先ず、次の日経の記事をご覧ください。(2019年3月15日付)

 「金融庁は地方銀行に対する監督指針を見直す。足元の自己資本比率に軸足を置いてきた健全性の目安を将来の収益力を重視したものに広げる。今夏にも存続可能性の一斉点検に着手し、本業が赤字で低収益体質の銀行には店舗・人員配置の見直しや配当の抑制など早期の対策を求める。改善がなければ経営責任の明確化を含む業務改善命令の発動も視野に対応を迫る。

人口減少や超低金利で地域金融機関の収益環境が厳しくなっており、景気…」

 バブル崩壊以降、金融行政は明らかに迷走しているとしか思えません。

 一言で言えば、バカじゃないのか、と。

 もとい、冷静になってもう一度記事を読んでみましょう。

 金融庁が監督指針を見直す、と。

 従来は、自己資本比率を重視していた、と。

 つまり、不良債権が発生しても、自己資本が充実していれば破綻を回避できるから、常日頃、自己資本の充実に励みなさい、そして不良債権が発生しそうであれば、早めに償却などの措置を取りなさいとしていた訳ですが…

 今度は、収益力を重視する、と。

 収益力を重視すると敢えて言うということは、如何に今、銀行の経営が難しいかを物語っています。

 つまり利鞘が確保できず、赤字となっている銀行が多数存在している、と。

 金融庁は、これでは遺憾と思ったということでしょう。

 そういえば、先日、ベタ記事でしたが、スルガ銀行では多額の預金流出が起きているという記事に気が付きました。

 今、確認したら、18年12月末時点の預金残高は3兆2286億円で、1年前に比べて8437億円減っているのだ、と。

 でも、日経の報じ方におかしさを感じます。(2019年2月14日付)

 スルガ銀行の預金流出額が減っている。同行が14日発表した2018年4〜12月期決算で、10〜12月期の減少額は1872億円だった。同年7〜9月期の4556億円減に比べ半分以下になった。預金減に歯止めがかかりつつあるとみられる。スルガ銀では不適切融資問題を機に預金の流出が進んでいた。

18年12月末時点の預金残高は3兆2286億円で、17年12月末に比べて8437億円減った。10〜12月の預金減は10月の金融庁による行政処分と、11月のシェアハウス向けの多額の貸倒引当金計上を預金者が不安視したのが主因だったという。18年4〜12月期の本業のもうけを示す実質業務純益は前年同期比17%減の428億円となった。

 預金流出は止まっていないものの、最悪期を脱したかのような言い振りなのです。


 同じ2月14日に、ロイターも報じています。

 スルガ銀行(8358.T)が14日発表した2018年4―12月の連結決算は、961億6500万円の最終赤字となった。10―12月期は単体ベースで最終黒字に浮上したが、4―9月期にシェアハウス関連融資で貸倒引当金を大幅に積み増したことが響いた。19年3月期の通期予想は975億円の赤字を据え置いた。

 18年4―12月の経常収益は前年同期比7.2%減の1090億4600万円。貸出金利息や資金運用収益が減少した。実質与信費用は1281億円と、9月末比で85億円増。投資用不動産向けローンやスルガ銀の創業家のファミリー企業への融資で特に増えた。

 預金は流出が続いた。12月末の預金残高は3兆2286億円と9月末比1872億円減少した。

一方、12月末の自己資本は2236億円。自己資本比率は9.05%で、9月末の8.65%から上昇した
 

 2018年4-12月期の決算は961億円の赤字なのですって。

 で、その一方で、12月末の自己資本比率を見ると、9.05%で、9月末の8.65%から上昇したとあります。

 自己資本比率8%というのは、国際的に活動することが保障される安心していいレベルだと言われてきました。

 しかし、この9.05%という数字は本当なのか?

 961億円もの赤字を出しておいて、その一方で自己資本が高くなるなんて、信じられません。

 本当は不良資産としてカウントすべきものを正常資産としてカウントするというインチキをやっているのではないでしょうか?

 何故ならば、スルガ銀行の預金流出を食い止めるべく、金融庁は禁じ手とでもいうべき預金支援を同業者の地方銀行に求めていた位ですから。

 日経の記事です。(2019年1月14日付)
 「スルガ銀行に預金してくれないか。500億円は欲しい」。2018年秋、地方銀行を所管する金融庁の銀行第2課は主な地銀に預金協力を打診した。ある地銀幹部は「20年前の奉加帳方式が復活したのか」と驚いた。

 会社員らを対象にした投資用不動産向け融資を拡大し、高収益を誇ったスルガ銀行。弁護士らでつくる第三者委員会は18年9月7日に投資用不動産への融資に絡んで、組織的な審査書類の改ざんなど不正融資の実態を…


 いいでしょうか?

 金融庁の銀行第2課が、同業者の地方銀行に恥ずかしげもなく預金協力をお願いしているのです。

 でも、その際、暗黙のうちに金融庁は、スルガ銀行が潰れることはないと保証した筈。

 保証しなければ誰も預金協力などできません。しかし、潰れる筈がないと口でいってもなかなか信じてもらえないから自己資本比率はこんなに高いと鉛筆を舐めた可能性がある、と。

 いずれにしても、スルガ銀行を始めとする経営が悪化している銀行に対して、もっと儲けろ、儲けるために知恵を出せという金融庁って、バカじゃないのでしょうか?

 銀行は株式会社。株式会社の目的は利益を出すこと。だから、役所から言われるまでもなく、儲けを出すことに力を注いでいるのは当然のこと。

 そして、つい数年前まで金融庁が優等生だと認めてきたのがスルガ銀行だったのです。

 でしょう?

 しかし、その儲け方の手口がインチキだった、と。だから儲かっていたように見えて少しも儲かってはいなかった、と。

 金融庁は業務改善命令を出すと言いますが、どのような答えを期待しているのでしょう?

 かつてのスルガ銀行を見習えとでも言うのでしょうか?

 それに業務改善命令を出しただけで銀行の収益が改善するくらいなら、安倍政権にも業務改善命令を出して、経済成長率を上げるように要求しろと言いたい。

 でも、そんなことはできないのです。

 国の経済成長率が伸び悩んでいるのにはそれなりの理由がある。一番大きな理由は少子高齢化。それに失敗した経営者がなかなか交替せず新陳代謝が進まないことも大きな理由です。そして、新陳代謝が進まないのは、ゼロ金利政策などでいつまでもゾンビ企業が市場から退出しないことが大きいのです。

 今、銀行が儲からない最大の理由は、安倍政権がゼロ金利やマイナス金利政策を続けていることは誰もが認めるところです。

 儲かる訳ないではないですか。

 そのうえ、地方銀行には金融庁や財務省のOBが沢山天下っているでしょう?

 元役人に商売をさせても、そう簡単に行くものではないのです。

 でしょう?

 金融庁は解体すべきはないのでしょうか?

 その位のことを言いたい!


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