本日は、日本経済について少し考えてみたいと思います。

 日本の円の価値は、かつては1ドル=80円なんていう時代もあったのですが、最近でも1ドル=150円程度と超円安が続いていますよね?

 じゃあ、何故円安になっているかと言えば…

 そう、日本の金利が著しく低くて、日米金利差が大きいために、高い金利を生むドルに円を換えた方が得をすると考える投資家たちが多いからですよね?

 まあ、確かにそう言われれば、そういう気もしますが…

 それはそれとして、例えばインフレの激しい国と物価が安定している国の通貨の価値はどんな関係にあると思いますか?

 そんなに難しい質問ではないでしょ?

 そう、インフレ率が高ければ通貨の価値は下がる、と。そして、物価が安定していれば通貨の価値は下がりにくい、と。

 ですからね、菅さんが総理大臣をしていた頃、円高で悩まされていた訳で、せめて1ドルが95円ぐらいになってくれたら、日本企業もどうにかやっていけるんだけど…なんてことを言っていた訳ですよ。

 今から考えたら、信じられない発言ですね。

 つまり、日本は長い間デフレの状態にあるなんて言われてきましたが、物価が安定していたので、円の価値、つまり為替レートが低下することもなかった訳なのですね。

 しかし、2013年に黒田日銀が物価目標政策を採用して、異次元の緩和策をスタートされたあたりから、円の価値はどんどん低下することとなりました。

 どうしてでしょうか?

 物価の変動幅は大きく変わることはありませんでしたが、日銀が相場よりも高値で国債を購入し始めることによって、金利を無理やりゼロやマイナスにまで押し下げたために、円の価値が下がり出した訳ですよ。

 でも、物価が上がらないデフレのなかで、円の価値が一方的に下がるのは理屈に合っていません。

 そうでしょう?

 それくらい、日銀の異次元の緩和策、或いは、アベノミクスは異常であったということができる訳ですが…

 日本も遅ればせながらインフレが起きながら、それでも超低金利政策を維持しているために円の価値は益々低下。

 そんな状態が続いている訳なのですよ。

 じゃあ、円の価値はどれくらい不当に安くなっているかを知るために、ビッグマックの価格で考察してみると…

 一番ビッグマックの価格が高い国は、ドル換算でスイスだそうで、8.07ドル(1214円)。

 5位がユーロ圏で6.06ドル(912円)、6位がイギリスで5.90ドル(887円)、7位がアメリカで5.69ドル(856円)。

 じゃあ、韓国や中国はどうかといえば、韓国は3.99ドル(601円)、中国でも3.53ドル(531円)

 あれっ、日本はどこに行ったのか?

 日本は44位で、たった3.19ドル(480円)。45位がベトナムで3.01ドル(453円)。

 この計算の使われている為替相場は、7月時点の1ドル=150.46円とされていますから、仮に今1ドル=100円ならば、日本で買うビックマックの価格は4.80ドルになり、22位ぐらいにまで上昇するわけですし、仮に1ドル=80円ならば、6ドルになるので、ユーロ圏やイギリス並みの価格にまで上昇することとなります。

 でも、実際には1ドル=150円前後で推移しているので、欧米人が日本を訪れるのは、ベトナムを訪れるときのように物価が安いということになりますよね?

 でも、それだけ物価が安くて日本での観光を楽しむことができれば、円を買う外国人が増えるので、円高になってもよさそうなものですが…でも、その力よりも日米金利差の方が大きくモノを言っている、と。

 結局、円安になっている分、消費者は購買力の一部を失うことになるので、消費者が犠牲になっている訳なのですよ。その一方で、輸出企業の売り上げと儲けは膨らんで見える、と。

 これが健全な経済運営と言えるのでしょうか?

 こんな風にして、輸出企業を甘やかすから、日本の競争力が落ちている訳でしょ?

 ところで、食料品の価格が年間8%程度も上がっているなかで、預金金利が未だにほぼゼロ%だとすれば、消費者の預金の価値は8%も目減りしていることになるのですよ。

 まあ、こうした事実についてもよくよく認識すべきだと思います。

 今年の夏まで財務官をしていた神田財務官は、投機筋のせいで過剰な円安が起きているなんてぬかしておりましたが…違うんですよ。日銀がまともな金融政策を行わないから異常な円安が続いているのですよ。

  

 


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