でマイナス0.5%、そして、10月もマイナス0.4%となってしまっています。

 これで、どうしてアベノミクスのリフレ政策が成功したなどと言えるでしょうか?

 というよりも、失敗と断じるより他ありません。

 それに、安倍総理が師と仰いでいた浜田参与自身が、失敗宣言をしているのです。

 「私がかつて『デフレは(通貨供給量の少なさに起因する)マネタリーな現象だ』と主張していたのは事実で、学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない」

 厳密に言えば、失敗だったとか、間違っていたとは言っていないのですが、学者として言っていた
考えが変わったというのですから、これは敗北宣言と同じなのです。

 日銀自身も、総括的検証とやらを行った上で、政策目標を量から再び金利に戻すようなことをしているのです。

 第5位は、英国のEU離脱決定です。

 英国が6月に行った国民投票の結果、まさかという事態になってしまったのですよね、英国の首相が交代するというおまけつきで。

 いずれにしても、英国のEU離脱は間違った判断だなんて声が世間では多いのですが…でも、民主的な手続きを経て国民の判断を確かめた結果がそうなったのですから、誰も文句のつけようがないと思うのですが、如何でしょうか?

 それに、そもそも英国はEUに属しながらも、ユーロは使用せずポンドは維持していた訳ですから、微妙は立場にあったのです。

 つまり、いいとこどり。

 第6位は、中国の資本流出です。

 昨年の今頃、2016年に65兆円ほどの資本流出に見舞われると予測されていた中国ですが、どうやらそのとおりというか、それ以上の資本流出に見舞われているようなのです。

 何故資本流出が起きるかと言えば、今後さらに価値が下がると思われる人民元で富を保持しようとすれば、損失が発生してしまうからなのです。だから、ドルなどに交換しておきたい、と。そして、そのような動きが強まるからこそ、なおさら人民元の価値が下がってしまうのです。

 しかし、そうした事態を見逃す訳にもいかないということで、中国当局は人民元の買い支えを行なっている訳ですが、そのための資金を外貨準備を取り崩すことによって調達しているものだから、かつては4兆ドルほどあった外貨準備高は今や3兆ドルほどにまで減少してしまっているのです。

 トランプ氏は、中国が人民元の価値を不当に引き下げていると主張していますが、この2年間ほどは逆のことを中国は行っているのです。

 第7位は、アルファ碁がプロに勝利、です。

 囲碁ソフトがプロに勝つのは、もう少し先のことと思われていたのに、一気に強いソフトが現れ、プロを負かしてしまいました。

 まあ、これだけのことであれば、特に経済ニュースとして取り上げる必要もないのですが、このことをきっかけに人工知能(AI、artificial intelligence)の経済活動への応用がさらに注目されることになった年でもあったのです。

 新聞の記事を書くことだってAIでできると言われていますし、金融政策の決定にしても、むしろAIにやらせた方が、賢明な判断ができるかも知れないのです。

 余談ですが、アルファ碁以外でも、強いソフトが現れました。

 市販もされているZenというソフトですが、つい最近、趙治勲がそのZenと3番勝負をし、第2局で負けたものの、2勝したものだから大喜び。試合後、スナックに知人を呼んでカラオケを楽しんだのだとか。

 第8位は、有効求人倍率がバブル期並みに、です。

 改めて今年を振り返ってみると、安倍総理が外交面で積極的に動き回った年でした。

 伊勢志摩サミットが開催されたことを覚えていますか?

 ひょっとしたら、そんなことあったのと言う人がいるかもしれませんが…サミットの前に世界の経済学者を呼んでヒアリングをしたことがあったでしょう?

 消費税増税は先送り、そして、財政出動を提言させたいという思惑が見え見えの…

 そうなのです。今年、安倍総理は消費税増税を見送ったのです。

 「お約束とは異なる新しい判断」だとか言って。そして、サミットでは、リーマンショック前と状況が似ているから、先進国が一緒になって財政出動をしようと呼びかけたりしたのですが…

 余り反応は良くなかったようです。

 だって、ドイツのショイブレ財務相には、財政出動は、「藁を燃やすようなもので効果はすぐになくなる」なんて言われたりもしたからです。

 で、そうなると、安倍総理は自分は「リーマン前に似ている」なんて言っていないと言い出したのでしたよね。そして、それを世耕官房副長官が、自分の記者に対する説明がまずかったなんて言って、幕を引こうとしたのです。

 いずれにしても、安倍総理自身が「現在、有効求人倍率は24年ぶりの高い水準となっています。それも、都会だけの現象ではありません。就業地別で見れば、北海道から沖縄まで47の都道府県全て1倍を超えました。これは史上初めての出来事であります」なんて言うほどの状況でありながら、財政出動を主張していたのです。

 おかしいでしょ?

 失業対策のための財政出動を、人手不足の状況で行えと言う訳ですから。

  その後も有効求人倍率は上がり続け、直近の10月の水準は、バブル期の1991年8月に記録した1.40倍と同じになっているのです。

 第9位は、FRBが金利引き上げ、です。

 マーケット関係者からすれば、この出来事はもっと上位にランクしてもいいと思うかもしれませんが、随分時期が先送りされたものの、ほぼ予想通りのことであり、9位にしました。

 トランプ効果にこの米国の利上げが重なり、ドル高が出現しているという訳なのです。

 因みに、トランプ氏の勝利後、米国の長期金利が先んじて急上昇していることも見逃すことはできません。

 第10位は、パナマ文書です。

 もう記憶から薄れようとしていますが、今年は、節税というか脱税というか、お金持ちの税金対策の行為が関心を集めた年と言っていいでしょう。


 以上で、経済10大ニュースの発表を終わります。


 他にもこんなことがあったよという方は、コメントをお願いします。




 どう考えても、安倍総理と黒田総裁のリフレ政策は失敗したとしか思えないという方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓
 人気blogランキングへ



にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村