私には信じられない話なのですが…
トランプの魅力は、移民対策と経済政策にあると考えている米国人が結構いるように思われるのですよね。
1期目のトランプ政権のときの経済は順調だったとか…
まあ、そういうことでトランプを支持するという人々が多そうなのですが、何を考えているのやら?
否、何も考えていないというか、基礎的なことが分かっていないとしか思えないのですよ。
トランプは、そもそも何故人気が出たか?
それはラストベルトの労働者たちの不満を代弁したからですよね?
つまり、中国が米国に輸出攻勢をかけて、米国の雇用を奪ってしまった、と。
今問題になっている、日鉄のUSスチール買収もそうですが、米国の製造業が衰退していく様を見るのが忍びないのですよね?
かつての栄光をもう一度、と。
では、どうするか?
そこで、高い関税を課して、海外から安い製品が米国に入ってくるのを阻止すれば、米国の製造業が元気を取り戻すであろう、と。
ちゅうことなのですよ。
中国製品には60%の関税をかけ、それ以外の国の製品には10%〜20%の関税をかける、と。
では、実際にそうした関税が課されるとどんな影響があるのか?
関税が課せられることによって多くの専門家は、輸入品の価格が上がるから、米国の消費者等が犠牲になると主張しますよね?
ところがどっこい、ぎっちょんちょん、トランプはそのようなオーソドックスな考え方をすることはありません。
否、中国製品に関税をかければ、それを負担するのは中国のメーカーであって、米国の消費者等ではない、と。
従って、関税をかければかけるほど、その税収が米国政府に入り、一方で消費者には負担がかからない、なんて言っちゃている訳ですよ。
でも、トランプの言うことが正しければ、中国製品の輸入価格が上がらない訳ですから、米国の製造業を保護することにはつながらない訳なんですよ。
そうでしょう?
関税を課した結果、中国製品の価格が上がって競争力が落ちるから、米国の製造業の保護につながるからなのですよ。
この時点で、トランプの言っていることは、全く支離滅裂!
では、価格への影響以外にどんなことが予想されるかと言えば…
米国の海外からの主な輸入品は、自動車、機械、電気機器などの工業製品なのですが、例えばスマートフォンやコンピュータ、或いは自動車の部品などがある訳ですよ。
スマートフォンと言えば、アメリカ製品だと思いがちですが…
でも、実際にはApple は中国やインドで製造しており、また、Samusung などはベトナムやインドで製造し、そうした製品が米国に輸入されているのです。
ということは、輸入されたスマートフォンの価格が上がっても、それによって米国内で生産されるスマートフォンの量が増えるとはとても思われません。
また、例えば、輸入される自動車部品などの価格が上昇すれば、米国で生産される自動車の価格が上がってしまう結果になるので、必ずしも米国のメーカーの保護につながる訳ではないのです。
さらに言えば、仮にそうやって米国の産業を保護することはできても、それは高い関税を課して国内産業を一時的に有利にするだけであり、真の意味で競争力を押し上げることはないのです。否、却ってそうした保護措置にあぐらをかいて、むしろ米国の製造業の競争力は劣化してしまうでしょう。
まあ、そうしたことを考えれば、トランプ関税が米国経済を元気にすることはあり得ないと考えるべきでしょう。
しかし、今、トランプにモノを言える者は誰もいない、と。
トランプは、今や裸の王様なのですよ。
おとなはトランプが怖いから、ただ黙っているか、ゴマを摺っているだけの話です。
トランプの関税で、世界経済が大混乱を来すのは目に見ていると思う方、クリックをお願い致します。
↓↓↓
コメント
コメント一覧 (4)
トランプが輸出攻勢で迫ってくる中国やEUに高関税をかけるという脅しは、理屈以上に感情的に許せないということであり、アメリカ国民もこういう自尊心をくすぐる発言に単純に呼応しやすい程に間抜だいうことに尽きます。
関税を上げた結果様々な弊害が生じたら・・・「選挙には不正があった」とか「フェイクニュースがどうだらこうだら」という汚いやり方で誰かのせいにしたのと同様に誰かのせいにするのは眼に見えている・・・まるで子供、否、3歳児の幼稚さ、我儘さ。かつての栄華を誇ったスチール生産も今や中国が世界を席巻し、終いには双方納得ずくで妥結した日本製鉄によるUSスチールの買収を阻止する方針も、ただ単純に自身が標榜するMASA(Make America Strong Again)という幼稚だが国民受けする「公約」に反するからという程度のバカバカしさです。しかし驚いたことに現職のバイデンまでが阻止命令を出すというところにアメリカ政治の幼稚さ、レベルの低さがあります。積み重ねた交渉の努力や働き手を抱える現場の深刻さを無視した、ただ政治家としての保身だけがちらつく「自尊心くすぐり作戦」など許されるはずがない。
大統領選もトランプかハリスかという「どちらがベスト」かという選択ではなく、「どちらを大統領にさせないか」という消去法で考えるべき段階だったのであり、それほどまでにアメリカの政治とアメリカ国民のレベルが最低であるかということです。日本の自公か野党かの論争と同じですね。
軍事、航空、コンピュータ、医療といったアメリカが抜きんでて世界をリードしている分野以外
は、やはり製品競争力が無かったからアメリカの会社は淘汰されてしまった事を素直に認めたくない
気持ちは分かります。でも、政治によって企業を助けすぎると企業は必ず努力を怠り、長期的には
企業が無くなる方向に進みます。
トランプの場合は、自分の任期中だけ経済がもってくれればそれでいい、ぐらいの感覚なのは
ないでしょうか。
しっかりと現実を認識し努力を積み重ねるという社会進歩の姿勢はどこにいってしまったのでしょうか。
せんせい! トランプより「金利」のお話御願いします
米日共に円高へ向かう状況なのかと
既に オリックスは「1%」です
せんせいの云う〜「金利のある世界」の幕開けなのかと