台風で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。

 それにしても大変広域に渡って河川の氾濫が起こりましたね。

 気候変動で、台風は大型化するのみ。


 ところで、本日は、自社株買いについてご紹介します。

 株式市場の役割について述べよと言われたら、貴方はなんと答えるでしょう。

 株式市場には発行市場と流通市場があり…そして、ともに企業が事業を展開する上で必要な資金を確保するために存在している、なんて答えないでしょうか?

 でも、最近の株式市場はそうではないそうなのです。

 日経の記事をご覧ください。

 投資家の資金をのみ込むはずの株式市場が、投資家に余ったお金を返す場になっている。世界の上場企業は株式発行による調達を減らす一方、市場から株式を買い上げる自社株買いを増やしている。自社株買いから株式調達額を差し引いた「買い戻し額」は過去5年の累計で約1兆8000億ドル(約200兆円)にのぼる。流れが変わったのは2000年代に入ってから。IT企業の成長で産業構造が変わり、企業のカネ余りが鮮明になっている。

 日本経済新聞社がQUICK・ファクトセットとリフィニティブのデータをもとに、世界の株式による資金調達と自社株買いの金額を比較した。金融危機後の一時期を除き、01年以降、一貫して自社株買いの方が多い。企業が調達よりも株主にお金を返す側に回っていることになる。

 返還の勢いは年々増しており、18年は差し引き7200億ドル強の買い戻しとなった。15年からでは計約1兆8000億ドルにのぼる。

 世界の企業の自社株買い額は18年に約1兆3200億ドルと過去最高を記録した。貿易戦争の長期化で企業が投資に慎重になり、余った資金を還元に回す動きに拍車がかかる。米国の法人減税も自社株買い増加の要因だ。日本では企業統治(コーポレート・ガバナンス)改革をきっかけに自社株買いが広がる。

(中略)

 投資マネーが株式から債券へとシフトするなか、自社株買いは「最も期待される相場の下支え役」(米バンクオブアメリカ・メリルリンチのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ハートネット氏)となっている。

 一方、世界の企業による株式市場からの資金調達は14年の7900億ドルをピークに減少が続く。日本では株式による調達額は09年のピークに比べて2割減となっている。

 株式市場からの調達が減っている背景には企業の構造変化がある。IT企業が台頭し、多額の資金を必要とする工場建設などは減少している。設備投資額が頭打ちとなり、企業はカネ余りが鮮明だ。

 また株式価値の希薄化につながるという理由で増資に反対したり、手元資金の還元を求めたりする株主の声は強まっている。有力なスタートアップ企業は未公開のままファンドなどから多額の資金を調達できるようになった影響も大きい。

低迷する株式発行と対照的なのが年間2兆ドル規模と過去最高の発行ペースとなっている社債市場だ。世界的な金融緩和で、企業によってはほぼ0%の金利で社債発行が可能となった。超低コストの社債で調達したお金で自社株買いをする企業が多い。


 昨日は、トヨタが利回りゼロ%の社債を発行した話を紹介しましたが… トヨタも今年5月に3000億円を上限とする自社株買いを発表しているのだとか。

 しかし、昨日も言いましたが、トヨタの利回りゼロ%の社債発行は、日銀がそうした社債を後日高値で買い入れることが予想されているから可能なのです。

 でも、日銀が実勢価格より高値でそうした社債を買っても、最終的には額面しか償還されないので日銀が損失を被るのは明らか。

 つまり、日銀からトヨタへの富の移転が公然と行われているという訳なのです。

 まともに税金を納めていないどころか、こうして闇の補助金が支給されているのです。

 しかも、そうして調達したお金でトヨタが自社株買いをすれば、株価を高める効果がある、と。

 そして、株価が上がれば、アベノミクスが成功しているかの如く見える、と。

 で、そうなれば支持率アップにつながる、と。

 おかしいですよね?

 実力で株価が上がるのであれば文句はいいませんが…

 政府日銀が株式市場に介入するだけでなく、日銀によるそうした合理的理由のない社債の購入を通じて株価を支えようとしているのですから、いずれツケは回ってくると言えるでしょう。

 しかし、今さえよければそれでよしという安倍政権ですから、後世の人々が困るのは目に見えています。




  アベノミクスで景気が良くなっていると言いながら、マイナス金利政策を行っているのは全く理に合わないし、米国も、失業率が歴史的な低さになっているのに、連銀が債券の購入を再開したことも納得できないという方、クリックをお願い致します。
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