読者の方から、CLOについてどう思うかとご質問がありました。

 CLOは、Collateralized Loan Obligationの略で、ローン担保証券と呼ばれ、貸出債権を証券化した金融商品のことを意味します。

 で、農林中金や大手の民間銀行が最近、ドル建てのCLOを大量に保有しており、そのことに懸念を示す向きがあるのです。

 つまり、かつてのサブプライムローン問題と同じようなことが起きはしないのか、と。



 ところで、何故農林中金や大手の銀行が積極的にCLOを含むドル建て証券の投資に積極的になるのか?

 答えは、簡単ですよね。

 それは、ゼロ金利どころかマイナス金利政策を日銀が採用しているために、国内で資金運用をしていたのでは、利益を確保できないから。

 日本では、国債で運用しても、利回りはゼロとかマイナス。それに比べて米国債の場合には、概ね2%以上の利回りが確保できる、と。

 もちろんドル建てで運用することには為替リスクが伴う訳ですが…

 日本が金融緩和を転換する見込みは当面ところないだろうから、円高は起きない、と。そして、仮に為替が安定的に推移するならば、ドル建てで運用する方が遥かに魅力的だということになるのです。

 で、そうなると益々ドル建ての運用に積極的になる訳ですが…

 CLOの場合は、米国債の利回りを少なくても1%ポイントほど上回ることが普通なので、さらに儲けを殖やすことができる、と。

 但し、ここで問題なのは、果たしてCLOは投資対象として相応しい金融商品だと言えるのかということなのです。

 トリプルAの格付けがなされていたとしても、どこまでそれを信頼できるのか、と。

 そもそもイエレン前FRB議長もその関連で警鐘を鳴らし、さらに金融庁もCLO投資の実態について今年に入って調査に入ったほどですから、全く安全だとは断言できないのです。

 というよりも、かなりやばい可能性がある、と。



 いずれにしても、繰り返しになりますが、何故そうしたドル建てでの運用に積極的になるかと言えば…

 そ、れ、は、まさに黒田日銀のマイナス金利政策のせい。

 では、何故黒田日銀は、そのような異常としか言いようのない金融政策を長期間に渡って採用し続けているのか?

 最初は、マイルドなインフレを実現させることが主な目的であった筈です。

 デフレからの脱却が最優先事項だとアベシンゾウが言っていたからです。

 しかし、どれだけ時間が経過してもマイルドなインフレは起きなかった。

 そして、そのうちにこの異常な金融緩和策の目的が変わってしまった、と思うのです。

 インフレ率が目標値に届かなくても、マイナス金利政策のせいで円安が実現でき、そして、その円安のための株価を支えることができるのであれば、それならそれでいいではないか、と。

 もちろん、そのせいで国内の銀行の業績は悪化の一途を辿ったことを忘れてはいけません。

 銀行の決算が赤字になったといっても、今や誰も驚きもしません。

 本当なら、金融機関に多くのOBを送りこむ日銀としては、金融機関の経営にも配慮を払う必要があるのですが…

 アベシンゾウとクロダハルヒコは、そのようなことを考えることはなかった、と。




 ところで、この記事を今読んで下さっている方の中には、日本は以前と違って外為市場に介入することはないのだから、日本が為替操作をしているとの批判は当たらないとお思いの方がいるかもしれません。

 しかし、為替市場に直接介入するよりも、こうしてマイナス金利政策を長期間維持し続けている方がどれだけ効果があるか、と。

 もう一度言いますが…国内の金利がゼロとかマイナスになれば、否が応でも農林中金や大手の銀行の目は外国に向かわざるを得ないではないですか。

 そして、ドル建てで資金を運用するためには、手持ちの円をドルに転換する必要があり、そうなると円売りドル高の流れが強くなって円安が起きる、と。

 そういうことなのです。

 そして、いつも私が言っているように、そうして今無理やりに円安状態にして、株価高を演出しようとしても、それは問題を先送りしているだけのことで、将来そのツケが国民に回ることはほぼ間違いがないのです。



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