突然ですが、問題です。

 景気が悪いと、中央銀行は金利を下げますよね?

 そして、景気が過熱すると金利を上げる、と。

 では、その際の金利とは一体何を意味するでしょうか?

 (1)短期金利

 (2)長期金利

 (3)住宅ローン金利

 さあ、答えはどれでしょうか?


 答えは、(1)の短期金利が正解です。

 長期金利を中央銀行が操作することは本来ありません。

 ですから、米国が今回0.75%の利上げを行ったといっても、それは短期金利であって、長期金利ではないのです。正確に言うならば、短期金利というよりも、フェデラルファンドレートと言うべきですよね。日本のコールレートに相当するもので、金融機関が一晩市場から資金調達する際の金利です。

 でも、黒田日銀時代になってから、本来操作の対象になり得ない長期金利をいじくるようなことを日本はしている訳です。

 そして、それが悪名高い、無制限の指し値オペというやつですね?

 つまり、今日本では、短期金利とともに長期金利も日銀の操作の対象となっている訳ですが、そのようなことをしてくる国は、先進国では日本しかありません。

 欧米で、中央銀行が大々的に国債を購入することを行ったのは、あくまでも金融危機に対応するためであって、決して長期金利をコントロールするのが目的であった訳ではないのです。

 だから、日本でも黒田日銀体制になる前までは、長期金利は中央銀行の金利操作の対象にはなり得ない、と日銀のホームページではっきりと説明していたのです。

 では、何故短期金利だけを金利操作の対象にして、長期金利を対象から外すのか?

 それは、この場合の短期金利というのは、金融機関が日常の資金繰りを調整するためにコール市場で一晩お金を融通し合う際の金利であって、中央銀行は、そうしたコール市場での資金のやり取りに介入することは中央銀行の役割として認められるが、長期のお金のやり取りに関して介入することは中央銀行の役割として基本的に認めることができないと考えられていたからです。

 我々は、市場経済の国に生きています。

 市場経済の国では、モノやサービスの価格が、それらの需要と供給の関係によって自動的に形成されます。

 そうした価格形成に政府が介入しないから市場経済という訳です。

 ところで、金利とは、お金の貸し借りに関する需要と供給の関係から成立する訳ですが、これも市場経済の国では、市場の価格調整機能によって形成されることが当然だと考えられているのです。

 政府が長期金利形成に関与することは市場経済になじまないし、そもそもそうしたことに中央銀行が関与すること自体、中央銀行としての存在意義に矛盾するものであると考えられるのです。

 昔は、公定歩合というのがありました。

 覚えていますか?

 高齢者の方は、覚えていると思います。

 公定歩合というのは、どうしても超短期の資金繰りが付かない金融機関に日銀が資金繰りを支援してやる制度で、罰則金利の意味を有していたのです。

 それが、金利の自由化の流れのなかで、日銀の金利操作の対象が、今の政策金利(無担保コール翌日物の金利)に変わったのです。

 それが、繰り返しになりますが、日銀が今や長期金利(10年物国債の金利)まで操作をしている、と。

 でも、日銀が国債市場に介入して、10年物国債の金利をコントロールするということは、本来自由である筈の市場の金利形成機能が阻害されることを意味しています。

 つまり、市場で成立している金利は、真の金利を反映したものではなない、と。

 その結果、どんなことが起きているかと言えば…

 例えば長短金利差は、以前は、
景気の先行指標とされていた訳です。

 長短金利差が拡大すれば、先行きの景気が良くなることを示し、逆に縮小すれば、先行きの景気が悪くなることを示す、と。

 景気が悪くなると予想する人が増えると、特に長期金利が下がる筈だと予想する人も増え、その結果長短金利差が縮小するからですよね?

 でも、今や、日銀が長期金利を完全にコントロールしているので、長短金利差を景気の先行指標とすることができなくなっているのです。

 さらに、今の世の中おバカな人間が増えていて、日本の国債の金利は世界一低い水準にあるから、それが日本の国債の信用度が高い証であると声高に主張する輩もいるでしょ?

 でも、本当に日本国債の信用度が高ければ、トリプルAの格付けを得て当然なのに、そうはなっていません。

 当たり前ですよね、日本の国債の金利が低いと言っても、それは日銀が大量に、しかも実勢より高値で国債を購入しているから起きている現象ですから。

 黒田とアベが日本経済をぶっ壊していると言っていい!

 1ドル=136円台になってしまいました。

 黒田日銀は、二重の意味で異常なことをやっていると認識しなければいけません。

 一つは、長期金利をコントロールするために国債を大量に購入していること。

 もう一つは、長期金利をコントロールするために、市場の実勢より高値で国債を購入していることです。

 世界の中央銀行がやっていない禁じ手を二つも犯しているのです。


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