マイナス金利は経済を冷やすのか?

 日経が報じています。

 中央銀行が経済を刺激するために政策金利を0%未満にする「マイナス金利政策」に世界の有力な学者やエコノミストが疑問を投げかけている。導入した欧州と日本で経済の回復が弱いうえに、金融緩和として物価を上げる効果すら疑う説が出てきたためだ。世界経済の減速を前に、市場関係者の関心は金融緩和に向かっている。しかしマイナス金利の評価が割れたままでは、緩和政策の展開は一段と難しくなる。

 マイナス金利は銀行の貸し…


 私は、相当以前から、少なくても15年以上前から、超低金利政策が経済の成長にとって好ましいものではないと主張続けてきました。

 超低金利でさえ好ましくないのですから、マイナス金利ならなおさらです。

 では、何故マイナス金利は経済成長にとって好ましくないかと言えば…

 というよりも、金利を上げ下げすることによる効果は、一時的に経済成長率を抑制したり促進したりするだけであって、長期的には何ら影響がないというのがオーソドックスな考え方であるからです。

 しかし、それにも拘わらず、もう20年間ほども日銀は超低金利(ゼロ金利、マイナス金利を含む)政策を取り続けている訳ですよね?

 まあ、中央銀行の役割は、基本的には金利の上げ下げによって景気を調整することにある訳ですから、そうした金融政策が必要ないとは言いづらい立場にあるのは分かります。

 それに、経済成長の理論を学んだことのない者や政治家の多くは、金利を引き下げさえすれば、或いは財政出動をしさえすれば、経済成長率を引き上げることができると勘違いしていますので。

 いずれにしても、何故マイナス金利が導入されたかと言えば…

 ゼロ金利でも効果が殆どみられなかったからと言っていいでしょう。

 但し、誤解のないようにしてもらいたいのは、ゼロ金利やマイナス金利は株価の下支えには大変効果があると言っていいでしょう。つまり、株価のバブルを起こすことはできる、と。

 しかし、そうやって株価はインフレになっても、一般のモノやサービスの価格、つまり物価を押し上げることは難しい、と。

 確かに、金利が低いと、或いはゼロ、マイナスだとお金を借りる立場の人や企業は助かる。それはそのとおり。ですが、逆にお金を預ける預金者、そして、預金を集めて企業にお金を貸す金融機関からすれば、金利収入が大きく減少するということで大変苦しい立場に置かれるのです。

 ただ、物価が低下を続けている場合には、実質金利で考えると、お金を借りる立場の人が思ったほど得になることもないし、逆にお金を預ける、或いは貸す立場の預金者や金融機関がそれほど損を被る訳ではないのもそのとおり。

 しかし、最近の状況を冷静に考えてみると…

 物価は既に低下することはなくなっており、目標値の2%には届かないもののインフレ率はプラスを保っている訳です。


 いいでしょうか? これが物価が大きく低下を続けているならば、ゼロ金利やマイナス金利でもいいかも
しれません。しかし、そうではなく、物価が上がるなかでマイナス金利政策を取れば、お金を借りる立場の者を必要以上に保護し、逆にお金を貸す金融機関や預金者を必要以上に苛める結果になってしまうのです。

 これがもう少し金利が上がれば、預金者はその利子収入によって消費を活性化することがあり得ます。

 そして、また、金利がもう少し上がれば、ある程度の貸し倒れリスクもカバーできるので金融機関も融資に乗り出しやすくなるのですが…そもそも国内経済に力強さがないなかで、ほぼゼロに近い金利でお金を貸すということは、想定される貸し倒れリスクをカバーすることができず、金融機関の仲介機能が大きく損なわれてしまうのです。

 つまり、日銀が金利を下げれば下げるほど、金融機関は融資がしにくくなる状況に追い込まれるだけなのです。

 昨日、金融庁の政策を批判しましたが、金融庁が問題にすべきは金融機関の経営方法ではなく、日銀の金融政策の内容なのです。

 これでどうやって金融機関が利益を出せると言うのか、と。


 しかし、繰り返しになりますが…ゼロ金利やマイナス金利を続けることで株価を支えているために、安倍政権はもはやそれを止めることができなくなっているのです。

 本当に何をやっているのか、と。

 

 安倍総理と黒田総裁はとっとと辞めろと思う方、クリックをお願い致します。
 ↓↓↓