先ず、産経の記事をご覧ください。

 財務省は3日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)分科会を開き、令和2年度予算編成に対する建議(意見書)取りまとめに向け議論を始めた。麻生太郎財務相は「自分は79歳でバリバリ元気に働き税金も払っている。時代が大きく変わり、発想を変えなければならない」と発言。働いて収入がある60歳以上の年金を減額する「在職老齢年金制度」を含めた制度改革の必要性を強調した。

 建議は11月をめどに取りまとめる。分科会後半の自由討議に出席した麻生氏は冒頭、「令和最初の予算編成も経済再生と財政健全化の両立をはかる」とあいさつ。「新しい時代にふさわしい質の高い予算を作っていく」と話した。
 中長期的にも、経済、社会の構造改革を進めると同時に、7(2025)年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化などの財政健全化目標に向けた取り組みを「しっかり進めていく」と述べた。
 委員からは、「『全世代型社会保障』を検討する会議が立ち上がったが、世代間の格差是正などを議論してほしい」「在職老齢年金の仕組みを見直し、高齢者が働いても年金を受給できる制度にするべきだ」といった意見が出た。

 これだけでは、なんのことか分からないという人が多いかもしれませんね。 


 次、日経の記事です。

 厚生労働省は働く高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度を見直す。今は65歳以上で47万円を超える月収がある人は年金が減るが、月収を62万円に引き上げて対象者を減らす案を軸に議論する。60歳を超えても働く高齢者が増える中、年金が減る仕組みは就業意欲をそぐとの批判がある。見直しにより、働く高齢者を後押しする。
 
  

 在職老齢年金という言葉が出てきます。

 在職老齢年金とは…

 老齢厚生年金を受給しながら厚生年金に加入中の人が受け取る年金のこと。

  年金額と月給・賞与に応じて年金額は減額され、場合によっては全額支給停止になることもある。


 本日のテーマはちょっと難解。
 
 何回聞いても分からない、と。

 4か月ほど前の日経の記事を読むと、少し理解が進みそうです。

 政府が検討している在職老齢年金制度の見直しが年金改革の焦点になりそうだ。働いて一定の収入がある場合に年金を減らす同制度は、高齢者の働く意欲をそいでいるとの批判が強い。制度を廃止するなら年金財政は1兆円の支出増が見込まれるが、財源の手当てはついていない一方、65〜69歳の就労を促す効果は必ずしも大きくないとの見方もある。制度改革への道筋は険しそうだ。

(中略)

 在職老齢年金は、会社員が加入する厚生年金をもらいながら働く人が対象だ。国は保険料を負担する現役世代に配慮し、高齢者が受け取っている給与と年金の合計額が一定の水準を超えると、年金を減額したり、全額を支給停止したりする

 現行制度は複雑だ。60〜64歳の場合、まず賃金と年金の合計が月28万円を超えると、超過分の半額を年金から差し引く。さらに賃金が47万円を超えている場合は、上回った分だけ年金をカットするなど、年金と賃金の水準で仕組みが変わる。

 例えば年金額が月18万円の60〜64歳の高齢者が月30万円の賃金で働く場合、もらえる年金は10万円減額され、8万円となる。一方、65歳以上なら月47万円を基準に超過分の半額を減らす。

 60〜64歳の制度は厚生年金の支給開始年齢が完全に65歳まで引き上げられた段階で対象者がいなくなる。男性は2025年度、女性は30年度だ。与党内には30年度より前に60〜64歳の年金減額の仕組みを見直すべきだとの意見がある。将来はすべての制度を廃止するよう求める声もある。

だが年金制度を所管すする厚生労働省幹部は「見直しは簡単ではない」と話す。理由の一つが就労促進効果が乏しいとの指摘があることだ。特に、65歳以上の制度で年金減額の対象になるほど稼いでいる人は、企業経営者などごくわずかだ。

 内閣府が18年にまとめた調査では60〜64歳では働く意欲を損なっている傾向があったものの、65〜69歳では就業への影響はほとんどみられなかった。65歳以上の制度の廃止や縮小を議論すれば、富裕層を優遇しているとの批判も出かねない。

 もう一つの理由は財源だ。現行制度で支給が減らされている年金額は年1兆円を上回る。制度廃止に伴う財源の手当てはこれからで、そのまま制度をなくせばいまの高齢世代が受け取る年金が増え、将来世代にツケが回る。財務省は制度を見直す場合、高所得の高齢者に給付する基礎年金の一部を停止する制度や、年金課税の強化を併せて検討するよう求めている。

 政府として骨太の方針に盛り込む以上、厚労省は対策を検討する必要があるが、20年をめどに国会への提出をめざす年金改革の関連法案でどれだけ具体策に踏み込めるかはまだ見通せない。



 少し、分かってきましたか?

 背景には、人手不足の問題があるようですね。

 産業界は人手不足を補うために海外から労働者を受け入れるだけではなく、高齢者にも働き続けてもらいたい、と。

 その一方で、現行の在職老齢年金の制度があると、年金支給額が減額されるなどして働く意欲を失わせるから、その制度を撤廃して欲しい、と。

 しかし、年金支給額の減額を止めると、益々年金財政が苦しくなるだけではなく、高齢世代が利益を得る反面、将来世代は不利になる、と。


 ところで、在職老齢年金についてネットで検索していくと、在職老齢年金には「悪名高い」という修飾語が付せられることが多いのに気が付きます。

 その主張の根拠はと言えば…同じように年金保険料を払い続けた同僚の二人が、一方は無職となり、他方が働き続けている場合、働き続けている者の年金が強制的に減らされるのはおかしい、と。

 しかし、同じ額の年金保険料を納めたのに受け取ることのできる年金の額が違うからと言っても、だったら、年金を受け取る前に死んでしまった人は、もっと気の毒だということになりますよね。

 でも、これだけ年金制度の維持が難しくなっているのですから、多少年金の支給額が削られても止むを得ないと考えることができないのでしょうか?
 
 麻生大臣が「自分は79歳でバリバリ元気に働き税金も払っている。時代が大きく変わり、発想を変えなければならない」と言っていますが…

 制度を変えて、俺は年金を満額もらうんだと言いたいのでしょうね。





 麻生大臣だけではなく、高齢で働いているとはいっても、仕事らしい仕事はせず単に組織に居座っているだけの
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