私、若い頃は、年金のことを聞いても全然ピンとこなかったのですけどね。

 年金などどうなろうと、自分の力で稼げばいいではないか、などと何の根拠もなく思っていたものでした。

 相当に歳の差のある先輩が、自分が辞めたら幾ら年金がもらえるかを職場で計算している姿を見て失望したことがあるのも事実です。

 まあ、あの頃は、60歳になれば年金が支給されることになっていたのですよ。

 しかし、役所に入って、年金の説明を受けたことは一度もなし。

 但し、給料からは年金の保険料ががっつり引かれていましたよね。

 ああ、あれから48年の年月が経過してしまいましたが…

 年金保険料の納付が現在の60歳から65歳まで延長されるかも、なんて話になっているようです。

 東京新聞の記事を御覧下さい。

 国民年金65歳納付、効果を試算 自営業ら保険料、5年延長

 厚生労働省は16日、年金の長期的な給付水準を点検する今年の「財政検証」で、自営業者らが加入する国民年金の保険料納付期間を現行の「60歳になるまでの40年」から「65歳になるまでの45年」に延長した場合の給付の底上げ効果を試算する方針を決めた。社会保障審議会(厚労相の諮問機関)に試算項目を提案し、了承された。
 納付期間の延長で給付の原資が増え、将来受け取る年金の水準低下を緩和する狙い。厚労省は今夏に検証の結果を公表し、年末までに実施の可否を決める意向だ。制度改正の関連法案を2025年の通常国会に提出する方針。

 まあ、年金を受け取る高齢者の人口は増えるのに、年金制度を支える若年層の人口が減少している訳ですから、年金財政が苦しくなるのは当然のこと。

 だとすれば、何らかの措置を講じなければいけないのはそのとおりでしょうが…

 でも、実際に自分がその立場にいたら…即ち、年金保険料の納付期間が5年間延長されるから、なんて急に言われたら嫌になってしまいますよね?

 それに、このニュースは大事なことを報じていないのです。

 どういうことかと言えば、年金財政の計算に当たっては、今後金利がどのような水準で推移するかが重要な前提条件になるのに、それに触れていない、と。

 もしも、金利がこれから先高くなることが想定されるのであれば、年金基金の運用収益もそれに応じて増えることになりますが、逆に、金利が低いままであると運用収益も少ないままであり、どうしても若年層の負担は大きくなってしまう、と。

 そして、我が国の近年における金利水準の推移を振り返ると、日銀のゼロ金利やマイナス金利政策のせいで本来のあるべき水準よりも遥かに低い水準に金利が抑えられてきたことはご承知のとおりです。

 つまり、デフレからの脱却が先決だという理由で金利が極めて低い水準に抑えられ、その結果、そうでなくても苦しい年金財政が、さらに苦しい状態の追いやられてきたと言っていい。

 おかしいでしょ?

 私が言いたいのは、もしも年金保険料の納付を65歳まで延期するようなことを考えるのであれば、当然のことながら、日銀の金融政策、もっと言うと日本の金利水準に関しても、国民レベルで議論をしないとバランスの取れた議論になり得ないということなのです。

 でも、この記事をみても分かるとおり、今後の金利水準の動向次第で年金保険料の納付に影響がある、なんて一言も言っていません。

 報じ方がおかしいのですよ。


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