我が国では余り報じていないようですが…米国ではまた株価が1000ドル以上も下落して微妙な感じになってきています。

 トランプ大統領の発言があったにも拘わらず…というよりも、それを嘲笑うかのように株価は下げてしまったのです。

 では、何故米国の株価は下げ続けるのか?

 その理由を探るには、そもそも何故最近になって株価上昇のペースが速くなっていたかを考える必要があります。

 巷間言われる理由としては、米国で法人税の大幅減税が決定されたことがあるとされています。

 確かに、法人税が大幅に引き下げられれば、その分企業の利益は増える訳で株価が上がるのは当然だとも言える訳ですが…

 しかし、そうして大規模な減税や、同時に大規模な公共投資が行われるならば、歳入不足が拡大し…つまり、国債の増発が必要となり、金利が上がりやすくなってしまう、と。

 そして、金利が上昇すれば、株式投資のコストが嵩むことになり、また、経済活動にブレーキをかけることにもなりかねず、株価に下押し圧力をかける、と。

 グラフをご覧ください。

米長期金利2018年2月

 
 昨年12月以降の金利動向を示しています。

 確かに長期金利が急に上昇していることがよく分かります。

 但し、通常の国債の利回りから物価連動国債の利回り(実質利回り)を差し引いて算出されるブレークイーブン・インフレ率をみると、ここにきて上がり方が鈍くなっているようにも見えるのです。

 つまり、インフレ率が上がるとの見方は引き続きあるものの…今のところ、それが際限なく上がるとは見ていないということなのです。

 マーケットは、予想インフレ率に反応するというよりも名目金利に反応している、と。

 米国の公共放送のnprも、次のように報じています。

 The "sell-off has now corrected prices back to the level that preceded the passage of the tax bill" in December, said David Kotok, chairman of Cumberland Advisors. Enthusiasm about a corporate tax cut had helped drive the stock market to record levels.

 「今回の売りは、12月の減税法案通過以前のレベルにまで価格を戻したと、カンバーランド顧問のコタック会長は述べた。法人税減税に対する熱狂が株価を記録的な水準にまで押し上げるのに一役買っていた」

 Several factors are contributing to the return of neck-wrenching volatility this week after years of absence in the market. In fact, investors had devised very profitable investment products that allowed them to bet that volatility would remain low. Those bets against market volatility blew up on Monday.
 
 「マーケットでは何年間も見られなかった首を絞めるような乱高下が今週起きたが、それには幾つかの要因が関わっている。事実、投資家はボラタリティが低くあり続けることで儲かる仕組みの投資商品を考案していた。そうした賭けが今週の月曜日に弾けたのだ」

 As investors in those products ran for the exits and starting selling stocks to cover their bets, they triggered a cascade of automated selling. Kotok says it's not clear but the sell-off of those positions may still be fueling the current market downdraft.

 「そうした投資商品を買っていた投資家たちは、損失を埋めるために株を売り始めたので、それが自動売却の引金を引くこととなった。コタック氏は、確かなことは分からないが、そうした売りがさらに株価を引き下げるかもしれないと言う」
 
 Worries about future inflation and rising interest rates also weighed on the market again Thursday. Investors are concerned that growing budget deficits caused by the big tax cut and the pending congressional budget deal are pushing rates up.

 「今後のインフレと長期金利上昇の懸念も、木曜日に再び懸念材料として圧し掛かった。投資家は、大規模な減税とペンディングになっている議会の予算取引よって引き起こされる歳入不足によって金利が押し上げられることを懸念している」

 The Congressional Budget Office says the two-year budget deal will add $320 billion of spending. Investors worry stimulus from the tax cuts and the added government spending will overheat an already strong economy, pushing up wages and prices and sparking inflation. That would create a negative environment for stocks.

 「議会予算局は、2年間の予算取引で支出が新たに3200億ドル増えると言う。投資家は、減税と政府支出の追加によって既に好調な経済を過熱させ、賃金と物価を引き上げることによってインフレを引き起こすことを懸念している。そうなれば株投資にとってはマイナスの状況となる」


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